JP2024003299A - ガス分離分配システム - Google Patents

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Abstract

【課題】需要家群への分配ガスの調整、燃料ガス導管グリッドへの戻入ガスの調整・制御、および需要家群への安定供給を可能とするガス分離分配システムを提供する。【解決手段】燃料ガスが供給される燃料ガス導管グリッドと、燃料ガス導管グリッドのガス導管に接続され、需要家群35が要望する組成のガスを分離調整するための複数のガス分離調整ステーションと、を有し、複数のガス分離調整ステーションの少なくとも1つは、燃料ガスの水素ガス濃度と異なる水素ガス濃度に調整するための混合ガス調整ステーションであり、該調整ステーションは、水素ガス分離機構1と、分離した水素ガスを貯蔵する水素ガス貯蔵機構3と、分離したその他ガスを貯蔵する他ガス貯蔵機構4と、需要家群が要望する混合ガスに調整する混合ガス調整機構7と、余剰ガスのガス戻入機構と、各機構を稼働させるための電力を供給する電力供給機構10と、を具備する。【選択図】図1

Description

本発明は、水素利用/水素社会に関連する技術であり、特に、水素ガスの供給インフラとして既存の都市ガス導管グリッドを利用して、水素ガスを含む燃料ガスを流通させて、各需要家が望む種類のガスを分離・分配するシステムに関するものである。
近年、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量増加に伴った地球温暖化などの環境問題の観点から、クリーンな代替エネルギーとして水素エネルギーが注目されている。ただし、現段階では水素ガスの供給インフラはまだまだ未発達であるため、水素供給インフラを安価に構築し、安全かつ安定して水素を供給するための技術が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、水素ガスを含むガスを、導管ネットワークを介して供給する都市ガス供給方法であって、導管ネットワーク内の1以上の箇所において都市ガス中の水素ガスを分離した後に、分離後の都市ガスの少なくとも一部を前記導管ネットワークに戻入することを特徴とする都市ガス供給方法、が開示されている。また、水素ガスを含む都市ガスを導管ネットワークから分岐して導入するガス導入手段と、前記都市ガス中の水素ガスを分離する水素ガス分離手段と、前記分離ガスの少なくとも一部を導管ネットワークに戻入する分離ガス戻入手段と、を備えた水素ガス分離戻入装置、が開示されている。
特許文献1によると、在来の都市ガス供給システムを前提として、炭化水素系ガス(天然ガス)に一定量の水素を混合し、従来の都市ガス用機器と水素のみを選択的に利用する水素利用ガス機器(燃料電池など)を併存して利用することができるとされ、将来的に予想される水素ガス供給への円滑な移行が可能となるとされている。また、各家庭、事業所等において水素供給が可能となり、専用スタンド無しに水素燃料の燃料電池自動車の水素源を供給することができ、その普及促進に資するとされている。
特許文献2には、93~75体積%の天然ガス、4~12体積%のLPガス、0~9体積%の空気或いは不活性ガス、及び3~14体積%の水素ガスを混合し、パイプラインで供給される都市ガスの燃焼規格に合致した水素混合都市ガスを供給し、この水素混合都市ガスから水素ガスを取り出した後、前記混合都市ガスに2~11体積%の空気或いは不活性ガスを混合して、前記水素除去後の混合ガスを都市ガスの燃焼規格内に入るようにし、この混合ガスを前記都市ガス供給パイプラインに戻すことを特徴とする都市ガス供給方法、が開示されている。
特許文献2によると、水素ガスの需用家において都市ガスの改質器等の大がかりな設備を要することなく、水素ガスを分離し利用することができ、水素ガスを取り出した後の都市ガスも都市ガス用機器により通常の使用状態で使用可能であるとされている。また、効率的に水素ガスを輸送することができ、水素ガス抽出後の都市ガスの無駄や質の変化もなく利用可能であるとされている。
