次に、本発明の好適な実施形態について実施例を用いて説明する。図1は本発明の一実施例であるパチンコ機1の外観を示す正面図、図2は遊技盤4の構成概略を示す正面図、図3は作用部駆動装置80の構成概略を示す斜視図、図4は主基板100と周辺基板110との概略構成を示すブロック図である。
パチンコ機1は、図1に示すように、透明枠を有する前面枠5に取付けられた遊技盤4と、遊技球を貯留する上皿28および下皿17と、遊技球を遊技盤4へ発射するために遊技者により操作される操作ハンドル18と、押ボタン遊技のときに遊技者により操作される押ボタンスイッチ70と、パチンコ機1を制御する主基板100および周辺基板110とを備える。パチンコ機1の下皿17に向かって右側には、遊技者の右手により操作できるように操作ハンドル18が配置されている。一方、パチンコ機1の上皿28に向かって左側には、遊技者の左手により操作できるように押ボタンスイッチ70が配置されている。したがって、遊技者は、両手により操作ハンドル18と押ボタンスイッチ70とを同時に操作することができる。
遊技盤4は、図2に示すように、遊技盤4の中央に配置された演出装置40と、遊技盤4に向かって左右側にそれぞれ配置され遊技球の通過を検出するゲートセンサ53a,53bを内蔵するゲート52a,52bと、遊技盤4に向かって下側に配置され遊技球の入賞を検出する始動口センサ55を内臓する電動始動入賞口46と、電動始動入賞口46に向かって下側に配置された大入賞口装置60と、いずれの入賞口や入賞装置にも入らなかった遊技球を回収するアウト口48とを備える。また、図示しない発射装置により発射された遊技球を遊技領域12へ導く案内レール11を備えている。
演出装置40は、演出装置40に向かって上側に取付けられた作用部駆動装置80と、演出表示を行う図柄要素表示部としての液晶表示器42と、液晶表示器42を囲うように向かって左側、上側、右側にそれぞれ取付けられ演出表示に合わせて点灯する演出ランプ44a〜44cと、凹部を有する回転テーブルを介して遊技球を電動始動入賞口46に誘導する誘導口74とを備える。液晶表示器42は、図4に示す表示制御基板113により演出表示が制御される。なお、遊技中に後述する条件を満たしたときには、液晶表示器42の表示画面に押ボタン遊技をともなう演出を表示する。
電動始動入賞口46は、開閉する一対の開閉翼47を備え、図4に示す主制御基板101により開閉制御される。電動始動入賞口46は、液晶表示器42の表示画面に向かって下側に普通図柄が変動表示され、停止した図柄が当りであるときには電動始動入賞口46の開閉翼47は所定時間(例えば、0.3秒×2回)開放されるよう制御されている。
大入賞口装置60は、横長長方形状の大入賞口61を開閉する開閉板62と、開閉板62の開閉を行うソレノイド63(図4参照)と、遊技球の入賞をカウントするカウントセンサ64とを備える。大入賞口61は、図4に示す主制御基板101により開閉板62を閉じて遊技球が入賞できない状態と開閉板62を開いて遊技球が入賞できる状態とに所定の条件に基づいて開閉制御される。
作用部駆動装置80は、図3に示すように、矢印A方向に進退できるロッドを有するソレノイド82と、ロッドに挿入されたつる巻ばね83と、ロッドの先端に結合された結合部84と、結合部84と係合することにより支軸86を中心に回転する回転板88と、回転板88に設けられた扇板89と、その扇板89の円弧部に施されたギア歯と、そのギア歯と噛み合うギア歯を有する被扇板91と、一端を軸受90で支えられると共に被扇板91を有し軸受90を中心に回転する回転支軸92と、回転支軸92の他端を直角に折り曲げた部位に設けられた鞭94とを備える。ソレノイド82のロッド進退運動は支軸86を中心とする回転運動に変換される。そして、この回転運動はギア歯を介して回転支軸92へと伝わり、矢印B方向への回転運動が鞭94に伝わる。この一連の運動をパチンコ機1の正面から見ると、鞭94が液晶表示器42の表示画面の外部から表示画面に向かって振り下ろされる運動になる。なお、図3に示す鞭94の状態が原位置となる。
主基板100は、図4に示すように、主制御基板101と払出制御基板102とにより構成される。主制御基板101は、CPU101aを中心に構成され、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROM101b、一時的にデータを記憶するRAM101cが図示しないバスに接続されている。主制御基板101には、ゲートセンサ53a,53bからの検出信号、始動口センサ55からの始動信号、カウントセンサ64からのカウント信号等が入力されている。一方、主制御基板101からは、ソレノイド63への駆動信号等が出力されている。また、主制御基板101は、各種コマンドと各種情報とを払出制御基板102と周辺基板110とへ送信し、払出制御基板102から各種コマンドと各種情報とを受信する。
払出制御基板102は、CPU102aとROM102bとRAM102cとが図示しないバスに接続されている。払出制御基板102は、各種コマンドと各種情報とを主制御基板101から受信する。例えば、主制御基板101の送信した払出装置103(排出モータ)の駆動コマンドを受信すると、払出制御基板102のCPU102aは、受信した駆動コマンドに基づいて、払出装置103を駆動する駆動信号を出力する。これにより、払出装置103は遊技玉又は貸球を払い出す。
周辺基板110は、図4に示すように、サブ統合基板111と電飾制御基板112と表示制御基板113と波形制御基板114とにより構成されている。 サブ統合基板111は、CPU111aとROM111bとRAM111cとが図示しないバスに接続されている。サブ統合基板111には、押ボタンスイッチ70からの入力信号が入力されている。一方、サブ統合基板111からは、ソレノイド82への駆動信号が出力されている。また、サブ統合基板111は、各種コマンドと各種情報とを電飾制御基板112と表示制御基板113と波形制御基板114とへ送信し、主制御基板101から各種コマンドと各種情報とを受信する。
電飾制御基板112は、CPU112aとROM112bとRAM112cとが図示しないバスに接続されている。電飾制御基板112からは、演出ランプ44a〜44cへの点灯信号と装飾ランプ49への点灯信号が出力されている。なお、これらの出力はサブ統合基板101の送信した各種コマンド等に基づいて行われる。例えば、液晶表示器42の表示画面に表示される各種演出に合わせて表示することで盛り上げるように演出ランプ44a〜44cと装飾ランプ49との点灯が行われる。
表示制御基板113は、CPU113aとROM113bとRAM113cとが図示しないバスに接続されている。表示制御基板113からは、液晶表示器42への表示駆動信号が出力されている。なお、この出力はサブ統合基板101の送信した各種コマンドと各種情報とに基づいて行われる。
波形制御基板114は、CPU114aとROM114bとRAM114cとが図示しないバスに接続されている。波形制御基板114からは、音波装置115への音声信号が出力されている。この出力はサブ統合基板101の送信した各種コマンド等に基づいて行われる。例えば、液晶表示器42の表示画面に表示される各種演出に合わせて表示することで盛り上げるように音波装置115から効果音が出力される。
