JP2006001508A - 船外機の操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】船体や船外機の大きさに関わらずステアリングホイールの操作荷重と最大転舵角を任意に設定して操作フィーリングを向上させると共に、船外機が最大操舵角まで操舵されたことを操縦者が容易に認識でき、さらには船体への取り付けが簡易な船外機の操舵装置を提供する。
【解決手段】ステアリングホイール(42)の操作荷重に付加されるべき荷重を発生してステアリングホイール(42)の操作荷重を調整する操作荷重調整機構(62)と、ステアリングホイール(42)の転舵角を検出する転舵角センサ(44)と、ステアリングホイール(42)の最大転舵角を設定する最大転舵角設定機構(64)とを備えると共に、操作荷重調整機構(62)と転舵角センサ(44)と最大転舵角設定機構(64)とをユニット化してステアリングユニット(60)を形成し、それをステアリングホイール(42)に取り付ける。
【選択図】図4

Description

この発明は、船外機の操舵装置に関する。
船外機の操舵装置として、従来、船体に配置されたステアリングホイールと船外機をプッシュプルケーブルを介して機械的に接続し、ステアリングホイールの回転をかかるケーブルで船外機に伝達して操舵するようにした技術が広く知られている(例えば特許文献1参照)。また、ステアリングホイールに油圧ポンプを接続すると共に、船外機の操舵軸に油圧アクチュエータを接続し、ステアリングホイールを転舵することによってかかる油圧ポンプを駆動して油圧アクチュエータを動作させ、よって船外機を操舵するようにした技術も知られている。
しかしながら、上記した従来の操舵装置にあっては、ステアリングホイールと船外機を機械的に接続するプッシュプルケーブルや、油圧ポンプが吐出した作動油を油圧アクチュエータに供給するための油路を船体に敷設する必要があることから、取り付け作業が煩雑であるという不具合があった。また、船体や船外機の大きさ、あるいは船速などの走行状態によってステアリングホイールの操作荷重が変動すると共に、ステアリングホイールの最大転舵角が船外機の最大操舵角に応じて変動するため、常に良好な操作フィーリングを得られるとは限らなかった。
そのような不具合を解決する技術として、近年、ステアリングホイールの転舵角をセンサで検出し、その検出値に基づいて船外機に配置された操舵用のアクチュエータを駆動する、即ち、ステアリングホイールと船外機の機械的な接続を断つようにした技術も提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開平8−324494号公報(段落0019、図1、図2など) 特開2002−187597号公報(段落0011,0025,0027、図1など)
しかしながら、上記した特許文献2に記載される従来技術にあっては、ステアリングホイールと船外機の機械的な接続が断たれるため、ステアリングホイールの操作荷重が過度に軽くなり、操作フィーリングの点で必ずしも満足することができないという不具合があった。また、ステアリングホイールと船外機の機械的な接続が断たれることから、船外機が最大操舵角まで操舵されたことを操縦者が認識し難いという不具合があった。
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、船体や船外機の大きさに関わらずステアリングホイールの操作荷重と最大転舵角を任意に設定して操作フィーリングを向上させると共に、船外機が最大操舵角まで操舵されたことを操縦者が容易に認識でき、さらには船体への取り付けが簡易な船外機の操舵装置を提供することにある。
