JP4536654B2 - 固浸レンズ及び顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、電子デバイスの故障解析や信頼性評価に用いられる電子デバイス検査方法などに用いられる固浸レンズ、及び顕微鏡に関するものである。
電子デバイス検査においては、電子デバイスを試料として顕微鏡等で観察する方法が用いられる。電子デバイス検査装置としては、従来、エミッション顕微鏡やIR−OBIRCH装置などが知られている(特開平7−190946号公報、特開平6−300824号公報参照)。しかしながら、近年、検査対象となる電子デバイスの微細化が進んでおり、可視光、赤外光、あるいは熱線を使用した従来の検査装置では、光学系での回折限界に起因する制限により、微細構造の解析が困難になってきている。
このため、このような電子デバイスの微細構造について解析を行って、電子デバイス中に形成されたトランジスタや配線などの回路パターンに発生した異常個所を検出する場合、まず、可視光、赤外光、または熱線を使用した検査装置によって異常個所が存在する範囲をある程度まで絞り込む。そして、その絞り込まれた範囲について、より高分解能な電子顕微鏡などの観察装置を用いて観察を行うことで、電子デバイスでの異常個所を検査する方法が用いられている。
上記したように、光を使用した検査を行った後に電子顕微鏡で高分解能の観察を行う方法では、検査対象となる電子デバイスの準備、設置が複雑であるなどの理由により、電子デバイスの検査に大変な手間と時間とを要するという問題がある。
一方、観察対象の画像を拡大するレンズとして、固浸レンズ(SIL:Solid Immersion Lens)が知られている。固浸レンズは、一般的には半球形状、またはワイエルストラス球と呼ばれる超半球形状のレンズとして知られる。この固浸レンズを観察対象物の表面に光学的に結合させて設置すれば、開口数NAおよび倍率をともに拡大することができ、高い空間分解能での観察が可能となる。このような固浸レンズを用いた半導体検査装置としては、たとえば特公平7−18806号公報、米国特許第6594086号明細書に記載されたものがある。また、特開2002−189000号公報にも固浸レンズについて記載がある。
特公平7−18806号公報に開示された固浸レンズは、平凸レンズ(plano−convex lens)であって、観察対象物に対する取付面(底面)が平面である。固浸レンズを用いた観察においては、固浸レンズと半導体基板との間に隙間が発生すると、臨界角以上の入射光が全反射されて、臨界角以下の入射光しか伝搬できなくなり、実効的な開口数が臨界角で制限されることになる。ところが、固浸レンズと半導体基板裏面との間の隙間が、半導体中の光の波長と同程度になると、光はエバネッセント結合により伝搬することが可能になる。
しかし、平凸レンズと半導体基板裏面と隙間には、広い対峙領域に起因して、隙間の大きな部分が存在し、このような隙間が大きな部分では、透過光強度が急激に低下して、臨界角以下の入射光しか伝搬できなくなり、実効的な開口数が制限されてしまう。このように、平凸レンズを用いた検査では、平凸レンズ底面の面精度が高精度であることが要求されるため、製造コストの増大を招来する。さらに、半導体基板に対しても、接触面の面精度が要求されるため、半導体デバイスを検査するための前処理(半導体基板の研磨)において多大な労力を要するといった問題点がある。
加えて、平凸レンズ底面および基板における接触面の面精度を高精度にできたとしても、これらを光学的に結合させる際には、空気の流動抵抗が高いため、光学的結合を得るまでに長時間を要するといった問題点もある。
そこで、特公平7−18806号公報においては、固浸レンズ本来の分解能を得る手法として、平凸レンズと観察対象物との間に高屈折率流体を介在させることにより、屈折率整合を利用するものを記載する。この手法は屈折率整合を利用するものであって、エバネッセント結合を利用するものとは異なる。高屈折率整合流体の代表的なものとして、砒素トリプロマイド/ジサルファイド/セレン化合物系が挙げられるが、砒素トリブロマイドは毒性と腐食性を有するので、取り扱いの上で問題がある。
また、米国特許第6594086号明細書に開示された固浸レンズでは、bi−convexレンズである。このレンズでは、取付面が観察対象物と点で接触する凸状であるために(point of contact)、平凸レンズに比して光学的結合性の確保に有利と考えられる。しかし、観察対象物との接触面積が非常に小さいので、観察対象となる半導体デバイスの基板が厚くなると、NAの高い光束を通すことができなくなるので、固浸レンズ本来の高解像度、高集光性を得ることができないという問題があった。
この固浸レンズと観察対象物とを広い面積で密着させるためには、固浸レンズの底面と観察対象物との間に圧力を加える必要がある。ここで、図8に示すように、レンズの曲率半径が小さくなるにつれて密着に必要な圧力が高くなる。図8では、固浸レンズの底面の径2mmまでを、観察対象物の平面部に密着させるために必要な圧力を示している。固浸レンズを用いた半導体デバイスの裏面解析においては、取り扱い時の強度も十分に考慮して半導体基板へ圧力を加えなければならない。過度の圧力を加えた場合、半導体基板表面に形成された集積回路にダメージを与えるおそれがあるからである。半導体デバイスの薄肉化という傾向を踏まえると、bi−convexレンズでは、固浸レンズ本来の分解能を得られない。
また、圧力により半導体デバイスに歪みが生じるが、この状態は、半導体デバイスの実装状態と異なるため、実装状態と同様の動作条件で検査したいという要求を満たすことができない。歪みの生じた状態では、検査本来の目的と相反する結果を招来する可能性さえある。
さらに、このレンズでは、その形状上の特性から、半導体基板との位置関係が一意に定まらないという問題がある。半導体基板の接触面に対して傾いて取り付けられた場合、固浸レンズ底面の中央部の光学的結合は得られない。これを避けるためには、固浸レンズの精密な位置制御が必要となり、装置の大型化、高コスト化を招く。
そこで、本発明の課題は、開口数の高い光束を通すことができ、さらには、観察対象物に光学的に結合させる際に、位置制御が容易な固浸レンズ、及びそれを用いた顕微鏡を提供することにある。
上記課題を解決した本発明に係る固浸レンズは、観察対象物に取り付けられ、観察対象物の観察に用いられる固浸レンズであって、観察対象物に対する取付面が、トロイダル形状に形成されているものである。
本発明に係る固浸レンズは、観察対象物に対する取付面がトロイダル形状に形成されている。具体的には、固浸レンズの底面が、光軸対象回転面でない非球面(トロイダル面)であって、その1軸(母軸)で観察対象物に光学的に結合する形状をなすものである。光学的な結合に適切な形状をなす母軸は、直線または曲率半径の大きな円弧である。他方、他軸は、光学的な結合に好適な形状をなす母軸に比して曲率半径の小さな円弧であり、固浸レンズの取付け・取外しに好都合な形状をなす。なお、本発明では、光学的な結合に適切な形状をなす母軸が直線であり、他軸が円弧である曲面、すなわちシリンドリカル形状(シリンドリカル面)をもトロイダル形状(トロイダル面)に含むものである。
このため、光学的に結合した領域は、直線または曲率半径の大きな円弧をなす母線に沿って帯状に現れるので、NAの高い光束を通すことができる。また、固浸レンズをその底面の母軸に沿って観察対象物に接触させているので、固浸レンズの位置制御が容易になる。さらには、観察後、固浸レンズに対して母線の側方からの極微弱な力により光学的結合を解除することができるので、固浸レンズの取外しに際し、観察対象物および固浸レンズを破損するおそれがない。
ここで、観察対象物における被取付面をX−Y平面と設定したときに、トロイダル形状におけるX方向の曲率半径と、X方向の曲率半径よりも大きいY方向の曲率半径との割合が、1:3〜1:∞とされている態様とすることが好ましい。
この範囲の曲率半径となるトロイダル形状とすることにより、光学的に結合した領域は、曲率半径の大きな円弧をなすY方向に沿って帯状に現れるので、NAの高い光束を通すことができる。また、固浸レンズをその底面のY方向に沿って観察対象物に接触させているので、固浸レンズの位置制御が容易になる。さらには、観察後、固浸レンズに対してY方向の側方からの極微弱な力により光学的結合を解除することができるので、固浸レンズの取外しに際し、観察対象物および固浸レンズを破損するおそれがない。
なお、トロイダル形状のX方向の曲率半径と、X方向の曲率半径よりも大きいY方向の曲率半径との割合が、1:3〜1:∞としたのは、Y方向の曲率半径がX方向の曲率半径の3倍未満では、観察対象物に密着させる際の光学的結合性が不十分になってしまうおそれがあるからである。また、トロイダル形状のX方向の曲率半径とY方向の曲率半径とが1:∞となるとき、トロイダル形状はシリンドリカル形状となる。
