JP4530499B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチング素子を短絡電流から保護するための電流検出センサを搭載した電力変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電動機等の負荷に可変電圧可変周波数の電源を供給するものとしてPWMインバータを備えた電力変換装置が使用される。そして、電動機の容量が大きな場合は、その回生時の回生エネルギーを抵抗で消費することが困難となるため、PWMコンバータも搭載して、電源回生を可能とする構成としている。このようなPWMインバータ及びPWMコンバータは、P側母線及びN側母線にアーム構成されたIGBT等の各スイッチング素子が直結された構成となっているため、ゲート信号の誤動作や異常制御等による同時点弧が発生し、直流短絡を起こす場合がある。このような直流短絡が起きた場合は、瞬時に遮断を行わないと短絡電流によってスイッチング素子が破壊されることになる。そのため、電力変換装置には従来からホールCT等の電流検出センサが搭載され、速やかに短絡電流を検出して保護動作を行う機能が備えられている。
【0003】
図10は、いわゆるコンバータ1パラ・インバータ1パラ構成の電力変換装置の回路構成図であり、図11はその外観構成図である。コンバータ部1は、スイッチング素子(IGBT)RP,RNにより構成されるR相アーム、スイッチング素子SP,SNにより構成されるS相アーム、スイッチング素子TP,TNにより構成されるT相アームを有している。インバータ部2は、スイッチング素子UP,UNにより構成されるU相アーム、スイッチング素子VP,VNにより構成されるV相アーム、スイッチング素子WP,WNにより構成されるW相アームを有している。R,S,T相の各アームを構成するスイッチング素子同士の共通接続点には3相の交流電源3が接続されており、一方、U,V,W相の各アームを構成するスイッチング素子同士の共通接続点には負荷である交流モータ4が接続されている。また、これら各相のアームは、図11に示されているように、取付ベース部材12の両面に取り付けられている。
【0004】
スイッチング素子RP,SP,TPのコレクタ側はP側主回路ブス部材5Pにより連結されると共に、スイッチング素子RN,SN,TNのエミッタ側はN側主回路ブス部材5Nにより連結されている。そして、P側主回路ブス部材5PとN側主回路ブス部材5Nとの間に平滑コンデンサ6a,6bが接続されており、これらのコンデンサから流れる電流が電流検出センサとしてのホールCT7aにより検出されるようになっている。
【0005】
同様に、スイッチング素子UP,VP,WPのコレクタ側はP側主回路ブス部材8Pにより連結されると共に、スイッチング素子UN,VN,WNのエミッタ側はN側主回路ブス部材8Nにより連結されている。そして、P側主回路ブス部材8PとN側主回路ブス部材8Nとの間に平滑コンデンサ9a,9bが接続されており、これらのコンデンサから流れる電流が電流検出センサとしてのホールCT7bにより検出されるようになっている。なお、図10及び図11の例では、ホールCT7a,7bとして高速動作が可能なピアソンCTが用いられている。
【0006】
P側主回路ブス部材5P,8P間にはP側主回路接続線10Pが接続されると共に、N側主回路ブス部材5N,8N間にはN側主回路接続線10Nが接続されている。これらの主回路接続線10P,10Nにはインダクタンスの高いハイパロン線が用いられており、スイッチング素子が高速スイッチング動作を行ったときのコンバータ部1とインバータ部2との間の相互干渉が防止されるようになっている。
【0007】
ホールCT7a,7bからの電圧検出信号は制御部11に入力されるようになっており、制御部11はこの電圧検出信号のレベルが設定値を超えた場合に、直ちにスイッチング素子に流れる電流が遮断されるよう保護動作を行うようになっている。例えば、図10において、一対のスイッチング素子RP,RNが同時にオンしてしまった場合には主回路ブス部材5P,5N間すなわちP側母線及びN側母線間が短絡した状態となる。したがって、図10の一点鎖線で示したように、平滑コンデンサ6a,6bとスイッチング素子RP,RNとを通る閉ループ回路に短絡電流I1が流れることになる。ホールCT7aは、この時の短絡電流I1を検出してその電流レベルを表す電圧検出信号を制御部11に出力しており、制御部11はこの入力した電圧検出信号のレベルが設定値を超えた時点で短絡事故が発生したと判別して直ちに運転動作を停止させる。これにより、スイッチング素子RP,RNの短絡電流による破壊が防止されることになる。
【0008】
図12は、R,S,T及びU,V,Wの各相が各ユニット毎に分割されて配置されたコンバータ3パラ・インバータ3パラ構成を有する電力変換装置13の概略外観構成図である。すなわち、コンバータ側のスイッチング素子RP,RN及びインバータ側のスイッチング素子UP,UNはR/U相ユニット14に、コンバータ側のスイッチング素子SP,SN及びインバータ側のスイッチング素子VP,VNはS/V相ユニット15に、コンバータ側のスイッチング素子TP,TN及びインバータ側のスイッチング素子TP,TNはT/W相ユニット16に、それぞれ配設されている。そして、各ユニットはそれぞれに図示を省略してある冷却器を有しており、この冷却器によって各ユニット内のスイッチング素子に対する冷却が行われるようになっている。
【0009】
