JP2000121930A - 固体浸レンズを用いた結像光学系並びにこの結像光学系を用いた光ディスク記録再生装置および顕微鏡 - Google Patents

固体浸レンズを用いた結像光学系並びにこの結像光学系を用いた光ディスク記録再生装置および顕微鏡

Info

Publication number
JP2000121930A
JP2000121930A JP10292105A JP29210598A JP2000121930A JP 2000121930 A JP2000121930 A JP 2000121930A JP 10292105 A JP10292105 A JP 10292105A JP 29210598 A JP29210598 A JP 29210598A JP 2000121930 A JP2000121930 A JP 2000121930A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
solid immersion
immersion lens
optical system
objective lens
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10292105A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Oki
裕史 大木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP10292105A priority Critical patent/JP2000121930A/ja
Publication of JP2000121930A publication Critical patent/JP2000121930A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Microscoopes, Condenser (AREA)
  • Lenses (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学収差の見地から、要求される視野半径に
対して最適なサイズの固体浸レンズを有した結像光学系
を得る。 【解決手段】 対物レンズ5とその光軸L上に配設され
た固体浸レンズ1とを備えて結像光学系が構成される。
この固体浸レンズ1が、対物レンズ5の光軸上の結像点
Oを曲率中心とする所定曲率半径Rの凸球面状レンズ面
1aと、この曲率中心を通り対物レンズ5の光軸に直角
な平面状レンズ面1bとを有する平凸レンズ形状に構成
され、凸球面状レンズ面1aを対物レンズ5側に向ける
とともに平面状レンズ面1bを結像面6に極く近接して
配設される。その上で、この結像光学系の開口数NA
と、固体浸レンズの屈折率nと、要求される視野半径r
と、使用する光の波長λとに対して、固体浸レンズの直
径Φが、次の条件式 0.6n・NA2・r2・λ-1≦Φ≦3.2n・NA2
2・λ-1 (但し、長さの単位はすべてミリメートル)を満足す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体浸レンズ(ソ
リッドイマージョンレンズもしくはSILとも称され
る)を用いた結像光学系に関し、さらに、この結像光学
系を用いて構成される光ディスク記録再生装置や顕微鏡
に関する。
【0002】
【従来の技術】固体浸レンズを結像光学系に用いること
は、S.M.Mansfield and G.S.Kino, Appl.Phys.Lett. 5
7, 2615 (1990) または S.M.Mansfield et al., Opt.Le
tt. 18,305 (1993) 等に示されており、従来から知られ
ている。この結像光学系は、対物レンズの焦点近傍に微
少な半球状の平凸レンズを凸球面が対物レンズ側に向け
て配設して構成され、実質的に光学系の開口数を上げる
ように構成される。ここで用いられる固体浸レンズは、
対物レンズの焦点に曲率中心を持つ半球タイプのもの
と、光軸上のレンズ厚さが曲率半径の(1+1/n)倍
である超半球タイプのものとが検討されてきた。また、
このような固体浸レンズを用いた結像光学系を用いて、
例えば、光ディスクへの情報の記録再生を行う光記録再
生装置を構成することが知られている(例えば、米国特
許第5,004,307号、同第5,121,256
号、同第5,125,750号等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように構成される
