JP4517697B2 - 橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造 - Google Patents

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Description

本発明は、道路橋等の橋梁の橋桁中間部や端部における伸縮ジョイント部の連続化構造に関するものである。
道路橋においては、橋桁と橋桁との間、橋桁と橋台との間には、温度変化、コンクリートのクリープ及び乾燥収縮、活荷重等による橋の変形を吸収する目的で、伸縮遊間が設けられている。この伸縮遊間上の橋面上には橋桁が伸縮しても橋面の連続性が維持されるようにフィンガージョイント等の伸縮装置を設置する場合があるが、このような伸縮装置は、車輌の走行性を著しく低下させ、また近年の道路における交通量の急激な増加や車輌の重量化によって伸縮装置やその近傍の破損が著しくなっており、補修、騒音、振動等の面から道路の維持管理上の大きな問題となつている。
このような問題を解決する方法として、橋面の舗装体を、橋桁と橋桁との間、橋桁と橋台との間にも連続して施工する橋面の連続舗装工法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2) 。
特許文献1の発明は、伸縮遊間上の両側にわたって骨材を含むアスファルト混合物からなる舗装を連続して施工するものであり、伸縮遊間を挟んで対向する橋体(橋桁や橋台) の端部の上に伸縮遊間を跨いでシート状の滑り層を布設し、この上に網状体を敷設し、その上に基層と表層からなるアスファルト混合物(ゴムアスファルトコンパウンド) を積層し、基層には応力を分散させてひび割れを防止するハニカムやエキスパンドメタル等の応力伝達部材を埋設し、基層と表層との間には、基層から表層に伝えられる応力を分散させてひび割れを防止する、メッシュ状の補強用繊維をアスファルト系材料内に埋設したひずみ分散シートを介挿したものである。
特許文献2の発明は、伸縮遊間上の舗装部に埋設される埋設ジョイント部材であり、伸縮遊間を跨いでゴム製の埋設ジョイント部材を設置し、このゴム製の埋設ジョイント部材にはスチールコードまたは繊維コードを橋軸方向とバイアス方向に配設し、橋軸方向・橋軸直角方向・回転方向のひずみを分散できるようにし、この埋設ジョイント部材の両端部にはテンションバーを埋設し、このテンションバーをテンションボルトで橋体または陸上道路に固定し、この埋設ジョイント部材の中央部下面には埋設ジョイント部材が伸縮遊間に落ち込むのを防止する硬質板からなる荷重支持部材を埋設したものである。
特開平7ー166506号公報 特開平10ー292316号公報
前述のような従来のゴムアスファルト製の舗装体やゴム製の埋設ジョイント部材の場合、応力を分散させてひび割れを防止するハニカムやエキスパンドメタル等の応力伝達部材、ひずみ分散シート等を舗装体内に埋設し、あるいはひずみを分散する橋軸方向とバイアス方向のスチールコードまたは繊維コード、テンションバー等を埋設ジョイント部材に埋設するため、構造が複雑となり、コストがかかる。
本発明は、橋梁の中間部または端部の不連続部に設けられる伸縮ジョイント部の連続化構造において、比較的簡単な構造で低コストのジョイント部材により、十分な伸縮性能、鉛直支持性能等が得られる橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は、橋梁の中間部または端部において橋体(橋桁や橋台) が伸縮遊間を挟んで対向配置されている不連続部の橋面を連続化する橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造であり、繊維補強セメント複合材料からなるジョイント部材が、伸縮遊間を挟んで対向する橋体端部の上に伸縮遊間を跨いで設けられ、前記ジョイント部材の下面が滑動可能に橋体上に支持され、前記ジョイント部材の橋軸方向の両端部がそれぞれ橋体に連結されており、
前記ジョイント部材内に、前記ジョイント部材の伸びを拘束しないスプリング材としての応力伝達部材が上下方向及び橋軸直角方向に間隔をおき、上下からジョイント部材に挟まれ、且つ橋軸方向にジョイント部材を貫通する状態で配置され、橋軸方向の両端部において橋体に連結され、
前記応力伝達部材は前記橋体の伸縮遊間が収縮する方向の変位を前記ジョイント部材に伝達し、引張ひずみが前記ジョイント部材の全体にわたって均等に生じるようにしていることを特徴とする橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造である。
橋桁と橋桁との間、橋桁と橋台との間に伸縮遊間を跨いで配置されるジョイント部材の要求性能は、桁伸縮に追随できる伸縮性能と輪荷重を支える鉛直支持性能であり、本発明では、これらの要求に対して、ひび割れ分散による擬似的な大きな伸び性能および輪荷重に耐えうる適度な剛度を有する繊維補強セメント複合材料を版状のジョイント部材として設置する。このジョイント部材は、対向配置される橋体の端部に形成した切欠きに埋設し、舗装体で覆う。あるいは、橋体の端部上面に直接設置し、舗装体で覆うようにしてもよい。また、ジョイント部材の両端部は、ジョイント部材内に挿通された応力伝達部材を用いて橋桁に埋設したアンカーに接合する。あるいは、ジョイント部材の両端部に埋設した接合部材をアンカーに接合するようにしてもよい。
本発明の請求項2は、請求項1に記載の橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造において、繊維補強セメント複合材料は、所定の引張力に対して引張ひずみが増大する降伏棚を有する高靭性繊維補強セメント複合材料であることを特徴とする橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造である。
繊維補強セメント複合材料は、ビニロン繊維やポリエステル繊維等の非常に細くて強い化学繊維がセメントマトリクス中に3次元方向にランダムに分散配合され、見かけの引張ひずみが数%(2〜3%) に達するような靭性に富む高靭性繊維補強セメント複合材料を用いるのが好ましい。降伏棚のレベルは配合により調整することができ、所定の引張力に対して所望の伸びが得られるようにする。
応力伝達部材は、ジョイント部材と橋桁とを一体的に連結し、引張ひずみがジョイント部材の繊維補強セメント複合材料の全体にわたって均等に生じるようにし、また靭性を高めるための部材であり、ジョイント部材内に橋軸方向と平行に配置する。この応力伝達部材の両端部は橋桁に埋設したアンカーにカップラー等を介して接合し、ジョイント部材と橋桁とを一体化する。
この応力伝達部材は、鋼、その他の金属、非鉄金属等の応力を伝達できる強度のある棒状部材を用いることができる。繊維補強セメント複合材料の伸びを拘束しない伸び性能の高い材質であれば、直線状のものでもよいが、鋼のように繊維補強セメント複合材料よりも低い伸び性能の場合は、波形やコイル状等のスプリング材とし、繊維補強セメント複合材料の伸びを拘束しないようにする。
本発明の請求項は、請求項1、もしくは請求項のいずれか一つに記載の橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造において、伸縮遊間を挟んで対向する橋体端部の上部にそれぞれ切欠きを設けることによりジョイント部材の収納空間が形成され、この収納空間に版状のジョイント部材がジョイント部材の橋軸方向の両端面と収納空間の内壁面との間にそれぞれ隙間をおいて埋設され、ジョイント部材の橋軸方向の両端部または応力伝達部材の両端部が橋体に埋設されたアンカーに接続されていることを特徴とする橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造である。
橋桁端部の上部に切欠きを形成してジョイント部材を橋桁上部に埋設する場合であり、橋桁の上面とジョイント部材の上面とが面一となり、これらの上に舗装体が連続して敷設される。また、繊維補強セメント複合材料は伸び性能を有するが、収縮する性能はないため、収納空間に埋設されたジョイント部材と橋桁との間に隙間を設け、この隙間により、伸縮遊間を狭める方向の橋桁の変位を吸収できるようにする。この隙間の上部には変形可能なスポンジゴム等を配置し、隙間を塞ぐのが好ましい。
本発明の請求項は、請求項1から請求項までのいずれか一つに記載の橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造において、ジョイント部材が支承で支持されたプレート上に設置されていることを特徴とする橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造である。
繊維補強セメント複合材料からなるジョイント部材の下には、橋桁との接触による摩擦を避けるため、簡易なゴム支承等で支承されたプレートを設け、ジョイント部材の伸びを拘束しないようする。
以上のような繊維補強セメント複合材料からなるジョイント部材は、繊維によるクラックの架橋能力が高く、増加する引張外力が繊維により負担されるため、初期ひび割れが破壊につながることなく、次のひび割れが発生する。引き続き、次々と新たな微小なひび割れが多数発生し、見かけ上、非常に大きな引張ひずみが生じても荷重に耐えることができ、ジョイント部材として十分な伸縮性能、鉛直支持性能等が得られる。ジョイント部材内に応力伝達部材を配置すれば、さらに靭性を高めることができる。
本発明は、以上のような構成からなるので、次のような効果が得られる。
(1) 道路橋等において、車輌の走行性の向上、耐久性の向上、騒音・振動の低減、雨水等の浸入に対する水密性、施工・維持管理・補修の容易性等を図れる橋面の連続舗装工法において、ジョイント部材を繊維補強セメント複合材料で形成することにより、従来のゴムアスファルト製の舗装体やゴム製の埋設ジョイント部材と比べて、簡単な構造で低コストの伸縮ジョイント部の連続化構造が得られ、コストの低減が図られる。
(2) ひび割れ分散による擬似的な大きな伸び性能および輪荷重に耐えうる適度な剛度を有する繊維補強セメント複合材料を用いることにより、十分な伸縮性能、鉛直支持性能等を有する伸縮ジョイント部の連続化構造が低コストで得られる。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。図1は本発明の橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造の一実施形態であり、橋梁中間部の鉛直断面図と橋梁全体の側面図である。図2は本発明のジョイント部材部分の一例であり、橋軸方向に沿う鉛直断面図と橋軸直角方向に沿う鉛直断面図である。図3は引張試験における種々の材料の応力−ひずみ線図である。図4は本発明のジョイント部材の施工方法の一例を示す橋軸方向に沿う鉛直断面図である。
図1において、橋梁1の中間部または端部においてコンクリート製の橋体である橋桁2と橋桁2、橋桁2と橋台3とが伸縮遊間4をおいて対向配置されており、これら不連続部における橋体の上部に本発明のジョイント部材10が伸縮遊間4を跨いで埋設され、このジョイント部材10の上にもアスファルト混合物による舗装体5を敷設することにより、橋面が連続化される。
図1(a) において、伸縮遊間4をおいて対向する橋桁2の端部は、橋脚6上に設置された免震装置7等により支承されており、この橋桁2の端部の上部(床版部分) には切欠き8がそれぞれ形成されている。伸縮遊間4を挟んで一対の切欠き8、8によりジョイント部材の収納空間9が形成され、この収納空間9にジョイント部材10が収納される。
図2に示すように、ジョイント部材10は、所定の厚み・幅を有し、橋軸直角方向に所定の長さの版状であり、伸び性能の極めて高い高靱性の繊維補強セメント複合材料(以下、FRC材料と記載) 11から構成し、コンクリートの収縮等による橋桁2の伸縮遊間4が拡大する方向の変位を高靱性繊維補強セメント複合材料11の伸びにより吸収できるようにする。
このようなジョイント部材10を簡易な支承12で支持されたプレート13上に設置し、応力伝達部材14とアンカー15とカップラー16を用いて橋桁2に連結一体化する。なお、ジョイント部材10の上面は橋桁2の上面と面一とする。
また、高靱性のFRC材料11は伸び性能を有するが、収縮する性能はないため、ジョイント部材10の橋軸方向の両端部における橋軸直角方向に平行な端面と切欠き8の鉛直内壁面との間に隙間17を設け、橋桁2の伸縮遊間4が収縮する方向の変位を吸収できるようにする。また、この隙間17の上部には、隙間を埋めることができ、かつ、変形して収縮できるスポンジゴム18等を設ける。
支承12とプレート13は、ジョイント部材10の下面と橋桁2との接触による摩擦を避けるためのものであり、切欠き8の水平面上に橋軸直角方向に長い形状の支承12を設置する。この支承12は、例えば硬質ゴムの中間抑制材を上下の合成ゴムのせん断変形材で挟んだ板状の簡易ゴム支承を用いることができ、この上に鋼製等のプレート13を載せる。これに限らず、ジョイント部材10の下面の摩擦を低減できる支持手段であればよい。
応力伝達部材14は、ジョイント部材10と橋桁2とを一体的に連結し、橋桁2の伸縮遊間4が収縮する方向の変位を高靱性FRC材料11に伝達し、引張ひずみが高靱性FRC材料11の全体にわたって均等に生じるようにし、また靭性を高めるための部材であり、高靱性FRC材料11内に橋軸方向と平行に配置する。上下方向には例えば2本配置し、橋軸直角方向にも間隔をおいて配置する。
また、この応力伝達部材14の形状は、波形やコイル状等のスプリング材とし、高靱性FRC材料11の伸びを拘束しないようにする。材質は、鋼製部材、その他の金属、あるいは非金属素材を用いることができる。高靱性FRC材料11の伸び性能と同等の伸び性能を有する素材であれば、直線状のものを使用することもできる。なお、高靱性FRC材料11の下部には、必要に応じて橋軸直角方向に平行な鉄筋19を配設する。
アンカー15は、例えば、切欠き8の鉛直内壁面における橋桁2に水平に埋設されるアンカー筒部材15aと、これに頭部が定着されるアンカーバー15bからなり、このアンカーバー15bの先端と応力伝達部材14の先端にねじを切り、これらのねじに螺着されるカップラー16により応力伝達部材14とアンカーバー15bとが接続され、これにより橋桁2とジョイント部材10が一体化する。また、アンカーバー15bの定着頭部とアンカー筒部材15aの拡径部の間には、隙間17と同じような隙間を設け、橋桁2の伸縮遊間4が収縮する方向の変位を吸収できるようにする。
以上のように、ジョイント部材10にはこれを貫通する応力伝達部材14用いられる
高靱性FRC材料11は、セメント・水・砂等の通常のモルタルに用いる材料のマトリクスに、ビニロンやポリエチレン等の非常に細くて強い化学繊維を3次元方向にランダムに分散配合したものであり、従来のセメント材料の常識を超える引張変形能力(伸び性能) と曲げ変形能力を有する材料である。例えば、3%の純引張ひずみ(鋼材降伏ひずみの20倍) でも耐力を維持することができる。
このような高靱性化のメカニズムは以下の通りである。即ち、モルタルや既存のFRC材料では、初期クラックが生じると、このクラックが拡大してそのまま破壊してしまう。しかし、高靱性FRC材料では、繊維によるクラックの架橋能力が高く、増加する引張外力が繊維により負担されるため、初期ひび割れが破壊につながることなく、次のひび割れが発生する。引き続き、次々と新たな微小なひび割れが多数発生し、見かけ上、非常に大きな引張ひずみが生じても荷重に耐えることができる。
図3の応力−ひずみ線図に示すように、通常のモルタルや既存の鋼繊維のFRC材料は、鋼材のような降伏棚がないが、ビニロン繊維等の高靱性FRC材料は所定の引張力に対して引張ひずみが増大する降伏棚を有しており、2〜3%の見かけの引張ひずみが得られる。また、この降伏棚のレベルは配合により調整することができ、ジョイント部材用に比較的低い引張力で降伏棚が得られるようにすることができる。本発明のジョイント部材では、降伏棚のレベルを例えば1MPa 程度としている。なお、降伏棚のレベルは、マトリクスの水セメント比や砂セメント比等、繊維の強度・直径・長さ・配合量等で調整することができる。
以上のような橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造を例えば次のような手順で施工する(図4参照) 。
(1) 伸縮遊間4をおいて対向配置された橋桁2の端部における上部(床版部分) には、橋軸直角方向に連続する切欠き8がそれぞれ形成されている。一対の切欠き8、8によりジョイント部材の収納空間9が形成される。
(2) この切欠き8の水平面上に橋軸直角方向に沿って長い形状の支承12を橋軸方向に間隔をおいて複数設置する。
(3) この支承12の上に、プレート13を載せ、収納空間9の底面を形成する。
(4) 切欠き8の鉛直内壁面における橋桁2にアンカーの取付孔を水平に穿孔し、この孔にアンカー15を挿入して定着させる。もしくは、アンカー15を橋桁2のコンクリート打設時に設置しておく(新設の場合) 。
(5) 収納空間9内に応力伝達部材14を配置し、必要に応じて鉄筋19を配置し、応力伝達部材14の両端部をそれぞれカップラー16を介してアンカー15の先端部に接合する。
(6) 収納空間9の橋軸方向の両側には、隙間17を形成する埋設型枠20等を配置し、隙間17の上部にはスポンジゴム18を取付け、このような収納空間9内に高靱性FRC材料11を打設する。高靱性FRC材料からなる版状のジョイント部材10がプレート13上に設置され、その両端部が左右一対の橋桁2の端部にアンカー15により一体的に接合される。
(7) 橋桁2及びジョイント部材10の上にアスファルト混合物による舗装体5を敷設して、完成する。
以上のような伸縮ジョイント部の連続化構造によれば、(1) セメントマトリクスに化学繊維を配合した高靱性FRC材料を用い、内部にスプリング状等の応力伝達部材を配置するだけでよいため、従来のゴムアスファルト製の舗装体やゴム製の埋設ジョイント部材と比べて、簡単な構造で低コストの連続化構造を得ることができ、(2) 高靱性FRC材料はひび割れ分散による擬似的な伸び性能が大きく、輪荷重に耐えうる適度な剛度を有し、十分な伸縮性能、鉛直支持性能等が得られる。
また、このような連続化構造により、(a) 橋桁の温度変化、コンクリートのクリープ及び乾燥収縮、活荷重等による橋の変形が生じた場合にも、車輌が支障なく通行できる路面の平坦性が確保され、(b) 車輌の通行に対して耐久性を有し、(c) 雨水等の浸入に対して水密性を有し、(d) 車輌の通行による騒音・振動が低減され、(e) 施工・維持管理・補修が容易となる。
以上は橋桁2と橋桁2の伸縮ジョイント部の場合であるが、橋桁と橋台の伸縮ジョイント部の場合も同様である。また、ジョイント部材10は場所打ちの場合を示したが、プレキャスト部材を用いることも可能である。この場合、例えば、予めアンカーが取付けられたプレキャストのジョイント部材10を収納空間内にセットした後、アンカー部分にコンクリートを打設すればよい。
本発明の橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造の一実施形態であり、(a) は橋梁中間部の鉛直断面図、(b) は橋梁全体の側面図である。 本発明のジョイント部材部分の一例であり、(a) は橋軸方向に沿う鉛直断面図、(b) は橋軸直角方向に沿う鉛直断面図である。 引張試験における種々の材料の応力−ひずみ線図である。 本発明のジョイント部材の施工方法の一例を示す橋軸方向に沿う鉛直断面図である。
符号の説明
1……橋梁
2……橋桁
3……橋台
4……伸縮遊間
5……舗装体
6……橋脚
7……免震装置
8……切欠き
9……収納空間
10……ジョイント部材
11……高靱性繊維補強セメント複合材料(高靱性FRC材料)
12……支承
13……プレート
14……応力伝達部材
15……アンカー
16……カップラー
17……隙間
18……スポンジゴム
19……鉄筋
20……埋設型枠

Claims (4)

  1. 橋梁の中間部または端部において橋体が伸縮遊間を挟んで対向配置されている不連続部の橋面を連続化する橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造であり、
    繊維補強セメント複合材料からなるジョイント部材が、伸縮遊間を挟んで対向する橋体端部の上に伸縮遊間を跨いで設けられ、前記ジョイント部材の下面が滑動可能に橋体上に支持され、前記ジョイント部材の橋軸方向の両端部がそれぞれ橋体に連結されており、
    前記ジョイント部材内に、前記ジョイント部材の伸びを拘束しないスプリング材としての応力伝達部材が上下方向及び橋軸直角方向に間隔をおき、上下からジョイント部材に挟まれ、且つ橋軸方向にジョイント部材を貫通する状態で配置され、橋軸方向の両端部において橋体に連結され、
    前記応力伝達部材は前記橋体の伸縮遊間が収縮する方向の変位を前記ジョイント部材に伝達し、引張ひずみが前記ジョイント部材の全体にわたって均等に生じるようにしていることを特徴とする橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造。
  2. 請求項1に記載の橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造において、繊維補強セメント複合材料は、所定の引張力に対して引張ひずみが増大する降伏棚を有する高靭性繊維補強セメント複合材料であることを特徴とする橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造。
  3. 請求項1、もしくは請求項のいずれか一つに記載の橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造において、伸縮遊間を挟んで対向する橋体端部の上部にそれぞれ切欠きを設けることによりジョイント部材の収納空間が形成され、この収納空間に版状のジョイント部材がジョイント部材の橋軸方向の両端面と収納空間の内壁面との間にそれぞれ隙間をおいて埋設され、ジョイント部材の橋軸方向の両端部または応力伝達部材の両端部が橋体に埋設されたアンカーに接続されていることを特徴とする橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造。
  4. 請求項1から請求項までのいずれか一つに記載の橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造において、ジョイント部材が支承で支持されたプレート上に設置されていることを特徴とする橋梁の伸縮ジョイント部の連続化構造。
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