次に、遊技盤4に設けられる各種の入賞装置等によって実現される遊技について説明する。遊技者が操作ハンドル18を操作するとパチンコ機1の裏面側に設けられた図示しない発射装置よって遊技球が打ち出される。この遊技球は、案内レール11に沿って遊技領域12に放出され、障害釘等に衝突しながら流下する。遊技球が流下する際、ゲートセンサ53a又は53bにより検出されるとき、つまりゲート52a又は52bを通過するときには、液晶表示器42の表示画面に向かって下側に普通図柄が変動表示される。そして、停止した図柄が当りであるときには電動始動入賞口46の開閉翼47は所定時間(例えば、0.3秒×2回)開放される。一方、停止した図柄がハズレであるときには開閉翼47は開放されないが、電動始動入賞口46には遊技球が入賞できるようになっている。
続いて、電動始動入賞口46に遊技球が入賞すると液晶表示器42の表示画面に向かって下側に特別図柄が変動表示される。このとき、所定の条件を満たしたときには、押ボタンスイッチ70を操作して押ボタン遊技を行うことができる。所定時間変動表示後、停止した図柄が当りであるときには、大当り遊技状態となり、大入賞口装置60の開閉板62が手前に倒れ大入賞口61を所定時間(例えば、30秒)又は所定個数(例えば、10個)の入賞するまで開放する状態が続き、その後、開閉板62の起立により大入賞口61が閉じられる。なお、特別図柄変動中に電動始動入賞口46に入賞した遊技球は、所定個数(例えば、4個)まで記憶することができ、その記憶数(始動記憶数)は、液晶表示器42の表示画面に向かって下側に表示される。なお、各種の入賞装置等にも入らなかった遊技球は、アウト口48により回収される。
次に、本実施形態のパチンコ機1の動作について説明する。図5は始動入賞処理の一例を示すフローチャート、図6は特別図柄処理の一例を示すフローチャート、図7は大当り判定処理の一例を示すフローチャート、図8は演出パターンコマンド設定処理の一例を示すフローチャート、図9は演出パターンコマンド識別処理の一例を示すフローチャート、図10は液晶表示器42の表示画面に表示される演出の一例を示すタイムチャート、図11は押ボタン遊技の表示画面の一例を示す概略図(その1)、図12は押ボタン遊技の表示画面の一例を示す概略図(その2)、図13は押ボタン遊技処理の一例を示すフローチャート、図14は作用部駆動処理の一例を示すフローチャート、図15は大当り特殊演出パターン判定処理の一例を示すフローチャート、図16は押ボタン遊技の表示画面の一例を示す概略図(その3)、図17は図柄要素差替表示処理の一例を示すフローチャート、図18は液晶表示器42の表示画面の所定位置と遊技用キャラクタ150の基準点との関係の一例を示す概略図、図19は鞭94が液晶表示器42の表示画面に振り下ろされた状態の一例を示す概略図、図20は作用部原位置復帰処理の一例を示すフローチャートである。
まず、始動入賞処理が開始されると、主制御基板101のCPU101aは、図5に示すように、電動始動入賞口46に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS10)。この判定は、始動口センサ55の入賞の始動信号に基づいて行われる。ステップS10で電動始動入賞口46に遊技球が入賞したときには、主制御基板101のRAM101cに記憶されている保留球数カウンタCが上限値4未満か否かを判定し(ステップS20)、保留球数カウンタCが上限値4未満のときには、保留記憶格納処理を行い(ステップS30)、このルーチンを終了する。一方、ステップS10で電動始動入賞口46に遊技球が入賞していないとき又はステップS20で保留球数カウンタCが上限値4以上のときには、そのままこのルーチンを終了する。この保留記憶格納処理は、保留球数カウンタCに値1ずつインクリメントし、大当り判定用乱数、リーチハズレ用乱数、大当り図柄用乱数、変動表示パターン用乱数等の各種乱数の取得の処理を行う。ここで、大当り判定用乱数は大当りであるか否かを判定するための乱数であり、リーチハズレ用乱数はリーチハズレであるか否かを判定するための乱数であり、大当り図柄用乱数は大当り判定用乱数によって大当りと判定されたときに特別図柄を特定するための乱数であり、変動表示パターン用乱数は特別図柄の変動表示パターンを特定するための乱数である。なお、このルーチンは所定時間(例えば、4ミリ秒)ごとに繰り返し行われる。
次に、特別図柄処理が開始されると、主制御基板101のCPU101aは、図6に示すように、保留球数カウンタCが値0であるか否かを判定する(ステップS100)。保留球数カウンタCが値0でないときには、特別図柄の変動表示が可能か否かを判定する(ステップS105)。この判定は、特別図柄の変動表示中ではないか否かにより行われる。ステップS105で特別図柄の変動表示が可能であるときには、保留記憶移行処理を行う(ステップS110)。保留記憶移行処理は、保留球数カウンタCから値1ずつデクリメントし、主制御基板101のRAM101cの格納領域に記憶された各種乱数を格納領域ごとシフトする処理を行う。その後、後述する大当り判定処理を行い(ステップS115)、図5に示したステップS30で取得した各種乱数に基づいて特別図柄の停止図柄や変動パターン等を決定する特別変動処理を行い(ステップS120)、ステップS115の大当り判定処理で設定したコマンドとステップS120の特別変動処理で決定した特別図柄の停止図柄、変動パターン等と保留球数カウンタC、普通図柄に関する情報等の各種情報とをサブ統合基板111へ送信する情報送信処理を行い(ステップS125)、当りの種類に応じた態様で大入賞口61を開放制御する大当り遊技処理を行い(ステップS130)、このルーチンを終了する。
大当り判定処理は、図7に示すように、主制御基板101のCPU101aは、まず、確率変動中であるか否かを判定する(ステップS200)。確率変動中であるときには、図示しない高確率テーブルから大当りとなるすべての値を読み出す(ステップS205)。高確率テーブルの大当り値として、例えば、0〜630の値のうち「7」「72」「137」「202」「267」「332」「397」「462」「527」「592」を設定する場合には、大当りの確率は10/631となる。一方、ステップS200で確率変動中でないときには、図示しない低確率テーブルから大当りとなるすべての値を読み出す(ステップS210)。低確率テーブルの大当り値として、例えば、0〜630の値のうち「7」「332」を設定する場合には、大当りの確率は2/631となる。続いて、主制御基板101のRAM101cの格納領域に記憶された各種乱数から大当り用乱数を読み出し(ステップS215)、読み出した大当り判定用乱数が大当りであるか否かを判定する(ステップS220)。この判定は、ステップS205又はステップS210で読み出した大当りとなるすべての値のうちいずれか1つとステップS215で読み出した大当り用乱数とが一致するか否かにより行われる。ステップS220で大当りであるときには、大当りコマンドを設定する(ステップS225)。一方、ステップS220で大当りでないときには、つまりステップS205又はステップS210で読み出した大当りとなるすべての値のうちいずれか1つとステップS215で読み出した大当り用乱数とが一致しないときには、主制御基板101のRAM101cの格納領域からリーチハズレ用乱数を読み出して(ステップS230)、リーチハズレ用乱数がリーチハズレであるか否かを判定する(ステップS235)。この判定は、リーチハズレ用乱数とリーチハズレの値(例えば、「7」)とが一致するか否かにより行われる。ステップS235でリーチハズレであるときには、リーチハズレコマンドを設定する(ステップS240)。一方、ステップS235でリーチハズレでないとき、つまりハズレであるときには、ハズレコマンドを設定する(ステップS245)。そして、ステップS225とステップS240とステップS245とのうちいずれか1つで設定されたコマンドをサブ統合基板111へ送信し(ステップS250)、このルーチンを終了する。