結像光学系において、固体浸レンズは対物レンズの焦点
近傍に配設される微少な半球状もしくは超半球状の平凸
レンズからなるが、固体浸レンズのサイズ、タイプなど
についてはあまり詳しく検討されていなかった。例え
ば、光学的な収差といった見地から見て半球タイプと超
半球タイプのいずれを用いるのが好ましいかといったこ
とや、光記録再生装置で使用するには固体浸レンズはで
きるだけ小さくする方が有利と考えられるが下限サイズ
はどこにあるか等といったこと等の検討はあまり行われ
ていなかった。
【0004】このようなことから本発明は、光学的な収
差という見地から、要求される視野半径に対して最適な
サイズの固体浸レンズを有した結像光学系を提供するこ
と、並びにこの結像光学系を用いた光ディスク記録再生
装置および顕微鏡を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のた
め、本発明に係る結像光学系は、対物レンズとこの対物
レンズの光軸上に配設された固体浸レンズとを備えて構
成され、この固体浸レンズが、対物レンズの光軸上の結
像点を曲率中心とする所定曲率半径Rの凸球面状レンズ
面と、この曲率中心を通り対物レンズの光軸に直角な平
面状レンズ面とを有する平凸レンズ形状に構成され、凸
球面状レンズ面を対物レンズ側に向けるとともに平面状
レンズ面を結像面に極く近接して配設してなる。その上
で、結像光学系の開口数NAと、固体浸レンズの屈折率
nと、要求される視野半径rと、使用する光の波長λと
に対して、固体浸レンズの直径Φが、次の条件式(1)
を満足するように設定される。
【0006】
【数1】 0.6n・NA2・r2・λ-1≦Φ≦3.2n・NA2・r2・λ-1 ・・・(1) (但し、長さの単位はすべてミリメートル)
【0007】本発明の結像光学系は光ディスクの記録・
再生用の光学系として使用することができ、この場合に
は、固体浸レンズの平面状レンズ面が光ディスクの記録
・再生面に極く近接して配設され、このときに要求され
る視野半径rは、トラッキング制御においてトラックを
数本〜数十本の範囲で操作するファインシークに要求さ
れる光ディスク上のレーザースポット変位量である。そ
して、この場合には、固体浸レンズの直径Φが、さらに
次の条件式(2)を満足するように設定するのが望まし
い。
【0008】
【数2】 0.6n・NA2・r2・λ-1≦Φ≦1.4n・NA2・r2・λ-1 ・・・(2) (但し、長さの単位はすべてミリメートル)
【0009】なお、固体浸レンズを、凸球面状レンズ面
の曲率中心が平面状レンズ面上に位置する半球型の平凸
レンズから構成、すなわち、半球状タイプの固体浸レン
ズとして構成することができ、平面状レンズ面が対物レ
ンズの結像面に極く近接して配設される。
【0010】また、固体浸レンズを、光軸上での厚さt
が(1+1/n)・Rで、超半球型の平凸レンズから構
成、すなわち、超半球状タイプの固体浸レンズとして構
成することもでき、この場合も、平面状レンズ面が結像
光学系の結像面に極く近接して配設される。
【0011】以上の結像光学系において、対物レンズを
回折格子から構成しても良い。これにより結像光学系を
小型、コンパクトにすることができる。
【0012】本発明に係る光ディスク記録再生装置は、
上記の結像光学系を用いて構成され、平面状レンズ面が
光記録再生用の記録媒体の表面に極く近接して固体浸レ
ンズが配設され、対物レンズにより集光されて入射され
る光源からの光により平面状レンズ面に集光スポットを
形成させ、この集光スポットを形成する光を用いて記録
媒体(光ディスク)への情報記録および再生を行わせ
る。
【0013】本発明に係る顕微鏡は、結像光学系を顕微
鏡対物レンズとして用いて構成され、平面状レンズ面が
観察対象の表面に極く近接して配設されて構成される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明においては、固体浸レンズ
において発生する収差を計算・分析し、好ましい固体浸
レンズのサイズを決定し、最適な結像光学系を得てお
り、まずこの計算・分析について説明する。
【0015】半球タイプの固体浸レンズ1を用いて構成
される本発明に係る結像光学系の例を図1に示し、この
結像光学系は光軸L上に対物レンズ5と固体浸レンズ1
とを所定間隔をおいて図示のように配設して構成され
る。固体浸レンズ1は、光軸L上の点Oを中心とする曲
率半径Rの凸球面状レンズ面1aと、中心点Oを通り光
軸Lに直角な平面からなる平面状レンズ面1bとからな
る半球状の平凸レンズ系状に構成され、凸球面状レンズ
面1aが対物レンズ5の方を向き、平面状レンズ面1b
