JP2006027965A - 水素生成装置および燃料電池発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 改質器に供給されていると制御装置が認識する水流量と、実際に改質器に供給される水流量との間にずれが存在するか否かを判定し、ずれが存在する場合にはこれを低減することが可能な水素生成装置、及び、燃料電池発電システムを提供する。
【解決手段】 改質器6内の圧力を測定する圧力測定手段8あるいは改質器6で生成される水素リッチなガスの水素濃度を測定する水素濃度測定手段20を備え、圧力あるいは水素濃度の測定値が許容範囲に入るかどうかを判定基準として、制御装置12は、改質器6に供給されていると制御装置12が認識する水流量と、実際に改質器6に供給される水流量との間にずれが存在するか否かを判定する。制御装置12は、ずれが存在すると判定した場合には、圧力あるいは水素濃度の測定値が許容範囲に入るように水流量を調整し、調整結果に基づいて、該ずれを低減する。
【選択図】 図7
【解決手段】 改質器6内の圧力を測定する圧力測定手段8あるいは改質器6で生成される水素リッチなガスの水素濃度を測定する水素濃度測定手段20を備え、圧力あるいは水素濃度の測定値が許容範囲に入るかどうかを判定基準として、制御装置12は、改質器6に供給されていると制御装置12が認識する水流量と、実際に改質器6に供給される水流量との間にずれが存在するか否かを判定する。制御装置12は、ずれが存在すると判定した場合には、圧力あるいは水素濃度の測定値が許容範囲に入るように水流量を調整し、調整結果に基づいて、該ずれを低減する。
【選択図】 図7
Description
本発明は、水素生成装置及びこれを備える燃料電池発電システムに関する。より詳しくは、改質器に供給されていると制御装置が認識する水流量と、実際に改質器に供給される水流量との間にずれが存在するか否かが判定され、ずれが存在する場合にはこれが低減される水素生成装置、及び該水素生成装置を備える燃料電池発電システムに関する。
水素生成装置用の原料としては、一般的に、天然ガス等の炭化水素、メタノールなどのアルコール、あるいは、ナフサ等の少なくとも炭素及び水素から構成される有機化合物を含む物質が用いられる。水素生成装置は、この原料と水とを水蒸気改質反応させることにより水素リッチなガスを生成する。ここで、ポンプなどの供給手段と流量計の組み合わせにより、改質反応に必要な原料および水の供給量が調整されるのが一般的である(例えば特許文献1参照)。
図13は、この従来の水素生成装置の構成を概略的に示すブロック図である。図13に示すように従来の水素生成装置は、脱硫器1、原料供給手段2、原料流量測定手段3、水供給手段4、水流量測定手段5、改質器6、燃焼器7、改質温度測定手段9、変成器10、一酸化炭素酸化器11、制御装置12を備えている。水供給手段4から供給された水は改質器6にて蒸発させられ、原料供給手段2から供給される原料と混合して水蒸気改質反応が起こり、水素リッチなガスが生成される。この水蒸気改質反応は吸熱反応であるので、反応に必要な熱は燃焼器7にて燃料を燃焼させることで賄われる。また、改質器6に供給された水を水蒸気にするために必要な熱も、燃焼器7から供給される。
水素リッチなガスを生成するのに必要な水と原料の割合は決まっており、一般的に、原料に含まれる炭素のモル数の2〜3倍の水が必要とされる。この条件を満たすべく、制御装置12により、改質器6に供給される水流量(以下、水流量と呼ぶ)が把握され、制御される。ここで、制御装置12が認識する該水流量の値を以下、認識値と呼ぶ。また、実際に改質器6に供給される水流量を以下、実際値と呼ぶ。図13に示す水素生成装置において、水流量は水流量測定手段5により測定され、水流量がフィードバック制御される。制御装置12により、該測定値が認識値とされ、これが実際値に等しいという仮定のもとで水供給手段4が制御され、水流量が調整される。また、水流量がフィードフォワード制御される場合には、流量測定手段5は設置されない。水流量の制御目標値から、水供給手段4に与えられる、電圧信号などの操作量(以下、操作量と呼ぶ)が決定され、水流量が調整される。フィードフォワード制御では、認識値と制御目標値が等しくなり、これが実際値に等しいという仮定のもとで水供給手段4が制御され、水流量が調整される。
また、燃料電池発電システムにおいては、システムに含まれる燃料電池に対し、燃料として水素リッチなガスが供給される必要がある。水素リッチなガスは、タンクなどに貯蔵され供給されてもよい。しかし、システムの中に水素生成装置を組み込み、該水素生成装置から燃料電池へと水素リッチなガスが直接供給される方法もある。後者の方法は、水素リッチなガスの貯蔵場所が不要であり、かつ、水素リッチなガスの生成から発電までを含む全体として、システムを簡素化できるという利点があり、特に家庭用や自動車用の燃料電池発電システムにおいて有望視されている。
特開2002−42850号公報
しかしながら、前記従来の構成において、水素生成装置を長期間動かすと、水流量測定手段や水供給手段も長期間使用されることとなり、認識値と実際値との間にずれが生じるという問題を有していた。
このような問題が生じる原因としては、水中に混合もしくは溶存している物質が水流量測定手段に付着もしくは析出すること、錆び等の内部生成物が水供給手段の出口で目詰まりを起こすこと、流路に水漏れが生じることなどが挙げられる。 以上のように、認識値と実際値との間にずれが存在する場合には、制御装置は改質器に適正量の水が供給されていると認識しているにも関わらず、実際には改質器に供給される原料と水の割合が想定外の比率となる恐れがある。
上記のようなずれを放置して、改質器内において水が過剰になると、改質器内には改質反応に必要な量以上の水蒸気が存在するようになる。このような状態を放置すると、水蒸気改質反応に使用されなかった水蒸気が凝縮し、水素生成装置内が水浸しになる。その結果、水素生成装置内の触媒が劣化する、水素生成装置内に水が多量に残ったまま停止して次回の起動時に起動時間が長くなるなどの問題が起こりうる。また、過剰な水蒸気が発生すると、水素生成装置から発生する水素リッチなガス中の水蒸気量も増える。その結果、水素リッチなガスを使用する装置によっては、使用に適さないガス組成になるなどの問題が起こりうる。
一方、上記のようなずれを放置して、改質器内において水が不足すると、改質器内では、改質反応に必要な量の水蒸気を確保することができなくなり、水蒸気不足が発生する。このような状態を放置すると、水蒸気改質反応に使用されなかった原料中の炭素成分が水素生成装置内に析出する。その結果、水素生成装置内の配管が炭素により閉塞する、触媒が炭素に覆われ触媒活性が低下するなどの問題が起こりうる。また、水素生成装置の特性が劣化する、十分に水素リッチなガスを生成することができなくなるなどの問題が起こりうる。
さらに、燃料電池発電システムに組み込まれた水素生成装置において上記のような問題が発生すると、安定して発電ができなくなったり、使用に適さないガスが燃料電池に流入し、故障の原因になるなどの問題が起こりうる。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、改質器に供給されていると制御装置が認識する水流量(認識値)と、実際に改質器に供給される水流量(実際値)との間にずれが存在するか否かを判定し、ずれが存在する場合には、これを低減することが可能な水素生成装置、および、燃料電池発電システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る水素生成装置は、水を供給する水供給手段と、原料を供給する原料供給手段と、前記水と前記原料から水素リッチなガスを生成する改質器と、前記水供給手段から前記改質器に供給される水流量を、前記水供給手段を介して制御する制御装置と、を備える水素生成装置において、前記水流量に応じて変化する物理量を測定する物理量測定手段を備え、前記制御装置は、前記制御装置が認識している前記水流量の認識値と、実際の前記水流量である実際値との間にずれが存在するか否かを、前記物理量の測定値に基づいて判定する。これにより、制御装置は、認識値と実際値との間のずれを検出できる。ずれを検出した場合には、異常信号を出力したり、水素生成装置を停止させるなど、さまざまな処理につなげることが可能となる。よって、改質器における水蒸気の過剰や不足による水素生成装置の故障が未然に防止され、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記制御装置は、前記水供給手段を介して、前記水流量を、前記認識値に基づいてフィードフォワード制御してもよい。これにより、制御装置は、水流量をフィードフォワード制御する水素生成装置において、認識値と実際値との間のずれを検出できる。ずれを検出した場合には、異常信号を出力したり、水素生成装置を停止させるなど、さまざまな処理につなげることが可能となる。よって、改質器における水蒸気の過剰や不足による水素生成装置の故障が未然に防止され、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記水流量を測定する水流量測定手段を備え、前記制御装置は、前記水流量の測定値に基づいて、前記水流量供給手段を介して、前記水流量をフィードバック制御し、前記水流量の測定値を前記認識値としてもよい。これにより、制御装置は、水流量をフィードバック制御する水素生成装置において、認識値と実際値との間のずれを検出できる。ずれを検出した場合には、異常信号を出力したり、水素生成装置を停止させるなど、さまざまな処理につなげることが可能となる。よって、改質器における水蒸気の過剰や不足による水素生成装置の故障が未然に防止され、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記物理量が前記改質器内の圧力であり、前記物理量測定手段が前記圧力を測定する圧力測定手段であり、前記圧力の測定値が圧力の許容範囲を外れた場合に、前記制御装置は、前記認識値と前記実際値との間にずれが存在すると判定してもよい。これにより、制御装置は、圧力の測定値に基づいて、認識値と実際値との間のずれを検出できる。ずれを検出した場合には、異常信号を出力したり、水素生成装置を停止させるなど、さまざまな処理につなげることが可能となる。