この図12の構成では、中央のS/V相ユニット15のみがホールCT7a,7bを有している。ホールCT7aは、スイッチング素子SPに接続されたP側ブス部材に取り付けられており、同様に、ホールCT7bは、スイッチング素子VPに接続されたP側ブス部材に取り付けられている。そして、各ユニット間のP側ブス部材同士及びN側ブス部材同士は図示を省略してある連結ブス部材により連結されており、スイッチング素子RP,RN間、スイッチング素子SP,SN間、スイッチング素子TP,TN間の各短絡はホールCT7aが検出し、また、スイッチング素子UP,UN間、スイッチング素子VP,VN間、スイッチング素子WP,WN間の各短絡はホールCT7bが検出するようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の電力変換装置は次のような課題を有するものであった。まず、第一に、いずれの電力変換装置も2つのホールCTを用いているが、このホールCTは優れた高速性を有するものである反面、価格的には非常に高価なものである。従来の電力変換装置は、このような高価なホールCTを2つも使用した構成であるため、装置全体のコストを引き上げてしまい、充分ななコストダウンを図ることができなかった。
【0011】
第二に、短絡事故が発生する一対のスイッチング素子の個所が異なると、短絡電流が流れる閉ループ回路のインピーダンスが異なるものとなるために、ホールCTから常に一定のレベルの短絡電流検出信号を得ることができなくなるという問題があった。この場合、図10及び図11に示したような1つのユニット内に全てのスイッチング素子が収納されている構成の場合は、どの部位で短絡が発生しようとインピーダンスに大きな相違はないために殆ど問題は生じない。例えば、スイッチング素子RP,RNに短絡が発生した場合も、スイッチング素子TP,TNに短絡が発生した場合もインピーダンスに大きな相違はないために、ホールCT7aから制御部11に出力される短絡電流検出信号は常に均一なものとなる。
【0012】
しかし、図12に示したような全てのスイッチング素子が複数のユニット内に分割されて収納されている構成の場合は、短絡の発生する部位によってインピーダンスに大きな相違が生じることになる。例えば、スイッチング素子SP,SNはホールCT7aに近い個所に配設されているために短絡時のインピーダンスは比較的小さなものとなるが、スイッチング素子RP,RN又はスイッチング素子TP,TNはホールCT7aから遠く離れた個所に配設されているために短絡時のインピーダンスは大きなものとなる。したがって、スイッチング素子RP,RN又はスイッチング素子TP,TNに短絡が発生した場合、ホールCT7aからの短絡電流検出信号が設定値のレベルに到達するまでに長い時間を要し、制御部11の保護動作が遅れてしまうことがあった。このような保護動作の遅れを解消するためには、R/U相ユニット14及びT/W相ユニット16にもホールCT7a,7bを設け、S/V相ユニット15と同様の構成にすればよいが、それでは高価なホールCTを合計6個も搭載することになり、コスト的には極めて不利なものとなる。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、使用する電流検出センサの個数を1個のみに削減すると共に、この削減にもかかわらず迅速な短絡保護動作を確保することが可能な電力変換装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、同一冷却器に取り付けられたコンバータ部及びインバータ部を備え、これらコンバータ部及びインバータ部の各相アームを形成する各一対のスイッチング素子の一端側及び他端側はそれぞれP側主回路ブス部材及びN側主回路ブス部材により連結されていると共に、これらコンバータ部並びにインバータ部の各P側主回路ブス部材同士の間及び各N側主回路ブス部材同士の間は干渉防止用導体で形成された主回路接続線により接続されており、更に、前記各一対のスイッチング素子に発生する短絡電流を検出するための電流検出センサを有する電力変換装置において、前記電流検出センサを1個のみ含んで構成される短絡検出回路を備え、この短絡検出回路の接続個所を、前記コンバータ部又はインバータ部の各相アームを形成する各一対のスイッチング素子のうちのいずれに短絡が発生したとしても、この短絡検出回路と、その短絡が発生した前記各一対のスイッチング素子とに短絡電流が流れるときのインピーダンスが、いずれの場合にもほぼ同様の値になる個所とし、これによりこの短絡検出回路がいずれの場合にも均一レベルの短絡電流検出信号を出力するようにした、ことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、高価な電流検出センサを1個しか用いていないのでコストダウンを図ることができる。そして、いずれの一対のスイッチング素子に短絡が発生しても常に均一レベルの電圧検出信号を出力することができるので、スイッチング素子に対する短絡保護動作を確実に行うことができる。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記短絡検出回路は、前記各一対のスイッチング素子のいずれかに短絡が発生した場合に、この一対のスイッチング素子を通る閉ループ回路に短絡検出用電流を供給する短絡検出用コンデンサと、前記一対のスイッチング素子を通る閉ループ回路の途中に配設され、前記短絡検出用コンデンサから供給される短絡検出用電流を検出する前記1個の電流検出センサと、を有するものである、ことを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、いずれか一対のスイッチング素子に短絡が発生した場合に、短絡検出用コンデンサから短絡検出を行うための電流を電流検出センサに向けて流すことができる。このような短絡検出用コンデンサ及び電流検出センサにより構成される短絡検出回路の接続を所定の個所で行うことにより、短絡の発生個所如何にかかわらず、常に均一レベルの電圧検出信号を出力することができる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記同一冷却器に取り付けられたコンバータ部及びインバータ部を複数組備え、各組のコンバータ部並びにインバータ部のP側主回路ブス部材同士及びN側主回路ブス部材同士はそれぞれP側連結用ブス部材及びN側連結用ブス部材により連結されており、前記干渉防止用導体で形成された主回路接続線による接続は、前記P側連結用ブス部材及びN側連結用ブス部材を介して行われている、ことを特徴とする。
