JP4520576B2 - クローラ走行車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば圃場の穀稈を連続的に刈取って脱穀するコンバインまたは耕耘トラクタまたは圃場管理車などのクローラ走行車に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、左右走行クローラを同一方向に駆動する油圧無段変速構造の変速ポンプ及びモータと、左右走行クローラを逆方向に駆動する油圧無段変速構造の操向ポンプ及びモータを、遊星ギヤ機構を介して走行クローラに駆動力を伝えるミッションケースに取付けると共に、操向ハンドル及び変速レバー操作によって変速及び操向の各ポンプ及びモータ出力を制御し、左右走行クローラの両方に駆動力を伝え乍ら前後進及び旋回走行させる技術がある。しかし乍ら、前記従来技術は、変速モータ出力を伝えるギヤ機構と操向モータ出力を伝えるギヤ機構をミッションケースに内設させる必要があり、左右走行クローラ駆動構造のコンパクト化及び簡略化並びにミッションケースの小型軽量化及び製造コスト低減などを容易に行い得ない等の問題がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
然るに、本発明は、油圧無段変速構造の変速ポンプ及びモータと操向ポンプ及びモータをミッションケースに取付けると共に、左右遊星ギヤ機構を介して左右走行クローラに直進及び旋回駆動力を伝えるクローラ走行車において、ミッションケースの対向側面に変速ポンプ及びモータと操向ポンプ及びモータを対向させ、変速モータおよび操向モータの出力を伝えるギヤ機構を同一軸芯線上に配設させたもので、変速モータ出力を伝えるギヤ機構と操向モータ出力を伝えるギヤ機構を同一軸芯線上に容易に設置し得、左右走行クローラを駆動する直進系列と旋回系列の取付け軸本数を容易に削減し得、左右走行クローラ駆動構造のコンパクト化及び簡略化並びにミッションケースの小型軽量化及び製造コスト低減などを容易に図り得るものである。
【0004】
また、変速モータに連結させる変速無段出力ギヤと、操向モータに連結させる操向無段出力ギヤを、同一の入力軸を共用して設けたもので、ミッションケースの入力軸本数を削減して小型軽量化及び製造コスト低減などを容易に図り得るものである。
【0005】
また、変速モータ出力を伝える副変速ギヤ機構と、操向モータ出力を減速伝達させる操向ギヤ機構を、同一の伝動軸を共用して設けたもので、ミッションケースの伝動軸本数を削減して小型軽量化及び製造コスト低減などを容易に図り得るものである。
【0006】
また、変速モータ出力を伝える直進ギヤと、操向モータ出力を伝える左右差動ギヤを、同一のカウンタ軸を共用して設けたもので、ミッションケースのカウンタ軸本数を削減して小型軽量化及び製造コスト低減などを容易に図り得るものである。
【0007】
また、ミッションケースの変速モータ取付側面に片寄らせて副変速ギヤ機構を設け、ミッションケースの操向モータ取付側面に片寄らせて旋回ギヤ機構を設けたもので、前記副変速ギヤ機構と旋回ギヤ機構の取付軸芯線を容易に一致させ得、ミッションケースの取付軸本数を削減して小型軽量化及び製造コスト低減などを容易に図り得るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1はコンバインの全体側面図、図2は同平面図であり、図中(1)は左右一対の走行クローラ(2)を装設するトラックフレーム、(3)は前記トラックフレーム(1)に架設する機台、(4)はフィードチェン(5)を左側に張架し扱胴(6)及び処理胴(7)を内蔵している脱穀部、(8)は刈刃(9)及び穀稈搬送機構(10)などを備える刈取部、(11)は刈取フレーム(12)を介して刈取部(8)を昇降させる油圧昇降シリンダ、(13)は排藁チェン(14)終端を臨ませる排藁処理部、(15)は脱穀部(4)からの穀粒を揚穀筒(16)を介して搬入する穀物タンク、(17)は前記タンク(15)の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、(18)は丸形操向ハンドル(19)及び運転席(20)などを備える運転台、(21)は運転席(20)下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0009】