が対物レンズ5による結像面6に極く近接して(ほぼ重
なる程度まで近接して)配設されている。なお、固体浸
レンズ1が半球状であるため、この結像光学系において
は、対物レンズ5の結像面6は結像光学系の結像面でも
ある。但し、固体浸レンズ2を設けずに対物レンズ5の
みにより集光されて結像面に結像される集光スポット径
に比べて、固体浸レンズ1を設けた結像光学系では集光
スポット径が1/n(但し、nは固体浸レンズ1の屈折
率)となる。
【0016】一方、超半球タイプの固体浸レンズ2を用
いて構成される結像光学系の例を図2に示し、この結像
光学系は光軸L上に対物レンズ5と固体浸レンズ2とを
所定間隔をおいて図示のように配設して構成される。固
体浸レンズ2は、光軸L上の点Oを中心とする曲率半径
Rの凸球面状レンズ面2aと、光軸Lに直角な平面から
なる平面状レンズ面2bとからなる超半球状の平凸レン
ズ系状に構成され、凸球面状レンズ面2aが対物レンズ
5の方を向き、平面状レンズ面2bが結像光学系の結像
面7と極く近接して(ほぼ重なる程度まで近接して)配
設されている。固体浸レンズ2は超半球状であり、光軸
L上における固体浸レンズ2の厚さ(凸球面状レンズ面
2aと光軸Lとの交点Pから平面状レンズ面2bまでの
光軸Lに沿った距離)は(1+1/n)・Rである。
【0017】この結像光学系においては、対物レンズ5
により集光されて固体浸レンズ2に入射した光による結
像面7(すなわち、結像光学系の結像面7)が、固体浸
レンズ2の平面状レンズ面2bに極く近接して位置す
る。なお、対物レンズ5のみによる結像面は、図2にお
いて破線で示すように、凸球面状レンズ面2aと光軸L
との交点Pから光軸Lに沿って距離(1+n)・Rの位
置になる。この結像光学系においても、固体浸レンズ2
の作用により、対物レンズ5のみにより集光されて結像
面に結像される集光スポット径に比べて、集光スポット
径が1/n2(但し、nは固体浸レンズ1の屈折率)と
なる。
【0018】以上のような結像光学系において、固体浸
レンズ1,2が正確な球面および平面形状を有していれ
ば光学的に無収差となるが、ここで固体浸レンズ1,2
の厚さ(光軸L上での厚さ)が変化した場合の収差を検
討する。入射光の波長λ=450nm、開口数NA=
1.26、固体浸レンズの屈折率n=1.8、固体浸レ
ンズの直径Φ=0.5mm(半径R=0.25mm)と
した場合に、固体浸レンズの光軸上の厚さが正確な厚さ
から変化した場合の波面収差の変化を演算し、その結果
を表1に示す。なお、表1において、上側の表は半球タ
イプの固体浸レンズ1の場合、下側の表は超半球タイプ
の固体浸レンズ2の場合を示す。
【0019】
【表1】
【0020】このような波面収差変化において、収差限
界として一般的な回折限界の目安である0.07λ rms
(Root Mean Square)をとると、半球タイプの固体浸レン
ズ1の許容変化量は約50μmであり、超半球タイプの
固体浸レンズ2の許容変化量は約6μmである。このよ
うに、厚さ変動に対して、半球タイプの固体浸レンズ1
は超半球タイプに比べて一桁強いという結果となるが、
これは半球タイプの固体浸レンズ1における光の入射角
が常に零となることに鑑みれば当然のことであり、この
点においては、固体浸レンズとしては半球タイプの方が
すぐれていると言える。従って、以下の考察ではすべて
半球タイプの固体浸レンズを仮定して説明する。
【0021】次に、像面上において、ある有限な視野サ
イズが要求される場合を考える。例えば、光ディスクを
用いた光記録再生装置においては、いわゆるファインシ
ークやトラッキングサーボ等のため、集光されたレーザ
ースポットは光軸上だけでなく、光軸を含む周囲の決め
られた範囲で動かなければならない。このため、有限な
視野サイズに対する要求が出てくるのでこの点を検討す
る。
【0022】表2に、入射光の波長λ=450nm、開
口数NA=1.26、固体浸レンズの屈折率n=1.8
とした場合に、集光点が光軸から一定距離だけ離れたと
き(すなわち有限な像高をもったとき)に、波面収差を
0.07λrms以下に抑えるために必要な固体浸レン
ズの直径Φを示している。この表の関係から分かるよう
に、像高が変化したときに同じ波面収差に抑えるには固
体浸レンズの直径は像高の自乗に比例して大きくならな
ければならない。つまり、固体浸レンズの直径Φは像高
あるいは有効視野の自乗に比例する。
【0023】
【表2】
【0024】表3は、入射光の波長λ=450nm、固
体浸レンズの屈折率n=1.8、像高0.01mmとし
た場合に、開口数NAが変化したときに波面収差を0.