主制御基板101のCPU101aが特別図柄処理のステップS125でコマンドをサブ統合基板111へ送信したときのサブ統合基板111の処理について、図8を参照しながら以下に説明する。
サブ統合基板111は、主制御基板101からコマンドを受信すると、図8に示す演出パターンコマンド設定処理を行う。この処理が開始されると、サブ統合基板111のCPU111aは、コマンドの種類を調べる(ステップS300)。コマンドが大当りのときには、大当りパターンフラグPを値1にセットし(ステップS305)、大当りパターンフラグPをサブ統合基板111のRAM111cに一時退避する(ステップS310)。この大当りパターンフラグPは、大当り通常演出パターンから後述する大当り特別演出パターンへの演出パターン切り替え可能か否かを表すフラグであり、切り替え可である場合を値1、切り替え不可である場合を値0とそれぞれ設定されている。続いて、大当り通常演出パターンコマンド設定処理を行う(ステップS315)。この大当り通常演出パターンコマンド設定処理は、受信したコマンドに対応する演出パターンをサブ統合基板111のROM111bから読み出して大当り通常演出パターンコマンドとして設定する処理である。
ステップS300でコマンドがリーチハズレのときには、ハズレ特殊演出パターンコマンド設定処理を行う(ステップS320)。このハズレ特殊演出パターンコマンド設定処理は、受信したコマンドに対応する演出パターンをサブ統合基板111のROM111bから読み出してハズレ特殊演出パターンコマンドとして設定する処理である。また、ステップS300でコマンドがハズレのときには、ハズレ通常演出パターンコマンド設定処理を行う(ステップS325)。このハズレ通常演出パターンコマンド設定処理は、受信したコマンドに対応する演出パターンをサブ統合基板111のROM111bから読み出してハズレ通常演出パターンコマンドとして設定する処理である。ステップS315とステップS320とステップS325とのうちいずれか1つで設定した演出パターンコマンドを表示制御基板113へ送信し(ステップS330)、このルーチンを終了する。
サブ統合基板111のCPU111aが演出パターンコマンド設定処理のステップS330で演出パターンコマンドを表示制御基板113へ送信したときの表示制御基板113の処理について、図9を参照しながら以下に説明する。
表示制御基板113は、サブ統合基板111から演出パターンコマンドを受信すると、図9に示す演出パターンコマンド識別処理を行う。この処理が開始されると、表示制御基板113のCPU113aは、演出パターンコマンドの種類を調べる(ステップS400)。演出パターンコマンドが大当り通常演出パターンのときには、大当り通常演出パターン表示処理を行い(ステップS405)、演出パターンコマンドがハズレ特殊演出パターンのときには、ハズレ特殊演出パターン表示処理を行い(ステップS410)、演出パターンコマンドがハズレ通常演出パターンのときには、ハズレ通常演出パターン表示処理を行う(ステップS415)。そして、ステップS405とステップS410とステップS415とのうちいずれか1つの処理のあと、このルーチンを終了する。なお、大当り通常演出パターン表示処理とハズレ特殊演出パターン表示処理とハズレ通常演出パターン表示処理とでは、受信した演出パターンコマンドに対応する演出を表示制御基板113のROM113bから読み出し、液晶表示器42の表示画面に表示する。例えば、受信した演出パターンコマンドがハズレ通常演出パターンである場合には、ハズレ通常演出パターンに対応する演出を表示制御基板113のROM113bから読み出し、液晶表示器42の表示画面に表示する。
次に、遊技者が操作ハンドル18を操作した後、大当り通常演出パターン又はハズレ特殊演出パターンの演出パターンが液晶表示器42の表示画面に表示される場合について、図10を参照しながら以下に説明する。図10に示すように、演出パターンが開始されてT0(例えば、14.8秒)時間経過後、押ボタン遊技の開始を伝えるメッセージが液晶表示器42の表示画面にT1(例えば、4.8秒)期間表示される。そして、押ボタン遊技を行えるT2(例えば、9.6秒)期間へ続き、その後、演出パターンが終了する。つまり、遊技者が操作ハンドル18を操作した後、リーチになったとき、液晶表示器42の表示画面に演出パターンが表示されてからT2期間を迎えると、遊技者は押ボタン遊技を行える。なお、「押ボタン遊技」とは、遊技者が押ボタンスイッチ70をスイッチONすることにより、液晶表示器42の表示画面に表示されている遊技用キャラクタ150に鞭94が振り下ろされて、遊技用キャラクタ150が猛烈ダッシュする演出パターン(大当り特別演出パターンという。)に切り替える機会を遊技者に与える遊技である。
ここで、大当り通常演出パターンとハズレ特殊演出パターンとの一例として、図11(a)〜図12(e)を参照しながら説明する。図11(a)に示すように、リーチになり演出パターンの表示が開始されると、液晶表示器42の表示画面には、左上側と右上側とにリーチ時の数字(ここでは、「7」)81a,81bがそれぞれ表示され、遊技用キャラクタ150と一般キャラクタ151〜154等とが表示される。T0時間に近づくと遊技用キャラクタ150は液晶表示器42の表示画面の所定位置に移動開始する。そして、これに伴い先行を行く一般キャラクタ151と152とは液晶表示器42の表示画面内に収まるように移動した表示となる(図11(b)参照)。T0経過後、T1期間になると、図11(c)に示すように、液晶表示器42の表示画面に向かって左下側には押ボタン遊技の開始を伝えるメッセージ160が表示される。そして、これに伴い遊技用キャラクタ150は液晶表示器42の表示画面の所定位置に配置した表示となる。その後、押ボタン遊技を行えるT2期間になると、押ボタン遊技が開始され、図12(d)に示すように、遊技者が押ボタンスイッチ70をスイッチONすることにより、遊技用キャラクタ150に鞭94が振り下ろされる。そして、これに伴い液晶表示器42の表示画面に向かって左下側には押ボタンスイッチ70を連打するように伝えるメッセージ161が表示される。その後、レース終盤になると、大当り通常演出パターンでは、図12(e)に示すように、遊技用キャラクタ150は一般キャラクタ151と152とを追い抜いて1着となり、ハズレ特殊演出パターンでは、図12(f)に示すように、遊技用キャラクタ150は先行を行く一般キャラクタ151と152とに追いつけず3着となる。
