JP4550307B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電動機等の負荷に可変周波数の電力を供給するための電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電動機に可変周波数の電力を供給するための電力変換装置は、直流電圧を所定の周波数の交流電圧に変換して負荷である電動機に供給する。直流電圧が直接得られない場合には、コンバータ装置を設けて交流電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換し、この直流電圧を所定の周波数の交流電圧に変換する。
【0003】
図15は、3相交流電源7の交流電圧をコンバータ装置8で直流電圧に変換し、この直流電圧をインバータ装置10で所定の周波数の交流電圧に変換して電動機を駆動する電力変換装置を示している。コンバータ装置8では、3相交流電源7のR相電圧が直列に接続された半導体素子8UPと8UNの相互接続点に印加され、S相電圧が直列に接続された半導体素子8VPと8VNの相互接続点に印加され、T相電圧が直列に接続された半導体素子8WPと8WNの相互接続点に印加されて直流電圧に変換され、この直流電圧が正極母線P及び負極母線Nから取り出され、さらに、正極母線P及び負極母線N間に接続された平滑コンデンサ9で平滑されてインバータ装置10に供給される。
【0004】
インバータ装置10では、正極母線P及び負極母線N間に直列に接続された半導体素子10UPと10UNの相互接続点からU相電圧を、半導体素子10VPと10VNの相互接続点からV相電圧を、半導体素子10WPと10WNの相互接続点からW相電圧を取り出し、電動機20に供給する。
【0005】
なお、各半導体素子として、例えばIGBTが用いられる。また、上記のように構成された電力変換装置では、コンバータ装置の1相分とインバータ装置の1相分とが1スタックとして組み込まれ、3個のスタックで1台の電力変換装置が構成される。
【0006】
図16は、コンバータ装置8のR相電圧が印加される半導体素子とインバータ装置のU相電圧が出力される半導体素子のスタック(以下、R/U相スタックという)1、コンバータ装置8のS相電圧が印加される半導体素子とインバータ装置のV相電圧が出力される半導体素子のスタック(以下、S/V相スタックという)2、コンバータ装置8のT相電圧が印加される半導体素子とインバータ装置のW相電圧が出力される半導体素子のスタック(以下、T/W相スタックという)3がそれぞれ正極母線Pと負極母線Nとに接続されてなる電力変換装置と、この電力変換装置の正極母線P及び負極母線N間に、短絡検出用電流センサ4を介して、短絡回路コンデンサ5がそれぞれ母線接続導体11,12によって接続されてなる素子短絡検出回路とを示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、R/U相スタック1、S/V相スタック2、T/W相スタック3を接続する正極母線P、負極母線N間に素子短絡検出回路を接続する構成において、半導体素子が何らかの原因で破損した場合に、関連する半導体素子の破損を防ぐべく、最初の破損を検出した後にゲート信号を遮断するため、全相の半導体素子を一旦オン状態とし、ゲート絞り手段によって、半導体素子に流れる電流を減少させてから遮断する。しかし素子破損、短絡を検出する際に破損した相によって、短絡検出時間の差によって各相間で保護動作のばらつきが生じ、特に短パルス状の短絡信号が半導体素子に印加された場合、短絡検出時間差によって、ゲート信号が割れた状態となり、その際に非常に大きなサージ電圧が発生し、保護動作時に素子への負担が大きくなって素子が破壊する恐れがあった。
【0008】
本発明は上記の課題を解決するために成されたもので、各相の短絡検出時間を短縮すると共に、その時間差を低く抑えることのできる電力変換装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
正極母線P及び負極母線N間に短絡検出用電流センサ4及び短絡回路コンデンサ5を接続して構成される素子短絡検出回路では、その短絡検出手段は短絡検出用電流センサ4から得られる電流レベルで行われる。そのため、短絡検出用電流センサ4がどの相でも同一の出力を得るには、素子短絡検出回路から各相のスタックまでのインピーダンスが全て同等であることが求められていた。そのため各スタックから素子短絡検出回路の配線、接続導体の距離を全ての相から見て、同等になるように構成する必要があった。
【0010】
また短絡検出時間の遅れは素子に対して、大きな負担をかけることになるため、検出時間を早くするための低インピーダンス化を行う必要もあった。
【0011】
そこで、請求項1に係る発明は、
コンバータ部及びインバータ部を有し、コンバータ部の第n(n=1,2,3)相のスイッチング素子とインバータ部の第n相のスイッチング素子とがスタックとして収納されると共に、スタック毎に正極端子及び負極端子がそれぞれ導出され、各スタックの正極端子が外部の正極母線に共通接続され、負極端子が外部の負極母線に共通接続された電力変換器と、電流検出手段及びコンデンサを有し、コンデンサの正側端子が正極母線に接続され、負側端子が負極母線に接続され、電流検出手段がコンデンサに直列に接続された素子短絡検出回路とを備える電力変換装置において、
正極母線及び負極母線として両端間のインピーダンスが等しい導体を用い、スタックから導出された正極端子を正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、スタックから導出された負極端子を負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、コンデンサの正側端子を正極母線の一端に接続し、コンデンサの負側端子を負極母線の他端に接続した、
ことを特徴とするものである。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電力変換装置において、負極母線、コンデンサの正側端子を正極母線に接続する第1の母線接続導体及びコンデンサの負側端子を負極母線に接続する第2の母線接続導体として同一の材料を用い、第1の母線接続導体と比較して第2の母線接続導体の断面積をより大きくし、かつ、第2の母線接続導体と比較して負極母線の断面積をより大きくしたことを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明は、
