JP4527499B2 - 船外機の油圧装置 - Google Patents

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Description

この発明は、船外機の油圧装置に関し、より詳しくは、船外機に設けられた可動部材を油圧アクチュエータで駆動するようにした船外機の油圧装置に関する。
従来、船外機に設けられたスイベルシャフトやチルティングシャフトといった可動部材を、油圧アクチュエータで駆動するようにした技術が知られている(例えば特許文献1参照)。油圧アクチュエータを動作させるためには、かかる油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧ポンプが必要である。そのため、可動部材を油圧アクチュエータで駆動する場合、プロペラを駆動するエンジンとは別に、油圧ポンプを駆動するための専用の駆動源(多くの場合は電動モータ)を搭載するのが一般的である。
特開平6−127475号公報(段落0014から0016、図1など)
しかしながら、従来技術のように油圧ポンプ専用の駆動源を搭載すると、船外機の部品点数や重量の増加を招くという不具合があった。
上記した不具合は、油圧ポンプを、プロペラを駆動するエンジンの出力によって駆動すれば解消される。しかしながら、そのように構成すると、油圧ポンプが吐出する作動油の量はエンジン回転数に依存することとなり、油圧アクチュエータの出力を任意に調節できないという問題が生じる。
従って、この発明は、船外機の可動部材を駆動する油圧アクチュエータとかかる油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧ポンプとを備えた船外機の油圧装置において、油圧ポンプを駆動する専用の駆動源を不要として部品点数や重量の増加を抑制すると共に、油圧アクチュエータの出力を調節自在とすることを目的とする。
上記の目的を解決するために、請求項1にあっては、船外機のプロペラを駆動するエンジンと、前記エンジンの出力で駆動されて作動油を吐出する油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出された作動油が供給される第1および第2の油室を有すると共に、前記第1および第2の油室に供給された作動油に応じて前記船外機の可動部材を駆動する油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプと前記油圧アクチュエータを接続する油圧回路と、を備えると共に、前記油圧回路が、前記第1および第2の油室に供給される作動油が通過する第1および第2の供給路と、前記第1および第2の油室から排出された作動油が通過する第1および第2の排出路と、前記第1および第2の供給路に配置されてそれぞれ前記作動油の流量を調整する2つの弁体を備える供給油量調整弁と、前記第1および第2の排出路に配置されてそれぞれ前記作動油の流量を調整する2つの弁体を備える排出油量調整弁と、を有すると共に、前記第1の供給路と前記第2の供給路は前記供給油量調整弁よりも上流側で1本の油路に併合されて前記油圧ポンプの吐出口に接続され、前記第1の排出路と前記第2の排出路は前記排出油量調整弁よりも下流側で1本の油路に併合されて前記油圧ポンプの吸入口に接続されるように構成した。
また、請求項2にあっては、さらに、前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、および前記検出されたエンジン回転数に基づいて前記供給油量調整弁と前記排出油量調整弁の開度を調節する弁開度調節手段と、を備えるように構成した。
請求項1に係る船外機の油圧装置にあっては、プロペラを駆動するエンジンの出力によって駆動されて作動油を吐出する油圧ポンプと、作動油が供給される第1および第2の油室を有すると共に、第1および第2の油室に供給された作動油に応じて船外機の可動部材を駆動する油圧アクチュエータとを備えるように構成したので、油圧ポンプを駆動するための専用の駆動源が不要となり、部品点数や重量の増加を防止することができる。
