JP4512022B2 - 酸性飲料配合用乳化組成物の製造方法 - Google Patents

酸性飲料配合用乳化組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸性飲料中に配合したとき長期間にわたって安定に分散状態を保持できる乳化組成物の製造方法に関する。さらに詳しくは、
(a)油性着香料、油性色素類、動植物油脂類、中鎖脂肪酸トリグリセライド類、脂溶性ビタミン類及び植物性天然樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の可食性油性材料、
(b)シュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート(SAIB)、
(c)精製ポリグリセリン脂肪酸エステル、
(d)含水率50重量%以下の多価アルコール、
からなることを特徴とする酸性飲料配合用乳化組成物の製造方法に関する。
酸性飲料に好ましいフレーバー、混濁及び色調を付与する目的で、可食性油性材料とポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の食品用乳化剤や植物性天然ガム質などの賦形剤を含む乳化組成物として酸性飲料に配合する技術が提案されている(特許文献1)。しかしながら、この提案により得られる乳化組成物でも、酸性飲料に配合し、長期間の保存をすると飲料中に沈澱、浮遊物を生じる場合がある。また、従来の乳化組成物では、酸性飲料中に配合して長期間保存をすると、沈澱や浮遊物が発生する事があった。また従来の乳化組成物を配合した酸性飲料を加熱(殺菌工程等で)すると飲料の濁りが増大したり、飲料中に分散している乳化組成物の平均粒径の増大などが観察されるといった問題があった。
特許文献2は「酸性飲料に配合するための乳化組成物」として、可食性油性材料とシュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート(SAIB)とHLB8以上のポリグリセリン脂肪酸エステルと含水率50重量%以下の多価アルコール類からなる乳化組成物を使用する技術を開示している。しかしながら、この提案によっても、長期間の保存をすると飲料中に沈澱、浮遊物を生じる場合があるという問題を解決できるものではなかった。
上記提案で使用されているポリグリセリン脂肪酸エステルは他の界面活性剤に比べ乳化安定性が非常に高い上、食品添加物としても使用され、人体、環境への安全性の高いとされる汎用の界面活性剤である。ポリグリセリン脂肪酸エステルは通常、ポリグリセリン類と脂肪酸類の反応により製造され、親水基として機能するポリグリセリン部分と疎水基として機能する脂肪酸部分を有し、ポリグリセリンの重合度、結合する脂肪酸の鎖長および数により広い範囲のHLB値のエステルが得られる。一般的には、重合度6以上のポリグリセリン混合物と、炭素数が7〜22の脂肪酸混合物を反応させて生成するポリグリセリン脂肪酸エステルは種々の構造の混合物となる。すなわち、ポリグリセリンの複数の水酸基に対して脂肪酸が結合し、ポリグリセリンの末端の水酸基に脂肪酸が結合したモノエステルが主体であるがそれ以外にもジエステル、トリエステルなどの高次エステルが存在し、さらには脂肪酸の種類の異なるモノエステルや高次エステルあるいは複数の脂肪酸が結合したエステルが存在している。
また、市販品はエステルの混合物であっても主成分となるモノエステル、例えば、デカグリンモノステアレートなどの製品名で販売されることが一般的である。さらに、製品中には未反応のポリグリセリンが10〜40%程度残存している。高次エステルおよびポリグリセリンは良好な乳化状態の形成の妨げとなっており、これらを減少させる提案が行われている。
炭素数7〜22の脂肪酸とグリシドールを反応させた後、水を添加、加熱後、脱水し、未反応グリシドールを減少させ、残存ポリグリセリンを少なくする製造法(特許文献3)、平均重合度が3〜15のポリグリセリン組成物と脂肪酸のエステルにおいて炭素数が2以上の分枝状あるいは環状物を5%以下とする方法(特許文献4)、平均エステル化度20%のポリグリセリン脂肪酸エステルを水又は有機溶媒で2相分離させ、ポリグリセリンが少なく高HLBのエステルを得る方法(特許文献5)、ポリグリセリンと脂肪酸の反応条件、あるいは液液抽出、吸着分離等により、ポリグリセリンの含有率を20%以下とする製造法(特許文献6)、反応物をメチルエチルケトン、水で抽出し、ポリグリセリンを水相へ移行、除去する方法(特許文献7)、反応物を樹脂吸着し、ポリグリセリンを溶出した後、高純度エステルを溶離する方法(特許文献8)、アルカリ触媒で反応後、水性溶媒等でポリグリセリンを除去する方法(特許文献9)、HPLCでポリグリセリンを精製、低分子ポリグリセリンを除去した後、脂肪酸と反応する方法(特許文献10)、3〜10のポリグリセリン含量が35%以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する食品(特許文献11)、構成脂肪酸の70%以上がパルミチン酸かつ曇点が55℃以上であるポリグリセリン脂肪酸エステル及びイオン性乳化剤を含有する低アルコール飲料用乳化ないし可溶化剤(特許文献12)などの提案がなされている。
