JP4530193B2 - 都市ガス供給方法及びシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は都市ガス供給方法及び装置に関し、特に水素ガスを含む都市ガスを供給する都市ガス供給方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、燃料電池が民生用としても実用化し、今後、広く普及することが予想されるが、燃料電池システムは水素を燃料とするタイプが主流である。一方、従来、都市ガス供給はメタンを主成分とするLNGを気化し、さらにLPGで増熱する13Aガスが主流である。都市ガスには13Aガス以外に他の低熱量ガス種があり、さらにLPGによる簡易ガス供給もある。いずれの場合も都市ガスを用いて燃料電池システムを稼動させるためには、燃料電池の上流側に改質装置を設置して都市ガス中の炭化水素を水素に改質して燃料電池に供給することが必要となる。しかし、改質装置を需要家ごとに設置することはコストアップ、設備の大型化を招くため、都市ガスを用いた燃料電池の普及阻害要因となりうる。
【0003】
また、既存の都市ガスパイプラインを利用して直接、水素を供給する技術として、天然ガスに水素を混合したいわゆる「ハイタン」(Hydrogen Methaneの略)に関する技術が開示されている(例えば、特開平11−228101)が、この場合であっても燃料電池を使用する場合にメタン改質設備が必要であることに変わりはない。
【0004】
さらに、100%水素ガスを既存の都市ガスパイプラインを利用して供給するアイデアも公知であるが、この場合には水素を直接燃料とする機器(燃料電池等)については問題ないものの、既存の都市ガス用機器を使用できないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、既存の都市ガスパイプライン、導管ネットワークを利用して、水素燃料設備と既存の都市ガス燃焼機器が並存する場合に、両方の機器を支障なく利用することができる方法及びシステムを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、既存の都市ガスパイプラインを利用して、改質装置を必要とすることなく燃料電池等の水素燃料設備の利用を可能とする方法及び装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、天然ガス供給時代から水素供給時代への円滑な移行を担保するエネルギー供給形態を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、水素ガスと炭化水素系ガスとを含む混合ガスを、導管ネットワークを介して需要家群に供給する都市ガス供給方法であって、第一の需要家群においては、混合ガス中の水素ガスを分離して分離された水素ガスを使用するとともに、分離後ガスを導管ネットワークに戻入し、かつ、第二の需要家群においては、混合ガス中の水素ガスを分離して分離後ガスを使用するとともに、分離された水素ガスを導管ネットワークに戻入することを特徴とする都市ガス供給方法を提供する。
【0009】
かかる都市ガス供給方法を採用することにより、支障なく水素ガス混合都市ガス供給を行うことが可能となる。すなわち、導管ネットワークに既存のガス利用機器需要家と水素ガス利用機器需要家が並存する場合、需要家の炭化水素系ガスと水素ガスの使用量推移に応じて両ガスの混合比を変化させていくことにより、全ての需要家に安定的に必要なガスの供給ができる。具体的には、水素ガス利用機器需要家が少ないステージでは、炭化水素系ガスの比率を高くし、水素ガス利用機器需要家が増加するに伴い、水素ガスの比率を高くする。これにより、導管中の水素ガスと炭化水素系ガスの成分比率が一方に偏することなく、常に全ての需要家に必要なガスを供給することが可能となる。
【0010】
炭化水素系ガスとしては、メタンが代表的であるが、プロパン、ブタン等、又はこれらの混合ガス等を用いることができる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、導管ネットワーク内の所定の箇所において水素ガスを補充供給することを特徴とする都市ガス供給方法を提供する。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、導管ネットワーク内の所定の箇所において炭化水素系ガスを補充供給することを特徴とする都市ガス供給方法を提供する。
【0013】
