JP4526519B2 - 茹で卵の製造方法並びにその製造装置並びにその使用方法 - Google Patents

茹で卵の製造方法並びにその製造装置並びにその使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、茹で卵の製造手法に関するものであって、例えば卵(生卵)を過熱蒸気によって加熱調理することにより採れたその日の卵でも茹で卵の殻(卵殻膜)を綺麗に剥くことができたり、飽和蒸気によって卵を加熱調理することにより温泉卵を工業的に能率良く製造することができる新規な茹で卵の製造手法に係るものである。
茹で卵を工業的に生産するにあたっては、幾つかの手法が知られており、例えば熱湯もしくは温湯中に生卵を投入して加熱調理する手法(以下、「湯せん」とする)や、卵に蒸気や遠赤外線を当てて加熱調理する手法等がある(例えば特許文献1〜5参照)。そして、これら特許文献は、湯せん、蒸気、遠赤外線による加熱手法を複数組み合わせたものが多いが、これは裏を返せば各調理法を単独で見た場合、それぞれに欠点があることを意味している。
例えば、湯せんによる加熱手法は、多くの卵を一挙に調理する場合、卵一つずつに多少、大きさの差があっても、全体的に均一な状態の茹で卵が得られるという利点はあるが、微妙な温度管理が難しいことや、急激な温度上昇によって卵に割れを生じることが多いなどの欠点がある。
また、蒸気による加熱手法も、茹で卵としての仕上がり状態にバラツキが少ないなどの利点はあるものの、100℃に近い蒸気を一気に当てると割れが発生し易いという欠点があるため、加圧下で蒸気を当てることも行われているが、これには処理室を耐圧構造にする必要があるなど、コスト上昇を招くという問題があった。
更にまた、遠赤外線による加熱手法は、湯(水)を使用しない点で好都合であるが、一般に遠赤外線は被照射物(卵)に深く浸透するため、湿分やしっとり感が不足し、全体的にパサパサした茹で卵になり易いという欠点があった。また、遠赤外線による加熱手法は、卵の微妙な大きさの差や、装置内の場所によって仕上がり状態にムラが生じ易く、この点も問題であった。
また、上述した調理方法は、いずれも生みたて(採れたて)の新鮮卵を倉庫で1週間程、保存(保管)してから加熱調理に供していた。これは、新鮮卵を保存せずに調理した場合には、茹で卵の状態で、卵殻膜が卵白と強固に密着し、殻(卵殻膜)を剥く際に、卵殻膜と一緒に卵白が取れて、茹で卵の表面のなめらかさが損なわれ、ぼろぼろになることがあるためである。当然、このような茹で卵は、全く商品価値がなくなってしまう。
このようなことから、従来は、卵を採卵すると、しばらくの間、保存していたが、これには倉庫費用が掛かり問題となっていた。逆に言えば、従来、綺麗な茹で卵を得るためには、生卵をある期間保存しておくことが必要不可欠と考えられていたのである。
また、従来の茹で卵の製造ラインは、上述したどの調理手法においても、距離的に一様に長い製造ライン(処理室)となり、この点でも改善の余地があった。
特開2004−81041号公報 特開平11−253133号公報 特開2002−165581号公報 特開2003−180297号公報 特開平11−46725号公報
本発明は、このような背景を認識してなされたものであって、例えば過熱蒸気により卵を調理することによって、採れたその日の卵でも、綺麗に殻が剥けるようにした新規な茹で卵の製造手法であり、製造ラインを短縮できるとともに調理にあたって特にバッチ処理のような加圧が必要なく連続的に調理が行え、極めて生産効率の高い製造手法の開発を試みたものである。
請求項1記載の茹で卵の製造方法は、
卵に加熱処理を施して茹で卵を製造する方法であって、
前記卵に施す加熱処理は、処理蒸気として過熱蒸気を用い、特に加圧を行わない閉鎖状態の処理室内で行うものであり、
また、この処理室は、卵をほぼ水平に移送しながら加熱処理を施す処理エリアが、高さ方向に複数積層されて成り、且つ各処理エリアの境界部には、過熱蒸気を噴出するフラット状のノズルを設け、各処理エリアを仕切るように形成し、これにより下方の処理エリアから上方の処理エリアに行くに従って雰囲気温度を徐々に高め得るように形成するものであり、
卵は、順次、下方の処理エリアから上方の処理エリアに送られて加熱処理が進行することを特徴として成るものである。
また請求項記載の茹で卵の製造方法は、前記請求項記載の要件に加え、
前記閉鎖状態に形成される処理室は、卵を処理室内に送る投入口と、処理を終えた茹で卵を処理室から取り出す取出口とを水面下に形成し、処理室内をウォーターシールするようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項記載の茹で卵の製造方法は、前記請求項1または2記載の要件に加え、
前記過熱蒸気によって加熱される卵は、新鮮卵が適用されることを特徴として成るものである。
更にまた請求項記載の茹で卵の製造装置は、
卵を加熱調理する処理室と、
この処理室内に処理蒸気を供給する処理蒸気供給部と、
処理室に卵を通すように搬送する搬送装置とを具え、
処理室内に搬送した卵に処理蒸気を作用させて茹で卵を製造するようにした装置であって、
前記処理室は、卵をほぼ水平に移送しながら加熱処理を施す処理エリアが、高さ方向に複数積層されて成り、且つ下方の処理エリアから上方の処理エリアに行くほど雰囲気温度を高めるべく、各処理エリアの境界部に、処理蒸気を噴出するフラット状のノズルが、仕切り状に設けられて成り、
卵は、順次、下方の処理エリアから上方の処理エリアに送られて加熱処理がなされることを特徴として成るものである。
また請求項記載の茹で卵の製造装置は、前記請求項記載の要件に加え、
前記搬送装置は、揺動自在のテーブルを具えて成り、卵はこのテーブルに直接または間接的に載置され、処理室内を通過するようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項記載の、茹で卵の製造装置の使用方法は、