さらに、図2乃至図6に示す如く、前記運転台(18)の前部上面にステアリングコラム(21)を立設固定させ、ステアリングコラム(21)上面上方側に操向ハンドル(19)を縦軸回りに回転自在に取付けると共に、運転台(18)左側にサイドコラム(22)を設け、サイドコラム(22)下方にミッションケース(23)を配設させ、主変速レバー(24)、副変速レバー(25)、刈取クラッチレバー(26)、脱穀クラッチレバー(27)を前記サイドコラム(22)に取付ける。また、前記ステアリングコラム(21)は、アルミニウム合金鋳物を成形加工して形成し、左右に分割自在な2つ割れ構造で複数のボルトで締結して密閉の箱形に形成している。
【0010】
また、前記操向ハンドル(19)にハンドル軸(28)上端側を連結させ、ハンドル軸(28)をステアリングコラム(21)上部に回転自在に軸支させると共に、ステアリングコラム(21)上部に操向入力軸(29)上端部を回転自在に軸支させ、ハンドル軸(28)のギヤ(30)と操向入力軸(29)のセクタギヤ(31)を噛合させて各軸(28)(29)を連結させ、ステアリングコラム(21)内部の略中央で上下方向に操向入力軸(29)を延設させる。
【0011】
さらに、前記ステアリングコラム(21)の左側面で上下幅略中間に軸受部材(32)を着脱自在に固定させ、変速入力軸(33)の一端部を軸受部材(32)にベアリングを介して回転自在に片持ち支持させ、変速入力軸(33)を左右方向に略水平に軸支させると共に、操向入力軸(29)下端に自在継手(34)を介して入力支点軸(35)上端側を連結させ、入力支点軸(35)に入力部材(36)を固定させ、変速入力軸(33)に入力部材(36)を回転自在に取付けると共に、入力部材(36)に入力連結体(37)を着脱自在に固定させ、また変速入力軸(33)にベアリングを介して入力部材(36)を回転自在に軸支させ、入力部材(36)を操向入力軸(29)中心に回転自在に支持させるもので、前記操向入力軸(29)の正逆転によって入力部材(36)を略垂直な入力軸(29)芯線回りに正逆転させると共に、前記変速入力軸(33)の正逆転によって略水平な左右方向の入力軸(33)芯線回りに入力支点軸(35)及び入力部材(36)を回転させて前後方向に傾動させる。また、垂直方向の操向入力軸(29)芯線と左右水平方向の変速入力軸(33)芯線とが直角交叉する交点に自在継手(34)を取付け、操向ハンドル(19)の操向入力軸(29)正逆転操作により操向入力軸(29)芯線回りに入力部材(36)と入力連結体(37)を正逆転させる。
【0012】
さらに、前記ステアリングコラム(21)の下部前側に主変速軸(38)を回転自在に軸支させ、左右方向に略水平に横架させる主変速軸(38)の左側端をステアリングコラム(21)の左側外方に突設させると共に、サイドコラム(22)下方の機台(3)に回転自在に設ける中介軸(39)にロッド(40)を介して主変速軸(38)を連結させ、主変速レバー(24)をレバー支点軸(41)回りに前後方向に揺動させる変速操作によって主変速軸(38)を正逆転させる。また、変速アーム(42)及びリンク(43)を介して変速入力軸(33)に主変速軸(38)を連結させ、主変速レバー(24)の主変速軸(38)正逆転操作により前記入力部材(36)を変速入力軸(33)芯線回りに前後に傾動させる。
【0013】