しかしながら、これら改良ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いて調製した乳化組成物およびこれを配合した飲料は経時的に、または高温下での保存、殺菌目的での加熱を行った場合に、香気、香味が損なわれる、乳化状態が壊れるなど依然改良の余地のあるものであった。
特開2003−55688号公報 特開昭61−260860号公報 特許第3436450号公報 特許第3466252号公報 特許第3546462号公報 特許第3344044号公報 特開平6−228052号公報 特許第3301150号公報 特許第3365422号公報 特許第3549598号公報 特許第3545126号公報 特開2005−143424号公報
本発明は酸性飲料中に配合しても長期間にわたって安定に分散状態を保つ乳化組成物の製造方法の提供を目的とする。
本発明の製造方法は、下記組成
(a)油性着香料、油性色素類、動植物油脂類、中鎖脂肪酸トシグリセライド類、脂溶性ビタミン類及び植物性天然樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の可食性油性材料、
(b)シュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート(SAIB)、
(c)エステル化度2.5未満の精製ポリグリセリン脂肪酸エステル、
(d)含水率50重量%以下の多価アルコール、
からなることを特徴とする酸性飲料配合用乳化組成物を提供する。
さらに本発明は、精製ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化度が2.5未満、好ましくは2.3未満、さらに好ましくは2未満である上記の乳化組成物を提供する。
本発明はさらに、精製ポリグリセリン脂肪酸エステルが、該脂肪酸エステル中に存在する未反応のポリグリセリンが5重量%未満、好ましくは1重量%未満である上記の乳化組成物を提供する。
さらに本発明の製造方法は、精製ポリグリセリン脂肪酸エステルが、下記aおよびb
a. 未精製ポリグリセリン脂肪酸エステルを極性有機溶媒またはその含水物に溶解後、非極性有機溶媒を添加混合し、高次エステルを非極性有機溶媒に移行させて分離する工程、b. 極性有機溶媒またはその含水物から溶媒を留去する工程、
の各工程を経て得られたものである上記の乳化組成物を提供する。
さらに本発明の製造方法は、精製ポリグリセリン脂肪酸エステルが、下記a〜d
a. 未精製ポリグリセリン脂肪酸エステルを極性有機溶媒またはその含水物に溶解後、非極性有機溶媒を添加混合し、高次エステルを非極性有機溶媒に移行させて分離する工程、b. 極性有機溶媒またはその含水物から溶媒を留去する工程、
c. 溶媒留去物を水および水非混和性有機溶媒に溶解し、未反応のポリグリセリンを水相に移行させて分離する工程、
d. 水非混和性有機溶媒から溶媒を留去する工程
の各工程を経て得られたものである上記の乳化組成物を提供する。
さらに本発明の製造方法は、精製ポリグリセリン脂肪酸エステルが、下記a〜d
a. 未精製ポリグリセリン脂肪酸エステルを水および水非混和性有機溶媒に溶解し、未反応のポリグリセリンを水相に移行さて分離する工程、
b. 水非混和性有機溶媒から溶媒を留せ去する工程、
c. 溶媒留去物を極性有機溶媒またはその含水物に溶解した後、非極性有機溶媒を添加混合し、高次エステルを非極性有機溶媒に移行させて分離する工程、
d. 極性有機溶媒またはその含水物から溶媒を留去する工程、
の各工程を経て得られる上記の乳化組成物を提供する。
さらに本発明は、含水率50重量%以下の多価アルコール(d)に、下記aおよびb
a. 未精製ポリグリセリン脂肪酸エステルを極性有機溶媒またはその含水物に溶解後、非極性有機溶媒を添加混合し、高次エステルを非極性有機溶媒に移行させて分離する工程、b. 極性有機溶媒またはその含水物から溶媒を留去する工程、
の各工程を経て得られたエステル化度2.5未満の精製ポリグリセリン脂肪酸エステル(c)を混合溶解した多価アルコール溶液と、油性着香料、油性色素類、動植物油脂類、中鎖脂肪酸トシグリセライド類、脂溶性ビタミン類及び植物性天然樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の可食性油性材料(a)とシュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート(SAIB)(b)との混合油とを混合し、乳化処理することを特徴とする酸性飲料配合用乳化組成物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、含水率50重量%以下の多価アルコール(d)に、下記a〜d