卵を加熱調理する処理室と、
この処理室内に処理蒸気を供給する処理蒸気供給部と、
処理室に卵を通すように搬送する搬送装置とを具え、
処理室内に搬送した卵に処理蒸気を作用させて茹で卵を製造する装置を使用するにあたり、
前記処理室は、卵をほぼ水平に移送しながら加熱処理を施す処理エリアが、高さ方向に複数積層されて成り、且つ下方の処理エリアから上方の処理エリアに行くほど雰囲気温度を高めるべく、各処理エリアの境界部に、処理蒸気を噴出するフラット状のノズルが、仕切り状に設けられて成り、
卵は、順次、下方の処理エリアから上方の処理エリアに送られて加熱処理がなされるものであって、
前記茹で卵として全熟卵や半熟卵の状態のものを得る場合には、処理蒸気として過熱蒸気を処理室内に供給して、卵を加熱調理するものであり、
また前記茹で卵として温泉卵を得る場合には、処理蒸気として飽和蒸気を処理室内に供給して、卵を加熱調理するようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項記載の、茹で卵の製造装置の使用方法は、前記請求項6記載の要件に加え、
前記茹で卵として温泉卵を得る場合には、処理室内への飽和蒸気の供給を間欠的に行うようにしたことを特徴として成るものである。
また請求項記載の、茹で卵の製造装置の使用方法は、前記請求項6または7記載の要件に加え、
前記茹で卵として温泉卵を得る場合には、処理室内の空気を撹拌するようにしたことを特徴として成るものである。
これら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
すなわち請求項1記載の発明によれば、卵の加熱手段が過熱蒸気であるため、採れたその日の新鮮な卵でも対応でき、茹で卵にした場合に殻を綺麗に剥くことができる。また、このため今までは採卵した卵をある期間、保存しておく必要があったが、そのために要していた倉庫費用を解消することができ、茹で卵の工業生産をより安価に且つ能率的に行うことができる。
また、処理室は、室内を特に加圧するものではないため、製造設備がシンプルに構築でき、製造の際の管理も容易に行え、連続生産に極めて適する。逆に言えば、茹で卵を製造する際、レトルトのような高温高圧釜を用いると、決められた数量ずつ卵を入れて調理するバッチ処理が一般的となるため、連続生産には不向きとなる。しかしながら、本発明では特に加圧を要しないため、イニシャルコスト、ランニングコストを抑えた連続生産が可能となり、大量生産により適した形態が採り得る。
また、処理室は、複数の処理エリアを積層した構造を採るため、従来の水平搬送のみによる構成に比べ、装置の全長を短縮でき、省スペース化を達成する。因みに従来の水平搬送のみの装置では、概ね10m程度の長さとなるのに対し、本発明では3〜4m程度の長さに形成できる。もちろん、装置高さは、全体的に高くなるが、一般に工場(食品工場)は、上方にスペースがあるため、工場内スペースを有効に活用できる。
また、複数の処理エリアを積層する構成は、処理室内の温度を下方の処理エリアから徐々に上げて行き易いという効果もある。
また、各処理エリアの境界部にフラット状のノズルを仕切り状に設けるため、各処理エリアに簡易遮断性を付与することができ、下方の処理エリアから徐々に温度を高めて行く処理室が形成し易い。なお、このような構成は、調理中の卵を徐々に加温して行くことができ、ヒートショックによる卵の割れや変性を極力抑えることができる。
また請求項記載の発明によれば、処理室をウォーターシールするため、卵を加熱調理した過熱蒸気の余熱(廃熱)を徹底して回収できる。すなわち、加熱調理後の過熱蒸気は、水との接触により湯(水)となるため、ウォーターシール構造は、過熱蒸気の余熱を温水という形で回収でき、例えばこの温水を投入口において卵にシャワーリングすれば、調理前に卵を予備加熱したり洗浄したりすることができ、徹底した熱の再利用が図れる。
また、ウォーターシール構造は、加熱調理にあたり処理室内の内圧を幾らか高めることができ、言わば簡易圧力鍋の構造が採れるため、調理時間を短縮することや加圧程度の調整等により種々の調理形態が採り得る。
また請求項記載の発明によれば、茹で卵にした場合に殻が剥きにくかった新鮮卵を調理対象とするが、過熱蒸気によって加熱するため、茹で卵の殻を綺麗に剥くことができる。このため今まで採卵した卵は、ある期間、保存していたが、そのために要していた倉庫費用を解消することができ、工業的な茹で卵の生産をより安価に且つ能率的に行うことができる。なお、ここでの「新鮮卵」とは、いわゆる生みたてないしは採れたての卵であり、卵白に多くの炭酸ガスを含むために、通常の湯せん等による調理手法では、茹で卵(全熟卵)にした場合に、殻が極めて剥きにくい卵を指すものである。
また請求項4または6記載の発明によれば、卵に作用させる蒸気を適宜過熱蒸気もしくは飽和蒸気とすることで、同一の装置でも異なった状態の茹で卵、例えば全熟卵や温泉卵を得ることができる。
また処理室は、複数の処理エリアを積層した構造を採るため、従来の水平搬送のみによる構成に比べ、装置の全長を短縮でき、省スペース化を達成する。因みに従来の水平搬送のみの装置では、概ね10m程度の長さとなるのに対し、本発明では3〜4m程度の長さに形成できる。もちろん、装置高さは、全体的に高くなるが、一般に工場(食品工場)は、上方にスペースがあるため、工場内スペースを有効に活用できる。
また、複数の処理エリアを積層する構成は、処理室内の温度を下方の処理エリアから徐々に上げて行き易いという効果もある。
また、各処理エリアの境界部にフラット状のノズルを仕切り状に設けるため、各処理エリアに簡易遮断性を付与することができ、下方の処理エリアから徐々に温度を高めて行く処理室が形成し易い。なお、このような構成は、調理中の卵を徐々に加温して行くことができ、ヒートショックによる卵の割れや変性を極力抑えることができる。