07λ rms以下に抑えるために必要な固体浸レンズの直
径Φを示している。この表の関係から、開口数NAが変
化したときに同じ波面収差に抑えるには、固体浸レンズ
の直径Φは開口数NAの自乗に比例して大きくならなけ
ればならないことが分かる。つまり、固体浸レンズの直
径Φは開口数NAの自乗に比例する。
【0025】
【表3】
【0026】表4は、入射光の波長λ=450nm、開
口数NA=1.44、像高0.01mmとした場合に、
固体浸レンズの屈折率nが変化したときに波面収差を
0.07λ rms以下に抑えるために必要な固体浸レンズ
の直径Φを示している。この表の関係から、屈折率nが
変化したときに同じ波面収差に抑えるには固体浸レンズ
の直径Φは屈折率nに比例して大きくならなければなら
ないことが分かる。つまり、固体浸レンズの直径Φは屈
折率nに比例する。
【0027】
【表4】
【0028】表5は、開口数NA=1.26、像高0.
01mm、固体浸レンズの屈折率n=1.8とした場合
に、入射光の波長λが変化したときに波面収差を約0.
07λ rms以下に抑えるために必要な固体浸レンズの直
径Φを示したものである。この表の関係から、波長が変
化したときに同じ波面収差に抑えるには固体浸レンズの
直径Φは波長に反比例して大きくならなければならない
ことが分かる。つまり、固体浸レンズの直径Φは、波長
λに反比例する。
【0029】
【表5】
【0030】以上述べた関係については、以下のように
定性的に説明することができる。まず、有限像高の集光
点に結像する場合に発生する収差の種類であるが、これ
はほぼ全てが非点収差である。この波面収差の一例を図
3に示しており、この収差図は明らかに非点収差そのも
のの特徴を示している。なお、周知の通り、非点収差は
像高と開口数NAの自乗に比例する。一方、開口数NA
と像高を一定にした場合、固体浸レンズのサイズと波面
収差は表5から分かるとおり反比例する。これらの事実
に鑑みれば、表2および表3の関係は首肯できる。
【0031】固体浸レンズのサイズと波面収差とが反比
例する理由も定性的に説明できる。いま、固体浸レンズ
のサイズすなわち直径Φ=1mm、像高0.01mmの
場合を考える。このときの収差をWとすると、この状態
で像高のみを2倍、つまり0.02mmにすると、非点
収差の性質から収差は4倍、すなわち4Wとなる。一
方、固体浸レンズのサイズ(直径)を2倍にすると、相
似関係を保ったまま大きさのみを2倍にすることであ
り、収差は2倍すなわち2Wとなるはずである。このよ
うに、4Wの収差を固体浸レンズのサイズを2倍にする
ことにより2Wに低減したのであるから、固体浸レンズ
のサイズと非点収差は反比例の関係にあることが分か
る。
【0032】次に、固体浸レンズのサイズと固体浸レン
ズの屈折率nとが比例するという点であるが、いま、通
常とは逆に固体浸レンズの像面上、すなわち、固体浸レ
ンズの平面状レンズ面に点物体があると仮定する。この
点物体から出て固体浸レンズを逆に通って進む光は、固
体浸レンズの球面状レンズ面から出射した後、発散す
る。この発散する光の波面の球面からのずれが固体浸レ
ンズの収差であると考えられる。この収差は、発散光を
逆追跡し、虚像位置での収差を計算することで得られ
る。この虚像の倍率はn倍となる。したがって、光線収
差もほぼn倍されるから波面収差もn倍である。一方、
虚像の像高はn倍となり、且つ虚像を作る光束の開口数
NAは1/n倍となる。よって、像高、開口数NAの変
化による収差の増減は相殺される。従って、固体浸レン
ズの非点収差は屈折率nに比例し、固体浸レンズは屈折
率nに比例して大きくする必要があることが分かる。
【0033】最後に、固体浸レンズのサイズが波長に反
比例することについては、波面収差が波長に反比例する
ことを考えれば明らかである。
【0034】以上のことから、固体浸レンズの直径Φ、
屈折率n、開口数NA、要求される視野半径rに対し
て、同一収差を保つためには、比例定数Cを用いて、次
式(3)の関係が必要となる。
【0035】
【数3】 Φ=C・n・NA2・r2・λ2 ・・・(3) (但し、長さの単位はすべてミリメートル)
【0036】一般に回折限界の基準として用いられてい
るのは波面収差0.07λ rmsである。ここで前述のよ
うに、表5は、開口数NA=1.26、像高0.01m
m、固体浸レンズの屈折率n=1.8とした場合に、入
射光の波長λが変化したときに波面収差を約0.07λ
rms(ストレール強度0.8)以下に抑えるために必要
な固体浸レンズの直径Φを示したものであり、表5の値
を上記式(3)に代入して比例定数Cを求めると、C=
0.6という値がほぼ該当する。また、C=1.4のと
きに波面収差はほぼ0.035λ rms(ストレール強度
0.95)となり、C=3.2のときに波面収差はほぼ
