JP4521951B2 - エッチング液 - Google Patents

エッチング液 Download PDF

Info

Publication number
JP4521951B2
JP4521951B2 JP2000257646A JP2000257646A JP4521951B2 JP 4521951 B2 JP4521951 B2 JP 4521951B2 JP 2000257646 A JP2000257646 A JP 2000257646A JP 2000257646 A JP2000257646 A JP 2000257646A JP 4521951 B2 JP4521951 B2 JP 4521951B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor circuit
group
resin
layer
tetrazole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000257646A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002076610A (ja
Inventor
靖 稲垣
慎一郎 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2000257646A priority Critical patent/JP4521951B2/ja
Publication of JP2002076610A publication Critical patent/JP2002076610A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4521951B2 publication Critical patent/JP4521951B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層プリント配線板を製造する際に用いられるエッチング液に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気信号の高周波数化に伴って、パッケージ基板の材料は、低誘電率、低誘電正接であることが求められるようになってきている。そのため、パッケージ基板に用いられる多層プリント配線板は、その材料が、セラミックから樹脂へとその主流が移りつつある。
【0003】
このような背景の下、樹脂基板を用いた多層プリント配線板は、例えば、特開平4−55555号公報等に開示された方法により製造されている。
すなわち、まず、銅箔が貼り付けられた銅張積層板に貫通孔を形成し、続いて無電解銅めっき処理を施すことによりスルーホールを形成する。続いて、基板の表面を導体パターン状にエッチング処理して導体回路を形成し、この導体回路の表面に、エッチング等により粗化面を形成する。そして、この粗化面を有する導体回路上に樹脂絶縁層を形成した後、露光、現像処理を行ってバイアホール用開口を形成し、その後、UV硬化、本硬化を経て層間樹脂絶縁層を形成する。
【0004】
さらに、層間樹脂絶縁層に酸や酸化剤などにより粗化処理を施した後、薄い無電解めっき層を形成し、この無電解めっき層上にめっきレジストを形成し、電気めっきにより厚付けを行い、めっきレジスト剥離後、めっきレジスト下に存在している薄い無電解めっき層をエッチング液を用いて除去することにより独立した導体回路を形成し、さらに、酸化(黒化)−還元処理、Cu−Ni−P針状合金めっき等により導体回路表面に粗化面を形成する。
この工程を繰り返した後、最後に導体回路を保護するためのソルダーレジスト層を形成し、さらに、ICチップ等との接続のために開口を形成し、露出した導体回路にめっき等を施し、半田ペーストを印刷して半田バンプを形成することにより、多層プリント配線板の製造を完了する。
【0005】
このような多層プリント配線板の製造方法において、導体回路表面に形成される粗化面は、導体回路と樹脂絶縁層との密着性を得るためのものである。
しかしながら、酸化(黒化)−還元処理により導体回路表面に粗化面を形成する場合、導体回路と樹脂絶縁層との間で充分な密着性を得ることができないという問題があった。
【0006】
また、Cu−Ni−P針状合金めっき等により導体回路表面に粗化面を形成する場合には、めっき処理により導体回路表面だけでなく、下層の樹脂絶縁層表面にもめっき層が形成されることがあり、この樹脂絶縁層表面に形成されためっき層は、短絡を引き起こす原因となるという問題があった。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような問題を回避するために、エッチングにより導体回路表面に粗化面を形成する方法が提案されている。
特開平11−87928号公報では、第二銅錯体と有機酸塩とを含有するエッチング液を用いて、導体回路表面に粗化面が形成された多層プリント配線板が開示されており、特開平10−96088号公報では、オキソ酸、過酸化物およびアゾールからなるエッチング液により導体回路表面に粗化面を形成する方法が開示されている。
【0008】
しかしながら、これらの方法を用いて導体回路表面に粗化面を形成する場合、導体回路表面に均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができず、導体回路上に樹脂絶縁層を形成し、信頼性試験を行った後に、導体回路と樹脂絶縁層との間で剥離が発生することがあった。
【0009】
また、上記の方法を用いて、導体回路表面に粗化面を形成した場合、この粗化面には、レーザ光を照射した際に影となるような、基板面にほぼ平行な方向の凹部が形成される場合がある。そのため、導体回路上に樹脂絶縁層を形成し、該樹脂絶縁層を開口するためにレーザ光を照射した際に、上記凹部にはレーザ光が照射されず、粗化面に樹脂残りが発生する。その結果、バイアホールを設けるため、上記開口内に金属層を形成した際に、上記樹脂残りに起因して、導体回路と上記金属層とが密着せず断線の原因となったり、信頼性試験時に、導体回路上面に残留していた樹脂が膨れ導体回路と上記金属層との剥離の原因となったりすることがあった。
【0010】
また、図13に示すように、オキソ酸、過酸化物およびアゾールからなるエッチング液を用いて、基板31上に形成された導体回路35表面に粗化面35aを形成する場合には、まず、基板31上に形成された導体回路35表面にアゾールが吸着する(図13(a)参照)。その後、上記アゾールの未吸着部分がオキソ酸および過酸化物によりエッチングされ、導体回路表面に粗化面が形成される。しかしながら、アゾールを用いて粗化面を形成する場合、導体回路の下部に深い凹部35bが形成され、導体回路がアンダーカット形状になることがあった(図13(b)、(c)参照)
図14に示すように、アゾールは導体回路底部側面に吸着しにくく、そのため、導体回路底部側面が過剰にエッチングされ、これが、導体回路の形状がアンダーカット形状になる一因ではないかと考えられる。
なお、図13(a)〜(c)は、従来の多層プリント配線板の製造工程において、導体回路表面に粗化面を形成する工程を模式的に示す断面図であり、図14は、図13(a)におけるAの部分拡大図である。
【0011】
このように導体回路がアンダーカット形状になると、導体回路上に層間樹脂絶縁層を形成した場合に、アンダーカット部分に樹脂が充填されなかったり、アンダーカット部分と樹脂との密着性が低かったりし、層間樹脂絶縁層にクラックが発生したり、層間樹脂絶縁層と導体回路との剥離が発生することがあった。
【0012】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、多層プリント配線板を製造する際に用いるエッチング液であって、導体回路をアンダーカット形状にすることなく、導体回路表面の全体に均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができるエッチング液を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意研究した結果、過酸化水素と硫酸とテトラゾールおよび/またはその誘導体とを含むエッチング液は、導体回路表面に粗化面を形成する際に、均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができ、アンダーカットを形成しないことを見いだし、以下に示す内容を要旨構成とする発明に到達した。