上記の目的を解決するために、請求項1にあっては、船体に配置されたステアリングホイールの転舵角に応じ、船外機の操舵軸に接続されたアクチュエータを駆動して前記船外機を操舵する船外機の操舵装置において、前記ステアリングホイールの操作荷重に付加されるべき荷重を発生して前記ステアリングホイールの操作荷重を調整する操作荷重調整機構と、前記ステアリングホイールの転舵角を検出する転舵角センサと、前記ステアリングホイールの最大転舵角を設定する最大転舵角設定機構とを備えると共に、前記操作荷重調整機構と前記転舵角センサと前記最大転舵角設定機構とをユニット化して前記ステアリングホイールに取り付けるように構成した。
また、請求項2にあっては、前記操作荷重調整機構が、回転式の油圧ダンパおよび摩擦ブレーキの少なくともいずれかからなると共に、前記最大転舵角設定機構または前記ステアリングホイールの転舵軸に取り付けるように構成した。
また、請求項3にあっては、前記最大転舵角設定機構が、前記ステアリングホイールの転舵軸の回転を減速する減速ギヤ機構と、前記減速ギヤ機構の従動ギヤの回転を所定の角度で停止させるストッパとからなるように構成した。
請求項1に係る船外機の操舵装置にあっては、ステアリングホイールの操作荷重に付加されるべき荷重を発生してステアリングホイールの操作荷重を調整する操作荷重調整機構と、ステアリングホイールの転舵角を検出する転舵角センサと、ステアリングホイールの最大転舵角を設定する最大転舵角設定機構とを備えるように構成したので、船体や船外機の大きさに関わらずステアリングホイールの操作荷重と最大転舵角を任意に設定して操作フィーリングを向上させることができると共に、船外機が最大操舵角まで操舵されたことを操縦者が容易に認識することができる。さらに、操作荷重調整機構と転舵角センサと最大転舵角設定機構とをユニット化してステアリングホイールに取り付けるように構成したので、船体への取り付けが簡易である。
また、請求項2に係る船外機の操舵装置にあっては、操作荷重調整機構が、回転式の油圧ダンパおよび摩擦ブレーキの少なくともいずれかからなるように構成したので、上記した効果に加え、ステアリングホイールの操作荷重を簡素な構成で設定することができる。さらに、操作荷重調整機構を最大転舵角設定機構またはステアリングホイールの転舵軸に取り付けるように構成したので、操作荷重調整機構が発生した荷重の全てをステアリングホイールの操作荷重に確実に付加することができる。
また、請求項3に係る船外機の操舵装置にあっては、最大転舵角設定機構が、ステアリングホイールの転舵軸の回転を減速する減速ギヤ機構と、減速ギヤ機構の従動ギヤの回転を所定の角度で停止させるストッパとからなるように構成したので、上記した効果に加え、ステアリングホイールを1回転以上転舵可能とした場合であっても、その最大転舵角を簡素な構成で設定することができる。具体的には、ステアリングホイールが1回転以上転舵可能な場合であっても、その転舵軸の回転を減速する減速ギヤ機構を設け、従動ギヤの回転角が360°未満となるように設定することで、従動ギヤの最大回転角、即ち、ステアリングホイールの最大転舵角を設定するのに構成が簡素なストッパを使用することができ、よってステアリングホイールの最大転舵角を簡素な構成で設定することができる。
以下、添付図面に即してこの発明に係る船外機の操舵装置を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、この発明の第1実施例に係る船外機の操舵装置を船外機を中心に全体的に示す概略図であり、図2は図1の部分説明側面図である。
図1および図2において、符合10は船外機を示す。船外機10は、図2に示す如く、船体(船舶)12の後部に固定されたスターンブラケット14と、スターンブラケット14に取り付けられたスイベルケース16と、スイベルケース16に回動自在に収容されたスイベルシャフト18とを備え、それらを介して船体12に取り付けられる。
スイベルシャフト18は、スイベルケース16の内部に回動自在に収容されると共に、上部に固定されたマウントフレーム20を介して船外機10のフレーム10Aに接続される。また、スイベルケース16は、チルティングシャフト22を介してスターンブラケット14に取り付けられる。これにより、船外機10は、船体12およびスターンブラケット14に対し、スイベルシャフト18を回転軸として操舵自在とされると共に、チルティングシャフト22を回転軸としてチルトアップ・ダウンおよびトリムアップ・ダウン自在とされる。
