JP4517575B2 - 電動工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電動工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昨今、電動工具の盗難が増加しており、盗難防止に対するニーズが大きくなっているが、電動工具そのものが対盗難機能を備えたものはなく、盗んだ者がその電動工具を使用することを妨げることもできないのが現状である。
【0003】
一方、特定の条件を満たせば電動工具を使用できなくするものが特開2002−18744号公報に示されている。これはメンテナンスを受けるべき時期にメンテナンスを受けなかった電動工具はメンテナンスを促すためにモータを止めて使用できなくするというものであり、盗んだ者がメンテナンスをできなかったりメンテナンスを行えても電動工具内で積算される使用実績情報や次期メンテナンスに関する情報の書き換え等を行えなければ使用不可の状態が続くために、実質的に盗難抑制の機能を備えていることになる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−18744号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のモータを回転させないモードは特定の電動工具を管理している特別なユーザーのみが設定できるモードであり、個々のユーザーが工具の使用終了後に盗難を抑止できる状態にセットすることはできない。
【0006】
また電動工具を盗む者にしてみれば、最終的に使用できなくなるとしても、盗んだ時点では支障なく使用することができることから、盗難抑止効果はあまり期待することができない。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは高い盗難抑止効果を有している電動工具を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明は、通常動作モードと工具使用に支障を生じさせる工具使用不可モードの少なくとも二つのモードの切り替えのためのモード変更手段と、工具固有の識別コードを記憶した識別コード記憶手段と、工具固有の識別コードを記憶するとともに工具本体に対して着脱自在とされた第2の識別コード記憶手段と、識別コードの入力のための識別コード入力手段と、これらが接続されるとともに電動工具の動作を制御する制御手段とを備えており、制御手段は工具使用不可モードから通常動作モードへのモード変更について、識別コード入力手段から入力された識別コードと、識別コード記憶手段に記憶している識別コードとの一致を条件とするか、もしくは第2の識別コード記憶手段が工具本体に装着された際に電動工具が備えている識別コード記憶手段と上記第2の識別コード記憶手段とに記憶されている識別コードの一致を条件とするものであることに特徴を有している。
【0009】
入力された識別コードが違っていたり、一つが着脱自在となっている二つの識別コード記憶手段に記憶された識別コードが一致しない場合は電動工具の使用に支障が生じるようにしたものである。
【0010】
上記のモード変更手段で切り替えられるモードに識別コード設定モードを備えており、制御手段は識別コード設定モードにある時に識別コード入力手段から入力された識別コードを識別コード記憶手段に記憶するものであってもよい。識別コードとして使用者が設定したものを用いることができる。
【0011】
識別コード入力手段により入力された識別コードを表示する確認表示手段を備えたものとするのも好ましい。誤った識別コードを入力してしまうことによる問題を避けることができる。この確認表示手段は、着脱自在な電源である電池パックに設けたものであってもよい。また、着脱自在な電源である電池パックに識別コード記憶手段を設け、該電池パックの充電用の充電器に上記識別コード記憶手段に記憶させた識別コードを表示させる確認表示手段を設けるようにしてもよい。
【0012】
そして識別コード入力手段はタッチ式スイッチで形成されていることが好ましいが、識別コード入力手段として電動工具そのものが本来備えているスイッチやトルク設定部を用いるようにしてもよい。
【0014】
さらに本発明は、電動工具の動作を制御する制御手段を備えるとともに、電動工具の機能上必要な機能部材が電動工具本体に対して着脱自在とされており、上記制御手段は機能部材の装着時に通常動作モードとなり、機能部材の非装着時に工具使用に支障を生じさせる工具使用不可モードとなるものであることに第2の特徴を有している。機能部材が外されたままででは工具の使用に支障が生じるようにしたものである。