【0014】
即ち、本発明のエッチング液は、基板上に導体回路と樹脂絶縁層とが順次形成された多層プリント配線板を製造する際に用いられ、過酸化水素と硫酸と炭素数2〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数7〜20のアルキルフェニル基、フェニル基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、または、炭素数1〜10のカルボキシアルキル基を有するテトラゾール誘導体アルコールとからなることを特徴とする。
【0016】
また、上記エッチング液において、上記過酸化水素の濃度は、1〜50g/lであり、上記硫酸の濃度は、1〜50g/lであり、上記テトラゾールおよび/またはその誘導体の濃度は、0.1〜30g/lであることが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のエッチング液は、基板上に導体回路と樹脂絶縁層とが順次形成された多層プリント配線板を製造する際に用いられ、過酸化水素と硫酸と炭素数2〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数7〜20のアルキルフェニル基、フェニル基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、または、炭素数1〜10のカルボキシアルキル基を有するテトラゾール誘導体(以下、テトラゾール化合物ともいう)とアルコールとからなることを特徴とする。
【0018】
上記エッチング液によれば、多層プリント配線板を製造する際に、導体回路をアンダーカット形状にすることなく、導体回路表面の全体に均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができる。これは、以下のような理由によるものではないかと推察される。
【0019】
即ち、上記エッチング液は、下記反応式(1)〜(3)に示す反応の進行により導体回路表面をエッチングする。
Cu+H22 +H2 SO4 →CuSO4 +2H2 O・・・(1)
Cu+H22 →CuO+H2 O・・・(2)
CuO+H2 SO4 →CuSO4 +H2 O・・・(3)
なお、上記反応式(1)〜(3)は、導体回路を構成する材料が銅である場合に進行するエッチングの反応式を示したものである。
【0020】
しかしながら、過酸化水素および硫酸と銅との反応では、導体回路表面全体がほぼ均一にエッチングされ、導体回路表面に粗化面を形成することはできない。
そのため、本発明のエッチング液は、テトラゾール化合物を含んでいる。
【0021】
図1は、(a)〜(c)は、本発明のエッチング液を用いて、導体回路表面に粗化面を形成する工程を模式的に示す断面図であり、図2は、図1(a)におけるAの部分拡大図である。
【0022】
本発明のエッチング液は、テトラゾール化合物を含んでいるため、本発明のエッチング液と導体回路とが接触した場合、まず、基板21上に形成された導体回路25表面に上記エッチング液に含まれるテトラゾール化合物が化学吸着する(図1(a)参照)。
その後、過酸化水素および硫酸により上記テトラゾール化合物の未吸着部分が主にエッチングされ、上記テトラゾール化合物の吸着部分はエッチングされにくい(図1(b)参照)。その結果、導体回路25表面の全体に粗化面25aが形成される(図1(c)参照)。
【0023】
一般に、テトラゾール等のアゾール化合物と銅との吸着は、アゾール化合物中の窒素原子のローンペア電子が銅に配位する化学吸着であると考えられている。また、本発明のエッチング液に用いるテトラゾール化合物は、4個の窒素原子を含むテトラゾール骨格を有するものである。
これらのことから、テトラゾール化合物は、アゾール類の中でも、極めて銅に吸着し易いと考えられる。そのため、通常、アゾール等が吸着しにくい導体回路底部側面にも、テトラゾール化合物であれば吸着することができる。
【0024】
従って、本発明のエッチング液では、図2に示すように、エッチング液に含まれるテトラゾール化合物が、導体回路25底部側面においても吸着するため、粗化面形成処理により導体回路をアンダーカット形状にすることがないのではないかと考えられる。
【0025】
本発明のエッチング液に含まれるテトラゾール誘導体としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数7〜20のアルキルフェニル基、アミノ基、フェニル基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、または、炭素数1〜10のカルボキシアルキル基を有するテトラゾール誘導体が挙げられる。
【0026】
上記炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラジシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。
【0027】
上記炭素数1〜20のアルキル基を有するテトラゾール誘導体としては、例えば、1−メチル−テトラゾール、5−メチル−テトラゾール、1−エチル−テトラゾール、5−エチル−テトラゾール、1−プロピル−テトラゾール、5−プロピル−テトラゾール、5−ブチル−テトラゾール等が挙げられる。
【0028】
上記炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等が挙げられる。
【0029】
上記炭素数3〜10のシクロアルキル基を有するテトラゾール誘導体としては、例えば、1−シクロプロピル−テトラゾール、5−シクロプロピル−テトラゾール、1−シクロヘキシル−テトラゾール、5−シクロヘキシル−テトラゾール等が挙げられる。
【0030】
上記炭素数7〜20のアルキルフェニル基としては、例えば、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシル基、ドデシルフェニル基、トリデシルフェニル基、テトラデシルフェニル基等が挙げられる。
【0031】
上記炭素数7〜20のアルキルフェニル基を有するテトラゾール誘導体としては、例えば、1−(3−メチルフェニル)−テトラゾール、5−(3−メチルフェニル)−テトラゾール、1−(3−エチルフェニル)−テトラゾール、5−(3−エチルフェニル)−テトラゾール等が挙げられる。
【0032】
上記アミノ基を有するテトラゾール誘導体としては、例えば、5−アミノテトラゾール、1−メチル−5−アミノテトラゾール、α−ベンジル−5−アミノテトラゾール、β−ベンジル−5−アミノテトラゾール等が挙げられる。
【0033】
上記フェニル基を有するテトラゾール誘導体としては、例えば、1−フェニル−1H−テトラゾール、5−フェニル−2H−テトラゾール等が挙げられる。
【0034】
上記メルカプト基を有するテトラゾール誘導体としては、例えば、1−メルカプト−テトラゾール、5−メルカプト−テトラゾール等が挙げられる。
【0035】
上記炭素数1〜10のアルキルメルカプト基としては、例えば、メチルメルカプト基、エチルメルカプト基、プロピルメルカプト基、イソプロピルメルカプト基、ブチルメルカプト基、sec−ブチルメルカプト基、tert−ブチルメルカプト基、ペンチルメルカプト基、ヘキシルメルカプト基、ヘプチルメルカプト基、オクチルメルカプト基、ノニルメルカプト基、デシルメルカプト基等が挙げられる。
【0036】
上記1〜10のアルキルメルカプト基を有するテトラゾール誘導体としては、例えば、1−メチルメルカプト−テトラゾール、5−メチルメルカプト−テトラゾール、1−エチルメルカプト−テトラゾール、5−エチルメルカプト−テトラゾール、1−プロピルメルカプト−テトラゾール、5−プロピルメルカプト−テトラゾール、5−ブチルメルカプト−テトラゾール等が挙げられる。
【0037】
上記炭素数1〜10のカルボキシアルキル基としては、例えば、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシイソプロピル基、カルボキシブチル基、カルボキシペンチル基、カルボキシヘキシル基、カルボキシヘプチル基、カルボキシオクチル基、カルボキシノニル基等が挙げられる。
【0038】