特開2002-213695公報 特開2006-169357公報
特許文献1および特許文献2に記載されている技術は、都市ガスと水素ガスとを混合した混合ガスを既存の都市ガス導管グリッドに流通させ、需要家の要望に合わせて都市ガスまたは水素ガスを分離供給するものである。しかしながら、需要家が要望するガス種は、必ずしも都市ガスまたは水素ガスの二者択一ではない。言い換えると、都市ガスを要望する需要家および水素ガスを要望する需要家に加えて、混合ガスを要望する需要家も存在する上に、混合ガス中の水素ガス濃度が需要家によって異なる場合もある。
以下、本明細書では、都市ガス、水素ガスおよび混合ガスを「燃料ガス」と総称する。
需要家によって要望するガスの種類やガス濃度が異なる場合、燃料ガス導管グリッドから分取・分配する際に、要望されるガス種となるように需要家毎に調整する機構(分配ガスの調整機構)が少なくとも必要である。加えて、利用されなかった余剰ガスを燃料ガス導管グリッドに戻し入れる際に、該グリッドのガス導管を流れる燃料ガスの成分濃度が局所的に過度な変動を生じないように制御する機構(戻入ガスの制御機構)も必要になると考えられる。
また、分配ガスの調整機構や、戻入ガスの制御機構は、それらを稼働させるためのエネルギー供給(通常、電力供給)を必要とするが、エネルギー供給を100%外部依存すると、万が一、外部からのエネルギー供給が不安定になった場合に、分配ガスの調整や戻入ガスの制御に不具合が生じる。ガス供給システムは、重要なインフラシステムの一種であるため、外部からのエネルギー供給が不安定になった際にも、需要家のニーズに応じた安定供給ができることが望ましい。
特許文献1や特許文献2には、残念ながら上記のような課題への対応手段が何ら教示・示唆されていない。したがって、本発明は、需要家群への分配ガスの調整、燃料ガス導管グリッドへの戻入ガスの調整・制御、および需要家群への安定供給を可能とするガス分離分配システムを提供することを目的とする。
(I)本発明の一態様は、水素ガスを含む燃料ガスから需要家群が要望する組成のガスを分離して該需要家群に分配するシステムであって、
前記燃料ガスが供給される燃料ガス導管グリッドと、
前記燃料ガス導管グリッドのガス導管に接続され、前記需要家群が要望する組成のガスを前記燃料ガスから分離調整するための複数のガス分離調整ステーションと、を有し、
前記複数のガス分離調整ステーションの少なくとも1つは、前記燃料ガスの水素ガス濃度と異なる水素ガス濃度を有する混合ガスに調整するための混合ガス調整ステーションであり、該混合ガス調整ステーションは、
前記燃料ガスを水素ガスとその他ガス(残余ガス)とに分離する水素ガス分離機構と、
分離した水素ガスを貯蔵する水素ガス貯蔵機構と、
分離したその他ガスを貯蔵する他ガス貯蔵機構と、
前記需要家群が要望する水素ガス濃度を有する混合ガスに調整する混合ガス調整機構と、
利用されない余剰ガスを前記ガス導管に戻し入れるためのガス戻入機構と、
前記水素ガス分離機構、前記混合ガス調整機構、および前記ガス戻入機構を稼働させるための電力を供給する電力供給機構と、
を具備することを特徴とするガス分離分配システム、を提供するものである。
本発明は、上記の本発明に係るガス分離分配システム(I)において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(i)前記電力供給機構は、燃料電池機構、再生可能エネルギー発電機構、およびマイクロガスタービン発電機構のうちの少なくとも1つを含む。
(ii)前記電力供給機構は、蓄電機構を更に具備する。
(iii)前記燃料ガスは水素ガスと都市ガスとを含み、
前記複数のガス分離調整ステーションの少なくとも1つは、前記水素ガスを分配するための水素ガス分離ステーションであり、該水素ガス分離ステーションは、前記水素ガス分離機構と、前記水素ガス貯蔵機構と、前記ガス戻入機構と、該水素ガス分離機構および該ガス戻入機構を稼働させるための電力を供給する電力供給機構と、を具備し、
