第1の発明は、差動増幅回路と、比較回路と、前記差動増幅回路の+、−一対の入力端子と、前記差動増幅回路の出力端子を備え、 前記差動増幅回路の入力端子は負電圧の入力が可能であり、前記差動増幅回路の入力端子は過大電圧入力時に過大電圧が入力された端子の回路を遮断する機能を有し、前記比較回路は前記差動増幅回路の出力電圧と外部に接続される検出値設定用抵抗によって決定される電圧とを比較しその結果を出力し、回路をIC化したことにより、モータを駆動するインバータ回路の下側のスイッチング素子の−電源側を一括接続し、直列に挿入された低抵抗の両端を前記前記差動増幅回路の+、−一対の入力端子に接続することで、1シャント方式の電流検出回路と過電流検出回路を構成することができ、これにより電流検出回路として、小型化、部品点数が少なく、実装面積が小さく、低コスト化を実現することができる。
第2の発明は、差動増幅回路と、比較回路と、前記差動増幅回路の+、−一対の入力端子と、前記差動増幅回路の出力端子とを複数組備え、前記差動増幅回路の入力端子は負電圧の入力が可能であり、前記差動増幅回路の入力端子は過大電圧入力時に過大電圧が入力された端子の回路を遮断する機能を有し、前記複数の比較回路の入力の一端はそれぞれの前記差動増幅回路の出力と接続され、前記複数の比較回路の入力の他端はまとめて接続されており外部に接続される検出値設定用抵抗によって決定される電圧が入力され、前記比較回路の複数の出力を1個の出力としてその結果を出力し、回路をIC化したことにより、例えば3回路分をICとして構成した場合、モータを駆動するインバータ回路の下側のそれぞれのスイッチング素子の−側に個々に低抵抗を直列に挿入し、その抵抗の両端を前記差動増幅回路のそれぞれの+、−一対の入力端子に接続することで、3シャント方式の電流検出回路と過電流検出回路を構成することができ、これにより電流検出回路として、小型化、部品点数が少なく、実装面積が小さく、低コスト化を実現することができる。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、差動増幅回路の増幅率は、外部から調整可能とする機能を設け、増幅率の設定用端子を設けた構成とすることにより、外部に設置する電流検出用低抵抗との組み合わせで、広範囲の電流検出値に対応することができる。
第4の発明は、上記第1から第3のいずれかの発明において、電源電圧が単電圧である、例えばICの電源電圧は5V単一電源電圧とすることで、アナログ回路特有の正負の電源を必要とせず、マイコン等他の制御回路と共通の電源で動作することができる。
第5の発明は、上記第1から第4のいずれかの発明において、差動増幅回路の+、−の入力端子に配置されるサージ保護素子は、電源電圧の正側との間に配置されることにより、すなわち、差動増幅回路の入力端子のワイヤーボンディングパッド近傍にICの電源電圧の正側との間にサージ保護素子を配置することで、差動増幅回路の入力端子に負電圧が印加された場合にもサージ保護素子を通じてリーク電流が流れることは無く、負電圧の印加を可能とすることにより、モータ電流が負になる場合にもICの破壊等なく、正確な電流を検出することができる。
第6の発明は、上記第1から第4のいずれかの発明において、差動増幅回路の+、−の入力端子に配置されるサージ保護素子は、電源電圧の負側との間に2個のサージ保護素子を極性を逆とし直列に配置されることにより、すなわち、差動増幅回路の入力端子のワイヤーボンディングパッド近傍にICの電源電圧の負側との間に2個のサージ保護素子を極性を逆として配置することで、差動増幅回路の入力端子に負電圧が印加された場合にもサージ保護素子を通じてリーク電流が流れることは無く、負電圧の印加を可能とすることにより、モータ電流が負になる場合にもICの破壊等なく、正確な電流を検出することができる。
第7の発明は、上記第1から第4のいずれかの発明において、差動増幅回路の+、−の入力端子は、過大電圧入力時に入力端子のリードフレームとシリコンチップ間のワイヤーボンディングを溶断させることにより、すなわち、差動増幅回路の入力端子のICピンを形成するリードフレームと同チップ上のボンディングパッド間に使用するワイヤーボンディングに極力細いものを使用することにより、例えば前記IC外部に接続された電流検出用の低抵抗がオープンとなった場合に、低抵抗のスイッチング素子側に接続された端子より大電流が流れた場合に前記ワイヤーボンディングを溶断させることでICの破裂、発火等不安全を防ぐことができる。
第8の発明は、上記第1から第4のいずれかの発明において、差動増幅回路の+、−の入力端子は、過大電圧入力時にシリコンチップ上のアルミ配線のボンディングパッド近傍を溶断させることにより、すなわち、差動増幅回路の入力端子のICピンを形成するリードフレームよりワイヤーボンディングを介して接続される同チップ上のボンディングパッドとサージ保護素子を含む他の回路との間のアルミ配線の部分に極力細い部分を設けることにより、例えば前記IC外部に接続された電流検出用の低抵抗がオープンとなった場合に、低抵抗のスイッチング素子側に接続された端子より大電流が流れた場合に前記アルミ配線の細くなった部分を溶断させることでICの破裂、発火等不安全を防ぐことができる。