【0019】
比較的容量の大きな電力変換装置の場合、上記のように、同一冷却器にコンバータ部及びインバータ部が複数組取り付けられ、したがって、主回路ブス部材の他に連結用ブス部材を用いた構成が採用される。そのため、短絡の発生部位によって短絡電流が流れるときのインピーダンスが大きく異なるため、常に均一レベルの電圧検出信号を得るのは難しいが、上記のような短絡検出回路により常に均一レベルの電圧検出信号を得ることができる。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記N側連結用ブス部材と前記短絡検出回路の負側との間に、各組毎の前記コンバータ部又はインバータ部における短絡発生部位の相違に応じた前記閉ループ回路のインピーダンスがほぼ同様の値になるまでに、これらのインピーダンスの差異を小さくするための補助接続線を接続した、ことを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、より一層均一なレベルの電圧検出信号を得ることができる。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記同一冷却器に取り付けられたコンバータ部及びインバータ部を複数組備え、各組のコンバータ部並びにインバータ部のP側主回路ブス部材同士及びN側主回路ブス部材同士は前記干渉防止用導体で形成された主回路接続線により接続されており、前記P側主回路ブス部材同士又はN側主回路ブス部材同士のいずれか一方のみがP側連結用ブス部材又はN側連結用ブス部材により連結されている、ことを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、P側連結用ブス部材又はN側連結用ブス部材のいずれか一方を省略することができるので、装置の構成をより簡単化することができる。
【0024】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記短絡検出回路は、前記各一対のスイッチング素子のいずれかに短絡が発生した場合に、この一対のスイッチング素子を通る閉ループ回路の途中に配設され、前記コンバータ部から前記インバータ部へ向かう短絡電流のみを流す第1の短絡検出用導体、及び前記インバータ部から前記コンバータ部へ向かう短絡電流のみを流す第2の短絡検出用導体と、前記第1の短絡検出用導体又は前記第2の短絡検出用導体を流れる短絡電流を検出する前記1個の電流検出センサと、を有するものである、ことを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、短絡検出用コンデンサが不要となり、短絡検出回路の構成をより簡単にすることができる。この場合、短絡電流はコンバータ部に搭載されている平滑コンデンサ、又はインバータ部に搭載されている平滑コンデンサから流れることになる。
【0026】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記短絡検出回路は、前記各一対のスイッチング素子のいずれかに短絡が発生した場合に、この一対のスイッチング素子を通る閉ループ回路の途中に配設され、前記コンバータ部から前記インバータ部へ向かう短絡電流、及び前記インバータ部から前記コンバータ部へ向かう短絡電流の双方の通過を許容する短絡検出用導体と、前記短絡検出用導体を流れる短絡電流を検出する前記1個の電流検出センサと、を有するものである、ことを特徴とする。
【0027】
上記構成によれば、1本の短絡検出用導体に対して、コンバータ部からインバータ部へ向かう短絡電流と、インバータ部からコンバータ部へ向かう短絡電流との双方の電流を流すことができるので、短絡検出回路の構成をより簡単にすることができる。
【0028】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記短絡検出回路は、前記電流検出センサが前記コンバータ部から前記インバータ部へ向かう短絡電流を検出したときの検出信号を入力し、この検出信号が閾値を超えた場合に短絡検出信号を出力する第1のコンパレータと、前記電流検出センサが前記インバータ部から前記コンバータ部へ向かう短絡電流を検出したときの検出信号を入力し、この検出信号が閾値を超えた場合に短絡検出信号を出力する第2のコンパレータと、を有するものである、ことを特徴とする。
【0029】
請求項7の発明の構成では、1本の短絡検出用導体に対して、コンバータ部からインバータ部へ向かう短絡電流と、インバータ部からコンバータ部へ向かう短絡電流との双方の電流を流すために、これらの電流の極性は反対になる。したがって、これらの電流が所定レベルを超えたか否かの判別を行うコンパレータについても2種類のものが必要となる。
【0030】
請求項9記載の発明は、請求項6乃至8のいずれかに記載の発明において、前記同一冷却器に取り付けられたコンバータ部及びインバータ部を1組だけ有するものである、ことを特徴とする。
【0031】