コンバータ部及びインバータ部を有し、コンバータ部の第n(n=1,2,3)相のスイッチング素子とインバータ部の第n相のスイッチング素子とがスタックとして収納されると共に、スタック毎に正極端子及び負極端子がそれぞれ導出され、各スタックの正極端子が外部の正極母線に共通接続され、負極端子が外部の負極母線に共通接続された電力変換器と、電流検出手段及びコンデンサを有し、コンデンサの正側端子が正極母線に接続され、負側端子が負極母線に接続され、電流検出手段がコンデンサに直列に接続された素子短絡検出回路とを備える電力変換装置において、
正極母線及び負極母線として両端間のインピーダンスが等しい導体を用い、スタックから導出された正極端子を正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、スタックから導出された負極端子を負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、コンデンサの正側端子をそれぞれ第1の母線接続導体によって正極母線の一端及び他端に接続し、コンデンサの負側端子を第2の母線接続導体によって負極母線の中間部に接続し、第1及び第2の母線接続導体として材質、断面積及び長さの等しいものを用いたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項4に係る発明は、
コンバータ部及びインバータ部を有し、コンバータ部の第n(n=1,2,3)相のスイッチング素子とインバータ部の第n相のスイッチング素子とがスタックとして収納されると共に、スタック毎に正極端子及び負極端子がそれぞれ導出され、各スタックの正極端子が外部の正極母線に共通接続され、負極端子が外部の負極母線に共通接続された電力変換器と、電流検出手段及びコンデンサを有し、コンデンサの正側端子が正極母線に接続され、負側端子が負極母線に接続され、電流検出手段がコンデンサに直列に接続された素子短絡検出回路とを備える電力変換装置において、
正極母線及び負極母線として両端間のインピーダンスが等しい導体を用い、スタックから導出された正極端子を正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、スタックから導出された負極端子を負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、コンデンサの正側端子を第1の母線接続導体によって正極母線中間部に接続し、コンデンサの負側端子をそれぞれ第2の母線接続導体によって負極母線の一端及び他端に接続し、第1及び第2の母線接続導体として材質、断面積及び長さの等しいものを用いたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電力変換装置において、正極母線と負極母線とを、絶縁性の部材を介して、近接させたことを特徴とする。
【0016】
請求項6に係る発明は、
コンバータ部及びインバータ部を有し、コンバータ部の第n(n=1,2,3)相のスイッチング素子とインバータ部の第n相のスイッチング素子とがスタックとして収納されると共に、スタックの相毎に正極端子及び負極端子がそれぞれ導出され、各スタックの正極端子が外部の正極母線に共通接続され、負極端子が外部の負極母線に共通接続された電力変換器と、電流検出手段及びコンデンサを有し、コンデンサの正側端子が正極母線に接続され、負側端子が負極母線に接続され、電流検出手段がコンデンサに直列に接続された素子短絡検出回路とを備える電力変換装置において、
スタックから導出されたコンバータ部の正極端子を第1の正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続すると共に、スタックから導出されたコンバータ部の負極端子を第1の負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、
スタックから導出されたインバータ部の正極負極端子を第2の正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続すると共に、スタックから導出されたインバータの負極端子を第2の負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、
第1及び第2の正極母線、並びに、第1及び第2の負極母線として両端間のインピーダンスが等しい導体を用い、かつ、第1及び第2の正極母線を両端と中間部を含む少なくとも3箇所で接続すると共に、第1及び第2の負極母線を両端と中間部を含む少なくとも3箇所で接続し、
コンデンサの正側端子を第1及び第2の正極母線が相互接続される一端の相互接続部に第1の母線接続導体によって接続し、コンデンサの負側端子を第1及び第2の負極母線が相互接続される他端の相互接続部に第2の母線接続導体によって接続し、第1及び第2の母線接続導体として材質、断面積及び長さの等しいものを用いた、
ことを特徴とするものである。
【0017】
請求項7に係る発明は、
コンバータ部及びインバータ部を有し、コンバータ部の第n(n=1,2,3)相のスイッチング素子とインバータ部の第n相のスイッチング素子とがスタックとして収納されると共に、スタックの相毎に正極端子及び負極端子がそれぞれ導出され、各スタックの正極端子が外部の正極母線に共通接続され、負極端子が外部の負極母線に共通接続された電力変換器と、電流検出手段及びコンデンサを有し、コンデンサの正側端子が正極母線に接続され、負側端子が負極母線に接続され、電流検出手段がコンデンサに直列に接続された素子短絡検出回路とを備える電力変換装置において、
スタックから導出されたコンバータ部の正極端子を第1の正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続すると共に、スタックから導出されたコンバータ部の負極端子を第1の負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、
スタックから導出されたインバータ部の正極負極端子を第2の正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続すると共に、スタックから導出されたインバータの負極端子を第2の負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、
第1及び第2の正極母線、並びに、第1及び第2の負極母線として両端間のインピーダンスが等しい導体を用い、かつ、第1及び第2の正極母線を両端と中間部を含む少なくとも3箇所で接続すると共に、第1及び第2の負極母線を両端と中間部を含む少なくとも3箇所で接続し、