また、本発明による顕微鏡は、観察対象物(試料)を観察するための顕微鏡であって、観察対象物からの光が入射する対物レンズを含み、観察対象物の画像を導く光学系と、上記した固浸レンズとを備えることを特徴とする。これにより、試料を好適に観察することが可能な顕微鏡が得られる。なお、観察対象物としては、例えば電子デバイス検査を行う場合の電子デバイスが挙げられる。また、光学系及び固浸レンズに対して、光学系によって導かれた観察対象物である試料の画像を取得する画像取得手段を設けても良い。
図1A及び図1Bは、本実施形態に係る固浸レンズを半導体基板に取り付けた状態を示す(A)側面図、及び(B)裏面図である。
図2は、本実施形態に係る固浸レンズを有する半導体検査装置のブロック構成図である。
図3A及び図3Bは、固浸レンズと半導体デバイスとの密着状態を示す(A)側面図、及び(B)正面図である。
図4Aは、本実施形態に係る固浸レンズと半導体デバイスとの間の拡大断面図であり、図4Bは、従来例に係る固浸レンズと半導体デバイスとの間の拡大断面図である。
図5A及び図5Bは、半導体デバイスから固浸レンズに光が伝達される状態を示す(A)側面図、及び(B)正面図である。
図6は、実験1の実験方法の実施状態を示す側面図である。
図7は、実験2の実験方法の実施状態を示す側面図である。
図8は、固浸レンズの底面の曲率半径と、観察対象物とを密着させる際に必要な圧力との関係を示すグラフである。
図9は、従来の固浸レンズの構成及び使用条件の一例を示す図である。
図10は、従来の固浸レンズの構成及び使用条件の他の例を示す図である。
図11は、本発明による試料観察方法に用いられる固浸レンズの構成及び使用条件について示す図である。
図12は、図11に示した固浸レンズによる幾何学的収差特性及び色収差特性を評価するために用いられる仮想光学系を示す図である。
図13は、図12に示した仮想光学系を用いて評価された固浸レンズの特性を示すグラフである。
図14は、本発明による試料観察方法に用いられる固浸レンズの構成及び使用条件の他の例について示す図である。
図15は、本発明による固浸レンズ及び試料観察方法の他の実施形態を示す図である。
図16は、試料の厚さとSILの厚さとの相関の一例を示すグラフである。
図17A及び図17Bは、(A)係数kが小さい場合の光の集束、及び(B)係数kが大きい場合の光の集束について示す側面図である。
図18は、SILでの係数kの値と対物レンズで必要とされる開口数NAとの相関の一例を示すグラフである。
図19は、SIL+試料の厚さとSILでの光軸上の到達NAとの相関の一例を示すグラフである。
図20は、対物レンズの構成を示す側面断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する部分については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1A及び図1Bは、本実施形態に係る固浸レンズを半導体基板に取り付けた状態を示す図であり、図1Aは側面図、図1Bは裏面図である。
本実施形態に係る固浸レンズ1は、観察対象(検査対象)となる半導体デバイスの基板に取り付けられて用いられる。固浸レンズを用いた半導体デバイスの裏面解析においては、固浸レンズを半導体基板に光学的に結合させることにより、半導体基板自身を固浸レンズの一部として利用する。この手法によれば、対物レンズの焦点を半導体基板表面に形成された集積回路に合わせた際、固浸レンズの効果により、焦点位置が大気中より深くならないようにすることができるので、実効的な開口数の低下が抑えられ、短波長化による高分解能化が期待できる。
図1A及び図1Bに示すように、本実施形態に係る固浸レンズ1は、球状部2および本発明の取付面となる底面部3を備えている。
また、底面部3は、シリンドリカル(円筒)形状をなしている。この固浸レンズ1の底面部3は、観察対象物である半導体デバイスの基板(以下、「半導体基板」という)10の裏側表面に密着して取り付けられている、本発明の被取付面となる半導体基板10の表面は、平面状となっており、図1Bに示すように、半導体基板10の表面に対応する面にX−Y座標を設定すると、固浸レンズ1における底面部3のX方向の曲率半径とY方向の曲率半径とが、1:∞とされている。また、固浸レンズ1の底面部3と半導体基板10との光学結合領域Pは、シリンドリカル面の母線に沿って帯状に現れる。
さらに、固浸レンズ1の球状部2の形状は、収差がなくなる条件によって決められる。いま、固浸レンズ1の半径をR、屈折率をnとすると、半球状を有する固浸レンズ1は、その球心が無収差物点となり、このときに開口数NAおよび倍率はともにn倍となる。一方、超半球状を有する固浸レンズでは、球心からR/nだけ下方にずれた位置が無収差物点となり、このときに開口数NAおよび倍率はともにn倍となる。あるいは、球心と、球心からR/nだけ下方にずれた位置との間の位置を焦点とするなど、半導体デバイスSに対する具体的な観察条件等に応じて、固浸レンズ1を設置してもよい。
また、半導体デバイスの検査を行う際、本発明の固浸レンズの材料としては、半導体デバイスの基板材料と実質的に同一またはその屈折率に近い、高屈折率の材料が好適に用いられる。その例としては、Si、GaP、GaAsなどが挙げられる。なお、基板がガラスや、プラスチックからなる場合、固浸レンズ材料としては、ガラスまたはプラスチックが好適に選択される。
次に、本実施形態に係る固浸レンズを用いた半導体デバイスの検査方法とともに、本実施形態に係る固浸レンズの作用について説明する。この検査方法に用いられる半導体検査装置は、たとえばトランジスタや配線などからなる回路パターンが半導体基板上に形成された半導体デバイスを検査対象とし、半導体デバイスの画像を取得して、その内部情報を検査する検査装置である。
まず、半導体デバイスの検査方法に用いられる検査装置について説明する。図2は、本実施形態に係る固浸レンズを有する半導体検査装置のブロック構成図である。ここで、本発明による固浸レンズを用いた顕微鏡は、観察対象物である試料の観察を行う場合に一般に適用可能であるが、以下においては、主にその適用例である半導体検査装置(電子デバイス検査装置)及び検査方法について説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る半導体検査装置は、半導体デバイスSの観察を行う観察部Aと、観察部Aの各部の動作を制御する制御部Bと、半導体デバイスSの検査に必要な処理や指示などを行う解析部Cとを備えている。また、本実施形態に係る半導体検査装置による検査対象となる半導体デバイスSは、観察部Aに設けられたステージ18上に載置されている。
観察部Aは、暗箱(図示していない)内に設置された画像取得部4と、光学系5と、本実施形態に係る固浸レンズ1とを有している。画像取得部4は、たとえば光検出器や撮像装置などからなり、半導体デバイスSの画像を取得する手段である。また、画像取得部4と、ステージ18上に載置された半導体デバイスSとの間には、半導体デバイスSからの光による画像を画像取得部4へと導く光学系5が設けられている。
光学系5には、その半導体デバイスSに対向する所定位置に、半導体デバイスSからの光が入射する対物レンズ20が設けられている。半導体デバイスSから出射、あるいは反射等された光は対物レンズ20へと入射し、この対物レンズ20を含む光学系5を介して画像取得部4に到達する。そして、画像取得部4において、検査に用いられる半導体デバイスSの画像が取得される。
画像取得部4と光学系5とは、互いに光軸が一致された状態で一体に構成されている。また、これらの画像取得部4および光学系5に対し、XYZステージ15が設置されている。これにより、画像取得部4および光学系5は、X,Y方向(水平方向)およびZ方向(垂直方向)それぞれで必要に応じて移動させて、半導体デバイスSに対する位置合わせおよび焦点合わせが可能な構成となっている。
また、検査対象となる半導体デバイスSに対して、検査部16が設けられている。検査部16は、半導体デバイスSの検査を行う際に、必要に応じて、半導体デバイスSの状態制御等を行う。検査部16による半導体デバイスSの状態の制御方法は、半導体デバイスSに対して適用する具体的な検査方法によって異なるが、たとえば、半導体デバイスSに形成された回路パターンの所定部分に電圧を供給する方法、あるいは、半導体デバイスSに対してプローブ光となるレーザ光を照射する方法などが用いられる。
また、観察部Aには、さらに固浸レンズ(SIL)1が設置されている。半導体検査装置においては、この固浸レンズ1は、画像取得部4および光学系5と、ステージ18上に載置された半導体デバイスSとに対して移動可能に設置されている。具体的には、固浸レンズ1は、半導体デバイスSから対物レンズ20への光軸を含み、上記したように半導体デバイスSの表面に密着して設置される挿入位置と、光軸を外れた位置(待機位置)との間を移動可能に構成されている。
