マンション等の高層集合住宅における住人の生活排水は、各世帯の排水口から排水管を通って地下の下水道へと流されている。一般的に、建物に配管された排水管は、作業員が各排水口から洗浄器具を用いて洗浄している。
また、排水管の洗浄作業は、定期的に、各世帯ごとに行われている。現在の排水管の洗浄作業は、宅内に入って洗浄作業をする必要があり、住人の入室許可と住人の立会いが必要である。そのため、作業員は、排水管洗浄の度に、住人の入室許可を得て宅内に入り、住人の立会いのもとに排水管の洗浄作業を行っている。
以下、具体的に、従来のマンション等の高層集合住宅の排水管の洗浄作業を説明する
図8は従来の実施例に係る各階の排水管設置図である。図8において、洗面器1aは、洗面器排水口2aに接続され、洗面器排水口2aは洗面器排水横枝管3aに接続され、洗面器排水横枝管3aは、分岐点10aで排水横主管4に接続される。従って、洗面器1aからの排水は、洗面器排水口2a、洗面器排水横枝管3a、分岐点10aを介して排水横主管4へ流れ込む。
台所流し台1bは、台所流し台排水口2bに接続され、台所流し台排水口2bは台所流し台排水横枝管3bに接続され、台所流し台排水横枝管3bは、分岐点10bで排水横主管4に接続される。従って、台所流し台1bからの排水は、台所流し台排水口2b、台所流し台排水横枝管3b、分岐点10bを介して、排水横主管4へ流れ込み、分岐点10bで洗面器1aからの排水と合流する。
ユニットバス1cは、ユニットバス排水口2cに接続され、ユニットバス排水口2cはユニットバス排水横枝管3c接続され、ユニットバス排水横枝管3cは、分岐点10cで排水横主管4に接続される。従って、ユニットバス1cからの排水は、ユニットバス排水口2c、ユニットバス排水横枝管3c、分岐点10cを介して排水横主管4へ流れ込み、分岐点10cで洗面器1aからの排水、台所流し台1bからの排水と合流する。
洗濯機パン1dは、洗濯機パン排水口2dに接続され、洗濯機パン排水口2dは、洗濯機パン排水横枝管3dに接続され、洗濯機パン排水横枝管3dは、分岐点10dで排水横主管4に接続される。従って、洗濯機パン1dからの排水は、洗濯機パン排水口2d、洗濯機パン排水横枝管3d、分岐点10dを介して、排水横主管4へ流れ込み、分岐点10dで洗面器1aからの排水、台所流し台1bからの排水、ユニットバス1cからの排水と合流する。
排水横主管4は、分岐点10eで排水縦本管5に接続されている。洗面器1aからの排水、台所流し台1bからの排水、ユニットバス1cからの排水、洗濯機パン排水横枝管3dからの排水は、排水横主管4で合流し、排水縦本管5に流れ込む。排水縦本管5は、建物内を縦に配管されており、排水を下水道管に導くためのものである。
図9は、従来の実施例に係るマンション等の高層集合住宅の建物内の排水管システムを説明する図である。集合管200は、排水縦本管5と下水道201とを接続するための排水管であり、排水縦本管5からの排水を下水道201に導く機能を有する。排水縦主管5は、上部と下部がそれぞれ建物内を縦に配管された通気管901、902に接続されている。通気管901,902は、建物内の最上部で通気口900に接続されている。通気口900は、建物内に配管された排水縦本管5および集合管200に生じる空気の通気を行っている。すなわち、この通気口900がない場合には、排水が排水縦主管5から集合管200を介して下水道201に流れ落ちるときに、排水縦主管5の中が真空状態になり、排水が自然落下をしない弊害が生じる。通気口900は、このような弊害を排除するために設けられている。
図10は、従来の排水管洗浄システムにおける排水洗浄方法を説明する図である。作業員は、図8に示すように、洗面器1aに配管された洗面器排水横枝管3aの洗浄作業をするため、洗浄器具800に設けられた噴射ノズル801を洗面器排水口2aから挿入させ、洗面器排水横枝管3a、分岐点10aを介し排水横主管4に導き、噴射ノズル801が分岐点10bまで到達したときに、噴射ノズル801から高圧水を噴射させ、噴射ノズル801を引き戻しながら、分岐点10bと分岐点10a間の排水横主管4および洗面器排水横枝管3aを洗浄する。
噴射ノズル801を台所流し台排水口2bから挿入させ、台所流し台排水横枝管3b、分岐点10bを介し排水横主管4に導き、噴射ノズル801が分岐点10cまで到達したときに、噴射ノズル801から高圧水を噴射させ、洗浄ノズル801を引き戻しながら、分岐点10cと分岐点10b間の排水横主管4および台所流し台排水横枝管3bを洗浄する。
噴射ノズル801をユニットバス排水口2cから挿入させ、ユニットバス排水横枝管3c、分岐点10cを介し排水横主管4に導き、噴射ノズル801が分岐点10dまで到達したときに、噴射ノズル801から高圧水を噴射させ、噴射ノズル801を引き戻しながら、分岐点10dと分岐点10c間の排水横主管4およびユニットバス排水横枝管3cを洗浄する。
噴射ノズル801を洗濯機パン排水口2dから挿入させ、洗濯機パン排水横枝管3d、分岐点10dを介し排水横主管4に導き、さらに、噴射ノズル801が排水縦本管5の分岐点10eを介して10fまで到達したときに、噴射ノズル801から高圧水を噴射させ、噴射ノズル801を引き戻しながら、分岐点10fと分岐点10e間の排水縦本管5と、分岐点10eと分岐点10d間の排水横主管4と、洗濯機パン排水横枝管3dとを洗浄する。
このようにして、作業員は、順次、排水管の洗浄作業を行う。
図11は従来の実施例における洗浄方法に使用される洗浄器具の構成を示した図である。洗浄器具800は、給水ホース823を通して水が給水される給水ポンプ820と、給水ポンプ820に接続された高圧ホース813と、高圧ホース813に接続された給水栓810と、給水栓810に設けられた栓を開閉するレバー811と、給水栓810に接続された高圧洗浄ホース803と、高圧洗浄ホース803に接続された噴射ノズル801と、噴射ノズル801の後面に設けられた噴射口802と、から構成される。
給水ポンプ820は、図示しない給水タンクなどから給水ホース823を通して水が供給され、高圧ホース813を通して給水栓810へ高圧水を供給している。給水栓810は、栓を開閉することにより、高圧洗浄ホース803へ供給される高圧水のオンオフを行う。例えば、レバー811を矢印開の方に回すと、高圧洗浄ホース803と高圧ホース813が接続され、高圧洗浄ホース803に高圧水を供給する。噴射ノズル801には、高圧洗浄ホース813を通して高圧水が供給され、その高圧水を噴射口802から後方に噴射する。噴射口802は、高圧水を噴射することにより、排水管を洗浄する。また、レバー811を矢印閉の方に回すと、高圧ホース813から高圧洗浄ホース803に供給される高圧水の供給が停止され、噴射口802からの高圧水の噴射が停止する。
排水管洗浄システムを用いた排水管洗浄方法に関するものとしては、例えば、特許文献1〜特許文献3に示されるように、各種のものが提案されている。
特開2004−116137
特開平07−216976
特開平11−210075
しかしながら、従来の実施例の排水管洗浄方法では、以下のように様々な問題があった。
第1の問題は、図8で説明したように、作業員は、排水管の洗浄作業を宅内の各排水口から行わなければならない。そのため、作業員は、排水管の洗浄作業の度に、各世帯ごとの住人の入室許可を得て宅内に入り、住人の立会いのもとに排水管の洗浄作業を行うことになる。従って、排水管の洗浄作業の際には、住人のプライバシーが十分に保てないという問題がある。さらに、住人が不在の場合などは、作業員が宅内に入れずに洗浄作業を行えない。住人も排水管洗浄作業の日時に合わせて家に待機しなければならないために、洗浄作業が時間的に制限されるという欠点があった。
第2の問題は、図9で説明したように、建物内に配管された排水縦本管5および集合管200の通気のために、通気口900、通気管901、通気管902が必要という点である。通常、通気管901、通気管902を建物内に施工することは、負担が大きい。
第3の問題は、図10で説明したように、洗面器排水口2a、台所流し台排水口2b、ユニットバス排水口2c、洗濯機パン排水口2dから噴射ノズル801を挿入させて排水管の洗浄作業をするため、作業員は、洗面器排水口2aから、順次、台所流し台排水口2b、ユニットバス排水口2c、洗濯機パン排水口2dへと宅内の各箇所を移動する必要がある。また、従来の排水管洗浄作業においては、排水口から噴射ノズル801を挿入させて行うが、作業員は、噴射ノズル801がどのような経路を通って進んでいるかの目視確認ができないという問題があった。例えば、噴射ノズル801が洗面器排水口2aから挿入され、洗面器排水横枝管3a、排水横主管4、および台所流し台排水横枝管3bへ挿入され、台所流し台排水口2bから突出し、台所流し台排水口2bから高圧水が噴出し、部屋が水浸しになる等の問題点である。このように、作業員は、必ずしも意図した洗浄ルートに沿って噴射ノズル801を挿入できなかったので、噴射ノズル801が挿入された排水口とは別の排水口から高圧水が噴出する事故が避けられない状況にあった。
第1の発明は、建物内を縦に配管された排水縦本管と、前記排水縦本管に接続され各階ごとに横に配管された排水横主管と、前記排水横主管から分岐され宅内に配管された排水横枝管とを備えた排水管洗浄システムにおいて、宅外に設置された導管ヘッダーと、前記導管ヘッダーから宅内の前記排水横枝管に配管された第1のノズル導管と、各階ごとに前記導管ヘッダーから前記排水縦本管に配管された戻りワイヤ収納管と、前記導管ヘッダーから、前記第1のノズル導管、前記排水横枝管、前記排水横主管、前記排水縦本管、および前記戻りワイヤ収納管を介し、前記導管ヘッダーへと貫通された第1のループ状のワイヤと、を備えたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明に記載の排水管洗浄システムにおいて、さらに、各階ごとに前記導管ヘッダーから前記排水縦本管に配管された第2のノズル導管と、前記導管ヘッダーから、前記第2のノズル導管、排水縦本管、階下の戻りワイヤ収納管を介し、前記導管ヘッダーへと貫通された第2のループ状のワイヤとを備えたことを特徴とする。
第3の発明は、第1乃至2の発明に記載の排水管洗浄システムにおいて、さらに、前記第1のノズル導管と前記排水横枝管とを接続する接続部材である特殊継ぎ手を備えたことを特徴とする。
第4の発明は、第1乃至3の発明に記載の排水管洗浄システムにおいて、前記戻りワイヤ収納管は、戻りワイヤ横収納管、戻りワイヤ縦収納管およびヘッダー戻りワイヤ収納管から構成されることを特徴とする。
第5の発明は、第1乃至4の発明に記載の排水管洗浄システムにおいて、さらに、前記導管ヘッダーの上部に設けられた第1のヘッダー給気管と、前記第1のヘッダー給気管に設けられた第1のヘッダー栓と、前記導管ヘッダーの下部に設けられた第2のヘッダー給気管と、前記第2のヘッダー給気管に設けられた第2のヘッダー栓と、を備えたことを特徴とする。
第6の発明は、第1乃至5の発明に記載の排水管洗浄システムにおいて、高圧水を供給する高圧水ポンプと、高圧空気を供給する高圧空気ポンプと、前記高圧水ポンプから供給された高圧水と前記高圧空気ポンプから供給された高圧空気とを切り替える噴射切替器と、前記噴射切替器から供給された高圧水または高圧空気を供給するホースと、前記ホースに接続された高圧噴射ノズルと、前記高圧噴射ノズルの後面に設けられ高圧水または高圧空気を噴射する高圧噴射口と、を有する洗浄器具を備えたことを特徴とする。
第7の発明は、建物内を縦に配管された排水縦本管と、各階ごとに横に配管された排水横主管と、前記排水横主管から分岐され宅内に配管された排水横枝管と、宅外に設置された導管ヘッダーと、前記導管ヘッダーから前記排水横枝管に配管された第1のノズル導管と、各階ごとに前記導管ヘッダーから前記排水縦本管に配管された戻りワイヤ収納管と、前記導管ヘッダーから、前記第1のノズル導管、前記排水横枝管、前記排水横主管、前記排水縦本管、および前記戻りワイヤ収納管を介し、前記導管ヘッダーへと貫通された第1のループ状のワイヤと、を備えた排水管洗浄システムを用いた排水管洗浄方法において、噴射ノズルを前記第1のループ状のワイヤに結合させ、前記第1のループ状のワイヤに従って前記導管ヘッダーから第1のノズル導管を介して、前記排水横枝管、前記排水横主管の内部に前記噴射ノズルを挿入させ、排水管の洗浄最終箇所に達した時点で前記噴射ノズルから高圧水を噴射させ、前記噴射ノズルを引き戻し、前記第1のノズル導管と前記排水横枝管とを接続する接続部材である特殊継ぎ手に達したら噴射切替器を切り替え、高圧空気を噴射させ、前記噴射ノズルを前記導管ヘッダーまで引き戻し、前記第1のノズル導管内に残留する洗浄排水を取り除き、前記排水横枝管、前記排水横主管の内部を洗浄することを特徴とする。
第8の発明は、第7の発明に記載の排水管洗浄方法において、さらに、前記排水管洗浄システムは、各階ごとに前記導管ヘッダーから前記排水縦本管に配管された第2のノズル導管と、前記導管ヘッダーから、前記第2のノズル導管、排水縦本管、階下の戻りワイヤ収納管を介し、前記導管ヘッダーへと貫通された第2のループ状のワイヤとを備え、噴射ノズルを前記第2のループ状のワイヤに結合させ、前記第2のループ状のワイヤに従って前記導管ヘッダーから第2のノズル導管を介して前記排水縦本管の内部に前記噴射ノズルを挿入させ、排水管の洗浄最終箇所に達した時点で前記噴射ノズルから高圧水を噴射させ、前記噴射ノズルを引き戻し、前記排水縦本管と前記第2のノズル導管の接続部分に達したら噴射切替器を切り替え、高圧空気を噴射させ、前記噴射ノズルを前記導管ヘッダーまで引き戻し、前記第2のノズル導管内に残留する洗浄排水を取り除き、前記排水縦本管の内部を洗浄することを特徴とする。
第1の発明によると、宅外に導管ヘッダーが設置され、その導管ヘッダーから第1のループ状のワイヤが設けられているので、作業員は、洗浄ルートを誤ることなく、第1のループ状のワイヤに従って噴射ノズルを排水横枝管、排水横主管へ挿入させることができ、排水横枝管、排水横主管の洗浄作業を宅外から行うことができる。
第2の発明によると、宅外に導管ヘッダーが設置され、その導管ヘッダーから第2のループ状のワイヤが設けられているので、作業員は、洗浄ルートを誤ることなく、第2のループ状のワイヤに従って噴射ノズルを排水縦本管へ挿入させることができ、排水縦本管の洗浄作業を宅外から行うことができる。
第3の発明によると、第1のノズル導管と排水横枝管を接続する特殊継ぎ手を備えたので、排水横枝管の排水を第1のノズル導管へ逆流させることなく、排水横枝管の通気ができる。
第4の発明によると、排水縦本管から導管ヘッダーへ戻す戻りワイヤ収納管を設けたので、第1のワイヤを、導管ヘッダーから、第1のノズル導管、排水横枝管、排水横主管、排水縦本管、戻りワイヤ収納管を介し、導管ヘッダーへと貫通させ、ループ状にすることができ、第2のワイヤを、導管ヘッダーから、第2のノズル導管、排水縦本管、階下の戻りワイヤ収納管を介し、導管ヘッダーへと貫通させ、ループ状にすることができる。また、第1のワイヤ、第2のワイヤはループ状に形成されているので、噴射ノズルをワイヤに結合させ、ワイヤを可動させることにより、噴射ノズルを挿入させたり、引き戻したりできる。
第5の発明によると、導管ヘッダーの内部が、導管ヘッダーの外部より正圧になる場合に、第1のヘッダー栓が上に可動して、第1のヘッダー給気管から外気を取り入れる。また、導管ヘッダーの内部が、導管ヘッダーの外部より負圧になる場合に、第2のヘッダー栓が上に可動して、第2のヘッダー給気管から外気を取り入れる。導管ヘッダーは第1のノズル導管を介して排水横主管に接続されているので、排水横主管は、第1のヘッダー栓または第2のヘッダー栓を用いて、第1のヘッダー給気管または第2のヘッダー給気管から、常に外気を取り入れることができる。これにより、排水横主管の内部が、外気より正圧または負圧になった場合に、排水横主管に接続された排水口に設けられたトラップの封水がきれることがなく、排水管の悪臭が排水口から部屋の中へ漏れることを防止できる。
第6の発明によると、高圧水ポンプおよび高圧空気ポンプを設けたので、排水管の洗浄作業において、高圧水を噴射させて排水横枝管、排水横主管、排水縦本管の洗浄ができる。また、高圧空気を噴射させ、第1のノズル導管、第2のノズル導管に残留した洗浄排水を吹き飛ばすことができる。これにより、高圧噴射ノズルを第1のノズル導管または第2のノズル導管から導管ヘッダーまで引き戻し、第1のノズル導管または第2のノズル導管に残留した洗浄排水を取り除くことができる。
第7の発明によると、OLE_LINK2作業員は、洗面器高圧噴射ノズル挿入口から、台所流し台高圧噴射ノズル挿入口、ユニットバス高圧噴射ノズル挿入口、洗濯機パン高圧噴射ノズル挿入口へと、順次、高圧噴射ノズルを挿入させ、OLE_LINK2排水横枝管、排水横主管の洗浄作業を効率的に行うことができる。また、導管ヘッダーに設けられた第1のループ状のワイヤに噴射ノズルを結合し、第1のループ状のワイヤに従って高圧噴射ノズルを挿入させることができる。従って、噴射ノズル801が挿入された排水口とは別の排水口から高圧水が噴出することがなく、安全かつ効率的に排水横枝管、排水横主管の洗浄作業を行うことができる。
第8の発明によると、作業員は、高圧噴射ノズル挿入口から高圧噴射ノズルを挿入させ、排水縦本管の洗浄作業ができる。また、導管ヘッダーに設けられた第2のループ状のワイヤに噴射ノズルを結合し、第2のループ状のワイヤに従って高圧噴射ノズルを挿入させることができるので、安全かつ効率的に排水縦本管の洗浄作業を行うことができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。上述した符号及び名称と同一のものは、同一の符号及び名称を付し、その説明を省略する。
図1は本発明の一実施例に係る排水管洗浄システムを示す図である。図1においては、洗面器1aは、台所流し台1b、ユニットバス1c、洗濯機パン1dを有し、洗面器1aは、洗面器排水口2aに接続され、台所流し台1bは、台所流し台排水口2bに接続され、ユニットバス1cは、ユニットバス排水口2cに接続され、洗濯機パン1dは、洗濯機パン排水口2dに接続される点は図8に示した従来の排水管洗浄システムと同様である。
図1においては、図8に示される排水管洗浄システムと異なり、宅外に設置される導管ヘッダー300を有し、この導管ヘッダー300から、洗面器ノズル導管6aを介し洗面器排水横枝管3aに接続され、台所流し台ノズル導管6bを介し台所流し台排水横枝管3bに接続され、ユニットバスノズル導管6cを介しユニットバス排水横枝管3cに接続され、洗濯機パンノズル導管6dを介し洗濯機パン排水横枝管3dに接続される。また、排水縦本管ノズル導管6eは、導管ヘッダー300から排水縦本管5に直接接続されている。
このように、導管ヘッダー300を宅外に設けることにより、作業員は、宅外より排水管の洗浄作業を行うことができる。宅外に設置された導管ヘッダー300から、洗面器ノズル導管6a、台所流し台ノズル導管6b、ユニットバスノズル導管6c、洗濯機パンノズル導管6d、排水縦本管ノズル導管6eを介して、噴射ノズル801を挿入させ、排水管の洗浄作業を行うので、宅内の洗面器排水口2a、台所流し台排水口2b、ユニットバス排水口2c、洗濯機パン排水口2dから排水管の洗浄作業を行う必要がなくなる。そのため、作業員は、洗浄作業の度に、各世帯ごとの住人の入室許可を得て宅内に入ることも無くなり、住人の立会いのもとに洗浄作業を行う必要も無くなる。これにより、洗浄作業の際に、住人のプライバシーが十分に保てないという問題も解決する。さらに、住人が不在の場合でも、宅外より排水管の洗浄作業ができ、また、住民が不在のために作業員が宅内に入れず洗浄作業を行えないという状況も生じない。また、住人にとっても、洗浄作業の日時に合わせて家に待機する必要もなくなり、洗浄作業に立会う必要も無くなる。したがって、作業員および住人の双方にとって有益であり、作業員は効率的に排水管の洗浄作業を行うことができる。
図2は、本発明の一実施例に係るマンション等の高層集合住宅の排水管洗浄システムを略示的に示した図である。例えば、戻りワイヤ縦収納管27は、建物内の2階部分を縦に配管されており、3階に設けられた戻りワイヤ収納管37に接続されている。3階に設けられた戻りワイヤ収納管37は、導管ヘッダー300へ分岐される3階部分のヘッダー戻りワイヤ収納管38と、建物内の4階部分に縦に配管されている戻りワイヤ収納管47に接続されている。戻りワイヤ縦収納管47は、4階に設けられたヘッダー戻りワイヤ収納管48と5階部分に縦に配管されている戻りワイヤ収納管57に接続されている。2階に設けられた戻りワイヤ横収納管20は、排水縦本管5から2階に設けられた戻りワイヤ縦収納管27へ配管されている。3階に設けられた戻りワイヤ横収納管30は、排水縦本管5から3階に設けられた戻りワイヤ縦収納管37へ配管されている。排水縦本管ノズル導管6eは、戻りワイヤ横収納管30とは別の管として示しているが、戻りワイヤ横収納管30は、排水縦本管ノズル導管6eを共用することもできる。図2では、図1で示した、洗面器ノズル導管6a、台所流し台ノズル導管6b、ユニットバスノズル導管6c、洗濯機パンノズル導管6d、洗面器排水横枝管3a、台所流し台排水横枝管3b、ユニットバス排水横枝管3c、洗濯機パン排水横枝管3dをまとめて略示的に示している。
建物内に配管された排水管の通気は、導管ヘッダー300に設けられたヘッダー栓64、ヘッダー栓65を用いて行っている。集合排水管200は、排水縦本管5に接続され、排水縦本管5は、図2に示すように、各管を介して、導管ヘッダー300に接続されている。このため、導管ヘッダー300に設けられたヘッダー栓64、ヘッダー栓65を用いて、洗面器排水横枝管3a、台所流し台排水横枝管3b、ユニットバス排水横枝管3c、洗濯機パン排水横枝管3d、排水横主管4、排水縦本管5および集合排水管200の通気を行うことができる。これにより、従来、建物内の排水管の通気のために設けていた、通気口900、通気管901、通気管902が不要になり、通気管の施工の負担が小さくなるという利点がある。
図3は本発明の一実施例に係る排水管システムを用いた排水管洗浄方法を説明する図である。洗面器高圧噴射ノズル挿入口7aは、導管ヘッダー300の上部に設けられている。台所流し台高圧噴射ノズル挿入口7bは、導管ヘッダー300の上部の洗面器高圧噴射ノズル挿入口7aに隣接して設けられている。ユニットバス高圧噴射ノズル挿入口7cは、導管ヘッダー300の上部の台所流し台高圧噴射ノズル具挿入口7bに隣接して設けられている。洗濯機パン高圧噴射ノズル挿入口7dは、導管ヘッダー300の上部のユニットバス高圧噴射ノズル挿入口7cに隣接して設けられている。
図4(a)は本発明の一実施例に係る排水横枝管の端部に取り付けられた特殊継ぎ手とノズル導管を示す斜視図、図4(b)は図4(a)の断面図である。特殊継ぎ手40は、排水横枝管3とノズル導管6を接続する接続部材であり、排水横枝管3の端部に設けられている。特殊継ぎ手40は、嵌合部40aでノズル導管6に接続されている。嵌合部40aは、図4(b)に示すように、特殊継ぎ手40の中心より上方に設けられている。このため、排水41の上面42がノズル導管6より下面に来るので、排水横枝管3の内部排水がノズル導管6に逆流することなく排水横枝管3の通気を行えるという利点がある。
図5は本発明の一実施例に係る排水管洗浄システムにおいて使用される高圧洗浄器具の構成を示した図である。高圧洗浄器具500は、図示されない給水タンクなどから水を供給する給水ホース523と、給水ホース523に接続された高圧水ポンプ520と、高圧水ポンプ520に接続された高圧水ホース513と、図示されない給気タンクなどから空気を供給する給気ホース543と、給気ホース543に接続された高圧空気ポンプ540と、高圧空気ポンプ540に接続された高圧空気ホース533と、高圧水ホース513と高圧空気ホース533に接続された噴射切替器510と、噴射切替器510に接続された高圧洗浄水ホース503と、高圧洗浄水ホース503に接続された高圧噴射ノズル501と、高圧噴射ノズル501の後面に設けられた高圧噴射口502と、から構成されている。
高圧水ポンプ520は、図示されない給水タンクなどから給水ホース523を通して供給された水を高圧水にする。この高圧水は、高圧ホース513を通して噴射切替器510へ供給される。高圧空気ポンプ540は、図示されない給気タンクなどから給気ホース543を通して供給された空気を高圧空気にする。この高圧空気は、高圧空気ホース533を通して噴射切替器510へ供給される。噴射切替器510は、高圧水と高圧空気の切り替え弁が設けられ、例えば、矢印レバーを高圧水の方に切り替えると、高圧洗浄ホース503と高圧水ホース513が接続され、高圧水が高圧洗浄ホース503へ供給される。矢印レバーを高圧空気の方に切り替えると、高圧洗浄ホース503と高圧空気ホース533が接続され、高圧空気が高圧洗浄ホース503へ供給される。
高圧噴射ノズル501は、高圧洗浄ホース503に接続され、高圧洗浄ホース503から導かれた高圧水または高圧空気が供給される。高圧噴出口502は、噴射切替器の切り替えに応じて、高圧水または高圧空気を噴射する。排水管の洗浄作業において、高圧洗浄器具500を用いると、洗浄に使用した洗浄排水を吹き飛ばすことができる。高圧噴射ノズル501を、洗面器ノズル導管6aから導管ヘッダー300に引き戻し、洗面器ノズル導管6aに残留した洗浄排水を取り除くことができる。同様に、高圧噴射ノズル501を、台所流し台ノズル導管6bから導管ヘッダー300に引き戻し、台所流し台ノズル導管6bに残留した洗浄排水を取り除くことができる。また、高圧噴射ノズル501を、ユニットバスノズル導管6cから導管ヘッダー300に引き戻し、ユニットバスノズル導管6cに残留した洗浄排水を取り除くことができる。また、高圧噴射ノズル501を、洗濯機パンノズル導管6dから導管ヘッダー300に引き戻し、洗濯機パンノズル導管6dに残留した洗浄排水を取り除くことができる。また、高圧噴射ノズル501を、排水縦本管ノズル導管6eから導管ヘッダー300に引き戻し、排水縦本管ノズル導管6eに残留した洗浄排水を取り除くことができる。このように、排水管の洗浄後に、排水管の内部に洗浄排水が残留することがないので、建物内に配管された排水管の通気ができるという利点がある。
図6(a)は本発明の一実施例に係る導管ヘッダーの構造を示した外観斜視図である。導管ヘッダー300は、例えば、円筒状をしており、ヘッダー戻りワイヤ収納管38を介して戻りワイヤ縦収納管37に接続される。導管ヘッダー300の側面上部には、ワイヤ出口管33と、洗面器高圧噴射ノズル挿入口7aと、台所流し台高圧噴射ノズル挿入口7bと、ユニットバス高圧噴射ノズル挿入口7cと、洗濯機パン高圧噴射ノズル挿入口7dと、排水縦本管高圧噴射ノズル挿入口7eが隣接して設けられる。
導管ヘッダー300の側面下部には、洗面器ノズル導管6aと、台所流し台ノズル導管6bと、ユニットバスノズル導管6cと、洗濯機パンノズル導管6dと、排水縦本管ノズル導管6eとが隣接して設けられている。洗面器高圧噴射ノズル挿入口7aは、洗面器ノズル導管6aと同じ軸上に配置されている。台所流し台高圧噴射ノズル挿入口7bは、台所流し台ノズル導管6bと同じ軸上に配置されている。ユニットバス高圧噴射ノズル挿入口7cは、ユニットバスノズル導管6cと同じ軸上に配置されている。洗濯機パン高圧噴射ノズル挿入口7dは、洗濯機パンノズル導管6dと同じ軸上に配置されている。排水縦本管高圧噴射ノズル挿入口7eは、排水縦本管ノズル導管6eと同じ軸上に配置されている。
導管ヘッダー300の上部の洗面器高圧噴射ノズル挿入口7a、台所流し台高圧噴射ノズル挿入口7b、ユニットバス高圧噴射ノズル挿入口7c、洗濯機パン高圧噴射ノズル挿入口7d、および排水縦本管高圧噴射ノズル挿入口7eからは、それぞれに対応する洗面器ワイヤ8a、台所流し台ワイヤ8b、ユニットバスワイヤ8c、洗濯機パンワイヤ8d、および縦本管ワイヤ8eが挿入されている。
洗面器ワイヤ8aは、洗面器高圧噴射ノズル挿入口7aから挿入され、導管ヘッダー300を貫通し、洗面器ノズル導管6a、洗面器排水横枝管3a、排水横主管4、排水縦本管5、戻りワイヤ収納管30、戻りワイヤ縦収納管37、ヘッダー戻りワイヤ収納管38、導管ヘッダー300、およびワイヤ出口管33を介してから洗面器高圧噴射ノズル挿入口7aへ戻るループを形成する。
台所流し台ワイヤ8bは、台所流し台高圧噴射ノズル挿入口7bから挿入され、導管ヘッダー300を貫通し、台所流し台ノズル導管6b、台所流し台排水横枝管3b、排水横主管4、排水縦本管5、戻りワイヤ横収納管30、戻りワイヤ縦収納管37、ヘッダー戻りワイヤ収納管38、導管ヘッダー300およびワイヤ出口管33を介して台所流し台高圧噴射ノズル挿入口7bへ戻るループを形成する。
ユニットバスワイヤ8cは、ユニットバス高圧噴射ノズル挿入口7cから挿入され、導管ヘッダー300を貫通し、ユニットバスノズル導管6c、ユニットバス排水横枝管3c、排水横主管4、排水縦本管5、戻りワイヤ横収納管30、戻りワイヤ縦収納管37、ヘッダー戻りワイヤ収納管38、導管ヘッダー300およびワイヤ出口管33を介してユニットバス高圧噴射ノズル挿入口7cへ戻るループを形成する。
洗濯機パンワイヤ8dは、洗濯機パン高圧噴射ノズル挿入口7dから挿入され、導管ヘッダー300を貫通し、洗濯機パンノズル導管6d、洗濯機パン排水横枝管3d、排水横主管4、排水縦本管5、戻りワイヤ横収納管30、3階の戻りワイヤ縦収納管37、ヘッダー戻りワイヤ収納管38、導管ヘッダー300およびワイヤ出口管33を介して洗濯機パン高圧噴射ノズル挿入口7dへ戻るループを形成する。
縦本管ワイヤ8eは、排水縦本管高圧噴射ノズル挿入口7eから挿入され、導管ヘッダー300を貫通し、排水縦本管ノズル導管6e、排水縦本管5、戻りワイヤ横収納管20、戻りワイヤ縦収納管27、戻りワイヤ縦収納管37、ヘッダー戻りワイヤ収納管38、導管ヘッダー300およびワイヤ出口管33を介して排水縦本管高圧噴射ノズル挿入口7eへ戻るループを形成する。
洗面器ワイヤ8a、台所流し台ワイヤ8b、ユニットバスワイヤ8c、洗濯機パンワイヤ8d、縦本管ワイヤ8eは、ロープでもよい。
図6(b)は本発明の一実施例に係る導管ヘッダーの上蓋を開けたときの構造を示す図である。洗面器ノズル導管6a、台所流し台ノズル導管6b、ユニットバスノズル導管6c、洗濯機パンノズル導管6d、および排水縦本管ノズル導管6eは、導管ヘッダー300を貫通している。排水管の洗浄作業の時に高圧噴射ノズル501を引き戻した際に、洗面器ノズル導管6a、台所流し台ノズル導管6b、ユニットバスノズル導管6c、洗濯機パンノズル導管6d、排水縦本管ノズル導管6eから逆流した洗浄排水が導管ヘッダー300の内部に溜まるようになっている。導管ヘッダー300の内部に溜まった水は、洗浄作業終了後、ヘッダー給気管60から排水される。
図7(a)は本発明の一実施例に係るヘッダーの上部に設けられたヘッダー栓を説明する図である。ヘッダー給気管66は、導管ヘッダー300の上部に設けられ、ヘッダー栓65は、ヘッダー給気管66に栓をするように設けられている。
ヘッダー栓65は、上方にのみ可動する。導管ヘッダー300の内部が外圧に対して正圧になる場合に、導管ヘッダー300の内圧を外圧と等しくするために、ヘッダー栓65が上に可動し、ヘッダー給気管66から外気を取り入れるようになっている。導管ヘッダー300に接続された、洗面器ノズル導管6a、台所流し台ノズル導管6b、ユニットバスノズル導管6c、洗濯機パンノズル導管6dは、洗面器排水横枝管3a、台所流し台排水横枝管3b、ユニットバス排水横枝管3c、洗濯機パン排水横枝管3dに、密閉して接続されている。このため、洗面器排水横枝管3a、台所流し台排水横枝管3b、ユニットバス排水横枝管3c、洗濯機パン排水横枝管3dは、ヘッダー栓65を用いて、ヘッダー給気管66から外気を取り入れることができる。これにより、洗面器排水横枝管3a、台所流し台排水横枝管3b、ユニットバス排水横枝管3c、洗濯機パン排水横枝管3dが外圧に対して正圧になった場合に、ヘッダー給気管66から外気を取り入れ、洗面器排水口2a、台所流し台排水口2b、ユニットバス排水口2c、洗濯機パン排水口2dに設けられたトラップの封水がきれるのを防止し、排水管の悪臭が排水管から部屋の中へ漏れることを防止できる。
図7(b)は本発明の一実施例に係るヘッダーの下部に設けられたヘッダー栓を説明する図である。ヘッダー栓64は、ヘッダー給気管60と導管ヘッダー300の接続口に設けられている。
ヘッダー栓64は、上方にのみ可動する。これは、大量の排水が、洗面器排水横枝管3a、台所流し台排水横枝管3b、ユニットバス排水横枝管3c、洗濯機パン排水横枝管3d、排水横主管4、排水縦本管5、および集合管200を通って排水されると、建物内に配管された排水管および導管ヘッダー300は密閉されているため、建物内に配管された排水管および導管ヘッダー300の内部は外圧に対して負圧になる。導管ヘッダー300の内圧を外圧と等しくするために、ヘッダー栓64が上に可動し、ヘッダー給気管60から外気を取り入れるようになっている。これにより、洗面器排水横枝管3a、台所流し台排水横枝管3b、ユニットバス排水横枝管3c、洗濯機パン排水横枝管3dが外圧に対して負圧になった場合に、ヘッダー給気管60から外気を取り入れ、洗面器排水口2a、台所流し台排水口2b、ユニットバス排水口2c、洗濯機パン排水口2dに設けられたトラップの封水がきれるのを防止し、排水管の悪臭が排水管から部屋の中へ漏れることを防止できる。また、排水管の洗浄作業の際に、作業員は、ヘッダー栓64をはずし、導管ヘッダー300に溜まった洗浄排水をヘッダー給気管60から排出することもできる。
次に、本発明の一実施例に係る排水管洗浄システムを用いて排水管の洗浄をする方法について説明する。
洗面器高圧噴射ノズル挿入口7aの近くで、高圧洗浄器具500の先端に設けられた高圧噴射ノズル501を洗面器ワイヤ8aに結合させる。洗面器ワイヤ8aは、ループを形成しているので、洗面器ワイヤ8aをワイヤ出口管33からたぐりよせることにより、高圧噴射ノズル501は、洗面器ワイヤ8aの動きに従って、洗面器高圧噴射ノズル挿入口7aから、洗面器ノズル導管6a、特殊継ぎ手40、洗面器排水横枝管3a、分岐点10aを介し、排水横主管4に挿入される。
高圧噴射ノズル501が分岐点10bに達したら、噴射切替器510を切り替えて、高圧噴射口502から高圧水を噴射させ、洗面器ワイヤ8aを引き寄せることにより高圧噴射ノズル501を引き戻す。高圧噴射口502から噴出された高圧水によって、分岐点10bと分岐点10a間の排水横主管4と洗面器排水横枝管3aの内部が洗浄される。高圧噴射ノズル501が特殊継ぎ手40に達したら、噴射切替器510を切り替え、高圧噴射口502から高圧空気を噴射させる。高圧噴射ノズル501は、高圧噴射口502から高圧空気を噴射しながら洗面器ノズル導管6aを通って導管ヘッダー300まで引き戻される。洗浄排水は、高圧噴射口502から噴射される高圧空気によって押し出され、高圧噴射ノズル501が導管ヘッダー300に達すると、導管ヘッダー300の内部に排出される。
次に、台所ワイヤ高圧洗浄ノズル挿入口7bの近くで、高圧噴射ノズル501を台所流し台ワイヤ8bに結合させる。台所流し台ワイヤ8bは、ループを形成しているので、台所流し台ワイヤ8bをワイヤ出口管33からたぐりよせることにより、高圧噴射ノズル501は、台所ワイヤ8bの動きに従って、台所流し台高圧噴射ノズル挿入口7bから台所流し台ノズル導管6b、特殊継ぎ手40、台所流し台排水横枝管3bを介し、排水横主管4に挿入される。
高圧洗浄ノズル501が分岐点10cに達したら、噴射切替器510を切り替えて、高圧噴射口502から高圧水を噴射させ、台所流し台ワイヤ8bを引き寄せることにより高圧噴射ノズル501を引き戻す。高圧噴射ノズル501から噴射された高圧水によって、分岐点10cと分岐点10b間の排水横主管4と台所流し台排水横枝管3bの内部が洗浄される。高圧噴射ノズル501が特殊継ぎ手40に達したら、噴射切替器510を切り替え、高圧噴射口502から高圧空気を噴射させる。高圧噴射ノズル501は、高圧空気を噴射しながら台所流し台ノズル導管6bを介し導管ヘッダー300まで引き戻される。洗浄排水は、高圧噴射口502から噴射される高圧空気によって押し出され、高圧噴射ノズル501が導管ヘッダー300に達すると、導管ヘッダー300の内部に排出される。
次に、ユニットバス高圧洗浄ノズル挿入口7cの近くで、高圧噴射ノズル501をユニットバスワイヤ8cに結合させる。ユニットバスワイヤ8cは、ループを形成しているので、ユニットバスワイヤ8cをワイヤ出口管33からたぐりよせることにより、高圧噴射ノズル501は、ユニットバスワイヤ8cに従って、ユニットバス高圧噴射ノズル挿入口7cからユニットバスノズル導管6c、特殊継ぎ手40、ユニットバス排水横枝管3cを介し、排水横主管4に挿入される。
高圧洗浄ノズル501が分岐点10dに達したら、噴射切替器510を切り替えて、高圧噴射口502から高圧水を噴射させ、ユニットバスワイヤ8cを引き寄せることにより高圧噴射ノズル501を引き戻す。高圧噴射ノズル501から噴射された高圧水によって分岐点10dと分岐点10c間の排水横主管4とユニットバス排水横枝管3cの内部が洗浄される。高圧噴射ノズル501が特殊継ぎ手40に達したら、噴射切替器510を切り替え、高圧噴射口502から高圧空気を噴射させる。高圧噴射ノズル501は、高圧空気を噴射しながらユニットバスノズル導管6cを介し導管ヘッダー300まで引き戻される。洗浄排水は、高圧噴射口502から噴射される高圧空気によって押し出され、高圧噴射ノズル501が導管ヘッダー300に達すると、導管ヘッダー300の内部に排出される。
次に、洗濯機パン高圧洗浄ノズル挿入口7dの近くで、高圧噴射ノズル501を洗濯機パンワイヤ8dに結合させる。洗濯機パンワイヤ8dは、ループを形成しているので、洗濯機パンワイヤ8dをワイヤ出口管33からたぐりよせることにより、高圧噴射ノズル501は、洗濯機パンワイヤ8dに沿って、洗濯機パン高圧噴射ノズル挿入口7dから洗濯機パンノズル導管6d、特殊継ぎ手40、洗濯機パン排水横枝管3dを介し、排水横主管4に挿入される。
高圧噴射ノズル501が分岐点10eに達したら、噴射切替器510を切り替え、高圧噴射口502から高圧水を噴射させ、洗濯機パンワイヤ8dを引き寄せることにより高圧噴射ノズル501を引き戻す。高圧洗浄ノズル501から噴射された高圧水によって、分岐点10eと分岐点10d間の排水横主管4と洗濯機パン排水横枝管3dの内部が洗浄される。高圧噴射ノズル501が特殊継ぎ手40に達したら、噴射切替器510を切り替え、高圧噴射口502から高圧空気を噴射させる。高圧噴射ノズル501は、高圧空気を噴射しながら洗濯機パンノズル導管6dを介し導管ヘッダー300まで引き戻される。洗浄排水は、高圧噴射口502から噴射される高圧空気によって押し出され、高圧噴射ノズル501が導管ヘッダー300に達すると、導管ヘッダー300の内部に排出される。
次に、排水縦本管高圧噴射ノズル挿入口7eの近くで、高圧洗浄器具500に設けられた高圧噴射ノズル501を縦本管ワイヤ8eに結合させる。縦本管ワイヤ8eは、ループを形成しているので、縦本管ワイヤ8eをワイヤ出口33からたぐりよせることにより、高圧噴射ノズル501は、縦本管ワイヤ8eに従って、排水縦本管ノズル導管6eを介し排水縦本管5に挿入される。
高圧洗浄ノズル501が分岐点5bに達したら、噴射切替器510を切り替え、高圧噴射ノズル501から高圧水を噴射させ、洗濯機パンワイヤ8eを引き寄せることにより高圧噴射ノズル501を引き戻す。高圧噴射ノズル501から噴射された高圧水によって、分岐点5bと分岐点5a間の排水縦本管5の内部を洗浄させる。
高圧洗浄ノズル501が分岐点5aに達したら、噴射切替器510を切り替え、高圧噴射口502から高圧空気を噴射させる。高圧噴射ノズル501は、高圧空気を噴射しながら排水縦本管ノズル導管6eを介し導管ヘッダー300まで引き戻される。洗浄排水は、高圧噴射口502から噴射される高圧空気によって押し出され、高圧噴射ノズル501が導管ヘッダー300に達すると、導管ヘッダー300の内部に排出される。
その後、ヘッダー栓64をはずし、導管ヘッダー300に溜まった洗浄排水をヘッダー給気管60から排出し、洗浄作業を終了する。
このように、作業員は、意図した洗浄ルートに沿って高圧噴射ノズル501を挿入させ、目的とする排水管の洗浄作業を行うことができる。そして、高圧噴射ノズル501が、挿入された排水口とは別の排水口から突出するという事故もなくなる。