さらに、筒軸形の操向出力軸(44)を前記主変速軸(38)に回転自在に取付け、操向出力リンク(45)を操向出力軸(44)に固定させると共に、操向ロッド(46)の上端部を前記入力連結体(37)に自在継手(47)を介して連結させ、球関継手を介して操向ロッド(46)の下端部を操向出力リンク(45)に連結させ、走行進路を変更させる操向機構(48)を構成している。
【0014】
さらに、前記操向出力軸(44)の上方で該軸(44)と略平行に変速出力軸(49)をステアリングコラム(21)内部に回転自在に軸支させ、変速出力リンク(50)を変速出力軸(49)に固定させると共に、変速ロッド(51)の上端部を前記入力連結体(37)に自在継手(52)を介して連結させ、球関継手を介して変速ロッド(511)の下端部を変速出力リンク(50)に連結させ、走行速度の変更並びに前後進の切換を行う変速機構(53)を構成している。
【0015】
さらに、互に回転自在な二重軸構造の内側の操向操作軸(54)並びに外側の変速操作軸(55)をステアリングコラム(21)の下部後側で左右幅中央に回転自在に取付けるもので、長さ調節自在な球関継手軸(56)及び変速リンク(57)(58)を介して前記変速出力軸(49)に変速操作軸(55)上端部を連結させると共に、長さ調節自在な球関継手軸(59)及び操向リンク(60)(61)を介して前記操向出力軸(44)に操向操作軸(54)上端部を連結させる。
【0016】
また、前記各操作軸(54)(55)は同一軸芯上に略垂直にステアリングコラム(21)底部に立設させ、各操作軸(54)(55)上端部をステアリングコラム(21)内部に延設させて各出力軸(44)(49)に連結させると共に、ステアリングコラム(21)底面下方に各操作軸(54)(55)下端部を突設させ、前記運転台(20)の作業者搭乗ステップ下面側に各操作軸(54)(55)下端側を延設させるもので、車速リンク(62)を介して前記変速操作軸(55)下端部に車速ロッド(63)を連結させると共に、旋回リンク(64)を介して操向操作軸(54)下端部に旋回ロッド(65)を連結させる。
【0017】
さらに、図7乃至図14に示す如く、前記ミッションケース(23)上部の左右両側面に油圧ユニット構造の変速及び操向ケース(66)(67)を着脱自在に固定させ、油圧無段変速構造の変速ポンプ(68)及びモータ(69)並びに操向ポンプ(70)及びモータ(71)を前記各ケース(66)(67)に内設させ、変速ポンプ(68)のポンプ軸(72)に入力プーリ(73)及び入力ベルト(74)を介してエンジン(21)の出力軸を連結させると共に、操向ポンプ(70)及び油圧ギヤポンプ(75)を前記ポンプ軸(72)に連結させ、エンジン(21)駆動力によって各ポンプ(68)(70)(75)を作動させる。
【0018】
さらに、前記走行クローラ(2)を駆動するスプロケット(76)を車軸(77)に固定させ、左右車軸ケース(78)を介して左右車軸(77)をミッションケース(23)に軸支させ、左右車軸(77)の間で同一軸芯上に変速ファイナル軸(79)と左右遊星ギヤ機構(80)を設けるもので、前記遊星ギヤ機構(80)は、前記変速ファイナル軸(79)に形成するサンギヤ(81)と、前記車軸(77)に遊転軸支させるリングギヤ(82)と、前記車軸(77)に固定させるキャリヤ(83)と、前記サンギヤ(81)とリングギヤ(82)の内側ギヤ(84)に噛合させる3つの遊星ギヤ(85)を備えると共に、前記ファイナル軸(79)端部をキャリヤ(83)に回転自在に軸支させ、また前記キャリヤ(83)に一端側を圧入固定させるピニオン軸(86)に遊星ギヤ(85)を遊転軸支させる。
【0019】