また、油圧ポンプと油圧アクチュエータを接続する油圧回路が、油圧アクチュエータの第1および第2の油室に供給される作動油が通過する第1および第2の供給路と、第1および第2の油室から排出された作動油が通過する第1および第2の排出路と、第1および第2の供給路に配置されてそれぞれ前記作動油の流量を調整する2つの弁体を備える供給油量調整弁と、第1および第2の排出路に配置されてそれぞれ前記作動油の流量を調整する2つの弁体を備える排出油量調整弁とを有すると共に、第1の供給路と第2の供給路は供給油量調整弁よりも上流側で1本の油路に併合されて油圧ポンプの吐出口に接続され、第1の排出路と第2の排出路は排出油量調整弁よりも下流側で1本の油路に併合されて油圧ポンプの吸入口に接続されるように構成したので、供給油量調整弁と排出油量調整弁の開度を調節することによって油圧アクチュエータの各油室に供給される作動油の量を調整することができ、よって油圧ポンプを駆動する専用の駆動源を用いない場合であっても、油圧アクチュエータの出力を調節することが可能となる。
また、請求項2にあっては、さらに、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、検出されたエンジン回転数に基づいて供給油量調整弁と排出油量調整弁の開度を調節する弁開度調節手段とを備えるように構成したので、上記した効果に加え、エンジン回転数の変動に伴って油圧アクチュエータの出力が変動するのを防止することができる。
以下、添付図面に即してこの発明に係る船外機の油圧装置を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、この発明の第1実施例に係る船外機の油圧装置を船体と共に全体的に示す概略図であり、図2は図1の部分説明側面図である。
図1および図2において、符10は船外機を示す。船外機10は、図2に示す如く、船体(船舶)12の後部に固定されたスターンブラケット14と、スターンブラケット14に取り付けられたスイベルケース16と、スイベルケース16に回転自在に収容されたスイベルシャフト18(可動部材)とを備える。
スイベルシャフト18は、その上端がマウントフレーム20を介して船外機10のフレームに固定される。また、スイベルシャフト18の下端も、図示しない連結部材を介して船外機10のフレームに固定される。
また、スイベルケース16は、チルティングシャフト22(可動部材)を介してスターンブラケット14に取り付けられる。これにより、船外機10は、船体12に対してスイベルシャフト18を回転軸として鉛直軸回りに回転自在(即ち、左右に操舵自在)とされると共に、チルティングシャフト22を回転軸として水平軸回りに回転自在(即ち、チルトトリム角が調整自在)とされる。
船外機10の下部には、プロペラ24が配置される。一方、船外機10の上部には、プロペラ24を駆動するエンジン26が搭載される。エンジン26は火花点火式の直列4気筒で2200ccの排気量を備える4サイクルガソリンエンジンからなる。エンジン26の出力は、クランクシャフト(図示せず)に接続されたドライブシャフト(バーチカルシャフト)28とシフト機構30を介し、プロペラシャフト32に伝達される。プロペラ24は、プロペラシャフト32と共に回転し、船体12を前進あるいは後進させる推力を生じる。
また、エンジン26のクランクシャフトの付近には、クランク角センサ34が配置される。クランク角センサ34は、所定クランク角度ごとにパルス信号を出力する。
スイベルケース16の上部には、スイベルシャフト18を駆動して船外機10の操舵角の調整を行う油圧アクチュエータ、具体的には、複動型の油圧シリンダ(以下「操舵用油圧シリンダ」という)36が配置される。操舵用油圧シリンダ36は、油圧回路38を介して油圧ポンプ40に接続される。油圧ポンプ40は、エンジン26の出力によって駆動される。
また、前記したスターンブラケット14とスイベルケース16の付近には、チルティングシャフト22を駆動して船外機10のチルトトリム角の調整を行う油圧アクチュエータ、具体的には、公知のパワーチルトトリムユニット44が配置される。
図1に示す如く、船体12の操縦席付近にはステアリングホイール46が配置される。ステアリングホイール46の回転軸には回転センサ48が取り付けられる。回転センサ48は、操縦者によって操作されたステアリングホイール46の回転角に応じた信号を出力する。