前記複数のガス分離調整ステーションの少なくとも1つは、前記都市ガスを分配するための都市ガス分離ステーションであり、該都市ガス分離ステーションは、前記水素ガス分離機構と、前記他ガス貯蔵機構と、前記ガス戻入機構と、該水素ガス分離機構および該ガス戻入機構を稼働させるための電力を供給する電力供給機構と、を具備する。
(iv)前記複数のガス分離調整ステーションの間の前記ガス導管に、前記混合ガスの水素ガス濃度をモニターする水素ガス濃度計が接続されており、当該水素ガス濃度計からのデータを基にして前記ガス戻入機構の流量制御を行う戻入ガス流量制御機構を更に具備する。
(v)前記水素ガス濃度計からのデータを基にして前記ガス導管から分取する前記混合ガスの流量制御を行う分取ガス流量制御機構を更に具備する。
本発明において、需要家群とは、同じガス種を利用する需要家の集合を意味するものとする。例えば、同じガス種を利用する地域(町、団地など)の消費者の集合体であってもよいし、製造工場などの1つの事業者であってもよい。また、都市ガスとは、導管グリッドを介して各需要家に分配・供給されるガスであり、液化天然ガスを主原料とし使用される地域の規格に合致するように調整された燃料ガスを意味するものとする。例えば、日本における都市ガスは、メタンガスを主成分(通常、約90%)とし、エタンガス、プロパンガス、ブタンガスが含まれている。発熱量を調整するために、その他に窒素ガスや二酸化炭素ガスが含まれる場合もある。
本発明によれば、需要家群への分配ガスの調整、燃料ガス導管グリッドへの戻入ガスの調整・制御、および需要家群への安定供給を可能とするガス分離分配システムを提供することができる。
本発明に係るガス分離分配システムの概略構成を示す模式図である。 ガス導管を流れる燃料ガスの水素ガス濃度の局所的な変動を示す時間チャートの一例である。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、同義の構成や機構(差異が小さい場合を含む)については、同じ符号を付して重複する説明を省略することがある。また、本発明はここで取り上げた実施形態に限定されることはなく、発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、公知技術と適宜組み合わせたり公知技術に基づいて改良したりすることが可能である。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係るガス分離分配システムの概略構成を示す模式図である。なお、図面を簡素化する観点から、従前からある装置/構成の一部(例えば、付臭装置、ガバナ(整圧器)、各種制御弁、ガスメータなど)は省略している。実線矢印はガスの流れ方向を表し、点線矢印は電力の流れ方向を表す。
図1では、水素ガスを含む燃料ガスが供給される燃料ガス導管グリッドのガス導管50に対して、3つのガス分離調整ステーション40a~40cが接続されている例を示した。ガス分離調整ステーション40a~40cのそれぞれは、燃料ガス引込管20と余剰ガス戻入管25とでガス導管50に接続され、分離ガス供給管30で需要家群35a~35cに接続されている。また、各ガス分離調整ステーションの間には、燃料ガス中の水素ガス濃度をモニターする水素ガス濃度計(HS)55が接続されている。
当然のことながら、ガス導管50に接続されるガス分離調整ステーションの数は3つに限定されるものではない。また、ガス導管50の種類に特段の限定はなく、高圧導管(日本では1.0 MPa以上)でもよいし、中圧導管(日本では0.1 MPa以上1.0 MPa未満)でもよいし、低圧導管(日本では0.1 MPa未満)でもよい。
図1において、ガス分離調整ステーション40aに接続する需要家群35aは、純水素ガス(例えば、純度99.9%以上)を利用する需要家群であり、ガス分離調整ステーション40bに接続する需要家群35bは、純都市ガス(従前の都市ガス)を利用する需要家群であり、ガス分離調整ステーション40cに接続する需要家群35cは、水素ガスと都市ガスとを含む混合ガスを利用する需要家群であるとする。