さらに、固浸レンズ1に対し、固浸レンズ(SIL)駆動部30が設けられている。固浸レンズ駆動部30は、固浸レンズ1を駆動して上記した挿入位置および待機位置の間を移動させる駆動手段である。また、固浸レンズ駆動部30は、固浸レンズ1の位置を微小に移動させることにより、光学系5の対物レンズ20に対する固浸レンズ1の挿入位置を調整する。なお、図2においては、対物レンズ20と半導体デバイスSとの間の挿入位置に設置された状態で固浸レンズ1を示している。
半導体デバイスSを検査するための観察等を行う観察部Aに対し、制御部Bおよび解析部Cが設けられている。
制御部Bは、観察制御部51と、ステージ制御部52と、固浸レンズ(SIL)制御部53とを有している。観察制御部51は、画像取得部4および検査部16の動作を制御することによって、観察部Aにおいて行われる半導体デバイスSの観察の実行や観察条件の設定などを制御する。
ステージ制御部52は、XYZステージ15の動作を制御することによって本検査装置における検査箇所となる画像取得部4および光学系5による半導体デバイスSの観察箇所の設定、あるいはその位置合わせ、焦点合わせ等を制御する。また、固浸レンズ制御部53は、固浸レンズ駆動部30の動作を制御することによって、挿入位置および待機位置の間での固浸レンズ1の移動、あるいは固浸レンズ1の挿入位置の調整等を制御する。
解析部Cは、画像解析部61と、指示部62とを有している。画像解析部61は、画像取得部4によって取得された画像に対して必要な解析処理等を行う。また、指示部62は、操作者からの入力内容や、画像解析部61による解析内容等を参照し、制御部Bを介して、観察部Aにおける半導体デバイスSの検査の実行に関する必要な指示を行う。
特に、本実施形態においては、解析部Cは、観察部Aに固浸レンズ1および固浸レンズ駆動部30が設置されていることに対応して、固浸レンズを用いた半導体デバイスSの検査に関して必要な処理および指示を行う。
すなわち、対物レンズ20と半導体デバイスSとの間に固浸レンズ1を挿入する場合、観察部Aにおいて、画像取得部4は、固浸レンズ1が挿入位置にある状態で固浸レンズ1から反射光を含む画像を取得する。また、解析部Cにおいて、画像解析部61は、画像取得部4で取得された固浸レンズ1からの反射光を含む画像について、その反射光像の重心位置を求めるなどの所定の解析を行う。そして、指示部62は、画像解析部61で解析された固浸レンズ1からの反射光を含む画像を参照し、固浸レンズ制御部53に対して、反射光像の重心位置が半導体デバイスSでの検査箇所に対して一致するように、固浸レンズ1の挿入位置の調整を指示する。
続いて、本実施形態に係る半導体デバイスの検査方法(試料観察方法)について説明する。
まず、検査対象である半導体デバイスSに対し、光軸を外れた待機位置に固浸レンズ1を設置した状態で観察を行う。ここでは、画像取得部4により、対物レンズ20を含む光学系5を介して、半導体デバイスSの観察画像である回路パターンのパターン画像を取得する。また、検査部16によって半導体デバイスSの状態を所定の状態に制御するとともに、半導体デバイスSの異常箇所を検出するための異常観察画像を取得する。
次に、画像取得部4で取得されたパターン画像および異常観察画像を用いて、半導体デバイスSに異常個所があるかどうかを調べる。異常個所がある場合にはその位置を検出するとともに、検出された異常個所を半導体検査装置による検査箇所(顕微鏡による観察箇所)として設定する。そして、設定された検査箇所が画像取得部4によって取得される画像の中央に位置するように、XYZステージ15によって画像取得部4および光学系5を移動させる。
続いて、半導体デバイスSにおける異常個所と判断された検査箇所に固浸レンズ1を設置し、半導体デバイスSと対物レンズ20との間に固浸レンズ1を挿入するが、固浸レンズ1を設置する前に、検査箇所に光学密着液を滴下し、半導体デバイスSの検査箇所を濡らす。この光学密着液は、水に両親媒性分子を含有させたものからなる。光学密着液は、両親媒性分子を含有することから、疎水性表面である半導体基板上における表面張力を低下させる。この結果、疎水性表面での濡れ性が向上し、光学密着液が半導体デバイスSの上で広がる。
ここで用いられる両親媒性分子としては、界面活性剤分子を用いるのが好適である。また、界面活性剤分子としては、イオン性界面活性剤分子および非イオン性界面活性剤分子を用いることもできる。イオン性界面活性剤としては、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれをも用いることができる。
界面活性剤は、通常、湿潤剤、浸透剤、起泡剤、消泡剤、乳化剤、帯電防止剤等として様々な用途に用いられるが、本発明では濡れ性に関わる湿潤性を有するもののほか、泡を抑える消泡性、帯電を抑える帯電防止性を有するのが好適である。帯電防止能を有する界面活性剤を使用することにより、帯電による空気の抱きこみを防止することもできる。また、消泡性を有する界面活性剤を使用することにより、光学密着液を供給する時の機械的な搬送あるいは攪拌による泡の発生を防止することができる。
また、界面活性剤の至適濃度範囲は、その界面活性剤の臨界ミセル濃度に対して、0倍より大きく400倍以下とするのが好適である。400倍より大きいと、光学密着液の粘性が上がりすぎる傾向にあり、かえって光学的な結合の妨げとなることがあるからである。また、より好ましい範囲は、その界面活性剤の臨界ミセル濃度に対して、0.5〜100倍である。0.5倍より小さいと、光学密着液の表面張力を十分に下げられない傾向にあり、100倍を超えると、光学密着液の粘性が上がりすぎる傾向にあるからである。同様の理由により、さらに好ましい範囲は、その界面活性剤の臨界ミセル濃度に対して、1倍〜10倍の濃度の範囲である。
なお、本実施形態で用いられる光学密着液は、界面活性剤分子を含有するものに限定されるものではなく、親水基(カルボキシル基、スルホ基、第4アンモニウム基、水酸基など)と疎水基(親油基ともいう。長鎖の炭化水素基など)の両方をもつ分子であってもよい。たとえば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトールなどの湿潤剤や、リン脂質、糖脂質、アミノ脂質などが挙げられる。
上記光学密着液を用いて半導体基板と固浸レンズとを光学的に結合させた状態では、半導体基板上に物理吸着した両親媒性分子の親水基と水分子との間にファンデルワールス力が働き、水分子が拘束されることで揮発が止まると考えられる。このとき、固浸レンズと半導体基板との距離は、例えば1/20λ(λ:照射波長)以下とすることができ、その結果、固浸レンズと半導体基板との光学密着、さらには物理的固着が達成される。なお、本発明にいう「光学密着」とは、半導体基板と固浸レンズとがエバネッセント結合により光学的な結合が達成される状態をいう。
また、上記光学密着液以外の光学結合材料としては、例えば特公平7−18806号公報に記載のような、固浸レンズと半導体基板とを屈折率整合させる屈折率整合流体(インデックスマッチング液など)が挙げられる。なお、屈折率整合流体と光学密着液とは異なるものであり、前者は流体の屈折率を介して高NAを実現するが、後者はエバネッセント結合を補助する役割を有するものである。ここでは、光学密着液を用いた実施形態を詳述するが、屈折率整合流体を用いた形態であっても同様の効果が得られる。ただし、その場合、必ずしも流体を乾燥させる必要がないので、乾燥気体供給手段は省略される形態もある。
半導体基板上で光学密着液が広がったら、光学密着液が乾燥する前に、固浸レンズ1を設置し、半導体デバイスSと対物レンズ20との間に固浸レンズ1を挿入した後、固浸レンズ1の挿入位置の調整を行う。
ここで、光学密着液は両親媒性分子を含有することから、半導体デバイスSの基板表面および固浸レンズ1の取り付け面に対して濡れ性を付与することができる。また、固浸レンズ1を設置する際には、固浸レンズ1の自重を利用する。したがって、微小な固浸レンズ1を半導体基板表面の所望の位置に、過度の圧力を加えることなく容易に設置することができる。まず、画像取得部4により、固浸レンズ1からの反射光を含む画像を取得する。固浸レンズ1の挿入位置の調整は、この画像に含まれる反射光像における固浸レンズ1の各部反射面からの反射光をガイドとして行われる。