スイベルケース16の上部には、船外機10の操舵角を調整するためアクチュエータ、具体的には、電動モータ26が配置される。また、スターンブラケット14とスイベルケース16の付近には、船外機10のチルト角とトリム角を調整するための公知のパワーチルトトリムユニット28が配置される。
図3は、図2に示すスイベルケース16付近の拡大部分断面図である。
図3に示すように、スイベルケース16の上部には電動モータ26と減速ギヤ機構30が配置され、電動モータ26の出力軸は、減速ギヤ機構30とマウントフレーム20を介して船外機10の操舵軸たるスイベルシャフト18に接続される。これにより、電動モータ26の回転出力によってスイベルシャフト18が回動され、よって船外機10が左右に操舵される。尚、船外機10の最大操舵角は、左操舵30°、右操舵30°である。
また、前記したパワーチルトトリムユニット28は、1本のチルト角度調整用の油圧シリンダ(以下「チルト用油圧シリンダ」という)28aと、2本の(図では1本のみ表れる)トリム角度調整用の油圧シリンダ(以下「トリム用油圧シリンダ」という)28bとを一体的に備える。
チルト用油圧シリンダ28aは、そのシリンダボトムがスターンブラケット14に接続されると共に、ロッドヘッドがスイベルケース16に接続させられる。また、トリム用油圧シリンダ28bは、そのシリンダボトムがスターンブラケット14に接続されると共に、ロッドヘッドがスイベルケース16に当接される。これにより、チルト用油圧シリンダ40aあるいはトリム用油圧シリンダ40bを駆動する(伸縮させる)ことで、チルティングシャフト22を回転軸としてスイベルケース16が回動され、よって船外機10がチルトアップ・ダウンあるいはトリムアップ・ダウンされる。
図2の説明に戻ると、船外機10の上部には、内燃機関(以下「エンジン」という)32が搭載される。エンジン32は火花点火式の直列4気筒で2200ccの排気量を備える4サイクルガソリンエンジンからなる。また、エンジン32の付近には、マイクロコンピュータからなる電子制御ユニット(以下「ECU」という)34が配置される。前記した電動モータ26とパワーチルトトリムユニット28は、それぞれ信号線26L,28Lを介してECU34に接続される。
一方、船外機10の下部には、プロペラ36とラダー38が設けられる。プロペラ36は、図示しないクランクシャフト、ドライブシャフト、ギヤ機構およびシフト機構を介してエンジン32の動力が伝達されて回転し、船体12を前進あるいは後進させる。
図1に示す如く、船体12の操縦席付近にはステアリングホイール42が配置される。ステアリングホイール42の最大転舵角は、左転舵540°(1.5回転)、右転舵540°(1.5回転)である。即ち、ステアリングホイール42は、ロック・トゥ・ロックが1080°(3回転)に設定される。また、ステアリングホイール42の付近には、転舵角センサ44が配置される。転舵角センサ44は、具体的にはロータリエンコーダからなり、操縦者によって入力されたステアリングホイール42の転舵角(操作量)に応じた信号を出力する。
操縦席付近には、さらにシフトレバー46とスロットルレバー48が配置される。シフトレバー46とスロットルレバー48は、それぞれプッシュプルケーブルを介してエンジン32のシフト機構とスロットルバルブ(図示せず)に接続される。即ち、シフトレバー46が操作されることによってシフト機構が動作し、船体12の進行方向が切り換えられる。また、スロットルレバー48が操作されることによってスロットルバルブが開閉してエンジン回転数が調整され、船体12の船速が調整される。
さらに、操縦席付近には、船外機10のチルト角の調整指示を入力するパワーチルトスイッチ50と、トリム角の調整指示を入力するパワートリムスイッチ52が配置される。各スイッチ50,52は、操縦者によって入力された船外機10のチルトアップ・ダウンおよびトリムアップ・ダウンの指示に応じた信号を出力する。上記した転舵角センサ44、パワーチルトスイッチ50およびパワートリムスイッチ52は、それぞれ信号線44L,50L,52Lを介してECU32に接続される。