第9の発明は、上記第1から第8のいずれかの発明のモータ電流検出用ICと、ICの差動増幅回路の+、−の入力端子間に接続した抵抗により、モータ電流検出器を構成したことにより、モータ電流検出器として、IC1個と低抵抗のわずかな部品で構成することができ、小型化、部品点数が少なく、実装面積が小さく、低コスト化を実現することができる。
第10の発明は、上記第1から第8の発明のいずれかの電流検出用ICを備えた電流検出回路を使用したモータ制御装置を構成することで、小型で安価なモータ制御装置を実現することができる。
第11の発明は、上記第1から第8の発明のモータ電流検出用ICと、差動増幅回路の+、−の入力端子間のいずれか一方に保護素子を介して接続された抵抗により、モータ電流検出器を構成したことにより、モータ電流検出器として、IC1個と低抵抗のわずかな部品で構成することができ、また、前述の作動増幅回路の+、−いずれか一方に素子を 介して低抵抗を接続することにより例えば前記IC外部に接続された電流検出用の低抵抗がオープンとなった場合に、低抵抗のスイッチング素子側に接続された端子より大電流が流れた場合にこの保護素子によりICの破裂、発火等不安全を防ぐことができ、小型化、部品点数が少なく、実装面積が小さく、低コスト化、安全性の高い電流検出器を 構成することができる。
第12の発明は、上記第11の発明の保護素子は電流を遮断するヒューズを使用することにより、例えば前記IC外部に接続された電流検出用の低抵抗がオープンとなった場合に、低抵抗のスイッチング素子側に接続された端子より大電流が流れた場合にこのヒューズが溶断しICの破裂、発火等不安全を防ぐことができ、小型化、部品点数が少なく、実装面積が小さく、低コスト化、安全性の高い電流検出器を 構成することができる。
第13の発明は、上記第11の発明の保護素子は抵抗を使用することにより、例えば前記IC外部に接続された電流検出用の低抵抗がオープンとなった場合に、低抵抗のスイッチング素子側に接続された端子より大電流が流れた場合にこの抵抗を溶断しICの破裂、発火等不安全を防ぐことができ、小型化、部品点数が少なく、実装面積が小さく、低コスト化、安全性の高い電流検出器を 構成することができる。
第14の発明は、上記第11から第13の発明のモータ電流検出器を使用したモータ制御装置を構成することで、小型で安価なモータ制御装置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明のICを使用したモータ制御装置のブロック図、図3は本発明の実施の形態1のICのブロック図である。
図1で、3相モータ駆動用のインバータ回路はスイッチング素子31a1と31a2、31b1と31b2、31c1と31c2の直列に接続された2個1組を並列に3組、合計6個のスイッチング素子より構成されており、図1では例としてスイッチング素子にIGBTを使用している。2個1組のスイッチング素子の接続点、例えば31a1の下側(エミッタ側)と31a2の上側(コレクタ側)が接続されているが、その接続点より図示しないモータに接続されている。直列に接続された各下側スイッチング素子のエミッタ側は全て接続されており、電流検出用の抵抗である電流検出用低抵抗50dに接続されている。電流検出用低抵抗50dの両端はモータ電流検出用IC101に入力されている。モータ電流検出用IC101は電流検出用低抵抗50dの両端の電圧を差動増幅回路105で増幅し、アナログの信号idcとして出力する。この信号はマイクロコンピュータ等の制御回路102に入力され、A/D変換を行い、電流検出値としてモータの速度制御、トルク制御等に使用される。
図3で、前述の電流検出用低抵抗50dの両端は入力端子T1、T2に接続される。説明のため、入力端子T1には図1に示す電流検出用低抵抗50dの右側、下側IGBTのエミッタ側が接続され、入力端子T2には図1に示す電流検出用低抵抗50dの左側、コンデンサC1側が接続されているとする。入力端子T1への入力電圧をVT1[V]、入力端子T2への入力電圧をVT2[V]、出力端子T7への出力電圧をVOUT[V]、図3抵抗R4のVREF側の電圧をVREF[v]、抵抗R1、R2、R4、R5の抵抗値をR1[Ω]、R2[Ω]、R4[Ω]、R5[Ω]とすると、出力電圧は、
VOUT={(R1R2+R1R5)VREF+(R2R4+R4R5)VT1
+(−R1R5−R4R5)VT2}/{R2(R1+R4)}
で表される。また、一般的に差動増幅回路を構成する場合、抵抗R1、R2、R4、R5の値はR1=R2、R4=R5(またはR1:R4=R2:R5)であり、前式にこれを代入すると、
VOUT=VREF+(VT1−VT2)R4/R1
となり、電圧VREFを仮想GNDとし、それを中心に、増幅率R4/R1で増幅された電圧
を端子T7に接続する。