分離分配するガス種によってガス分離調整ステーションの構成が少し異なるため、それぞれのガス分離調整ステーションの概略構成について次に説明する。
ガス分離調整ステーション40aは、前述したように需要家群35aに純水素ガスを分配するためのステーション(水素ガス分配ステーション)である。燃料ガス引込管20で分取された燃料ガスは、水素ガス分離機構1で純水素ガスとその他ガス(ここでは純都市ガス)とに分離される。水素ガス分離機構1に特段の限定はなく、従前の水素ガス分離手段(例えば、水素分離膜を用いた分離手段)を適宜利用できる。水素ガス分離機構1で分離された純水素ガスは、ガス圧力調整機構2を経て水素ガス貯蔵機構3に一旦蓄えられた後、需要家群35aに分配される。水素ガス貯蔵機構3は、必須の構成ではないが、需要家群35aでの消費量変動を吸収し冗長性を高める観点からは設置されることが望ましい。
ガス分離調整ステーション40aで利用されない余剰ガス(ここでは都市ガス)は、分離された水素ガス分の圧力低下が起きるため、ガス戻入機構5aで圧力調整してガス導管50に戻し入れされる。このとき、当該余剰ガスは分取した燃料ガスよりも水素ガス濃度が低いため、大きな流量でガス導管50に戻し入れるとガス導管50を流れる燃料ガスの成分濃度が局所的に大きく変動する可能性があり、ガス分離調整ステーション40aよりもガス導管50の下流側に位置する需要家群での利用に支障を来すことが危惧される。
そこで、ガス戻入機構5aは、ガス導管50を流れる燃料ガスの成分濃度が局所的に過度な変動を生じないように、水素ガス濃度計55からのデータを基にして戻し入れるガスの流量制御を行う機構を更に具備することが好ましい。適切に流量制御できるかぎり当該機構に特段の限定はないが、他ガス貯蔵機構4や戻入ガス流量制御機構6は好適に利用できる一例である。
さらに、ガス分離調整ステーション40aを安定して稼働させる観点から(需要家群35aへの安定供給を実現する観点から)、水素ガス分離機構1、ガス圧力調整機構2、およびガス戻入機構5aを稼働させるための電力を供給する電力供給機構10が、ステーション内に設置されていることが好ましい。電力供給機構10としては、水素ガスを利用した燃料電池機構、再生可能エネルギー発電機構(例えば、太陽光発電、風力発電、地熱発電など)、水素ガスまたは都市ガスを利用したマイクロガスタービン発電機構のうちの少なくとも1つを有することが好ましい。また、冗長性の観点から、電力供給機構10は蓄電機構15を更に具備することがより好ましい。
なお、本発明は、ガス分離調整ステーションへの外部からの電力供給を否定するものではない。
ガス分離調整ステーション40bは、前述したように需要家群35bに純都市ガスを分配するためのステーション(都市ガス分配ステーション)であり、ガス分離調整ステーション40aと類似の構成を有する。
具体的には、燃料ガス引込管20で分取された燃料ガスは、水素ガス分離機構1で純水素ガスとその他ガス(ここでは純都市ガス)とに分離される。水素ガス分離機構1で分離された純都市ガスは、ガス圧力調整機構2を経て他ガス貯蔵機構4に一旦蓄えられた後、需要家群35bに分配される。他ガス貯蔵機構4は、必須の構成ではないが、需要家群35bでの消費量変動を吸収し冗長性を高める観点からは設置されることが望ましい。
ガス分離調整ステーション40bで利用されない余剰ガス(ここでは水素ガス)は、分離された都市ガス分の圧力低下が起きるため、ガス戻入機構5bで圧力調整してガス導管50に戻し入れされる。このとき、当該余剰ガスは都市ガス濃度が低いため、大きな流量でガス導管50に戻し入れるとガス導管50を流れる燃料ガスの成分濃度が局所的に大きく変動する可能性があり、ガス分離調整ステーション40bよりもガス導管50の下流側に位置する需要家群での利用に支障を来すことが危惧される。