よって、改質器における水蒸気の過剰や不足による水素生成装置の故障が未然に防止され、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記物理量が前記改質器で生成される水素リッチなガスの水素濃度であり、前記物理量測定手段が前記水素濃度を測定する水素濃度測定手段であり、前記水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲を外れた場合に、前記制御装置は、前記認識値と前記実際値との間にずれが存在すると判定してもよい。これにより、制御装置は、水素濃度の測定値に基づいて、認識値と実際値との間のずれを検出できる。ずれを検出した場合には、異常信号を出力したり、水素生成装置を停止させるなど、さまざまな処理につなげることが可能となる。よって、改質器における水蒸気の過剰や不足による水素生成装置の故障が未然に防止され、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記制御装置は、前記ずれが存在すると判定した後、前記物理量の測定値が前記物理量の許容範囲に入るように前記水流量を調整してもよい。これにより、認識値と実際値との間にずれが生じた場合でも、前記物理量の測定値に基づいて、改質器において水蒸気の過剰や不足が発生しないように、水流量が調整される。よって、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記制御装置は、前記ずれが存在すると判定した後、前記圧力の測定値が圧力の許容範囲を外れて高い場合に、前記水流量が少なくなるように前記水供給手段を制御し、前記圧力の測定値が前記圧力の許容範囲内に入るように前記水流量を調整してもよい。これにより、認識値と実際値との間にずれが生じた場合でも、圧力の測定値に基づいて、改質器において水蒸気の過剰が発生しないように、水流量が調整される。よって、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記制御装置は、前記ずれが存在すると判定した後、前記圧力の測定値が圧力の許容範囲を外れて低い場合に、前記水流量が多くなるように前記水供給手段を制御し、前記圧力の測定値が前記圧力の許容範囲内に入るように前記水流量を調整してもよい。これにより、認識値と実際値との間にずれが生じた場合でも、圧力の測定値に基づいて、改質器において水蒸気の不足が発生しないように、水流量が調整される。よって、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記制御装置は、前記ずれが存在すると判定した後、前記水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲を外れて高い場合に、前記水流量が少なくなるように前記水供給手段を制御し、前記水素濃度の測定値が前記水素濃度の許容範囲内に入るように前記水流量を調整してもよい。これにより、認識値と実際値との間にずれが生じた場合でも、水素濃度の測定値に基づいて、改質器において水蒸気の過剰が発生しないように、水流量が調整される。よって、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記制御装置は、前記ずれが存在すると判定した後、前記水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲を外れて低い場合に、前記水流量が多くなるように前記水供給手段を制御し、前記水素濃度の測定値が前記水素濃度の許容範囲内に入るように前記水流量を調整してもよい。これにより、認識値と実際値との間にずれが生じていても、水素濃度の測定値に基づいて、改質器において水蒸気の不足が発生しないように、水流量が調整される。よって、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記物理量が前記改質器内の圧力および前記改質器で生成される水素リッチなガスの水素濃度であり、前記物理量測定手段が前記圧力を測定する圧力測定手段および前記水素濃度を測定する水素濃度測定手段であり、前記圧力の測定値が前記圧力の許容範囲を外れた場合あるいは前記水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲を外れた場合に、前記制御装置は、前記認識値と前記実際値との間にずれが存在すると判定してもよい。これにより、制御装置は、圧力および水素濃度の測定値に基づいて、認識値と実際値との間のずれをより精度よく検出できる。ずれを検出した場合には、異常信号を出力したり、水素生成装置を停止させるなど、さまざまな処理につなげることが可能となる。よって、改質器における水蒸気の過剰や不足による水素生成装置の故障が未然に防止され、長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記制御装置は、前記ずれが存在すると判定した後、前記圧力の測定値が前記圧力の許容範囲内に入り、かつ、前記水素濃度の測定値が前記水素濃度の許容範囲内に入るように前記水流量を調整してもよい。これにより、認識値と実際値との間にずれが生じていても、圧力および水素濃度の測定値に基づいて、改質器において水蒸気の過剰や不足が発生しないように、水流量がより精度よく調整される。よって、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記制御装置は、前記ずれが存在すると判定した後、前記認識値と前記実際値との間のずれを低減してもよい。これにより、認識値と実際値との間にずれが生じた場合にあっても、改質器において水蒸気の過剰や不足が発生しないように、水流量が調整される。よって、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記制御装置は、前記調整を行った後、前記調整の結果に基づき、前記認識値と前記実際値との間のずれを低減してもよい。これにより、認識値と実際値との間にずれが生じた場合にあっても、前記調整の結果に基づき、改質器において水蒸気の過剰や不足が発生しないように、水流量が調整される。よって、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記制御装置は、水素生成装置の起動停止回数を記憶し、前記起動停止回数から前記物理量の許容範囲を補正してもよい。これにより、繰り返しの起動停止により生じる水素生成装置の変形に影響されることなく、改質器において水蒸気の過剰や不足が発生しないように、水流量が調整される。よって、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記制御装置は、前記調整を行っても前記物理量の測定値を前記物理量の許容範囲内に収めることができなかった場合に、異常信号を出力してもよい。これにより、水素生成装置の使用者や管理者は、水素生成装置が異常事態にあることが認識でき、必要に応じて水素生成装置の運転を停止したり、点検や修理を行うことができる。よって、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記制御装置は、前記調整を行っても前記物理量の測定値を前記物理量の許容範囲内に収めることができなかった場合に、水素生成装置の運転を停止してもよい。これにより、故障した状態のまま水素生成装置の運転を続けることがなくなり、運転時の安全性を高めたり、水素生成装置の寿命を長くすることが可能となる。よって、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記改質器内の温度を測定する改質温度測定手段を備え、前記改質温度測定手段により測定される温度の測定値がある温度範囲を示す間に、前記制御装置は、前記認識値と前記実際値との間にずれが存在するか否かを判定してもよい。これにより、改質器内の温度変動に影響されることなく、改質器において水蒸気の過剰や不足が発生しないように、水流量が調整される。よって、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記改質器に供給する前記原料の流量を測定する原料流量測定手段を備え、前記原料流量測定手段により測定される原料流量の測定値がある流量範囲を示す間に、前記制御装置は、前記認識値と前記実際値との間にずれが存在するか否かを判定してもよい。これにより、原料の流量変動に影響されることなく、改質器において水蒸気の過剰や不足が発生しないように、水流量が調整される。よって、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記制御装置は、前記水流量以外の被制御量が一定に保たれている間に、前記認識値と前記実際値との間にずれが存在するか否かを判定してもよい。これにより、被制御量の変動に影響されることなく、改質器において水蒸気の過剰や不足が発生しないように、水流量が調整される。よって、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、前記制御装置は、水素生成装置の運転時間や運転回数に応じて、前記認識値と前記実際値との間にずれが存在するか否かを定期的に判定してもよい。これにより、該判定を行う頻度を下げることが可能となり、より効率的な、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、前記制御装置は、前記認識値と前記実際値との間にずれが存在すると判定した後で、前記水流量の調整を行う間は、前記水流量以外の被制御量を一定に保ってもよい。これにより、被制御量の変動に影響されることなく、改質器において水蒸気の過剰や不足が発生しないように、水流量が調整される。よって、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、被制御量を測定する被制御量測定手段を備え、前記被制御量測定手段により測定される前記被制御量の測定値に応じて、前記制御装置は、前記物理量の許容範囲を補正してもよい。これにより、被制御量の変動に影響されることなく、改質器において水蒸気の過剰や不足が発生しないように、水流量が調整される。よって、水素生成装置の長期間に亘る安定的な運転が可能となる。
また、本発明に係る燃料電池発電システムは、上記発明に係る水素生成装置を備え、前記水素生成装置により生成される水素リッチなガスを燃料電池の燃料として使用するものである。これにより、水素生成装置から安定的に供給される水素リッチなガスを利用することが可能となり、長期間に亘る安定的な発電が可能となる。