a. 未精製ポリグリセリン脂肪酸エステルを極性有機溶媒またはその含水物に溶解後、非極性有機溶媒を添加混合し、高次エステルを非極性有機溶媒に移行させて分離する工程、b. 極性有機溶媒またはその含水物から溶媒を留去する工程、
c. 溶媒留去物を水および水非混和性有機溶媒に溶解し、未反応のポリグリセリンを水相に移行させて分離する工程、
d. 水非混和性有機溶媒から溶媒を留去する工程
の各工程を経て得られたエステル化度2.5未満の精製ポリグリセリン脂肪酸エステル(c)を混合溶解した多価アルコール溶液と、油性着香料、油性色素類、動植物油脂類、中鎖脂肪酸トシグリセライド類、脂溶性ビタミン類及び植物性天然樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の可食性油性材料(a)とシュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート(SAIB)(b)との混合油とを混合し、乳化処理することを特徴とする酸性飲料配合用乳化組成物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、含水率50重量%以下の多価アルコール(d)に、下記a〜d
a. 未精製ポリグリセリン脂肪酸エステルを水および水非混和性有機溶媒に溶解し、未反応のポリグリセリンを水相に移行させて分離する工程、
b. 水非混和性有機溶媒から溶媒を留去する工程、
c. 溶媒留去物を極性有機溶媒またはその含水物に溶解した後、非極性有機溶媒を添加混合し、高次エステルを非極性有機溶媒に移行させて分離する工程、
d. 極性有機溶媒またはその含水物から溶媒を留去する工程、
の各工程を経て得られたエステル化度2.5未満の精製ポリグリセリン脂肪酸エステル(c)を混合溶解した多価アルコール溶液と、油性着香料、油性色素類、動植物油脂類、中鎖脂肪酸トシグリセライド類、脂溶性ビタミン類及び植物性天然樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の可食性油性材料(a)とシュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート(SAIB)(b)との混合油とを混合し、乳化処理することを特徴とする酸性飲料配合用乳化組成物の製造方法を提供する。
本発明によれば、酸性飲料中で経時的に沈澱、リング、浮遊部を生じることがない乳化組成物の製造方法が提供される。また本発明によれば、この乳化組成物が配合された酸性飲料を殺菌目的などで加熱しても濁りの変化、増大などはみられない乳化組成物の製造方法が提供される。
本発明で使用される可食性油性材料としては次のものが例示される。油性着香料としては、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどの柑橘類精油、花精油、ペパーミント油、スペアミント油、ジンジャー、ペッパー、オニオンなどのスパイス精油などの植物精油;コーラナッツエキストラクト、コーヒーエキストラクト、ワニラエキストラクト、ココアエキストラクト、紅茶エキストラクト、スパイス類エキストラクトなどの油性エキストラクト及びこららのオレオレジン類;合成香料化合物、油性調合香料組成物及びこれらの任意の混合物の如き油性の着香料;及びβ−カロチン、パブリカ色素、アナトー色素及びクロロフィルなどの油溶性天然色素類;肝油、ビタミンA、ビタミンA油、ビタミンB2、酪酸エステル、天然ビタミンE混合物などの脂溶性ビタミン類;大豆油、ナタネ油、コーン油、オリーブ油、ヤシ油、サフラワー油、ヒマワリ油、米油、牛脂、豚油、魚油などの動植物油脂類;ロジン、コーパル、ダンマル、エレミ、エステルガムなどの植物性樹脂類;炭素原子数6〜12の中鎖飽和脂肪酸トリグリセライドなどの加工食用油脂及びこれら可食性油性材料の任意の混合物が挙げられる。
本発明で使用されるシュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート(以下SAIBという)は、油性材料を含む乳化組成物を添加しようとする酸性飲料の比重に合わせるように比重調整するために使用される。
本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、精製ポリグリセリン脂肪酸エステルである。好ましくは精製ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化度が2.5未満、好ましくは2.3未満、さらに好ましくは2未満及び未反応ポリグリセリンを5重量%未満、好ましくは1重量%未満に精製したものである。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、デカグリセリンラウレート、デカグリセリンステアレート、デカグリセリンオレエート、デカグリセリンミリステートなどが挙げられる。このようなポリグリセリン脂肪酸エステルはグリセリンを縮重合して得られるポリグリセリンと種々の脂肪酸を反応して得られる。得られたポリグリセリン脂肪酸エステル中には重合度の異なるもの、及びポリグリセリンに結合する脂肪酸の結合数の異なるエステルが存在する。結合する脂肪酸が2以上のエステルを高次エステルと呼ぶが高次エステルが増えるとポリグリセリン脂肪酸エステルの親水性は低下し、これを用いて調製した乳化組成物の酸性飲料中での安定性は低下することが知られている。エステル化度はエステル中にいくつの脂肪酸が結合しているかを示す指標であり、この値が大きいほど高次エステルの割合が高いことを示している。