そこで、ガス戻入機構5bも、ガス導管50を流れる燃料ガスの成分濃度が局所的に過度な変動を生じないように、水素ガス濃度計55からのデータを基にして戻し入れるガスの流量制御を行う機構を更に具備することが好ましい。適切に流量制御できるかぎり当該機構に特段の限定はないが、水素ガス貯蔵機構3や戻入ガス流量制御機構6は好適に利用できる一例である。
また、ガス分離調整ステーション40bを安定して稼働させる観点から(需要家群35bへの安定供給を実現する観点から)、水素ガス分離機構1、ガス圧力調整機構2、およびガス戻入機構5bを稼働させるための電力を供給する電力供給機構10が、ステーション内に設置されていることが好ましい。また、冗長性の観点から、電力供給機構10は、蓄電機構15を更に具備することがより好ましい。
ガス分離調整ステーション40cは、前述したように需要家群35cに水素ガスを含む混合ガス(ここでは、水素ガスと都市ガスとを含む混合ガス)を分配するためのステーション(混合ガス再調整ステーション)であり、先のガス分離調整ステーション40a~40bに比して複雑な構成を有する。
具体的には、燃料ガス引込管20で分取された燃料ガスの一部は、水素ガス分離機構1で水素ガスとその他ガス(ここでは都市ガス)とに分離される。水素ガス分離機構1で分離された水素ガスは、ガス圧力調整機構2を経て水素ガス貯蔵機構3に一旦蓄えられ、分離されたその他ガス(ここでは都市ガス)は、ガス圧力調整機構2を経て他ガス貯蔵機構4に一旦蓄えられる。
燃料ガス引込管20で分取された燃料ガスの他の一部、水素ガス貯蔵機構3に蓄えられた水素ガス、および他ガス貯蔵機構4に蓄えられた都市ガスは、混合ガス調整機構7において、需要家群35cが要望する水素ガス濃度を有する混合ガスに調整された後、需要家群35cに分配される。需要家群35cでの消費量変動を吸収し冗長性を高める観点から、必須の構成ではないが、混合ガス調整機構7は混合ガス貯蔵機構8を更に具備することが望ましい。
なお、ガス分離調整ステーション40cにおいては、混合ガス調整機構7で混合ガスを調整するため、混合ガスの水素ガス濃度を適切に制御できるかぎり水素ガス分離機構1で純水素ガスと純都市ガスとに完全分離する必要はない。例えば、混合ガス調整機構7が水素ガス濃度計55を具備し、調整するための各ガス流量を適切に制御できるならば、ガス分離調整ステーション40cの水素ガス分離機構1での水素分離能は、ガス分離調整ステーション40a~40bの水素ガス分離機構1でのそれよりも低くてよい(例えば、純度90%以上で分離できればよい)。この場合、ガス分離調整ステーション40cの水素ガス分離機構1の装置コストや運転コストをガス分離調整ステーション40a~40bのそれらよりも低減できる利点がある。当然のことながら、水素ガス分離機構1で純水素ガスと純都市ガスとに完全分離してもよい。
ガス分離調整ステーション40cで利用されない余剰ガスは、ガス戻入機構5cで圧力調整してガス導管50に戻し入れされる。ガス戻入機構5cは、ガス導管50を流れる燃料ガスの成分濃度が局所的に過度な変動を生じないように、水素ガス濃度計55からのデータを基にして戻し入れるガスの流量制御を行う機構を更に具備することが好ましい。適切に流量制御できるかぎり当該機構に特段の限定はないが、水素ガス貯蔵機構3や他ガス貯蔵機構4や戻入ガス流量制御機構6は好適に利用できる一例である。
また、ガス分離調整ステーション40cを安定して稼働させる観点から(需要家群35cへの安定供給を実現する観点から)、水素ガス分離機構1、ガス圧力調整機構2、混合ガス調整機構7、およびガス戻入機構5cを稼働させるための電力を供給する電力供給機構10が、ステーション内に設置されていることが好ましい。また、冗長性の観点から、電力供給機構10は、蓄電機構15を更に具備することがより好ましい。