これらの発明により、導管ネットワーク内の需要家が消費する水素ガスと既存の炭化水素系ガスの消費量バランスが水素ガス側、又は炭化水素系ガス側に傾いた場合に支障なく供給できる。すなわち、盲腸管等の導管末端部で一方のガス成分が極端に減少する場合がありうる。このような場合、当該導管末端部で水素ガス又は炭化水素系ガスを補充供給することにより、両ガスの需給バランスをとることができる。補充供給ポイントとしては、例えば需要家の機器構成、ガス使用量等を予め知り、これに基づいて導管網解析を行うことにより設定することもできる。
【0014】
請求項4の発明は、第二の需要家群中の少なくとも一部の需要家において、分離後ガスのウオッベ指数と燃焼速度指数とを、それぞれ所定の範囲内の値になるように、水素ガスの分離を制御することを特徴とする都市ガス供給方法を提供する。
【0015】
かかる制御を行うことにより、分離後ガスの燃焼性を一定の範囲に維持することが可能となり、既存の都市ガス燃焼機器の中で安定燃焼域が極端に狭いものであっても、安定燃焼を確保することが可能となる。
【0016】
現在、全国の都市ガスは、ガス事業法によりウオッベ指数及び燃焼速度指数がそれぞれ所定の範囲内の14種類のガスグループに分類されている。都市ガス事業者は、特定したガス種の都市ガスを供給域内の需要家に対して供給することが義務付けられている。ここにウオッベ指数(WI)は、ガスの発熱量H(MJ/m3)をガスの空気に対する比重sの平方根で割った数値であり、次式で表される。ウオッベ指数は、WI=H/√s で示され、ガス機器のインプットとノズルによる一次空気吸引量の関係を表し、ガス機器が完全燃焼可能か否かに関する指標となる。
また、燃焼速度指数(MCP)は次式で表される。
【0017】
【数1】
【0018】
ここに、S1、f1はそれぞれ都市ガス中の各可燃性ガスの燃焼速度及び係数、A1は都市ガス中の各可燃性ガスの含有率(体積百分率)、Kは減衰係数であって、次式により算出した値である。
【0019】
【数2】
【0020】
式中、α1は、各可燃性ガスの補正係数、CO2、N2、O2は、それぞれガス中の二酸化炭素、窒素、酸素の含有量(体積百分率)である。なお、S1、f1、α1の具体的数値についてはガス事業法に示されている。
【0021】
WIとMCPによりガス機器の燃焼特性を表現することが可能となる。図4はこれを概念的に示すものであり、ガス機器の互換域を示している。機器の互換域とは、全てのガス機器について不完全燃焼、バック、リフト等に関して良好燃焼域を求め、これらの限界線で囲まれた部分をいう。同図において▲1▼は不完全燃焼限界、▲2▼はリフト限界、▲3▼はバック限界、▲4▼は赤外線バーナ赤熱限界、▲5▼は赤外線バーナバック限界を示している。互換域内であれば供給ガスの組成が変動しても、全てのガス機器を良好に燃焼させることができる。
【0022】
ガス事業法ではこのような理論に基づいてガスグループを定めている。他方、同法は、WI、MCPが一定の範囲内にある限り、都市ガスの組成については規制していない。従って、都市ガスに水素ガスを添加して供給する場合においても、都市ガス中の水素濃度を各ガス種について定められたWI及びMCPの範囲内に制御すれば、当該ガス種に適合する機器の燃焼性が確保される。
【0023】
請求項5の発明は、水素ガスと炭化水素系ガスとを含む混合ガスを需要家群に供給する導管ネットワークを備えて成り、前記需要家群は混合ガス中の水素ガスを分離するための水素ガス分離手段と、分離後ガスを導管ネットワークに戻入するための分離後ガス戻入手段とを備えた第一の需要家群と、混合ガス中の水素ガスを分離するための水素ガス分離手段と、分離された水素ガスを導管ネットワークに戻入するための水素ガス戻入手段とを備えた第二の需要家群と、を含むことを特徴とする都市ガス供給システムを提供する。
【0024】
ここに、「水素ガス分離手段」としては水素分離膜を備えた装置を用いることができる(請求項8)。水素分離膜の材質としては公知のパラジウム、パラジウム合金膜、高分子膜等を用いることができる。「水素ガス分離手段」としては水素分離膜以外にもPSA(Pressure Swing Absorption)装置を用いることもできる。なお、水素ガス分離手段として燃料電池の水素極を用いることもできる
また、上記水素ガス分離手段は、分離後ガスのウオッベ指数と燃焼速度指数とをそれぞれ所定の範囲内の値に制御する分離制御手段を備えたものとすることができる(請求項9)。
【0025】
このような手段を用いることにより、分離後ガスの燃焼性を所定の範囲内に維持することが可能となり、燃焼域が極端に狭い既存の都市ガス燃焼機器についても、安定燃焼を確保することが可能となる。
【0026】
請求項6の発明は上記発明において、第一の需要家群は、分離された水素ガスを貯蔵するための水素ガス貯蔵手段を備えた需要家を含んで成ることを特徴とする都市ガス供給システムを提供する。
【0027】
また、請求項7の発明は上記発明において、第二の需要家群は、分離後ガスを貯蔵するための分離後ガス貯蔵手段を備えた需要家を含んで成ることを特徴とする都市ガス供給システムを提供する。