上記1〜10のカルボキシアルキル基を有するテトラゾール誘導体としては、例えば、1−カルボキシメチル−テトラゾール、5−カルボキシメチル−テトラゾール、1−カルボキシエチル−テトラゾール、5−カルボキシエチル−テトラゾール、1−カルボキシプロピル−テトラゾール、5−カルボキシプロピル−テトラゾール、1−カルボキシブチル−テトラゾール、5−カルボキシブチル−テトラゾール等が挙げられる。
【0039】
これらのテトラゾール誘導体のなかでは、アミノ基を有するテトラゾール誘導体やフェニル基を有するテトラゾール誘導体がより望ましい。
【0040】
本発明のエッチング液に含まれる過酸化水素の濃度としては、1〜50g/lが望ましい。上記過酸化水素の濃度が1g/l未満であったり、50g/lを超えると、余り深くエッチングすることができない場合がある。より望ましくは、5〜40g/lである。
【0041】
また、上記エッチング液に含まれる硫酸の濃度としては、1〜50g/lが望ましい。上記硫酸の濃度が1g/l未満であったり、50g/lを超えると、余り深くエッチングすることができない場合がある。より望ましくは、5〜40g/lである。
【0042】
また、上記エッチング液に含まれるテトラゾールおよび/またはその誘導体の濃度としては、0.1〜30g/lが望ましい。上記テトラゾールおよび/またはその誘導体の濃度が0.1g/l未満では、充分な凹凸を有する粗化面を形成することができない場合があり、30g/lを超えると、導体回路表面全体にテトラゾール化合物が吸着するため、充分な凹凸を有する粗化面を形成することができない場合がある。より望ましくは、1〜20g/lである。
【0043】
本発明のエッチング液は、上記した構成成分以外に、アルコール、エッチング液分解剤、安定剤、仕上がり剤、光沢剤等を含んでいてもよい。
上記アルコールとしては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール等が挙げられる。これらのなかでは、揮発しにくい点から、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノールが望ましい。
本発明のエッチング液に含まれる上記アルコールの濃度としては特に限定されないが、1〜20ml/lが望ましい。
【0044】
このような構成からなる本発明のエッチング液は、多層プリント配線板を製造する際に、導体回路をアンダーカット形状にすることなく、導体回路表面の全体に均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができる。
また、上記エッチング液を用いると、後述する多層プリント配線板の製造工程において、薄膜導体層を除去すると同時に、粗化面を有する導体回路を形成することができる。
【0045】
次に、本発明のエッチング液が用いて行う多層プリント配線板の製造工程について簡単に説明する。
(1) まず、絶縁性基板の表面に導体回路が形成された基板を作製する。
上記絶縁性基板としては、ガラスエポキシ基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂基板、銅張積層板等の樹脂基板が望ましい。
このとき、この絶縁性基板に貫通孔を設けてもよい。この場合、貫通孔は直径100〜300μmのドリル、レーザ光等を用いて形成することが望ましい。
【0046】
次に、上記基板上に導体回路を形成する。すなわち、無電解めっき等により基板上に薄膜導体層を形成し、さらに、該薄膜導体層上の一部にめっきレジストを形成した後、めっきレジスト非形成部に、電気めっき層を形成する。続いて、上記めっきレジストを剥離し、その後、硫酸/過酸化水素水溶液、塩化第二鉄、塩化第二銅、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩の水溶液等を用いて該めっきレジスト下に存在する薄膜導体層を除去することにより導体回路を形成する。
【0047】
上記無電解めっきや電気めっきとしては、銅めっきが望ましい。本発明のエッチング液を使用する対象として適しているからである。
また、絶縁性基板に貫通孔を設けた場合には、薄膜導体層を形成する際に、該貫通孔の壁面にも同時に無電解めっきを施してスルーホールを形成することにより、基板の両面の導体回路間を電気的に接続してもよい。
【0048】
また、銅張基板を用いるか、基板上に無電解めっきを施してベタの導体層を形成した後、基板上に導体回路形状のエッチングレジストを形成し、エッチングを行うことにより導体回路を形成してもよい。
【0049】
(2) 次に、導体回路表面に粗化面を形成する。この工程において、本発明のエッチング液を使用することができる。具体的には、上記エッチング液中に導体回路の形成された基板を浸漬したり、上記基板を上記エッチング液でスプレー処理したりすることにより粗化面を形成する。
【0050】
この粗化面の凹凸の平均深さは、0.1〜10μmが望ましい。上記平均深さが0.1μm未満では、導体回路と樹脂絶縁層との密着性が低く、該樹脂絶縁層が剥がれてしまうことがあり、上記平均深さが、10μmを超えると、導体回路が薄くなりすぎたり、粗化面の凹凸が相殺されてしまったり、導体回路の上に形成した樹脂絶縁層にレーザで開口を形成した際に、粗化面に樹脂残りが発生し、導体回路と樹脂絶縁層との密着性や電気特性が低下してしまうことがある。
【0051】
より望ましくは、0.5〜5μmである。
上記粗化面の凹凸の平均高さがこの範囲であれば、導体回路と樹脂絶縁層との間に充分な密着性を得ることができ、導体回路の上に形成した樹脂絶縁層にレーザで開口を形成しても、粗化面に樹脂残りが発生することがない。
また、上記(1)の工程で、薄膜導体層を除去する際に本発明のエッチング液を用いることにより、薄膜導体層の除去と粗化面の形成とを同時に行うことができる。
【0052】
(3) 次に、この粗化面を有する導体回路が形成された基板上に層間樹脂絶縁層を形成する。
上記層間樹脂絶縁層の材料としては、粗化面形成用樹脂組成物、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
上記層間樹脂絶縁層は、未硬化の樹脂を塗布して形成してもよく、また、未硬化の樹脂フィルムを熱圧着して形成してもよい。さらに、未硬化の樹脂フィルムの片面に銅箔等の金属層が形成された樹脂フィルムを貼付してもよい。
【0053】
上記粗化面形成用樹脂組成物としては、例えば、酸または酸化剤に可溶性の粒子(以下、可溶性粒子という)が酸または酸化剤に難溶性の樹脂(以下、難溶性樹脂という)中に分散したものが挙げられる。
なお、上記「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
上記可溶性粒子としては、例えば、酸または酸化剤に可溶性の樹脂粒子、酸または酸化剤に可溶性の無機粒子、酸または酸化剤に可溶性の金属粒子等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0054】
上記難溶性樹脂としては、層間樹脂絶縁層に酸または酸化剤を用いて粗化面を形成する際に、粗化面の形状を保持することができるものであれば特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフォン(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PI)、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0055】
上記ポリフェニレンエーテル樹脂としては特に限定されず、例えば、PPO、PPE等が挙げられる。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、シクロオレフィン系樹脂、これらの樹脂の共重合体等が挙げられる。
これらのなかでは、誘電率および誘電正接が低く、GHz帯域の高周波信号を用いた場合でも信号遅延や信号エラーが発生しにくく、さらには、剛性等の機械的特性にも優れている点からシクロオレフィン系樹脂が望ましい。
【0056】
上記フッ素樹脂としては、例えば、エチル/テトラフルオロエチレン共重合樹脂(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等が挙げられる。
上記熱可塑性エラストマー樹脂としては特に限定されず、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