遊技者が押ボタン遊技を行えるT2期間になると、図13に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、押ボタン遊技処理を行う。この処理が開始されると、サブ統合基板111のCPU111aは、作用部駆動処理を行い(ステップS500)、大当り特殊演出パターン判定処理を行い(ステップS505)、このルーチンを終了する。なお、このルーチンはT2期間中、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに繰り返し行われる。
作用部駆動処理では、図14に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、遊技者に操作される押ボタンスイッチ70がスイッチONされたか否かを判定する(ステップS600)。遊技者により押ボタンスイッチ70がスイッチONされたときには、スイッチON回数nに値1ずつインクリメントし(ステップS605)、サブ統合基板111のRAM111cから一時退避した作用部駆動フラグFを読み出す(ステップS610)。そして、作用部駆動フラグFが値0であるか否かを判定する(ステップS615)。この作用部駆動フラグFは、鞭94を液晶表示器42の表示画面に振り下ろした状態と振り下ろす前の状態(原位置)とを判定するためのフラグであり、鞭94を振り下ろした状態を値1、原位置の状態を値0とそれぞれ設定されている。ステップS615で作用部駆動フラグFが値0、つまり鞭94が原位置の状態であるときには、鞭94を振り下ろす信号をソレノイド82へ出力する(ステップS620)。この振り下ろす信号によりソレノイド82のロッド進退運動に連動する鞭94は、原位置の状態から振り下した状態へとなる。続いて、作用部駆動フラグFを値1、つまり鞭94を振り下ろした状態にセットし(ステップS625)、作用部駆動フラグFをサブ統合基板111のRAM111cに一時退避する(ステップS630)。そして、鞭94を振り下ろす旨を伝える作用部駆動開始コマンドを表示制御基板113へ送信し(ステップS635)、このルーチンを終了する。一方、ステップS600で遊技者により押ボタンスイッチ70がスイッチONされていないとき又はステップS615で作用部駆動フラグFが値0でないときには、そのままこのルーチンを終了する。なお、ステップS615で作用部駆動フラグFが値0でないときにでも(鞭94を振り下ろした状態)、ステップS605でスイッチON回数nに値1がインクリメントされるため、スイッチON回数nは、実際に鞭94を液晶表示器42の表示画面に振り下ろした回数ではなく、遊技者が押ボタンスイッチ70をスイッチONした回数となる。
大当たり特殊演出パターンでは、図15に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、サブ統合基板111のRAM111cから一時退避した大当りパターンフラグPを読み出す(ステップS700)。そして、大当りパターンフラグPが値1であるか否かを判定する(ステップS705)。この大当りパターンフラグが値1、つまり切り替え可であるときには、スイッチON回数n(遊技者が押ボタンスイッチ70をスイッチONした回数)が所定値N(例えば、10)以上であるか否かを判定する(ステップS710)。スイッチON回数nが所定値N以上であるときには、大当り特殊演出パターンコマンド設定処理を行う(ステップS715)。この大当り特殊演出パターンコマンド設定処理は、遊技用キャラクタ150が猛烈ダッシュする演出に切り替えるよう、遊技用キャラクタ150に対応する演出パターンをサブ統合基板111のROM111bから読み出して、大当り特殊演出パターンコマンドとして設定する処理である。続いて、演出パターンコマンドを表示制御基板113へ送信し(ステップS720)、大当りパターンフラグPを値0、つまり切り替え不可にセットし(ステップS725)、大当りパターンフラグPをサブ統合基板111のRAM111cに一時退避し(ステップS730)、このルーチンを終了する。一方、ステップS705で大当りパターンフラグPが値1でないとき又はステップS710でスイッチON回数nが所定値N未満であるときには、そのままこのルーチンを終了する。なお、ステップS725で大当りパターンフラグPを値0(切り替え不可)にセットすることにより、ステップS705以降の各ステップは行われない。したがって、ステップS715の大当り特殊演出パターンコマンド設定処理は一度のみ行なわれることになる。なお、ステップS720で送信した大当り特殊演出パターンコマンドを表示制御基板113が受信すると、大当り特殊演出パターン表示処理を行う。この処理が開始されると、表示制御基板113のCPU113aは、図16(g)に示すように、遊技用キャラクタ150が猛烈ダッシュして一般キャラクタ151と152等を追い抜き、その後、レース終盤になると、図16(h)に示すように、遊技用キャラクタ150が単独1着となる演出パターンを液晶表示器42の表示画面に表示する。
サブ統合基板111のCPU111aが作用部駆動処理のステップS635で鞭94を振り下ろす旨を伝える作用部駆動開始コマンドを表示制御基板113へ送信したときの表示制御基板113の処理について、図17を参照しながら以下に説明する。
表示制御基板113は、サブ統合基板111から鞭94を振り下ろす旨を伝える作用部駆動開始コマンドを受信すると、図17に示す図柄要素差替表示処理を行う。この処理が開始されると、表示制御基板113のCPU113aは、図17に示すように、遊技用キャラクタ150の表示位置が液晶表示器42の表示画面の所定位置にあるか否かを判定する(ステップS800)。具体的には、図18(a)に示すように、例えば、液晶表示器42の表示画面の所定位置L(Lx,Ly)には、鞭94が振り下ろされたときの鞭94の作用点となる位置に設定し、一方、遊技用キャラクタ150の基準点H(Hx,Hy)には、遊技用キャラクタ150の右側(本実施例では、競走馬の尻)に設定する。したがって、図18(b)に示すように、液晶表示器42の表示画面の所定位置Lと遊技用キャラクタ150の基準点Hと鞭94の作用点とを一致させることにより、鞭94があたかも遊技用キャラクタ150に当たるように演出することができる。図19は、鞭94が液晶表示器42の表示画面に振り下ろされたときの様子を表している。なお、遊技用キャラクタ150以外の一般キャラクタ151〜154にも同様な基準点がそれぞれ設定されており、一般キャラクタ151〜154は、各々の基準点を変位させることにより液晶表示器42の表示画面のさまざまな位置に表示される。