また請求項記載の発明によれば、揺動自在のテーブルに載せて卵を処理室に搬送するため、卵を水平移送から上昇移送または下降移送に切り換える場合や、移送路を傾斜させる場合等にあっても、常に卵やテーブルの正立姿勢を維持でき、安定的な卵の自動搬送を可能とする。
また請求項記載の発明によれば、卵に飽和蒸気を間欠的に作用させて温泉卵をつくるため、仕上がり状態が均一な温泉卵を安定して製造することができる。
また請求項記載の発明によれば、温泉卵をつくる際には、処理室内の空気を撹拌するため、どの卵にも飽和蒸気をほぼ均一に作用させることができ、より品質の安定した温泉卵を製造することができる。
本発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例に述べるものをその一つとするとともに、更にその技術思想内において改良し得る種々の手法を含むものである。
本発明は、卵(生卵)Wを処理蒸気Sによって加熱し、茹で卵W1に調理する技術であり、処理蒸気Sとしては飽和蒸気または過熱蒸気が適用できる(いずれも処理蒸気と同じ符号Sを付して示す)。因みに飽和蒸気Sとは、常圧下の場合、沸点の100℃を示す蒸気であり、過熱蒸気Sとは、常圧下の場合、100℃(沸点)以上に熱せられた蒸気である。
そして卵Wに過熱蒸気Sを作用させて茹で卵W1をつくった場合には、生みたての卵W(新鮮卵)でも茹で卵W1の殻(卵殻膜)が綺麗に剥けるものであり、その理由は、過熱蒸気Sによって、卵白に元々含まれていた炭酸ガスが抜けるためだと考えられる。すなわち、殻の剥き易さは、卵白のpH(ペーハー)に起因しており、卵白のpHが低い場合に剥きにくく、高い場合に剥き易いものである。つまり生みたての卵Wは、炭酸ガスを多く含んでおり、pHが低い状態となっているために、殻が剥きにくいものである。逆に言えば、従来、採れたての卵Wを、ある期間保存していたのは、卵白中の炭酸ガスを蒸散させて、pHが高まって殻が剥き易くなるのを待っていたのである。なお、卵白pHが低いと、茹で卵W1の殻が剥きにくいのは、加熱により卵殻膜と卵白の癒着が発生するためである。
また、炭酸ガスが卵白に多く含まれることにより、卵白の凝固が通常よりもできにくいのに対し、過熱蒸気Sの高温により炭酸ガスが抜けると同時に、タンパク変性(凝固)が進むものと思われる。
なお、本発明でいう「茹で卵W1」とは、種々の状態のものが該当し、例えば全熟卵、半熟卵、温泉卵等が挙げられる。因みに、全熟卵とは、卵黄・卵白ともに固まった、いわゆる「固茹で卵」であり、半熟卵は、卵白だけが固まり、卵黄が完全に凝固していない状態もしくは、ほとんど生の状態のものをいう。また、温泉卵は、卵黄が形を保ったゲル状に固まり、卵白が形を保たず、流動性を有した柔らかい状態のものをいう。なお温泉卵は、卵黄と卵白の凝固温度の違いを利用してつくるものであり、卵白は80℃位で硬く固まり、卵黄は65〜70℃位で凝固するものである。
また、本発明で調理対象となる卵Wは、鶏の卵(鶏卵)が一般的であるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、他にも、うずら、あひる、ほろほろちょう、七面鳥等、種々の鳥卵を調理対象とすることが可能である。もちろん、例えば半熟卵など同じ状態の茹で卵W1をつくる場合でも、卵Wの種類や大きさ等が異なれば、作用させる処理蒸気Sの温度や加熱時間などは、このような諸条件に応じて適宜変更し得るものである。
また、本明細書では、処理蒸気Sに晒されていない未処理の卵(いわゆる生卵)や処理蒸気Sによって調理中の卵を総じて単に「卵W」と称し、これが加熱調理され、所望の仕上がり状態(茹で卵)になったものを「茹で卵W1」と称している。
なお、説明にあたっては、茹で卵の製造装置1の一例について説明した後、この装置を適用した二種の状態の茹で卵のつくり方を説明しながら、茹で卵の製造方法と、茹で卵の製造装置1の使用方法とについて併せて説明する。また、以下の説明では、特に加圧雰囲気下で加熱処理を行うものではなく、大気圧下での加熱調理を基本とする。
本発明装置の茹で卵の製造装置1は、一例として図1、2に示すように、調理対象となる卵Wに処理蒸気Sを作用させる処理部2と、処理部2に処理蒸気Sを供給する処理蒸気供給部3と、卵Wを処理部2内に送る搬送装置4とを具えて成るものである。以下、各構成部について説明する。
処理部2は、概ね直方体状に形成された処理室21を主要部材とし、この処理室21には、対向する側面同士の一方に、卵Wを室内に入れるための投入口22が開口され、もう一方に、調理済の茹で卵W1を取り出す取出口23が開口される。また、処理室21には、卵Wを投入口22→処理室21内→取出口23へと順次移送する搬送装置4が設けられ、この搬送装置4の一部が、直方体状の処理室21の下方に現れている。
また処理室21は、複数の処理エリア24を高さ方向に積層して成り、本実施例では四つに区画されている。ここで、各処理エリア24を区別して示す場合には、下から順に第1処理エリア24A、第2処理エリア24B、第3処理エリア24C、第4処理エリア24Dとする。つまり卵Wは、投入口22から室内に送り込まれた後、処理室21内では下の第1処理エリア24Aから順次、上の第2処理エリア24B、第3処理エリア24C、第4処理エリア24Dへと搬送され、各エリアで処理蒸気Sによる加熱を受けるものである。
なお、処理室21を階層状に形成したのは、装置全体の省スペース化を図ることはもちろん、各処理エリア24毎に徐々に雰囲気温度を高めて行くためである。すなわち、このような階層構造の処理室21では、加熱調理が進行するに従い、卵Wは徐々に加熱されることになり、これにより卵Wに急激なヒートショックが極力与えられず、また処理中の割れや変性も抑えられるものである。