0.016λ rms(ストレール強度0.95)となる。
【0037】ここで、光ディスクの記録再生や、顕微鏡
の解像力増大に固体浸レンズを用いる場合は固体浸レン
ズのサイズは小さい方がよい。但し、収差の最低基準
(波面収差を約0.07λ rms以下に抑えるという基
準)から固体浸レンズのサイズ(直径)は最小でも
(3)式でC=0.6となる値に設定するのが好まし
い。一方、視野最外周で波面収差を0.016λ rmsよ
り小さくするのはオーバースペックとなり事実上意味が
ないから、固体浸レンズの上限は(3)式でC=3.2
とするのが好ましい。このような条件を示すのが前述の
条件式(1)である。但し、フライングヘッドに装着す
るなどの理由から一層の小型化が望まれる場合には、サ
イズを優先することになる。この場合、視野最外周で波
面収差0.035λrmsが保たれれば十分であると考え
られ、固体浸レンズの上限は(3)式でC=1.4とす
るのが好ましい。この条件に対応する条件式が前述の条
件式(2)である。
【0038】
【実施例】図4に本発明に係る結像光学系を用いた光デ
ィスク記録再生装置を示している。この装置において
は、光源11から出たレーザビームはレンズ12により
平行光束となり、ビームスプリッタ13を通過し、ミラ
ー14,15を経てミラー21に至る。このレーザ光の
経路を図中に矢印A1,A2,A3で示している。この
ミラー21は反射面に回折レンズとして働くグレーティ
ングが刻まれており対物レンズとしての作用をなし、ミ
ラー21に照射されたレーザビームはここで反射される
とともに収束光となる。もちろん、ミラー15とミラー
21との間、もしくはミラー21の下方に通常の対物レ
ンズを配設しても良い。
【0039】ミラー21は、ボイスコイルモータ17a
により揺動されるスイングアーム17の先端に取り付け
られている。スイングアーム17の先端の下面側にはさ
らに、ジンバル25によって支えられたスライダ26が
取り付けられており、スライダ26上に固体浸レンズ2
2が配設されている。なお、回折レンズとして働くミラ
ー21と固体浸レンズ22により本発明に係る結像光学
系20が構成される。上記のように収束光となったビー
ムは、矢印A4で示すように、固体浸レンズ22に入射
し、その底面(平面状レンズ面)に集光スポットを形成
する。このときの集光スポット径は、ミラー21の回折
レンズ作用のみにより形成される集光スポット径の1/
n(但し、nは固体浸レンズの屈折率)となる。
【0040】ここで、スライダー26は、光ディスク1
8の回転に伴って発生する空気ベアリング効果により、
光ディスク18の表面から極く僅かに浮上した状態であ
り、固体浸レンズ22の底面と光ディスク18の表面と
の間隔は入射光の波長のほぼ1/10以下に抑えられて
いる。このため、固体浸レンズ22の底面に形成された
集光スポット光は、この間隔を通して通常の進行波とエ
バネッセント波の両方が光ディスク18の表面に伝達さ
れ、ここに記録された情報を含んだ反射光となって取り
出される。
【0041】このように光ディスク18の表面から反射
されてくる記録情報を含んだ光は、固体浸レンズ22、
ミラー21,15,14を介して上記と逆の経路(A
4,A3,A2,A1の順に向かう経路)を辿って伝達
され、ビームスプリッタ13に入射される。この光はビ
ームスプリッタ31において反射されて矢印A0で示す
ように伝わり、検出器32に入射してここで電気信号に
変換される。
【0042】なお、このような光情報の記録再生を行う
ときに、光ディスク18の上でのファインシークおよび
トラッキングサーボを行うため、ミラー15は微少な光
偏向を行うようになっている。このため、固体浸レンズ
22は有限な視野を確保しなくてはならないが、例え
ば、この例においては視野半径0.01mmが要求され
る。ここで、光源からの光の波長λ=450nm、固体
浸レンズの開口数NA=1.26、屈折率n=1.8
で、視野半径が0.01mmのときに、固体浸レンズが
直径Φ=0.5mmであれば、前述の条件式を満足す
る。
【0043】図5には本発明に係る結像光学系50を顕
微鏡対物レンズとして用いた光学顕微鏡の構成例を示し
ている。この装置において、光源41から射出された光
はコンデンサレンズ42を通ってハーフミラー43で反
射され、対物レンズ51および固体浸レンズ52から構
成される顕微鏡対物レンズ50に入射する(B1,B2
で示す経路を通る)。ここで、対物レンズ51により収
束光となった光は固体浸レンズ52に入射して固体浸レ
ンズ52の底面(平面状レンズ面)に集光スポットを形
成し、ステージ44上の試料45を照明する。なお、固
体浸レンズ52は対物レンズ51との距離を一定に保つ
ため、保持部材55によって保持されている。