本発明は、以上に説明したような構成を有し、水素生成装置および燃料電池発電システムにおいて、改質器に供給されていると制御装置が認識する水流量(認識値)と、実際に改質器に供給される水流量(実際値)との間にずれが存在するか否かを判定し、ずれが存在する場合には、これを低減することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る水素生成装置の構成の一例を示すブロック図である。以下、図1を参照しながら、本実施の形態に係る水素生成装置について、ハードウェア系統と制御系統に分けて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る水素生成装置の構成の一例を示すブロック図である。以下、図1を参照しながら、本実施の形態に係る水素生成装置について、ハードウェア系統と制御系統に分けて説明する。
最初に、ハードウェア系統について以下に説明する。図1に示す通り、本実施の形態に係る水素生成装置は、原料中の硫黄成分を除去する脱硫器1と、脱硫器1において脱硫された原料を供給する原料供給手段2と、水を供給する水供給手段4と、原料供給手段2および水供給手段4により供給される原料と水から水素リッチなガスを生成する改質器6と、改質反応に必要な熱を改質器6に供給する燃焼器7と、改質器6により生成された水素リッチなガス中の一酸化炭素を変成反応により低減する変成器10と、変成器10を通った水素リッチなガス中の一酸化炭素を選択酸化反応により低減する一酸化炭素酸化器11とを備えている。
本実施の形態では、原料に、社会的インフラとして整備されている都市ガスが用いられる。脱硫器1の脱硫剤には、ゼオライト吸着剤が用いられる。脱硫効果としては、原料中の含硫黄成分の分子を原料分子の総モル数の1億分の1以下程度まで低減することが目安とされる。原料供給手段2は、本実施の形態では、ブースターポンプで構成され、これにより原料が加圧されて供給される。また、流量調整手段としてニードル弁が併設される。水供給手段4は、本実施の形態では、プランジャポンプで構成され、これにより水が流量を調整されつつ供給される。水は、イオン交換したものが用いられる。改質器6は、天然ガス、LPGなどの炭化水素成分、メタノールなどのアルコール、あるいはナフサ成分などの原料と水蒸気との改質反応を主に進行させる改質触媒体(詳細は図示せず)を備えている。また、本実施の形態では、改質器6に水を蒸発させる水蒸発器(詳細は図示せず)も設置されている。なお、水蒸発器は必ずしも改質器6内に設置されている必要はなく、改質器6の前段に設けられ、水蒸気として水が改質器6に供給されてもよい。燃焼器7は、原料の一部あるいは水素リッチなガスの供給先から戻されるガスからなる燃料を燃焼させる火炎バーナーおよび燃焼用の空気を供給する空気供給手段としてのシロッコファンを備えている。この燃焼器7を操作することにより、改質触媒体の温度を変化させることができる。
次に、制御系統について以下に説明する。制御系統は、水素生成装置の被制御量を測定する測定手段と制御装置12とを備えている。なお、本発明において、測定は検出であってもよい。すなわち、制御において、被制御量の検出値として測定手段から送られてくる電圧などの信号を、この電圧が表す物理量に変換せずに、そのまま利用することで制御が行われてもよい。制御系統は、測定手段として、以下のものを備えている。原料供給手段2と改質器6との間に、原料流量を測定する原料流量測定手段3を備えている。水供給手段4と改質器6との間に、水流量を測定する水流量測定手段5を備えている。改質器6には、改質器6の圧力(以下、圧力と呼ぶ)を測定する圧力測定手段8と、改質触媒体の温度を測定する改質温度測定手段9とを備えている。変成器10および一酸化炭素酸化器11にも、内部の温度等を測定する手段(例えば熱伝対など:詳細は図示せず)を備えている。制御装置12により、測定手段から送られた測定値などに基づいて、原料供給手段2、水供給手段4、燃焼器7、変成器10、一酸化炭素酸化器11が制御される。
水流量測定手段5には、マスフローセンサが用いられる。圧力測定手段8には、圧力計が用いられる。改質器6内には、圧力を測定するポートが設けられ、そこに圧力計が設置される。なお、改質器6内の圧力の大きさや変動の様子が分かるならば、改質器6以外の場所に圧力測定手段8を備えてもよい。また、圧力測定手段8は、水蒸発器の下流の圧力を測定することが好ましい。制御装置12には、マイコン(マイコン基板)が用いられる。
以下、制御装置12の構成について説明する。図2は、制御装置12の概略構成を示す配線図である。制御装置12は、I/O入力ポート13、CPU14、記憶装置15、I/O出力ポート16、バス17、入力手段18、出力手段19を備えている。I/O入力ポート13、CPU14、記憶装置15、I/O出力ポート16はそれぞれバス17を介して接続されている。入力手段18はI/O入力ポート16に接続されている。出力手段19はI/O出力ポートに接続されている。入力手段18にはキーボード等が、また出力手段19にはディスプレイ等が用いられる。I/O入力ポート13には、被制御量を測定する測定手段、すなわち、原料流量測定手段3、水流量測定手段5、圧力測定手段8、改質温度測定手段9、変成器10、一酸化炭素酸化器11も接続されている。I/O出力ポート16には、制御対象、すなわち、原料供給手段2、水供給手段4、燃焼器7、変成器10、一酸化炭素酸化器11も接続されている。
次に、図2を参照しながら、制御装置12の動作について説明する。水素生成量などの設定値や制御プログラムなどは、入力手段18により入力され、I/O入力ポート13を経由してCPU14に送られる。CPU14により、必要に応じてそれらの情報が記憶装置15に記憶される。各測定手段により測定された被制御量の測定値を示す信号は、I/O入力ポート13を経由して、CPU14に送られる。CPU14により、必要に応じて、それらの測定値が記憶装置15に記憶される。CPU14により、記憶装置15に記憶されている測定値、制御プログラムなどを用いて制御対象の制御目標値などが計算される。さらにCPU14により、計算結果から必要であれば、記憶装置15に記憶されている制御目標値などが書き換えられる。また、必要に応じて、CPU14により、制御対象への操作量を示す信号が、I/O出力ポート16を経由して、制御対象へ送信される。また、記憶装置15に記憶されている制御目標値、測定値、制御プログラムなどは、I/O出力ポート16を経由して、出力手段19により出力され、確認される。以上のような動作で、制御装置12により、被制御量の値が測定、制御され、水素生成装置が運転される。
以上のような構成を有する本実施の形態に係る水素生成装置について、まず始めに、改質器6へ供給される水流量の制御以外の動作について概略的に説明する。
まず、原料となる天然ガスおよび水が改質器6に供給される。原料中の付臭成分は、水素リッチなガスを供給する先の触媒、あるいは各反応器の触媒の被毒成分となる。このため、脱硫器1においてまず原料中の付臭成分が除去される。脱硫器1を通過後の原料は、原料供給手段2、原料流量測定手段3により流量が制御され、改質器6に供給される。水は水供給手段4により改質器6に供給される。改質器6に供給された水は、水蒸発器にて水蒸気となり、原料とともに、改質触媒体に送られる。
改質触媒体の温度は約650℃に保たれており、この上で改質反応が進行して水素リッチなガスが生成される。また、原料の一部は燃焼器7で燃焼され、これにより改質反応に必要な熱量が供給される。改質触媒体中のガスの温度は、改質温度測定手段9により測定される。原料の供給量は、測定された改質触媒体の温度などに基づいて決定され、制御される。
改質器6で生成された水素リッチなガスには、一酸化炭素および二酸化炭素がそれぞれ約10%(DRYガスベ−ス)ずつ含まれている。一酸化炭素は水素リッチなガスを供給する先の触媒、あるいは各反応器の触媒の被毒成分となりうる。このため、変成器10において、この水素リッチなガス中の一酸化炭素の量が低減される。変成器10では、変成触媒体の温度が250℃程度に保たれており、一酸化炭素と水のシフト反応が進行する。その結果、変成器10を通過後の水素リッチなガスの組成は、二酸化炭素が約19.5%(DRYガスベ−ス)に増加し、一酸化炭素が約0.5%(DRYガスベ−ス)に低減される。
変成器10を通過後の水素リッチなガスに含まれる一酸化炭素の量は、一酸化炭素酸化器11でさらに低減される。一酸化炭素酸化器11では、酸化ガスとして空気が水素リッチなガスに供給される。水素リッチなガス中の一酸化炭素は、一酸化炭素酸化触媒体で空気中の酸素と反応し、二酸化炭素へと酸化される。効果的に一酸化炭素が低減されるように、一酸化炭素酸化触媒体の温度は120℃から160℃程度に保たれている。
以上の動作は、制御装置12により制御され、水素生成装置から水素リッチなガスが生成される。本実施の形態では、変成器10、一酸化炭素酸化器11を含めて水素生成装置として構成されている。しかし、水素生成装置により生成された水素リッチなガスを使用する装置が一酸化炭素の影響を受け難いものである場合には、変成器10、一酸化炭素酸化器11を含まない構成としてもよい。
次に、水流量の制御について、以下に説明する。本実施の形態に係る水素生成装置において、水流量は一般に、天然ガス中の炭素原子数の約3倍となる量を目安に制御目標値が設定され、制御される。ただし、水流量の制御目標値は改質触媒体の種類や装置の構成などにより異なるため、必ずしも炭素原子数の約3倍である必要はない。
本実施の形態において、水流量の制御は、フィードバック制御により行われる。すなわち、まず、制御装置12から水供給手段4にある操作量の信号が送られ、一定量の水が改質器6へと送られる。その水は改質器6に入る前に、水流量測定手段5を通る。そこで水流量が測定され、制御装置12へ水流量の測定値が送られる。通常であれば、水流量の測定値は実際値に等しいため、制御装置12により、水流量の測定値に基づいて水流量が制御される。すなわち、測定された水流量を認識値として水流量が制御される。認識値が水流量の制御目標値よりも高ければ、水供給手段4へ送られている操作量よりも小さい操作量の信号が送られ、水流量が減らされる。また、認識値が、水流量の制御目標値よりも低ければ、水供給手段4へ送られている操作量の信号よりも大きな操作量の信号が送られ、水流量が増やされる。以上の操作を繰り返すことで、制御装置12により、水流量が制御目標値に保たれる。