【0015】
上述の工具使用不可モードは、工具を非動作状態とするものであるほか、工具動作時に警報を出力するものであったり、警報出力と同時に電源である着脱自在な電池パックの取り外しを不可とするロック手段を作動させるものであったり、工具動作時に内部回路の一部を短絡破壊するものであってもよい。
【0016】
また工具使用不可モードにあることを表示する警告表示手段を備えたものとするのも好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明を実施の形態の一例を図1〜図3に基づいて詳述すると、この電動工具は例えば電池電源で作動する電動ドリルドライバーであり、モータMを内蔵する本体に電池パック着脱部20を介して電池パック12が着脱自在となっている。またこの電動工具では、トリガースイッチ13と正逆変更スイッチ14とトルク設定部19とを備えて、トリガースイッチ13を引いてオンとすれば、その時点での正逆変更スイッチ14で設定されている回転方向にモータMが回転するとともに、この時のモータMの回転速度はトリガースイッチ13の引き量に応じたものに制御され、更に作業での負荷トルクがトルク設定部19で設定されたトルクに達すれば、モータMがオフとなったり、モータMから出力部に至る動力伝達が遮断されるようになっている。図中15は上記制御を司る制御手段であり、マイクロコンピュータで構成された該制御手段は、スイッチング駆動回路16と駆動用スイッチング素子17とを介してモータMの駆動を制御する。図中18はモータMを停止させる際にモータMの両端電極間を短絡させることでブレーキをかけるためのブレーキ用スイッチング素子である。
【0018】
そしてこの電動工具においては、上記の他に、モード変更手段3と識別コード記憶手段2と識別コード入力手段5、表示手段6並びに警報手段7を備えている。制御手段15に接続されたこれら手段のうち、モード変更手段3は通常動作モードと識別コード設定モードと工具使用不可モードの3つのモードを切り換えるためのもので、ここではタッチスイッチを用いて、通常動作モードにある時点でタッチスイッチであるモード変更手段3をT1時間以上T2時間未満オンすれば、制御手段15はこの点を認識して識別コード設定モードに移行する。また、通常動作モードにある時点でT2時間以上オンすれば、制御手段15は工具使用不可モードに移行する。
【0019】
なお、現在どのモードにあるのかは、制御手段15が内蔵する不揮発性メモリに書き込まれて、電源を接続した時にはこの不揮発性メモリに書き込まれたモードで起動するために、電源(電池パック12)をいったん外すことでモードを変更することはできないものとなっている。また、現在どのモードにあるのかは、液晶ディスプレーや発光ダイオードなどで形成された表示手段6に表示されるようにしておくのが好ましい。殊に発光ダイオードを用いて工具使用不可モードでトリガースイッチ13を操作した時には発光ダイオードが点灯するようにしておくと、工具使用不可モードにあることを使用者は容易に且つ確実に認識することができて、故障と勘違いする虞をなくすことができる。
【0020】
識別コード設定モードでは識別コード入力手段5を用いて識別コード(暗証番号)を入力することができる。そして識別コードを入力して入力完了の意味でモード変更手段3をT0(T0<T1)時間以上オンすれば、制御手段15は入力された識別コードを識別コード記憶手段2に記憶する。なお、識別コード記憶手段2は不揮発性メモリで構成されている。
【0021】
そして、工具使用不可モードに設定されている時にモード変更手段3をT0時間以上オンすれば、図3に示す識別コード照合モードに入り、この状態で識別コード入力手段5を用いて識別コードを入力し、入力完了を示すために再度モード変更手段3をT0時間以上オンすれば、制御手段15は識別コード記憶手段2に記憶している識別コードと入力された識別コードとを比較し、一致していれば通常動作モードに移行し、一致していなければ工具使用不可モードに戻る。
【0022】
ここで通常動作モードは電動工具本来の機能を発揮させて各種作業を行うことができるモードであり、工具使用不可モードはトリガースイッチを操作しても制御手段15はこの操作入力を無視してモータMの停止状態を持続するモードである。なお、識別コード照合モードにおいても、やはりトリガースイッチの操作にかかわらずモータMの停止状態を持続する。