本発明に係るガス分離分配システムは、上記のような構成を有することから、純水素ガスを要望する需要家群および純都市ガスを要望する需要家群に加えて、混合ガスを要望する需要家群にも適切なガスを分配できる上に、混合ガス中の水素ガス濃度が需要家群によって異なる場合であっても対応可能である。さらに、各ガス分離調整ステーション内に電力供給機構を具備することから、万が一、外部からの電力供給が不安定になったとしても、各需要家群に対するガスの安定供給を実現することができる。
[第2実施形態]
ガス導管50を流れる燃料ガスの成分濃度の局所的な変動は、各ガス分離調整ステーションからの余剰ガスの戻入流量に起因して生じる傾向が強いが、各ガス分離調整ステーションで分取するガス流量が過大であると助長されることもある。この観点から、各ガス分離調整ステーションは、水素ガス濃度計55からのデータを基にして燃料ガス引込管20で分取するガスの流量制御を行う機構(分取ガス流量制御機構9)を更に具備することがより好ましい。
図2は、ガス導管を流れる燃料ガスの水素ガス濃度の局所的な変動を示す時間チャート(水素ガス濃度-時間のチャート)の一例である。図2に示すチャートは、ガス分離調整ステーション40cの燃料ガス引込管20の接続点よりも上流側に設置された水素ガス濃度計55のデータ例とする。また、図中の「定格濃度」とは、ガス導管50に流す燃料ガスにおける水素ガス濃度の基準を意味するものとする。
ここで、ガス導管を流れるガス成分濃度の変動は、電気回路における電流・電圧のように瞬時に回路全体に行き渡るものではなく、気象現象のように時間の経過と共に移動しながら徐々に拡散・均質化していくものであることを理解しておくことが重要である。
図2に示したように、時間Aから時間Bに懸けては、上流側に設置された水素ガス濃度計55のデータは、ほぼ定格濃度を示している(いわゆる、ゆらぎレベルの変動である)。これは、この時間帯において、分取ガス流量制御機構9および戻入ガス流量制御機構6は平常制御を行えばよいことにつながる。
一方、時間Bから時間Cに懸けては、水素ガス濃度が定格濃度を大きく上回っている。これは、上流側のガス分離調整ステーション(例えば、ガス分離調整ステーション40b)で大量に都市ガスが消費され、相対的に水素ガスが過剰なったためと推定される。この場合、例えば、分取ガス流量制御機構9で平常よりも多くの流量で燃料ガスを分取し、分離した水素ガスを水素ガス貯蔵機構3に積極的に貯蔵するとともに、戻入ガス流量制御機構6で都市ガス濃度を高めた状態で余剰ガスをガス導管50に戻し入れる制御(水素ガス貯蔵制御)を行うことが好ましい。
時間Cから時間Dに懸けては、水素ガス濃度が定格濃度を大きく下回っている。これは、上流側のガス分離調整ステーション(例えば、ガス分離調整ステーション40a)で大量に水素ガスが消費され、相対的に水素ガスが不足したためと推定される。この場合、例えば、分取ガス流量制御機構9で平常よりも少ない流量で燃料ガスを分取し、既に水素ガス貯蔵機構3に貯蔵してある水素ガスを積極的に放出するとともに、戻入ガス流量制御機構6で水素ガス濃度を高めた状態で余剰ガスをガス導管50に戻し入れる制御(水素ガス放出制御)を行うことが好ましい。
本発明に係るガス分離分配システムは、上記のような制御を行うことで、水素ガスを要望する需要家群および都市ガスを要望する需要家群に加えて、混合ガスを要望する需要家群にもガスの安定供給を実現することができる。
上述した実施形態は、本発明の理解を助けるために説明したものであり、本発明は、記載した具体的な構成のみに限定されるものではない。例えば、実施形態の構成の一部を当業者の技術常識の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に当業者の技術常識の構成を加えることも可能である。すなわち、本発明は、本明細書の実施形態の構成の一部について、発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、削除・他の構成に置換・他の構成の追加をすることが可能である。
1…水素ガス分離機構、2…ガス圧力調整機構、3…水素ガス貯蔵機構、
4…他ガス貯蔵機構、5a~5c…ガス戻入機構、6…戻入ガス流量制御機構、