ECU34は、信号線44L,50L,52Lを介して入力された転舵角センサ44、パワーチルトスイッチ50およびパワートリムスイッチ52の出力に基づき、電動モータ26を駆動して船外機10の操舵角を調整すると共に、パワーチルトトリムユニット28を駆動して船外機10のチルト角とトリム角を調整する。
図4は、ステアリングホイール42付近の断面図である。
図4に示すように、ステアリングホイール42には、その転舵軸であるステアリングシャフト42Sが接続され、ステアリングシャフト42Sにはステアリングユニット60が接続される。ステアリングユニット60は、ステアリングホイール42の操作荷重に付加されるべき荷重を発生してステアリングホイール42の操作荷重を調整する操作荷重調整機構62と、前記した転舵角センサ44と、ステアリングホイール42の最大転舵角を設定する最大転舵角設定機構64とがユニット化(一体化)されてなり、船体12のダッシュボード12Dに取り付けられる。
図5は、図4のV−V線断面図であり、図6は図4のVI−VI線断面図である。尚、図4は、詳しくは、図5に示すIV−IV線におけるステアリングユニット60の断面図である。以下、図4から図6を参照してステアリングユニット60について具体的に説明する。
図4に示すように、ステアリングシャフト42Sは、ステアリングユニット60の内部において最大転舵角設定機構64に接続される。最大転舵角設定機構64は、ステアリングシャフト42Sの回転を減速する減速ギヤ機構64aと、減速ギヤ機構64aの従動ギヤの回転を所定の角度で停止させるストッパ64bとからなる。
減速ギヤ機構64aは、図4および図5に示す如く、2個の平歯車を組み合わせてなる。具体的には、減速ギヤ機構64aは、ステアリングシャフト42Sに設けられた原動ギヤ64a1と、ステアリングユニット60内に回転自在に支持されたシャフト66に設けられた従動ギヤ64a2とから構成される。従動ギヤ64a2には、凸状のストッパ64bが1個設けられる。また、ステアリングユニット60の内壁には、ストッパ64bに当接されるべきストッパ当接部68が1個突設される。従って、従動ギヤ64a2の回転は、ストッパ64bがストッパ当接部68に当接する位置で停止させられる。そのため、従動ギヤ64a2は、1回転(正確には、360°からストッパ64bとストッパ当接部68の厚さに相当する角度を差し引いた回転角)以上回転することはできない。
ここで、原動ギヤ64a1と従動ギヤ64a2の減速比(原動ギヤ64a1の回転数/従動ギヤ64a2の回転数)は、希望するステアリングホイール42のロック・トゥ・ロックまでの転舵角を360°で除して得た値以上に設定される。これにより、従動ギヤ64a2に設けられたストッパ64bとそれに当接されるべきストッパ当接部68という簡素な構成でステアリングホイール42の最大転舵角を任意に設定することができる。
尚、上記で原動ギヤ64a1と従動ギヤ64a2の減速比を、希望するステアリングホイール42のロック・トゥ・ロックまでの転舵角を360°で除して得た値「以上」としたのは、前述の如く、従動ギヤ64a2は正確には360°からストッパ64bとストッパ当接部68の厚さに相当する角度を差し引いた回転角しか回転することができない、即ち、ステアリングホイール42のロック・トゥ・ロックまでの転舵角を除す値は、正確には360°未満になるためである。この実施例にあっては、ストッパ64bとストッパ当接部68の厚さの合計を、角度に換算した際におよそ28°となるように設定すると共に、減速比を3.25に設定することで、ステアリングホイール42のロック・トゥ・ロックまでの転舵角を前記した1080°に設定した。