請求項6乃至8の発明の構成では、短絡検出用コンデンサを用いておらず、コンバータ部又はインバータ部の平滑コンデンサから流れる短絡電流を検出することになる。したがって、同一冷却器に取り付けられたコンバータ部及びインバータ部が複数組の場合には、短絡の発生部位によってインピーダンスが大きく異なることになる。それ故、請求項6乃至8の発明における短絡検出回路の構成は、同一冷却器に取り付けられたコンバータ部及びインバータ部が1組だけの場合に適用されることになる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。但し、図10乃至図12において説明したのと同様の構成要素には同一符号を付して重複した説明を省略する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力変換装置の回路構成図であり、図2はその外観構成図である。図1及び図2が図10及び図11と異なる点は、ホールCT7a,7bが削除され、代わりに1個のホールCT7を含んで構成される短絡検出回路17が設けられている点である。
【0033】
すなわち、短絡検出回路17は、電流検出センサとしての1個のホールCT7(従来のホールCT7a,7bと同様のものである。)と、直列接続された2個の短絡検出用コンデンサ18a,18bとから構成されている。また、短絡検出回路17の正側は、短絡検出用ブス部材19によりP側主回路接続線10PとP側主回路ブス部材8Pとの接続点に接続され、短絡検出回路17の負側は、短絡検出用ブス部材19によりN側主回路接続線10NとN側主回路ブス部材5Nとの共通接続点に接続されている。そして、ホールCT7からの電圧検出信号が制御部11に出力されるようになっている。なお、上記のように、直列接続された2つのコンデンサ18a,18bを用いているのは、本実施形態では所定の電圧レベルを得るのに偶々2個のコンデンサを必要としたからに過ぎない。したがって、所定の電圧レベルを得られるのであれば勿論1個のコンデンサのみでもよい。
【0034】
次に、図1の動作につき説明する。例えば、スイッチング素子RP,RNに短絡事故が発生した場合、平滑コンデンサ6a,6bとスイッチング素子RP,RNとを通る閉ループ回路に短絡電流I1が流れると共に、短絡検出用コンデンサ18a,18bとスイッチング素子RP,RNとを通る別の閉ループ回路に短絡電流I2が流れることになる。ホールCT7は、この短絡電流I2を検出し、その検出信号を制御部11に出力する。
【0035】
同様にして、例えば、スイッチング素子WP,WNに短絡事故が発生した場合、平滑コンデンサ9a,9bとスイッチング素子WP,WNを通る閉ループ回路に短絡電流I3が流れると共に、短絡検出用コンデンサ18a,18bとスイッチング素子WP,WNとを通る閉ループ回路に短絡電流I4が流れることになる。ホールCT7は、この短絡電流I2を検出し、その検出信号を制御部11に出力することになる。
【0036】
上記の場合、スイッチング素子RP,RNの短絡時に短絡電流I2が流れるときのインピーダンスと、スイッチング素子WP,WNの短絡時に短絡電流I4が流れるときのインピーダンスとはほぼ同様の値である。したがって、ホールCT7から出力される短絡電流検出信号のレベルもほぼ均一レベルのものとなる。このように、図1の構成によれば、高価なホールCT7を1個しか用いていないためにコストを大幅に削減することができ、また、コンバータ部1及びインバータ部2のいずれのスイッチング素子に短絡事故が発生してもほぼ均一なレベルの短絡電流検出信号を得ることができるので、常に迅速な短絡保護動作を確保することが可能になる。
【0037】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る電力変換装置の外観構成図であり、図12の構成と同様に、R,S,T及びU,V,Wの各相が各ユニット毎に分割されて配置されたコンバータ3パラ・インバータ3パラ構成を有するものである。すなわち、この電力変換装置は、それぞれ個別の冷却器により冷却されるR/U相ユニット20、S/V相ユニット21、及びT/W相ユニット22を備えている。
【0038】
R/U相ユニット20は、一対のスイッチング素子RP,RNと、一対のスイッチング素子UP,UNと、R相平滑コンデンサ23と、U相平滑コンデンサ24とを有している。S/V相ユニット21は、一対のスイッチング素子SP,SNと、一対のスイッチング素子VP,VNと、S相平滑コンデンサ25と、V相平滑コンデンサ26とを有している。T/W相ユニット22は、一対のスイッチング素子TP,TNと、一対のスイッチング素子WP,WNと、T相平滑コンデンサ27と、W相平滑コンデンサ28とを有している。
【0039】
R/U相ユニット20において、スイッチング素子RP,RNにはそれぞれP側主回路ブス部材29P及びN側主回路ブス部材29Nが接続され、更に、R相平滑コンデンサ23の一端側及び他端側がこれらのブス部材29P,29Nに接続されている。同様に、スイッチング素子UP,UNにはそれぞれP側主回路ブス部材30P及びN側主回路ブス部材30Nが接続され、更に、U相平滑コンデンサ24の一端側及び他端側がこれらのブス部材30P,30Nに接続されている。
【0040】
S/V相ユニット21において、スイッチング素子SP,SNにはそれぞれP側主回路ブス部材31P及びN側主回路ブス部材31Nが接続され、更に、S相平滑コンデンサ25の一端側及び他端側がこれらのブス部材31P,31Nに接続されている。同様に、スイッチング素子VP,VNにはそれぞれP側主回路ブス部材32P及びN側主回路ブス部材32Nが接続され、更に、V相平滑コンデンサ26の一端側及び他端側がこれらのブス部材32P,32Nに接続されている。
【0041】
T/W相ユニット22において、スイッチング素子TP,TNにはそれぞれP側主回路ブス部材33P及びN側主回路ブス部材33Nが接続され、更に、T相平滑コンデンサ27の一端側及び他端側がこれらのブス部材33P,33Nに接続されている。同様に、スイッチング素子WP,WNにはそれぞれP側主回路ブス部材34P及びN側主回路ブス部材34Nが接続され、更に、W相平滑コンデンサ28の一端側及び他端側がこれらのブス部材34P,34Nに接続されている。
【0042】