ここで、認識値が水流量の制御目標値に等しいにも関わらず、実際値が制御目標値を外れて多くなった場合、改質器6内には、改質反応に必要な量以上の水蒸気が存在するようになる。このような状態を放置すると、水蒸気改質反応に使用されなかった水蒸気が凝縮し、水素生成装置内が水浸しになる。その結果、水素生成装置内の触媒が劣化する、水素生成装置内に水が多量に残ったまま停止して次回の起動時に起動時間が長くなるなどの問題が起こりうる。また、過剰な水蒸気が発生すると、水素生成装置から発生する水素リッチなガス中の水蒸気量も増える。その結果、水素リッチなガスを使用する装置によっては、使用に適さないガス組成になるなどの問題が起こりうる。よって、水蒸気過剰の発生は防止される必要がある。
一方、認識値が水流量の制御目標値に等しいにも関わらず、実際値が制御目標値を外れて少なくなった場合、改質器6内では、改質反応に必要な量の水蒸気を確保することができなくなり、水蒸気不足が発生する。このような状態を放置すると、水蒸気改質反応に使用されなかった原料中の炭素成分が水素生成装置内に析出する。その結果、水素生成装置内の配管が炭素により閉塞する、触媒が炭素に覆われ触媒活性が低下するなどの問題が起こりうる。また、水素生成装置の特性が劣化する、十分に水素リッチなガスを生成することが出来なくなる、などの問題も起こりうる。よって、水蒸気不足の発生は防止される必要がある。
水蒸気の過剰や不足を防ぐためには、認識値と実際値との間にずれが存在するかが判定され、ずれが存在する場合にはこれが低減される必要がある。なお、このようなずれが生じる原因は、水流量測定手段5に何らかの物質が付着していることや、流路に錆びによる目詰まりや漏れが発生していたりすることなどが考えられるが、具体的な原因はいかなるものでもよい。本実施の形態の特徴は、圧力測定手段8による改質器6内の圧力の測定値(以下、圧力の測定値と呼ぶ)に基づいて、認識値と実際値との間にずれが存在するか否かが判定され、ずれが存在する場合にはこれが低減されることにある。以下、この動作について詳細に説明する。
図3は、水流量と圧力の関係を示す図である。図3に示すように、水流量が、制御目標値V1に一致していれば、圧力は想定値P1となる。しかし、水流量がV1を上回るV2となった場合、改質器6内には想定量を上回る水蒸気が発生する。このため圧力は、想定値P1よりも高いP2となる。圧力の測定値と想定値との差分(P2−P1)から、水流量がどの程度過剰になっているか、過剰量(V2−V1)が推定されうる。しかし、圧力は改質器6の温度などさまざまな要因によって変動するため、圧力の測定値が想定値からずれている場合に、直ちに認識値と実際値との間にずれが存在すると判定してしまうと、誤った判定になりうる。よって、本実施の形態では、圧力の測定値がある値以上になったときに、認識値と実際値との間にずれが存在すると判定される。
また、図3に示すように、水流量が制御目標値V1を下回るV3となった場合、改質器6内において発生する水蒸気は想定量よりも少なくなる。このため、圧力は、想定値P1よりも低いP3となる。圧力の測定値と想定値との差分(P3−P1)から、水流量がどの程度不足しているか、不足量(V3−V1)が推定されうる。本実施の形態では、上述のように他の要因による圧力の変動を考慮し、圧力の測定値がある値以下になったときに、認識値と実際値との間にずれが存在すると判定される。
ここで、判定に用いられる圧力の許容範囲を以後、圧力の許容範囲と呼ぶ。本実施の形態では、圧力の許容範囲が、圧力の想定値プラスマイナス2割の範囲に設定される。それは、制御装置12が制御を行う上で、想定値から1割程度のずれは生じ得ると同時に、圧力が1割程度変動しても、改質器6において問題となるような水蒸気の過剰や不足は生じないからである。なお、圧力の許容範囲は、改質器6において水蒸気の過剰や不足という問題が発生しないという条件を満たすべく決定されるもので、構成や装置の制御性能、設計上の余裕度などにより異なる。よって、圧力の許容範囲は必ずしも本実施の形態のように圧力の想定値プラスマイナス2割である必要はなく、それぞれの装置に適した圧力の範囲であれば、如何なる値でも構わない。
制御装置12により、圧力の測定値に基づいて、認識値と実際値との間にずれが存在すると判定されると、その時点での水流量の制御目標値が記憶され、圧力の測定値が圧力の許容範囲に入るように、水流量が調整される。
圧力の測定値が圧力の許容範囲を外れた高い値となっている場合、制御装置12により、水流量がこれまでより少なくなるように水供給手段4が制御される。これにより、水流量は少なくなり、圧力も低くなる。その結果、圧力の測定値が依然として圧力の許容範囲を外れた高い値である場合には、さらに水流量が少なくなるように水供給手段4が制御される。逆に、圧力の測定値が圧力の許容範囲を外れた低い値になった場合には、水流量が、調整開始前の水流量よりも少ないが、直前の水流量よりも多くなるように水供給手段4が制御される。以上の方法により、制御装置12により、圧力の測定値が最終的に圧力の許容範囲内に収まるように水流量が調整される。
圧力の測定値が圧力の許容範囲を外れた低い値となっている場合、制御装置12により、水流量がこれまでより多くなるように水供給手段4が制御される。これにより、水流量は多くなり、圧力も高くなる。その結果、圧力の測定値が依然として圧力の許容範囲を外れた低い値である場合には、さらに水流量が多くなるように水供給手段4が制御される。逆に、圧力の測定値が圧力の許容範囲を外れた高い値になった場合には、水流量が、調整開始前の水流量よりも多いが、直前の水流量よりも少なくなるように水供給手段4が制御される。以上の方法により、制御装置12により、圧力の測定値が最終的に圧力の許容範囲内に収まるように水流量が調整される。
以上の方法に従い、制御装置12により、圧力の測定値に基づいて、水流量が調整された後、その調整結果を用いて、認識値と実際値との間のずれが低減される。本実施の形態では、調整前の水流量の制御目標値を調整後の認識値で割った値を補正係数とし、以後は、認識値に補正係数を掛けた値が水流量の制御目標値に等しくなるように水流量が制御され、認識値と実際値との間のずれが低減される。ただし、補正方法は、必ずしも本実施の形態のような線形的な補正でなくともよく、それぞれの構成に適したものであれば如何なる方法でもよい。このように、圧力の測定値に基づいた水流量の調整が一度行われれば、以後は、認識値と実際値との間のずれが低減される。
本実施の形態に係る水素生成装置においては、以上の方法により、認識値と実際値との間にずれが生じた場合にあっても、このずれが低減され、改質器6において水蒸気の過剰や不足が発生しない範囲内に水流量が保たれる。その結果、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
なお、認識値と実際値との間のずれを低減する方法としては、上述のように、認識値が補正されるものに限られず、水流量の制御目標値が補正されるものや、制御装置12が水供給手段4に与える操作量が補正されるものなどを用いてもよい。いずれにせよ、圧力の測定値に基づいて水流量が調整された上で、その調整結果を用いて、認識値と実際値との間のずれが低減されるものであれば、如何なる方法を用いてもよい。これにより、認識値が補正されなくても、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、制御装置12により、水素生成装置の起動停止回数が記憶され、その起動停止回数から水素生成装置の変形が推定され、その変形に相当する圧力の変化分を用いて、判定に用いる圧力の許容範囲が補正されてもよい。これにより、繰り返しの起動停止により生じる水素生成装置の変形に影響されることなく、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
なお、水流量を変化させても圧力の測定値が圧力の許容範囲内に収まらない場合は、制御装置12により、水素生成装置が異常事態にあると判定され、出力手段19を通じて水素生成装置の異常が出力されてもよい。この場合における異常事態の判定方法としては、圧力の測定値に基づく水流量の調整を試みた制御時間や制御回数などに基づくものでも構わないし、制御装置12が水供給手段4に与える操作量がある範囲を外れても圧力の測定値が圧力の許容範囲内に収まらないことを判定条件とするものでも構わない。判定方法はそれぞれの装置や運転方法に適したものであれば、いかなる方法でも構わない。いずれの方法でも、制御装置12により異常信号が出力されることにより、水素生成装置の使用者や管理者は、水素生成装置が異常事態にあることが認識でき、必要に応じて水素生成装置の運転を停止したり、点検や修理を行うことが可能となる。その結果、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、このような異常事態が発生する原因としては、水素生成装置の想定外の部分が故障した場合などが考えられるので、制御装置12により、水素生成装置が異常事態にあると判定された場合には、水素生成装置の運転が停止されるのが好ましい。これにより、故障した状態のまま水素生成装置の運転が続けられることがなくなり、運転時の安全性が高まり、水素生成装置の寿命が長くなる。その結果、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、改質温度測定手段9により測定された改質触媒体の温度の測定値がある範囲内にある間に、認識値と実際値との間にずれが存在するか否かが判定されてもよい。もしくは、改質温度に応じて判定に用いる圧力の許容範囲が変更されてもよい。これにより、改質器6内のガスの温度変化により生じる圧力の変動に影響されることなく、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、原料流量測定手段3が測定した原料流量の測定値がある範囲内にある間に、認識値と実際値との間にずれが存在するか否かが判定されてもよい。もしくは、測定された原料流量に応じて判定に用いる圧力の許容範囲が変更されてもよい。これにより、原料であるガスの流量変動によって生じる圧力の変動に影響されることなく、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、制御装置12により水流量以外の被制御量(制御対象)の制御目標値が一定に保たれている間に、認識値と実際値との間にずれが存在するか否かが判定されてもよい。これにより、被制御量の変動により生じる圧力の変動に影響されることなく、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、水素生成装置の運転時間や運転回数に応じて、制御装置12により、認識値と実際値との間にずれが存在するか否かが定期的に判定されてもよい。これにより、該判定を行う頻度を下げることが可能となり、より効率的な、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、認識値と実際値との間にずれが存在すると判定された後、水流量を調整する間は、制御装置12により水流量以外の被制御量の制御目標値が一定に保たれてもよい。これにより、被制御量の変動により生じる圧力の変動に影響されることなく、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、被制御量の測定値に応じて、圧力の許容範囲が変更されてもよい。これにより、被制御量の変動に影響されることなく、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