【0023】
工具使用不可モードでは、登録されている識別コードを入力しないことには、通常動作モードに戻すことができないものであり、従って工具使用不可モードに設定されている状態の電動工具を盗んだ者がいても、その電動工具を使用することはできないものであり、このために高い盗難抑止効果を有している。
【0024】
識別コード入力手段5としては、たとえばテンキーのようなスイッチでも良いが、この場合、タッチ式スイッチで構成されたものが好ましい。キー間の隙間にゴミがつまることによる接触不良を防ぐことができ、耐久性に優れたものとなる。
【0025】
また、数字入力用の1つのスイッチ(タッチ式スイッチが好ましいのは上述の通りである)と、桁変更用のスイッチの2つを設けて、数字入力用のスイッチを5回オン/オフ、桁変更用のスイッチをオン/オフ、数字入力用のスイッチを4回オン/オフ、桁変更用のスイッチをオン/オフ、数字入力用のスイッチを3回オン/オフ、桁変更用のスイッチをオン/オフ、数字入力用のスイッチを2回オン/オフし、入力完了の意味でモード変更手段3をオンすれば、「5432」の識別コードが入力されたと制御手段15が判断するようにしておいてもよい。識別コード入力用のスイッチ数を削減することができる。
【0026】
このほか、識別コード入力手段5として、電動工具が本来備えているスイッチを流用するようにしてもよい。つまり、通常動作モード以外のモードでは、トリガースイッチ13や正逆変更スイッチ14に対する入力は制御手段15が識別コード入力として扱うようにするのである。
【0027】
たとえば、識別コードが4桁の数字である場合、トリガースイッチのオン/オフ回数が数字を、正逆変更スイッチの変更が桁変更を意味するようにしておけば、トリガースイッチ13を5回オン/オフ、正逆変更スイッチ14変更、トリガースイッチ13を4回オン/オフ、正逆変更スイッチ14変更、トリガースイッチ13を3回オン/オフ、正逆変更スイッチ14変更、トリガースイッチ13を2回オン/オフし、入力完了の意味でモード変更手段3をオンとすれば、「5432」の識別コードが入力されたとするのである。
【0028】
このほか、トルク設定部19が0〜9で示された範囲内で締め付けトルクの変更を行うことができるようにしている場合、トルク設定部19にエンコーダを内蔵させておき、トルク設定値が5の状態で1秒停止、次に4の状態で1秒停止、次に3の状態で1秒停止、次に2の状態で1秒停止すれば、「5432」識別コードが入力されたとするようにしてもよい。
【0029】
識別コードが数字である必要はないことから、たとえば複数個のタッチ式スイッチに触れた順番を識別コードとするようにしてもよいものである。
【0030】
図4に他の実施形態の一例を示す。これは上記の構成に加えて電動工具に設けたコネクタ21を介して接続される第2の識別コード記憶手段22を設けたものであり、不揮発性メモリーカードなどで構成された第2の識別コード記憶手段22には、識別コード記憶手段2に識別コードを記録する際に同時に同じ識別コードが記録されるようにしている。
【0031】
そして、工具使用不可モードにある状態の電動工具に対して識別コード記憶手段22を接続すれば、この接続を検知した制御手段15は識別コード記憶手段2に記憶されている識別コードと、識別コード記憶手段22に記憶されている識別コードとの照合を行い、両コードが一致しない場合は工具使用不可モードを維持し、両コードが一致した場合はモード変更手段3によるモード変更に応ずることができるようにしている。両コードが一致した時には、モード変更手段3を操作しなくても通常動作モードに移行するようにしてもよい。
【0032】
メモリーカードなどで構成されるとともに識別コードを記憶している識別コード記憶手段22を装着すれば、識別コードの入力を行わなくても工具使用不可モードから通常動作モードに移ることができるために、通常動作モードに移行する際の識別コード入力の手間を省くことができる。もちろん、識別コード記憶手段2に記憶された識別コードと異なる識別コードが記憶された識別コード記憶手段22を装着した場合には、工具使用不可モードが維持されて工具を使用することができる状態とはならないために、工具使用不可モードに設定した電動工具と識別コード記憶手段22とを別に保存しておくことによって、盗難抑止効果が低減してしまうことはない。
【0033】