各定数の設計値の例を示す。今、モータ電流の最大値を±6A(ゼロ−ピーク)とする。図1に示す電流検出用低抵抗50dはインバータを構成するIGBT 31a2、31b2、31c2の動作に影響しないように、電流検出用低抵抗50dによる電圧降下を1V以下とするべきである。低抵抗の値を50mΩとしたとき、モータの最大電流による電圧降下は6A×50mΩ=0.3Vであり、仮に6Aを超えることがあってもインバータ回路の素子を余裕を持って駆動できる。図1に示す制御回路102をマイクロコンピュータのA/D変換器を想定すると、入力可能な電圧は一般的に0V〜5Vであり、その中心電圧の2.5Vを基準に±2.5Vの範囲に差動増幅器の電圧を設定したい。この場合には、IC内部の基準電圧VREFを2.5Vになるように設定する。図3に示す抵抗R6、R7、アンプ112より構成される基準電圧VREFが2.5Vとなるように抵抗R6、R7を設定する。例えばICの電源電圧VCCが+5Vの場合には抵抗R6とR7の値を等しく設定する。入力端子T1、T2間にはモータの最大電流6A時に0.3Vの電圧が入力される。このときの振幅を2.5V以下とする必要がある。例えば図3の抵抗をR1=R2=40kΩ、R4=R5=200kΩと設定すると、増幅器の増幅率は200kΩ/40kΩ=5倍となり、最大電流6A時の出力端子T7の振幅は0.3V×5=1.5Vとなる。
また、図1でIC101は設定された電流レベルの検出信号も出力している。前述した差動増幅回路105を構成するアンプ110の出力より抵抗R3、コンデンサC1より構成されるローパイフィルタを介し、コンパレータ(比較回路)111の一方の入力端子に接続されている。コンパレータ111の他方の入力端子には、電流源114と、検出値設定端子T10と回路GND間に接続される図示しない抵抗によって決まる電圧が入力される。今、実施の形態1での説明と同様、図1の電流検出用の電流検出用低抵抗50dが50mΩで、モータ電流の最大値が6A、コンパレータ111を含む回路での電流検出により信号を得たいレベルが8Aあったとする。電流検出用の低抵抗での電圧降下は、50mΩ×8A=0.4Vであり、図3の入力端子T1、T2間にはこの電圧が入力される。差動増幅回路105の出力は前述の計算と同様であり、出力電圧はVOUT=2.5V+200kΩ÷40kΩ×0.4V=4.5Vである。この電圧でコンパレータ111の出力を反転させるような定数の設定をする。電流源114が例えば100μAだったとすると、4.5V÷100μA=45kΩの抵抗を検出値設定端子T10と回路GND間に接続すればよい。また、端子T7へ出力する電流検出信号はモータ制御に使用するためノイズ等の影響を受けにくくするためにアンプ110と周囲の抵抗より構成される差動増幅回路105には電流検出用の低抵抗の両端を接続、入力しているが、コンパレータの入力信号は、インバータのスイッチングノイズの影響を考え、ノイズ成分を抵抗R3とコンデンサC11で除去する構成としている。このR3とC11の値は、R3を40kΩ、C11を50pFと、IC内部で構成できる範囲のコンデンサの値を使用し、時定数を2μsecとしている。
図3に示す構成で、入力端子T1側に図1の電流検出用低抵抗50dの右側、すなわちIGBT側が接続されている場合、コンパレータ111は電流値が検出値設定端子T10に接続された抵抗値で決まる値に達した場合に、出力端子T11はLを、同T12はHを出力する。この検出信号は過電流検出信号として利用することが可能であり、インバータのスイッチング素子の保護、モータの巻線の短絡保護等に利用可能である。
また、図1に示すように一般的に制御回路および検出回路の回路グランドGNDは、電流検出用の電流検出用低抵抗50dの左側、スイッチング素子とは接続されていない側である。モータ電流が負である場合には、電流検出用の電流検出用低抵抗50dには図1の左側から右側に電流が流れる可能性がある。その場合に図3ICのブロック図の入力端子T1には負の電圧が入力される。本発明はICの負電圧がかかる可能性のある入力端子T1は負電圧に対する耐量を上げた構成としている。
また、電流検出用の電流検出用低抵抗50dが焼損やはんだはずれなどでオープンとなった場合、図1の電流検出用低抵抗50dの右側、すなわちIGBT側にはインバータ回路の高電圧が印加される可能性がある。このとき、図3ICのブロック図の入力端子T1には過大な電圧が印加される可能性がある。本発明はICの過大電圧が印加される可能性がある端子T1は過大電圧が印加され、大電流が流れ込んだ場合に電流流入経路を遮断する機能を備え、樹脂パッケージの破裂、発火等に至らない構成としている。
なお、上記各定数は一例であり、モータの電流値、制御回路への出力電圧等の条件により、値は変化するものである。また、ICの内部ブロック構成は一例であり、例えば入力端子T1、T2と差動増幅器への入力の極性や、差動増幅器の構成を別の構成としても良い。
(実施の形態2)
図2は本発明のICを使用したモータ制御装置のブロック図、図4は本発明の実施の形態2のICのブロック図である。
以下、実施の形態1との違いを中心に説明する。実施の形態1と同様の構成については説明を省略する。