【0028】
請求項10の発明は、上記水素ガス分離手段を備えたことを特徴とするガスメータを提供する。
【0029】
都市ガスのガスメータにはマイコンが搭載されているため、ガスメータに水素分離膜のような水素ガス分離手段を設けることにより、水素分離量を制御してウオッベ指数(WI)と燃焼速度指数(MCP)を所定の範囲に制御することができる。また、ガスメータ中に各種センサーを設けることができ、水素ガス分離手段をコンパクト化、コストダウンを図ることが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。ここで、図面において同一構成には同一の符号を付し、重複説明を省略する。また、以下の実施の形態は例示であって、本発明の範囲は各実施の形態に限定されるものではない。
【0031】
図1は、本実施の形態に係る都市ガス製造供給システムを示す図である。図1において都市ガス製造供給システム1は、都市ガス製造工場2、導管3a乃至3cより構成される導管ネットワーク3、都市ガス製造工場2と導管ネットワーク3とを結ぶパイプライン12、導管ネットワーク3に接続する需要家4a乃至4cを含んで構成されている。実際の製造供給システムにおいては、これ以外にも昇圧器、付臭装置、ガスホルダー、ガバナー、ガスメータ等、他の製造供給設備が存在するが、図では省略してある。
【0032】
まず、都市ガス製造工場2の構成について説明する。都市ガス製造工場2は、13Aガスと水素を混合した混合ガスを製造する工場であり、LNGタンク7、LPGタンク6、気化装置9、水素ガス貯蔵装置10を主構成とする。
【0033】
次に導管ネットワーク3の構成について説明する。導管3bには需要家4a乃至4cが接続されており、都市ガス製造工場2から供給される都市ガスを利用できるように構成されている。導管3a乃至3cには多数の需要家が接続されているが、煩雑を避けるため3需要家のみ例示してある。
【0034】
需要家4aは燃料電池16aを備えており、さらに燃料電池16aに水素ガスを供給するための水素分離装置15aを備えている。都市ガスは導管3bから分岐され、配管13a、17aを介して水素分離装置15aに導かれるように構成されている。なお、配管13a経路中にはガスメータが設置されているが、簡単のため省略してある。水素分離装置15aの下流側には水素貯蔵装置21が備えられている。水素貯蔵装置21内部には水素貯蔵合金が充填されており、分離された水素ガスの一部を貯蔵するように構成されている。
【0035】
需要家4bは、需要家4aと同様に燃料電池16b、水素分離装置15bを備えている。需要家4bが需要家4aの構成と異なる点は、都市ガス利用機器として、燃料電池16bの他に既存の13Aガス専用ガス機器18及び19を備えていることである。既存の13Aガス専用ガス機器としては、例えば給湯器、ガステーブル、ガスファンヒータ等の機種がある。
【0036】
次に需要家4cの構成について説明する。需要家4cが需要家4a、4bと異なる点は、燃料電池を備えていないことである。さらに需要家4cにおいては、水素分離装置がガスメータ22内部に搭載されている点が他の需要家と異なっている。すなわち、図2において、ガスメータ22は通常の流量計測手段(図示せず)に加えて水素分離装置15c、制御装置23、水素濃度センサー24を内蔵している。また、配管17cの経路中に真空ポンプ25を備えている。さらに、ガス機器20が、燃焼互換性域が狭い機器(例えばガラス加工用バーナ)である点についても他の需要家と異なっている。以上が都市ガス製造供給システム1の構成である。
【0037】
次に、本実施の形態における都市ガス製造供給方法について説明する。まず、製造工場2における13A都市ガスと水素ガスの混合及び都市ガスの供給について説明する。LNGタンク7から配管7aを介して供給されるLNGと、LPGタンク6から配管6aを介して供給されるLPGは、混合部8において所定の混合比で混合され、さらに気化装置9でガス体となって13Aガスが製造される。さらに混合器11で水素ガス貯蔵装置10から供給される水素が混合される。水素ガスの混合量は、需要家における水素ガスと13Aガスの使用実績に基づいて予め決定されている。調整された水素混合都市ガスは、導管12を介して導管ネットワーク3に供給される。供給圧力は任意の値を選択しうるが、従来の都市ガスと同様に高圧(1MPa以上)、中圧(0.1MPa以上、1MPa未満)、低圧(0.1MPa未満)の3段階とすることもできる。
【0038】