固浸レンズ1の挿入位置の調整を行うにあたり、画像解析部61では、固浸レンズ1からの反射光を含む画像に対して、自動で、または操作者からの指示に基づいて解析を行い、反射光像の重心位置を求める。また、指示部62では、固浸レンズ制御部53を介して固浸レンズ1および固浸レンズ駆動部30に対して、画像解析部61で得られた反射光像の重心位置が半導体デバイスSでの検査箇所に対して一致するように、固浸レンズ1の挿入位置の調整を指示する。これにより、固浸レンズ1の半導体デバイスSおよび対物レンズ20に対する位置合わせが行われる。
さらに、指示部62は、上記した固浸レンズ1の挿入位置の調整と合わせて、ステージ制御部52を介してXYZステージ15に対して、固浸レンズ1が密着して設置されている半導体デバイスSと、光学系5の対物レンズ20との間の距離の調整を指示する。これにより、固浸レンズ1が挿入された状態における焦点合わせが行われる。
その後、固浸レンズ1にエアを吹き付けて光学密着液を蒸発、乾燥させて固浸レンズ1と半導体基板とを光学的に密着させる。固浸レンズ1における底面部3は、シリンドリカル形状に形成されていることから、固浸レンズ1は半導体デバイスSに対して線接触する。具体的には、図3Aに示すように、X方向には点でのみ接触し、図3Bに示すように、Y方向に沿っては全体的に接触する。なお、図3A及び図3Bにおいては、固浸レンズ1と半導体デバイスSとの接触位置を波線で示している。
また、例えば、固浸レンズの底面部が半導体基板と1点で接触するように形成されていると、固浸レンズの底面部と半導体基板とを広い面積で密着させるためには、高い圧力を加える必要が生じる。ところが、本実施形態に係る固浸レンズ1では、底面部3がシリンドリカル形状に形成されている。またエバネッセント結合を補助する光学密着液を使用している。このため、固浸レンズ1に高い圧力を加えることなく、たとえば固浸レンズ1の自重のみで底面部3と半導体デバイスSとを帯状に光学的な結合させることができ、さらには物理的な固着を実現することができる。したがって、半導体デバイスに過度の圧力を加えなくとも光学密着を得られるので、半導体デバイスSを破損する危険性がない。
さらに、本実施形態に係る固浸レンズ1では、底面部3がシリンドリカル形状に形成されていることから、中心の1軸(母軸)方向は必ず半導体デバイスSに線接触することになる。これに対して、たとえば底面部が半導体基板と1点で接触するように形成されているbi−convexレンズの場合には、固浸レンズが傾いて半導体基板に設けられたときに、中心部が光学的に結合しないことになる。したがって、本実施形態に係る固浸レンズ1では、中心部における光学結合性を良好なものとすることができる。また、固浸レンズの半導体基板との接触面積が1点接触のものに比して大きいので、半導体デバイスSの基板が厚い場合であっても、高いNAの光束を確保することができる。さらには、位置決めが容易になる。
しかも、本実施形態に係る固浸レンズ1では、底面部3がシリンドリカル形状に形成されていることから、光学密着液の蒸発を短時間で済ませることができる。この点について、図4A及び図4Bを参照して説明すると、たとえば図4Bに示すように、底面部が平面状である固浸レンズ(平凸レンズ)6を用いた場合、光学密着液Wは、固浸レンズ6と半導体デバイスSとの間に挟まれ、横方向にしか蒸発に寄与する開放面がないので、蒸発に時間がかかる。
これに対して、図4Aに示すように、本実施形態に係る固浸レンズ1では、底面部3がシリンドリカル形状に形成されていることにより、光学密着液Wは、広い範囲に向けて蒸発する。このため、短時間で蒸発を済ませることができ、固浸レンズ1と半導体デバイスSとを素早く密着固定させることができる。
さらに、固浸レンズ1の底面部3におけるシリンドリカル形状の軸方向に対する側方からエアを吹き付けることにより、より素早く光学密着液を蒸発させることができる。
こうして、固浸レンズ1を半導体デバイスSに密着させたら、固浸レンズ1を含む光学系を介して、拡大された半導体基板の観察画像を取得する。観察画像は、半導体デバイスからの光が画像取得部4に導かれることによって取得される。
また、観察画像を取得する際、半導体デバイスSからの光は、半導体デバイスSと固浸レンズ1との光学密着部分を通過する。ここで、固浸レンズ1は、少なくともY方向で半導体デバイスSとは確実に密着しているので、中心部の密着を確実に得ることができる。このため、図5Aに示すように、X方向に向けた光Lは、固浸レンズの取り付け面と半導体基板との間の隙間が、半導体中の光の波長より大きくなる領域については、臨界角以上の入射光が全反射されることにより、固浸レンズ1の通過量が小さい。これに対して、図5Bに示すように、Y方向に向けた光は確実に固浸レンズ1を通過する。このように、固浸レンズ1を通過する光の方向を安定させることもできる。
こうして観察画像を取得したら、拡大観察画像を取得した後、半導体デバイスSにおける固浸レンズ1を取り付けた位置の周辺に、光学密着液の溶媒(以下「溶媒」という)を滴下して固浸レンズ1の取り付け位置を濡らす。溶媒を滴下することにより、半導体デバイスSと固浸レンズ1との間にこの溶媒が浸入し、半導体デバイスSと固浸レンズ1との間の光学的結合および物理的固着が解かれる。
このとき、固浸レンズ1の底面部3はシリンドリカル形状に形成されており、半導体デバイスSとの間に開放面を有している。このため、固浸レンズ1と半導体デバイスSとを分離させる際に、溶媒の浸透が速くなり、固浸レンズ1と半導体デバイスSとの分離を短時間で行うことができる。
このようにして、溶媒を用いて半導体デバイスSと固浸レンズ1との間の物理的固着を解くことにより、ごく弱い力で固浸レンズ1を剥がすことができるので、半導体デバイスSを傷つけないようにすることができる。また、固浸レンズ1をも傷つけないようにすることができるので、固浸レンズ1を長期にわたって利用することもできる。なお、ここでは溶媒を滴下しているが、光学密着液を滴下させても、半導体デバイスSと固浸レンズ1とを傷つけることなく、半導体デバイスSと固浸レンズ1との光学的密着および物理的固着を解くことができる。
こうして検査箇所の検査が済んだら、固浸レンズ1を他の検査箇所または待機位置に移動させ、検査箇所の検査が終了する。
このように、本実施形態に係る半導体デバイスの検査方法では、固浸レンズ1として、その底面部3がシリンドリカル形状を形成しているものを用いている。このため、平凸レンズに比して、固浸レンズ1を半導体デバイスSに対して短時間で光学密着させ、また分離させることができる。また、固浸レンズ1と半導体デバイスSとの間で高い密着性を得ることができる。さらには、半導体デバイスSの破損を防止することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明に係る固浸レンズとしては、底面がシリンドリカル形状のものに限られず、他のトロイダル形状に形成された態様とすることもできる。ここで、半導体デバイスのX−Y平面において、トロイダル形状の曲率が大きくなる方向をY方向に設定したとき、トロイダル形状の曲率は、X方向の曲率半径と、Y方向の曲率半径との割合が1:3〜1:∞の範囲となるように設定するのが好適である。Y方向の曲率半径がX方向の曲率半径の3倍未満では、半導体デバイスに密着させる際の物理的な固着度、または光学的性能の何れかが不十分になってしまうからである。
以上の実施形態では、半導体デバイスSと固浸レンズ1との間における光学密着液に両親媒性分子を含有させるものとしたが、これに代えて、固浸レンズ1における半導体デバイスSとの取り付け面に親水処理を施すようにすることもできる。
光学密着液が両親媒性分子を含有することにより、濡れ性が向上するのは、疎水性である表面に親水基が付着することに起因する。このため、光学密着液が両親媒性分子を含有していない場合でも、固浸レンズ1の半導体デバイスSとの取り付け面および半導体デバイスSの固浸レンズ1との取り付け面が、疎水性であったとしても、これらの面に親水基を付着させる親水処理を施すことにより、濡れ性を向上させることができる。なお、半導体デバイスSの表面がもともと親水性である場合には、その表面は親水処理しなくとも、濡れ性を確保することができる。
こうして、固浸レンズ1および半導体デバイスSのそれぞれの取り付け面に濡れ性を付与することにより、両親媒性分子を含有する光学密着液を用いた場合と同様、半導体デバイスSの基板上における所望の検査箇所に光学密着液を的確にとどめることができる。また、半導体デバイスSと固浸レンズ1との光学的な密着性を、過度の圧力を加えることなく確実なものとすることができる。
固浸レンズ1や半導体デバイスSに親水処理を施す方法としては、親水基を物理吸着させて一時的に付着させる方法がある。親水基を物理吸着させる具体的な方法としては、親水処理を施す面に、界面活性剤や、アミノ酸、タンパク質などの両親媒性分子の水溶液を塗布し、乾燥させる方法などがある。また、親水処理を施す方法としては、親水基を化学吸着させて表面改質を行う方法もある。親水基を化学吸着させる方法としては、UV(紫外)光を照射する方法、ウェットプロセスによる方法(たとえば、硫酸と過酸化水素と水とを加えた溶液を塗布する)、さらにドライプロセスによる方法(たとえばイオンビームを照射する)などの方法がある。