コンデンサの正側端子を第1及び第2の正極母線が相互接続される両端の各相互接続部に第1の母線接続導体によって接続し、コンデンサの負側端子を第1及び第2の負極母線が相互接続される中間部の相互接続部に第2の母線接続導体によって接続し、第1及び第2の母線接続導体として材質、断面積及び長さの等しいものを用いた、
ことを特徴とするものである。
【0018】
請求項8に係る発明は、
コンバータ部及びインバータ部を有し、コンバータ部の第n(n=1,2,3)相のスイッチング素子とインバータ部の第n相のスイッチング素子とがスタックとして収納されると共に、スタックの相毎に正極端子及び負極端子がそれぞれ導出され、各スタックの正極端子が外部の正極母線に共通接続され、負極端子が外部の負極母線に共通接続された電力変換器と、電流検出手段及びコンデンサを有し、コンデンサの正側端子が正極母線に接続され、負側端子が負極母線に接続され、電流検出手段がコンデンサに直列に接続された素子短絡検出回路とを備える電力変換装置において、
スタックから導出されたコンバータ部の正極端子を第1の正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続すると共に、スタックから導出されたコンバータ部の負極端子を第1の負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、
スタックから導出されたインバータ部の正極負極端子を第2の正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続すると共に、スタックから導出されたインバータの負極端子を第2の負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、
第1及び第2の正極母線、並びに、第1及び第2の負極母線として両端間のインピーダンスが等しい導体を用い、かつ、第1及び第2の正極母線を両端と中間部を含む少なくとも3箇所で接続すると共に、第1及び第2の負極母線を両端と中間部を含む少なくとも3箇所で接続し、
コンデンサの正側端子を第1及び第2の正極母線が相互接続される中間部の相互接続部に第1の母線接続導体によって接続し、コンデンサの負側端子を第1及び第2の負極母線が相互接続される両端の各相互接続部に第2の母線接続導体によって接続し、第1及び第2の母線接続導体として材質、断面積及び長さの等しいものを用いた、
ことを特徴とするものである。
【0019】
請求項9に係る発明は、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の電力変換装置において、第1の正極母線と第1の負極母線とを、絶縁性の部材を介して、近接させ、第2の正極母線と第2の負極母線とを、絶縁性の部材を介して、近接させたことを特徴とする。
【0020】
請求項10に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電力変換装置において、正極母線の中間から見て一端側と他端側にそれぞれ電流の変化を検出する短絡検出手段を設けたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る電力変換装置の第1の実施形態の構成を示す回路図である。図中、図15と同一の符号を付したものはそれぞれ同一の要素を示している。ここで、R/U相スタック1、S/V相スタック2及びT/W相スタック3がその外部に配置された正極母線Pと負極母線Nとの間に接続されている。これらの正極母線P及び負極母線Nのうち、T/W相スタック3が接続される部位の正極母線Pの一端部からハイパロン線(登録商標)でなる母線接続導体11が導出され、短絡検出用電流センサ4を介して、短絡回路コンデンサ5の(+)側端子に接続され、また、R/U相スタック1が接続される部位の負極母線Nの一端部からハイパロン線でなる母線接続導体12が導出され、短絡回路コンデンサ5の(−)側端子に接続されている。
【0022】
図2は図1にその構成が示された電力変換装置の等価回路図である。ここで、正極母線PにおけるR/U相スタック1が接続される部位とT/W相スタック3が接続される部位との間の長さ方向のインピーダンスをXpとし、負極母線NにおけるR/U相スタック1が接続される部位とT/W相スタック3が接続される部位との間の長さ方向のインピーダンスをXnとする。そして、正極母線Pと負極母線Nの長さ方向の中間にS/V相スタック2が接続されておれば、R/U相スタック1及びS/V相スタック2間の正極母線PのインピーダンスはXp/2、S/V相スタック2及びT/W相スタック3間の正極母線PのインピーダンスはXp/2となり、R/U相スタック1及びS/V相スタック2間の負極母線NのインピーダンスはXn/2、S/V相スタック2及びT/W相スタック3間の負極母線NのインピーダンスはXn/2となる。
【0023】
また、正極母線Pと負極母線Nとに同じ材料が使用されておればXp=Xnである。従って、短絡回路コンデンサ5の(+)側端子を正極母線Pに接続する母線接続導体11のインピーダンスをXcp、同じく、短絡回路コンデンサ5の(−)側端子を負極母線Nに接続する母線接続導体12のインピーダンスをXcnとし、スタック内のインピーダンスをそれぞれXskとする。
【0024】
この場合、R/U相スタック1で短絡が生じた場合、短絡回路コンデンサ5の(+)側端子と(−)側端子との間のインピーダンスは、Xcp+Xp+Xsk+Xcnである。また、S/V相スタック2で短絡が生じた場合、短絡回路コンデンサ5の(+)側端子と(−)側端子との間のインピーダンスは、Xcp+Xp/2+Xsk+Xn/2+Xcnであり、R/U相スタック1と同じ値になる。さらに、T/W相スタック3で短絡が生じた場合、短絡回路コンデンサ5の(+)側端子と(−)側端子との間のインピーダンスは、Xcp+Xsk+Xn+Xcnであり、各相のどのスタックで素子破損により短絡が生じた場合でも、短絡回路コンデンサ5から見たインピーダンスは同一となり、どの相で短絡が生じても短絡検出用電流センサ4で同一な電流の立ち上がりとなり、相の違いによる検出時間差が解消される。
【0025】
図3(a)は本発明に係る電力変換装置の第2の実施形態の構成を示す回路図である。図中、図1と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0026】