次に、需要家4aにおける都市ガス中の水素分離及び炭化水素系ガスを主成分とするガス(分離後ガス)の導管ネットワークへの戻入について説明する。導管3b内を流れる水素混合都市ガスは、水素分離装置15a内に設けられた真空ポンプ(図示せず)により吸引され、配管13aを経由して水素分離装置15aに供給される。水素分離装置15a内部には水素分離膜(図示せず)が設けられており、混合ガス中の水素ガスは分離膜を通過して、さらに配管17aを介して燃料電池16aに供給される。また、燃料電池16aが稼動停止している場合、又は稼動負荷が小さい場合等には、分離された水素ガスは水素分離装置15aの下流側に設けられた水素貯蔵装置21に貯蔵される。そして、燃料電池16aが稼動した場合には、貯蔵された水素ガスが優先的に利用される。
【0039】
一方、水素ガス以外のメタン、プロパン等の成分は分離膜を通過することなく、ガス配管14aを介して導管3bに戻入される。なお、導管3bへの戻入には必要に応じて昇圧装置等を介して行うこともできる。
【0040】
次に需要家4bにおける都市ガス利用形態について説明する。水素分離及び導管ネットワークへの戻入については、需要家4aと同一であるので省略する。需要家4bにおいては、さらにガス配管14bにより導管3bに戻入される分離後ガスの一部が、ガス配管21を介してガス機器18,19に導かれる。分離後ガスは13Aガスであるため、既存のガス機器18,19は正常に燃焼する。
【0041】
なお、上記実施の形態では分離された水素ガスを燃料電池16aに供給しているが、供給されるガスが燃料電池16aの水素極(図示せず)の白金触媒を被毒させる成分、例えばCOを含まない場合には、水素分離装置を置かずに直接、都市ガスを燃料電池に供給することもできる。水素極において水素ガスのみが選択的にイオン化して電解質を通過し、他の成分は残留するから、残留ガス成分を導管3bに戻入することにより上記と同様な機能を果たすことができる。この場合には、燃料電池16aの水素極(図示せず)が水素分離装置として機能することになる。
【0042】
また、水素貯蔵装置21についても、水素分離供給量が確保できれば必ずしも設置する必要はない。
【0043】
次に需要家4cにおける都市ガス利用形態について説明する。図2において、導管3bから分岐された都市ガスは、配管13cを経由して水素分離装置15cに導かれる。混合ガス中の水素ガスは、水素分離装置15c内部の水素分離膜(図示せず)を通過して配管17cを介して再度、導管3bに戻入される。
【0044】
一方、分離後ガスは配管14cを通過する際に水素濃度センサー24においてガス中に残存する水素濃度が計測される。計測データは制御装置23に送られ、ここで分離後ガスのウオッベ指数(WI)と燃焼速度指数(MCP)が計算され、ガス機器20の良好燃焼範囲に入っているかが判断される。良好燃焼域から外れるおそれがある場合には真空ポンプ25の能力を変化させ、水素分離レベルを調節してガス機器20の良好燃焼域に収まるように制御される。
【0045】
なお、需要家4cにおいては、水素分離装置15c、制御装置23、流量制御弁25、水素濃度センサー24はガスメータ22内部に搭載されているが、これらを独立に備えることも可能である。
【0046】
図3は、本発明の他の実施の形態を示す図である。本実施の形態は、水素利用機器と既存の都市ガス利用機器とのバランスが水素利用機器側に傾き、導管末端で水素ガスが不足気味となる場合に適した実施形態である。本実施の形態が上述の実施の形態と異なる点は、本実施の形態に係る都市ガス製造供給システム50は、導管3bの末端部に水素ガスホルダー26を備えている点である。その他の構成については上述の実施の形態と同一である。都市ガスの製造供給方法、各需要家における都市ガスの利用形態についても同様である。なお、水素ガスホルダー26に替えて液化水素を貯蔵するものであってもよい。
【0047】
導管3bに接続される需要家が消費する水素、13Aガス量情報は、需要家に設置されているガスメータ(図示せず)において把握できるため、これらの情報に基づいて水素ガスホルダー26の設置ポイントが決定される。そして、所定のインターバルで導管3bに水素ガスが供給される。
【0048】
なお、水素ガスホルダー26は移動式のものであってもよい。この場合、所定の時間間隔で導管中の複数のポイントにおいてガス成分分析を行い、水素ガスホルダー26の設置ポイントを定めることができる。
【0049】
なお、本実施の形態は導管末端で水素ガスが不足気味となる場合の実施の形態であるが、逆に需要家における水素利用機器が少なく導管末端で13Aガスが不足となる場合については、水素ガスホルダーに替えて13Aガスホルダーを設置してもよい。さらに、LNGタンク、LPGタンクを設置して、オンサイトで13Aガスを製造するタイプとしてもよい。
【0050】