以上、本発明の好適な例について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、両親媒性分子を含有する光学密着液を操作者が滴下するようにしているが、光学密着液滴下装置(光学結合材料を供給するための光学結合材料供給装置)を別途設ける態様とすることもできる。また、光学密着液を乾燥させるためのエア吹き付け装置や、吸水シート押し付け装置などを設ける態様とすることもできる。さらに、半導体デバイスを濡らす手段としては、光学密着液を滴下する態様のほか、光学密着液を薄く伸ばして塗る態様、噴霧する態様、蒸気で湿らす態様など、種々の態様とすることもできる。この場合、光学密着液の乾燥が早いので、乾燥を促す作業を省くことができる。
また、上記実施形態に示す半導体検査装置のほか、高感度カメラを用いたエミッション顕微鏡、OBIRCH解析装置、時間分解エミッション顕微鏡、熱線画像解析装置などによる検査を行う場合にも、本発明の固浸レンズを用いることができる。一般に、上記した固浸レンズを用いた顕微鏡については、観察対象物を観察するための顕微鏡であって、観察対象物からの光が入射する対物レンズを含み観察対象物の画像を導く光学系と、上記構成の固浸レンズとを備えて構成すれば良い。また、光学系及び固浸レンズに対して、上記したように、光学系によって導かれた観察対象物(試料)の画像を取得する画像取得手段を設けても良い。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実験1)
実験1では、固浸レンズを半導体デバイスに光学的に密着させた状態における検査時の半導体デバイスの輝度および観察後における固浸レンズと半導体デバイスとの分離容易性を測定した。この実験は、上記実施形態で説明した固浸レンズ1を用いた実施例と、従来の固浸レンズを用いた比較例とについて行った。従来の固浸レンズの取付面は、面粗度が良好な平面とされている(平凸レンズ)。
ここで、実施例に係る固浸レンズとしては、X方向の曲率半径とY方向の曲率半径とはおよそ1:4である。
この実験の手順を説明すると、まず固浸レンズと、半導体デバイスとを界面活性剤を含有する水(以下、光学密着液という。)で密着させ、図2に示す半導体検査装置で輝度を測定した。続いて、半導体基板における固浸レンズが取り付けられている部分に光学密着液Wを滴下した後、図6に示すように、半導体デバイスSを2秒周期で角度θ≒30°で左右交互に傾けるようにして動かし、固浸レンズ1が動き出すまでの時間を測定した。この実験を複数回行った。
この実験の結果において、半導体デバイスを傾けてはじめてから20秒以内で固浸レンズ1が動き出す確率を求めた。その結果を表1に示す。
(実験2)
実験2では、固浸レンズと半導体デバイスとの物理的な固着度を測定した。この実験では、上記実験1と同様の実施例および比較例に係る固浸レンズをそれぞれ用いた。
この実験の手順を説明すると、固浸レンズと、半導体デバイスとを上記光学密着液で光学的に密着させた。この状態で、図7に示すように、固浸レンズ1に圧力Fを加えて固浸レンズ1が動き出す圧力の大きさを測定した。この実験を実施例(本発明に係る固浸レンズ)および比較例について行った。その結果を密着剥離力として、表1に示す。ここで、比較例の固浸レンズは、実験1と同様のものを用いた。
Figure 0004536654
表1からわかるように、実験1における輝度の測定では、実施例は比較例に若干劣るものの、ほぼ同じ輝度値を示すものである。この結果から、実施例および比較例とも、半導体デバイスを観察する際に輝度値に大きな違いがないことがわかった。
また、光学密着液を滴下した後、固浸レンズが動き出す確率は、実施例が約70%であるのに対して、比較例は約20%と非常に低い結果となった。この結果から、観察後、半導体デバイスから固浸レンズを分離させる際、実施例の方が比較例よりも非常に容易に固浸レンズを分離させることができることがわかった。
さらに、半導体デバイスに密着させた固浸レンズに力を加えた際、本実施形態に係る固浸レンズは、約30g重の力で動き出すのに対して、比較例では約50g重の力で動き出した。従来例では、固浸レンズと半導体デバイスとの密着面積が大きいことから、密着剥離力は強いものとなっているが、比較例に対して、実施例は、密着剥離力が大きく劣ることはないという結果となった。
本発明による固浸レンズについて、さらに説明する。
固浸レンズ(SIL)では、上記した半球形状または超半球形状の構成、及びそれに対応して設定される試料観察面において、球面収差及びコマ収差を生じないアプラナティックな結像が得られることが知られている。しかしながら、このようなSILの構成及び使用条件では、収差がなくなる位置はいずれも1点のみであり、したがって、SILの用途は光ピックアップなどに限られている。
すなわち、上記したSILで用いられている試料観察面では、広い範囲で試料を観察しようとすると、像面特性が良くない。このため、SILを用いて試料の像を観察しようとすると、得られる像ではその周辺部で中央部に比べて分解能が低くなったり、像面湾曲の影響で周辺あるいは中心付近が見えなくなったりするなど、観察に使用可能な視野が制限されてしまうなどの問題があった。
これに対して、固浸レンズは、屈折率nの材質により曲率半径Rの球面状の光学面を有して形成され、観察対象物(試料)の屈折率が屈折率nと等しいとしたときの仮想の観察面までの頂点からの光軸に沿った距離が、幾何学的収差特性が所定の条件を満たすように設定された係数k(0<k<1)により、L=R+k×(R/n)とされるとともに、観察対象物(試料)の屈折率をn、現実の観察面までの観察対象物(試料)の厚さをtとしたときに、光軸に沿った厚さがd=L−t×(n/n)を満たすように構成することが好ましい。
上記した固浸レンズにおいては、固浸レンズによる幾何学的収差特性を評価することによって設定された係数kを用いるとともに、観察対象物となる基板などの試料の屈折率n及び厚さtを考慮してレンズ形状を設定している。これにより、上記したように観察に使用可能な視野を広くしつつ、試料における所望の観察部位を良好に観察することが可能となる。
特に、試料に対する取付面をトロイダル形状とする上記した構成と、幾何学的収差特性を評価することによって設定された係数kを用いるとともに、観察対象物となる基板などの試料の屈折率n及び厚さtを考慮してレンズ形状を設定する構成とを組み合わせた固浸レンズとすることにより、NAの高い光束を通すことができ、試料に光学的に結合させる際に固浸レンズの位置制御が容易となるとともに、観察に使用可能な視野を広くしつつ、試料における所望の観察部位を良好に観察することが可能となる固浸レンズが実現される。なお、上記のように取付面をトロイダル形状とした固浸レンズにおいては、固浸レンズの光軸Axに沿った厚さdは、固浸レンズの頂点から、試料側のレンズ面(固浸レンズと試料とが最も近接した部位)までの距離となる。
上述した固浸レンズでは、係数kは、0.5<k<0.7の範囲内の値であることが好ましい。このとき、固浸レンズによる像面特性が実質的にフラットとなる条件での観察が可能となる。
あるいは、係数kは、0<k≦0.5の範囲内の値であることが好ましい。このとき、固浸レンズによる色収差、球面収差が実質的に低減された条件での観察が可能となる。
また、固浸レンズを用いた試料観察方法については、屈折率nの材質により曲率半径Rの球面状の光学面を有して形成された固浸レンズを用い、固浸レンズによる幾何学的収差特性が所定の条件を満たすように設定された係数k(0<k<1)により、光学面の球心から光軸に沿ってk×(R/n)だけ下流側にある点を含み光軸に略直交する面を試料観察面として、固浸レンズを用いた試料(観察対象物)の観察を行うことが好ましい。
上記した試料観察方法においては、球心を含む面を試料観察面とする半球形状に対応した構成、あるいは、球心から光軸に沿ってR/nだけ下流側にある点を含む面を試料観察面とする超半球形状に対応した構成を用いず、固浸レンズによる幾何学的収差特性を評価することによって係数kを設定する。そして、その係数kによって決められる点を含む面を試料観察面として、試料の観察を行っている。これにより、観察に使用可能な視野を広くして、固浸レンズを用いて試料の像を良好に観察することが可能となる。
ここで、固浸レンズによる幾何学的収差特性の評価については、固浸レンズの後側焦点面を瞳面とした仮想光学系を用いて幾何学的収差特性を評価し、その評価結果に基づいて係数kを設定することが好ましい。これにより、瞳面を固浸レンズの後側焦点面にすることで物側テレセントリックにすることができ、レーザスキャン等での反射光観察の実際に則した形とすることができる。実際の顕微鏡に組合せて使用する場合には、顕微鏡対物レンズの瞳位置は瞳としての機能はなくなり、固浸レンズを含んだ光学系の瞳は、固浸レンズの後側焦点位置となってしまうことがわかった。
また、固浸レンズによる幾何学的収差特性を、球欠的像面、子午的像面、または球欠的像面及び子午的像面の平均像面によって評価し、その評価結果に基づいて係数kを設定することが好ましい。これにより、固浸レンズによる試料観察面での幾何学的収差特性を良好に設定することができる。
また、上記試料観察方法においては、固浸レンズが、光軸に沿った厚さがd=R+k×(R/n)であり、試料観察面は、試料側の固浸レンズのレンズ面と一致していることとしても良い。あるいは、固浸レンズが、光軸に沿った厚さがd<R+k×(R/n)であり、試料観察面は、試料の屈折率が固浸レンズの屈折率nと等しいとしたときの仮想の観察面であるとともに、試料の屈折率をn、現実の観察面までの試料の厚さをtとしたときに、固浸レンズの厚さは、頂点から仮想の観察面までの光軸に沿った距離L=R+k×(R/n)に対して、d=L−t×(n/n)を満たすこととしても良い。
まず、本発明による固浸レンズ(SIL)、及びそれを用いた試料観察方法の概略について、従来用いられているSILの構成及び使用条件とともに説明する。なお、以下においては、主に、SILの光軸に沿った厚さの設定等に関して説明するが、SILの試料(観察対象物)に対する取付面のトロイダル形状、その効果、及び取付面をトロイダル形状とした場合のSILの厚さの定義等に関しては、上述した通りである。
図9は、従来のSILの構成及び使用条件の一例を示す図である。図9に示すSIL108は、屈折率n、曲率半径Rの半球形状を有するレンズである。このようなSIL108では球心が焦点となっており、その球心を含む面が試料観察面180に設定される。また、試料観察における開口数NA及び倍率はともにn倍となる。このような構成においてSIL108の像面特性を考えると、図9に示すように、焦点から離れるにしたがって像面が下流側にずれる像面湾曲が生じる。
図10は、従来のSILの構成及び使用条件の他の例を示す図である。図10に示すSIL109は、屈折率n、曲率半径Rの超半球形状を有するレンズである。このようなSIL109では球心から光軸に沿ってR/nだけ下流側にある点が焦点となっており、その点を含む面が試料観察面190に設定される。また、試料観察における開口数NA及び倍率はともにn倍となる。このような構成においてSIL109の像面特性を考えると、図10に示すように焦点から離れるにしたがって像面が上流側にずれる図9とは逆方向の像面湾曲が生じる。
本願発明者は、SILを用いた試料観察におけるこのような像面湾曲の発生について詳細に検討した結果、上記した構成で焦点とされている球心と、球心から光軸に沿ってR/nだけ下流側にある点との間では、倍率がn倍とn倍との間で変化するとともに、その像面湾曲も、図9及び図10に示した逆方向の像面湾曲の間で変化していくことを見出した。本発明によるSILを用いた試料観察方法は、このような知見に基づき、イメージングに適した構成及び使用条件でSILを用いて試料の像の観察を行うものである。
図11は、本発明による試料観察方法、及びそれに用いられる固浸レンズの一実施形態の構成及び使用条件について示す図である。本試料観察方法においては、観察対象となる試料102に対し、試料102からの光像を拡大するレンズとして、屈折率nの材質によって形成されたSIL101を用いている。このSIL101は、軸Axを光軸とし、点Cを球心とした曲率半径Rの球面状の光学面110をレンズ面として形成されている。
このようなSIL101を用いた試料観察において、球面状のレンズ面110の球心Cから光軸Axに沿ってk×(R/n)だけ下流側にある点を焦点とする。そして、この焦点を含み光軸Axに略直交する面120を試料観察面として、SIL101を用いた試料の観察を行う。
ここで、SIL101による焦点及び試料観察面120の球心Cからみた位置を決める上記した係数kは、0<k<1の範囲内において設定される係数である。したがって、この焦点の位置は、球心Cと、球心Cから光軸に沿ってR/nだけ下流側にある点との間の位置となっている。特に、この係数kは、SIL101による幾何学的収差特性が所定の条件を満たすように設定される。
すなわち、上述したように、球心Cと、球心Cから光軸Axに沿ってR/nだけ下流側にある点との間では、倍率及び像面湾曲が順次変化していく。このような特性の変化に対し、SIL101による幾何学的収差特性及びその変化等を評価し、その評価結果に基づいて適切な係数kの設定、及びそれによる焦点の選択を行う。そして、その係数kによって決められる点を含む面を試料観察面120として、試料102の像の観察を行う。このとき、像面湾曲を小さくし、かつ、収差の劣化を充分に小さく抑えた条件でSIL101を使用することができる。これにより、観察に使用可能な視野を広くして、SIL101を用いて試料102の像を良好に観察することが可能となる。
なお、図11に示す例では、係数kによって決まる試料観察面120が、試料102側にあるSIL101の平面状のレンズ面と一致している。また、このとき、SIL101の頂点から試料102側のレンズ面までの距離、すなわちSIL101の光軸Axに沿った厚さは、d=R+k×(R/n)となっている。
以下、SIL101を用いた試料の像の観察における収差及び像面特性の評価方法、及びSIL101の好適な構成、使用条件等について、図12及び図13を用いて具体的に説明する。図12は、図11に示したSILによる幾何学的収差特性及び色収差特性を評価するために用いられる仮想光学系を示す図である。また、図13は、図12に示した仮想光学系を用いて評価されたSILの特性を示すグラフである。
ここで、図12において、nは屈折率、sは物体面から主平面までの距離、hは光線の高さを示す。また、上付きバーは、主光線に関する量を表す。ただし、明細書中においては、例えば「h」に上付きバーを付したものを「h 」などのように表記する。
まず、SILによる像面特性を評価する仮想光学系について説明する。ここでは、図12に示すように、SIL101の材質としてシリコン(Si)を想定し、その屈折率をn=n=3.5とする。また、屈折率nのSIL101の内部以外の領域については、屈折率をn=n=1とする。また、球心Cを中心とした球面状に形成されたレンズ面110については、その曲率半径をr=R=1とする。
このようなSIL101に対し、その収差及び像面特性を評価するため、SIL101の後側焦点面を瞳面とした仮想光学系を導入する。具体的には、図12に示すように、無収差の仮想対物レンズ103を導入し、SIL101の後側焦点Fに配置する。SIL101のレンズ面110の面頂と、後側焦点Fとの間の距離sはs=r/(n−n)により求まり、n=3.5の上記した例ではs=0.4×R=0.4となる。
また、この無収差の仮想対物レンズ103の焦点距離をfiとし、前側焦点位置をF’とする。SIL1の厚さs’は、仮想対物レンズ103からu=0、hで出た光が、レンズ面110によって結ぶ焦点位置からレンズ面110の面頂までの距離とする。このような仮想対物レンズ103を導入した仮想光学系を用いてSIL101の評価を行うことにより、光学系全体の入射瞳は、レンズ面110からs=0.4×Rだけ離れた位置にある仮想対物レンズ103上に設定される。また、このように入射瞳等を設定することにより、SIL101の内部でテレセントリックとなり、レーザスキャンによる反射光観察のような実際の観察系に則した形とすることができる。これにより、SIL101による収差及び像面特性を適切に評価することができる。
図12には、上記したSIL101及び仮想対物レンズ103による光学系の構成と合わせて、2つの光線l、lを図示している。これらのうち、光線lは、光軸Axとのなす角がu=0、光線の高さが仮想対物レンズ103においてh、SIL101のレンズ面110においてhであり、仮想対物レンズ103よりも上流側で光軸Axに平行な光線となっている。また、この光線lは、試料観察面120に相当する面S’において光軸Ax上の点を通っている。また、光線lについて点線で示したSIL101がない場合の光線は、仮想対物レンズ103による焦点面Sにおいて光軸Ax上の点F’を通っている。
また、光線lは、光軸Axとのなす角がu 、光線の高さが仮想対物レンズ103においてh =0、SIL1のレンズ面110においてh であって、レンズ面110よりも下流側で光軸Axに平行な光線となっている。また、この光線lは、仮想対物レンズ103において光軸Ax上の点Fを通り、試料観察面S’において光軸Axとの距離がY’となっている。また、光線lについて点線で示したSIL101がない場合の光線は、焦点面Sにおいて光軸Axとの距離がYとなっている。