図2で、3相モータ駆動用のインバータ回路はスイッチング素子31a1と31a2、31b1と31b2、31c1と31c2の直列に接続された2個1組を並列に3組、合計6個のスイッチング素子より構成されており、図2では例としてスイッチング素子にIGBTを使用している。2個1組のスイッチング素子の接続点、例えば31a1の下側(エミッタ側)と31a2の上側(コレクタ側)が接続されているが、その接続点より図示しないモータに接続されている。直列に接続された各下側スイッチング素子のエミッタ側には、個々に電流検出用の抵抗である電流検出用低抵抗50a、50b、50cが接続されており、各低抵抗の他端はインバータ電源の負側へと接続されている。各電流検出用の低抵抗の両端はモータ電流検出用IC103に入力されている。すなわち、図2の電流検出用低抵抗50aのIGBT側は図4の入力端子T1に、電流検出用低抵抗50aの他端は入力端子T2に、図2の電流検出用低抵抗50bのIGBT側は図4の入力端子T3に、電流検出用低抵抗50bの他端は入力端子T4に、図2の電流検出用低抵抗50cのIGBT側は図4の入力端子T5に、電流検出用低抵抗50cの他端は入力端子T6に、それぞれ接続されている。モータ電流検出用IC103は電流検出用低抵抗50a、50b、50cの両端の電圧を増幅し、アナログの信号iu、iv、iwとして出力する。この信号はマイクロコンピュータ等の制御回路104に入力され、A/D変換を行い、電流検出値としてモータの速度制御、トルク制御等に使用される。
実施の形態1との違いは、実施の形態1が3相分の電流をまとめて検出していたのに対して、実施の形態2は各相独立して検出が可能である。このため、より高精度の制御が必要な場合に用いることができる。各定数の説明については実施の形態1と同様であるので省略する。
また、図3でIC103は設定された電流レベルの検出信号も出力している。前述した差動増幅回路105を構成するアンプ110の出力より抵抗R3、コンデンサC1より構成されるローパイフィルタを介し、3個あるコンパレータの一方の入力端子に接続されている。コンパレータの他方の入力端子は、まとめて接続されており、電流源114と、検出値設定端子T10と回路GND間に接続される図示しない抵抗によって決まる電圧が共通の電圧が入力される。3個ある各コンパレータの出力も共通となっており、各コンパレータのどれか1つが検出値設定端子T10と回路GND間に接続される図示しない抵抗によって決まる電圧に達すると端子T9及びT10から信号が出力される。この検出信号は過電流検出信号として利用することが可能であり、インバータのスイッチング素子の保護、モータの巻線の短絡保護等に利用可能である。各定数の設定方法等も実施の形態1と同様であり、省略する。
また、耐負電圧、耐過電流等については実施の形態1と同様であるので省略する。
(実施の形態3)
上記実施の形態1または実施の形態2において、差動増幅回路105の増幅率を調整あるいは選択可能とする機能を設け、増幅率の設定用端子を設けた構成とする。図3及び図4を用いて一例を説明する。図3及び図4において、端子T13、T14は増幅率設定端子であり、増幅率設定器113に入力される。図3、図4の例では、端子T13、T14は2本あるので、4種類の状態を設定することができる。増幅率設定器113は例えば端子T13、T14の状態により、抵抗R4、R5の値を変更する。今、実施の形態1で説明したように、抵抗R1、R2が40kΩであったとする。増幅率設定器113は端子T13、T14の状態によって、R4、R5を同時に100kΩ、200kΩ、400kΩ、800kΩと設定する。増幅率はそれぞれ2.5倍、5倍、10倍、20倍となる。
これによって、制御するモータの電流値が小さい場合、例えば電流が最大で1A以下の場合には図1に示す電流検出用の電流検出用低抵抗50d、図3に示す同50a、50b、50cの値を1Ω、電流増幅率を2.5倍とすることで電流は小さいがS/N比に優れた電流検出が可能である。また、電流が大きい場合には、電流検出用抵抗の損失が大きくなるので、抵抗値をなるべく下げたい。例えば電流検出値の最大値が20Aの場合、図1に示す電流検出用の電流検出用低抵抗50d、図3に示す同50a、50b、50cの値を10mΩ、電流増幅率を20倍とすることで極力抵抗による損失を抑えた電流検出回路を構成することができる。
なお、増幅率の設定を2端子を用い、4通りの設定として説明を行ったが、増幅率設定端子の数は2端子以外の数でも良い。例えば増幅率設定端子を1端子のみとし、差動増幅回路の増幅率を5倍、10倍といった2段階に設定することもできる。また、増幅率設定端子を3端子とし、5種類以上の差動増幅回路の増幅率の設定をすることもできる。また、増幅率をアナログ的に設定しても良い。例えば1端子で端子と回路GND間に抵抗を接続し、アナログ入力とすることで、増幅率設定器内部にカレントミラーを用い、各抵抗R4、R5をリニアに設定を行うこともできる。
(実施の形態4)
上記実施の形態1から実施の形態3のいずれかにおいて、ICの電源電圧は例えば5V単一電源電圧とする。