次に、本実施の形態の変形例について説明する。図4は、本変形例に係る水素生成装置の概略構成の一例を示すブロック図である。本変形例に係る水素生成装置において、水流量の制御は、フィードフォワード制御により行われる。フィードフォワード制御においては、水供給手段4へ与えられる操作量と水流量との間に一対一の対応関係が存在する。この対応関係に基づき、水流量の制御目標値から特定される操作量が水供給手段4に送信され、水流量が制御目標値に調整される。また、フィードフォワード制御においては、認識値は制御目標値に等しい。本変形例では、フィードフォワード制御を実現するために、水供給手段4として、送信される操作量に対して高い精度で水を送出するポンプが用いられる。このようなポンプとしては、例えば、上述のプランジャポンプが用いられる。
本変形例においては、圧力の測定値に基づき、認識値と実際値との間にずれが存在するか否かが判定され、ずれが存在する場合にはこれが低減される。ずれの判定方法および水流量の調整方法については、上述と同様であるので、説明を省略する。
圧力の測定値に基づいて水流量が調整された後、制御装置12により、その調整結果を用いて、認識値と実際値との間のずれが低減される。本変形例では、調整前の水流量の制御目標値を調整後において制御装置12から水供給手段4へ与えている操作量で割った値を補正係数とし、以後は、水流量の制御目標値から特定される操作量に補正係数を掛けた量が水供給手段4に与えられ、認識値と実際値との間のずれが低減される。ただし、補正方法は、必ずしも本変形例のような線形的な補正でなくともよく、それぞれの構成に適したものであれば如何なる方法でもよい。このように、圧力の測定値に基づいた水流量の調整が一度行われれば、以後は、認識値と実際値との間のずれが低減される。
本変形例に係る水素生成装置においては、以上の方法により、水流量測定手段5を設置しない場合においても、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
なお、認識値と実際値との間のずれを低減する方法としては、上述のように、制御装置12により操作量が補正されて水供給手段4に与えられるものに限られず、水流量の制御目標値が補正されるものや、認識値が補正されるものなどを用いてもよい。いずれにせよ、圧力の測定値に基づいて水流量が調整された上で、その調整結果を用いて、認識値と実際値との間のずれが低減されるものであれば、如何なる方法を用いてもよい。これにより、認識値が補正されなくても、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態1は、改質器の圧力に基づいて認識値と実際値との間にずれが存在するか否かが判定され、ずれが存在する場合にはこれが低減されるものであるのに対して、本発明の実施の形態2は、改質器において生成された水素リッチなガス中の水素濃度に基づいて前記ずれが存在するか否かが判定され、ずれが存在する場合にはこれが低減されるものである。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態1は、改質器の圧力に基づいて認識値と実際値との間にずれが存在するか否かが判定され、ずれが存在する場合にはこれが低減されるものであるのに対して、本発明の実施の形態2は、改質器において生成された水素リッチなガス中の水素濃度に基づいて前記ずれが存在するか否かが判定され、ずれが存在する場合にはこれが低減されるものである。
図5は、本実施の形態に係る水素生成装置の概略構成を示すブロック図である。以下、図5を参照しながら本実施の形態について説明する。図5において、図1と相同する構成要素には同一符号が付されている。本実施の形態は、実施の形態1(図1)から圧力測定手段8が省略され、水素濃度測定手段20が追加されたものであり、他の構成要素は実施の形態1と同じである。よって、本実施の形態と実施の形態1との間で相同する構成要素(図1と図5において同一符号が付されている構成要素)については説明を省略する。
水素濃度測定手段20は、改質器6において生成された水素リッチなガス中の水素濃度(以下、水素濃度と呼ぶ)を測定する水素濃度測定手段である。本実施の形態では水素濃度測定手段20が一酸化炭素酸化器11の下流に設置されるが、水素濃度測定手段20の位置は、変成器10と一酸化炭素酸化器11との間や、改質器6と変成器10との間でもよい。水素濃度測定手段としては、たとえば、燃料電池のように、プロトン導電体とそれを挟む2つの電極を有し、プロトン導電体を通過して電極間を流れる水素イオンにより発生する電流値から水素濃度を計測する測定手段などが用いられる。水素濃度測定手段20は、制御装置12に接続されている。制御装置12により、水素濃度を含む、水素生成装置の被制御量が測定、制御され、水素生成装置が運転される。
以上のような構成を有する本実施の形態に係る水素生成装置において、認識値と実際値との間にずれが存在するか否かの判定、ずれが存在すると判定された後の水流量の調整、およびずれを低減する方法以外についての動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
実施の形態1との相違点について以下に説明する。改質器6において生じている改質反応は、平衡反応であり、基本的に以下の式で表される。
CH4(g) + 2H2O(g) ⇔ 4H2(g) + CO2(g) ・・・(1)
式(1)に示すように、メタン濃度および二酸化炭素濃度が一定という条件において、水流量が増えれば、改質器6内の水蒸気濃度が上昇し、反応が右に進んで、水素濃度が上昇する。逆に、水流量が減ると、改質器6内の水蒸気濃度が低下し、反応が左に進んで、水素濃度が低下する。このように、水流量と水素濃度には相関関係があり、水流量に対し、水素濃度の想定値が求められる。一方、水素濃度は改質器6の温度などによっても変動するため、水素濃度測定手段20による水素濃度の測定値(以下、水素濃度の測定値と呼ぶ)が想定値からずれている場合に、直ちに認識値と実際値との間にずれが存在すると判定してしまうと、誤った判定になりうる。よって、本実施の形態では、水素濃度の測定値がある許容範囲を外れたときに、認識値と実際値との間にずれが存在すると判定される。
ここで、判定に用いられる水素濃度の許容範囲を以後、水素濃度の許容範囲と呼ぶ。本実施の形態では、水素濃度の許容範囲が、水素濃度の想定値プラスマイナス1%の範囲に設定される。それは、制御装置12が制御を行う上で、想定値から0.5%程度のずれは生じ得ると同時に、水素濃度が0.5%程度変動しても、改質器6において問題となるような水蒸気の過剰や不足は生じないからである。なお、水素濃度の許容範囲は、改質器6において水蒸気の過剰や不足という問題が発生しないという条件を満たすべく決定されるもので、構成や装置の制御性能、設計上の余裕度などにより異なる。よって、水素濃度の許容範囲は必ずしも本実施の形態のように水素濃度の想定値プラスマイナス1%である必要はなく、それぞれの装置に適した水素濃度の範囲であれば、如何なる値でも構わない。
制御装置12により、水素濃度の測定値に基づいて、認識値と実際値との間にずれが存在すると判定されると、その時点での水流量の制御目標値が記憶され、水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲に入るように、水流量が調整される。
水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲を外れた高い値となっている場合、制御装置12により、水流量がこれまでより少なくなるように水供給手段4が制御される。これにより、水流量は少なくなり、水素濃度も低くなる。その結果、水素濃度の測定値が依然として水素濃度の許容範囲を外れた高い値である場合には、さらに水流量が少なくなるように水供給手段4が制御される。逆に、水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲を外れた低い値になった場合には、水流量が、調整開始前の水流量よりも少ないが、直前の水流量よりも多くなるように水供給手段4が制御される。以上の方法により、制御装置12により、水素濃度の測定値が最終的に水素濃度の許容範囲内に収まるように水流量が調整される。
水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲を外れた低い値となっている場合、制御装置12により、水流量がこれまでより多くなるように水供給手段4が制御される。これにより、水流量は多くなり、水素濃度も高くなる。その結果、水素濃度の測定値が依然として水素濃度の許容範囲を外れた低い値である場合には、さらに水流量が多くなるように水供給手段4が制御される。逆に、水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲を外れた高い値になった場合には、水流量が、調整開始前の水流量よりも多いが、直前の水流量よりも少なくなるように水供給手段4が制御される。以上の方法により、制御装置12により、水素濃度の測定値が最終的に水素濃度の許容範囲内に収まるように水流量が調整される。
以上の方法に従い、制御装置12により、水素濃度の測定値に基づいて、水流量が調整された後、その調整結果を用いて、認識値と実際値との間のずれが低減される。本実施の形態では、調整前の水流量の制御目標値を調整後の認識値で割った値を補正係数とし、以後は、認識値に補正係数を掛けた値が水流量の制御目標値に等しくなるように水流量が制御され、認識値と実際値との間のずれが低減される。ただし、補正方法は、必ずしも本実施の形態のような線形的な補正でなくともよく、それぞれの構成に適したものであれば如何なる方法でもよい。このように、水素濃度の測定値に基づいた水流量の調整が一度行われれば、以後は、認識値と実際値との間のずれが低減される。