操縦席付近には、さらにシフトレバー50とスロットルレバー52が配置される。シフトレバー50とスロットルレバー52は、それぞれプッシュプルケーブルを介してシフト機構30とエンジン26のスロットル弁(図示せず)に接続される。即ち、操縦者によってシフトレバー50が操作されることによってシフト機構30が動作し、船体12の進行方向が切り換えられる。また、スロットルレバー52が操作されることによってスロットル弁が開閉してエンジン回転数が調整され、船体12の船速が調整される。
さらに、操縦席付近には、船外機10のチルトトリム角の調整指示を入力するパワーチルトトリムスイッチ54が配置される。パワーチルトトリムスイッチ54は、具体的にはアップ側とダウン側を備えたシーソースイッチからなり、操縦者から入力されたチルトトリム角の増減指示に応じた信号を出力する。
上記したクランク角センサ34、回転センサ48およびパワーチルトトリムスイッチ54の出力は、エンジン26の付近に配置されたECU(Electronic Control Unit。電子制御ユニット)56に入力される。ECU56は、CPU,ROM,RAMおよびカウンタを備えたマイクロコンピュータからなる。
ECU56は、クランク角センサ34から出力されたパルス信号をカウントしてエンジン回転数を検出(算出)すると共に、検出したエンジン回転数と回転センサ48の出力に基づいて油圧回路38に設けられた油量調整弁(後述)の開度を調節し、操舵用油圧シリンダ36に供給される作動油の量を調整する。また、ECU56は、パワーチルトトリムスイッチ54の出力に基づいてパワーチルトトリムユニット44の駆動を制御する。
図3は、図2に示すスイベルケース16付近を拡大した部分断面図である。
図3に示すように、パワーチルトトリムユニット44は、1本のチルト角調整用の油圧シリンダ(以下「チルト用油圧シリンダ」という)44aと、2本の(図では1本のみ表される)トリム角調整用の油圧シリンダ(以下「トリム用油圧シリンダ」という)44bを一体的に備える。尚、チルト用油圧シリンダ44aとトリム用油圧シリンダ44bは、いずれも複動型の油圧シリンダである。
チルト用油圧シリンダ44aは、そのシリンダボトムがスターンブラケット14に接続されると共に、ロッドヘッドがスイベルケース16に接続される。また、トリム用油圧シリンダ44bは、そのシリンダボトムがスターンブラケット14に接続されると共に、ロッドヘッドがスイベルケース16に当接される。これにより、チルト用油圧シリンダ44aあるいはトリム用油圧シリンダ44bを駆動することでチルティングシャフト22を回転軸としてスイベルケース16が回転され、よって船外機10のチルトトリム角が調整される。
図4は、スイベルケース16付近の平面図である。
図3および図4に示すように、マウントフレーム20においてスイベルシャフト18の直上付近には、ステー60が設けられる。操舵用油圧シリンダ36は、ピストンのロッドヘッド36aがステー60に接続されると共に、シリンダボトム36bがスイベルケース16に接続される。これにより、操舵用油圧シリンダ36を駆動することでステー60とマウントフレーム20と共にスイベルシャフト18が回転され、よって船外機10が左右に操舵される。
図5は、図2に示す操舵用油圧シリンダ36と油圧回路38と油圧ポンプ40とを表す説明図である。
油圧ポンプ40は公知のギヤポンプであり、図5に示すように、駆動軸40aと、駆動軸40aが駆動されたときに作動油を吸入する吸入口40bと、吸入された作動油を吐出する吐出口40cとを有する。尚、駆動軸40aは、前記したドライブシャフト28の回転が伝達されて駆動される。ドライブシャフト28から駆動軸40aへの動力の伝達は、減速機構などで行っても良いし、駆動軸40a自体がドライブシャフト28の一部をなすようにしても良い。
操舵用油圧シリンダ36は、前述したように複動式の油圧シリンダであり、油圧ポンプ40から吐出された作動油が供給される第1の油室36cと第2の油室36dを有する。第1の油室36cと第2の油室36dの間には、ピストン36eが介在する。前述したように、ピストン36eのロッドヘッド36aは、マウントフレーム20に設けられたステー60に接続される。従って、第1および第2の油室36c,36dに供給された作動油に応じてピストン36eが変位することにより、ステー60とマウントフレーム20と共にスイベルシャフト18が回転させられる。