因みに、処理室21を各処理エリア24に区画することに伴い、本発明では処理蒸気Sを噴出するノズル34を偏平状に形成し、これを各処理エリア24の仕切りとして使用している(ノズル34については後述する)。また本実施例では、このノズル34の他にも、仕切り本来の作用を担う仕切り部材25を幾つか設けており、これらノズル34や仕切り部材25等によって、上方に行くほど雰囲気温度が高まる処理室21を形成している。
次に処理蒸気供給部3について説明する。処理蒸気供給部3は、処理蒸気Sを処理部2に供給、噴出させる作用を担う部位であり、大きく分けて処理室21外で生成した処理蒸気Sを処理室21まで導入する室外配管部31と、処理室21内において各処理エリア24に導く室内配管部32とに分けられる(図1、3参照)。
なお、処理蒸気Sとして過熱蒸気Sを適用する場合には、例えば、まず水をボイラー等で加熱して水蒸気を発生させた後、この水蒸気を更に加熱して過熱蒸気Sを得るものであり、例えば大気圧下で数百度に達する過熱蒸気Sを生成することができる。なお、水蒸気を再加熱する際の熱源としては、LPGガス、重油、電気等、過熱蒸気Sの出力等に応じた適宜の手法が採り得る。そして、このようにして生成した過熱蒸気Sを、室外配管部31によって室内配管部32まで導くものである。
室内配管部32は、一例として図3に示すように、処理室21内の天井部から設けられるメインパイプ33と、各処理エリア24を区画するように設けられるノズル34とを具えて成る。
ノズル34は、一例として図3に併せ示すように、偏平な直方体状に形成されて成り、その上下面に多数の蒸気噴出孔35が開孔される。具体的には、メインパイプ33から各処理エリア24の境界部に四基のノズル34が、ほぼ水平に接続され、これによって、各処理エリア24は、各々、ある程度の遮断性(簡易遮断性)を有するように形成される。なお、本実施例では処理エリア24を複数積層して処理室21を形成するため、この構造に伴い処理エリア24の境界に設けられるノズル34も階層構造となる。ここで各ノズル34を区別して示す場合には、第1処理エリア24Aと第2処理エリア24Bとの間に設けられる4基のノズル34を第1ノズル34Aとし、第2処理エリア24Bと第3処理エリア24Cとの間に設けられるものを第2ノズル34Bとし、第3処理エリア24Cと第4処理エリア24Dとの間に設けられるものを第3ノズル34Cとする。
因みに、過熱蒸気Sを処理室21内に導入した場合の各処理エリア24の雰囲気温度を例示すると、例えば第1処理エリア24Aが約60℃であり、第2処理エリア24Bが約70℃であり、第3処理エリア24Cが約80℃であり、第4処理エリア24Dが100℃超となる。
このように、本発明では偏平状のノズル34を各処理エリア24の仕切り部材として設けており、これにより下方の処理エリア24から上方の処理エリア24に行くに従い、徐々に雰囲気温度を高めるようにしているが、これは処理蒸気Sそのものの性状にも起因する。すなわち処理蒸気Sは気体であり、温かい気体は上方に移動する傾向がある。従って、本来、このような処理空間を閉鎖状態に形成し、大気との自由接触を遮断すれば、処理室21内は上方ほど温度が高まる傾向を有する。もちろん本発明では、上述したように各処理エリア24の境界部にノズル34を設けており、これにより上方の処理エリア24に行くほど、雰囲気温度が高まる空間を、より確実に形成している。
なお、本実施例では、処理室21の上方から処理蒸気Sを導入し、下側ほど導入経路が長くなる構造を採っているが、このことも処理室21内に温度帯を形成する要因の一つとなっている。すなわち、一般に同じ温度の処理蒸気Sでも、導入距離が長いほど冷め易いため、下側の処理エリア24(第1処理エリア24A)に行くほど、処理蒸気Sの噴出温度は低くなり、このことも上記処理室21内の温度帯構成の一要因となっている。
次に搬送装置4について説明する。搬送装置4は、卵Wを処理室21内に送るものであり、ここでは処理室21が複数の処理エリア24を積層した階層構造であることに因み、処理室21内を通過する搬送経路も、この構造に対応して、ほぼ水平な複数の移送路41を積層して成るものである。すなわち本実施例では、上記処理エリア24の階層構造にならい、図2に示すように、移送路41を下方から順に第1移送路41A、第2移送路41B、第3移送路41C、第4移送路41Dとするものである。つまり第1処理エリア24Aに形成される移送経路が第1移送路41Aであり、卵Wは、この第1移送路41Aを通過中に第1処理エリア24Aでの加熱処理を受けるものである。
また、搬送装置4は、上記以外の移送経路も具えており、第1移送路41Aの前段には卵Wを処理室21(第1処理エリア24A)に送り込むための移送路41が形成され、ここを投入移送路41ENとする。また処理室21内における最上段の第4移送路41Dの後段には、調理された茹で卵W1を取出口23に向けてほぼ垂直に下降させる移送路41が形成され、ここを取出移送路41EXとする。また取出移送路41EXから投入移送路41ENまでの間は、取出口23から茹で卵W1が排出されて空となったテーブル43(これについては後述)を投入口22まで戻す移送路41が形成され、ここをリターン移送路41REとする。
なお、通常、卵WはトレーT(アメリカントレーと称される)に収容された状態で流通に供されることが多いため、本実施例でも図1、2に示すように、トレーTに収容したまま卵Wの投入及び取り出しを行うものである。因みに排出側では、例えばモータシリンダ等によってトレーTに収容したままの茹で卵W1を引き出す(取り出す)ものである。