ポリグリセリン脂肪酸エステルには上記のエステルのほか未反応のポリグリセリン(以下未反応ポリオールとも云う)が混在している。未反応ポリオールはポリグリセリン脂肪酸エステルを合成する際に、ポリグリセリンと脂肪酸がエステル結合しなかった未反応のポリグリセリンであり、この成分は乳化機能に関与していない。高次エステルおよび未反応のポリグリセリンは酸性飲料中での乳化組成物の安定性に「負」に働く要因である。
これまで未反応のポリグリセリンを除去する技術、高次エステルを除去する技術、あるいは反応に使用する原料を精製する技術などが提案されているが、透明性及び酸、塩、加熱などに対する安定性が不十分であった。
本発明者らは、エステル化度が2.5未満、好ましくは2.3未満、さらに好ましくは2未満のポリグリセリン脂肪酸エステル、さらには未反応のポリグリセリンを5重量%未満、より好ましくは1重量%未満に精製したポリグリセリン脂肪酸エステルで調製した乳化組成物はそれ自身、酸、塩、加熱などに対し非常に安定であり、これを配合した酸性飲料は、長期間にわたって、その透明状態を保つとともに従来のポリグリセリン脂肪酸エステルで調製した乳化組成物に比べ、過酷な条件下(酸、塩、加熱など)での耐性が飛躍的に向上していることを見出し、本発明に到達した。
本発明において、高次エステル及び未反応ポリグリセリンの測定は次のようにして行った。
エステル化度は次のようにして算出する。
実測エステル化率(%)=(SV−AV)/[OHV1+(SV−AV)−(PGL×0.01×OHV2)]×100 (式1)
エステル化度=実測エステル化率(%)/ポリグリセリンモノエステル理論エステル化率(%) (式2)
AV=酸価、SV=ケン化価、OHV1=実測水酸基価、OHV2=ポリグリセリン水酸基価理論値、PGL=未反応の残存ポリグリセリン含有率
未反応の残存ポリグリセリンの測定法は下記条件の下でHPLCを実施し、蒸発光散乱検出器を用いて溶出するポリグリセリンを定量した。
HPLC条件
装置: 液体クロマトグラフィー8020(東ソー社製)
使用カラム: CAPCELL PAK G18MG、
4.6mmI.D.×150mm(資生堂社製)
検出器: 蒸発光散乱検出器(ELSD2000、Alltech社製)
溶離液: 水:メタノール=3:7
溶出速度: 1.0ml/min
注入量: 10μl
カラム温度: 50℃。
本発明で使用される多価アルコールとしては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、澱粉分解還元物、グルコース、蔗糖、マルトースなどの糖類およびこれらの二種以上の混合物が例示される。
本発明乳化組成物の好ましい製造法を次に説明する。可食性油性材料とSAIBを混合し、室温から180℃に温度上昇させて溶解し、均一混合油とする。この時、可食性油性材料とSAIBの混合割合は乳化後の組成物を添加しようとする酸性飲料の比重に合致するように配合すればよい。このようにして得られた油性材料混合物1重量部を、例えば水分含有量約0〜50重量%の多価アルコールに約0.5〜10重量%の精製ポリグリセリン脂肪酸エステルを混合溶解した多価アルコール溶液約2〜50重量部と混合し、ホモミキサー、コロイドミル、高圧ホモジナイザーで乳化処理することにより平均乳化粒子0.2〜1μm以下の極めて微細で安定性の優れた乳化液を得ることができる。この時使用するポリグリセリン脂肪酸エステルは精製処理を行ったものであり、未反応ポリオール及び高次エステルを所定量まで除去したものである。ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい精製方法を次に説明する。
未精製のポリグリセリン脂肪酸エステルをイソブタノールなどの水非混和性溶媒へ40℃で溶解させ、そこに飽和食塩水を加えて85℃で1時間攪拌し、同温度で静置した後、分離してきた水相を除去する。この操作を2回、さらに飽和食塩水を精製水に換えて同様の操作を1回行い、未反応ポリオールを水相へ抽出することで除去する。分離したイソブタノール相は無水硫酸ナトリウムで脱水した後に、溶媒を留去した。未反応ポリオール除去の確認は、薄層クロマトグラフィー(展開溶媒/アセトン:精製水=75:25(容量比)、検出/リンモリブデン酸10%メタノール溶液を噴霧し100℃で5分間加熱処理し相当スポットの有無を確認)で行った。