そして、コンバータ側のP側主回路ブス部材29P,31P,33PはP側連結用ブス部材35Pにより連結されており、N側主回路ブス部材29N,31N,33NはN側連結用ブス部材35Nにより連結されている。同様に、インバータ側のP側主回路ブス部材30P,32P,34PはP側連結用ブス部材36Pにより連結されており、N側主回路ブス部材30N,32N,34NはN側連結用ブス部材36Nにより連結されている。なお、N側連結用ブス部材36Nには延長部分36N1が形成されている。
【0043】
更に、P側連結用ブス部材35Pと36Pとは、ハイパロン線により形成されたP側主回路接続線37P,38Pにより2個所で接続されており、また、N側連結用ブス部材35Nと36Nとは、同じくハイパロン線により形成されたN側主回路接続線37N,38Nにより2個所で接続されている。そして、短絡検出回路17の正側が短絡検出用ブス部材19を介してP側連結用ブス部材35P(又はP側主回路ブス部材29P)に接続されると共に、延長部分36N1の端部が短絡検出用ブス部材19を介して短絡検出回路17の負側に接続されている。
【0044】
次に、上記のように構成される図3の電力変換装置において、短絡発生時に短絡検出用電流が辿る経路について説明する。いま、例えば、コンバータ側の一対のスイッチング素子RP,RNに短絡が発生したとすると、短絡検出回路17からの短絡検出用電流は、短絡検出用コンデンサ18aの正側端子→短絡検出用ブス部材19→P側主回路ブス部材29P→スイッチング素子RP→スイッチング素子RN→N側主回路ブス部材29N→N側連結用ブス部材35N→N側主回路接続線37N及び38N→N側連結用ブス部材36N→延長部分36N1→延長部分36N1→短絡検出用ブス部材19→コンデンサ18bの負側端子、という閉ループ回路を流れることになる。
【0045】
また、インバータ側の一対のスイッチング素子UP,UNに短絡が発生したとすると、短絡検出回路17からの短絡検出用電流は、短絡検出用コンデンサ18aの正側端子→P側連結用ブス部材35P→P側主回路接続線37P及び38P→P側連結用ブス部材36P→P側主回路ブス部材30P→スイッチング素子UP→スイッチング素子UN→N側主回路ブス部材30N→N側連結用ブス部材36N→延長部分36N1→短絡検出用ブス部材19→コンデンサ18bの負側端子、という閉ループ回路を流れることになる。
【0046】
コンバータ側のその他の一対のスイッチング素子SP,SN及びTP,TN並びにインバータ側のその他の一対のスイッチング素子VP,VN及びWP,WNに短絡が発生した場合の経路も上述した経路から容易に類推できるため、その説明については省略することとする。
【0047】
上記のような各経路を短絡検出用電流が通過する場合の各インピーダンスを検討してみると、それぞれに差異はあるものの、ホールCT7が制御部11に出力する短絡電流検出信号のレベルは、制御部11がいずれの場合にも同程度の保護動作を行うためには充分な程度に均一なレベルとなる。したがって、図3の構成においても、図1の構成の場合と同様に、コストを大幅に削減することができ、且つ、常に迅速な短絡保護動作を確保することが可能になる。
【0048】
図4は、本発明の第3の実施形態に係る電力変換装置の外観構成図であり、第2の実施形態における各閉ループ回路のインピーダンスの差異をより小さくした構成を示すものである。図4が図3と異なる点は、N側連結用ブス部材35Nの端部と延長部分36N1との間に補助接続線39(ハイパロン線)が接続されている点である。
【0049】
図3において、既述したように、短絡検出回路17からの短絡検出用電流が各閉ループ回路を通過する場合の各インピーダンスには若干の差異がある。そこで、この各インピーダンスの差異を図5の等価回路に基づき具体的に求めてみる。
【0050】
図5は、コンバータ側のスイッチング素子RP,RN、スイッチング素子SP,SN、スイッチング素子TP,TNのそれぞれに短絡が発生した場合に、短絡検出回路17からの短絡検出用電流が通過する各閉ループ回路のインピーダンスを求めるためのものである(図中の破線は素子RP,RNに短絡が発生した場合の短絡検出用電流の通過経路を示している。)。この図において、R1は、ブス部材31Pで等分されるP側連結用ブス部材35Pの各部分の抵抗値を示しており、R2は、ブス部材37N,38Nにより4等分されるN側連結用ブス部材35Nの各部分の抵抗値を示している(但し、R1=R2)。また、R3は、N側主回路接続線37N,38Nの抵抗値を示している。
【0051】
いま、一対のスイッチング素子RP,RNに短絡が発生したとすると、スイッチング素子RP,RNを通過した電流は、抵抗R1,R3(37N側)の経路を辿って短絡検出回路17の負側に到達すると共に、抵抗R2,R2,R2,R3(38N側)の経路を辿って短絡検出回路17の負側に到達する。この場合のトータルインピーダンスをZRとすると、このZRは下式(1)により表すことができる(途中の演算過程については説明を省略する)。同様にして、一対のスイッチング素子SP,SNに短絡が発生した場合のトータルインピーダンスZS、及び一対のスイッチング素子TP,TNに短絡が発生した場合のトータルインピーダンスZTは、それぞれ下式(2),(3)により表すことができる。
【0052】
【数1】
Figure 0004530499
上記の各式を比較すると、ZR<ZS<ZT となり、R2,R3の値如何によっては各トータルインピーダンス間の差異が大きくなることがある。そこで、図4に示すように、補助接続線39を追設することにより、これら各トータルインピーダンス間の差異を小さくすることができる。すなわち、図4において、スイッチング素子RP,RNを通過しN側連結用ブス部材35Nに到達した電流は、N側主回路接続線37N,38N及びN側連結用ブス部材36Nを経由して短絡検出回路17の負側に到達するものの他に、より距離の短い補助接続線39を通って短絡検出回路17の負側に到達するものがあるため、図3の場合に比べてトータルインピーダンスZRを小さくすることができる。したがって、図3の構成に比べてより確実且つ安定した短絡保護動作を行うことが可能になる。
