JP4522575B2 - 球払出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、球を遊技媒体とするパチンコ機やスロットマシン等の遊技機に用いられる球払出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は特開平10−155997号公報で開示された球払出装置を示す。120は球、101は球120を一列状に上から下へと誘導する球通路、102は球通路101を囲み形成する通路ケース、103は球通路101の内径を狭めるように通路ケース102の外側より内側に突出するくびれ部、104はくびれ部103と対応するように通路ケース102に形成された開口、110は通路ケースより外側に連接された図外の固定部に設けられたスプロケット軸、111はスプロケット軸110で固定部に回転可能に支持されたスプロケット、112はスプロケット111の周縁部に周方向へ等間隔配置で凹状に形成された切欠部、113は周方向に隣り合う切欠部112を区分する凸部、105は球通路101を流下する球120がスプロケット111と最初に出会う球通路101内の最上流域である。くびれ部103において、球通路101は1個の球120の通過を可能とし、2個以上の球120の同時通過を不能とする大きさである。スプロケット111は周縁部の一部を通路ケース102の外側より球通路101に突出しており、球通路101に突出した部分の切欠部112それぞれに球120を1個ずつ取込みつつスプロケット軸110を中心として矢印方向に回転することにより、球120を凸部113で1つずつ切り分けて上流から下流へと移送する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来例では、スプロケット111の回転に伴い通路ケース102の外側から開口104を経由して球通路101内に向かう1つの切欠部112aの回転方向の後側に位置する凸部113aが開口104より球通路101内に突出し、この凸部113aとくびれ部103との間隔が1つの球120の直径よりも小さくなる過程において、当該1つの切欠部112aに取込まれるべき球120が何らかの原因でその切欠部112aに取込まれない場合がある。この場合、上記1つの球120は自身よりも上に存在する全ての球から受けた重さで下方に向かおうとするが、くびれ部103と凸部113aとの間隔がその球120の直径よりも狭くなるタイミングによって、係る1つの球120がくびれ部103と凸部113aとで挟まれた球噛みが生じる可能性がある。このような球噛みが起きると、スプロケット111から球120が1つずつ規則正しく払出されなくなり、賞球払出の品質信頼性が損なわれる上、遊技性も損なわれることは否めない。なお、切欠部112aは切欠部112と同じものであり、凸部113aも凸部113と同じものであることから、切欠部に符号112を付し、凸部に符号113を付すべきところであるが、課題の説明ではどの切欠部と凸部とを指すのか明示するために、切欠部112aとし、凸部113aとした。
【0004】
そこで、本発明は、球噛みを防止することにより、品質信頼性と遊技性との向上を図る球払出装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明にあっては、球を一列状に上から下へと誘導する球通路と、周方向に等間隔に配置された切欠部を有した周縁部の一部が球通路に突出するように設けられて球通路に突出した部分の切欠部に球を1個ずつ取込みつつ回転することにより球を1つずつ切り分けて上流から下流へと移送するスプロケットと、スプロケットより解放されて自重落下する球を検出する球検出器とを備えた球払出装置において、球通路を流下してくる球とスプロケットとが最初に出会う球通路の流域においてスプロケットと対向する球通路の壁部を取り除いた除去部と、板ばねと、除去部の下流側に位置する球通路に形成された板ばね取付部とを備え、板ばねは、除去部の下流側に位置する球通路においてスプロケットと対向する下流側壁部に沿う形状に形成されるとともに、板ばね取付部に取付けられる他端部と、除去部に配置される一端部とを備え、板ばね取付部は、下流側壁部の下端より延長する球通路の路面より突出して下流側壁部と対向する突壁と、下流側壁部の上端面に形成された凹部とを備え、板ばねの他端部は、下流側壁部と突壁との間の隙間に嵌め込まれる嵌込部と、凹部に嵌め込まれるとともに下流側壁部の上端部を挟み込む係合部とを備え、板ばねの一端部は、一端が除去部の球通路側から球通路外側に向けた弧状に形成されたカール部を備え、板ばねは、他端部の嵌込部が隙間に嵌め込まれるとともに他端部の係合部が下流側壁部の上端部を挟み込んで凹部に嵌め込まれることによって板ばね取付部に取付けられ、球通路を流下してくる球が一端部とスプロケットとで挟み込まれた場合に一端部が除去部の球通路外側に撓むように構成されたことを特徴としている。