【0044】このようにして試料45に照射されて反射
した光は、再び固体浸レンズ52、対物レンズ51を通
ってハーフミラー43を通過し、像面46に実像を形成
する。なお、目視観察の場合には、この実像を接眼レン
ズにより拡大して見ることになる。このような場合の顕
微鏡対物レンズ50を構成する固体浸レンズ52は、例
えば、光源からの光の波長λ=450nm、固体浸レン
ズの開口数NA=1.26、屈折率n=1.8で、有効
視野半径が0.01mmで、固体浸レンズが直径Φ=
1.8mmであれば、前述の条件式を満足する。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
結像光学系の開口数NAと、固体浸レンズの屈折率n
と、要求される視野半径rとに対して、前述の条件式
(1)もしくは(2)を満足するように固体浸レンズの
直径Φを設定するので、要求される視野半径を満足する
とともにサイズを最適範囲内で最小にした結像光学系を
得ることができる。本発明ではこのような結像光学系を
用いて光ディスク記録再生装置が構成され、結像光学系
が小型軽量化できるのでこれにより、この装置を構成す
る可動部分の軽量化を図ることができる。また、本発明
ではこのような結像光学系を顕微鏡対物レンズとして用
いて顕微鏡が構成されるが、固体浸レンズを小型化して
対物レンズの作動距離を確保することが容易となるとい
う効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半球状タイプの固体浸レンズを用いた本発明に
係る結像光学系を示す正面図である。
【図2】超半球状タイプの固体浸レンズを用いた本発明
に係る結像光学系を示す正面図である。
【図3】本発明に係る結像光学系を構成する固体浸レン
ズの波面収差図である。
【図4】本発明に係る結像光学系を用いた光ディスク記
録再生装置の構成を示す概略図である。
【図5】本発明に係る結像光学系を顕微鏡対物レンズと
して用いて構成される顕微鏡の構成を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 半球タイプの固体浸レンズ 2 超半球タイプの固体浸レンズ 1a,2a 凸球面状レンズ面 1b,2b 平面状レンズ面 5 対物レンズ 6 結像面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H052 AB01 AB02 AC04 2H087 KA09 KA13 LA01 NA00 QA01 QA13 RA46 5D090 AA01 CC01 CC04 CC16 DD03 DD05 FF02 LL02 LL03 LL04 5D119 AA11 AA22 BA01 CA05 CA06 DA01 DA05 EC21 JA44 JB02 JB03 LB10 MA05 MA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズと、この対物レンズの光軸上
    に配設された固体浸レンズとを備え、 前記固体浸レンズが、前記対物レンズの光軸上の結像点
    を曲率中心とする所定曲率半径Rの凸球面状レンズ面
    と、前記曲率中心を通り前記対物レンズの光軸に直角な
    平面状レンズ面とを有する平凸レンズ形状に構成され、
    前記凸球面状レンズ面を前記対物レンズ側に向けるとと
    もに前記平面状レンズ面を結像面に極く近接して配設し
    てなる結像光学系において、 前記結像光学系の開口数NAと、前記固体浸レンズの屈
    折率nと、要求される視野半径rと、使用する光の波長
    λとに対して、前記固体浸レンズの直径Φが、条件式 0.6n・NA2・r2・λ-1≦Φ≦3.2n・NA2
    2・λ-1 (但し、長さの単位はすべてミリメートル)を満足する
    ことを特徴とする結像光学系。
  2. 【請求項2】 光ディスクの記録・再生用の光学系とし
    て使用される結像光学系であって、前記固体浸レンズの
    前記平面状レンズ面が前記光ディスクの記録・再生面に
    極く近接して配設され、 前記要求される視野半径rは、トラッキング制御におい
    てトラックを数本〜数十本の範囲で操作するファインシ
    ークに要求される光ディスク上のレーザースポット変位
    量であることを特徴とする請求項1に記載の結像光学
    系。
  3. 【請求項3】 前記固体浸レンズの直径Φが、さらに条
    件式 0.6n・NA2・r2・λ-1≦Φ≦1.4n・NA2
    2・λ-1 (但し、長さの単位はすべてミリメートル)を満足する
    ことを特徴とする請求項2に記載の結像光学系。
  4. 【請求項4】 前記対物レンズが回折格子からなること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の結像光学