【0053】
図6は、本発明の第4の実施形態に係る電力変換装置の外観構成図であり、第2及び第3の実施形態におけるブス部材の数を削減することでより簡単化した構成を実現したものである。図6が図3又は図4と異なる主な点は、P側連結用ブス部材36P、N側連結用ブス部材36N及び延長部分36N1が削除されている点である。
【0054】
すなわち、R/U相ユニット20内のインバータ側構成要素であるスイッチング素子UP,UN及びU相平滑コンデンサ24には主回路ブス部材30P,30Nが接続されているが、これらの主回路ブス部材30P,30Nは、ハイパロン線により形成されたP側主回路接続線40P及びN側主回路接続線40Nにより、それぞれコンバータ側のブス部材29P,29Nに接続されており、したがって連結用ブス部材35P,35Nに接続されている。同様に、S/V相ユニット21内のブス部材32P,32Nは、P側主回路接続線41P及びN側主回路接続線41Nによりそれぞれコンバータ側のブス部材31P,31Nに接続されており、したがって連結用ブス部材35P,35Nに接続されている。また、T/W相ユニット22内のブス部材34P,34Nも、P側主回路接続線42P及びN側主回路接続線42Nによりそれぞれコンバータ側のブス部材33P,33Nに接続されており、したがって連結用ブス部材35P,35Nに接続されている。
【0055】
結局、各ユニット内のP側主回路ブス部材30P,32P,34PはP側連結用ブス部材35Pを介して互いに連結され、また、N側主回路ブス部材30N,32N,34NもN側連結用ブス部材35Nを介して互いに連結されていることになる。つまり、図6の構成は回路的には図3又は図4と同様の構成となるが、P側連結用ブス部材36P及びN側連結用ブス部材36Nが省略されているので、より簡単化された構成となっている。
【0056】
図7は、本発明の第5の実施形態に係る電力変換装置の要部を示す外観構成図である。図1の構成における短絡検出回路17では短絡検出用コンデンサ18a,18bが用いられていたが、この実施形態はこれらのコンデンサを省略して短絡検出回路を構成したものである。
【0057】
すなわち、コンバータ部1側のP側主回路ブス部材5Pにはダイオード45のアノード側が取り付けられており、インバータ部2側のP側主回路ブス部材8Pにはダイオード46のアノード側が取り付けられている。そして、ダイオード45のカソード側には第1の短絡検出用導体47の一端側が接続されており、この第1の短絡検出用導体47の他端側はホールCT7を通過してP側主回路ブス部材8Pに接続されている。同様に、ダイオード46のカソード側には第2の短絡検出用導体48の一端側が接続されており、この第2の短絡検出用導体48の他端側はホールCT7を通過してP側主回路ブス部材5Pに接続されている。本実施形態では、上記のホールCT7、ダイオード45,46、第1及び第2の短絡検出用導体47,48により短絡検出回路が構成されている。なお、本実施形態では、コスト低減のために、コンバータ部1及びインバータ部2の冷却器として、冷却ファン43,44(ブレージングファン)を採用している。
【0058】
次に、図7の動作につき説明する。いま、インバータ部2側の一対のスイッチング素子UP,UN(又はVP,VN若しくはWP,WN)に短絡が発生したとすると、平滑コンデンサ6a,6bからの電流が短絡検出用電流Iaとなって第1の短絡検出用導体47を流れる。ホールCT7は、この短絡検出用電流Iaを検出し、その検出信号を制御部11に出力する。一方、コンバータ部1側の一対のスイッチング素子RP,RN(又はSP,SN若しくはTP,TN)に短絡が発生したとすると、平滑コンデンサ9a,9bからの電流が短絡検出用電流Ibとなって第2の短絡検出用導体48を流れる。ホールCT7は、この短絡検出用電流Ibを検出し、その検出信号を制御部11に出力する。
【0059】
上記の構成によれば、短絡検出用コンデンサ18a,18bを省略することができるので、短絡検出回路を簡単化することができ、よりコストダウンを図ることができる。更に、上記実施形態では、ホールCT7により検出される短絡検出用電流Ia,Ibの向きは常に同一方向となり同一極性となっているので、制御部11では短絡判別のために1種類のコンパレータのみを用いれば足りる。
【0060】
図8は、本発明の第6の実施形態に係る電力変換装置の要部を示す外観構成図であり、図7の第5の実施形態と同様に、短絡検出用コンデンサ18a,18bを省略して短絡検出回路を簡単化したものである。図8が図7と異なる点は、ダイオード45,46が削除され、ホールCT7を通過する導体が1本の短絡検出用導体49だけとなるようにした点である。
【0061】
この図8の動作は図7の場合と同様であり、インバータ部2側のスイッチング素子に短絡が発生した場合には平滑コンデンサ6a,6bからの短絡検出用電流IaがP側主回路ブス部材5PからP側主回路ブス部材8Pに向かって流れ、一方、コンバータ部1側のスイッチング素子に短絡が発生した場合には平滑コンデンサ9a,9bからの短絡検出用電流IbがP側主回路ブス部材8PからP側主回路ブス部材5Pに向かって流れることになる。しかし、この実施形態では、1本の短絡検出用導体49上を、互いに向きが異なり逆極性となる短絡検出用電流Ia,Ibが流れる構成となっているので、制御部11における短絡判別回路では2種類のコンパレータを用いる必要がある。
【0062】