さらに、前記ミッションケース(23)内部に、入力軸(87)と、副変速入力及び出力軸(88)(89)と、カウンタ軸(90)を軸支させ、左右走行クローラ(2)を制動する駐車ブレーキ(91)を副変速出力軸(89)に設けると共に、前記入力軸(87)に変速無段出力ギヤ(92)を遊転軸支させ、前記変速モータ(69)のモータ軸(93)に前記出力ギヤ(92)をギヤ(94)連結させる。また、前記出力ギヤ(92)を副変速入力軸(88)にギヤ(95)連結させ、副変速レバー(25)によって切換える高低副変速ギヤ(96)(97)を介して副変速入力及び出力軸(88)(89)を連結させると共に、前記カウンタ軸(90)に固定させる直進ギヤ(98)を副変速出力軸(89)にギヤ(99)連結させ、カウンタ軸(90)の直進ギヤ(98)を変速ファイナル軸(79)にギヤ(100)連結させ、左右車軸(77)に左右遊星ギヤ機構(80)を介して直進駆動力を伝え、走行変速出力によって左右走行クローラ(2)を同一方向に同一速度で駆動して前進または後進走行させる。
【0020】
また、前記入力軸(87)に固定させる操向無段出力ギヤ(101)を前記操向モータ(71)のモータ軸(102)にギヤ(103)連結させると共に、前記副変速入力及び出力軸(88)(89)に操向ギヤ(104)(105)を遊転軸支させ、副変速入力軸(88)上の操向ギヤ(104)を前記入力軸(87)にギヤ(106)連結させる。また、前記カウンタ軸(90)に左右差動ギヤ(107)(108)を遊転軸支させ、副変速出力軸(89)上の操向ギヤ(105)を左差動ギヤ(107)に噛合させ、前記の左リングギヤ(82)の外側ギヤ(109)に左差動ギヤ(107)を噛合させ、左車軸(77)に正転旋回出力を伝えると共に、ミッションケース(23)内の逆転軸(110)に設ける逆転ギヤ(111)(112)を介して副変速出力軸(89)上の操向ギヤ(105)を右差動ギヤ(108)に連結させ、前記の右リングギヤ(82)の外側ギヤ(109)に右差動ギヤ(108)を噛合させ、右車軸(77)に逆転旋回出力を伝え、左右車軸(77)に左右遊星ギヤ機構(80)を介して旋回駆動力を伝えて左右走行クローラ(2)を逆方向に同一速度で駆動して左右方向に旋回走行させる。
【0021】
上記のように、油圧無段変速構造の変速ポンプ(68)及びモータ(69)と操向ポンプ(70)及びモータ(71)をミッションケース(23)に取付けると共に、左右遊星ギヤ機構(80)を介して左右走行クローラ(2)に直進及び旋回駆動力を伝えるクローラ走行車において、ミッションケース(23)の対向側面に変速ポンプ(68)及びモータ(69)と操向ポンプ(70)及びモータ(71)を対向させて配設させ、変速モータ(69)出力を伝えるギヤ機構と操向モータ(71)出力を伝えるギヤ機構を同一軸芯線上に設置し、左右走行クローラ(2)を駆動する直進系列と旋回系列の取付け軸本数を削減し、左右走行クローラ(2)駆動構造のコンパクト化及び簡略化並びにミッションケース(23)の小型軽量化及び製造コスト低減などを図るもので、変速モータ(69)に連結させる変速無段出力ギヤ(92)と、操向モータ(71)に連結させる操向無段出力ギヤ(101)を、同一の入力軸(87)を共用して設け、ミッションケース(23)の入力軸(87)本数を削減して小型軽量化及び製造コスト低減などを図る。
【0022】
また、変速モータ(69)出力を伝える副変速ギヤ(96)(97)機構と、操向モータ(71)出力を減速伝達させる操向ギヤ(104)(105)機構を、同一の伝動軸である副変速入力及び出力軸(88)(89)を共用して設け、ミッションケース(23)の副変速入力及び出力軸(88)(89)本数を削減して小型軽量化及び製造コスト低減などを図ると共に、変速モータ(69)出力を伝える直進ギヤ(98)と、操向モータ(71)出力を伝える左右差動ギヤ(107)(108)を、同一のカウンタ軸(90)を共用して設け、ミッションケース(23)のカウンタ軸(90)本数を削減して小型軽量化及び製造コスト低減などを図るもので、ミッションケース(23)の変速モータ(69)取付側面に片寄らせて副変速ギヤ(96)(97)機構を設け、ミッションケース(23)の操向モータ(71)取付側面に片寄らせて旋回ギヤ(104)(105)機構を設け、前記副変速ギヤ(96)(97)機構と旋回ギヤ(104)(105)機構の取付軸芯線を容易に一致させ、ミッションケース(23)の取付軸本数を削減して小型軽量化及び製造コスト低減などを図る。