図17に戻り、ステップS800で遊技用キャラクタ150の表示位置が液晶表示器42の表示画面の所定位置にあるときには、鞭94が遊技用キャラクタ150に当たった遊技用キャラクタ150に差し替えて表示する(ステップS805、図18(b)参照)。そして、差し替え完了の旨を伝える図柄要素変位完了のコマンドをサブ統合基板111へ送信し(ステップS810)、このルーチンを終了する。一方、ステップS800で遊技用キャラクタ150の表示位置が液晶表示器42の表示画面の所定位置にないときには、上述したように遊技用キャラクタ150の基準点Hを液晶表示器42の表示画面の所定位置Lに一致するように変位させて(ステップS815)、上述したステップS805の差し替え表示とステップS810のコマンド送信とを行い、このルーチンを終了する。ここで、ステップS800で遊技用キャラクタ150の表示位置が液晶表示器42の表示画面の所定位置にないときの場合として、例えば、図18(c)に示すように、鞭94が遊技用キャラクタ150に当たった後、鞭94の作用で遊技用キャラクタ150が進行方向に飛び出すときには、遊技用キャラクタ150の基準点Hが進行方向に変位し、液晶表示器42の表示画面の所定位置Lと一致しなくなる。そこで、上述したステップS815で遊技用キャラクタ150の基準点Hを液晶表示器42の表示画面の所定位置Lに一致するように変位させることにより、鞭94が振り下ろされる前に遊技用キャラクタ150が液晶表示器42の表示画面の所定位置に変位させることができ、鞭94が当たった図柄に差し替える準備を行うことができる。したがって、遊技者は連続して遊技用キャラクタ150に鞭94を打つことができる。なお、鞭94が原位置の状態から液晶表示器42の表示画面に振り下ろした状態になると、表示制御基板113のCPU113aは、鞭94が当たる前の遊技用キャラクタ150から鞭94が当たった後の遊技用キャラクタ150(例えば、歯を食い縛った表情の遊技用キャラクタ150)に差替えて表示すると共に鞭94が当たった様子を表す変形した星図形150aの表示を行う(図18(b)参照)。また、遊技用キャラクタ150の所定位置への変位は、徐々に行われ、少なくとも次回鞭94が振り下ろされるときまでには完了する。
表示制御基板113のCPU113aが図柄要素差替表示処理のステップS810で差し替え完了の旨を伝える図柄要素変位完了のコマンドをサブ統合基板111へ送信したときのサブ統合御基板111の処理について、図20を参照しながら以下に説明する。
サブ統合御基板111のCPU111aが差し替え完了の旨を伝える図柄要素変位完了のコマンドを受信すると、図18に示す作用部原位置復帰処理を行う。この処理が開始されると、サブ統合基板111のCPU111aは、図18に示すように、鞭94を原位置に復帰させるため、復帰信号をソレノイド82へ出力する(ステップS900)。この復帰信号によりソレノイド82のロッド進退運動に連動する鞭94は、振り下ろした状態から原位置の状態(振り下ろす前の状態)へとなる。そして、作用部駆動フラグFを値0(原位置の状態)にセットし(ステップS905)、作用部駆動フラグFをサブ統合基板111のRAM111cに一時退避し(ステップS910)、このルーチンを終了する。
なお、大当りパターンフラグPと作用部駆動フラグFとは各種演出パターンが終了すると初期値0にそれぞれセットされる。
以上説明した本実施形態によれば、遊技者が操作ハンドル18を操作した後、大当り通常演出パターン又はハズレ特殊演出パターンが液晶表示器42の表示画面に表示されてからT2期間を迎えると、遊技者は表示されている演出に割り込むため押ボタンスイッチ70を操作する押ボタン遊技が有効になる。押ボタン遊技の有効期間内において鞭94が原位置の状態であるときには、遊技者は遊技用キャラクタ150に鞭94を振り下ろすことができる。鞭94が振り下ろされると、遊技用キャラクタ150は、鞭94が当たった遊技用キャラクタ150に差し替えられて液晶表示器42の表示画面に表示される。したがって、遊技者は、押ボタンスイッチ70を操作することにより演出に変化を与えることができるため、演出に飽きず、新鮮味を失うことがなくなる。そして、押ボタン遊技が有効であるときには、遊技者は、鞭94が動作するまで一方的に待つのではなく、押ボタンスイッチ70を操作することにより鞭94を動作させることができるため、イライラ感と遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、鞭94は液晶表示器42の表示画面の所定位置に振り下ろされ、遊技用キャラクタ150の表示位置が所定位置と離れていても、表示制御基板113のCPU113aが遊技用キャラクタ150の表示位置を所定位置に変位させるため、遊技用キャラクタ150の表示位置と鞭94の振り下ろされる場所とが一致する。したがって、遊技者は違和感を感じることがない。
更に、鞭94が遊技用キャラクタ150に当たった後、鞭94の作用で遊技用キャラクタ150が進行方向に飛び出すときには、表示制御基板113のCPU113aが液晶表示器42の表示画面の所定位置に遊技用キャラクタ150の表示位置を変位させるため、鞭94が遊技用キャラクタ150に振り下ろされる前に遊技用キャラクタ150は液晶表示器42の表示画面の所定位置に変位しており、遊技用キャラクタ150の差し替え準備を行うことができる。したがって、遊技者は、連続して遊技用キャラクタ150に鞭94を打った場合にも、違和感を感じることがない。
更にまた、液晶表示器42の表示画面に押ボタン遊技の開始時期と期間中であることを知らせるメッセージを表示するため、押ボタンスイッチ70をスイッチONする時期を確実に遊技者に伝えることができる。更に、このメッセージの表示が、遊技者に対しこれから始まる演出にワクワク・ドキドキという期待感を与えることができる。
そして、遊技用キャラクタ150が競走馬であるため、競走馬のモチーフとしての鞭94は、好ましい。
そしてまた、遊技用キャラクタ150は、親近感あるキャラクタであり、鞭94が遊技用キャラクタ150に当たったときには歯を食い縛って走るなど、遊技者は、遊技用キャラクタ150の反応に興味を持ち、押ボタンスイッチ70の操作に夢中になる。
そして更に、鞭94を動作させるためのスイッチとして押ボタンスイッチ70を採用しているため、遊技者は、両手を用いて操作ハンドル18と押ボタンスイッチ70とを同時に操作することができる。また、押ボタンスイッチ70は、操作性がよく、長時間の遊技においても遊技者に疲労感を与えにくく、好ましい。そして、遊技者は、押ボタンスイッチ70を押すという行為により臨場感あふれる演出を味わうことができ、その演出との一体感を味わうこともできる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々なる形態で実施することができる。
上述した実施形態では押ボタン遊技を行えるときに押ボタンスイッチ70を用いていたが、トグルスイッチ等の機械式スイッチや静電容量センサ等を用いたセンサ式スイッチでもよい。トグルスイッチは操作性がよく寿命も長い。静電容量センサはタッチセンサとしてエレベータのスイッチ等にも使われており、信頼性も高い。