図5は電動工具に対する上記第2の識別コード記憶手段22の接続をコネクタ21を介した有線ではなく、例えば赤外線などによる無線で行うようにしたものを示している。図中26,29は上記赤外線送受信器などで構成される無線手段、23は識別コード記憶手段22と無線手段26とを制御する制御手段、24は電源、25は送信スイッチである。接触式接続となるコネクタ21を使用しないために、悪環境化における第2の識別コード記憶手段22の利用を有利に行うことができる。
【0034】
なお、第2の識別コード記憶手段22を着脱自在に設けたものにおいては、通常動作モード時においても、第2の識別コード記憶手段22が装着されていない状態や、識別コード記憶手段2に記憶された識別コードと違う識別コードを記憶している第2の識別コード記憶22が装着されている状態で工具を作動させようとした時、工具使用不可モードに自動的に移るようにしていてもよい。
【0035】
図6に他例を示す。これは識別コード設定モードで識別コードの入力を完了してから所定の時間の間だけ設定した識別コードを確認することができるようにしたもので、上記時間内に識別コード確認スイッチ30を操作すれば、液晶ディスプレーなどで構成した確認表示手段31(上記表示手段6が兼用するものであってもよい)に入力した識別コードが表示されるようにしたものである。
【0036】
識別コード入力手段5で入力した識別コードと使用者が入力したつもりの識別コードとが異なっている場合が想定され、この場合、工具使用不可モードにしてしまうと、本来の電動工具の所有者でも使用することができなくなるが、この問題を避けることができる。識別コード設定モードで識別コードの入力を完了すれば自動的に所定時間だけ確認表示手段31に識別コードが表示されるようにしてもよいのはもちろんである。
【0037】
図7は上述の確認表示手段31を電池パック12に設けたものを示している。図中32は本体側の制御手段15との間で識別コードの送受を行って確認表示手段31に識別コードを表示させる制御回路である。
【0038】
図8は本体側の識別コード記憶手段2に加えて、電池パック12にも識別コード記憶手段33を設けるとともに、電池パック12の充電用の充電器8に識別コード記憶手段33に記憶させた識別コードを表示する確認表示手段82を設けたものを示している。図中80は充電器8における制御手段、81は充電回路、83は識別コード確認スイッチである。
【0039】
以上の例では各使用者が設定した識別コードを用いる場合を示したが、電動工具の製造時に各電動工具に設けた不揮発性メモリやリードオンリーメモリなどの記憶手段に個別の識別コードを書き込んだものであってもよい。購入者にだけ、その識別コードを知らせて、工具使用不可モードから通常動作モードへの復帰操作ができるようにしておくのである。
【0040】
また、識別コードとして、マスターコードを設定しておき、使用者が自身で設定した識別コードや予め電動工具が備えている識別コードを使用者が忘れた場合でも、マスターコードを知っているサービス店でマスターコードを入力することによって工具使用不可モードを解除できるようにしておいてもよい。
【0041】
図9に別の実施形態の一例を示す。これは上記のような識別コードを利用するのではなく、電動工具における機能部材9、たとえばトリガースイッチ13とかモード変更手段3とかトルク設定部19といった電動工具の使用の上で必要な機能を備えた機能部材9を本体に対して着脱自在としておくとともに、この機能部材9の着脱状態を認識する着脱状態認識手段90を本体に設けたもので、この機能部材9が取り外されている状態では着脱状態認識手段90が機能部材9が装着されていないことを認識して、工具使用不可モードになるようにしている。
【0042】
また、機能部材9としては、上記の例で示したもののほか、所定の抵抗値を持つ着脱自在な部材を機能部材9としてもよい。この機能部材9が装着されていない場合は前記抵抗値での分圧によって決定される電圧値で着脱状態認識手段90が着脱状態を認識できるようにしておくものであり、機能部材9が取り付けられていない場合は工具使用不可モードに入るようにしておくのである。
【0043】
着脱自在とする機能部材9と、前記の着脱自在な識別コード記憶手段22とを一つのユニットとし、一緒に着脱できるようにしてもよい。たとえば、着脱自在な識別コード記憶手段22にモード変更手段3やトルク設定部19といったスイッチ類を設けるのである。
【0044】
ところで、上記の各例では、工具使用不可モードとして、トリガースイッチ13を操作しても電動工具が動作しないように制御手段15が制御するモードを示したが、この他、使用はできるものの実際の作業を行うには支障が生じる状態となるように制御するものであってもよい。たとえばトルク設定部19の設定状態にかかわらず締め付けトルクを最小設定にしてしまったり、常時警報手段7による警報音が出力(たとえばブザーが鳴る)されるようにしたものでもよい。特に警報音を出力する場合、同時に電池パック12の着脱用の電池パック着脱機構部20に設けたソレノイド等によるロック機構が電池パック12の着脱を出来なくなるようにしていると、作業を止めても鳴り続ける警報音出力を電池パック12の取り外しで止めようとしても止めることができなくなるために、より効果的となる。
【0045】
また、警報を出力しているにもかかわらず作業のためにトリガースイッチ13が所定の回数操作された時にはモータ駆動スイッチング素子17とブレーキ用スイッチング素子18とを制御手段15によって両方ともオンとすることでスイッチング素子17,18を破壊させて動作させることができなくなるようにしてもよい。
【0046】
もちろん、上記の複数種の工具使用不可モードの形態を併用するようにしてもよいものである。
【0047】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明においては、通常動作モードと工具使用に支障を生じさせる工具使用不可モードの少なくとも二つのモードの切り替えのためのモード変更手段と、工具固有の識別コードを記憶した識別コード記憶手段と、工具固有の識別コードを記憶するとともに工具本体に対して着脱自在とされた第2の識別コード記憶手段と、識別コードの入力のための識別コード入力手段と、これらが接続されるとともに電動工具の動作を制御する制御手段とを備えており、制御手段は工具使用不可モードから通常動作モードへのモード変更について、識別コード入力手段から入力された識別コードと、識別コード記憶手段に記憶している識別コードとの一致を条件とするか、もしくは第2の識別コード記憶手段が工具本体に装着された際に電動工具が備えている識別コード記憶手段と上記第2の識別コード記憶手段とに記憶されている識別コードの一致を条件とするものであることに第1の特徴を有しており、第2の識別コード記憶手段を装着している状態では、工具使用不可モードから通常動作モードへの移行に識別コードの入力を必要とせず、使い勝手が良好となる上に、第2の識別コード記憶手段を装着していない状態においては、工具使用不可モードに設定されている場合、入力した識別コードが識別コード記憶手段が記憶している識別コードと違っていると、電動工具の使用に支障が生じるものであって、盗難されても盗んだ者が工具を使用することができないものであり、このために盗難の抑止効果を有するものである。
【0049】
上記のモード変更手段で切り替えられるモードに識別コード設定モードを備えており、制御手段は識別コード設定モードにある時に識別コード入力手段から入力された識別コードを識別コード記憶手段に記憶するものであれば、識別コードとしてユーザーが馴れ親しんだ識別コードを設定して使用することができる。
【0050】
識別コード入力手段により入力された識別コードを表示する確認表示手段を備えたものとすれば、識別コードの入力間違いを避けることができる。
【0051】
また識別コード入力手段はタッチ式スイッチで形成されていると、ゴミや粉塵による誤動作を避けることができる。
【0052】
また、識別コード入力手段として電動工具そのものが本来備えているスイッチやトルク設定部を用いると、識別コード入力手段を工具に別途設ける必要がなく、コストを下げることができる。
【0054】
さらに請求項8の発明においては、電動工具の動作を制御する制御手段を備えるとともに、電動工具の機能上必要な機能部材が電動工具本体に対して着脱自在とされており、上記制御手段は機能部材の装着時に通常動作モードとなり、機能部材の非装着時に工具使用に支障を生じさせる工具使用不可モードとなるものであるために、機能部材を外しておくことで、盗難抑止効果を有するものである。
【0055】
上述の工具使用不可モードは、工具を非動作状態とするものが効果的であるが、警報音を出力するものであっても、特に警報音出力と同時に電源である着脱自在な電池パックの取り外しを不可とするロック手段を作動させるものは盗難抑止に効果的である。
【0056】
工具使用不可モードにおいては工具動作時に内部回路の一部を短絡破壊するものであってもよい。
【0057】