以下、搬送装置4を更に具体的に説明する。搬送装置4は、一例として図1の拡大図に示すように、揺動自在に形成されたゴンドラ状のテーブル43を適宜の間隔で多数設けたチェーンコンベヤ42を適用して成り、各移送路41の移行部位(例えば投入移送路41ENと第1移送路41Aとの間など)にスプロケット44が設けられ、ここにチェーン45が巻回されて、各処理エリア24を順次通過する無端軌道が形成される。なお、スプロケット44は、リターン移送路41REのほぼ中央にも設けられており、これはチェーン45にテンションを付与するためのものである。
このような搬送装置4により、卵Wはテーブル43に載って移送されるものであり、特に処理室21内では、スプロケット44によって各移送路端をUターンしながら、順次、各ノズル34の間を縫うように、次なる移送路41へと移行して行くものである。
なお、本実施例では、チェーンコンベヤ42(スプロケット44)に回転を生起する駆動源M(モータや減速機など)を、処理室21の上部に設けており、これはモータ等に極力、水が掛からないようにするためである。
以上述べたように搬送装置4は、各移送路41の端部で移送方向が切り換えられ、またリターン移送路41REの途中ではスプロケット44の前後において移送経路そのものが傾斜した状態となり、このようなことを考慮して本実施例では、テーブル43を揺動自在に形成している。すなわち、本実施例では、移送方向を反転させる部位や移送経路が傾斜する部位等が存在するが、卵Wを載せるテーブル43を揺動自在に構成することによって、このような状況にあっても、常に卵Wやテーブル43の正立姿勢を保てるようにし、卵Wの自動搬送を可能ならしめたものである。
以下、本実施例のチェーンコンベヤ42とテーブル43の詳細について更に説明する。チェーンコンベヤ42は、一例として図1の拡大図に示すように、左右に対向配置されたチェーン45において、適宜の間隔で互いに内側方向に突出する挿入ピン46を具えて成る。この挿入ピン46はテーブル43の揺動中心となるため、チェーン45を循環駆動させた場合において、左右で極力ズレを生じないことが望ましい。
一方、テーブル43は、角パイプや丸棒等を組み合わせて成る骨組み状の載置面47を具え、その両端部に板材が立設され(これを端板48とする)、この端板48の上部に揺動中心となるピン受入孔49が形成される。このピン受入孔49には、上記チェーン45の挿入ピン46が差し込まれ、テーブル43を揺動自在に支持(軸支)するものである。このような構成上、テーブル43の揺動軸は、移送路41を横架する実際の部材としては存在しないが、搬送を円滑且つ確実に行うためには、上述したように搬送中、極力、揺動軸をねじれさせないようにすることが重要であり、このため実在しないテーブル43の揺動中心を以下、揺動軸50と称する。
また、本実施例では、卵Wを搬送する際、卵Wを収容したトレーTを、そのままテーブル43に載せるため、載置面47にはトレーTを受け入れ易くする案内ガイド51が立設される。因みに本実施例では、一例として図1に示すように、一基のテーブル43にトレーTを二つずつ載せるものである。
なお、上述したテーブル43の仕様、特に載置面47を骨組み状に形成する構成は、アメリカントレー(トレーT)を載せるためであり、従って卵Wの搬送にあたり、トレーTを用いずに卵Wを直にテーブル43に載せる場合には、卵Wの安定載置を図るため、載置面47に多数の凹陥部を形成することが好ましい。また、その場合(卵Wを直に載置面47に載せる場合)、搬送する卵Wは多数となるのが一般的であるため、卵Wの投入や排出を行うにあたっては、バキューム機構を採用した移載装置により、卵Wを一挙に保持して載せ換える形態が現実的である。
以下、卵Wの搬送を安定的に行うために搬送装置4に付加した技術的諸事項について説明する。
搬送中のチェーン45には、卵Wの荷重の他にテーブル43等の重さも加わるため、テーブル43やこれを保持するチェーン45は、幾分下方に垂れ下がる状態となる。このため本実施例では、垂れ下がり傾向となるチェーン45を下方から接触支持するチェーン受け55を、投入移送路41EN及び第1移送路41A〜第4移送路41Dの五カ所に設けている。また各々のチェーン受け55の支持開始端側には、駆動走行中のチェーン45の食い込み(引っ掛かり)を防止する傾斜が形成されており、ここを食い込み回避ガイド56とする。
また本実施例では、チェーン45を支持するだけでなく、卵Wを載せているテーブル43もガイドしており、チェーン45とテーブル43の双方をガイドすることによって卵W(テーブル43)の搬送が、より確実に行えるようにしている。具体的には、図2の拡大図に示すように、テーブル43を上下両方からガイドするものであり、このうちテーブル43を下側から接触支持するものをテーブル受け57とし、テーブル43を上側から規制するものをテーブルガイド58とする。すなわちテーブル受け57とテーブルガイド58とは、ほぼ一定の間隙をあけて設けられ、この間隙の間にテーブル43の載置面47を通過させるものである。なお、これらテーブル受け57やテーブルガイド58も上記チェーン受け55と同様に、投入移送路41EN及び第1移送路41A〜第4移送路41Dの五カ所に設けられている。
またテーブル43を下側から接触支持するテーブル受け57も、上記チェーン受け55と同様に、テーブル43が幾分垂れ下がった状態で搬送されてきても、円滑に受け入れ得るように、受け入れ先端側が幾らか先細となるテーパ状に形成されており、ここをガイドテーパ59とする。このガイドテーパ59は、他端側にも形成されることが好ましく、これによって例えばテーブル43が水平移送から上昇移送に移行する際、テーブル受け57による支持が解除されるときの衝撃が和らげられるものである。因みに本実施例では、図2の拡大図に示すように、テーブル受け57は各移送路41の中央付近に幅広状に一カ所設けられ、テーブルガイド58はチェーン受け55と同様に各移送路41の左右二カ所に設けられる。