これらのなかでは、電気特性に優れる点からオレフィン系熱可塑性エラストマーやフッ素系熱可塑性エラストマーが望ましい。
【0057】
上記樹脂フィルムを貼り付けることにより層間樹脂絶縁層を形成する場合、該層間樹脂絶縁層の形成は、真空ラミネーター等の装置を用い、減圧下または真空下において、2.0〜10kgf/cm2 の圧力、60〜120℃の温度で圧着し、その後、樹脂フィルムを熱硬化することにより行うことが望ましい。
なお、上記熱硬化は、後述するバイアホール用開口および貫通孔を形成した後に行ってもよい。
【0058】
(4) 次に、層間樹脂絶縁層を形成した基板に、バイアホール用開口と必要に応じて貫通孔とを形成する。
上記バイアホール用開口は、レーザ処理等により形成する。また、感光性樹脂からなる層間樹脂絶縁層を形成した場合には、露光、現像処理を行うことにより、バイアホール用開口を設けてもよい。
このとき、使用されるレーザ光としては、例えば、炭酸ガス(CO2 )レーザ、紫外線レーザ、エキシマレーザ等が挙げられるが、これらのなかでは、エキシマレーザや短パルスの炭酸ガスレーザが望ましい。
【0059】
(5) 次に、バイアホール用開口の内壁を含む層間樹脂絶縁層の表面と上記工程で貫通孔を形成した場合には貫通孔の内壁とに、酸または酸化剤を用いて粗化面を形成する。
上記酸としては、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、蟻酸等が挙げられ、上記酸化剤としては、クロム酸、クロム硫酸、過マンガン酸ナトリウム等の過マンガン酸塩等が挙げられる。
【0060】
(6) 次に、形成された粗化面に、必要により、触媒を付与する。上記触媒としては、例えば、塩化パラジウム等が挙げられる。
(7) ついで、形成された層間樹脂絶縁層上に、無電解めっき等を用いて薄膜導体層を形成する。
また、上記(4) の工程で貫通孔を形成した場合は、この工程で貫通孔の内壁面にも金属からなる薄膜導体層を形成することにより、スルーホールとしてもよい。
【0061】
(8) 次に、上記薄膜導体層上の一部にドライフィルムを用いてめっきレジストを形成し、その後、上記薄膜導体層をめっきリードとして電気めっきを行い、上記めっきレジスト非形成部に電気めっき層を形成する。
【0062】
(9) 次に、上記めっきレジストを剥離し、めっきレジストの下に存在していた薄膜導体層を硫酸/過酸化水素水溶液、塩化第二鉄、塩化第二銅、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩の水溶液等を用いて除去し、その後、本発明のエッチング液を用いて上記電気めっき層表面および上記薄膜導体層側面に粗化面を形成し、表面に粗化面を有する独立した導体回路とする。
なお、上記薄膜導体層を除去する際に、本発明のエッチング液を用いることにより、上記薄膜導体層を除去するとともに、電気めっき層表面および上記薄膜導体層側面に粗化面を形成してもよい。
【0063】
(10)この後、必要により、(3) 〜(9) の工程を繰り返し、粗化面を有する導体回路を形成する。
【0064】
(11)次に、最上層の導体回路を含む基板面にソルダーレジスト層を形成する。
上記ソルダーレジスト層としては、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー、ソルダーレジスト樹脂組成物等からなるものが挙げられる。
【0065】
(12)次に、ソルダーレジスト層の開口部分にNi、Au等からなる耐食金属層をめっき、スパッタリングまたは蒸着等により形成し、その後、ICチップ接続面には、半田ペーストを印刷することにより半田バンプを形成し、外部基板接続面には、半田ボールやピン等を配設することによりプリント配線板の製造を終了する。
【0066】
【実施例】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
A.層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量469、油化シェルエポキシ社製、エピコート1001)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロンN−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−7052)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリカ2重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布した後、80〜120℃で10分間乾燥させることにより、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
【0067】
B.樹脂充填剤の調製
1)ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で45〜49Pa・sの樹脂充填剤を調製した。
なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
【0068】
C.プリント配線板の製造方法
(1) 厚さ1mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両面に18μmの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図3(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板1の両面に下層導体回路4とスルーホール9を形成した。
【0069】
(2) スルーホール9および下層導体回路4を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、過酸化水素20g/l、硫酸15g/l、5−アミノテトラゾール3g/l、および、プロピルアルコール10ml/lを含むエッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけ、搬送ロールで送ることにより下層導体回路4の表面とスルーホール9のランド表面と内壁とをエッチングすることにより、下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9aを形成した(図3(b)参照)。
【0070】
(3) 上記Bに記載した樹脂充填剤を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール9内、および、基板1の片面の導体回路非形成部と導体回路4の外縁部とに樹脂充填剤10の層を形成した。
すなわち、まず、スキージを用いてスルーホール内に樹脂充填剤を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて凹部となっている導体回路非形成部に樹脂充填剤10の層を形成し、100℃、20分の条件で乾燥させた(図3(c)参照)。
【0071】
(4) 上記(3) の処理を終えた基板の片面を、#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベルトサンダー研磨により、内層銅パターン4の表面やスルーホール9のランド表面に樹脂充填剤10が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。
次いで、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱処理を行って樹脂充填剤10を硬化した。
【0072】
このようにして、スルーホール9や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材10の表層部および下層導体回路4の表面を平坦化し、樹脂充填材10と下層導体回路4の側面4aとが粗化面を介して強固に密着し、またスルーホール9の内壁面9aと樹脂充填材10とが粗化面を介して強固に密着した絶縁性基板を得た(図3(d)参照)。すなわち、この工程により、樹脂充填剤10の表面と下層導体回路4の表面とが同一平面となる。
【0073】