7…混合ガス調整機構、8…混合ガス貯蔵機構、9…分取ガス流量制御機構、
10…電力供給機構、15…蓄電機構、
20…燃料ガス引込管、25…余剰ガス戻入管、30…分離ガス供給管、
35a~35c…需要家群、40a~40c…ガス分離調整ステーション、
50…ガス導管、55…水素ガス濃度計。

Claims (6)

  1. 水素ガスを含む燃料ガスから需要家群が要望する組成のガスを分離して該需要家群に分配するシステムであって、
    前記燃料ガスが供給される燃料ガス導管グリッドと、
    前記燃料ガス導管グリッドのガス導管に接続され、前記需要家群が要望する組成のガスを前記燃料ガスから分離調整するための複数のガス分離調整ステーションと、を有し、
    前記複数のガス分離調整ステーションの少なくとも1つは、前記燃料ガスの水素ガス濃度と異なる水素ガス濃度を有する混合ガスに調整するための混合ガス調整ステーションであり、該混合ガス調整ステーションは、
    前記燃料ガスを水素ガスとその他ガスとに分離する水素ガス分離機構と、
    分離した水素ガスを貯蔵する水素ガス貯蔵機構と、
    分離したその他ガスを貯蔵する他ガス貯蔵機構と、
    前記需要家群が要望する水素ガス濃度を有する混合ガスに調整する混合ガス調整機構と、
    利用されない余剰ガスを前記ガス導管に戻し入れるためのガス戻入機構と、
    前記水素ガス分離機構、前記混合ガス調整機構、および前記ガス戻入機構を稼働させるための電力を供給する電力供給機構と、
    を具備することを特徴とするガス分離分配システム。
  2. 請求項1に記載のガス分離分配システムにおいて、
    前記電力供給機構は、燃料電池機構、再生可能エネルギー発電機構、およびマイクロガスタービン発電機構のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするガス分離分配システム。
  3. 請求項2に記載のガス分離分配システムにおいて、
    前記電力供給機構は、蓄電機構を更に具備することを特徴とするガス分離分配システム。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のガス分離分配システムにおいて、
    前記燃料ガスは水素ガスと都市ガスとを含み、
    前記複数のガス分離調整ステーションの少なくとも1つは、前記水素ガスを分配するための水素ガス分離ステーションであり、該水素ガス分離ステーションは、
    前記水素ガス分離機構と、
    前記水素ガス貯蔵機構と、
    前記ガス戻入機構と、
    該水素ガス分離機構および該ガス戻入機構を稼働させるための電力を供給する電力供給機構と、を具備し、
    前記複数のガス分離調整ステーションの少なくとも1つは、前記都市ガスを分配するための都市ガス分離ステーションであり、該都市ガス分離ステーションは、
    前記水素ガス分離機構と、
    前記他ガス貯蔵機構と、
    前記ガス戻入機構と、
    該水素ガス分離機構および該ガス戻入機構を稼働させるための電力を供給する電力供給機構と、を具備することを特徴とするガス分離分配システム。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のガス分離分配システムにおいて、
    前記複数のガス分離調整ステーションの間の前記ガス導管に、前記燃料ガスの水素ガス濃度をモニターする水素ガス濃度計が接続されており、
    当該水素ガス濃度計からのデータを基にして前記ガス戻入機構の流量制御を行う戻入ガス流量制御機構を更に具備すること特徴とするガス分離分配システム。
  6. 請求項5に記載のガス分離分配システムにおいて、
    前記水素ガス濃度計からのデータを基にして前記ガス導管から分取する前記混合ガスの流量制御を行う分取ガス流量制御機構を更に具備すること特徴とするガス分離分配システム。
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