図4の説明を続けると、最大転舵角設定機構64の減速ギヤ機構64aには、操作荷重調整機構62が取り付けられる。操作荷重調整機構62は、シャフト66の回転を減速する減速ギヤ機構62aと、減速ギヤ機構62aを介して最大転舵角設定機構64の減速ギヤ機構64aに取り付けられる(接続される)回転式の油圧ダンパ62bとからなる。
減速ギヤ機構62aは、図4および図6に示すように、シャフト66に設けられた原動ギヤ(平歯車)62a1と、ステアリングユニット60内に回転自在に支持された別のシャフト68に設けられた従動ギヤ(扇型の平歯車)62a2とからなる。
シャフト68の上部には、転舵角センサ44が配置される。転舵角センサ44は、シャフト68の回転角を検出し、ステアリングホイール42の転舵角に相当する値として出力する。
また、シャフト68の下端には、油圧ダンパ62bが取り付けられる。図7は、油圧ダンパ62bの説明図である。
図7に示すように、油圧ダンパ62bは、オイルが封入された油室70aと、油室70aに揺動自在に収容されて油室70aの内部を2つの油室に分割するベーン70bと、後述する油路およびその途中に配置されたバルブ類から構成される。以下、ベーン70bによって分割された油室のうち、紙面右側の油室を「第1の油室」と呼び、符号70a1で示す。同様に、紙面左側の油室を「第2の油室」と呼び、符合70a2で示す。
ベーン70bの回転軸には、図4に示すように、上記したシャフト68が接続される。即ち、ステアリングホイール42が転舵されることにより、上記した減速ギヤ機構64aと減速ギヤ機構62aを介してベーン70bが揺動させられる。以下では、ステアリングホイール42が左転舵されたときにベーン70bが第1の油室70a1が狭められる方向に揺動され、ステアリングホイール42が右転舵されたときにベーン70bが第2の油室70a2が狭められる方向に揺動されるものとして説明する。
尚、ベーン70bの振れ角は、右回りに35°、左回りに35°の計70°に設定される。従って、上記した原動ギヤ62a1と従動ギヤ62a2の減速比は、原動ギヤ62a1の回転角(360°−28°)を70°で除して得た値(およそ4.74)に設定される。
以下、図7を参照して油圧ダンパ62bの動作について説明する。ステアリングホイール42が左転舵されてベーン70bが第1の油室70a1が狭められる方向に揺動されると、図に破線の矢印で示す如く、第1の油室70a1に封入されたオイルは油路70cに流入し、その途中に配置されたチェックバルブ70dを通過してソレノイドバルブ70eに至る。そして、ソレノイドバルブ70eを通過したオイルは、油路70fに流入してその途中に配置されたチェックバルブ70gを通過した後、第2の油室70a2に流入する。
一方、ステアリングホイール42が右転舵されてベーン70bが第2の油室70a2が狭められる方向に揺動されると、図に一点鎖線の矢印で示す如く、第2の油室70a2に封入されたオイルは油路70hに流入し、その途中に配置されたチェックバルブ70iを通過してソレノイドバルブ70eに至る。そして、ソレノイドバルブ70eを通過したオイルは、油路70jに流入してその途中に配置されたチェックバルブ70kを通過した後、第1の油室70a1に流入する。
尚、操縦者によるステアリングホイール42の転舵トルクが大きく、油路70cあるいは油路70h内の油圧が所定値を上回ったときは、ソレノイドバルブ70eをバイパスして配置されたリリーフバルブ70lが開弁し、オイルの流量が増加される。また、図で符号70nは、オイルのキャビテーションを防止するためのフリーピストンである。
このように、ベーン70bが揺動されることにより、一方の油室に封入されたオイルはソレノイドバルブ70eを通過して他方の油室に流入する。即ち、ソレノイドバルブ70eを通過するオイルの流動抵抗に応じたベーン70bの操作荷重が、ステアリングホイール42の操作荷重に付加され、よってステアリングホイール42の操作荷重が増加方向に調整される。
尚、ソレノイドバルブ70eの開口面積は、操縦者が図示しないスイッチを操作してリニアソレノイド70pを動作させることにより、調整自在とされる。従って、ステアリングホイール42の操舵荷重を、操縦者の好みに応じて設定することができる。