(5) 上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、過酸化水素20g/l、硫酸15g/l、5−アミノテトラゾール3g/l、および、プロピルアルコール10ml/lを含むエッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけて、搬送ロールで送ることにより下層導体回路4の表面とスルーホール9のランド表面と内壁とをエッチングすることにより、下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9a(粗化深さ3μm)を形成した(図4(a)参照)。
【0074】
(6) 基板の両面に、上記Aで作製した層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを、以下の方法により真空ラミネーター装置を用いて貼り付けることにより層間樹脂絶縁層を形成した(図4(b)参照)。すなわち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、真空度0.5Torr、圧力4kgf/cm2 、温度80℃、圧着時間60秒の条件で貼り付け、その後、100℃で30分、150℃で1時間熱硬化させた。
【0075】
(7) 次に、層間樹脂絶縁層2上に、貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層2に、直径60μmのバイアホール用開口6を形成した(図4(c)参照)。
【0076】
(8) バイアホール用開口6を形成した基板を、800g/lのクロム酸を含む70℃の溶液に19分間浸漬し、層間樹脂絶縁層2の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口6の内壁を含む層間樹脂絶縁層2の表面を粗化面とした(図4(d)参照)。
【0077】
(9) 次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ6μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒(アトテック社製)を付与することにより、層間樹脂絶縁層2の表面およびバイアホール用開口6の内壁面に触媒核を付着させた。
【0078】
(10)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.6〜0.9μmの無電解銅めっき層12を形成した(図5(a)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 40 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
35℃の液温度で40分
【0079】
(11)市販の感光性ドライフィルムを無電解銅めっき層12に貼り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ25μmのめっきレジスト3を設けた(図5(b)参照)。
【0080】
(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解銅めっきを施し、電解銅めっき層13を形成した(図5(c)参照)。
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドHL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
【0081】
(13)次に、めっきレジスト3を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト3下の無電解めっき層12を塩化第二鉄からなるエッチング液で処理して溶解除去することにより、無電解銅めっき膜と電解銅めっき膜とからなる厚さ18μmの導体回路(バイアホール7を含む)5を形成した(図5(d)参照)。
さらに、上記(5) で用いたエッチング液と同様のエッチング液を用いて、導体回路表面に粗化面(粗化深さ3μm)を形成した(図6(a)参照)。
【0082】
(14)上記 (5)〜(13)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の導体回路を形成し、多層配線板を得た(図6(b)〜図7(b)参照)。
【0083】
(15)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコート1001)15.0重量部、イミダゾール硬化剤1.6重量部、感光性モノマーである多価アクリルモノマー(日本化薬社製、R604)3重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄社化学社製、DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して、光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2重量部、光増感剤としてミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部を加えることにより、粘度を25℃で1.4±0.3Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。
なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60ppmの場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
【0084】
(16)次に、多層配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線を露光し、DMTG溶液で現像処理し、直径200μmの開口を形成した。
そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレジスト層14を形成した。
また、上記したソルダーレジスト組成物に代えて、市販のソルダーレジスト組成物や、LPSR、フィルム状に成形したソルダーレジスト組成物等を用い、レーザ処理により開口を形成することによりソルダーレジスト層を形成してもよい。
【0085】
(17)次に、ソルダーレジスト層14を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層15を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層15上に、厚さ0.03μmの金めっき層16を形成した。
【0086】
(18)この後、ソルダーレジスト層14の開口にはんだペーストを印刷して、200℃でリフローすることによりはんだバンプ(はんだ体)17を形成し、はんだバンプ17を有する多層プリント配線板を製造した(図7(c)参照)。
【0087】
(実施例2)
実施例1の(13)の工程において、めっきレジスト3を5%KOHで剥離除去した後、過酸化水素30g/l、硫酸15g/l、5−アミノテトラゾール4g/l、プロピルアルコール15ml/lからなるエッチング液を用いて、めっきレジスト3下の無電解めっき層12を除去するとともに、電解銅めっき膜表面と無電解銅めっき膜側面とに粗化面(粗化深さ3μm)を形成し、無電解銅めっき膜と電解銅めっき膜とからなり、表面に粗化面を有する厚さ18μmの導体回路(バイアホール7を含む)5を形成した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0088】
(実施例3)
A.プリント配線板の製造
(1) 厚さ1mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミド−トリアジン)樹脂からなる基板1の両面に18μmの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図8(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、続いてめっきレジストを形成した後、この基板に無電解銅めっき処理を施してスルーホール9を形成し、さらに、銅箔を常法に従いパターン状にエッチングすることにより、基板の両面に内層銅パターン(下層導体回路)4を形成した。
【0089】