また、上述した実施形態では遊技用キャラクタ150に鞭94を打っていたが、鞭94に代わって模型ニンジンとし、進行方向へ投げるようにしてもよい。例えば、騎手が進行方向へ模型ニンジンを投げると、模型ニンジンが図柄ニンジンとして液晶表示器42の表示画面に映りこみ、その映りこんだ図柄ニンジンを遊技用キャラクタ150が必死になって追いかける。遊技者は、その必死に追いかける遊技用キャラクタ150から目が離せなくなり、遊技用キャラクタ150との一体感を味わうことができる。
更に、上述した実施形態では遊技者の押ボタンスイッチ70をスイッチONしたときに、鞭94の動作と遊技用キャラクタ150の差し替えとを行っているが、遊技者の押ボタンスイッチ70の操作履歴に基づいて、遊技者が押ボタンスイッチ70を次回スイッチONする時期を予測してもよい。こうすれば、遊技者固有の操作(遊技者の癖)にも対処でき、どの遊技者も継続的に押ボタンスイッチ70を操作することができる。図21は操作パターン認識処理の一例を示すフローチャートである。図21に示すように、サブ統合基板111のCPU111aは、押ボタンスイッチ70の押ボタンスイッチ回数nが所定値Po以上であるか否かを判定する(ステップS1000)。この所定値Poは経験的に定めた定数であり、ここでは、例えばPo=10と設定されている。押ボタンスイッチ回数nがPo(例えば、10回)以上であるときには、サブ統合基板111のRAM111cから押ボタンスイッチ70の操作履歴を読み出し(ステップS1010)、読み出した押ボタンスイッチ70の操作履歴と一致あるいは類似の操作履歴をサブ統合基板111のROM111bから抽出する(ステップS1020)。この抽出は、押ボタンスイッチ回数nまでの操作履歴と一致あるいは類似するものについて行われる。そして、操作時期予測処理を行い(ステップS1030)、このルーチンを終了する。この操作時期予測処理は、ステップS1020で抽出した一致あるいは類似する操作履歴に基づいて遊技者が押ボタンスイッチ70を次回スイッチONする時期を予測する処理である。予測した時期に達したときには、鞭94を振り下ろす信号をソレノイド82へ出力し、表示制御基板113へ作用部駆動開始コマンドを送信する。このコマンドを受信した表示制御基板113は、図17に示した図柄要素差替表示処理を行う。一方、ステップS1000で押ボタンスイッチ回数nが所定値Po未満であるときには、押ボタンスイッチ70の操作履歴を記憶するため、押ボタンスイッチ70をスイッチONしたときの時間をサブ統合基板111のRAM111cに記憶し(ステップS1040)、このルーチンを終了する。
更にまた、上述した実施形態では押ボタン遊技を行えるT2期間に鞭94を振り下ろしていたが、押ボタン遊技以外のときにも鞭94を振り下ろしてもよい。例えば、スーパーリーチ発展時にメカ鞭予告として鞭94を連続的に振り下ろすことにより遊技者の期待を大きくさせることができる。
そして、上述した実施形態では大当り通常演出パターンとハズレ特殊演出パターンとの所定の演出パターンのみ押ボタン遊技を有効としたが、ハズレ通常演出パターンのときにも押ボタン遊技を有効としてもよい。こうすれば、遊技者はリーチ図柄に関係なく押ボタン遊技を行うことができるため、遊技への興趣の低下を抑制することもできる。
そしてまた、上述した実施形態では大当り通常演出パターンとハズレ特殊演出パターンとの所定の演出パターンのみ押ボタン遊技を有効としたが、押ボタン遊技用乱数を発生させて行ってもよい。例えば、発生させた乱数が所定の押ボタン遊技値(例えば、0〜255のうち「8」「15」「29」「57」「79」「113」「155」「201」「225」「251」)と一致する場合には、押ボタン遊技を行う。こうすれば、遊技者に複雑な演出を提供することができる。そして、遊技者に演出の進行状況を予測困難なものにすることができ、興趣の低下を抑制することができる。
ここで、上述した実施形態から把握できる発明として以下のような発明がある。
(実施発明1)特許請求の範囲における請求項1記載の発明において、前記第1の条件は、前記図柄要素表示部(例えば、液晶表示器42)に表示される前記図柄要素の演出パターンが所定の演出パターン(例えば、演出パターンコマンド識別処理のステップS405とステップS410)であることを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明1においては、第1の条件として、図柄要素表示部に表示される図柄要素の演出パターンが所定の演出パターンになるため、遊技実行手段(例えば、押ボタン遊技)を有効にする演出パターンが限定される。したがって、遊技者に第2の操作部(例えば、押ボタンスイッチ70)を操作させたい演出パターンに限定させることができる。
(実施発明2)前記(実施発明1)記載の発明において、前記第1の条件は、前記所定の演出パターン(例えば、演出パターンコマンド識別処理のステップS405とステップS410)が前記図柄要素表示部(例えば、液晶表示器42)に表示される所定期間(例えば、液晶表示器42の表示画面に演出パターンが表示されてT2期間を迎える)であることを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明2においては、第1の条件として、所定の演出パターンが図柄要素表示部に表示される所定期間となるため、遊技者は、第2の操作部(例えば、押ボタンスイッチ70)を操作する期間が限定される。したがって、第2の操作部の有効期間を遊技者に操作させたい時期に限定させることができる。そして、遊技者にとっては、限られた期間に第2の操作部を操作するだけで済む。
(実施発明3)前記(実施発明1)又は(実施発明2)記載の発明において、前記所定の演出パターンは、大当り(例えば、大当り通常演出パターン)又はリーチハズレ(例えば、ハズレ特殊演出パターン)となるときに設定される演出パターンであることを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明3においては、所定の演出パターンは、大当り又はリーチハズレとなるときに設定される演出パターンであるため、遊技者の期待感が高まるときに第2の操作部(例えば、押ボタンスイッチ70)を操作させることができる。
(実施発明4)特許請求の範囲における請求項1、前記(実施発明1)〜(実施発明3)記載の発明において、前記図柄要素(例えば、遊技用キャラクタ150)は、前記図柄要素表示部の表示領域内に表示する基準点(例えば、遊技用キャラクタ150の基準点H(Hx,Hy))があり、前記表示位置変位表示手段は、前記図柄要素の基準点と前記図柄要素表示部の表示領域内の前記固定位置とが一致するように前記図柄要素の基準点を変位させて表示する(例えば、図柄要素差替表示処理のステップS815)ことを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明4においては、図柄要素に基準点を設け、図柄要素表示部の表示領域内の固定位置と作用部の作用点とを一致することにより、表示位置変位表示手段は図柄要素の基準点と図柄要素表示部の表示領域内の固定位置とが一致するように図柄要素の基準点を変位させ、その固定位置に表示する。こうすれば、図柄要素の基準点と図柄要素表示部の表示領域内の固定位置と作用部の作用点とを一致させることができる。したがって、作用部の作用点において図柄要素の差し替え表示を行うことができる。