次に、得られた溶媒留去物を精製水-メタノールなどの極性溶媒(10:90、容量比)の混合溶媒に溶解させ、そこにn-ヘキサンを加え40℃で1時間攪拌し、20℃まで冷却後、同温度で静置し、分離してきたヘキサン相を除去する。得られた水-メタノール相にn-ヘキサンを加えて同様の操作をさらに3回行い、高次エステル化物をn-ヘキサン相へ抽出することで除去する。得られた水-メタノール相の溶媒を留去して精製ポリグリセリン脂肪酸エステルを得る。高次エステル化物除去の確認は、薄層クロマトグラフィーを用いて行った。(展開溶媒/クロロホルム:メタノール=95:5(容量比)、検出/リンモリブデン酸10%メタノール溶液を噴霧し、100℃で5分間加熱処理し高次エステル化物相当スポットの有無を確認)。
水非混和性溶媒としては、イソブタノールの他に、ブタノール、イソアミルアルコール、アミルアルコール、ヘキサノールなどの水不溶性飽和脂肪族アルコールが例示される。 本発明で使用される極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの溶媒およびこれら二種以上の混合物が例示される。
非極性溶媒としては、n-ヘキサンの他に、n−ペンタン、n−ヘプタン、n−オクタン等の常温で液体の飽和脂肪族炭化水素類、及びシクロヘキサン、シクロペンタン等の常温で液体の脂環式炭化水素類が例示される。
本発明は上記の如くして得られた乳化組成物を酸性飲料例えば果汁飲料、発酵乳飲料、発泡性清涼飲料などに例えば約0.02〜約2重量配合することによって、該飲料に長期間安定で好ましい香味、色調及び混濁を付与ないし増強することができる。以下実施例に基づいて、本発明の好ましい態様を説明する。
精製例1 デカグリンモノステアレートの精製工程<高次エステルの除去→未反応ポリオールの除去>
未精製のデカグリンモノステアレート(商品名:Decaglyn1-SVF/日光ケミカルズ→ 以下DSEと表記、エステル化度2.7、ポリオール残存率39.4%:未精製品1)80gを720mlのメタノールに溶解する。溶解後にn-ヘキサン800mlを添加して40〜45℃で1時間攪拌する。その後、精製水80mlを加え、攪拌しながら20〜25℃程度まで冷却し静置する。直ちに液は2層に分離し、上層のn-ヘキサンは除去し、下層と同量のn-ヘキサンを新たに加えて同様の工程を再度行う。薄層クロマトグラフィーで高次エステルの除去を確認し(展開溶媒/クロロホルム:メタノール=95:5(容量比)、検出/リンモリブデン酸5%メタノール溶液を噴霧し、100℃で5分間加熱処理し高次エステル化物相当スポットの有無を確認)、結果により精製3回目を実施する。高次エステルの除去が確認できたら、エバポレーターで70℃、3hrの濃縮を行い、61.0g(エステル化度1.7、ポリオール残存率51.6%)の精製DSEを回収した(精製品1)。この半量30.5gを取り、さらにポリグリセリンを除去するためにイソブタノール250mlに60℃で溶解する。溶解したDSE-イソブタノール相に予め50℃に温めておいた25%(W/V)食塩水500mlを添加し80℃で1時間攪拌する。80℃で静置し、上下ともに均一透明になったら下層を除去する。さらに、同様の工程を10%食塩水でも行い、静置後に下層を除去する。その後、約50℃の精製水を添加後、80℃で30分攪拌した後に80℃で静置し、上下ともに均一透明になったら下層を除去する。こうして得られた上層は未反応ポリオールの除去がされていることを、薄層クロマトグラフィーを用いて確認する(展開溶媒/アセトン:精製水=75:25(容量比)、検出/リンモリブデン酸5%メタノール溶液を噴霧し100℃で5分間加熱処理し相当スポットの有無を確認)。 除去が確認できたら、エバポレーターで70℃、3hrの濃縮を行い14.8g(エステル化度1.7、ポリオール残存率0.1%)の精製DSEを回収した(精製品2)。
精製例2 デカグリンモノステアレートの精製工程<未反応ポリオールの除去→高次エステルの除去>
未精製のデカグリンモノステアレート(商品名:Decaglyn1-SVF/日光ケミカルズ→ 以下DSEと表記、エステル化度2.7、ポリオール残存率39.4%)80gをイソブタノール500mlに60℃で溶解する。溶解したDSE-イソブタノール相に予め50℃に温めておいた25%(W/V)食塩水1000mlを添加し80℃で1時間攪拌する。80℃で静置し、上下ともに均一透明になったら下層を除去する。さらに、同様の工程を10%食塩水でも行い、静置後に下層を除去する。その後、約50℃の精製水を添加後、80℃で30分攪拌した後に80℃で静置し、上下ともに均一透明になったら下層を除去する。こうして得られた上層は未反応ポリオールの除去がされていることを、薄層クロマトグラフィーを用いて確認する(展開溶媒/アセトン:精製水=75:25(容量比)、検出/リンモリブデン酸5%メタノール溶液を噴霧し100℃で5分間加熱処理し相当スポットの有無を確認)。除去が確認できたら、エバポレーターで70℃、3hrの濃縮を行い48.5g(エステル化度2.5ポリオール残存率0.1%)の精製DSEを回収した(処理品1)。
このうち、24.2gを取り、さらに高次エステルを除去するために900mlのメタノールに溶解する。溶解後にn−ヘキサン1000mlを添加して40〜45℃で1時間攪拌する。その後、精製水90mlを加え、攪拌しながら20〜25℃程度まで冷却し静置する。直ちに液は2層に分離し、上層のn-ヘキサンは除去し、下層と同量のn-ヘキサンを新たに加えて同様の工程を再度行う。薄層クロマトグラフィーで高次エステルの除去を確認し(展開溶媒/クロロホルム:メタノール=95:5(容量比)、検出/リンモリブデン酸5%メタノール溶液を噴霧し、100℃で5分間加熱処理し高次エステル化物相当スポットの有無を確認)、結果により精製3回目を実施する。高次エステルの除去が確認できたら、エバポレーターで70℃、3hrの濃縮を行い、14.7g(エステル化度1.7、ポリオール残存率0.1%)の精製DSEを回収した(精製品3)。
精製例3 デカグリンモノオレエートの精製工程<高次エステルの除去→未反応ポリオールの除去>
未精製のデカグリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OLV/日光ケミカルズ→ 以下DOEと表記、エステル化度2.5、ポリオール残存率39.9%:未精製品2)80gを720mlのメタノールに溶解する。溶解後にn-ヘキサン800mlを添加して40〜45℃で1時間攪拌する。その後、精製水80mlを加え、攪拌しながら20〜25℃程度まで冷却し静置する。直ちに液は2層に分離し、上層のn-ヘキサンは除去し、下層と同量のn-ヘキサンを新たに加えて同様の工程を再度行う。薄層クロマトグラフィーで高次エステルの除去を確認し(展開溶媒/クロロホルム:メタノール=95:5(容量比)、検出/リンモリブデン酸5%メタノール溶液を噴霧し、100℃で5分間加熱処理し高次エステル化物相当スポットの有無を確認)、結果により精製3回目を実施する。高次エステルの除去が確認できたら、エバポレーターで70℃、3hrの濃縮を行い、60.9g(エステル化度1.8、ポリオール残存率52.4%)の精製DOEを回収した(精製品4)。
この半量30.5gを取り、さらにポリグリセリンを除去するためにイソブタノール250mlに60℃で溶解する。溶解したDOE-イソブタノール相に予め50℃に温めておいた25%(W/V)食塩水500mlを添加し80℃で1時間攪拌する。80℃で静置し、上下ともに均一透明になったら下層を除去する。さらに、同様の工程を10%食塩水でも行い、静置後に下層を除去する。その後、約50℃の精製水を添加後、80℃で30分攪拌した後に80℃で静置し、上下ともに均一透明になったら下層を除去する。こうして得られた上層は未反応ポリオールの除去がされていることを、薄層クロマトグラフィーを用いて確認する(展開溶媒/アセトン:精製水=75:25(容量比)、検出/リンモリブデン酸5%メタノール溶液を噴霧し100℃で5分間加熱処理し相当スポットの有無を確認)。除去が確認できたら、エバポレーターで70℃、3hrの濃縮を行い14.5g(エステル化度1.8、ポリオール残存率0.1%)の精製DOEを回収した(精製品5)。
精製例4 デカグリンモノオレエートの精製工程<未反応ポリオールの除去→高次エステルの除去>
未精製のデカグリンモノオレエート(商品名:Decaglyn1-OLV/日光ケミカルズ→ 以下DOEと表記、エステル化度2.5、ポリオール残存率39.9%)80gをイソブタノール500mlに60℃で溶解する。溶解したDSE-イソブタノール相に予め50℃に温めておいた25%(W/V)食塩水1000mlを添加し80℃で1時間攪拌する。80℃で静置し、上下ともに均一透明になったら下層を除去する。さらに、同様の工程を10%食塩水でも行い、静置後に下層を除去する。その後、約50℃の精製水を添加後、80℃で30分攪拌した後に80℃で静置し、上下ともに均一透明になったら下層を除去する。こうして得られた上層は未反応ポリオールの除去がされていることを、薄層クロマトグラフィーを用いて確認する(展開溶媒/アセトン:精製水=75:25(容量比)、検出/リンモリブデン酸5%メタノール溶液を噴霧し100℃で5分間加熱処理し相当スポットの有無を確認)。除去が確認できたら、エバポレーターで70℃、3hrの濃縮を行い48.1g(エステル化度2.5ポリオール残存率0.1%)の精製DOEを回収した(処理品2)。