【0023】
さらに、図14に示す如く、前記昇降シリンダ(11)を作動制御する昇降バルブ(113)に前記ギヤポンプ(75)を油圧接続させ、油タンクを兼用するミッションケース(23)内の作動油をサクションフィルタ(114)を介してギヤポンプ(75)が吸入し、昇降シリンダ(11)に供給されるギヤポンプ(75)のPTO油圧によって刈取部(8)を上昇させる一方、前記各ポンプ(68)(70)とモータ(69)(71)をメイン油路(115)(116)によって油圧接続させ、前記メイン油路(115)(116)に作動油を補給するチャージ油路(117)(118)を設け、該チャージ油路(117)(118)に前記昇降バルブ(113)のタンクポートを介してギヤポンプ(75)を油圧接続させ、メイン油路(115)(116)にチャージ油をギヤポンプ(75)から供給させる。
【0024】
さらに、図10に示す如く、斜板角変更によって出力制御する前記変速ポンプ(68)の制御軸(119)をミッションケース(23)上面側に突出させ、制御軸(119)に固定させる直進アーム(120)に前記車速ロッド(63)を連結させ、主変速レバー(24)操作によって変速ポンプ(68)を増減速及び正逆転出力制御し、左右走行クローラ(2)を同一方向に同一回転数で駆動し、前進または後進させると共に、直進状態下の操向ハンドル(19)操作によって変速ポンプ(68)を減速出力制御し、ハンドル(19)の切角(旋回半径)に比例して変速モータ(69)の回転数(車速)を変更させて減速させる。
【0025】
また、図12に示す如く、斜板角変更によって出力制御する前記操向ポンプ(70)の制御軸(121)をミッションケース(23)上面側に突出させ、前記制御軸(121)に固定させる旋回アーム(122)に前記旋回ロッド(65)を連結させるもので、直進状態下の操向ハンドル(19)操作によって操向ポンプ(70)を増減速及び正逆転出力制御し、左右走行クローラ(2)を逆方向に同一回転数で駆動し、左右走行クローラ(2)を同一方向に回転させ乍ら左または右旋回させるブレーキターン、または旋回内側走行クローラ(2)を逆転させて左または右旋回させるスピンターンを行うと共に、主変速レバー(24)操作によって変速ポンプ(68)出力に比例させて操向ポンプ(70)を増減速出力制御し、主変速レバー(24)操作による車速変更時、旋回外側走行クローラ(2)と旋回内側走行クローラ(2)の速度比を略一定に保ち、四輪自動車のアクセルペダル操作と同様に、旋回半径を略一定に保った状態で車速(機体中心速度)を変更させる。
【0026】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、油圧無段変速構造の変速ポンプ(68)及びモータ(69)と操向ポンプ(70)及びモータ(71)をミッションケース(23)に取付けると共に、左右遊星ギヤ機構(80)を介して左右走行クローラ(2)に直進及び旋回駆動力を伝えるクローラ走行車において、ミッションケース(23)の対向側面に変速ポンプ(68)及びモータ(69)と操向ポンプ(70)及びモータ(71)を対向させ、変速モータ(69)および操向モータ(71)の出力を伝えるギヤ機構を同一軸芯線上に配設させたもので、変速モータ(69)出力を伝えるギヤ機構と操向モータ(71)出力を伝えるギヤ機構を同一軸芯線上に容易に設置でき、左右走行クローラ(2)を駆動する直進系列と旋回系列の取付け軸本数を容易に削減でき、左右走行クローラ(2)駆動構造のコンパクト化及び簡略化並びにミッションケース(23)の小型軽量化及び製造コスト低減などを容易に図ることができるものである。
【0027】