また、SIL101のレンズ面110の面頂から焦点面Sまでの距離をs、試料観察面S’までの距離、すなわちSIL101の厚さをs’=dとする。以上の構成及び条件を有する図12の仮想光学系において、SIL101の球面収差係数I、コマ収差係数II、非点収差係数III、ペッツバール和P、球欠的像面の湾曲III+P、及び子午的像面の湾曲3III+Pの各収差係数をSIL101の厚さdで表すと、それぞれ以下の式(1)〜(6)のように求められる。
Figure 0004536654
ここで、Qはアッベの不変量である。また、Q及びJは、以下の式で表される。
Figure 0004536654
また、ペッツバール像面、球欠的像面、及び子午的像面の曲率(実寸)は、それぞれ以下のようになる。
Figure 0004536654
図13に、上記の式によってそれぞれ求めた球面収差係数I、コマ収差係数II、非点収差係数III、球欠的像面の湾曲III+P、及び子午的像面の湾曲3III+Pの各収差係数と、球欠的像面及び子午的像面の平均像面とのグラフを示す。このグラフにおいて、横軸はSILの厚さs’=dを示し、縦軸は各収差係数の値を示している。また、この横軸に示す厚さdと、図11に示した係数kとは、図12においてR=1としていることにより、k=n×(d−1)=3.5×(d−1)の関係を有している。
図13に示す各グラフより、球心を含む面を試料観察面とした場合(図9参照)に対応するd=R=1の点、及び、球心から光軸に沿ってR/nだけ下流側にある点を含む面を試料観察面とした場合(図10参照)に対応するd=R+R/n=1.286の点では、それぞれ球面収差係数I及びコマ収差係数IIがともに零となっており、アプラナティック条件を満たしている。しかしながら、これらの点では、上記したように像面湾曲が生じている。なお、d=1の点では、球欠的像面の湾曲III+Pも零となっている。また、d=1.286の点では、非点収差係数IIIも零となっている。
これに対して、球欠的像面及び子午的像面の平均像面についてみると、d=R+k(R/n)=1.163×R=1.163の点において、像面がフラットになっていることがわかる。すなわち、像面がフラットで視野が広く取れる条件である、平均像面が光軸に垂直な平面となる条件を満たすためには、像面の湾曲がIII+P=−(3III+P)となれば良い。この条件から、上記した各式よりd=1.163が得られる。また、このとき、試料観察面に対して設定される係数kは、約0.6(k=0.57)と求められる。このように求められた係数kを適用した構成及び使用条件でSIL101を用いて試料観察を行うことにより、広い視野で、良好な試料の像を取得することが可能となる。
なお、SILの外側でテレセントリックとなる通常の入射瞳位置の条件で計算を行った場合、平均像面がフラットとなるのはSILの厚さが1.274×Rの点となり、上記した結果とは全く異なる計算結果となっている。
本発明による固浸レンズ、及びそれを用いた試料観察方法は、上記した実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記した例では、SILの材質の例としてシリコンを挙げているが、シリコン以外にも、適用する試料の材質や観察条件等に応じて様々な材質を用いて良い。
また、上記した例では、SILの屈折率を3.5=一定としている。これは、単一波長での試料観察の場合、または波長による屈折率変化が無視できる場合に対応している。したがって、上記のようにkを0.6近傍とする条件は、単一波長の光によって試料に対して観察、検査等を行う場合に有効である。
これに対して、例えば750nm〜1050nmの波長幅で観察を行う場合など、観察の波長幅が広い発光観察等においては、シリコンからなるSILでは、kを0.3程度とすることにより、色収差とその他の収差とがバランスする。このように、必要があれば、観察を行う波長幅を考慮して像面特性の評価及び係数kの設定等を行うことが好ましい。
また、係数kについては、上記した例では、平均像面がフラットになる点によって係数kを設定している。これにより、SILによる試料観察面での像面特性を良好に設定することができる。ただし、この係数kの設定については、平均像面がフラットになる点の近傍で所定の条件範囲内にある点によって設定する方法を用いても良い。あるいは、平均像面ではなく、球欠的像面、または子午的像面がフラットになる点によって係数kを設定しても良い。
また、試料に対するSILの設置方法については、図11では試料102の表面が試料観察面120となっている構成を示したが、このような構成に限られない。図14は、本発明による試料観察方法に用いられる固浸レンズの構成及び使用条件の他の例について示す図である。この例では、試料であるシリコン基板102に対して、同じくシリコンからなるSIL101を適用するとともに、基板102の裏面が試料観察面120となっている。
このような構成では、シリコン基板102の所定部分がSIL101の下流側部分として機能することによって、表面を試料観察面120とする場合と同様に、試料の像を観察することができる。このような観察方法は、例えば、半導体デバイスを裏面観察によって検査するような場合に適用することができる。
本発明による固浸レンズ、及びそれを用いた試料観察方法についてさらに説明する。
図15は、本発明による固浸レンズ及び試料観察方法の他の実施形態を示す図である。本試料観察方法においては、観察対象となる試料107(例えば半導体デバイス)に対し、試料107からの光像を拡大するレンズとして、屈折率nの材質によって形成されたSIL106を用いている。このSIL106は、軸Axを光軸とし、点Cを球心とした曲率半径Rの球面状の光学面160をレンズ面として形成されている。なお、本実施形態においても、係数kの設定については図11の実施形態と同様である。
図15では、試料107において、そのSIL106とは反対側の面が観察面171(例えば半導体デバイスのデバイス面)とされている。また、この試料107に対し、SIL106は、その試料107側で平面状のレンズ面が試料107の裏面172に密着するように配置されている。ここで、試料107の屈折率をn、試料107の厚さをtとする。この厚さtは、裏面172からSIL106による現実の観察面である観察面171までの光軸Axに沿った試料107の厚さである。
このような構成において、試料107の観察面171に焦点を合わせるため、SIL106の光軸Axに沿った厚さは、d<R+k×(R/n)となっている。また、図11に関して上述した、レンズ面160の球心Cから光軸Axに沿ってk×(R/n)だけ下流側にある点を含み光軸Axに略直交する試料観察面170(0<k<1)は、試料107の屈折率がSIL106の屈折率nと等しいとしたときの仮想の観察面(SIL106のレンズ形状から求められる見かけ上の観察面)となっている。
ここで、SIL106の頂点から仮想の観察面170までの光軸Axに沿った距離を、図15に示すようにL=R+k×(R/n)とする。この距離Lは、SIL106のレンズ面160の形状から求めた焦点距離に対応する。また、このとき、SIL106の厚さは、d=L−t×(n/n)を満たすように設定されている。なお、図15中では、SIL106及び試料107を通って現実の観察面171へと集束する光路を実線によって示している。また、試料107の屈折率がSIL106と等しいと仮定した場合で仮想の観察面170へと集束する光路を点線によって示している。
本実施形態による厚さをd=L−t×(n/n)としたSIL106、及びそれを用いた試料観察方法においては、SIL106による幾何学的収差特性を評価することによって設定された係数kを用いるとともに、観察対象となる試料107の屈折率n及び厚さtを考慮してSIL106のレンズ形状を設定している。これにより、上記したように観察に使用可能な視野を広くしつつ、かつ、試料107における所望の観察部位を良好に観察することが可能となる。ここで、係数kの選択については、図11に示した実施形態と同様である。また、厚さtについては、図15では試料107のSIL106とは反対側の面が観察面171となっているため、試料107の厚さtがそのまま用いられているが、観察面が試料107の内部に設定された場合には、その観察面までの試料の厚さをtとすれば良い。
図16は、試料の厚さとSILの厚さとの相関の一例を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は試料107の厚さt(mm)を示し、縦軸はSIL106の厚さd(mm)を示している。このグラフでは、SIL106の屈折率をn=3.1(材質GaP)、試料107の屈折率をn=3.5(材質Si)、SIL106の曲率半径をR=0.5mmとしている。また、グラフA1は係数k=0.80、A2はk=0.60、A3はk=0.40、A4はk=0.20としたときの相関を示している。SIL106の厚さdは、それぞれの材質や係数kの値等に応じ、図16のグラフに示す例のように設定される。