このうち、24.0gを取り、さらに高次エステルを除去するために900mlのメタノールに溶解する。溶解後にn−ヘキサン1000mlを添加して40〜45℃で1時間攪拌する。その後、精製水90mlを加え、攪拌しながら20〜25℃程度まで冷却し静置する。直ちに液は2層に分離し、上層のn-ヘキサンは除去し、下層と同量のn-ヘキサンを新たに加えて同様の工程を再度行う。薄層クロマトグラフィーで高次エステルの除去を確認し(展開溶媒/クロロホルム:メタノール=95:5(容量比)、検出/リンモリブデン酸5%メタノール溶液を噴霧し、100℃で5分間加熱処理し高次エステル化物相当スポットの有無を確認)、結果により精製3回目を実施する。高次エステルの除去が確認できたら、エバポレーターで70℃、3hrの濃縮を行い、14.4g(エステル化度1.8、ポリオール残存率0.1%)の精製DOEを回収した(精製品6)。
以下に未精製品、精製品1〜6および処理品1〜2の収量、エステル価度、残存ポリオール%を示す。
(表1) 未精製品、処理品および精製品の収量、エステル化度、残存ポリオール
Figure 0004512022
乳化物の調製
製造例1
レモン精油2g、SAIB9g,MCT(中鎖脂肪酸グリセリンエステル)9gを混合溶解し、他方グリセリン70g、イオン交換水13gにデカグリセリンモノステアレート精製品1を4.5g溶解し、両液をTK−ホモゲナイザー(特殊機化工業社製)により、8000rpmで撹拌混合し、10分間の乳化を行った。イオン交換水で2000倍希釈時の波長680nmにおける吸光度が0.2AbsとなるようなO/W型エマルジョンとした(本発明品1)。
製造例2
レモン精油2g、SAIB9g,MCT9gを混合溶解し、他方グリセリン71.8g、イオン交換水13gにデカグリセリンモノステアレート精製品2を2.2g溶解し、両液をTK−ホモゲナイザーにより、8000rpmで撹拌混合し、10分間の乳化を行った。イオン交換水で2000倍希釈時の波長680nmにおける吸光度が0.2AbsとなるようなO/W型エマルジョンとした(本発明品2)。
製造例3
レモン精油2g、SAIB9g,MCT9gを混合溶解し、他方グリセリン71.8g、イオン交換水13gにデカグリセリンモノステアレート精製品3を2.2g溶解し、両液をTK−ホモゲナイザーにより、8000rpmで撹拌混合し、10分間の乳化を行った。イオン交換水で2000倍希釈時の波長680nmにおける吸光度が0.2AbsとなるようなO/W型エマルジョンとした(本発明品3)。
製造比較例1
レモン精油2g、SAIB9g,MCT9gを混合溶解し、他方グリセリン68g、イオン交換水13gにデカグリセリンモノステアレート未精製品1を6g溶解し、両液をTK−ホモゲナイザーにより、8000rpmで撹拌混合し、10分間の乳化を行った。イオン交換水で2000倍希釈時の波長680nmにおける吸光度が0.2AbsとなるようなO/W型エマルジョンとした(比較品1)。
製造比較例2
レモン精油2g、SAIB9g,MCT9gを混合溶解し、他方グリセリン68g、イオン交換水13gにデカグリセリンモノステアレート処理品1を6g溶解し、両液をTK−ホモゲナイザーにより、8000rpmで撹拌混合し、10分間の乳化を行った。イオン交換水で2000倍希釈時の波長680nmにおける吸光度が0.2AbsとなるようなO/W型エマルジョンとした(比較品2)。
製造比較例3
レモン精油2g、SAIB9g,MCT9gを混合溶解し、他方グリセリン70.4g、イオン交換水13gにデカグリセリンモノステアレート処理品1を3.6g溶解し、両液をTK−ホモゲナイザーにより、8000rpmで撹拌混合し、10分間の乳化を行った。イオン交換水で2000倍希釈時の波長680nmにおける吸光度が0.2AbsとなるようなO/W型エマルジョンとした(比較品3)。
製造例4
レモン精油2g、SAIB9g,MCT9gを混合溶解し、他方グリセリン70g、イオン交換水13gにデカグリセリンモノオレエート精製品4を4.5g溶解し、両液をTK−ホモゲナイザーにより、8000rpmで撹拌混合し、10分間の乳化を行った。イオン交換水で2000倍希釈時の波長680nmにおける吸光度が0.2AbsとなるようなO/W型エマルジョンとした(本発明品4)。
製造例5
レモン精油2g、SAIB9g,MCT9gを混合溶解し、他方グリセリン71.8g、イオン交換水13gにデカグリセリンモノオレエート精製品5を2.2g溶解し、両液をTK−ホモゲナイザーにより、8000rpmで撹拌混合し、10分間の乳化を行った。イオン交換水で2000倍希釈時の波長680nmにおける吸光度が0.2AbsとなるようなO/W型エマルジョンとした(本発明品5)。
製造例6
レモン精油2g、SAIB9g,MCT9gを混合溶解し、他方グリセリン71.8g、イオン交換水13gにデカグリセリンモノオレエート精製品6を2.2g溶解し、両液をTK−ホモゲナイザーにより、8000rpmで撹拌混合し、10分間の乳化を行った。イオン交換水で2000倍希釈時の波長680nmにおける吸光度が0.2AbsとなるようなO/W型エマルジョンとした(本発明品6)。
製造比較例4
レモン精油2g、SAIB9g,MCT9gを混合溶解し、他方グリセリン68g、イオン交換水13gにデカグリセリンモノオレエート未精製品2を6g溶解し、両液をTK−ホモゲナイザーにより、8000rpmで撹拌混合し、10分間の乳化を行った。イオン交換水で2000倍希釈時の波長680nmにおける吸光度が0.2AbsとなるようなO/W型エマルジョンとした(比較品4)。