(2) 下層導体回路4を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、過酸化水素20g/l、硫酸20g/l、5−フェニルテトラゾール5g/l、および、プロピルアルコール10ml/lを含むエッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけ、搬送ロールで送ることにより下層導体回路4の表面とスルーホール9のランド表面と内壁とをエッチングすることにより、下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9aを形成した(図8(b)参照)。
【0090】
(3) 上記Aに記載した樹脂充填剤を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール9内、および、基板1の片面の導体回路非形成部と導体回路4の外縁部とに樹脂充填剤10の層を形成した。
すなわち、まず、スキージを用いてスルーホール内に樹脂充填剤を押し込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスクを基板上に載置し、スキージを用いて凹部となっている導体回路非形成部に樹脂充填剤10の層を形成し、100℃、20分の条件で乾燥させた(図8(c)参照)。
【0091】
(4) 上記(3) の処理を終えた基板の片面を、ベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により、下層導体回路4の表面やスルーホール9のランド表面に樹脂充填剤10が残らないように研磨し、ついで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。そして、充填した樹脂充填剤10を加熱硬化させた(図8(d)参照)。
【0092】
このようにして、スルーホール9等に充填された樹脂充填剤10の表層部および下層導体回路4上面の粗化層4aを除去して基板両面を平滑化し、樹脂充填剤10と下層導体回路4の側面とが粗化面4aを介して強固に密着し、またスルーホール9の内壁面と樹脂充填剤10とが粗化面9aを介して強固に密着した配線基板を得た。
【0093】
(5) 次に、上記(4) の処理を終えた基板の両面に、上記(2) で用いたエッチング液と同じエッチング液をスプレイで吹きつけ、搬送ロールで送ることにより、一旦平坦化された下層導体回路4の表面とスルーホール9のランド表面とをエッチングすることにより、下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9a(粗化深さ3μm)を形成した(図9(a)参照)。
【0094】
(6) 次に、上記工程を経た基板の両面に、厚さ50μmの熱硬化型シクロオレフィン系樹脂シートを温度50〜150℃まで昇温しながら圧力5kg/cm2 で真空圧着ラミネートし、シクロオレフィン系樹脂からなる層間樹脂絶縁層2を設けた(図9(b)参照)。真空圧着時の真空度は、10mmHgであった。
【0095】
(7) 次に、層間樹脂絶縁層2上に、貫通孔が形成されたマスクを介して、波長248nmのエキシマレーザを用いてレーザ光を照射することにより、シクロオレフィン系樹脂からなる層間樹脂絶縁層2に直径80μmのバイアホール用開口6を設けた(図9(c)参照)。この後、酸素プラズマを用いてデスミア処理を行った。
【0096】
(8) 次に、日本真空技術株式会社製のSV−4540を用い、Niをターゲットにしたスパッタリングを、ガス圧0.6Pa、温度80℃、電力200W、時間5分間の条件で行い、Ni金属層12aを層間樹脂絶縁層2の表面に形成した(図9(d)参照)。このとき、形成されたNi金属層12aの厚さは0.1μmであった。
さらに、Ni金属層12a上に、Cuをターゲットにしたスパッタリングを同条件で行いCu金属層12bを形成した。このとき、形成されたCu金属層12bの厚さは0.1μmであった(図10(a)参照)。
【0097】
(9) 上記処理を終えた基板の両面に、市販の感光性ドライフィルムを貼り付け、フォトマスクフィルムを載置して、100mJ/cm2 で露光した後、0.8%炭酸ナトリウムで現像処理し、厚さ25μmのめっきレジスト3のパターンを形成した(図10(b)参照)。
【0098】
(10)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解銅めっきを施し、電解銅めっき層13を形成した(図10(c)参照)。
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 度
【0099】
(11)次に、めっきレジスト3を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト3下の薄膜導体層12を塩化第二鉄からなるエッチング液で処理して溶解除去することにより、無電解銅めっき膜と電解銅めっき膜とからなる厚さ18μmの導体回路(バイアホール7を含む)5を形成した(図10(d)参照)。
さらに、上記(2) で用いたエッチング液と同様のエッチング液を用いて、導体回路表面に粗化面(粗化深さ3μm)を形成した(図11(a)参照)。
【0100】
(12)上記 (5)〜(11)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の導体回路を形成し、多層配線板を得た(図11(b)〜図12(b)参照)。
【0101】
(13)次に、上層導体回路が形成された多層配線基板の両面に、厚さ20μmの熱硬化型シクロオレフィン系樹脂シートを温度50〜150℃まで昇温しながら圧力5kg/cm2 で真空圧着ラミネートし、シクロオレフィン系樹脂からなるソルダーレジスト層14を設けた。なお、真空圧着時の真空度は、10mmHgであった。
【0102】
(14)次に、波長248nmのエキシマレーザにて、シクロオレフィン系樹脂からなるソルダーレジスト層14に直径200μmの開口を形成した。この後、酸素プラズマを用いてデスミア処理を行い、半田パッド部分が開口した、その厚さが20μmのソルダーレジスト層14を形成した。
【0103】
(15)次に、ソルダーレジスト層14を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層15を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層15上に、厚さ0.03μmの金めっき層16を形成した。
【0104】
(16)この後、ソルダーレジスト層14の開口にはんだペーストを印刷して、200℃でリフローすることによりはんだバンプ(はんだ体)17を形成し、はんだバンプ17を有する多層プリント配線板を製造した(図12(c)参照)。
【0105】
(実施例4)
実施例1の(11)の工程において、めっきレジスト3を5%KOHで剥離除去した後、過酸化水素25g/l、硫酸10g/l、5−アミノテトラゾール5g/l、および、プロピルアルコール7ml/lを含むエッチング液を用いて、めっきレジスト3下の無電解めっき層12を除去するとともに、電解銅めっき膜表面と無電解銅めっき膜側面とに粗化面(粗化深さ3μm)を形成し、無電解銅めっき膜と電解銅めっき膜とからなり、表面に粗化面を有する厚さ18μmの導体回路(バイアホール7を含む)5を形成した以外は、実施例3と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0106】
(比較例1)
実施例1において、過酸化水素20g/l、硫酸15g/l、5−アミノテトラゾール3g/l、および、プロピルアルコール10ml/lを含むエッチング液に代えて、第二銅錯体と有機酸塩とを含むエッチング液を用いた以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。なお、上記第二銅錯体と有機酸塩とを含むエッチング液は、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部及び塩化カリウム5重量部からなる。
【0107】
(比較例2)
実施例2において、過酸化水素30g/l、硫酸15g/l、5−アミノテトラゾール4g/l、および、プロピルアルコール15ml/lを含むエッチング液に代えて、比較例1で使用したものと同様の第二銅錯体と有機酸塩とを含むエッチング液を用いた以外は、実施例2と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0108】
(比較例3)