本実施の形態に係る水素生成装置においては、以上の方法により、認識値と実際値との間にずれが生じた場合にあっても、このずれを低減して、改質器6において水蒸気の過剰や不足が発生しない範囲内に水流量が保たれる。その結果、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
なお、認識値と実際値との間のずれを低減する方法としては、上述のように、認識値が補正されるものに限られず、水流量の制御目標値が補正されるものや、制御装置12が水供給手段4に与える操作量が補正されるものなどを用いてもよい。いずれにせよ、水素濃度の測定値に基づいて水流量が調整された上で、その調整結果を用いて、認識値と実際値との間のずれが低減されるものであれば、如何なる方法を用いてもよい。これにより、認識値が補正されなくても、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、制御装置12により、水素生成装置の起動停止回数が記憶され、その起動停止回数から水素生成装置の触媒特性が低下する程度が推定され、その低下に相当する水素濃度の変化分を用いて、判定に用いる水素濃度の許容範囲が補正されてもよい。これにより、水素生成装置の起動停止の繰り返しにより生じた、水素生成装置の触媒特性の低下に影響されることなく、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、水流量を変化させても水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲内に収まらない場合は、制御装置12により、水素生成装置が異常事態にあると判定され、出力手段19を通じて水素生成装置の異常が出力されてもよい。この場合における異常事態の判定方法としては、水素濃度の測定値に基づく水流量の調整を試みた制御時間や制御回数などに基づくものでも構わないし、制御装置12が水供給手段4に与える操作量がある範囲を外れても水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲内に収まらないことを判定条件とするものでも構わない。判定方法はそれぞれの装置や運転方法に適したものであれば、いかなる方法でも構わない。いずれの方法でも、制御装置12により異常信号が出力されることにより、水素生成装置の使用者や管理者は、水素生成装置が異常事態にあることが認識でき、必要に応じて水素生成装置の運転を停止したり、点検や修理を行うことが可能となる。その結果、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、このような異常事態が発生する原因としては、水素生成装置の想定外の部分が故障した場合などが考えられるので、制御装置12により、水素生成装置が異常事態にあると判定された場合には、水素生成装置の運転が停止されるのが好ましい。これにより、故障した状態のまま水素生成装置の運転が続けられることがなくなり、運転時の安全性が高まり、水素生成装置の寿命が長くなる。その結果、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、改質温度測定手段9により測定された改質触媒体の温度の測定値がある範囲内にある間に、認識値と実際値との間にずれが存在するか否かが判定されてもよい。もしくは、改質温度に応じて判定に用いる水素濃度の許容範囲が変更されてもよい。これにより、温度の変動により生じる改質反応の平衡点の変化に影響されることなく、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、原料流量測定手段3が測定した原料流量がある範囲内にある間に、認識値と実際値との間にずれが存在するか否かが判定されてもよい。もしくは、原料流量に応じて判定に用いる水素濃度の許容範囲が変更されてもよい。これにより、原料流量の変動により生じる改質反応の平衡点の変化に影響されることなく、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、制御装置12により被制御量の制御目標値が一定に保たれている間に、認識値と実際値との間にずれが存在するか否かが判定されてもよい。これにより、被制御量の変動により生じる水素濃度の変動に影響されることなく、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、水素生成装置の運転時間や運転回数に応じて、制御装置12により、認識値と実際値との間にずれが存在するかが定期的に判定されてもよい。これにより、該判定を行う頻度を下げることが可能となり、より効率的な、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、認識値と実際値との間にずれが存在すると判定された後、水流量を調整する間は、制御装置12により水流量以外の被制御量の制御目標値が一定に保たれてもよい。これにより、被制御量の変動により生じる水素濃度の変動に影響されることなく、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、被制御量の測定値に応じて、水素濃度の許容範囲が変更されてもよい。これにより、被制御量の変動に影響されることなく、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
次に、本実施の形態の変形例について説明する。図6は、本変形例に係る水素生成装置の概略構成の一例を示すブロック図である。本変形例に係る水素生成装置において、水流量の制御は、フィードフォワード制御により行われる。本変形例においては、水供給手段4へ与えられる操作量と水流量との間に一対一の対応関係が存在する。この対応関係に基づき、水流量の制御目標値から特定される操作量が水供給手段4に送信され、水流量が制御目標値に調整される。また、フィードフォワード制御においては、認識値は制御目標値に等しい。本変形例では、フィードフォワード制御を実現するために、水供給手段4として、送信される操作量に対して高い精度で水を送出するポンプが用いられる。このようなポンプとしては、例えば、上述のプランジャポンプが用いられる。
本変形例においては、水素濃度の測定値に基づき、認識値と実際値との間にずれが存在するか否かが判定され、ずれが存在する場合にはこれが低減される。ずれの判定方法および水流量の調整方法については、上述と同様であるので、説明を省略する。補正方法については、実施の形態1の変形例におけるものと同様であるので、説明を省略する。以上のような構成および動作により、水流量測定手段5を設置しない場合においても、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3は、実施の形態1における構成に、実施の形態2が備える水素濃度測定手段20が追加されたものであり、認識値と実際値との間にずれが存在するか否かの判定およびずれの低減をより精度よく行うものである。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3は、実施の形態1における構成に、実施の形態2が備える水素濃度測定手段20が追加されたものであり、認識値と実際値との間にずれが存在するか否かの判定およびずれの低減をより精度よく行うものである。
図7は、本実施の形態に係る水素生成装置の概略構成を示すブロック図である。以下、図7を参照しながら本実施の形態について説明する。図7において、図1および図5と相同する構成要素には同一符号が付されている。本実施の形態は、実施の形態1(図1)に、実施の形態2(図5)が備える水素濃度測定手段20が追加されたものである。よって、本実施の形態の構成要素については、いずれも、実施の形態1および2においてすでに説明されているため、説明を省略する。
また、以上のような構成を有する本実施の形態に係る水素生成装置において、認識値と実際値との間にずれが存在するか否かの判定、ずれが存在すると判定された後の水流量の調整、およびずれを低減する方法以外についての動作は、実施の形態1および2と同様であるため、説明を省略する。
水流量が制御目標値を外れた場合、上述のメカニズムにより、圧力の測定値および水素濃度の測定値は、ともに圧力の想定値および水素濃度の想定値を外れることになる。ここで、本実施の形態では、上述のように他の要因による圧力および水素濃度の変動を考慮し、圧力の測定値が圧力の許容範囲を外れたとき、または水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲を外れたときに、認識値と実際値との間にずれが存在すると判定される。
本実施の形態では、圧力の許容範囲として、圧力の想定値プラスマイナス2割の範囲を、水素濃度の許容範囲として、水素濃度の想定値プラスマイナス1%の範囲を用いる。それは、制御装置12が制御を行う上で、圧力においては想定値から1割程度の、また水素濃度においては、想定値から0.5%程度のずれは生じ得ると同時に、圧力が1割程度、または水素濃度が0.5%程度変動しても、改質器6において問題となるような水蒸気の過剰や不足は発生しないからである。なお、圧力の許容範囲および水素濃度の許容範囲は、改質器6において水蒸気の過剰や不足という問題が発生しないという条件を満たすべく決定されるもので、構成や装置の制御性能、設計上の余裕度などにより異なる。よって、圧力の許容範囲および水素濃度の許容範囲は必ずしも本実施の形態のように圧力の想定値プラスマイナス2割および水素濃度の想定値プラスマイナス1%である必要はなく、それぞれの装置に適した圧力および水素濃度の範囲であれば、如何なる値でも構わない。
制御装置12により、圧力の測定値または水素濃度の測定値に基づいて、認識値と実際値との間にずれが存在すると判定されると、その時点での水流量の制御目標値が記憶され、圧力の測定値が圧力の許容範囲に入り、かつ、水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲に入るように、水流量が調整される。