ここで、R/U相スタック1内の正極母線P中に平滑コンデンサ15及び16が並列に接続され、正極母線P中にR相インピーダンスXrp及びU相インピーダンスXupを含み、負極母線N中にR相インピーダンスXrn及びU相インピーダンスXunを含み、これらのインピーダンスがスタック内インピーダンスXskを形成している。なお、S/V相スタック2及びT/W相スタック3もR/U相スタック1と回路構成は同様であるので、その詳細な回路図を省略している。
特に、この実施形態は、素子短絡検出回路を構成するN側接続導体の断面積を大きくする場合を例示したもので、例えば、正極母線Pと短絡回路コンデンサ5の(+)側端子とを接続する母線接続導体11として断面積が18mm2のハイパロン線を使用し、負極母線Nとして断面積が80mm2のハイパロン線を使用した場合、短絡回路コンデンサ5の(−)側端子と負極母線Nとを接続する母線接続導体12として断面積が38mm2のハイバロン線を使用している。
【0027】
次に、N側接続導体の断面積を大きくする理由を説明する。短絡時には、短絡相内では自相内の短絡電流と短絡相以外から流れ込む非常に大きな電流とが流れ、回路インピーダンスにより負極母線N側から見た負極側の半導体素子のエミッタ電位は上昇する。その後短絡電流検出後に保護動作を行う際は全相ゲート信号をオン状態とし、その電圧を絞りながらオフ状態にする。その際に自短絡相内に流れる電流と、他相から流れ込む電流、他相へ流れ出る電流が図3(a)に矢印で示すように複雑に重なり、その電流と自スタック内のインピーダンスXun、Xrn、母線インピーダンスXn、短絡回路インピーダンスXcnにより、短絡相のN側の半導体素子のエミッタ電位が複雑に変動する。そのため絞り動作時にその変動がゲート信号に重畳され、図3(b)に示すように振動的になる。そこで、本実施形態では、N側接続導体の断面積を大きくして低インピーダンス化を図ることにより、図3(c)に示すように、絞り動作中のN側ゲート信号を安定化させている。N側接続導体の断面積を大きくすることは、半導体素子が並列接続された構成の大容量の電力変換装置では短絡時の電流が大きいために、エミッタ電位の安定化の効果は大きい。
【0028】
図4は本発明に係る電力変換装置の第3の実施形態の構成を示す回路図であり、図中、図1と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態は、S/V相スタック2の負極側の接続部である負極母線Nの中央部と短絡回路コンデンサ5の(−)側端子とがハイパロン線でなる母線接続導体12により接続され、R/U相スタック1の正極側が接続される正極母線Pの一端及びT/W相スタック3の正極側が接続される正極母線Pの他端がそれぞれ等しい長さと等しい断面積を有し、ハイパロン線でなる母線接続導体11によって短絡回路コンデンサ5の(+)側端子に接続されている。
【0029】
図5は図4に示した実施形態の等価回路図である。S/V相スタック2の正極は正極母線Pの中点に接続され、S/V相スタック2の負極は負極母線Nの中点に接続されている。正極母線Pの両端間のインピーダンスをXp、負極母線Nの両端間のインピーダンスをXnとすると、R/U相スタック1の正極とS/V相スタック2の正極との間のインピーダンスはXp/2であり、S/V相スタック2の正極とT/W相スタック3の正極との間のインピーダンスもXp/2である。同様に、R/U相スタック1の負極とS/V相スタック2の負極との間のインピーダンスはXn/2であり、S/V相スタック2の負極とT/W相スタック3の負極との間のインピーダンスもXn/2である。
【0030】
そして、短絡回路コンデンサ5の(+)側端子と正極母線Pの一端とを接続する母線接続導体11のインピーダンスはXcpであり、短絡回路コンデンサ5の(+)側端子と正極母線Pの他端とを接続する母線接続導体11のインピーダンスもXcpであり、短絡回路コンデンサ5の(−)側端子と負極母線Nの中点とを接続する母線接続導体12のインピーダンスはXcnである。
【0031】
いま、R/U相スタック1内で素子破損が起きた場合、短絡検出用コンデンサ(5)からR/U相スタック1へ電流が流れる。その際の電流経路のインピーダンスは、(Xp+Xcp)Xcp/(Xp+2Xcp)+Xsk+Xn/2+Xcnとなる。
【0032】
次に、S/V相スタック2内で素子破損が発生した場合は、同様にして、短絡回路コンデンサ5からS/V相スタック(2)へ電流が流れる。その際の電流経路のインピーダンスは、(Xp/2+Xcp)/2+Xsk+Xcnとなる。
【0033】
次に、T/W相スタック3内で素子破損が起きた場合、短絡回路コンデンサ5からT/W相スタック3へ電流が流れる。その際の電流経路のインピーダンスは、(Xp+Xcp)Xcp/(Xp+2Xcp)+Xsk+Xn/2+Xcnとなる。
【0034】
第1の実施形態のインピーダンスとは、R/U相スタック1、T/W相スタック3で短絡が生じた場合は、(Xn2+2Xcn2+2XcnXn)/2(Xn+2Xcn)>0の改善が行われ、S/V相スタック2で短絡が発生した場合は、Xcp/2+3/4Xn>0の改善が行われる。第1の実施形態と同様な線断面積、長さとした場合、本実施形態では各相の破損時の素子短絡検出回路から見たインピーダンスは低くなり検出速度を早くすることができる。
【0035】
なお、特公平10−308232号公報において、短絡時の制御について、短絡により異常電流を検出した場合、ゲート信号を同時に点弧して保護を行うことが開示されている。しかしながら、保護検出時間が遅れる場合に、幅の非常に狭い短絡パルスが印加された時、ゲート波形が割れたような状態になることがある。その波形を図6(a)〜(e)に示す。このうち(a)は幅の狭い短絡パルス波形、(b)は短絡検出用電流センサ4の出力波形と検出レベル、(c)は短絡部以外のゲート波形、(d)は短パルスの短絡パルス入力部のゲート波形、(e)は正極母線P及び負極母線N間の電圧波形をそれぞれ示している。ここで、短絡パルス信号が終了してから、全相のゲート信号が半導体素子をそれぞれオン状態にすることになり、このときゲート信号が割れた状態になる。その際に短絡パルス入力により一旦電位が下がってからオン状態になるため、オン状態になった直後の正極母線P及び負極母線N間のサージ電圧は非常に高くなり素子を破損する恐れがあるが、本実施形態では検出時間を短縮することにより素子の破損を回避することができる。
【0036】
図7は本発明に係る電力変換装置の第4の実施形態の構成を示す回路図である。図中、図1と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態は、S/V相スタック2の正極側の接続部である正極母線Pの中央部と短絡回路コンデンサ5の(+)側端子とがハイパロン線でなる母線接続導体11により接続され、R/U相スタック1の負極側が接続される負極母線Nの一端及びT/W相スタック3の負極側が接続される負極母線Nの他端がそれぞれ等しい長さと等しい断面積を有し、ハイパロン線でなる母線接続導体12によって短絡回路コンデンサ5の(−)側端子に接続されている。