実施例3において、過酸化水素20g/l、硫酸20g/l、5−フェニルテトラゾール5g/l、および、プロピルアルコール10ml/lを含むエッチング液に代えて、比較例1で使用したものと同様の第二銅錯体と有機酸塩とを含むエッチング液を用いた以外は、実施例3と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0109】
(比較例4)
実施例4において、過酸化水素25g/l、硫酸10g/l、5−アミノテトラゾール5g/l、および、プロピルアルコール7ml/lを含むエッチング液に代えて、比較例1で使用したものと同様の第二銅錯体と有機酸塩とを含むエッチング液を用いた以外は、実施例4と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0110】
(比較例5)
実施例1において、エッチング液を用いて導体回路表面に粗化面を形成する代わりに、Cu−Ni−Pめっき処理により、以下の条件で導体回路表面にCu−Ni−P合金からなる粗化層を形成した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0111】
粗化層を形成する際には、まず、基板をアルカリ脱脂してソフトエッチングし、次いで、塩化パラジウムと有機酸とからなる触媒溶液で処理して、Pd触媒を付与し、この触媒を活性化した。
次に、この基板に硫酸銅(3.2×10-2mol/l)、硫酸ニッケル(2.4×10-3mol/l)、クエン酸(5.2×10-2mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.7×10-1mol/l)、ほう酸(5.0×10-1mol/l)、界面活性剤(日信化学工業社製、サーフィノール465)(1.0g/l)、の水溶液からなるpH=9の無電解めっき浴にて、無電解めっきを施し、導体導体回路の全表面にCu−Ni−P合金からなる粗化層を形成した。
【0112】
(比較例6)
実施例3において、エッチング液を用いて導体回路表面に粗化面を形成する代わりに、比較例5と同様の条件でCu−Ni−Pめっき処理を行うことにより、導体回路表面にCu−Ni−P合金からなる粗化層を形成した以外は、実施例3と同様にして多層プリント配線板を製造した。
【0113】
このようにして製造した実施例1〜4および比較例1〜6の多層プリント配線板について、導体回路と層間樹脂絶縁層との間のピール強度(kg/cm)、導体回路のアンダーカットの発生の有無、導体回路表面の樹脂残りの有無、並びに、信頼性試験前後における導体回路と層間樹脂絶縁層との剥離の発生の有無、バイアホール内の上下の導体回路間での剥離の発生の有無、および、導通試験時の短絡、断線の発生の有無を以下の評価方法を用いて評価し、結果を表1に示した。
【0114】
評価方法
(1)ピール強度
市販のピール強度測定機を用い、層間樹脂絶縁層に接着して測定した。
【0115】
(2)アンダーカットの発生の有無および樹脂残りの有無
多層プリント配線板をカッターで切断し、切断した断面を顕微鏡で観察した。
【0116】
(3)信頼性試験
得られた多層プリント配線板を、−65℃の雰囲気下に3分間維持した後、130℃の雰囲気下で3分間維持するサイクルを1000回繰り返した。
【0117】
(4)導体回路と層間樹脂絶縁層との間での剥離および上下の導体回路間での剥離
上記(2)と同様にして、多層プリント配線板をカッターで切断し、切断した断面を顕微鏡で観察した。
【0118】
(5)短絡または断線の発生の有無
得られた多層プリント配線板にICチップを接続し、これの導通試験を行い、モニターに表示された結果から導通状態を評価した。
【0119】
【表1】
Figure 0004521951
【0120】
その結果、表1に示したように、実施例1〜4で製造した多層プリント配線板では、ピール強度が1.1kg/cm以上で、導体回路と層間樹脂絶縁層との間に充分な密着性があり、導体回路がアンダーカット形状になることもなく、導体回路表面に樹脂残りも発生していなかった。
また、上記多層プリント配線板では、信頼性試験前後において、導体回路と層間樹脂絶縁層や上層の導体回路との間で剥離は発生せず、導通試験において、短絡や断線も認められなかった。
【0121】
これに対して、比較例1〜4の多層プリント配線板では、ピール強度が1.0kg/cmであり、実施例1〜4の多層プリント配線板と比べて、導体回路と層間樹脂絶縁層との間の密着性が大きく劣るものではなかったものの、測定部位によるピール強度のバラツキが大きく、0.8kg/cm以下になっている部位もあった。また、一部の導体回路がアンダーカット形状となっていた。また、一部の導体回路の上面に樹脂残りが認められ、導通試験において、上下の導体回路間の一部に断線が認められた。さらに、比較例2および4の多層プリント配線板では、隣接する導体回路間の一部に短絡も認められた。
また、上記多層プリント配線板では、信頼性試験後に導体回路と層間樹脂絶縁層や上層の導体回路との間で、剥離が発生している部分があった。
【0122】
また、比較例5および6の多層プリント配線板では、ピール強度が1.0kg/cmと、実施例1〜4の多層プリント配線板と比べて、導体回路と層間樹脂絶縁層との間の密着性が大きく劣るものではなく、アンダーカット形状の導体回路はなかったものの、一部の導体回路の上面に樹脂残りが認められ、導通試験において、上下の導体回路間の一部に断線が認められた。また、隣接する導体回路間の一部に短絡も認められた。
また、導体回路上面の樹脂残りに起因して、信頼性試験後に導体回路と層間樹脂絶縁層や上層の導体回路との間で、剥離が発生している部分があった。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のエッチング液は、多層プリント配線板を製造する際に、導体回路をアンダーカット形状にすることなく、導体回路表面の全体に均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、本発明のエッチング液を用いて、導体回路表面に粗化面を形成する工程を模式的に示す断面図である。
【図2】図1(a)におけるAの部分拡大断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断面図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断面図である。
【図5】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断面図である。
【図6】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断面図である。
【図7】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断面図である。
【図8】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断面図である。
【図9】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断面図である。
【図10】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断面図である。
【図11】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断面図である。
【図12】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配線板の製造工程の一部を示す断面図である。
【図13】(a)〜(c)は、従来のエッチング液を用いて、導体回路表面に粗化面を形成する工程を模式的に示す断面図である。
【図14】図13(a)におけるAの部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 層間樹脂絶縁層(粗化面形成用樹脂層)
3 めっきレジスト
4 下層導体回路
4a 粗化面
5 導体回路
6 バイアホール用開口
7 バイアホール
8 銅箔
9、29 スルーホール
9a 粗化面
10 樹脂充填剤
12 無電解銅めっき層
12a Ni金属層
12b Cu金属層
13 電気めっき層
14 ソルダーレジスト層
15 ニッケルめっき層
16 金めっき層
17 はんだバンプ
22 樹脂絶縁層
23 めっきレジスト
24 薄膜導体層
24b 粗化面
21、31 基板
25、35 電気めっき層
25a、35a 粗化面
35b アンダーカット