次に、上記した固浸レンズ及び試料観察方法における係数kの設定について検討する。一般に、観察の視野を広く取りたいなどの場合、係数kは、上記したk=0.6の例のように、0.5<k<0.7の範囲内の値であることが好ましい。このとき、固浸レンズによる像面特性が実質的にフラットとなる条件での観察が可能となる。例えば、単色レーザからのレーザ光を用いた観察の場合には、色収差の問題がなく、視野を広くするように係数kを設定することができる。
一方、固浸レンズでの球面収差や色収差を考慮しなければならない場合、係数kは、上記したk=0.3の例のように、0<k≦0.5の範囲内の値であることが好ましい。このとき、固浸レンズによる球面収差、色収差が実質的に低減された条件での観察が可能となる。このような係数kの好適な範囲については、図11に示した構成、及び図15に示した構成のいずれにおいても同様である。
ここで、図17A及び図17Bは、(A)係数kが小さい場合の光の集束、及び(B)係数kが大きい場合の光の集束について示す側面図である。これらの図17A及び図17Bに示すように、係数kを小さく設定した場合、例えば、上記した0<k≦0.5の範囲内でkを設定した場合には、係数kが大きい場合に比べてSILからみた光の光路が広がることになる。このような場合には、SILに組み合わされる対物レンズとして、開口数NAが大きいものを選択することが好ましい。
図18は、SILでの係数kの値と対物レンズで必要とされる開口数NAとの相関の一例を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸はSILで設定された係数kを示し、縦軸は対物レンズの開口数NAを示している。このグラフでは、SILの屈折率をn=3.5(材質Si)としている。また、グラフB1はSILでの光軸上の到達NAを3.0としたときの対物レンズの必要NA、B2はSILでの光軸上の到達NAを2.5としたときの対物レンズの必要NAを示している。また、このグラフでは、係数kの値に対応するSILでの倍率を、グラフB6によって合わせて示している。
これらのグラフB1、B2に示すように、SILでの到達NAを大きくすると、対物レンズの必要NAもそれに伴って大きくなる。また、SILでの到達NAを一定とした場合には、図17A及び図17Bに関して上述したように、係数kの値が小さくなると対物レンズで必要とされるNAが大きくなる。したがって、SILでの係数kの値を設定する際には、対物レンズとの組合せについても考慮する必要がある。
また、図19は、SIL+試料の厚さとSILでの光軸上の到達NAとの相関の一例を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸はSIL+試料(Si基板)のSILの頂点からの厚さ(mm)を示し、縦軸はSILでの光軸上の到達NAを示している。このグラフでは、SILの曲率半径をR=0.5mm、対物レンズのNAを0.76としている。また、グラフC1はSILの材質をSiとしたときの到達NA、C2はSILの材質をGaPとしたときの到達NAを示している。このように、対物レンズのNAを一定とした場合、SIL+試料の厚さが大きくなるに伴って到達NAが大きくなる。
実際には、SIL及び対物レンズのNAは、具体的な構成に応じて適宜選択すれば良いが、例えばSILの到達NAは2.5〜3.0程度、対物レンズのNAは0.76程度である。また、対物レンズとしては通常の対物レンズを用いることができ、その倍率は、例えば50倍程度である。
また、色収差が低減されるように、上記した0<k≦0.5の範囲内でkを設定した場合、その幾何学的収差特性については対物レンズ側で補正可能な構成とすることが好ましい。このような対物レンズとしては、図20の側面断面図に示す構成の対物レンズがある。この対物レンズ105は、そのレンズ群が、光軸に沿って配置された第1レンズ群151及び第2レンズ群152の2つのレンズ群によって構成されている。また、これらのレンズ群151、152の間隔uは、対物レンズ105の外周部に設けられる補正環(図示していない)を回転させることによって変化させることが可能となっている。このような構成の対物レンズ105を用いることにより、対物レンズ105側で幾何学的収差特性(例えば球面収差)を補正することができる。
なお、このように補正環付の対物レンズをSILと組合せて用いる場合には、SILでの球面収差が対物レンズでの補正環によって補正可能な範囲で係数kを設定することが好ましい。例えば、図20の構成の対物レンズでは、SILの屈折率をn=3.1、曲率半径をR=0.5mm、試料の屈折率をn=3.5としたとき、試料の厚さがt=0.03mm程度であれば0<k<0.4程度、t=0.15mm程度であれば0<k<0.2程度の条件で、補正環による球面収差の補正が可能である。
また、0.7≦k<1の範囲内で係数kを設定しても良い。この場合、低NAの対物レンズと組み合わせることができる。ただし、通常の対物レンズでは大きな色収差が発生するため、単色レーザ光以外の用途では専用に設計された対物レンズを用いる必要がある。
本発明による固浸レンズ、及び顕微鏡は、位置制御が容易で、かつ、NAの高い光束を通すことができ、さらには観察対象物および自身を破損するおそれがない固浸レンズ、及びそれを用いた顕微鏡として利用可能である。
また、固浸レンズによる幾何学的収差特性を評価して所定の条件を満たすように係数k(0<k<1)を設定し、固浸レンズの球面状の光学面の球心から光軸に沿ってk×(R/n)だけ下流側にある点を含み光軸に略直交する面を試料観察面とする固浸レンズ及び観察方法とした場合には、観察に使用可能な視野を広くして、固浸レンズを用いて試料の像を良好に観察することが可能となる。また、試料の屈折率n及び厚さtを考慮してレンズ形状を設定した場合、試料における所望の観察部位を良好に観察することが可能となる。

Claims (10)

  1. 観察対象物に取り付けられるとともに、前記観察対象物に光学的に結合するように設置されて、前記観察対象物の観察に用いられる固浸レンズであって、
    球状部と、
    前記観察対象物に対する取付面となる底面部とを備え、
    前記観察対象物に対する前記取付面が、トロイダル形状に形成されていることを特徴とする固浸レンズ。
  2. 前記観察対象物における被取付面をX−Y平面と設定したときに、前記トロイダル形状におけるX方向の曲率半径と、前記X方向の曲率半径よりも大きいY方向の曲率半径との割合が、1:3〜1:∞とされている請求項1記載の固浸レンズ。
  3. 前記観察対象物に対する前記取付面が、シリンドリカル形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の固浸レンズ。
  4. 前記観察対象物に対する前記取付面が、親水処理されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の固浸レンズ。
  5. 屈折率nの材質により曲率半径Rの球面状の光学面を有して形成され、前記観察対象物の屈折率が屈折率nと等しいとしたときの仮想の観察面までの頂点からの光軸に沿った距離が、幾何学的収差特性が所定の条件を満たすように設定された係数k(0<k<1)により、L=R+k×(R/n)とされるとともに、
    前記観察対象物の屈折率をn、現実の観察面までの前記観察対象物の厚さをtとしたときに、前記光軸に沿った厚さがd=L−t×(n/n)を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の固浸レンズ。
  6. 前記現実の観察面までの前記観察対象物の厚さはt=0であり、前記光軸に沿った厚さがd=L=R+k×(R/n)であることを特徴とする請求項5記載の固浸レンズ。
  7. 前記係数kは、0.5<k<0.7の範囲内の値であることを特徴とする請求項5または6記載の固浸レンズ。
  8. 前記係数kは、0<k≦0.5の範囲内の値であることを特徴とする請求項5または6記載の固浸レンズ。
  9. 観察対象物を観察するための顕微鏡であって、
    前記観察対象物からの光が入射する対物レンズを含み、前記観察対象物の画像を導く光学系と、
    請求項1〜8のいずれか一項記載の固浸レンズと、
    を備えることを特徴とする顕微鏡。
  10. 光学結合材料を供給するための光学結合材料供給装置をさらに備えることを特徴とする請求項9記載の顕微鏡。
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