【0037】
図8は図7に示した実施形態の等価回路図である。S/V相スタック2の正極は正極母線Pの中点に接続され、S/V相スタック2の負極は負極母線Nの中点に接続されている。正極母線Pの両端間のインピーダンスをXp、負極母線Nの両端間のインピーダンスをXnとすると、R/U相スタック1の正極とS/V相スタック2の正極との間のインピーダンスはXp/2であり、S/V相スタック2の正極とT/W相スタック3の正極との間のインピーダンスもXp/2である。同様に、R/U相スタック1の負極とS/V相スタック2の負極との間のインピーダンスはXn/2であり、S/V相スタック2の負極とT/W相スタック3の負極との間のインピーダンスもXn/2である。
【0038】
そして、短絡回路コンデンサ5の(+)側端子と正極母線Pの中点とを接続する母線接続導体11のインピーダンスはXcpであり、短絡回路コンデンサ5の(−)側端子と負極母線Nの一端とを接続する母線接続導体12のインピーダンスはXcnであり、短絡回路コンデンサ5の(−)側端子と負極母線Nの他端とを接続する母線接続導体12のインピーダンスもXcnである。
【0039】
ここで、R/U相スタック1内で素子破損が起きた場合、短絡回路コンデンサ5からR/U相スタック1へ電流が流れる。その際のインピーダンスは、Xcp+Xp/2+Xsk+(Xn+Xcn)Xcn/(Xn+2Xcn)となる。
【0040】
次に、S/V相スタック2で素子破損が発生した場合は、同様にして、短絡回路コンデンサ5からS/V相スタック2へ電流が流れる。その際の電流経路のインピーダンスは、Xcp+Xsk+(Xn/2+Xc)/2となる。
【0041】
次に、T/W相スタック3内で素子破損が起きた場合、短絡回路コンデンサ5からT/W相スタック3へ電流が流れる。その際の電流経路のインピーダンスは、Xcp+Xp/2+Xsk+(Xn+Xcn)Xcn/(Xn+2Xcn)となる。
【0042】
この場合、第3の実施形態と同様に、短絡検出時間の短縮化が行えると共に、N側の接続導体の断面積を大きくすることと、負極側からは構造的に両端になるR/U相スタック1とT/W相スタック3へ接続することとにより、両者の間での電位差が低くなり、第2の実施形態と同様にゲート信号の振動を抑えることが可能となる。
【0043】
図9(a),(b),(c)は本発明に係る電力変換装置の第5の実施形態の構成を示す正面図、側面図及び要部の正面図である。図中、図1と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態は、R/U相スタック1、S/V相スタック2及びT/W相スタック3の各正極を接続する正極母線Pと、各負極を接続する負極母線Nとを、それぞれストライプ状の導体の側方に3個の接続端子を突出させると共に、これらの接続端子が互いに重ならない寸法だけ長手方向にずらし、かつ、これら正極母線Pと負極母線Nとを絶縁材ルミラー6を介して密着させたものである。このとき、ルミラー6は図面の表側から絶縁材取付ネジ13によって負極母線Nに取り付けられる。また、接続端子の先端部にはそれぞれR/U相スタック1、S/V相スタック2及びT/W相スタック3と接続するための孔が穿たれ、これらの孔を通してスタック・母線接続ネジ14によって各スタックの正側が正極母線Pに接続され、負側が負極母線Nに接続される。
【0044】
このように構成することによって、負極母線Nに対する絶縁材ルミラー6の取付と、R/U相スタック1、S/V相スタック2及びT/W相スタック3に対する正極母線P及び負極母線Nの取付とを正面から行うことができる。また、短絡時に流れる大電流に対して、正極側電流、負極側電流で発生する磁束をお互いにうち消すことによって、正極母線P及び負極母線Nのインピーダンス(Xn、Xp)が低減され、短絡電流の立ち上がりも早くなり短絡検出時間の短縮化が行え、前述したゲートが割れる現象を回避することができる。また短絡電流が流れる際のインピーダンス差による電位差を抑えることができるため、スタック内の負側素子のゲート信号の振動を抑制することができる。さらに主回路部の絶縁材の固定状況が正面から確認できるため、スタック交換の際に絶縁材材料の劣化による交換が正面から作業できるため、効率的となる。
【0045】
図10(a),(b),(c)は本発明に係る電力変換装置の第6の実施形態の構成を示す正面図、拡大断面図及び拡大側面図である。この実施形態はR/U相スタック1、S/V相スタック2及びT/W相スタック3が、それぞれ正面から見て、コンバータ側の正極、負極、インバータ側の負極、正極の順に幅方向に位置を変えて配置されると共に、正面から背面に向かって位置を変えて配置される。
【0046】
そして、R/U相スタック1、S/V相スタック2及びT/W相スタック3のコンバータ側の正極が第1の正極母線P1によって接続され、インバータ側の正極が第2の正極母線P2によって接続され、さらに、第1の正極母線P1と第2の正極母線P2とが複数の接続部で接続され、短絡回路コンデンサ5の(+)側に一端が接続された母線接続導体11の他端この接続部に接続されている。また、R/U相スタック1、S/V相スタック2及びT/W相スタック3コンバータ側の負極が第1の負極母線N1によって接続され、インバータ側の負極が第2の負極母線N2によって接続され、さらに、第1の負極母線N1と第2の負極母線N2とが複数の接続部で接続され、短絡回路コンデンサ5の(−)側に一端が接続された母線接続導体12の他端がこの接続部に接続されている。
【0047】
この第6の実施形態によれば、図2に示す等価回路のうち、インピーダンスXp/2及びXn/2に対応する部分が2つに分岐して並列接続された構成になり、どの相においてもインピーダンスの差はなく、その大きさはXcp+Xp/2+Xsk+Xcnとなり短絡相によるばらつきを無くすることができる。
【0048】
図11(a),(b),(c)は本発明に係る電力変換装置の第7の実施形態の構成を示す正面図、拡大断面図及び拡大側面図である。図中、図10と同一の要素には 同一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態は短絡回路コンデンサ5の(+)側が、第1の正極母線P1と第2の正極母線P2とが一端部において互いに接続されている接続部に対して母線接続導体11によって接続されると共に、他端部において互いに接続されている接続部に対しても母線接続導体11によって接続され、さらに、短絡回路コンデンサ5の(−)側が、第1の負極母線N1と第2の負極母線N2とが中間部に置いて互いに接続されている接続部に対して母線接続導体12によって接続されている。