このように、この発明の第1実施例に係る船外機の操舵装置にあっては、ステアリングホイール42の操作荷重に付加されるべき荷重を発生してステアリングホイール42の操作荷重を調整する操作荷重調整機構62と、ステアリングホイール42の転舵角を検出する転舵角センサ44と、ステアリングホイール42の最大転舵角を設定する最大転舵角設定機構64とを備えるようにしたので、船体12や船外機10の大きさに関わらずステアリングホイール42の操作荷重と最大転舵角を任意に設定して操作フィーリングを向上させることができると共に、船外機10が最大操舵角まで操舵されたことを操縦者が容易に認識することができる。
また、操作荷重調整機構62と転舵角センサ44と最大転舵角設定機構64とをユニット化してステアリングユニット60を形成し、それをステアリングホイール42に取り付けるようにしたので、船体12への取り付けが簡易である。
また、操作荷重調整機構62が、回転式の油圧ダンパ62bからなるようにしたので、ステアリングホイール42の操作荷重を簡素な構成で設定することができる。また、油圧ダンパ62bを減速ギヤ機構62aを介して最大転舵角設定機構64の減速ギヤ機構64aに取り付ける(接続する)ようにしたので、油圧ダンパ62bが発生した荷重の全てをステアリングホイール42の操作荷重に確実に付加することができる。
また、最大転舵角設定機構64が、ステアリングホイール42のステアリングシャフト42Sの回転を減速する減速ギヤ機構64aと、減速ギヤ機構64aの従動ギヤ64a2の回転を所定の角度で停止させるストッパ64bとからなるようにしたので、ステアリングホイール42を1回転以上転舵可能とした場合であっても、その最大転舵角を簡素な構成で設定することができる。
次いで、この発明の第2実施例に係る船外機の操舵装置について説明する。
図8は、第2実施例に係る船外機の操舵装置のうち、ステアリングホイール付近を示す平面図である。
図8に示す如く、ステアリングホイール42のステアリングシャフト42Sには、第2実施例に係るステアリングユニット80が接続される。第1実施例と第2実施例との相違点はステアリングユニットの構造にあるので、以下、ステアリングユニット80について詳説する。尚、従前と同様な構成については同一の符号を付す。
図9は、図8のIX−IX線断面図である。また、図10は、図9のX−X線断面図である。
図9および図10に示すように、ステアリングユニット80は、ステアリングホイール42の操作荷重に付加されるべき荷重を発生してステアリングホイール42の操作荷重を調整する操作荷重調整機構62b,82と、転舵角センサ44と、ステアリングホイール42の最大転舵角を設定する最大転舵角設定機構84とがユニット化(一体化)されてなり、船体12のダッシュボード12Dに取り付けられる。
ステアリングシャフト42Sは、ステアリングユニット80の内部において最大転舵角設定機構84に接続される。最大転舵角設定機構84は、ステアリングシャフト42Sの回転を減速する減速ギヤ機構84aと、ストッパ84bとからなる。
減速ギヤ機構84aはウォームギヤからなり、具体的には、ステアリングシャフト42Sに設けられた原動ギヤ(ウォーム)84a1と、ステアリングユニット80内に回転自在に支持されたシャフト86に設けられた扇型の従動ギヤ(ウォームホイール)84a2とからなる。尚、原動ギヤ84a1と従動ギヤ84a2の減速比は、15から20程度に設定される。
また、ステアリングユニット80の内部において従動ギヤ84a2の回転軌跡上には、従動ギヤ84a2の回転を所定の角度で停止させるべき2個のストッパ84bが設けられる。従動ギヤ84a2の回転は、扇型の部位の端部がストッパ84bに当接する位置で停止させられる。従って、原動ギヤ84a1と従動ギヤ84a2の減速比と2個のストッパ84bの位置(即ち、従動ギヤ84a2の回転角)を適宜設定することにより、ステアリングホイール42の最大転舵角を任意に設定することができる。