よって、本発明によれば、球がスプロケットと板ばねとに挟まれるような場合に、当該挟まれようとする球及びそれよりも上方に連なる球の重さと、板ばねの逃げようとする撓みと、スプロケットからの押圧力とが有機的に絡み合って挟まれようとする球に働き、その球がスプロケットに取込まれることにより、球噛みが発生することなく、球がスプロケットから適切に払出され、球払出の品質信頼性及び遊技性を向上することができる。又、本発明にあっては、金属製の板ばねで形成すれば、板ばねの耐久性が高くなる。又、本発明にあっては、板ばねを球とスプロケットとが最初に出会う球通路の流域より下側に支持点を持った片支持状態に取付ければ、板ばねが球をスプロケットに取込まれる方向に案内しつつ押すことができる。又、本発明にあっては、板ばねの一端部の一端にカール部を備えたので、球が板ばねの一端に引っ掛かることなく板ばねとスプロケットとの間に取込まれる。又、本発明にあっては、通路ケースを分割構成し、その分割部分で板ばねを挟み付けるように支持すれば、通路ケースを分解することで板ばねを通路ケースより取外すことができ、板ばねの交換が容易である。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1乃至図6は本発明の一実施形態であって、図1は図4の第2ケース12を取り外した球払出計数ユニット10を示し、図2は板ばね40とケース30との取付を示し、図3は板ばね40を示し、図4は球払出計数ユニット10を示し、図5は第1・第2ケース11;12に取付けられた板ばね40の周囲を示し、図6は球払出計数ユニット10が組付けられた球払出装置70を示す。
【0007】
図1を参照し、図4の第2ケース12を取外し、その取外し方向より見た球払出計数ユニット10の内部構造について説明する。図4の第1ケース11に相当するケース30は、第1隔壁1、第2隔壁2、第3隔壁3、第4隔壁4、第5隔壁5及び第6隔壁6を板状の前壁より前側(図1の紙面の表側に向く方向)に突出した形態である。第1隔壁1はスプロケット軸31を中心として回転するスプロケット32の周囲右半分を囲む。第2隔壁2は球通路33の一側部を形成する。第3隔壁3はスプロケット32の周縁部の一部を球通路33に突出させるように球通路33の他側部を形成する。第4隔壁4は第1隔壁1の上部及び第3隔壁3の上部それぞれより連接されて球通路33の上流部の他側部を形成する。第5隔壁5は第1隔壁1の下部及び第3隔壁3の下部それぞれより連接されて球通路33の下流部の他側部を形成する。第6隔壁6は球抜き通路34の左右側部を形成する。
【0008】
第2隔壁2と第6隔壁6との交差部分を形成する第7隔壁7と第3隔壁3とスプロケット32とで囲まれる部分は球通路33を流れる球がスプロケット32と最初に出会う最上流域35である。ケース30は第7隔壁7の上流側半部を前壁より取り除いた除去部36を有する。弾性体としての板ばね40は金属又は合成樹脂又はゴムのような弾性を有する素材で形成することが可能であるが、金属で形成すれば耐久性の点で最良である。そして、板ばね40の下流部を第7隔壁7に装着し、板ばね40の上流部を除去部36に配置したことにより、板ばね40は第7隔壁7に下流側に支持点41を持った片支持に取付けられる。
【0009】
ケース30に形成された孔38は、ケース30に相当する図4の第1ケース11を第2ケース12に結合したり、ケース30に図4の球検出器77を組付けたり、結合された第1・第2ケース11;12を図6の装置本体71に取付けること等に用いられるものである。図中の符号29は球通路33を形成するケース30の前後壁(図1の紙面表裏側に位置する壁)に貫通するように形成された窓であり、球検出器77の検出位置に対応する。
【0010】
図2を参照し、板ばね40及びケース30の板ばね取付部50の構造について説明する。板ばね40は帯板状の長手方向一端部に内側から外側へ向けて円筒状に丸められたカール部42を備え、帯板状の長手方向他端部に短手方向上端部を除去した切除部43を備え、この落とし込まれた切除部43に外側に折曲形成した係合部44を備え、帯板状の長手方向他端部に短手方向に下側に延びた嵌込部45を備える。図1にも示すようにカール部42が配置された板ばね40の一半部は平坦状であり、嵌込部45が配置された板ばね40の他半部は第7隔壁7の弧面に沿う弧状である。
【0011】
板ばね取付部50は、第7隔壁7の上端面(図5の合わせ面59と同じ)に形成された凹部51と、球通路33の前面を形成するケース30の前壁より突出した突壁52と、突壁52と第7隔壁7との間に形成された隙間53とを備える。