左右一対のチェーン45は、これらチェーン受け55、テーブル受け57、テーブルガイド58によって、卵Wやテーブル43の荷重を受けた状態でも駆動走行中の同期が図られるものである。また、このためにテーブル43の揺動軸50には、搬送中、ほぼねじれが生じないものであり、また、たとえわずかにねじれが生じても、テーブル受け57やテーブルガイド58による上下方向からの規制作用によって、このねじれが補正もしくは吸収され、卵Wを安定して移送することができる。
茹で卵の製造装置1は、以上のような基本構造を有し、以下、この装置を使った茹で卵W1の製造方法(つくり方)について説明する。なお、茹で卵W1の状態としては、大きく分けて全熟卵と温泉卵との二種に分けて説明する。
〔I〕全熟卵を得る場合
卵Wを全熟卵の状態の茹で卵W1に調理する場合には、処理蒸気Sとして過熱蒸気Sを適用する。なお、半熟卵の場合も、過熱蒸気Sを適用するものである。
(1)卵の投入(投入移送路)
まず投入口22から卵Wを投入するが、本実施例では、トレーTに入れたまま卵Wを、投入移送路41EN上のテーブル43に二つずつ載せるものである。投入移送路41ENでは、チェーン45がテーブル43や卵Wの荷重をダイレクトに受けるため、テーブル43がチェーン45から垂れ下がろうとするが、本実施例では、チェーン45を下側からチェーン受け55によって支持しており、また卵Wを載せたテーブル43を、テーブル受け57とテーブルガイド58とによって上下両方からガイドしており、テーブル43の垂れ下がりを防止している。これにより、卵Wは安定的に処理室21に送り込まれる。
なお、このような安定した搬送は、投入移送路41ENだけでなく、第1移送路41A、第2移送路等41B、第3移送路等41C、第4移送路等41Dにおいても同様に行われる。
因みに、卵Wを搬送装置4(テーブル43)に載せるにあたっては、作業者が直接手作業で行っても良いし、機械で自動投入することも可能である。また、卵Wは必ずしもトレーTに収容したままテーブル43に載せるだけでなく、卵Wを直にテーブル43に載せるようにしても構わない。
なお、投入移送路41ENが終了する際には、卵Wを載せたテーブル43は、チェーン受け55やテーブル受け57あるいはテーブルガイド58による案内作用が解除されて、第1移送路41Aへの移行(上昇移送)が図られるが、テーブル受け57による支持が解除される際にも、テーブル受け57の支持終端部にガイドテーパ59が形成されているため、テーブル受け57から外れる際の衝撃(落下衝撃)が和らげられるものである。もちろん、このような状況は投入移送路41ENが終了するときだけでなく、第1移送路41A〜第4移送路41Dの終了部でも同様である。
(2)投入移送路から第1移送路への移行
投入移送路41ENを通過した卵Wは、その終端部に設けられたスプロケット44によって第1移送路41Aに移行する(上昇移送される)。この際、本実施例では卵Wを載せたテーブル43が、揺動自在に構成されているため、スプロケット44の外周に沿った周回軌道中も卵Wの正立姿勢が常に維持され、安定的な上昇移送が図られる。
また、スプロケット44による上昇移送中は、上述したようにチェーン受け55やテーブル受け57あるいはテーブルガイド58による案内作用が解除されるため、特に左右のチェーン45の作動を同期させることが難しく、このためテーブル43の揺動軸50に多少のねじれが生じ得るものである。この状態になると、上昇移送中にテーブル43が幾らか傾斜することも考えられ、最悪の場合には卵Wがテーブル43から落下してしまうことも予測される。しかしながら、本実施例では、上昇してきたテーブル43(載置面47)を上方から規制するテーブルガイド58を長く形成しており、たとえ上昇移送中にテーブル43が幾らか傾斜しても、この傾斜をテーブルガイド58が上から修正するように押さえ、ほぼフラット状に直してからテーブル受け57(ガイドテーパ59)に送るようにしている。
因みに、このような安定的な移行は、第1移送路41A〜第2移送路41B、第2移送路41B〜第3移送路41C、第3移送路41C〜第4移送路41Dにおいても同様である。
(3)第1移送路(第1処理エリア)
スプロケット44による移行(上昇移送)が、ほぼ終了した段階で、テーブル43の上面がテーブルガイド58によって規制されるものの、テーブル43の下方はフリーとなり特に支持されていない。また、このときにはチェーン受け55にも到達していないため、テーブル43は幾らか下方に垂れ下がり傾向を有する。このような状態で卵Wを載せたテーブル43は、テーブル受け57に支持されるが、本実施例ではガイドテーパ59によってスムーズにテーブル受け57への乗り上げが行われる。なお、テーブル43がテーブル受け57によって支持された直後もしくは、ほぼ同時に当該テーブル43を吊っているチェーン45がチェーン受け55に支持されるものである。
また、この第1移送路41Aは第1処理エリア24Aであり、テーブル43に載せられた卵Wは、この区間を通過中に第1ノズル34Aの下方から噴出される過熱蒸気Sによって、例えば60℃程度の加熱を受けるものである。
また、第1処理エリア24Aには、搬送方向の後段下方側に仕切り部材25が設けられており、この仕切り部材25と上方に設けられた第1ノズル34Aとによって、第1処理エリア24Aは簡易遮断性を有するように形成されており、エリア内の温度が維持されるものである。また、このような簡易遮断性は、他の処理エリア24においても同様に付与されている。
そして第1移送路41Aが終了する際には、上述したようにテーブル受け57の支持終端にガイドテーパ59が形成されているため、テーブル受け57から外れる際の衝撃(落下衝撃)が和らげられるものである。
(4)第1移送路〜第2移送路
第1移送路41Aから第2移送路41Bへの移行は、スプロケット44の外周に沿った上昇移送であり、上述した投入移送路41EN〜第1移送路41Aへの移行状況と同様である。