また工具使用不可モードにあることを表示する警告表示手段を備えたものとすると、使用者にとって使い勝手の良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例のブロック図である。
【図2】同上のフローチャートである。
【図3】同上のモード遷移の説明図である。
【図4】他の実施の形態の一例のブロック図である。
【図5】同上の他例のブロック図である。
【図6】他の例のブロック図である。
【図7】別の例のブロック図である。
【図8】さらに別の例のブロック図である。
【図9】別の実施の形態の一例のブロック図である。
【符号の説明】
2 識別コード記憶手段
3 モード変更手段
5 識別コード入力手段
15 制御手段

Claims (13)

  1. 通常動作モードと工具使用に支障を生じさせる工具使用不可モードの少なくとも二つのモードの切り替えのためのモード変更手段と、工具固有の識別コードを記憶した識別コード記憶手段と、工具固有の識別コードを記憶するとともに工具本体に対して着脱自在とされた第2の識別コード記憶手段と、識別コードの入力のための識別コード入力手段と、これらが接続されるとともに電動工具の動作を制御する制御手段とを備えており、制御手段は工具使用不可モードから通常動作モードへのモード変更について、識別コード入力手段から入力された識別コードと、識別コード記憶手段に記憶している識別コードとの一致を条件とするか、もしくは第2の識別コード記憶手段が工具本体に装着された際に電動工具が備えている識別コード記憶手段と上記第2の識別コード記憶手段とに記憶されている識別コードの一致を条件とするものであることを特徴とする電動工具。
  2. 識別コードの入力のための識別コード入力手段を備えているとともに、モード変更手段で切り替えられるモードに識別コード設定モードを備えており、制御手段は識別コード設定モードにある時に識別コード入力手段から入力された識別コードを識別コード記憶手段に記憶するものであることを特徴とする請求項1記載の電動工具。
  3. 識別コード入力手段により入力された識別コードを表示する確認表示手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の電動工具。
  4. 確認表示手段が着脱自在な電源である電池パックに設けられていることを特徴とする請求項3記載の電動工具。
  5. 識別コード記憶手段が着脱自在な電源である電池パックに設けられており、該電池パックの充電用の充電器に上記識別コード記憶手段に記憶させた識別コードを表示させる確認表示手段が設けられていることを特徴とする請求項2記載の電動工具。
  6. 識別コード入力手段はタッチ式スイッチで形成されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の電動工具。
  7. 識別コード入力手段は、電動工具そのものが本来備えているスイッチやトルク設定部であることを特徴とする請求項2〜5いずれか1項に記載の電動工具。
  8. 電動工具の動作を制御する制御手段を備えるとともに、電動工具の機能上必要な機能部材が電動工具本体に対して着脱自在とされており、上記制御手段は機能部材の装着時に通常動作モードとなり、機能部材の非装着時に工具使用に支障を生じさせる工具使用不可モードとなるものであることを特徴とする電動工具。
  9. 工具使用不可モードは工具を非動作状態とするものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電動工具。
  10. 工具使用不可モードは、警報音を出力するものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電動工具。
  11. 工具使用不可モードは、電源である着脱自在な電池パックの取り外しを不可とするロック手段を作動させるものであることを特徴とする請求項10記載の電動工具。
  12. 工具使用不可モードは、工具動作時に内部回路の一部を短絡破壊するものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電動工具。
  13. 工具使用不可モードにあることを表示する警告表示手段を備えていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の電動工具。
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