油圧回路38は、操舵用油圧シリンダ36の第1の油室36cに供給される作動油が通過する第1の供給路(油路)38aと、第2の油室36dに供給される作動油が通過する第2の供給路(油路)38bと、第1の油室36cから排出された作動油が通過する第1の排出路(油路)38cと、第2の油室36dから排出された作動油が通過する第2の排出路(油路)38dとを備える。
第1の供給路38aと第2の供給路38bには、そこを通過する作動油の流量を調整する供給油量調整弁38eが配置される。供給油量調整弁38eは、第1の供給路38aの流路面積を調整する第1の弁体38e1と、第2の供給路38bの流路面積を調整する第2の弁体38e2とを備える。図示の如く、第1の弁体38e1と第2の弁体38e2は回転型の絞り弁であり、それらの回転軸は連結されて1個の電磁ソレノイド38fによって駆動される。尚、第1の弁体38e1と第2の弁体38e2は、開度が反比例するように(即ち、第1の弁体38e1の開度が増加するに従って第2の弁体38e2の開度が減少し、第1の弁体38e1の開度が減少するに従って第2の弁体38e2が増加するように)、所定の位相差、具体的には90度の位相差が設けられる。
また、第1の排出路38cと第2の排出路38dにも、そこを通過する作動油の流量を調整する排出油量調整弁38gが配置される。排出油量調整弁38gは、第1の排出路38cの流路面積を調整する第1の弁体38g1と、第2の排出路38dの流路面積を調整する第2の弁体38g2とを備える。第1の弁体38g1と第2の弁体38g2も回転型の絞り弁であり、それらの回転軸は連結されて1個の電磁ソレノイド38hによって駆動されると共に、開度が反比例するように所定(90度)の位相差が設けられる。
第1の供給路38aと第2の供給路38bは、供給油量調整弁38eよりも上流側(油圧ポンプ40に近い側)で1本の油路(符号38abで示す)に併合されて油圧ポンプ40の吐出口40cに接続される。油路38abには、油圧ポンプ40の吐出口40cから油圧アクチュエータ36の各油室36c,36dに向かう作動油の流れのみを許可する逆止弁38iが配置される。
また、第1の排出路38cと第2の排出路38dは、排出油量調整弁38gよりも下流側(油圧ポンプ40に近い側)で1本の油路(符号38cdで示す)に併合され、油圧ポンプ40の吸入口40bに接続される。油路38cdには、油圧アクチュエータ36の各油室36c,36dから油圧ポンプ40の吸入口40bに向かう作動油の流れのみを許可する逆止弁38jが配置される。
さらに、油路38abの逆止弁38iよりも上流側と油路38cdの逆止弁38jよりも下流側は、油路38kで接続される。油路38kには、油路38abから油路38cdに向かう作動油の流れのみを許可する逆止弁38mが配置される。
また、第1の供給路38aと第1の排出路38cは、操舵用油圧シリンダ36の近傍で1本の油路に併合されて第1の油室36cに接続される。また、第2の供給路38aと第2の排出路38dも操舵用油圧シリンダ36の近傍で1本の油路に併合され、第2の油室36dに接続される。
次いで、作動油の流れについて説明すると、油圧ポンプ40の吐出口40cから吐出された作動油は、油路38abの逆止弁38iを通過して第1の供給路38aと第2の供給路38bに流入される。第1の供給路38aと第2の供給路38bに流入した作動油は、供給油量調整弁38eを通過して操舵用油圧シリンダ36の第1の油室36cと第2の油室36dに供給される。
一方、操舵用油圧シリンダ36の第1の油室36cと第2の油室36dから排出された作動油は、それぞれ第1の排出路38cと第2の排出路38dに流入される。第1の排出路38cと第2の排出路38dに流入した作動油は、排出油量調整弁38gを通過して油路38cdに流入された後、逆止弁38jを通過して油圧ポンプ40の吸入口40bに還流される。
ここで、油路38abから第1の供給路38aと第2の供給路38bを流入する作動油の量は、供給油量調整弁38eの各弁体38e1,38e2の開度に応じて決定される。即ち、油圧ポンプ40から吐出された作動油は、供給油量調整弁38eの各弁体38e1,38e2の開度比に応じて第1の供給路38aと第2の供給路38bに分配され、操舵用油圧シリンダ36の第1の油室36cと第2の油室36dに供給される。
従って、図5に示すように供給油量調整弁38eの各弁体38e1,38e2の開度が一致していれば、第1の油室36cと第2の油室36dには同量の作動油が供給され、ピストン36eの変位は生じない。尚、このとき、排出油量調整弁38gの各弁体38g1,38g2の開度を一致させ、作動油の余剰分を各排出路38c,38dと油路38cdを介して油圧ポンプ40の吸入口40bに還流させる。また、油路38abに作用する油圧が所定値を超えた場合は、油路38kに配置された逆止弁38mが開弁し、油路38abと油路38cdが連通して油圧が逃がされる。図5において、各油室36c,36dに供給される作動油の流れを実線の矢印で示し、油圧ポンプ40に還流される作動油の流れを破線の矢印で示す。
これに対し、図6に示すように、供給油量調整弁38eの第1の弁体38e1を閉弁し、第2の弁体38e2を開弁すると共に、排出油量調整弁38gの第1の弁体38g1を開弁し、第2の弁体38g2を閉弁すると、作動油は第2の供給路38bを通過して操舵用油圧シリンダ36の第2の油室36dのみに供給される。これにより、ピストン36eが図において上方に変位させられる。また、第1の油室36cからは作動油が排出される。第1の油室36cから排出された作動油は、第1の排出路3cと油路38cdを通過して油圧ポンプ40に還流される。
一方、図7に示す如く、供給油量調整弁38eの第1の弁体38e1を開弁し、第2の弁体38e2を閉弁すると共に、排出油量調整弁38gの第1の弁体38g1を閉弁し、第2の弁体38g2を開弁することで、作動油は第1の供給路38aを通過して操舵用油圧シリンダ36の第1の油室36cのみに供給される。これにより、ピストン36eが図において下方に変位させられると共に、第2の油室36dから作動油が排出される。第2の油室36dから排出された作動油は、第2の排出路3dと油路38cdを通過して油圧ポンプ40に還流される。
このように、第1の供給路38aと第2の供給路38bに配置された供給油量調整弁38eの開度と、第1の排出路38cと第2の排出路38dに配置された排出油量調整弁38gの開度を調節することで、操舵用油圧シリンダ36の駆動が可能となる。
尚、油量調整弁38e,38gに設けられた各弁体の開度比(具体的には、供給油量調整バルブ38eの第1の弁体38e1と第2の弁体38e2の開度の差、あるいは排出油量調整バルブ38gの第1の弁体38g1と第2の弁体38g2の開度の差)を調節する、換言すれば、第1の油室36cと第2の油室36dに供給される作動油の分配比率を調節することで、操舵用油圧シリンダ36の駆動速度(ピストン36eの変位速度)が変更可能である。
次いで、供給油量調整弁38eと排出油量調整弁38gの開度制御について説明する。図8は、その制御の処理を表すフローチャートである。図示のプログラムは、ECU56において所定の周期で実行される。
以下説明すると、先ずS10において、回転センサ48の出力、即ち、ステアリングホイール46の回転角に基づき、供給油量調整弁38eと排出油量調整弁38gの開度(基本値)を決定する。具体的には、供給油量調整弁38eと排出油量調整弁38gに設けられた各弁体の開度を決定する。
次いで、S12において、エンジン回転数に基づいて供給油量調整弁38eと排出油量調整弁38gの開度を修正する。前述したように、油圧ポンプ40はプロペラ24と共にエンジン26の出力によって駆動される。従って、油圧ポンプ40が吐出する作動油の量はエンジン回転数に依存することとなる。そのため、船速の調整などに伴ってエンジン回転数が変動すると、操舵用油圧シリンダ36の出力も変動してしまうという問題が生じる。
そこで、S12では、エンジン回転数に基づいて各油量調整弁38e,38gの開度を修正することで、上記した不具合を解消するようにした。具体的には、エンジン回転数が上昇する(作動油の吐出流量が増大して操舵用油圧シリンダ36への供給油圧が上昇する)に従い、油量調整弁38e,38gに設けられた各弁体の開度比を減少方向の値に修正する(即ち、第1の油室36cと第2の油室36dの圧力差を減少方向に修正する)。