図9は、この第6の実施形態において用いられる制御部11内の短絡判別回路50の構成を示す回路図である。この図において、短絡検出回路17からの検出信号は抵抗51aを介して第1のコンパレータ52aの反転側入力端子に入力されるようになっており、この反転側入力端子には抵抗53aを介してレベル設定器54aからのレベル設定信号も入力されるようになっている。そして、第1のコンパレータ52aの非反転側入力端子には所定レベルに設定された閾値信号が入力されるようになっている。したがって、第1のコンパレータ52aは、レベル設定された検出信号が閾値信号よりも大きくなった場合にH信号を出力する。
【0063】
短絡検出回路17からの検出信号は、また、抵抗51bを介して第2のコンパレータ52bの非反転側入力端子に入力されるようになっており、この非反転側入力端子には抵抗53bを介してレベル設定器54bからのレベル設定信号も入力されるようになっている。そして、第2のコンパレータ52bの反転側入力端子には所定レベルに設定された閾値信号が入力されるようになっている。したがって、第2のコンパレータ52bも、第1のコンパレータ52aと同様に、レベル設定された検出信号が閾値信号よりも大きくなった場合にH信号を出力する。
【0064】
NOR回路55は、第1のコンパレータ52a又は第2のコンパレータ52bいずれかから上記のH信号を入力した場合に、図示を省略してある運転制御回路に短絡判別信号を出力し、電力変換装置の運転を直ちに停止させるようにする。
【0065】
なお、上述した図7の第5の実施形態及び図8の第6の実施形態は、図1の構成の電力変換装置すなわち同一冷却器に取り付けられたコンバータ部及びインバータ部を1組だけ有するものに適用するのが好ましく、図3、図4、及び図6のような同一冷却器に取り付けられたコンバータ部及びインバータ部を複数組有するものに適用するのは好ましくない。これは、図7及び図8の構成は平滑コンデンサからの電流を短絡検出用電流として用いる構成であるため、もしこの図7及び図8の構成を図3、図4、及び図6の構成に適用すると、短絡発生部位によっては閉ループ回路のインピーダンスの差異が大きくなってしまい、前述した第2の課題が解消されないことになり、更に、多くの本数の短絡検出用導体がホールCT7内を挿通するという好ましくない構成になるからである。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、電流検出センサを1個のみ含んで構成される短絡検出回路を、コンバータ部又はインバータ部の各相アームを形成する各一対のスイッチング素子のうちのいずれに短絡事故が発生したとしても均一レベルの短絡電流検出信号を出力し得る個所に接続するようにしたので、電流検出センサの個数を1個のみに削減したにもかかわらず迅速な短絡保護動作を確保することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電力変換装置の回路構成図。
【図2】図1の装置の外観構成図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る電力変換装置の外観構成図。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る電力変換装置の外観構成図。
【図5】図3又は図4において短絡検出用電流が閉ループ回路を通過するときの各インピーダンスの差異を求めるための等価回路図。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る電力変換装置の外観構成図。
【図7】本発明の第5の実施形態に係る電力変換装置の要部を示す外観構成図。
【図8】本発明の第6の実施形態に係る電力変換装置の要部を示す外観構成図。
【図9】上記第6の実施形態において用いられる制御部11内の短絡判別回路50の構成を示す回路図。
【図10】コンバータ1パラ・インバータ1パラ構成の従来の電力変換装置の回路構成図。
【図11】図10の装置の外観構成図。
【図12】R,S,T及びU,V,Wの各相が各ユニット毎に分割されて配置されたコンバータ3パラ・インバータ3パラ構成を有する電力変換装置13の概略外観構成図。
【符号の説明】
1 コンバータ部
2 インバータ部
3 三相交流電源
4 交流モータ
5P P側主回路ブス部材
5N N側主回路ブス部材
6a,6b 平滑コンデンサ
7,7a,7b ホールCT(電流検出センサ)
8P P側主回路ブス部材
8N N側主回路ブス部材
9a,9b 平滑コンデンサ
10P P側主回路接続線
10N N側主回路接続線
11 制御部
12 取付ベース部材
13 電力変換装置
14 R/U相ユニット
15 S/V相ユニット
16 T/W相ユニット
17 短絡検出回路
18a,18b 短絡検出用コンデンサ
19 短絡検出用ブス部材
20 R/U相ユニット
21 S/V相ユニット
22 T/W相ユニット
23 R相平滑コンデンサ
24 U相平滑コンデンサ
25 S相平滑コンデンサ
26 V相平滑コンデンサ
27 T相平滑コンデンサ
28 W相平滑コンデンサ
29P P側主回路ブス部材
29N N側主回路ブス部材
30P P側主回路ブス部材
31P P側主回路ブス部材
31N N側主回路ブス部材
32P P側主回路ブス部材
32N N側主回路ブス部材
33P P側主回路ブス部材
33N N側主回路ブス部材
34P P側主回路ブス部材
34N N側主回路ブス部材
35P P側連結用ブス部材
35N N側連結用ブス部材
36P P側連結用ブス部材
36N N側連結用ブス部材
37P P側主回路接続線
37N N側主回路接続線
38P P側主回路接続線
38N N側主回路接続線
39 補助接続線
40P P側主回路接続線
40N N側主回路接続線
41P P側主回路接続線
41N N側主回路接続線
42P P側主回路接続線
42N N側主回路接続線
43,44 冷却ファン
45,46 ダイオード
47 第1の短絡検出用導体
48 第2の短絡検出用導体
49 短絡検出用導体
50 短絡判別回路
51a,51b 抵抗