【0049】
この実施形態においては、図10に示した第6の実施形態と比較して、R/U相スタック1又はT/W相スタック3で短絡が生じた場合においては、図5の等価回路で説明したとおり、母線インピーダンスXn、Xpを1/2に換算して短絡回路から見たインピーダンスは、Xcp+Xp/4+Xsk+(Xcn+Xn/2)Xcn/(Xn/2十Xcn)となる。この場合(8Xcn2+4XpXcn+Xp2)/4(4Xcn+Xn)>0のインピーダンス改善となる。また中間S/V相スタックが短絡した場合の短絡回路のインピーダンスは、Xcp+Xck+Xn/8+Xcn/2であり、Xcn/2+3Xn/8の改善となる。
【0050】
図12(a),(b),(c)は本発明に係る電力変換装置の第8の実施形態の構成を示す正面図、拡大断面図及び拡大側面図である。図中、図10と同一の要素には 同一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態は短絡回路コンデンサ5の(+)側が、第1の正極母線P1と第2の正極母線P2とが長手方向中間部において互いに接続されている接続部に対して母線接続導体11によって接続され、短絡回路コンデンサ5の(−)側が、第1の負極母線N1と第2の負極母線N2とが一端部において互いに接続されている接続部に対して母線接続導体12によって接続されると共に、他端部において互いに接続されている接続部に対しても母線接続導体12によって接続されている。
【0051】
この実施形態におけるインピーダンスの改善は図11に示す第7の実施形態と同じであるが、負極母線N1,N2と短絡回路コンデンサ5の(−)側との接続が、負極母線N1,N2の両端側から行なわれ、これによって接続断面積も大きくなり、各スタック内のN側素子のエミッタヘの短絡時のインピーダンス差による電位差を生じ難くなり、エミッタ電位の変動によるゲート振動が抑制される。
【0052】
図13(a),(b),(c)は本発明に係る電力変換装置の第9の実施形態の構成を示す正面図、拡大断面図及び拡大側面図である。図中、図10と同一の要素には 同一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態は、コンバータ側の正極母線P1と負極母線N1の間に非常に薄い絶縁材ルミラー6を挿入し、これを絶縁材取付ネジ13を用いて負極母線N1に取付け、正極母線P1と負極母線N1とを密着し、同様にして、インバータ側の負極母線N2と正極母線P2との間に絶縁材ルミラー6を挿入し、これを絶縁材取付ネジ13を用いて正極母線P2に取り付け、負極母線N2と正極母線P2とを密着させた構成になっている。このように構成することによって、短絡時に正極母線P1,P2と負極母線N1,N2に流れる大電流に対する母線インピーダンスXn、Xpを相互にうち消し、短絡回路の低インピーダンス化が行われ、電流検出装置の検出電流の立ち上がりが早くなり(di/dtが大きく)、検出時間の短縮化が行える。また絶縁材は、母線の長手方向に順次位置を異ならせ、かつ、正面側か背面側に順次位置を異ならせた接続端子に取り付けられ、しかも、その取り付けに用いられる絶縁材取付ネジ13はスタック・母線接続ネジ14と図面の上下方向の異なった位置に配置されるため、正面から母線に固定することができ、絶縁材の劣化状態の確認、交換作業が容易になる。
【0053】
図14(a),(b)は本発明に係る電力変換装置の第10の実施形態の構成を示す正面図及びその拡大側面図である。図中、第1の実施形態を示す図1と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態はR/U相スタック1、S/V相スタック2及びT/W相スタック3の各正極を接続する正極母線Pのうち、R/U相スタック1とS/V相スタック2の間と、S/V相スタック2とT/W相スタック3の間にそれぞれ短絡検出用電流センサ4を設けたものである。
【0054】
このように構成したことにより、ある1つの相で短絡が発生した場合、各相の平滑コンデンサから短絡相へ電流が流れる。R/U相スタック1内で短絡が生じた場合S/V相スタック2及びT/W相スタック3の正極側からR/U相スタック1へ電流が流れることをR/U相スタック1側の短絡検出用電流センサ4で検出し保護動作を行う。また、T/W相スタック3内で短絡が生じた場合も同様にR/U相スタック1及びS/V相スタック2からT/W相スタック3へ流れ出る電流をT/W相スタック3側の短絡検出用電流センサ4で検出し保護動作を行う。また、S/V相スタック2内で短絡が生じた場合は、他のR/U相スタック1及びT/W相スタック3からS/V相スタック2へ流れ込む電流を上記2つの短絡検出用電流センサ4のいずれかで短絡電流を検出して保護動作を行う。これは、各スタックに設けられている平滑コンデンサを短絡回路コンデンサ5として兼用したものである。この場合は、短絡回路コンデンサ5を設置する必要がないため、そのための配線作業、取付作業も無くすことができ、またその分の盤内空間も有効に活用することができる。
【0055】
なお、上記各実施形態に用いたハイパロン線に変えて他の材質の導体を用いても良い。また、上記の実施形態中、第1の正極母線P1と第2の正極母線P2とを3箇所で接続し、さらに、第1の負極母線N1と第2の負極母線N2とを3箇所で接続したが、接続箇所はこれらの箇所含めてより多くの箇所で接続しても良い。
【0056】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によれば、各相の短絡検出時間を短縮すると共に、その時間差を低く抑えることのできる電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電力変換装置の第1の実施形態の構成を示す回路図。
【図2】図1に示した第1の実施形態の動作を説明するための等価回路図。
【図3】本発明に係る電力変換装置の第2の実施形態の構成を示す回路図及びその動作を説明するための波形図。
【図4】本発明に係る電力変換装置の第3の実施形態の構成を示す回路図。
【図5】図4に示した第3の実施形態の動作を説明するための等価回路図。
【図6】図4に示した第3の実施形態に関連する技術の動作を説明するための波形図。
【図7】本発明に係る電力変換装置の第4の実施形態の構成を示す回路図。