これにより、エンジン回転数の変動に伴って供給油圧に変動が生じても、第1の油室36cと第2の油室36dの間の圧力差を一定に保つことができ、よって操舵用油圧シリンダ36の出力に変動が生じるのを防止することができる。
図8フローチャートの説明を続けると、次いでS14に進み、各油量調整弁38e,38gがS12で修正して得た開度となるように電磁ソレノイド38f,38hの駆動を制御する。具体的には、S12で修正して得た開度に基づいて通電指令値を算出し、算出した通電指令値を図示しない出力回路を介して電磁ソレノイド38f,38hに出力する。
このように、この発明の第1実施例に係る船外機の油圧装置にあっては、プロペラ24を駆動するエンジン26の出力によって駆動されて作動油を吐出する油圧ポンプ40と、第1および第2の油室36c,36dに供給される作動油に応じて可動部材たるスイベルシャフト18を駆動する操舵用油圧シリンダ36とを備えるようにしたので、油圧ポンプ40を駆動するための専用の駆動源が不要となり、部品点数や重量を低減することができる。
また、油圧ポンプ40と操舵用油圧シリンダ36を接続する油圧回路38が、操舵用油圧シリンダ36の第1および第2の油室36c,36dに供給される作動油が通過する第1および第2の供給路38a,38bと、第1および第2の油室36c,36dから排出された作動油が通過する第1および第2の排出路38c,38dと、第1および第2の供給路38a,38bに配置された供給油量調整弁38eと、第1および第2の排出路38c,38dに配置された排出油量調整弁38gとからなるようにしたので、供給油量調整弁38eと排出油量調整弁38gの開度を調節することによって各油室36c,36dに供給される作動油の量を調整することができ、よって油圧ポンプ40を専用の駆動源で駆動しない場合であっても、操舵用油圧シリンダ36の出力を調節することが可能となる。
さらに、エンジン回転数を検出し、検出されたエンジン回転数に基づいて供給油量調整弁36eと排出油量調整弁36gの開度を調節するようにしたので、上記した効果に加え、エンジン回転数の変動が操舵用油圧シリンダ36の出力に影響を与えるのを防止することができる。
以上の如く、この発明の第1実施例にあっては、船外機(10)のプロペラ(24)を駆動するエンジン(26)と、前記エンジン(26)の出力で駆動されて作動油を吐出する油圧ポンプ(40)と、前記油圧ポンプ(40)から吐出された作動油が供給される第1および第2の油室(36c,36d)を有すると共に、前記第1および第2の油室(36c,36d)に供給された作動油に応じて前記船外機(10)の可動部材(スイベルシャフト18)を駆動する油圧アクチュエータ(操舵用油圧シリンダ36)と、前記油圧ポンプ(40)と前記油圧アクチュエータ(36)を接続する油圧回路(38)と、を備えると共に、前記油圧回路(38)が、前記第1および第2の油室(36c,36d)に供給される作動油が通過する第1および第2の供給路(38a,38b)と、前記第1および第2の油室(36c,36d)から排出された作動油が通過する第1および第2の排出路(38c,38d)と、前記第1および第2の供給路(38a,38b)に配置されてそれぞれ前記作動油の流量を調整する2つの弁体(第1の弁体38e1、第2の弁体38e2)を備える供給油量調整弁(38e)と、前記第1および第2の排出路(38c,38d)に配置されてそれぞれ前記作動油の流量を調整する2つの弁体(第1の弁体38g1、第2の弁体38g2)を備える排出油量調整弁(38g)と、を有すると共に、前記第1の供給路(38a)と前記第2の供給路(38b)は前記供給油量調整弁(38e)よりも上流側で1本の油路(38ab)に併合されて前記油圧ポンプ(40)の吐出口(40c)に接続され、前記第1の排出路(38c)と前記第2の排出路(38d)は前記排出油量調整弁(38g)よりも下流側で1本の油路(38cd)に併合されて前記油圧ポンプ(40)の吸入口(40b)に接続されるように構成した。
さらに、前記エンジン(26)の回転数を検出するエンジン回転数検出手段(クランク角センサ34)と、および前記検出されたエンジン回転数に基づいて前記供給油量調整弁(38e)と前記排出油量調整弁(38g)の開度を調節する弁開度調節手段(電磁ソレノイド38f、電磁ソレノイド38h、ECU56、図8フローチャートのS12,S14)と、を備えるように構成した。