    系。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の結像光
    学系を用いて構成される光ディスク記録再生装置であっ
    て、 前記固体浸レンズの前記平面状レンズ面が光記録再生用
    の記録媒体の表面に極く近接して配設され、対物レンズ
    により集光されて入射される光源からの光により前記平
    面状レンズ面に集光スポットを形成させ、この集光スポ
    ットを形成する光を用いて前記記録媒体への情報記録お
    よび再生を行わせるように構成されていることを特徴と
    する光ディスク記録再生装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の結像光
    学系を顕微鏡対物レンズとして用いて構成される顕微鏡
    であって、 前記固体浸レンズの前記平面状レンズ面が観察対象の表
    面に極く近接して配設されて構成されることを特徴とす
    る顕微鏡。
JP10292105A 1998-10-14 1998-10-14 固体浸レンズを用いた結像光学系並びにこの結像光学系を用いた光ディスク記録再生装置および顕微鏡 Pending JP2000121930A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10292105A JP2000121930A (ja) 1998-10-14 1998-10-14 固体浸レンズを用いた結像光学系並びにこの結像光学系を用いた光ディスク記録再生装置および顕微鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10292105A JP2000121930A (ja) 1998-10-14 1998-10-14 固体浸レンズを用いた結像光学系並びにこの結像光学系を用いた光ディスク記録再生装置および顕微鏡

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000121930A true JP2000121930A (ja) 2000-04-28

Family

ID=17777619

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10292105A Pending JP2000121930A (ja) 1998-10-14 1998-10-14 固体浸レンズを用いた結像光学系並びにこの結像光学系を用いた光ディスク記録再生装置および顕微鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000121930A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6475398B2 (en) 2000-10-10 2002-11-05 Nec Corporation Semiconductor device incorporating hemispherical solid immersion lens, apparatus and method for manufacturing same
WO2004083930A1 (ja) * 2003-03-20 2004-09-30 Hamamatsu Photonics K.K. 顕微鏡及び試料観察方法
US7046449B2 (en) 2003-03-20 2006-05-16 Hamamatsu Photonics K.K. Solid immersion lens and sample observation method using it
US7423816B2 (en) 2003-03-20 2008-09-09 Hamamatsu Photonics K.K. Solid immersion lens and microscope
CN110208937A (zh) * 2019-07-01 2019-09-06 达科为(深圳)医疗设备有限公司 一种大视野高性能的超小型显微物镜

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6475398B2 (en) 2000-10-10 2002-11-05 Nec Corporation Semiconductor device incorporating hemispherical solid immersion lens, apparatus and method for manufacturing same