【0012】
そして、嵌込部45と隙間53とを対向させ、係合部44と凹部51とを対向させた状態において、板ばね40を第7隔壁7に取付操作すると、係合部44が凹部51に嵌め込まれ、嵌込部45が隙間53に嵌め込まれ、板ばね40の弧面が第7隔壁7の弧面に接触するか又は接触する程度に対向させられ、板ばね40が第7隔壁7に装着される。
【0013】
図4を参照し、図6のスプロケット32と球検出器77及び爪車82を必須要素とした球払出計数ユニット10について説明する。球払出計数ユニット10は、前後に分割された第1・第2ケース11;12でスプロケット32を回転可能に包み持ち、第1・第2ケース11:12を互いに組合せて止ねじ54で結合し、これら結合された第1・第2ケース11:12の外側に球検出器77を組付けた形態である。結合された第1・第2ケース11;12は左上部に板ばね40を境として球払出導入口部55と球抜き導入口部56とを備え、左下部に球抜き出口57を備え、右下部に球払出出口58を備える。図4中の符号59は第1・第2ケース11;12の合わせ面を示す線である。板ばね40を交換する場合には、止ねじ54をドライバのような工具で取外し、第1・第2ケース11;12を分解した後に、板ばね40を持上げて、係合部44及び嵌込部45を第1ケース11より引抜くことで、板ばね40を第1ケース11より容易に取外して交換することができる。
【0014】
図5を参照し、板ばね40が装着された第1ケース11に図4の第2ケース12を固定した場合における板ばね40の周りについて説明する。凹部51に嵌め込まれた係合部44は第1ケース11の第7隔壁7と対応する第2ケース12の第8隔壁60で抜け止めが保持され、板ばね40のカール部42側の一半部における短手方向上下端面は球通路33の前後面を形成する第1・第2ケース11;12の前後壁61;62との間に隙間63;64を有する。又、第2ケース12の第8隔壁60には図2の除去部36と対応する図外の除去部が形成され、当該除去部と図2の除去部36とが板ばね40のカール部42側の一半部の球噛防止に関連する撓みを許容する。
【0015】
図6を参照し、球払出装置70について説明する。球払出装置70は、装置本体71に、電磁ソレノイド72、連結部材73、スプロケット32、球通路33、駆動レバー74及び爪75等を備える。スプロケット32は球通路33より数珠つなぎに流下する上方の球76と下方の球76とを互いに接触しないように切分けて球検出器77の方に放出する部材であって、周縁部に切欠部37が周方向に等間隔に配置される。球通路33は多数の球76を一列のような整列状態で上方より下方に蛇行しながら誘導する形態であって、中間部は図示を省略したが、図示した下流部と上流部とは互いに中間部を介して連なる。
【0016】
駆動レバー74の他端部に取付けられたばね止78と装置本体71に取付けられたばね止79とに掛け渡されたコイルスプリングのような復帰ばね80はレバー軸81に回転可能に装着された爪75を爪車82に係合する方向のばね力を駆動レバー74に与える。レバー軸81周りに嵌め込まれた渦巻きスプリングのような爪ばね83の両端部が爪75に設けられた爪側ストッパ84と駆動レバー74に設けられたレバー側ストッパ85とに係留され、爪ばね83が爪側ストッパ84とレバー側ストッパ85とを互いに近づける方向のばね力を駆動レバー74と爪75とに与えることにより、爪75が爪車82に係合する際に飛び跳ねを起こすことがないように爪ばね83が機能する。又、爪ばね83を爪側ストッパ84とレバー側ストッパ85とに係留する場合、爪ばね83を爪側ストッパ84とレバー側ストッパ85とに外側より襷掛け状にしているので、駆動レバー74と爪75とが互いにレバー軸81上で離れる方向に突っ張るように爪ばね83が機能する。
【0017】
電磁ソレノイド72に連結部材73や駆動レバー74及び爪ばね83等を介して連結された爪75がスプロケット32に一緒に回転し得るように設けられた爪車82に係合してスプロケット32の矢印Wで示す球払出方向への回転を停止する。この回転停止により、球76を球通路33に突出したスプロケット32と球通路33に設けられた段差部86との共働により球通路33内に留置く。図6の図示状態は球76が球通路33内にスプロケット32で留置かれた球払出阻止の形態である。
【0018】