圧力の測定値が圧力の許容範囲を外れた高い値となっている場合、または、水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲を外れた高い値となっている場合、制御装置12により、水流量がこれまでより少なくなるように水供給手段4が制御される。これにより、水流量は少なくなり、圧力および水素濃度も低くなる。その結果、圧力の測定値が依然として圧力の許容範囲を外れた高い値である場合、または、水素濃度の測定値が依然として水素濃度の許容範囲を外れた高い値である場合には、さらに水流量が少なくなるように水供給手段4が制御される。逆に、圧力の測定値が圧力の許容範囲を外れた低い値になった場合、または、水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲を外れた低い値になった場合には、水流量が、調整開始前の水流量よりも少ないが、直前の水流量よりも多くなるように水供給手段4が制御される。以上の方法により、制御装置12により、圧力の測定値が最終的に圧力の許容範囲内に収まり、かつ、水素濃度の測定値が最終的に水素濃度の許容範囲内に収まるように水流量が調整される。
圧力の測定値が圧力の許容範囲を外れた低い値となっている場合、または、水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲を外れた低い値となっている場合、制御装置12により、水流量がこれまでより多くなるように水供給手段4が制御される。これにより、水流量は多くなり、圧力および水素濃度も高くなる。その結果、圧力の測定値が依然として圧力の許容範囲を外れた低い値である場合、または、水素濃度の測定値が依然として水素濃度の許容範囲を外れた低い値である場合には、さらに水流量が多くなるように水供給手段4が制御される。逆に、圧力の測定値が圧力の許容範囲を外れた高い値になった場合、または、水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲を外れた高い値になった場合には、水流量が、調整開始前の水流量よりも多いが、直前の水流量よりも少なくなるように水供給手段4が制御される。以上の方法により、制御装置12により、圧力の測定値が最終的に圧力の許容範囲内に収まり、かつ、水素濃度の測定値が最終的に水素濃度の許容範囲内に収まるように水流量が調整される。
以上の方法に従い、制御装置12により、圧力の測定値および水素濃度の測定値に基づいて、水流量が調整された後、その調整結果を用いて、認識値と実際値との間のずれが低減される。本実施の形態では、調整前の水流量の制御目標値を調整後の認識値で割った値を補正係数とし、以後は、認識値に補正係数を掛けた値が水流量の制御目標値に等しくなるように水流量が制御され、認識値と実際値との間のずれが低減される。ただし、補正方法は、必ずしも本実施の形態のような線形的な補正でなくともよく、それぞれの構成に適したものであれば如何なる方法でもよい。このように、圧力の測定値および水素濃度の測定値に基づいた水流量の調整が一度行われれば、以後は、認識値と実際値との間のずれが低減される。
本実施の形態に係る水素生成装置において、以上の方法により、認識値と実際値との間のずれが低減された場合の水流量、圧力、転化率の変化を図9に示す。また、比較のため、従来の水素生成装置において、認識値と実際値との間にずれが生じた場合の水流量、圧力、転化率の変化を図8に示す。なお、これらの図では水素濃度の測定値の代わりに転化率(%)が用いられている。ここで、転化率とは、改質器6に供給された原料の内、改質反応により消費された割合をいうものとする。転化率を用いる理由は、水素濃度に比べて変化の割合が大きく、変動を分かり易く見ることができるためである。なお、水素濃度の許容範囲についても、水素濃度を転化率に置き換えて使用しても構わない。その場合、本実施の形態における水素濃度の許容範囲は、転化率の想定値プラスマイナス約5%となる。なお、この値は、装置構成、運転方法などにより変わるものであり、必ずしも想定値プラスマイナス約5%である必要はない。
図8は、認識値が実際値よりも小さい値となったために、水流量が増えてしまった場合である。図8に示すように、従来の水素生成装置では、水流量の増加とともに、改質器6内の圧力と転化率が上昇する。そして、ずれが大きくなるにつれ、圧力と転化率も上昇する。
図9に示すように、本実施の形態に係る水素生成装置では、水流量が増え、圧力または転化率のいずれかが許容範囲を外れた時点で、認識値と実際値との間のずれを低減することにより、圧力および転化率をそれぞれの許容範囲内に収め、水蒸気の過剰や不足が起こらないように水流量が調整される。なお、この図は一回の調整で圧力および転化率の両方を許容範囲内に収めることができた場合を示す。何度か合わせこみが必要になった場合は、図の中の線は上下して収束することになる。
本実施の形態に係る水素生成装置は、以上の方法により、認識値と実際値との間にずれが生じた場合にあっても、このずれが低減され、改質器6において水蒸気の過剰や不足が発生しない範囲内に水流量が保たれる。また、圧力および水素濃度の両方を用いて、認識値と実際値との間にずれが存在するかが判定されるため、より精度よく、ずれの判定と低減が行われる。その結果、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
なお、認識値と実際値との間のずれを低減する方法としては、上述のように、認識値が補正されるものに限られず、水流量の制御目標値が補正されるものや、制御装置12が水供給手段4に与える操作量が補正されるものなどを用いてもよい。いずれにせよ、圧力の測定値および水素濃度の測定値に基づいて水流量が調整された上で、その調整結果を用いて、認識値と実際値との間のずれが低減されるものであれば、如何なる方法を用いてもよい。これにより、認識値が補正されなくても、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
なお、制御装置12により制御を行っても、圧力の測定値と水素濃度の測定値がそれぞれの許容範囲に収まらない場合は、制御装置12により、水素生成装置が異常事態にあると判定され、出力手段19を通じて水素生成装置の異常が出力されてもよい。この場合における異常事態の判定方法としては、圧力の測定値に基づく水流量の調整を試みた制御時間や制御回数などに基づくものでも構わないし、制御装置12が水供給手段4に与える操作量がある範囲を外れても圧力の測定値が圧力の許容範囲内に収まらないことを判定条件とするものでも構わない。判定方法はそれぞれの装置や運転方法に適したものであれば、いかなる方法でも構わない。いずれの方法でも、制御装置12により異常信号が出力されることにより、水素生成装置の使用者や管理者は、水素生成装置が異常事態にあることが認識でき、必要に応じて水素生成装置の運転を停止したり、点検や修理を行うことが可能となる。その結果、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、このような異常事態が発生する原因としては、水素生成装置の想定外の部分が故障した場合などが考えられるので、制御装置12により、水素生成装置が異常事態にあると判定された場合には、水素生成装置の運転が停止されるのが好ましい。これにより、故障した状態のまま水素生成装置の運転が続けられることがなくなり、運転時の安全性が高まり、水素生成装置の寿命が長くなる。その結果、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
また、被制御量の測定値に応じて圧力の許容範囲または水素濃度の許容範囲が変更されてもよい。これにより、被制御量の変動に影響されることなく、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
次に、本実施の形態の変形例について説明する。図10は、本変形例に係る水素生成装置の概略構成の一例を示すブロック図である。本変形例に係る水素生成装置において、水流量の制御は、フィードフォワード制御により行われる。本変形例においては、水供給手段4へ与えられる操作量と水流量との間に一対一の対応関係が存在する。この対応関係に基づき、水流量の制御目標値から特定される操作量が水供給手段4に送信され、水流量が制御目標値に調整される。また、フィードフォワード制御においては、認識値は制御目標値に等しい。本変形例では、フィードフォワード制御を実現するために、水供給手段4として、送信される操作量に対して高い精度で水を送出するポンプが用いられる。このようなポンプとしては、例えば、上述のプランジャポンプが用いられる。
本変形例に係る水素生成装置おいては、圧力の測定値および水素濃度の測定値に基づき、認識値と実際値との間にずれが存在するか否かが判定され、ずれが存在する場合にはこれが低減される。ずれの判定方法および水流量の調整方法については、上述と同様であるので、説明を省略する。補正方法については、実施の形態1の変形例におけるものと同様であるので、説明を省略する。以上のような構成および動作により、水流量測定手段5を設置しない場合においても、認識値と実際値との間のずれが低減され、水流量が調整される。その結果、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。
(実施の形態4)
本実施の形態に係る燃料電池発電システムは、実施の形態3に係る構成に、燃料電池21が追加されたもので、水素生成装置から供給される水素リッチなガスを用いて、長期間に亘り、安定して発電を行うものである。
(実施の形態4)
本実施の形態に係る燃料電池発電システムは、実施の形態3に係る構成に、燃料電池21が追加されたもので、水素生成装置から供給される水素リッチなガスを用いて、長期間に亘り、安定して発電を行うものである。
図11は、本実施の形態に係る燃料電池発電システムの概略構成を示すブロック図である。以下、図11を参照しながら本実施の形態について説明する。図11において、図7と相同する構成要素には同一符号が付されている。本実施の形態は、実施の形態3(図7)に、燃料電池21が追加されたものであり、他の構成は実施の形態3と同じである。よって、本実施の形態と実施の形態3との間で相同する構成要素(図7と図11において同一符号が付されている構成要素)については説明を省略する。
燃料電池21は、改質器6により生成された水素リッチなガスを燃料として用い、発電を行う燃料電池である。本実施の形態においては、燃料電池21として、一酸化炭素による被毒を受けやすい固体高分子型燃料電池が用いられる。したがって、変成器10および一酸化炭素酸化器11が設置され、水素リッチなガス中の一酸化炭素濃度が低減される。ただし、前記燃料電池が一酸化炭素による被毒を受けにくい種類のものである場合などは、変成器10および一酸化炭素酸化器11が設置されない構成としてもよい。