図3及び図4を用いて一例を説明する。図3、図4において、電源端子T15は+側電源入力端子、IC内部電源VCCは電源端子T15に接続されている。また、グランド端子T16はグランド端子、IC内部グランドGNDに接続されている。実施の形態1から4で説明したように、本発明のICは入力端子に負電圧の入力が可能であり、ICの電源を+5Vの単一電源とすることができる。これにより、制御回路を構成するマイコンやロジック回路と電源を共通にすることができ、アナログ回路特有の専用電源が不要であり、電流検出回路、モータ制御回路の小型化をはかることができる。
(実施の形態5)
上記実施の形態1から実施の形態4のいずれかにおいて、差動増幅回路の入力端子のワイヤーボンディングパッド近傍にICの電源電圧の正側との間にサージ保護素子を配置する。
図5にその実施例を示す。端子Tは負電圧が印加される端子、IC内部電源VCCは外部より電源端子T15を経て供給される。IC内部グランドGNDはグランド端子T16を経て外部の回路グランドと接続されている。サージ保護素子120は図示のように入力端子TとIC内部電源VCC間に接続されている。サージ保護素子の特性はツェナーダイオードの特性に類似している。サージ保護素子の耐圧は電源電圧より十分に高い値である。例えばICの電源電圧が5Vであるとき、サージ保護素子の耐圧は少なくとも7V程度以上とする必要がある。
端子Tに正電圧のサージが印加された場合、サージ保護素子120はツェナーダイオードの順電圧特性を示し、ICの電源電圧にツェナーダイオードの順電圧を加えた値でサージをクランプする。IC電源電圧が+5Vであるとすると、正電圧側のサージは+5.7V程度でクランプされる。
端子Tに負電圧のサージが印加された場合、サージ保護素子120はICの電源電圧からツェナーダイオードのツェナー電圧を引いた値でサージ電圧をクランプする。ICの電源電圧が+5V、サージ保護素子の耐圧が7Vであるとすると、負電圧側のサージは−2Vでクランプされる。
これにより、差動増幅回路の入力端子に負電圧が印加された場合にもサージ保護素子を通じてリーク電流が流れることは無く、負電圧の印加を可能とすることにより、モータ電流が負になる場合にもICの破壊等なく、正確な電流を検出することができる。
(実施の形態6)
上記実施の形態1から実施の形態4のいずれかにおいて、差動増幅回路の入力端子のワイヤーボンディングパッド近傍にICの内部グランドとの間にサージ保護素子2個を極性を逆とし、直列に接続し配置する。差動増幅回路の入力端子に負電圧が印加された場合にもサージ保護素子を通じてリーク電流が流れることは無く、負電圧の印加を可能とすることにより、モータ電流が負になる場合にもICの破壊等なく、正確な電流を検出することができる。
図6にその実施例を示す。端子Tは負電圧が印加される端子、IC内部電源VCCは外部より電源端子T15を経て供給される。IC内部グランドGNDはグランド端子T16を経て外部の回路グランドと接続されている。サージ保護素子121、122は図示のように逆極性に直列に入力端子TとIC内部電源VCC間に接続されている。サージ保護素子の特性はツェナーダイオードの特性に類似している。サージ保護素子の耐圧は、サージ保護素子121は2V程度以上、サージ保護素子122はICの電源電圧よりも十分に高い価が必要である。
端子Tに正電圧のサージが印加された場合、サージ保護素子121はツェナーダイオードの順電圧特性を示し、サージ保護素子122はツェナーダイオードのツェナー電圧特性を示す。これらの電圧を加えた値でサージをクランプする。IC電源電圧が+5Vであり、サージ保護素子122の耐圧を7Vとすると、正電圧側のサージは+7.7V程度でクランプされる。
端子Tに負電圧のサージが印加された場合、サージ保護素子121はツェナーダイオードのツェナー電圧特性を示し、サージ保護素子122はツェナーダイオードの順電圧特性を示す。サージ保護素子121の耐圧が2Vであるとすると、負電圧側のサージは−2.7Vでクランプされる。
これにより、差動増幅回路の入力端子に負電圧が印加された場合にもサージ保護素子を通じてリーク電流が流れることは無く、負電圧の印加を可能とすることにより、モータ電流が負になる場合にもICの破壊等なく、正確な電流を検出することができる。
(実施の形態7)
上記実施の形態1から実施の形態4のいずれかにおいて、差動増幅回路の入力端子のICピンを形成するリードフレームと同チップ上のボンディングパッド間に使用するワイヤーボンディングに極力細いものを使用する。
図7はICの構造である。端子152、ベース基板153は、リードフレームを打ち抜き構成されている。一般的にベース基板153はICを構成する複数の端子152のいずれか1本と共通である。チップ154はベース基板153に銀ペースト等で接着されている。ワイヤーボンディング155はリードフレーム152とチップ154上のボンディングパッドを電気的に接続する。樹脂モールド151はICのチップ、ワイヤーの保護とリードフレームの固定を行っている。