US6608359B2 (en) 2000-10-10 2003-08-19 Nec Electronics Corporation Semiconductor device incorporating hemispherical solid immersion lens, apparatus and method for manufacturing the same
WO2004083930A1 (ja) * 2003-03-20 2004-09-30 Hamamatsu Photonics K.K. 顕微鏡及び試料観察方法
US7046449B2 (en) 2003-03-20 2006-05-16 Hamamatsu Photonics K.K. Solid immersion lens and sample observation method using it
JPWO2004083930A1 (ja) * 2003-03-20 2006-06-22 浜松ホトニクス株式会社 顕微鏡及び試料観察方法
US7149036B2 (en) 2003-03-20 2006-12-12 Hamamatsu Photonics K.K. Solid immersion lens and sample observation method using it
CN100345021C (zh) * 2003-03-20 2007-10-24 浜松光子学株式会社 显微镜以及试样观察方法
US7423816B2 (en) 2003-03-20 2008-09-09 Hamamatsu Photonics K.K. Solid immersion lens and microscope
JP4567594B2 (ja) * 2003-03-20 2010-10-20 浜松ホトニクス株式会社 顕微鏡、試料観察方法、及び半導体検査方法
CN110208937A (zh) * 2019-07-01 2019-09-06 达科为(深圳)医疗设备有限公司 一种大视野高性能的超小型显微物镜
CN110208937B (zh) * 2019-07-01 2024-04-02 达科为(深圳)医疗设备有限公司 一种大视野高性能的超小型显微物镜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6181478B1 (en) Ellipsoidal solid immersion lens
US4835380A (en) Scanning device for an optical recording and/or reproducing apparatus
JPH08315404A (ja) 光学ピックアップ装置
JP3563747B2 (ja) 対物レンズ
JP3608333B2 (ja) 光学ピックアップ及び光学ピックアップ用対物レンズの組み立て方法
EP0953975B1 (en) Optical pickup device
US6829105B2 (en) Objective optical system for optical pick-up
US5818809A (en) Optical system for recording and/or reproducing an optical information recording medium
JP4347959B2 (ja) 光情報記録再生装置
JP2000121930A (ja) 固体浸レンズを用いた結像光学系並びにこの結像光学系を用いた光ディスク記録再生装置および顕微鏡
US4701032A (en) Graded refractive index lens system
US4684221A (en) Graded refractive index single lens system
JP3918331B2 (ja) 反射微小光学系
US4979807A (en) Biaspherical single lens for an optical information recording-reproducing apparatus
JP2003077171A (ja) 光ピックアップ装置及びこれに適用される記録媒体
JPH09185836A (ja) 光情報記録媒体の記録再生用光学系
JPH08313805A (ja) レンズ装置及び紫外線集光装置
JP3108695B2 (ja) 光情報記録再生装置の光学系
JP2000339713A (ja) 光ピックアップ装置
JPH0411846B2 (ja)
JP2000266636A (ja) レンズ検査システム及びレンズ検査装置
JPH02257115A (ja) 光情報媒体の記録再生用光学系
JP3014311B2 (ja) ディスク基板厚み可変の対物レンズ系
JPH0429048B2 (ja)
JPH1164724A (ja) 光ディスク用対物レンズ及びそれを用いた光ヘッド装置