この状態において、電磁ソレノイド72が制御装置87からの球払出開始指示により励磁されプランジャを吸引して爪75と爪車82との係合を解除することにより、球払出許容の形態となる。この球払出許容の形態では、スプロケット32が球76の重さで自由回転し、球76が賞球又は貸球として球通路33を流下する。このスプロケット32より解放されて自重落下する球76は1個ずつ光を利用した光通過型のような球検出器77で検出されて球通路33より払出される。球検出器77は球76を検出する毎に球計数信号として球検出信号を制御装置87に出力する。
【0019】
そして、制御装置87は球検出信号を計数した球払出数が球払出開始指示と対応する設定球払出数となると球払出停止指示を電磁ソレノイド72に出力し、電磁ソレノイド72が上記制御装置87からの球払出停止指示により消磁され、復帰ばね80によりプランジャが下方に突出して爪75を爪車82に係合させる。これによって、スプロケット32が停止し、球76がスプロケット32より上流側の球通路33内に留置かれた球払出阻止の形態となる。
【0020】
本実施形態の構造によれば、図6の球76が取込まれるべき図1の切欠部37aに取込まれずに、取込まれるべき時期より遅れた時期に球76が切欠部37aの回転方向後側の凸部39aと板ばね40とに接触して凸部39aと板ばね40とに挟み込まれるような場合に、挟まれようとする球76及び球76の上方に連なる図外の球の重さと、これらの球76と図外の球による板ばね40の除去部36側への撓みと、板ばね40が球76を取込まれるべき切欠部37a側へ押すばね力と、スプロケット32からの押圧力とが有機的に絡み合って挟まれようとする球76に加わり、球噛みが発生することなく、球76が取込まれるべき切欠部37a側へ押込まれ、回転するスプロケット32の各切欠部37に応じて球76が1個ずつ規則正しく払出される。
【0021】
又、板ばね40のカール部42は図示のような円形に限らずに内側から外側へ向けた弧状に形成されれば、球76が板ばね40の端部に引っ掛かることなく、カール部42が板ばね40とスプロケット32との間に球76を取込むことができる。
【0022】
前記実施形態では、第7隔壁7の最上流域35における部分の全部を取り除いて除去部36を形成したが、第7隔壁7の最上流域35における球通路側部を取り除いて上記除去部36に相当する除去部を形成し、この除去部に外側に位置する第7隔壁7の取残された部分に前記板ばね40に代わるゴム又は軟質合成樹脂のような弾性を有する部材を接着剤又は嵌め込みで取付けても同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の球払出装置を示す平面図。
【図2】 同実施形態の球払出装置を示す斜視図。
【図3】 同実施形態の板ばねを示す模式図。
【図4】 同実施形態の球払出装置を示す斜視図。
【図5】 同実施形態の球払出装置と板ばねとを示す断面図。
【図6】 同実施形態の球払出装置を示す模式図。
【図7】 従来例を示す模式図。
【符号の説明】
1〜7 第1〜第7隔壁(壁部)
32 スプロケット
35 最上流域
36 除去部
40 板ばね(弾性体)
60 第8隔壁(壁部)
76 球
Claims (1)
- 球を一列状に上から下へと誘導する球通路と、周方向に等間隔に配置された切欠部を有した周縁部の一部が球通路に突出するように設けられて球通路に突出した部分の切欠部に球を1個ずつ取込みつつ回転することにより球を1つずつ切り分けて上流から下流へと移送するスプロケットと、スプロケットより解放されて自重落下する球を検出する球検出器とを備えた球払出装置において、
球通路を流下してくる球とスプロケットとが最初に出会う球通路の流域においてスプロケットと対向する球通路の壁部を取り除いた除去部と、板ばねと、除去部の下流側に位置する球通路に形成された板ばね取付部とを備え、
板ばねは、除去部の下流側に位置する球通路においてスプロケットと対向する下流側壁部に沿う形状に形成されるとともに、板ばね取付部に取付けられる他端部と、除去部に配置される一端部とを備え、
板ばね取付部は、下流側壁部の下端より延長する球通路の路面より突出して下流側壁部と対向する突壁と、下流側壁部の上端面に形成された凹部とを備え、
板ばねの他端部は、下流側壁部と突壁との間の隙間に嵌め込まれる嵌込部と、凹部に嵌め込まれるとともに下流側壁部の上端部を挟み込む係合部とを備え、
板ばねの一端部は、一端が除去部の球通路側から球通路外側に向けた弧状に形成されたカール部を備え、
板ばねは、他端部の嵌込部が隙間に嵌め込まれるとともに他端部の係合部が下流側壁部の上端部を挟み込んで凹部に嵌め込まれることによって板ばね取付部に取付けられ、球通路を流下してくる球が一端部とスプロケットとで挟み込まれた場合に一端部が除去部の球通路外側に撓むように構成されたことを特徴とする球払出装置。
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