【図8】図7に示した第4の実施形態の動作を説明するための等価回路図。
【図9】本発明に係る電力変換装置の第5の実施形態の構成を示す正面図、側面図及び要部の正面図。
【図10】本発明に係る電力変換装置の第6の実施形態の構成を示す正面図、拡大断面図及び拡大側面図。
【図11】本発明に係る電力変換装置の第7の実施形態の構成を示す正面図、拡大断面図及び拡大側面図。
【図12】本発明に係る電力変換装置の第8の実施形態の構成を示す正面図、拡大断面図及び拡大側面図。
【図13】本発明に係る電力変換装置の第9の実施形態の構成を示す正面図、拡大断面図及び拡大側面図。
【図14】本発明に係る電力変換装置の第10の実施形態の構成を示す正面図及びその拡大側面図。
【図15】従来の電力変換装置の構成を示す回路図。
【図16】図15に示した従来の電力変換装置のコンバータ部及びインバータ部をそれぞれ構成する半導体素子をスタックとして形成し、これに素子短絡検出回路を付加した図。
【符号の説明】
1 R/U相スタック
2 S/V相スタック
3 T/W相スタック
4 短絡検出用電流センサ
5 短絡回路コンデンサ
6 絶縁材ルミラー
7 3相交流電源
8 コンバータ装置
9 平滑コンデンサ
10 インバータ装置
11,12 母線接続導体
13 絶縁材取付ネジ
14 スタック・母線接続ネジ
15,16 平滑コンデンサ
20 電動機
P,P1,P2 正極母線
N,N1,N2 負極母線
Claims (10)
- コンバータ部及びインバータ部を有し、前記コンバータ部の第n(n=1,2,3)相のスイッチング素子と前記インバータ部の第n相のスイッチング素子とがスタックとして収納されると共に、スタック毎に正極端子及び負極端子がそれぞれ導出され、前記各スタックの正極端子が外部の正極母線に共通接続され、負極端子が外部の負極母線に共通接続された電力変換器と、電流検出手段及びコンデンサを有し、前記コンデンサの正側端子が前記正極母線に接続され、負側端子が前記負極母線に接続され、前記電流検出手段が前記コンデンサに直列に接続された素子短絡検出回路とを備える電力変換装置において、
前記正極母線及び負極母線として両端間のインピーダンスが等しい導体を用い、前記スタックから導出された正極端子を前記正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、前記スタックから導出された負極端子を前記負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、前記コンデンサの正側端子を前記正極母線の一端に接続し、前記コンデンサの負側端子を前記負極母線の他端に接続した、
ことを特徴とする電力変換装置。 - 前記負極母線、前記コンデンサの正側端子を前記正極母線に接続する第1の母線接続導体及び前記コンデンサの負側端子を前記負極母線に接続する第2の母線接続導体として同一の材料を用い、前記第1の母線接続導体と比較して前記第2の母線接続導体の断面積をより大きくし、かつ、前記第2の母線接続導体と比較して前記負極母線の断面積をより大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
- コンバータ部及びインバータ部を有し、前記コンバータ部の第n(n=1,2,3)相のスイッチング素子と前記インバータ部の第n相のスイッチング素子とがスタックとして収納されると共に、スタック毎に正極端子及び負極端子がそれぞれ導出され、前記各スタックの正極端子が外部の正極母線に共通接続され、負極端子が外部の負極母線に共通接続された電力変換器と、電流検出手段及びコンデンサを有し、前記コンデンサの正側端子が前記正極母線に接続され、負側端子が前記負極母線に接続され、前記電流検出手段が前記コンデンサに直列に接続された素子短絡検出回路とを備える電力変換装置において、
前記正極母線及び負極母線として両端間のインピーダンスが等しい導体を用い、前記スタックから導出された正極端子を前記正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、前記スタックから導出された負極端子を前記負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、前記コンデンサの正側端子をそれぞれ第1の母線接続導体によって前記正極母線の一端及び他端に接続し、前記コンデンサの負側端子を第2の母線接続導体によって前記負極母線の中間部に接続し、前記第1及び第2の母線接続導体として材質、断面積及び長さの等しいものを用いたことを特徴とする電力変換装置。 - コンバータ部及びインバータ部を有し、前記コンバータ部の第n(n=1,2,3)相のスイッチング素子と前記インバータ部の第n相のスイッチング素子とがスタックとして収納されると共に、スタック毎に正極端子及び負極端子がそれぞれ導出され、前記各スタックの正極端子が外部の正極母線に共通接続され、負極端子が外部の負極母線に共通接続された電力変換器と、電流検出手段及びコンデンサを有し、前記コンデンサの正側端子が前記正極母線に接続され、負側端子が前記負極母線に接続され、前記電流検出手段が前記コンデンサに直列に接続された素子短絡検出回路とを備える電力変換装置において、
前記正極母線及び負極母線として両端間のインピーダンスが等しい導体を用い、前記スタックから導出された正極端子を前記正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、前記スタックから導出された負極端子を前記負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、前記コンデンサの正側端子を第1の母線接続導体によって前記正極母線中間部に接続し、前記コンデンサの負側端子をそれぞれ第2の母線接続導体によって前記負極母線の一端及び他端に接続し、前記第1及び第2の母線接続導体として材質、断面積及び長さの等しいものを用いたことを特徴とする電力変換装置。 - 前記正極母線と負極母線とを、絶縁性の部材を介して、近接させたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
- コンバータ部及びインバータ部を有し、前記コンバータ部の第n(n=1,2,3)相のスイッチング素子と前記インバータ部の第n相のスイッチング素子とがスタックとして収納されると共に、スタックの相毎に正極端子及び負極端子がそれぞれ導出され、前記各スタックの正極端子が外部の正極母線に共通接続され、負極端子が外部の負極母線に共通接続された電力変換器と、電流検出手段及びコンデンサを有し、前記コンデンサの正側端子が前記正極母線に接続され、負側端子が前記負極母線に接続され、前記電流検出手段が前記コンデンサに直列に接続された素子短絡検出回路とを備える電力変換装置において、