以上のような構成を有する本実施の形態の燃料電池発電システムにおいて、水素生成装置部分の動作は、実施の形態3と同様であるため、説明を省略する。本実施の形態にかかる燃料電池発電システムの動作においては、前記水素生成装置の動作により長期間に亘り安定して供給される水素リッチなガスを燃料として、燃料電池により発電が行われる。これにより、認識値と実際値との間にずれが生じた場合においても、該ずれを低減することが可能となる。よって、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。その結果、長期間に亘る安定的な発電が可能となる。
次に、本実施の形態の変形例について説明する。図12は、本変形例に係る水素生成装置の概略構成の一例を示すブロック図である。図12において、図11と相同する構成要素には同一符号が付されている。本変形例に係る水素生成装置は、燃料電池21以外の部分については、実施の形態3の変形例と同様であり、燃料電池21については上述と同様であるため、構成および動作については説明を省略する。本変形例に係る燃料電池発電システムによれば、水素生成装置に水流量測定手段5を設置しない場合においても、改質器6における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な水素生成装置の運転が可能となる。その結果、長期間に亘る安定的な発電が可能となる。
本発明に係る水素生成装置は、改質器に供給されていると制御装置が認識する水流量(認識値)と、実際に改質器に供給される水流量(実際値)との間にずれが生じた場合にあっても、該ずれが低減されることで、改質器における水蒸気の過剰や不足が防止され、長期間に亘る安定的な運転が可能な水素生成装置として有用である。また、本発明に係る燃料電池発電システムは、水素生成装置において認識値と実際値との間にずれが生じた場合にあっても、該ずれが低減され、長期間に亘る安定的な発電が可能な燃料電池発電システムとして有用である。
1 脱硫器
2 原料供給手段
3 原料流量測定手段
4 水供給手段
5 水流量測定手段
6 改質器
7 燃焼器
8 圧力測定手段
9 改質温度測定手段
10 変成器
11 一酸化炭素酸化器
12 制御装置
13 I/O入力ポート
14 CPU
15 記憶装置
16 I/O出力ポート
17 バス
18 入力手段
19 出力手段
20 水素濃度測定手段
21 燃料電池
2 原料供給手段
3 原料流量測定手段
4 水供給手段
5 水流量測定手段
6 改質器
7 燃焼器
8 圧力測定手段
9 改質温度測定手段
10 変成器
11 一酸化炭素酸化器
12 制御装置
13 I/O入力ポート
14 CPU
15 記憶装置
16 I/O出力ポート
17 バス
18 入力手段
19 出力手段
20 水素濃度測定手段
21 燃料電池
Claims (24)
- 水を供給する水供給手段と、原料を供給する原料供給手段と、前記水と前記原料から水素リッチなガスを生成する改質器と、前記水供給手段から前記改質器に供給される水流量を、前記水供給手段を介して制御する制御装置と、を備える水素生成装置において、
前記水流量に応じて変化する物理量を測定する物理量測定手段を備え、前記制御装置は、前記制御装置が認識している前記水流量の認識値と、実際の前記水流量である実際値との間にずれが存在するか否かを、前記物理量の測定値に基づいて判定することを特徴とする、水素生成装置。 - 前記制御装置は、前記水供給手段を介して、前記水流量を、前記認識値に基づいてフィードフォワード制御する、請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記水流量を測定する水流量測定手段を備え、前記制御装置は、前記水流量の測定値に基づいて、前記水流量供給手段を介して、前記水流量をフィードバック制御し、前記水流量の測定値を前記認識値とする、請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記物理量が前記改質器内の圧力であり、前記物理量測定手段が前記圧力を測定する圧力測定手段であり、前記圧力の測定値が圧力の許容範囲を外れた場合に、前記制御装置は、前記認識値と前記実際値との間にずれが存在すると判定する、請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記物理量が前記改質器で生成される水素リッチなガスの水素濃度であり、前記物理量測定手段が前記水素濃度を測定する水素濃度測定手段であり、前記水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲を外れた場合に、前記制御装置は、前記認識値と前記実際値との間にずれが存在すると判定する、請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記制御装置は、前記ずれが存在すると判定した後、前記物理量の測定値が前記物理量の許容範囲に入るように前記水流量を調整する、請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記制御装置は、前記ずれが存在すると判定した後、前記圧力の測定値が圧力の許容範囲を外れて高い場合に、前記水流量が少なくなるように前記水供給手段を制御し、前記圧力の測定値が前記圧力の許容範囲内に入るように前記水流量を調整する、請求項4に記載の水素生成装置。
- 前記制御装置は、前記ずれが存在すると判定した後、前記圧力の測定値が圧力の許容範囲を外れて低い場合に、前記水流量が多くなるように前記水供給手段を制御し、前記圧力の測定値が前記圧力の許容範囲内に入るように前記水流量を調整する、請求項4に記載の水素生成装置。
- 前記制御装置は、前記ずれが存在すると判定した後、前記水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲を外れて高い場合に、前記水流量が少なくなるように前記水供給手段を制御し、前記水素濃度の測定値が前記水素濃度の許容範囲内に入るように前記水流量を調整する、請求項5に記載の水素生成装置。
- 前記制御装置は、前記ずれが存在すると判定した後、前記水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲を外れて低い場合に、前記水流量が多くなるように前記水供給手段を制御し、前記水素濃度の測定値が前記水素濃度の許容範囲内に入るように前記水流量を調整する、請求項5に記載の水素生成装置。
- 前記物理量が前記改質器内の圧力および前記改質器で生成される水素リッチなガスの水素濃度であり、前記物理量測定手段が前記圧力を測定する圧力測定手段および前記水素濃度を測定する水素濃度測定手段であり、前記圧力の測定値が前記圧力の許容範囲を外れた場合あるいは前記水素濃度の測定値が水素濃度の許容範囲を外れた場合に、前記制御装置は、前記認識値と前記実際値との間にずれが存在すると判定する、請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記制御装置は、前記ずれが存在すると判定した後、前記圧力の測定値が前記圧力の許容範囲内に入り、かつ、前記水素濃度の測定値が前記水素濃度の許容範囲内に入るように前記水流量を調整する、請求項11に記載の水素生成装置。
- 前記制御装置は、前記ずれが存在すると判定した後、前記認識値と前記実際値との間のずれを低減する、請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記制御装置は、前記調整を行った後、前記調整の結果に基づき、前記認識値と前記実際値との間のずれを低減する、請求項6に記載の水素生成装置。
- 前記制御装置は、水素生成装置の起動停止回数を記憶し、前記起動停止回数から前記物理量の許容範囲を補正する、請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記制御装置は、前記調整を行っても前記物理量の測定値を前記物理量の許容範囲内に収めることができなかった場合に、異常信号を出力する、請求項6に記載の水素生成装置。
- 前記制御装置は、前記調整を行っても前記物理量の測定値を前記物理量の許容範囲内に収めることができなかった場合に、水素生成装置の運転を停止する、請求項6に記載の水素生成装置。
- 前記改質器内の温度を測定する改質温度測定手段を備え、前記改質温度測定手段により測定される温度の測定値がある温度範囲を示す間に、前記制御装置は、前記認識値と前記実際値との間にずれが存在するか否かを判定する、請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記改質器に供給する前記原料の流量を測定する原料流量測定手段を備え、前記原料流量測定手段により測定される原料流量の測定値がある流量範囲を示す間に、前記制御装置は、前記認識値と前記実際値との間にずれが存在するか否かを判定する、請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記制御装置は、前記水流量以外の被制御量が一定に保たれている間に、前記認識値と前記実際値との間にずれが存在するか否かを判定する、請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記制御装置は、水素生成装置の運転時間や運転回数に応じて、前記認識値と前記実際値との間にずれが存在するか否かを定期的に判定する、請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記制御装置は、前記認識値と前記実際値との間にずれが存在すると判定した後で、前記水流量の調整を行う間は、前記水流量以外の被制御量を一定に保つ、請求項6に記載の水素生成装置。
- 被制御量を測定する被制御量測定手段を備え、前記被制御量測定手段により測定される前記被制御量の測定値に応じて、前記制御装置は、前記物理量の許容範囲を補正する、請求項1に記載の水素生成装置。
- 請求項1に記載の水素生成装置を備え、前記水素生成装置により生成される水素リッチなガスを燃料電池の燃料として使用する、燃料電池発電システム。
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