尚、上記において、船外機10の可動部材としてスイベルシャフト18を例示したが、チルティングシャフト22や図示しない他の部材であっても良い。
また、使用する油圧アクチュエータを油圧シリンダとしたが、油圧モータなどであっても良い。
また、供給油量調整弁38eに設けられた2個の弁体38e1,38e2を連結して1個の電磁ソレノイド38fで駆動するようにしたが、各弁体を連結せずに個別の電磁ソレノイドで駆動するようにしても良い。また、各弁体38e1,38e2を駆動するアクチュエータは電磁ソレノイド38fに限られるものではなく、電動モータなどの他のアクチュエータを使用しても良い。さらに、弁体38e1,38e2を回転型の絞り弁としたが、直動型の絞り弁など、他の形式のものを使用しても良い。以上は、排出油量調整弁38gに関しても同様である。
この発明の第1実施例に係る船外機の油圧装置を船体と共に全体的に示す概略図である。 図1に示す装置の部分説明側面図である。 図2に示すスイベルケース付近の拡大部分断面図である。 図2に示すスイベルケース付近の平面図である。 図2に示す操舵用油圧シリンダと油圧回路と油圧ポンプとを表す説明図である。 図2に示す操舵用油圧シリンダと油圧回路と油圧ポンプとを表す、図5と同様な説明図である。 図2に示す操舵用油圧シリンダと油圧回路と油圧ポンプとを表す、図5と同様な説明図である。 図5に示す供給油量調整弁と排出油量調整弁の開度制御処理を表すフローチャートである
符号の説明
10 船外機
18 スイベルシャフト(可動部材)
24 プロペラ
26 エンジン
34 クランク角センサ(エンジン回転数検出手段)
36 操舵用油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
36c 第1の油室
36b 第2の油室
38 油圧回路
38a 第1の供給路
38b 第2の供給路
38c 第1の排出路
38d 第2の排出路
38e 供給油量調整弁
38f 電磁ソレノイド(弁開度調整手段)
38g 排出油量調整弁
38h 電磁ソレノイド(弁開度調整手段)
40 油圧ポンプ
56 ECU(弁開度調整手段)

Claims (2)

  1. a.船外機のプロペラを駆動するエンジンと、
    b.前記エンジンの出力で駆動されて作動油を吐出する油圧ポンプと、
    c.前記油圧ポンプから吐出された作動油が供給される第1および第2の油室を有すると共に、前記第1および第2の油室に供給された作動油に応じて前記船外機の可動部材を駆動する油圧アクチュエータと
    d.前記油圧ポンプと前記油圧アクチュエータを接続する油圧回路と、
    を備えると共に、前記油圧回路が、
    e.前記第1および第2の油室に供給される作動油が通過する第1および第2の供給路と、
    f.前記第1および第2の油室から排出された作動油が通過する第1および第2の排出路と、
    g.前記第1および第2の供給路に配置されてそれぞれ前記作動油の流量を調整する2つの弁体を備える供給油量調整弁と
    h.前記第1および第2の排出路に配置されてそれぞれ前記作動油の流量を調整する2つの弁体を備える排出油量調整弁と、
    を有すると共に、前記第1の供給路と前記第2の供給路は前記供給油量調整弁よりも上流側で1本の油路に併合されて前記油圧ポンプの吐出口に接続され、前記第1の排出路と前記第2の排出路は前記排出油量調整弁よりも下流側で1本の油路に併合されて前記油圧ポンプの吸入口に接続されるように構成したことを特徴とする船外機の油圧装置。
  2. さらに、
    i.前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    および
    j.前記検出されたエンジン回転数に基づいて前記供給油量調整弁と前記排出油量調整弁の開度を調節する弁開度調節手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の船外機の油圧装置。
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