図1に示す電流検出用の電流検出用低抵抗50d、図2に示す電流検出用の電流検出用低抵抗50a、50b、50cが焼損やはんだはずれなどでオープンとなった場合、低抵抗のIGBT側にはインバータ回路の高電圧が印加される可能性がある。このとき、図3及び図4のICのブロック図の入力端子T1には過大な電圧が印加される可能性がある。このときに電流が流れる経路として、必ずワイヤーボンディング155を通り、実施の形態7、実施の形態8で示したサージ保護素子に電流が流れる。このワイヤーボンディングに極力細いものを使用する。
これにより、例えば前記IC外部に接続された電流検出用の低抵抗がオープンとなった場合に、低抵抗のスイッチング素子側に接続された端子より大電流が流れた場合に前記ワイヤーボンディング溶断させることでICの破裂、発火等不安全を防ぐことができる。
(実施の形態8)
上記実施の形態1から実施の形態4のいずれかにおいて、差動増幅回路の入力端子のICピンを形成するリードフレームよりワイヤーボンディングを介して接続される同チップ上のボンディングパッドとサージ保護素子を含む他の回路との間のアルミ配線の部分に極力細い部分を設ける。
図8はICのボンディングパッド付近の構造である。ICのチップ201の表面には、アルミ配線が施されている。ボンディングパッド203付近のアルミ配線202は一般的にボンディングパッド近傍に設置されるサージ保護素子204と太く直結されている。それぞれの信号はサージ保護素子を通り、例えばコンタクトホール205を通り、あるいは表層上のアルミ配線でIC内部へと配線されている。図8(a)は一般的に行われているボンディングパッド付近のアルミ配線の例である。
本発明のボンディングパッド近傍のアルミ配線を図8(b)に示す。ボンディングパッド203からサージ保護素子204の間のアルミ配線に細い部分を設けている。それぞれの信号はサージ保護素子を通り、例えばコンタクトホール205を通り、あるいは表層上のアルミ配線でIC内部へと配線されている。
図1に示す電流検出用の電流検出用低抵抗50d、図2に示す電流検出用の電流検出用低抵抗50a、50b、50cが焼損やはんだはずれなどでオープンとなった場合、低抵抗のIGBT側にはインバータ回路の高電圧が印加される可能性がある。このとき、図3及び図4のICのブロック図の入力端子T1には過大な電圧が印加される可能性がある。このときに電流が流れる経路として、必ずボンディングパッド203を通り、実施の形態7、実施の形態8にも示したサージ保護素子204に電流が流れる。ボンディングパッドからサージ保護素子のアルミ配線に細い部分を作りこむ。
これにより、例えば前記IC外部に接続された電流検出用の低抵抗がオープンとなった場合に、低抵抗のスイッチング素子側に接続された端子より大電流が流れた場合に前記アルミ配線の細くなった部分を溶断させることでICの破裂、発火等不安全を防ぐことができる。
(実施の形態9)
上記実施の形態1から実施の形態8のいずれかに示した電流検出用ICと、入力端子に接続された電流検出用の低抵抗で構成される電流検出器である。
図1及び図2にモータ制御装置のブロック図を示す。
図1のモータ制御装置構成において、6個のIGBT 31a1、31a2、31b1、31b2、31c1、31c2よりインバータ回路を構成している。下側の3個のIGBT 31a2、31b2、31c2の−電源側端子であるエミッタ端子は接続されており、電流検出用低抵抗50dに接続されており、他端はコンデンサ108の−側へと接続されている。一般的に、コンデンサ108の両端、図1では左側には図示しない商用の交流電源の整流回路が接続されており、例えば単相交流100Vの倍電圧整流回路あるいは単相または三相交流200Vの全波整流回路が接続されている場合には、コンデンサ108の両端の電圧は約280Vの直流電圧が印加される。電流検出器106は前述の電流検出用の電流検出用低抵抗50dと電流検出用IC101より構成される。電流検出用低抵抗の両端は図3に示す電流検出用ICのブロック図中の端子T1、T2へと接続されている。端子T1、T2は電流検出用IC101内部にて、増幅回路105の入力である。ICの詳細説明は既に前述しているので省略する。
次に、図2のモータ制御装置構成において説明する。6個のIGBT 31a1、31a2、31b1、31b2、31c1、31c2よりインバータ回路を構成している。下側の3個のIGBT 31a2、31b2、31c2の−電源側端子であるエミッタ端子にはそれぞれ別個に電流検出用低抵抗50a、50b、50cが接続されている。すなわち、IGBT31a2のエミッタ側には電流検出用低抵抗50aの一端が、IGBT31b2のエミッタ側には電流検出用低抵抗50bの一端が、IGBT31c2のエミッタ側には電流検出用低抵抗50cの一端が接続されており、それぞれの電流検出用低抵抗50a、50b、50cの他端はコンデンサ108の−側へと接続されている。一般的に、コンデンサ108の両端、図2では左側には図示しない商用の交流電源の整流回路が接続されており、例えば単相交流100Vの倍電圧整流回路あるいは単相または三相交流200Vの全波整流回路が接続されている場合には、コンデンサ108両端の電圧は約280Vの直流電圧が印加される。電流検出器107は前述の電流検出用の電流検出用低抵抗50a、50b、50cと電流検出用IC103より構成される。電流検出用低抵抗の両端は、電流検出用低抵抗50aの両端が図4に示す電流検出用IC103のブロック図中の端子T1、T2へ、電流検出用低抵抗50bの両端が図4に示す電流検出用IC103の端子T3、T4へ、電流検出用低抵抗50cの両端が図4に示す電流検出用IC103の端子T5、T6へとそれぞれ接続されている。それぞれの端子は電流検出用IC103内部にて、差動増幅回路105の入力である。ICの詳細説明は既に前述しているので省略する。