シャフト86の上部には、転舵角センサ44が配置される。転舵角センサ44は、シャフト86の回転角を検出し、ステアリングホイール42の転舵角に相当する値として出力する。また、シャフト86の下端には、操作荷重調整機構の一つとして油圧ダンパ62bが取り付けられる。油圧ダンパ62bの構成は第1実施例で述べた通りであるので、説明を省略する。尚、第2実施例にあっては、最大転舵角設定機構84の減速ギヤ機構84aによってステアリングシャフト42Sの回転が十分に減速されていることから、第1実施例で説明した減速ギヤ機構62a2は設けられない(即ち、2次減速は行われない)。
また、図10に示すように、ステアリングシャフト42Sの下端付近には、操作荷重調整機構の一つとしてフリクション発生機構(摩擦ブレーキ)82が取り付けられる。
図11は、図10のXI−XI線断面図である。
図10および図11に示す如く、フリクション発生機構82は、ブレーキパッド82aを備える。ブレーキパッド82aは、POM樹脂材から形成されると共に、ステアリングシャフト42Sに押圧される。即ち、ブレーキパッド82aとステアリングシャフト42Sとの機械的なフリクション(摩擦力)により、ステアリングホイール42の操作荷重が増加方向に調整される。
また、フリクション発生機構82には、ステアリングシャフト42Sに対するブレーキパッド82aの押圧力を調整自在なねじ82bが設けられる。これにより、操縦者は、ブレーキパッド82aとステアリングシャフト42Sとのフリクションの大きさ、即ち、ステアリングホイール42の操作荷重を手動で任意に設定することができる。
尚、残余の構成は第1実施例と同様であるので、説明を省略する。
このように、第2実施例に係る船外機の操舵装置にあっては、ステアリングホイール42の操作荷重に付加されるべき荷重を発生してステアリングホイール42の操作荷重を調整する操作荷重調整機構62b,82と、ステアリングホイール42の転舵角を検出する転舵角センサ44と、ステアリングホイール42の最大転舵角を設定する最大転舵角設定機構84とを備えるようにしたので、第1実施例と同様に、船体12や船外機10の大きさに関わらずステアリングホイール42の操作荷重と最大転舵角を任意に設定して操作フィーリングを向上させることができると共に、船外機10が最大操舵角まで操舵されたことを操縦者が容易に認識することができる。
また、操作荷重調整機構62b,82と転舵角センサ44と最大転舵角設定機構84とをユニット化してステアリングユニット80を形成し、それをステアリングホイール42に取り付けるようにしたので、船体12への取り付けが簡易である。
また、操作荷重調整機構が油圧ダンパ62bとフリクション発生機構82とからなるようにしたので、ステアリングホイール42の操作荷重を簡素な構成で設定することができる。また、油圧ダンパ62bを最大転舵角設定機構84の減速ギヤ機構84aに取り付けると共に、フリクション発生機構82をステアリングシャフト42Sに取り付けるようにしたので、油圧ダンパ62bやフリクション発生機構82が発生した荷重の全てをステアリングホイール42の操作荷重に確実に付加することができる。
また、最大転舵角設定機構84が、ステアリングホイール42のステアリングシャフト42Sの回転を減速する減速ギヤ機構84aと、減速ギヤ機構84aの従動ギヤ84a2の回転を所定の角度で停止させるストッパ84bとからなるようにしたので、ステアリングホイール42を1回転以上転舵可能とした場合であっても、その最大転舵角を簡素な構成で設定することができる。
以上の如く、この発明の第1および第2実施例にあっては、船体(12)に配置されたステアリングホイール(42)の転舵角に応じ、船外機(10)の操舵軸(スイベルシャフト18)に接続されたアクチュエータ(電動モータ26)を駆動して前記船外機(10)を操舵する船外機の操舵装置において、前記ステアリングホイール(42)の操作荷重に付加されるべき荷重を発生して前記ステアリングホイール(42)の操作荷重を調整する操作荷重調整機構(62,82)と、前記ステアリングホイール(42)の転舵角を検出する転舵角センサ(44)と、前記ステアリングホイール(42)の最大転舵角を設定する最大転舵角設定機構(64,84)とを備えると共に、前記操作荷重調整機構(62,82)と前記転舵角センサ(44)と前記最大転舵角設定機構(64,84)とをユニット化して前記ステアリングホイール(42)に取り付けるように構成した。