また、変速モータ(69)に連結させる変速無段出力ギヤ(92)と、操向モータ(71)に連結させる操向無段出力ギヤ(101)を、同一の入力軸(87)を共用して設けたもので、ミッションケース(23)の入力軸(87)本数を削減して小型軽量化及び製造コスト低減などを容易に図ることができるものである。
【0028】
また、変速モータ(69)出力を伝える副変速ギヤ(96)(97)機構と、操向モータ(71)出力を減速伝達させる操向ギヤ(104)(105)機構を、同一の伝動軸(88)(89)を共用して設けたもので、ミッションケース(23)の伝動軸(88)(89)本数を削減して小型軽量化及び製造コスト低減などを容易に図ることができるものである。
【0029】
また、変速モータ(69)出力を伝える直進ギヤ(98)と、操向モータ(71)出力を伝える左右差動ギヤ(107)(108)を、同一のカウンタ軸(90)を共用して設けたもので、ミッションケース(23)のカウンタ軸(90)本数を削減して小型軽量化及び製造コスト低減などを容易に図ることができるものである。
【0030】
また、ミッションケース(23)の変速モータ(69)取付側面に片寄らせて副変速ギヤ(96)(97)機構を設け、ミッションケース(23)の操向モータ(71)取付側面に片寄らせて旋回ギヤ(104)(105)機構を設けたもので、前記副変速ギヤ(96)(97)機構と旋回ギヤ(104)(105)機構の取付軸芯線を容易に一致させることができ、ミッションケース(23)の取付軸本数を削減して小型軽量化及び製造コスト低減などを容易に図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図。
【図2】コンバインの全体平面図。
【図3】走行変速及び操向操作部の説明斜視図。
【図4】ステアリングコラムの側面図。
【図5】同正面図。
【図6】同部分平面図。
【図7】ミッションケースの断面図。
【図8】同上部拡大図。
【図9】同下部拡大図。
【図10】走行変速ギヤ列の説明図。
【図11】同断面図。
【図12】操向ギヤ列の説明図。
【図13】同断面図。
【図14】変速及び操向油圧回路図。
【符号の説明】
(2) 走行クローラ
(23) ミッションケース
(68) 変速ポンプ
(69) 変速モータ
(70) 操向ポンプ
(71) 操向モータ
(80) 遊星ギヤ機構
(87) 入力軸
(88) 副変速入力軸(伝動軸)
(89) 副変速出力軸(伝動軸)
(90) カウンタ軸
(92) 変速無段出力ギヤ
(96)(97) 副変速ギヤ
(98) 直進ギヤ
(101) 操向無段出力ギヤ
(104)(105) 旋回ギヤ
(107)(108) 差動ギヤ

Claims (3)

  1. 油圧無段変速構造の変速ポンプ及びモータと操向ポンプ及びモータをミッションケースに取付けると共に、左右遊星ギヤ機構を介して左右走行クローラに直進及び旋回駆動力を伝えるクローラ走行車において、ミッションケースの対向側面に変速ポンプ及びモータと操向ポンプ及びモータを対向させ、前記変速モータおよび操向モータの出力を伝えるギヤ機構を同一軸芯線上に配設し、前記変速モータに連結させる変速無段出力ギヤと、前記操向モータに連結させる操向無段出力ギヤを、同一の入力軸を共用して設けるとともに、前記変速モータ出力を伝える副変速ギヤ機構と、前記操向モータ出力を減速伝達させる操向ギヤ機構を、同一の伝動軸を共用して設けたことを特徴とするクローラ走行車。
  2. 変速モータ出力を伝える直進ギヤと、操向モータ出力を伝える左右差動ギヤを、同一のカウンタ軸を共用して設けたことを特徴とする請求項1に記載のクローラ走行車。
  3. ミッションケースの変速モータ取付側面に片寄らせて副変速ギヤ機構を設け、ミッションケースの操向モータ取付側面に片寄らせて旋回ギヤ機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載のクローラ走行車。
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