(実施発明5)前記(実施発明1)〜(実施発明4)記載の発明において、前記表示位置変位表示手段は、前記作用部(例えば、鞭94)により前記図柄要素(例えば、遊技用キャラクタ150)に力学的な作用が働いた後、前記作用部の作用により、前記図柄要素の表示位置(例えば、遊技用キャラクタ150の基準点H(Hx,Hy))が前記図柄要素表示部の表示領域内の前記固定位置(例えば、液晶表示器42の表示画面L(Lx,Ly))から離れたときには、前記図柄要素の表示位置を前記図柄要素表示部の表示領域内の前記固定位置に変位させて表示することを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明5においては、作用部により図柄要素に力学的な作用が働くと、この作用部の作用により図柄要素の表示位置が前記図柄要素表示部の表示領域内の固定位置から離れるときには、表示位置変位表示手段により図柄要素の表示位置が図柄要素表示部の表示領域内の固定位置に変位されて表示される。こうすれば、図柄要素表示部の表示領域内の固定位置において図柄要素の差し替え準備を行うことができる。
(実施発明6)特許請求の範囲における請求項1、前記(実施発明1)〜(実施発明5)記載の発明において、前記第2の操作部(例えば、押ボタンスイッチ70)の操作回数が所定回数以上であるか否かを判定(例えば、大当り特殊演出パターン判定処理のステップS710)する操作回数判定手段と、前記図柄要素表示部(例えば、液晶表示器42)に特殊演出(例えば、遊技用キャラクタ150が猛烈ダッシュする演出)を表示する特殊演出表示手段とを備え、前記特殊演出表示手段は、前記操作回数判定手段により前記第1の条件(例えば、液晶表示器42の表示画面に演出パターンが表示されてT2期間を迎える)において前記第2の操作部の操作回数が所定回数以上であると判定されるとき、前記図柄要素表示部に前記特殊演出を表示することを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明6においては、第1の条件を満たすとき操作回数判定手段により第2の操作部の操作回数が所定回数以上と判定される場合には、特殊演出表示手段は図柄要素表示部に特殊演出を表示する。こうすれば、遊技者が少なくとも第2の操作部を操作しない限り、特別演出は図柄要素表示部に表示されない。したがって、遊技者は、遊技に変化を与えることができるため、遊技に参加することができる。
(実施発明7)特許請求の範囲における請求項1、前記(実施発明1)〜(実施発明6)記載の発明において、前記遊技者による前記第2の操作部(例えば、押ボタンスイッチ70)の操作を記憶する操作記憶手段(例えば、サブ統合基板111のRAM111c)と、該操作記憶手段から前記遊技者の前記第2の操作部の操作パターンを認識する操作パターン認識手段(例えば、操作パターン認識処理のステップS1020)と、該操作パターン認識手段により認識された前記操作パターンに基づいて前記遊技者の前記第2の操作部の操作時期を予測する操作時期予測手段(例えば、操作パターン認識処理のステップS1030)と、を備え、前記表示位置変位表示手段(例えば、図柄要素差替表示処理のステップS815)は、前記操作時期予測手段より予測された前記遊技者の前記第2の操作部の操作時期に基づいて前記図柄要素の表示位置が前記固定位置と離れている場合には前記図柄要素の表示位置を前記固定位置に変位させて前記図柄要素表示部に表示することを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明7においては、操作パターン認識手段が遊技者の遊技中における第2の操作部の操作パターンを認識し、その操作パターンに基づいて操作時期予測手段が遊技者の第2の操作部の操作時期を予測する。そして、その予測した操作時期に基づいて、図柄要素の表示位置が固定位置と離れている場合には表示位置変位表示手段がその表示位置を固定位置に変位させて図柄要素表示部に表示する。こうすれば、遊技者固有の操作(遊技者の癖)にも対処でき、どの遊技者も継続的に第2の操作部を操作することができる。
(実施発明8)特許請求の範囲における請求項1、前記(実施発明1)〜(実施発明7)記載の発明において、前記図柄要素表示部の表示領域内(例えば、液晶表示器42の表示画面内)において前記遊技者に前記第2の操作部(例えば、押ボタンスイッチ70)の操作を促すメッセージ(例えば、押ボタン遊技の開始を伝えるメッセージ160と押ボタンスイッチ70を連打するように伝えるメッセージ161)を表示するメッセージ表示手段(例えば、表示制御基板113のCPU113a)を備えることを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明8においては、メッセージ表示手段は遊技者に対して図柄要素表示部の表示領域内に第2の操作部の操作を促すメッセージを表示するため、第2の操作部を操作させる時期を確実に遊技者に伝えることができる。更に、このメッセージの表示が、遊技者に対しこれから始まる演出にワクワク・ドキドキという期待感を与えることができる。
(実施発明9)特許請求の範囲における請求項1、前記(実施発明1)〜(実施発明8)記載の発明において、前記作用部(例えば、鞭94)は、前記図柄要素(例えば、遊技用キャラクタ70)に力学的な作用が働いたとき、該力学的な作用を与えるものとして相応しいものであることを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明9においては、作用部は図柄要素に力学的な作用が働いたとき、その力学的な作用を与えるものとして相応しいものであるため、図柄要素に力学的な作用が働いたときには、遊技者は、その顕著に現れた作用を見ることができ、さらに第2の操作部(例えば、押ボタンスイッチ70)を操作したいという気分になる。
(実施発明10)特許請求の範囲における請求項1、前記(実施発明1)〜(実施発明9)記載の発明において、前記図柄要素はキャラクタ(例えば、遊技用キャラクタ150)であることを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明10においては、図柄要素はキャラクタであるため、親近感が持て、好ましい。そして、キャラクタに力学的な作用が働いたときには、遊技者は、そのキャラクタの反応に興味を持ち、第2の操作部(例えば、押ボタンスイッチ70)の操作に夢中になる。
(実施発明11)特許請求の範囲における請求項1、前記(実施発明1)〜(実施発明10)記載の発明において、前記第1の操作部は、遊技球を発射する操作ハンドル(例えば、操作ハンドル18)であり、前記第2の操作部は、押ボタンスイッチ(例えば、押ボタンスイッチ70)であることを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明11においては、前記第1の操作部は遊技球を発射する操作ハンドルであり、第2の操作部は押ボタンスイッチであるため、遊技者は両手を用いて操作ハンドルと押ボタンスイッチとを操作することができる。そして、押ボタンスイッチは、操作性がよく、長時間の遊技においても遊技者に疲労感を与えにくく、好ましい。そして、遊技者は、押ボタンスイッチを押すという行為により臨場感あふれる演出を味わうことができ、その演出との一体感を味わうこともできる。