(5)第2移送路(第2処理エリア)
第2移送路41Bを通過中の卵Wも、上述した第1移送路41Aの搬送状況と同様であるが、加熱処理が多少異なるので、以下、これについて説明する。
第2移送路41Bを通過中の卵Wは、第2処理エリア24Bでの処理を受ける。すなわち、この区間を通過中の卵Wは、第1ノズル34Aの上方及び第2ノズル34Bの下方から噴出される過熱蒸気Sによって、例えば70℃程度の加熱を受けるものである。もちろん、この温度は、第1処理エリア24Aよりも高い温度である。
その後、テーブル43(卵W)は、スプロケット44の外周に沿った移行や水平移送を繰り返すが、基本的には上述した説明と同様であり、第3処理エリア24C、第4処理エリア24Dの処理態様のみが実質的に相違するため、以下この処理について主に説明する。
(6)第3移送路(第3処理エリア)
第3移送路41Cを通過中の卵Wは、第3処理エリア24Cでの処理を受ける。すなわち、この区間を通過中の卵Wは、第2ノズル34Bの上方及び第3ノズル34Cの下方から噴出される過熱蒸気Sによって、例えば80℃程度の加熱を受けるものである。もちろん、この温度は、第2処理エリア24Bよりも高い温度である。
(7)第4移送路(第4処理エリア)
第4移送路41Dを通過中の卵Wは、第4処理エリア24Dでの処理を受ける。すなわち、この区間を通過中の卵Wは、第3ノズル34Cの上方から噴出される過熱蒸気Sによって、例えば100℃超の加熱を受けるものである。もちろん、この温度は、第3処理エリア24Cよりも高い温度である。
卵Wは、このような各処理エリア24による加熱を順次受けることによって調理が完了し、所望状態の茹で卵W1となる。
なお、卵Wは各処理エリア24を進行するに従い、徐々に加熱温度が高まるため、ヒートショックが抑えられ、これによる卵Wの割れや変性も極力防止できるものである。
(8)第4移送路〜取出移送路
第4移送路41Dを通過した卵Wは、その終端部に設けられたスプロケット44によって取出移送路41EXに移行が図られる。ここでは搬送方向がほぼ水平からほぼ真下に変更されるが、基本的には上述した移行と同様であり、実質的に異なるのはスプロケット44の外周に沿った移送(周回軌道)が約1/4円弧となる点である。もちろん移行中は、テーブル43が揺動自在であるため、卵Wの正立姿勢が自然に維持されるものである。
(9)卵の取り出し
取出口23まで下降した茹で卵W1は、取出口23からトレーTに入れられたまま取り出される。この際、例えばモータシリンダ等によってトレーTを引き出し、茹で卵W1を取り出すものである。
なお、取り出した後の茹で卵W1を適宜、水などによって冷却したい場合には、この後、茹で卵W1を水槽やシャワーリング等に供するものである。
(10)リターン移送路
取出口23を通過したテーブル43は、リターン移送路41REによって投入口22に戻されるが、既に取出口23でトレーT(茹で卵W1)が取り出されているため、図2に示すように空の状態で移送される。なお、移送中、経路のほぼ中央に設けられたスプロケット44により移送経路そのものが傾斜するが、ここでもテーブル43の正立姿勢は維持される。
その後、テーブル43は、このような無搭載状態で投入移送路41ENに至った後、投入口22付近で新たな卵WがトレーTごと載せられるものである。
〔II〕温泉卵を得る場合
卵Wを温泉卵に調理する場合には、処理蒸気Sとして飽和蒸気Sを適用する。もちろん装置そのものは上述した茹で卵の製造装置1が適用できる。なお、飽和蒸気Sは100℃の蒸気(常圧下)であり、温泉卵をつくるには、まだ高温過ぎることが考えられるため、ここでは飽和蒸気Sの供給手法等に技術的改良を施すものである。
具体的には、まず卵Wへの飽和蒸気Sの供給を間欠とし、実際の調理温度を70℃程度に調整するが、単に飽和蒸気Sの供給を間欠的に行うだけでは、同じ加熱処理を受けているにも関わらず、飽和蒸気Sに当たる卵Wと、飽和蒸気Sに当たらない卵Wとの出現が懸念される。従って、ここでは一例として図4に示すように、更に処理室21内の空気を撹拌させ、飽和蒸気Sを均一に卵Wに作用させるものである。つまり、温泉卵をつくる場合には、ファン27を作動させて、処理室21内の空気や飽和蒸気Sを撹拌するものである。
なお、上記図4に示す実施例では、処理室21内において天井付近の空気は、天井面を伝って周囲に拡散され、その後、側壁やフレーム部材(桟)等に当たった後、これに沿って下降流を形成するような撹拌形態を採る。
また、ここでの撹拌とは、弱い空気の流れを処理室21内に形成する程度でよく、ファン27が外部とは連通していないため、換気等とは本質的に異なるものである。つまり、ここでのファン27は、処理室21内の空気を外部に放出したり、外部から大気を処理室21内に取り込むものではない。
〔他の実施例〕
本発明は以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。すなわち先に述べた実施例は、処理室21を縦長状に形成し、処理エリア24を階層状に形成したものである。これは、上昇傾向を有する作用済蒸気など温かい空気を室内に籠もらせ、これにより上方の処理エリア24ほど雰囲気温度が高められるようにしたものである。しかし、先に述べた実施例では、投入口22と取出口23とには、特にエアカーテン等、大気の相互侵入を防止する構成は採っていないため、ここから多少、作用済蒸気等が流出することが考えられる。もちろん、このような蒸気は、卵Wを加熱するという作用を終了してはいるものの、まだ熱を持っているため、作用済蒸気の熱を徹底して回収し、再利用することが可能である。