(実施の形態10)
上記実施の形態1から実施の形態8のいずれかに示した電流検出用ICを備えた電流検出回路を使用したモータ制御装置である。
図1及び図2にモータ制御装置のブロック図を示す。IC内部の構成、動作、電流検出の内容は既に説明したので省略する。
図1の制御回路102は、例えば図示しないマイコンを中心に構成されており、電流検出信号idcはマイコンのA/D変換ポートに接続されている。マイコンはインバータを構成するスイッチング素子31a1、31a2、31b1、31b2、31c1、31c2のゲート信号を制御し、モータを駆動する。電流検出は、例えはスイッチング素子31a1、31b1、31c2がオン、他の3個がオフしている場合、電流検出用の電流検出用低抵抗50dとICを介して、スイッチング素子31c1と31c2と接続されているモータ巻線の電流を、モータ巻線からインバータの回路方向への電流を検出することができる。また、例えはスイッチング素子31a1、31b2、31c2がオン、他の3個がオフしている場合、電流検出用の電流検出用低抵抗50dとICを介して、スイッチング素子31a1と31a2と接続されているモータ巻線の電流を、インバータ回路からモータの巻線の方向への電流を検出することができる。
制御回路102はこのようにして得たモータ巻線電流と、図示しない他の検出器の情報、例えばモータに付属した位置センサや速度センサ、電源電圧のセンサなどを用い、モータを制御する。また、検出信号OCは通常過電流検出信号として使用する。この信号が検出された場合は、制御回路102は即座にインバータのスイッチング素子31a1、31a2、31b1、31b2、31c1、31c2のゲート信号を遮断し、スイッチング素子の破壊を防止する。
このように図1のような電流検出用の抵抗を1箇所のみで行うと、コスト的には有利ではあるが、インバータ回路の動作と電流の向きによってどこを流れる電流を検出しているか制御回路が判断する必要がある。このような構成はファンモータの制御など、比較的簡単なモータ制御装置に多く使用されている。
図2の制御回路104は、例えば図示しないマイコンを中心に構成されており、電流検出信号iu、iv、iwはマイコンのA/D変換ポートに接続されている。マイコンはインバータを構成するスイッチング素子31a1、31a2、31b1、31b2、31c1、31c2のゲート信号を制御し、モータを駆動する。電流検出は、例えはインバータ回路の下側のスイッチング素子31a2、31b2、31c2がオン、他の3個がオフしている場合、電流検出用の電流検出用低抵抗50a、50b、50cとICを介して、3相全てのモータ巻線の電流を、電流の方向に関わらず検出することができる。このように電流検出用抵抗を各相に挿入することで、電流検出を行ううえでの制約は少なくなるので、例えば誘導電動機やブラシレスモータなどのベクトル制御のように比較的高度な制御法を用いる機器に広く用いられている。他の動作は図1の制御回路と同様なので省略する。
以上のように本発明のモータ電流検出用ICを備えた電流検出回路を使用したモータ制御装置を構成することで、小型で安価なモータ制御装置を実現することができる。
(実施の形態11)
上記実施の形態1から実施の形態8に示した電流検出用ICと、入力端子のいずれか一方に保護素子を介して接続し、他方直接接続はされた電流検出用の低抵抗と、で構成される電流検出器である。
図12及び図13にモータ制御装置のブロック図を示す。
図12のモータ制御装置において、6個のIGBT 31a1、31a2、31b1、31b2、31c1、31c2よりインバータ回路を構成している。下側の3個のIGBT 31a2、31b2、31c2の−電源側端子であるエミッタ端子は接続されており、電流検出用低抵抗50dに接続されており、他端はコンデンサ108の−側へと接続されている。一般的に、コンデンサ108の両端、図1では左側には図示しない商用の交流電源の整流回路が接続されており、例えば単相交流100Vの倍電圧整流回路あるいは単相または三相交流200Vの全波整流回路が接続されている場合には、コンデンサ108の両端の電圧は約280Vの直流電圧が印加される。電流検出器106は前述の電流検出用の低抵抗50dと電流検出用IC101と保護素子161dより構成される。電流検出用低抵抗50dの端子は、下側の3個のIGBT 31a2、31b2、31c2の−電源側端子であるエミッタ端子側と接続されている側が保護素子161dを介して、他端は直接、図3に示す電流検出用ICのブロック図中の端子T1、T2の端子へと接続されている。端子T1、T2は電流検出用IC101内部にて、差動増幅回路105の入力である。ICの詳細説明は既に前述しているので省略する。