(実施発明12)特許請求の範囲における請求項1、前記(実施発明1)〜(実施発明11)記載の発明において、進退運動できるロッドを有する進退運動手段(例えば、ソレノイド82)と、前記ロッドの先端に結合する結合部(例えば、結合部84)と、前記結合部と係合し支軸(例えば、支軸86)を中心に回転する回転部(例えば、回転板88)と、前記回転部に設けられた扇部位(例えば、扇板89)と、前記扇部位と噛み合う被扇部位(例えば、扇板91)と、一端を軸受(例えば、軸受90)で支えられると共に前記被扇部位を有し該軸受を中心に回転する回転支軸(例えば、回転支軸92)とを備え、前記作用部(例えば、鞭94)は、前記回転支軸の他端を直角に折り曲げた部位に取り付けられ、前記進退運動手段は、前記動作制御手段(例えば、サブ統合基板111)により前記ロッドの進退運動が制御されることを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明12においては、動作制御手段に制御された進退運動手段によりロッドが進退運動されると、その進退運動は支軸を中心とする回転運動に変換される。そして、この回転運動は扇部位と被扇部位とを介して回転支軸へと伝わり、作用部が回転する。こうすれば、進退運動手段によるロッドの進退運動を作用部の回転運動に変換することができる。
(実施発明13)前記(実施発明12)記載の発明において、前記扇部位(例えば、扇板89)と前記被扇部位(例えば、扇板91)との円周上には、ギア歯を施すことを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明13においては、扇部位と被扇部位との円周上にギア歯を施すため、回転運動を確実に伝えることができる。
(実施発明14)前記(実施発明13)記載の発明において、前記ギア歯の歯数は、少なくとも前記作用部(例えば、鞭94)の駆動に必要となる歯数が設定されていることを特徴とする。
上記のように実施形態から把握できる実施発明14においては、少なくとも作用部の駆動に必要となるギア歯の歯数を設定するため、扇部位(例えば、扇板89)と被扇部位(例えば、扇板91)との製作において、材料の無駄を省くことができ、コスト削減にもつながる。
(実施発明15)前記(実施発明12)〜(実施発明14)記載の発明において、前記ロッドにつる巻ばね(例えば、つる巻ばね83)を挿入したあと、該ロッドの先端に前記結合部(例えば、結合部84)を設けることを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明15においては、ロッドにつる巻ばねを挿入するため、ロッドの進退運動をつる巻ばねで補助することができる。例えば、ロッドの駆動時につる巻ばねの反力を用いることにより間欠運動を防ぐことができるため、ロッド先端に結合された結合部と係合する回転部(例えば、回転板88)に連続的に回転運動を伝えることができる。つまりロッドの進退運動に追従して回転部が回転運動することができる。また、ロッドの進退運動を高速で行うときには、より好ましい。ここでは、つる巻ばねを一例として挙げたが、ウレタンゴム、シリコンゴム、ニトリルゴム、ふっ素ゴム等の各種ゴムであってもよい。
(実施発明16)前記(実施発明12)〜(実施発明15)記載の発明において、前記進退運動手段(例えば、ソレノイド82)は、ロッドを進退運動させることにより、前記作用部(例えば、鞭94)が前記図柄要素表示部(例えば、液晶表示器42)の表示領域に振り下ろした状態と振り下ろす前の状態との2つの状態にすることを特徴にする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明16においては、ロッドが進退運動することにより、作用部の状態が図柄要素表示部の表示領域に振り下ろした状態と振り下ろす前の状態とにすることができるため、進退運動手段はロッドの進退運動を途中で止める必要がなくなる。こうすれば、進退運動手段へはロッドの進退運動の可否信号のみで済む。
(実施発明17)前記(実施発明12)〜(実施発明16)記載の発明において、前記進退運動手段(例えば、ソレノイド82)は、前記図柄要素表示部(例えば、液晶表示器42)の上部に取り付けられ、前記作用部(例えば、鞭94)は、前記図柄表示部に前記振り下ろす前の状態から前記振り下ろした状態又は前記振り下ろした状態から前記振り下ろす前の状態に移るとき、前記図柄要素表示部の表示領域の部分領域を覆うように動作されることを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明17においては、図柄要素表示部に振り下ろす前の状態から振り下ろした状態又は振り下ろした状態から振り下ろす前の状態に移るときには、作用部は図柄要素表示の表示領域の部分領域を覆うように動作されるため、遊技者に作用部の動作を注目させたいときには、より好ましい。また、作用部を振り下ろす前の状態では、作用部は図柄要素表示部を覆っていないため、遊技者は図柄要素表示部の表示領域内を注目することができる。
(実施発明18)前記(実施発明12)〜(実施発明17)記載の発明において、前記図柄要素差替表示手段により前記図柄要素が前記作用(力学的な作用が働いているかのような)図柄要素に差し替えられたとき、差し替え完了の旨を伝える差替完了信号を送信する差替完了送信手段(例えば、図柄要素差替表示処理のステップS810)を備え、前記動作制御手段は、前記差替完了送信手段により送信された差替完了信号を受信すると前記作用部を前記振り下ろした状態から前記振り下ろす前の状態に移るように駆動信号を前記進退運動手段に出力する(例えば、作用部原位置復帰処理のステップS900)ことを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明18においては、図柄要素差替表示手段により図柄要素が作用図柄要素に差し替えられると、差し替え完了の旨を伝える差替完了信号を送信する。これを受信した動作制御手段は、作用部を振り下ろした状態から振り下ろす前の状態に移るように駆動信号を進退運動手段に出力する。こうすれば、動作制御手段が進退運動手段に駆動信号を出力する時期と作用部を振り下ろす前の状態へ移す時期とを一致させることができる。
(実施発明19)前記(実施発明12)〜(実施発明18)記載の発明において、前記進退運動手段(例えば、ソレノイド82)は電気的エネルギーを機械的エネルギーに交換するソレノイドであることを特徴とする遊技機。
上記のように実施形態から把握できる実施発明19においては、進退運動手段は電気的エネルギーを機械的エネルギーに交換するソレノイドである。ソレノイドは、寿命が長く、取り付けも容易で、好ましい。