また、前記操作荷重調整機構が、回転式の油圧ダンパ(62b)および摩擦ブレーキ(フリクション発生機構82)の少なくともいずれかからなると共に、前記最大転舵角設定機構(64,84)または前記ステアリングホイールの転舵軸(42S)に取り付けるように構成した。
また、前記最大転舵角設定機構(64,84)が、前記ステアリングホイールの転舵軸(42S)の回転を減速する減速ギヤ機構(64a,84a)と、前記減速ギヤ機構(64a,84a)の従動ギヤ(64a2,84a2)の回転を所定の角度で停止させるストッパ(64b,84b)とからなるように構成した。
尚、第1実施例において、操作荷重調整機構を油圧ダンパとしたが、第2実施例で述べたフリクション発生機構としても良い。また、第2実施例では操作荷重調整機構として油圧ダンパとフリクション発生機構の両方を用いたが、いずれか一方でも良い。
また、減速ギヤ機構を平歯車またはウォームギヤから構成したが、他の歯車を使用しても良い。さらに、最大転舵角や減速比などの具体例を挙げたが、それらは例示であり、記載した値に限定されるものではない。
この発明の第1実施例に係る船外機の操舵装置を船外機を中心に全体的に示す概略図である。 図1に示す装置の部分説明側面図である。 図2に示すスイベルケース付近の拡大部分断面図である。 図1に示すステアリングホイール付近の断面図である。 図4のV−V線断面図である。 図4のVI−VI線断面図である。 図4に示す油圧ダンパの説明図である この発明の第2実施例に係る船外機の操舵装置のうち、ステアリングホイール付近を示す平面図である。 図8のIX−IX線断面図である。 図9のX−X線断面図である。 図10のXI−XI線断面図である。
符号の説明
10 船外機
12 船体
26 電動モータ(アクチュエータ)
42 ステアリングホイール
42S ステアリングシャフト(転舵軸)
44 転舵角センサ
62 操作荷重調整機構
62b 油圧ダンパ
64 最大転舵角設定機構
64a 減速ギヤ機構
64a2 従動ギヤ
64b ストッパ
82 操作荷重調整機構(フリクション発生機構(摩擦ブレーキ))
84 最大転舵角設定機構
84a 減速ギヤ機構
84a2 従動ギヤ
84b ストッパ

Claims (3)

  1. 船体に配置されたステアリングホイールの転舵角に応じ、船外機の操舵軸に接続されたアクチュエータを駆動して前記船外機を操舵する船外機の操舵装置において、
    前記ステアリングホイールの操作荷重に付加されるべき荷重を発生して前記ステアリングホイールの操作荷重を調整する操作荷重調整機構と、前記ステアリングホイールの転舵角を検出する転舵角センサと、前記ステアリングホイールの最大転舵角を設定する最大転舵角設定機構とを備えると共に、前記操作荷重調整機構と前記転舵角センサと前記最大転舵角設定機構とをユニット化して前記ステアリングホイールに取り付けるように構成したことを特徴とする船外機の操舵装置。
  2. 前記操作荷重調整機構が、回転式の油圧ダンパおよび摩擦ブレーキの少なくともいずれかからなると共に、前記最大転舵角設定機構または前記ステアリングホイールの転舵軸に取り付けられることを特徴とする請求項1記載の船外機の操舵装置。
  3. 前記最大転舵角設定機構が、前記ステアリングホイールの転舵軸の回転を減速する減速ギヤ機構と、前記減速ギヤ機構の従動ギヤの回転を所定の角度で停止させるストッパとからなることを特徴とする請求項1または2記載の船外機の操舵装置。
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