具体的には、例えば図5に示すように、処理室21の底部に水Lを貯留したプール28を形成し、投入口22と取出口23とを水Lで塞ぎ、処理室21内をウォーターシールするものである(いわゆる水密構造)。この場合、作用済蒸気は投入口22と取出口23から流出することなく、最終的には必ずプール28の水Lと接触し湯になる。つまり作用済蒸気の余熱はプール28の水Lを加温し、温湯として再利用できるものであり、例えば、この湯を、投入する段階の卵Wにシャワーリングさせれば、実質的な加熱調理に先立つ予備加熱や、卵Wの洗浄に活用できるものである。
また、このような水密構造は、特に過熱蒸気Sの余熱を効率よく回収できると同時に、処理室21内の内圧を少しでも上げることができ(言わば簡易圧力鍋の構造)、調理時間を短縮することや加圧程度を調整した種々の調理方法が可能となる。
本発明装置の茹で卵の製造装置を示す斜視図、並びに卵を載せる揺動自在のテーブルを拡大して示す斜視図である。 本発明装置の内部構造を示す縦断面図、並びにテーブル受けとテーブルガイドの形成状況を示す斜視図である。 各処理エリアが偏平状のノズルによって簡易遮断性を有するように形成された様子を示す斜視図である。 ファンによって処理室内の空気を撹拌させるようにした様子を骨格的に示す断面図である。 処理室内をウォーターシールした場合の装置の内部構造を示す縦断面図である。
1 茹で卵の製造装置
2 処理部
3 処理蒸気供給部
4 搬送装置
21 処理室
22 投入口
23 取出口
24 処理エリア
24A 第1処理エリア
24B 第2処理エリア
24C 第3処理エリア
24D 第4処理エリア
25 仕切り部材
27 ファン
28 プール
31 室外配管部
32 室内配管部
33 メインパイプ
34 ノズル
34A 第1ノズル
34B 第2ノズル
34C 第3ノズル
35 蒸気噴出孔
41 移送路
41A 第1移送路
41B 第2移送路
41C 第3移送路
41D 第4移送路
41EN 投入移送路
41EX 取出移送路
41RE リターン移送路
42 チェーンコンベヤ
43 テーブル
44 スプロケット
45 チェーン
46 挿入ピン
47 載置面
48 端板
49 ピン受入孔
50 揺動軸
51 案内ガイド
55 チェーン受け
56 食い込み回避ガイド
57 テーブル受け
58 テーブルガイド
59 ガイドテーパ
L 水
M 駆動源
S 処理蒸気(飽和蒸気、過熱蒸気)
T トレー
W 卵
W1 茹で卵

Claims (8)

  1. 卵に加熱処理を施して茹で卵を製造する方法であって、
    前記卵に施す加熱処理は、処理蒸気として過熱蒸気を用い、特に加圧を行わない閉鎖状態の処理室内で行うものであり、
    また、この処理室は、卵をほぼ水平に移送しながら加熱処理を施す処理エリアが、高さ方向に複数積層されて成り、且つ各処理エリアの境界部には、過熱蒸気を噴出するフラット状のノズルを設け、各処理エリアを仕切るように形成し、これにより下方の処理エリアから上方の処理エリアに行くに従って雰囲気温度を徐々に高め得るように形成するものであり、
    卵は、順次、下方の処理エリアから上方の処理エリアに送られて加熱処理が進行することを特徴とする茹で卵の製造方法。
  2. 前記閉鎖状態に形成される処理室は、卵を処理室内に送る投入口と、処理を終えた茹で卵を処理室から取り出す取出口とを水面下に形成し、処理室内をウォーターシールするようにしたことを特徴とする請求項記載の茹で卵の製造方法。
  3. 前記過熱蒸気によって加熱される卵は、新鮮卵が適用されることを特徴とする請求項1または2記載の茹で卵の製造方法。
  4. 卵を加熱調理する処理室と、
    この処理室内に処理蒸気を供給する処理蒸気供給部と、
    処理室に卵を通すように搬送する搬送装置とを具え、
    処理室内に搬送した卵に処理蒸気を作用させて茹で卵を製造するようにした装置であって、
    前記処理室は、卵をほぼ水平に移送しながら加熱処理を施す処理エリアが、高さ方向に複数積層されて成り、且つ下方の処理エリアから上方の処理エリアに行くほど雰囲気温度を高めるべく、各処理エリアの境界部に、処理蒸気を噴出するフラット状のノズルが、仕切り状に設けられて成り、
    卵は、順次、下方の処理エリアから上方の処理エリアに送られて加熱処理がなされることを特徴とする茹で卵の製造装置。
  5. 前記搬送装置は、揺動自在のテーブルを具えて成り、卵はこのテーブルに直接または間接的に載置され、処理室内を通過するようにしたことを特徴とする請求項記載の茹で卵の製造装置。
  6. 卵を加熱調理する処理室と、
    この処理室内に処理蒸気を供給する処理蒸気供給部と、
    処理室に卵を通すように搬送する搬送装置とを具え、
    処理室内に搬送した卵に処理蒸気を作用させて茹で卵を製造する装置を使用するにあたり、
    前記処理室は、卵をほぼ水平に移送しながら加熱処理を施す処理エリアが、高さ方向に複数積層されて成り、且つ下方の処理エリアから上方の処理エリアに行くほど雰囲気温度を高めるべく、各処理エリアの境界部に、処理蒸気を噴出するフラット状のノズルが、仕切り状に設けられて成り、
    卵は、順次、下方の処理エリアから上方の処理エリアに送られて加熱処理がなされるものであって、
    前記茹で卵として全熟卵や半熟卵の状態のものを得る場合には、処理蒸気として過熱蒸気を処理室内に供給して、卵を加熱調理するものであり、
    また前記茹で卵として温泉卵を得る場合には、処理蒸気として飽和蒸気を処理室内に供給して、卵を加熱調理するようにしたことを特徴とする茹で卵の製造装置の使用方法。
  7. 前記茹で卵として温泉卵を得る場合には、処理室内への飽和蒸気の供給を間欠的に行うようにしたことを特徴とする請求項記載の茹で卵の製造装置の使用方法。
  8. 前記茹で卵として温泉卵を得る場合には、処理室内の空気を撹拌するようにしたことを特徴とする請求項6または7記載の茹で卵の製造装置の使用方法。
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