52a 第1のコンパレータ
52b 第2のコンパレータ
53a,53b 抵抗
54a,54b レベル設定器
55 NOR回路
Ia,Ib 短絡検出用電流

Claims (9)

  1. 同一冷却器に取り付けられたコンバータ部及びインバータ部を備え、これらコンバータ部及びインバータ部の各相アームを形成する各一対のスイッチング素子の一端側及び他端側はそれぞれP側主回路ブス部材及びN側主回路ブス部材により連結されていると共に、これらコンバータ部並びにインバータ部の各P側主回路ブス部材同士の間及び各N側主回路ブス部材同士の間は干渉防止用導体で形成された主回路接続線により接続されており、更に、前記各一対のスイッチング素子に発生する短絡電流を検出するための電流検出センサを有する電力変換装置において、
    前記電流検出センサを1個のみ含んで構成される短絡検出回路を備え、
    この短絡検出回路の接続個所を、前記コンバータ部又はインバータ部の各相アームを形成する各一対のスイッチング素子のうちのいずれに短絡が発生したとしても、この短絡検出回路と、その短絡が発生した前記各一対のスイッチング素子とに短絡電流が流れるときのインピーダンスが、いずれの場合にもほぼ同様の値になる個所とし、これによりこの短絡検出回路がいずれの場合にも均一レベルの短絡電流検出信号を出力するようにした、
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記短絡検出回路は、
    前記各一対のスイッチング素子のいずれかに短絡が発生した場合に、この一対のスイッチング素子を通る閉ループ回路に短絡検出用電流を供給する短絡検出用コンデンサと、
    前記一対のスイッチング素子を通る閉ループ回路の途中に配設され、前記短絡検出用コンデンサから供給される短絡検出用電流を検出する前記1個の電流検出センサと、
    を有するものである、
    ことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記同一冷却器に取り付けられたコンバータ部及びインバータ部を複数組備え、各組のコンバータ部並びにインバータ部のP側主回路ブス部材同士及びN側主回路ブス部材同士はそれぞれP側連結用ブス部材及びN側連結用ブス部材により連結されており、
    前記干渉防止用導体で形成された主回路接続線による接続は、前記P側連結用ブス部材及びN側連結用ブス部材を介して行われている、
    ことを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
  4. 前記N側連結用ブス部材と前記短絡検出回路の負側との間に、各組毎の前記コンバータ部又はインバータ部における短絡発生部位の相違に応じた前記閉ループ回路のインピーダンスがほぼ同様の値になるまでに、これらのインピーダンスの差異を小さくするための補助接続線を接続した、
    ことを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
  5. 前記同一冷却器に取り付けられたコンバータ部及びインバータ部を複数組備え、各組のコンバータ部並びにインバータ部のP側主回路ブス部材同士及びN側主回路ブス部材同士は前記干渉防止用導体で形成された主回路接続線により接続されており、
    前記P側主回路ブス部材同士又はN側主回路ブス部材同士のいずれか一方のみがP側連結用ブス部材又はN側連結用ブス部材により連結されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の電力変換装置。
  6. 前記短絡検出回路は、
    前記各一対のスイッチング素子のいずれかに短絡が発生した場合に、この一対のスイッチング素子を通る閉ループ回路の途中に配設され、前記コンバータ部から前記インバータ部へ向かう短絡電流のみを流す第1の短絡検出用導体、及び前記インバータ部から前記コンバータ部へ向かう短絡電流のみを流す第2の短絡検出用導体と、
    前記第1の短絡検出用導体又は前記第2の短絡検出用導体を流れる短絡電流を検出する前記1個の電流検出センサと、
    を有するものである、
    ことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  7. 前記短絡検出回路は、
    前記各一対のスイッチング素子のいずれかに短絡が発生した場合に、この一対のスイッチング素子を通る閉ループ回路の途中に配設され、前記コンバータ部から前記インバータ部へ向かう短絡電流、及び前記インバータ部から前記コンバータ部へ向かう短絡電流の双方の通過を許容する短絡検出用導体と、
    前記短絡検出用導体を流れる短絡電流を検出する前記1個の電流検出センサと、
    を有するものである、
    ことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  8. 前記短絡検出回路は、
    前記電流検出センサが前記コンバータ部から前記インバータ部へ向かう短絡電流を検出したときの検出信号を入力し、この検出信号が閾値を超えた場合に短絡検出信号を出力する第1のコンパレータと、
    前記電流検出センサが前記インバータ部から前記コンバータ部へ向かう短絡電流を検出したときの検出信号を入力し、この検出信号が閾値を超えた場合に短絡検出信号を出力する第2のコンパレータと、
    を有するものである、
    ことを特徴とする請求項7記載の電力変換装置。
  9. 前記同一冷却器に取り付けられたコンバータ部及びインバータ部を1組だけ有するものである、
    ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の電力変換装置。
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