次に、図13のモータ制御装置構成において説明する。6個のIGBT 31a1、31a2、31b1、31b2、31c1、31c2よりインバータ回路を構成している。下側の3個のIGBT 31a2、31b2、31c2の−電源側端子であるエミッタ端子にはそれぞれ別個に電流検出用低抵抗50a、50b、50cが接続されている。すなわち、IGBT31a2のエミッタ側には低抵抗50aの一端が、IGBT31b2のエミッタ側には低抵抗50bの一端が、IGBT31c2のエミッタ側には低抵抗50cの一端が接続されており、それぞれの低抵抗50a、50b、50cの他端はコンデンサ108の−側へと接続されている。一般的に、コンデンサ108の両端、図2では左側には図示しない商用の交流電源の整流回路が接続されており、例えば単相交流100Vの倍電圧整流回路あるいは単相または三相交流200Vの全波整流回路が接続されている場合には、コンデンサ108両端の電圧は約280Vの直流電圧が印加される。電流検出器107は前述の電流検出用の低抵抗50a、50b、50cと電流検出用IC103と保護素子161a、161b、161cより構成される。電流検出用低抵抗の両端は、低抵抗50aのIGBT 31a2と接続されている側が保護素子161aを介して、他端が直接、図4に示す電流検出用IC103のブロック図中の端子T1、T2へ接続されている。低抵抗50bのIGBT 31b2と接続されている側が保護素子161bを介して、他端が直接、図4に示す電流検出用IC103の端子T3、T4へ接続されている。低抵抗50cのIGBT 31c2と接続されている側が保護素子161cを介して、他端が直接、図4に示す電流検出用IC103の端子T5、T6へとそれぞれ接続されている。それぞれの端子は電流検出用IC103内部にて、差動増幅回路105の入力である。ICの詳細説明は既に前述しているので省略する。
図12のモータ制御装置に示す電流検出用の低抵抗50d、図13のモータ制御装置に示す電流検出用の低抵抗50a、50b、50cが焼損やはんだはずれなどでオープンとなった場合、低抵抗のIGBT側にはインバータ回路の高電圧が印加される可能性がある。このとき、図3及び図4のICのブロック図の入力端子T1には過大な電圧が印加される可能性がある。このときに電流が流れる経路として、図12では必ず保護素子161dを、また、図13では必ず保護素子161a、161b、161cを経由し、実施の形態7、実施の形態8で示したサージ保護素子に電流が流れる。この保護素子に電流を抑制するものを使用する。また、保護素子161a、161b、161c、161dのインピーダンスは電流検出用ICの内部の抵抗R1、R2に対して十分に小さい値である必要がある。
これにより、例えば前記IC外部に接続された電流検出用の低抵抗がオープンとなった場合に、低抵抗のスイッチング素子側に接続された端子より大電流が流れることを防ぐことでICの破裂、発火等不安全を防ぐことができる。
(実施の形態12)
上記実施の形態11に示した保護素子161a、161b、161c、161dとして電流を遮断するヒューズを使用する。
図12のモータ制御装置に示す電流検出用の低抵抗50d、図13のモータ制御装置に示す電流検出用の低抵抗50a、50b、50cが正常な状態、すなわち低抵抗の抵抗値が正しい値であり、焼損、はんだはずれなどがない状態では保護素子161a、161b、161c、161dに流れる電流は微小である。使用するヒューズとしては小さい電流で遮断できるもので良く、例えば0.1A程度の電流ヒューズで十分である。
他の詳細な説明は実施の形態11と同一であるので省略する。
(実施の形態13)
上記実施の形態11に示した保護素子161a、161b、161c、161dとして抵抗を使用する。
図12のモータ制御装置に示す電流検出用の低抵抗50d、図13のモータ制御装置に示す電流検出用の低抵抗50a、50b、50cが正常な状態、すなわち低抵抗の抵抗値が正しい値であり、焼損、はんだはずれなどがない状態では保護素子161a、161b、161c、161dに流れる電流は微小である。使用する抵抗としては、抵抗値が電流検出用ICの内部の抵抗R1、R2に対して十分に小さい値であり、また、電流検出用の低抵抗50a、50b、50cが焼損やはんだはずれなどでオープンとなった場合に低抵抗のIGBT側にはインバータ回路の高電圧が印加され、IC内部が絶縁破壊などにより電流経路ができたときに保護素子161a、161b、161c、161dに流れる電流に対して十分に溶断するような抵抗を選定するか、または流れる電流を電流検出用ICの破裂、発火等不安全を防ぐよう十分に電流を抑制できる抵抗値及び容量を選定する。
他の詳細な説明は実施の形態11と同一であるので省略する。
(実施の形態14)
上記実施の形態11から13に示した電流検出器を使用したモータ制御装置である。詳細な説明は実施の形態10から13と同一であるので省略する。