前記スタックから導出された前記コンバータ部の正極端子を第1の正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続すると共に、前記スタックから導出されたコンバータ部の負極端子を第1の負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、
前記スタックから導出された前記インバータ部の正極負極端子を第2の正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続すると共に、前記スタックから導出された前記インバータの負極端子を第2の負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、
前記第1及び第2の正極母線、並びに、第1及び第2の負極母線として両端間のインピーダンスが等しい導体を用い、かつ、前記第1及び第2の正極母線を両端と中間部を含む少なくとも3箇所で接続すると共に、前記第1及び第2の負極母線を両端と中間部を含む少なくとも3箇所で接続し、
前記コンデンサの正側端子を前記第1及び第2の正極母線が相互接続される一端の相互接続部に第1の母線接続導体によって接続し、前記コンデンサの負側端子を前記第1及び第2の負極母線が相互接続される他端の相互接続部に第2の母線接続導体によって接続し、前記第1及び第2の母線接続導体として材質、断面積及び長さの等しいものを用いた、
ことを特徴とする電力変換装置。 - コンバータ部及びインバータ部を有し、前記コンバータ部の第n(n=1,2,3)相のスイッチング素子と前記インバータ部の第n相のスイッチング素子とがスタックとして収納されると共に、スタックの相毎に正極端子及び負極端子がそれぞれ導出され、前記各スタックの正極端子が外部の正極母線に共通接続され、負極端子が外部の負極母線に共通接続された電力変換器と、電流検出手段及びコンデンサを有し、前記コンデンサの正側端子が前記正極母線に接続され、負側端子が前記負極母線に接続され、前記電流検出手段が前記コンデンサに直列に接続された素子短絡検出回路とを備える電力変換装置において、
前記スタックから導出された前記コンバータ部の正極端子を第1の正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続すると共に、前記スタックから導出されたコンバータ部の負極端子を第1の負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、
前記スタックから導出された前記インバータ部の正極負極端子を第2の正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続すると共に、前記スタックから導出された前記インバータの負極端子を第2の負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、
前記第1及び第2の正極母線、並びに、第1及び第2の負極母線として両端間のインピーダンスが等しい導体を用い、かつ、前記第1及び第2の正極母線を両端と中間部を含む少なくとも3箇所で接続すると共に、前記第1及び第2の負極母線を両端と中間部を含む少なくとも3箇所で接続し、
前記コンデンサの正側端子を前記第1及び第2の正極母線が相互接続される両端の各相互接続部に第1の母線接続導体によって接続し、前記コンデンサの負側端子を前記第1及び第2の負極母線が相互接続される中間部の相互接続部に第2の母線接続導体によって接続し、前記第1及び第2の母線接続導体として材質、断面積及び長さの等しいものを用いた、
ことを特徴とする電力変換装置。 - コンバータ部及びインバータ部を有し、前記コンバータ部の第n(n=1,2,3)相のスイッチング素子と前記インバータ部の第n相のスイッチング素子とがスタックとして収納されると共に、スタックの相毎に正極端子及び負極端子がそれぞれ導出され、前記各スタックの正極端子が外部の正極母線に共通接続され、負極端子が外部の負極母線に共通接続された電力変換器と、電流検出手段及びコンデンサを有し、前記コンデンサの正側端子が前記正極母線に接続され、負側端子が前記負極母線に接続され、前記電流検出手段が前記コンデンサに直列に接続された素子短絡検出回路とを備える電力変換装置において、
前記スタックから導出された前記コンバータ部の正極端子を第1の正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続すると共に、前記スタックから導出されたコンバータ部の負極端子を第1の負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、
前記スタックから導出された前記インバータ部の正極負極端子を第2の正極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続すると共に、前記スタックから導出された前記インバータの負極端子を第2の負極母線を形成する導体の両端と中間部を含む3箇所に所定の相順に接続し、
前記第1及び第2の正極母線、並びに、第1及び第2の負極母線として両端間のインピーダンスが等しい導体を用い、かつ、前記第1及び第2の正極母線を両端と中間部を含む少なくとも3箇所で接続すると共に、前記第1及び第2の負極母線を両端と中間部を含む少なくとも3箇所で接続し、
前記コンデンサの正側端子を前記第1及び第2の正極母線が相互接続される中間部の相互接続部に第1の母線接続導体によって接続し、前記コンデンサの負側端子を前記第1及び第2の負極母線が相互接続される両端の各相互接続部に第2の母線接続導体によって接続し、前記第1及び第2の母線接続導体として材質、断面積及び長さの等しいものを用いた、
ことを特徴とする電力変換装置。 - 前記第1の正極母線と前記第1の負極母線とを、絶縁性の部材を介して、近接させ、前記第2の正極母線と前記第2の負極母線とを、絶縁性の部材を介して、近接させたことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の電力変換装置。
- 前記正極母線の中間から見て一端側と他端側にそれぞれ電流の変化を検出する短絡検出手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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