Claims (2)

  1. 基板上に導体回路と樹脂絶縁層とが順次形成された多層プリント配線板を製造する際に用いられ、
    過酸化水素と硫酸と炭素数2〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数7〜20のアルキルフェニル基、フェニル基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、または、炭素数1〜10のカルボキシアルキル基を有するテトラゾール誘導体アルコールとを含むことを特徴とするエッチング液。
  2. 前記過酸化水素の濃度は、1〜50g/lであり、前記硫酸の濃度は、1〜50g/lであり、前記テトラゾール誘導体の濃度は、0.1〜30g/lである請求項1記載のエッチング液。
JP2000257646A 2000-08-28 2000-08-28 エッチング液 Expired - Fee Related JP4521951B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000257646A JP4521951B2 (ja) 2000-08-28 2000-08-28 エッチング液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000257646A JP4521951B2 (ja) 2000-08-28 2000-08-28 エッチング液

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002076610A JP2002076610A (ja) 2002-03-15
JP4521951B2 true JP4521951B2 (ja) 2010-08-11

Family

ID=18746074

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000257646A Expired - Fee Related JP4521951B2 (ja) 2000-08-28 2000-08-28 エッチング液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4521951B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4434632B2 (ja) * 2003-06-10 2010-03-17 三菱瓦斯化学株式会社 プリント配線板の製造方法
JP4498378B2 (ja) 2007-03-30 2010-07-07 三洋電機株式会社 基板およびその製造方法、回路装置およびその製造方法
KR102200065B1 (ko) * 2019-04-29 2021-01-08 주식회사 케이씨씨 세라믹 회로기판의 금속 표면 처리 방법

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59222584A (ja) * 1983-05-31 1984-12-14 Yamatoya Shokai:Kk 銅および銅合金のエツチング液
JPH08335763A (ja) * 1994-12-12 1996-12-17 Alpha Metals Ltd 銅コーティング
JP2000064067A (ja) * 1998-06-09 2000-02-29 Ebara Densan Ltd エッチング液および銅表面の粗化処理方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59222584A (ja) * 1983-05-31 1984-12-14 Yamatoya Shokai:Kk 銅および銅合金のエツチング液
JPH08335763A (ja) * 1994-12-12 1996-12-17 Alpha Metals Ltd 銅コーティング
JP2000064067A (ja) * 1998-06-09 2000-02-29 Ebara Densan Ltd エッチング液および銅表面の粗化処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002076610A (ja) 2002-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2009110258A1 (ja) 多層プリント配線板、及び、多層プリント配線板の製造方法
JP2007109902A (ja) 多層プリント配線板の製造方法およびそれに用いる感光性ドライフィルム
JP4641589B2 (ja) コンデンサおよび多層プリント配線板
JP4753470B2 (ja) コンデンサ、多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法
JP4508380B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP2002374066A (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP4707273B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP4877694B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP4641588B2 (ja) コンデンサおよび多層プリント配線板
JP4282190B2 (ja) 多層プリント配線板及び多層プリント配線板の製造方法
JP4521951B2 (ja) エッチング液
JP4605888B2 (ja) 多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法
JP4535598B2 (ja) 多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法
JP3916946B2 (ja) 電解めっき液の評価方法および多層プリント配線板の製造方法
JP4360737B2 (ja) プリント配線板及びプリント配線板の製造方法
JP4497614B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP2002204057A (ja) 多層プリント配線板の製造方法および多層プリント配線板
JP4521947B2 (ja) 無電解めっき用前処理液、無電解めっき用処理液、および、多層プリント配線板の製造方法
JP4535559B2 (ja) 多層プリント配線板
JP3219396B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP3348846B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法および多層プリント配線板
JP4514308B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP4666332B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP4743974B2 (ja) 樹脂フィルムおよび多層プリント配線板の製造方法
JP4748889B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040318

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070717

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091117

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100106

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100525

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100525

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4521951

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130604

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees