JP2007169950A - 橋梁用伸縮体とそれを用いた橋梁伸縮構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】橋梁の伸縮に伴って伸縮し易い橋梁用伸縮体の提供。
【解決手段】高じん性セメント複合体を主材料としたセメントモルタル系のプレキャスト基盤2に多数本のμ単位の微細幅のひび3を予め導入して、橋梁の伸縮に追随可能な橋梁用伸縮体1とした。基盤2の伸縮方向に導入されるひび3の数を橋梁用伸縮体1の収縮量、膨張量を吸収できる数にした。基盤2をモルタル、コンクリート等に比して小さなヤング係数をもつものとした。前記橋梁用伸縮体1を床版間もしくは床版と橋台間に配置し、モルタル、コンクリート等の後打ち材により連結した。配置された橋梁用伸縮体1の底面とその下の後打ち材との間に付着低減材を設けた。
【選択図】 図1

Description

本願発明は新設もしくは既設の橋梁・高架道路(以下まとめて「橋梁」という。)に使用できる橋梁用伸縮体とそれを床版間もしくは床版と橋台間に配置した橋梁伸縮構造に関するものである。
橋梁の伸縮装置は冬期には橋梁が収縮するために伸びる必要があり、夏期には橋梁が伸張するため縮む必要がある。また、走行する車両の荷重を支持する必要もある。橋梁用の伸縮装置に関する従来製品は伸縮性のあるゴム製品や伸縮可能な鋼構造を主部材とするものが主流であり、一部において埋設ジョイント、高じん性セメント複合材を用いた伸縮装置もある。
従来の伸縮装置は次のような課題があった。
1.ゴムを主成分とする伸縮装置は剛性が低いことから、鋼材を主部材とする伸縮装置は舗装面との材質の差から車両走行によって段差が生じ易く、経年劣化により車両走行時に騒音や振動の発生が社会的な問題となることがある。また、耐久性に劣るため製品寿命が短く、頻繁に取替え作業をしなればならず、維持、改修費がかさむ。
2.ゴムを主成分とする伸縮装置、鋼材を主部材とする伸縮装置は構造が複雑であるため価格が比較的高価であり、維持補修が難しい。
3.従来の埋設ジョイントは前記1、2の課題を解決できるが、構造が複雑であるため損傷し易い。
4.高じん性セメント複合材を用いた従来の伸縮装置は、現場でそれら複合材の練り混ぜを行っているため品質が安定しにくいとか、練り混ぜたセメントモルタルの強度発現に時間がかかるといった課題がある。さらに、伸縮性に乏しいため気温が高くなって橋梁が伸びても縮まず、過大な圧縮力が作用して伸縮装置やその周りの床版にとって望ましくない環境になる。
本願発明の橋梁用伸縮体は、請求項1記載のように、既設又は新設橋梁の床版間もしくは床版と橋台間に配置されて床版もしくは橋台に連結され、橋梁の伸縮に伴って伸縮する橋梁用伸縮体である。その橋梁用伸縮体は高じん性セメント複合体を主材料としたセメントモルタル系のプレキャスト製基盤に多数本の微細幅のひびを意図的に導入し、ひびが基盤の伸縮方向に横並び状態に導入され、基盤の伸縮方向に導入するひびの数を、橋梁の伸縮を吸収できる数とした。床版やモルタル、コンクリート、高じん性セメント複合体を使用したセメントモルタル、樹脂等の後打ち材に比して小さなヤング係数を持つ請求項2記載のように、前記基盤にその伸縮方向に突出するアンカーを設けて、基盤をアンカーにより床版に確実に連結できるようにした。
本願発明の橋梁伸縮構造は、請求項3記載のように、既設又は新設橋梁の床版間もしくは床版と橋台間に橋梁用伸縮体が配置され、その橋梁用伸縮体が床版もしくは橋台に連結されて、橋梁用伸縮体が橋梁の伸縮に伴って伸縮する橋梁伸縮構造である。この橋梁伸縮構造では前記ひびが導入された橋梁用伸縮体を床版間もしくは床版と橋台間に配置し、その橋梁用伸縮体をモルタル、コンクリート、高じん性セメント複合体を使用したセメントモルタル、樹脂等の後打ち材により床版もしくは橋台に連結して、床版や後打ち材に比して小さなヤング係数を持つ前記橋梁用伸縮体が橋梁の伸縮に伴って伸縮するようにした。この場合、請求項4記載のように、床版間もしくは床版と橋台間に配置された橋梁用伸縮体の基盤底面とその下の後打ち材との間に、橋梁用伸縮体の基盤と後打ち材との付着を低減する付着低減材を設けて、橋梁用伸縮体の基盤が橋梁の伸縮に伴って伸縮し易くなるようにした。
本願発明の橋梁用伸縮体は次のような効果がある。
1.基盤が、高じん性セメント複合体を主材料としたセメントモルタル系製品であるため、一般の路面用床版に用いられるコンクリート系の床版と同様、車両の荷重を支持することも問題なく、隣接する床版もしくは橋台と段差が無いことから騒音や振動の問題もなく、また部分的な補修や取り壊しも容易に行うことができ、簡単に取替えが出来、品質管理もし易く、急速施工へも対応できる。
2.工場で予め基盤に意図的にひびを導入しておくことで、気温の変化に伴って生ずる橋梁の伸縮に追随して伸縮できる。
3.基盤の伸縮方向に導入されるひびの数を、橋梁の伸縮を吸収できる数としたので、実際に発生する橋梁の伸縮が確実に吸収され、基盤に無理な圧縮力や引張り力が加わらず、基盤の耐久性が向上し、頻繁に交換する必要もない。
4.プレキャスト製品であるため品質管理し易く、現場施工に比して品質が安定する。また、現場へ搬送して直ちに施工できるため急速施工の要望に対応できる。更には、工場で連続体構造として生産しておき、現場の要求に応じて所望長に切断して使用できるため状況の異なる各種現場に対応できる。又、部分補修にも高じん性セメント複合体を用いて対応できる。
5.構造がシンプルであるため価格も安価である。
6.基盤にその伸縮方向に突出するアンカーがあるため、アンカーを介して基盤を床版もしくは橋台に確実に連結できる。
7.基盤が高じん性セメント複合体を主材料としたセメントモルタル系製品であり、しかも、多数本の微細幅のひびが基盤の伸縮方向に横並び状態に導入されているので、床版やモルタル、コンクリート等の後打ち材に比して小さなヤング係数を持ち、橋梁の伸縮に追随して伸縮し易いものとなる。
8.基盤圧縮時には、許容圧縮領域を使用するため、ひびの導入を少なくできる。
本願発明の橋梁伸縮構造は次のような効果がある。
1.床版間もしくは床版と橋台間に配置される橋梁用伸縮体の基盤に予め意図的にひびが導入されており、しかも、基盤の伸縮方向に導入したひびの数が、橋梁の伸縮を吸収できる数であるため、気温の変化に伴って生ずる橋梁の伸縮が確実に吸収される。
2.プレキャストされた橋梁用伸縮体を床版もしくは橋台に設置してその外側に後打ち材を充填するだけで新設床版又は既存床版間もしくは床版と橋台間に施工できるため、新規設置工事や取替え工事を迅速容易に行うことができ、工費の低減も見込める。
3.橋梁用伸縮体が高じん性セメント複合体を主材料としたセメントモルタル系であるため、橋梁のコンクリート床版と一体となり易く、連続性があり、段差が生じないので段差に起因する騒音や振動が発生せず、耐久性が向上し、頻繁な交換が不用になる。
4.橋梁用伸縮体をその側面に突設したアンカーを介して後打ち材により床版もしくは橋台に連結したので、床版もしくは橋台への橋梁用伸縮体の連結が確実になり、段差やがたつきが発生しにくくなる。
5.床版間もしくは床版と橋台間に配置された橋梁用伸縮体の基盤底面とその下の後打ち材との間に、後打ち材との付着を低減するための付着低減材を設けたので、橋梁の伸縮時に橋梁用伸縮体のひびによる伸縮性を阻害することなく、橋梁の伸縮を十分に吸収できる。
6.橋梁用伸縮体が床版や、モルタル、コンクリート等の後打ち材に比して小さなヤング係数を持っているため、橋梁の伸縮に追随して伸縮可能である。
(橋梁用伸縮体の実施形態1)
図1の橋梁用伸縮体1は高じん性セメント複合体を主材料としたセメントモルタル系のプレキャスト製であり、工場で連続体として製造され、決められた設計長に調整して出荷できるようにしてある。図1の橋梁用伸縮体1の基盤2は橋軸方向の長さL=1m程度、橋幅方向の幅W=10m程度(橋幅と同じ)の横長にしてある。基盤2には図1、図2のように多数本の微細幅のひび3が意図的に導入されている。ひび3は基盤2の橋幅方向(図1のW方向)に細長であり、基盤2の橋軸方向(伸縮方向:図1のL方向)に横並び状態に多数本導入されて基盤全体にほぼ均等に分散している。基盤2にはアンカー4が取り付けられている。
前記高じん性セメント複合体は、引張応力作用下で、ひび割れ発生後も応力の低下がなく、見かけのひずみ増加に伴って応力が増加するひずみ硬化特性と、無数の微細幅(50μm程度)のひび3が分散するマルチプルクッラク特性の2つの特性を備えた材料である。この材料はセメントと水の結合体に直径数十〜数百μmのポリエチレン繊維、ビニロン繊維、鋼繊維が体積比で1〜2%程度混入されていて、セメントモルタルの弱点であった引張抵抗性の改善が図られ、数%の引張ひずみまでの耐荷性能を備えたものである。
前記アンカー4は図3(a)、(b)のように床版5間へ設置された橋梁用伸縮体1の基盤2を床版5へ強固に連結(接合)するためのものである。アンカー4には表面にエポキシ樹脂塗装(防錆剤)を施した鉄筋が使用されている。アンカー4は基盤2の伸縮方向に配置され、一端が伸縮体1に内蔵されて他端側が基盤2の伸縮方向両側面より外側に突出している。図4(a)のアンカー4は基盤2の上下に平行に配置されており、上のアンカー4は基盤2内をその伸縮方向に貫通した一本ものであり、下のアンカー4は基盤2内を貫通しない左右別々のものである。上下のアンカー4は図4(b)のように共に基盤2内をその伸縮方向に貫通する一本ものとすることもできるが、基盤2の伸縮機能を阻害しないように適切に配置する必要があるため、図4(c)のように上下のアンカー4を左右別々の鉄筋とすることもできる。アンカー4が鉄筋の場合はその本数は1本でもよく、3本以上とすることもできる。アンカー4は基盤2の上下に平行に配置するのではなく、上下の位置を基盤2の橋幅方向(図1のW方向)にずらして配置することもできる。アンカー4にはFRP(Fiber Reinforced Plastic)、炭素繊維、ボルト等、任意のものを使用することができる。
橋梁用伸縮体1の基盤2への微細幅(50μm程度)のひび3の導入は、工場で基盤2に引張応力を導入して(加えて)行う。ひび3の長さや幅は多少のバラツキがあるがほぼ同じである。基盤2には伸縮装置としての使用時に橋梁の温度変化に伴って生ずる縮み(図5の収縮量)と伸び(図5の膨張量)を吸収できる伸縮量が必要である。その必要伸縮量は基盤2の伸縮方向(図1のL方向)に導入されるひび3の数で対処する。基盤2の伸縮方向に導入される全てのひび3のトータル伸縮量が設計伸縮量とあうようにする。基盤2が伸びる場合はひび3の数が増え、収縮する場合はひびの数が減る(ひびの幅が縮小する)ようにする。前記収縮量を吸収するためにはひび3の数を多くして収縮量を吸収できる分だけ基盤2を長くしておき、収縮時にひび3が減少して(縮んで)収縮を吸収できるようにする。このように予め長く設計してある基盤2は、膨張時には許容圧縮領域を利用できる上、ひび3の数が増加して膨張に追随できる。この場合、ひび3の数は図5の目標ひずみ導入量とするのが望ましい。最終的な調整として規準温度時と伸縮装置としての使用時の気温差を考慮して基盤2の橋軸方向の長さを決める。
前記のように、基盤2が高じん性セメント複合体を主材料としたセメントモルタル系製品であり、しかも、多数本の微細幅のひび3が基盤2の伸縮方向に横並び状態に導入された本願発明の橋梁用伸縮体は、床版やモルタル、コンクリート等の後打ち材に比して小さなヤング係数を持ったものとなる。
(橋梁用伸縮体の製造方法)
本願発明の橋梁用伸縮体1は図6のようにして製造する。この製造方法はアンカー4に鉄筋を使用する方法である。この製造方法を以下に説明する。
(1)上方開口の箱型の型枠6内に鉄筋4を上下2段に配置し、それを型枠6の長手方向数箇所に配置する。
(2)型枠6内の幅方向両外側寄りに、例えばφ20mm程度の紙製、樹脂製もしくは鋼製等のパイプ7を配置する。
(3)型枠6内に高じん性セメント複合材を主材料としたセメントモルタルを流し込む。
(4)前記セメントモルタルの養生後、脱型して橋梁用伸縮体1を取り出す。セメントモルタルの半硬化時又は完全硬化後に前記パイプ7を抜き取って抜き跡を貫通孔7a(図10a、b)とする。
(橋梁用伸縮体の基盤へのひび導入方法)
橋梁用伸縮体1の基盤2にひび3を導入する方法は各種考えられる。その一例を図7、図8に基づいて説明する。
(1)図7のように、基盤2の底面の伸縮方向両端寄りを2本の角棒状の支持具8で支持し、基盤2の上面であって幅方向中間部(2つの支持具8の中間部上面)にプレス機のヘッド9を宛がい、そのヘッド9をプレス機で下方に加圧して基盤2の中央部を下方に湾曲させて、基盤2に図1、図2のように微細幅のひび割れ2を多数本導入する。
(2)次に、図8のように、基盤2の上面の幅方向両端寄りを2本の角棒状の支持具8で支持し、基盤2の底面であって幅方向中間部(2つの支持具8の中間部底面)にヘッド9を宛がい、その下からプレス機で上方に加圧して基盤2の中央部を図7と反対側に湾曲させて、基盤2に図1、図2のように微細幅のひび割れ2を多数本導入する。この場合、基盤2を裏面側から上方に加圧するのではなく、基盤2を裏返しにして裏面を上にし、その状態で図7と同様に上から加圧してひび3を導入することもできる。
(橋梁用伸縮体の基盤の長さ調節)
前記のようにひび3を導入した基盤2は長さ調節する。この長さ調節方法も各種考えられるが、L型鋼、H型鋼を使用する場合について図9、図10を参照して説明する。
(1)図10(a)、(b)のように橋梁用伸縮体1の基盤2の上面と底面の夫々に2本のL型鋼10を平行にセットし、ボルト11を上のL型鋼10の貫通孔7aから基盤2の貫通孔7aに差込み、更に下のL型鋼10の貫通孔7aを貫通し、そのボルト11にナット12を螺合して上下のL型鋼10を基盤2に固定する。なお、L型鋼10の側面には施工前に補強リブ10aが溶接等の手段で取り付けてある。
(2)図10(a)、(b)のように基盤2の上面と下面の2本のL型鋼10の内側に2本のH型鋼13を配置する。
(3)図9のように基盤2の上の2本のH型鋼13の間の3箇所と、基盤2の下の2本のH型鋼13の間の3箇所に油圧ジャッキ14を配置する。上下6個の油圧ジャッキ14は油圧が均等となるように連動させてある。
(4)図9のように油圧ジャッキ14により上2本のH型鋼13、下2本のH型鋼13を同時に外側に伸ばして基盤2を外側に押す。このとき、基盤2に先に導入されているひび3の幅が基盤2の伸縮方向に広がって基盤2の長さ(図1のL)が調節され、所要の設計長になる。
(橋梁用伸縮体の基盤へのひずみ導入量)
橋梁用伸縮体1の基盤2へのひずみ導入量の一例を以下に説明する。この一例は橋梁の支間長30mの場合である。道路橋示方書Iにより、設計伸縮量ΔLは、ΔL=0.72×30=22mmとなる。支間の伸縮は、支間両端の2つの橋梁用伸縮体1で吸収するため、夫々の橋梁用伸縮体1の伸縮量は、22/2=11mmとなる。ここで、11mmの伸縮量を、1mの長さの本願発明の橋梁用伸縮体1で調整する場合、ひずみεはε=11/1000=0.011となる。つまり、1.1%のひずみの変動が設計値とされる。ここで、図5に示すように余裕量と収縮量を加えたひずみ導入量について、余裕量を0.4%とした場合、1.5%程度のひずみとなる。ここで、圧縮側で0.2%のひずみを負担すると仮定すると、橋梁用伸縮体1の基盤2を1000×(0.015−0.002)=13mm伸ばすことになる。ひび3の幅を50μmとすると、ひび割れの個数は13/0.05=260であり、その数のひび3を基盤2の橋軸方向に分散する必要がある。
前記のようにひび3が形成され、長さ調節された橋梁用伸縮体1は、水分の浸透を防止するために基盤2の上面に浸透防止剤を塗布し、その後に製品検査されて出荷可能となる。
(橋梁伸縮構造の実施形態1)
本願発明の橋梁用伸縮体1を設置した橋梁伸縮構造の一例を図11(a)、(b)に示す。図11(a)、(b)は既存の橋梁の伸縮装置を本願発明の橋梁用伸縮体1に交換する施工例である。その施工手順を以下に説明する。
(1)既存の橋梁の交換箇所の伸縮装置とその周りの舗装15や床版コンクリート5を取り除く。