上記各実施の形態では、13AガスはLNGにLPGを添加して製造するタイプを示したが、これに限らずパイプラインからメタンをストレート供給するタイプのものとすることもできる。さらに、都市ガスは13Aガスに限らず、他のガス種に水素を混合するものであってもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、既存の都市ガスに任意の混合比で水素ガスを混合して供給することができるため、将来予想される水素ガス供給への円滑な移行が可能となる。
【0052】
また、各需要家には、それぞれが所有する機器の燃焼域に対応したガスを供給できるため、機器の互換性を考慮することなく、都市ガスの供給が可能となる。
【0053】
また、既存の導管ネットワークを利用して、水素ガスを直接、燃料電池システムに供給できるため、燃料電池に改質装置を併設する必要がなくなり、燃料電池システムの小型化が可能となる。さらに改質装置が不要となるため、燃料電池のクイックスタートが可能となるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る都市ガス製造供給システムの実施の形態を示す図である。
【図2】本発明に係るガスメータを示す図である。
【図3】本発明に係る都市ガス利用需要家の設備構成例を示す図である。
【図4】ガス機器の互換域の概念を示す図である。
【符号の説明】
1……都市ガス製造供給システム、2……都市ガス製造工場、3……導管ネットワーク、3a・3b・3c……導管、4a・4b・4c……需要家、6……LPGタンク、7……LNGタンク、8……混合装置、9……気化装置、10、26……水素ガスホルダー、12……パイプライン、15a・15b・15c……水素分離装置、16a・16b……燃料電池、18・19・20……既存ガス機器、22…ガスメータ、23……水素分離制御装置、24……水素濃度センサー、25……真空ポンプ
Claims (10)
- 水素ガスと炭化水素系ガスとを含む混合ガスを、導管ネットワークを介して需要家群に供給する都市ガス供給方法であって、
前記需要家群中の一部需要家(以下、第一の需要家群という)においては、前記混合ガス中の水素ガスを分離して、水素ガスを使用するとともに、
分離後の炭化水素系ガスを主成分とするガス(以下、分離後ガスという)を前記導管ネットワークに戻入し、かつ、
前記需要家群中の他の一部需要家(以下、第二の需要家群という)においては、前記混合ガス中の水素ガスを分離して、分離後ガスを使用するとともに、分離された水素ガスを前記導管ネットワークに戻入する、
ことを特徴とする都市ガス供給方法。 - 前記導管ネットワーク内の所定の箇所において、水素ガスを補充供給することを特徴とする請求項1に記載の都市ガス供給方法。
- 前記導管ネットワーク内の所定の箇所において、炭化水素系ガスを補充供給することを特徴とする請求項1に記載の都市ガス供給方法。
- 前記第二の需要家群中の少なくとも一部の需要家において、分離後ガスのウオッベ指数と燃焼速度指数とを、それぞれ所定の範囲内の値になるように、水素ガスの分離を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかにに記載の都市ガス供給方法。
- 水素ガスと炭化水素系ガスとを含む混合ガスを需要家群に供給する導管ネットワークを備えて成り、前記需要家群は、
前記混合ガス中の水素ガスを分離するための水素ガス分離手段と、分離後ガスを前記導管ネットワークに戻入するための分離後ガス戻入手段と、を備えた第一の需要家群と、
前記混合ガス中の水素ガスを分離するための水素ガス分離手段と、分離された水素ガスを前記導管ネットワークに戻入するための水素ガス戻入手段と、を備えた第二の需要家群と、
を含んで成ることを特徴とする都市ガス供給システム。 - 前記第一の需要家群は、分離された水素ガスを貯蔵するための水素ガス貯蔵手段を備えた需要家を含んで成ることを特徴とする請求項5に記載の都市ガス供給システム。
- 前記第二の需要家群は、分離後ガスを貯蔵するための分離後ガス貯蔵手段を備えた需要家を含んで成ることを特徴とする請求項5又は6のいずれかに記載の都市ガス供給システム。
- 前記水素ガス分離手段は、水素分離膜を備えて成ることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の都市ガス供給システムに用いるための水素ガス分離手段。
- 前記水素ガス分離手段は、分離後ガスのウオッベ指数と燃焼速度指数とを、それぞれ所定の範囲内の値に制御する分離制御手段を備えて成ることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の都市ガス供給システムに用いるための水素ガス分離手段。
- 請求項8又は9に記載の水素ガス分離手段を備えたガスメータ。
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