(2)予め、高さを計測した後、モルタルスペーサーを用いて伸縮体1の設置高さを決定して、床版や後打ち材に比して小さなヤング係数をもつ橋梁用伸縮体1を床版5の間の橋桁17の上(橋梁の橋軸方向端部では橋台の上)に据付ける。このとき、後打ち材18と接触する基盤2の底面に付着力の減少を目的として付着低減材(例えば、摩擦の影響を低減するための塗装)19を塗布しておく。付着低減材19が塗布されていると、基盤2は床版5の伸縮変動に伴う伸縮が阻害されることなく伸縮し易くなる。また、基盤2の設計長は設置時の気温を考慮した値とする。
(3)前記橋桁17と床版5と橋梁用伸縮体1の間の空間に超早強繊維補強モルタル、セメントモルタル、コンクリート、樹脂等の後打ち材18を後打ちする。橋梁用伸縮体1の基盤2が長い場合は分割してその間に高じん性セメント複合体もしくはモルタルを充填して分割伸縮体を結合することもできる。この場合、アンカー4が後打ち材18に内蔵されるため橋梁用伸縮体1が床版5へ確実に連結される。後打ち材18の打ち込み状況は基盤2に形成されている貫通孔7aから確認することができる。貫通孔7aは後打ち材の充填時の空気抜き用の機能もある。
(4)橋梁用伸縮体1を床版5間に設置するに当たって、橋梁用伸縮体1の高さ調整が必要な場合は、図11(c)のように、橋梁用伸縮体1の基盤2の下にスペーサー20を設置することができる。スペーサー20を設置することにより基盤2の下面に形成される空間にも後打ち材を充填することができる。
本願発明の橋梁用伸縮体の一例を示す斜視図。 本願発明の橋梁用伸縮体の表面ひび割れの様子を示す写真による平面図。 (a)は本願発明の橋梁伸縮構造の斜視図、(b)は(a)の側面図。 (a)〜(c)は本願発明の橋梁用伸縮体の異なる例の説明図。 ひびによる橋梁用伸縮体の設計長の決め方の説明図。 本願発明の橋梁用伸縮体の製造方法の一例を示す説明図。 本願発明の橋梁用伸縮体上面にひびを導入する場合の説明図。 本願発明の橋梁用伸縮体底面にひびを導入する場合の説明図。 本願発明の橋梁用伸縮体の伸縮方向の長さを調節する場合の説明図。 (a)は本願発明の橋梁用伸縮体の伸縮方向の長さを調節装置の説明図、(b)は(a)の長さ調節装置の組み立て説明図。 (a)、(b)は本願発明の橋梁伸縮構造の施工手順の説明図、(c)は本願発明の橋梁伸縮構造の他の施工方法の説明図。
符号の説明
1 橋梁用伸縮体
2 基盤
3 ひび
4 アンカー
5 床版
6 型枠
7 パイプ
7a 貫通孔
8 支持材
9 ヘッド
10 L型鋼
10a 補強リブ
11 ボルト
12 ナット
13 H型鋼
14 油圧用ジャッキ
15 舗装
17 橋桁
18 後打ち材
19 付着低減材
20 スペーサー

Claims (4)

  1. 既設又は新設橋梁の床版間もしくは床版と橋台間に配置されて床版もしくは橋台に連結され、橋梁の伸縮に伴って伸縮する橋梁用伸縮体において、橋梁用伸縮体は高じん性セメント複合体を主材料としたセメントモルタル系のプレキャスト製基盤に多数本の微細幅のひびが導入され、ひびが基盤の伸縮方向に横並び状態に導入され、基盤の伸縮方向に導入されるひびの数が、橋梁の伸縮に伴う伸縮を吸収できる数であることを特徴とする橋梁用伸縮体。
  2. 請求項1記載の橋梁用伸縮体において、基板にその伸縮方向に突出するアンカーが設けられたことを特徴とする橋梁用伸縮体。
  3. 既設又は新設橋梁の床版間もしくは床版と橋台間に橋梁用伸縮体が配置され、その橋梁用伸縮体が床版もしくは橋台に連結されて、橋梁用伸縮体が橋梁の伸縮に伴って伸縮する橋梁伸縮構造において、床版間もしくは床版と橋台間に請求項1又は請求項2記載の橋梁用伸縮体が配置され、橋梁用伸縮体がそれと床版間もしくは床版と橋台間の後打ち材により床版もしくは橋台に連結されて、床版や後打ち材に比して小さなヤング係数を持つ前記橋梁用伸縮体が橋梁の伸縮に伴って伸縮することを特徴とする橋梁伸縮構造。
  4. 請求項3記載の橋梁伸縮構造において、床版間もしくは床版と橋台間に配置された橋梁用伸縮体の基盤底面とその下の後打ち材との間に、橋梁用伸縮体の基盤と後打ち材との付着を低減する付着低減材が設けられたことを特徴とする橋梁伸縮構造。


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