製造比較例5
レモン精油2g、SAIB9g,MCT9gを混合溶解し、他方グリセリン68g、イオン交換水13gにデカグリセリンモノオレエート処理品2を6g溶解し、両液をTK−ホモゲナイザーにより、8000rpmで撹拌混合し、10分間の乳化を行った。イオン交換水で2000倍希釈時の波長680nmにおける吸光度が0.2AbsとなるようなO/W型エマルジョンとした(比較品5)。
製造比較例6
レモン精油2g、SAIB9g,MCT9gを混合溶解し、他方グリセリン70.4g、イオン交換水13gにデカグリセリンモノオレエート処理品2を3.6g溶解し、両液をTK−ホモゲナイザーにより、8000rpmで撹拌混合し、10分間の乳化を行った。イオン交換水で2000倍希釈時の波長680nmにおける吸光度が0.2AbsとなるようなO/W型エマルジョンとした(比較品6)。
製造比較例7
レモン精油2g、SAIB9g,MCT9gを混合溶解し、35%アラビアガム水溶液57gと混合の上、TK−ホモゲナイザーで8000rpmで撹拌混合し、10分間の予備乳化を行った後にグリセリン30gを加えて、さらに8000rpm、5分間の乳化を行った。この液を高圧ホモゲナイザーで40MPaの処理を3回行うことにより、平均粒子0.5〜1.0ミクロンの乳化組成物が得られた。イオン交換水で2000倍希釈時の波長680nmにおける吸光度が0.15〜0.20AbsとなるようなO/W型エマルジョンとした(比較品7)。
実施例
グラニュー糖80g、クエン酸1.5g、クエン酸ナトリウム0.2g、ビタミンC0.2gをイオン交換水で1000mlとし、このシロップ200mlに本発明品1〜6、比較品1〜7を各々1g添加し、透明ガラス瓶に充填後打栓し、85℃にて15分間殺菌後冷却して飲料を得た。これを冷蔵、室温で6ヶ月間静置し、沈澱、ネックリングの発生の有無を3ヶ月、6ヶ月の時点で観察した。結果を表2に示す。
(表2) 本発明品1〜6および比較品1〜7を添加した飲料の外観変化
Figure 0004512022
(注)表中の各記号は次の意味を表す。
0…沈澱、ネックリングの発生は見られない
Pは沈澱、Rはネックリングを意味し、その程度は以下の基準に照らし1〜3の数字で表す。
1 僅かに確認できる
2 はっきりと確認できる
3 著しく発生しており、問題がある。
表2が示すように、ポリグリセリンモノステアレートの精製品を使用した本発明品1〜3は未精製品を使用した比較品1よりも乳化剤量が少ないが6ヶ月という長期保存でも飲料中で沈殿等の問題は生じることがなかった。一方、未精製品を使用した比較品1およびポリグリセリンを除去しただけの比較品3は3ヶ月では大きな変化はなかったが6ヶ月後にはリング、沈殿の発生が見られた。未精製品と同量の処理品を添加した比較品2は3ヶ月ですでに瓶口にリングの生成が見られ、6ヶ月ではリング、沈殿が観察された。以上の事実により、乳化剤(ポリグリセリン脂肪酸エステル)を精製し、O/Wエマルジョンの調製にマイナスに働く高次エステルを除去することにより、飲料添加時の乳化安定性が改善された。一方、乳化機能に無関係な未反応ポリオールを除去しただけでは乳化安定性は改善されなかった。
また、デカグリセリンモノオレエートの精製品を使用した本発明品4〜6では、未反応ポリオール残量の多い本発明品4の場合に6ケ月後にネックリングが僅かに確認できたのみで、その他の本発明品は飲料中で沈殿、ネックリングが発生することはなかった。未精製品2、処理品2を使用した比較品4〜6では、3ケ月後にはネックリングの発生が認められ、6ケ月後にはネックリング、沈殿の発生がはっきりと確認された。

Claims (3)

  1. 含水率50重量%以下の多価アルコール(d)に、下記aおよびb
    a. 未精製ポリグリセリン脂肪酸エステルを極性有機溶媒またはその含水物に溶解後、非極性有機溶媒を添加混合し、高次エステルを非極性有機溶媒に移行させて分離する工程、b. 極性有機溶媒またはその含水物から溶媒を留去する工程、
    の各工程を経て得られたエステル化度2.5未満の精製ポリグリセリン脂肪酸エステル(c)を混合溶解した多価アルコール溶液と、油性着香料、油性色素類、動植物油脂類、中鎖脂肪酸トシグリセライド類、脂溶性ビタミン類及び植物性天然樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の可食性油性材料(a)とシュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート(SAIB)(b)との混合油とを混合し、乳化処理することを特徴とする酸性飲料配合用乳化組成物の製造方法。
  2. 含水率50重量%以下の多価アルコール(d)に、下記a〜d
    a. 未精製ポリグリセリン脂肪酸エステルを極性有機溶媒またはその含水物に溶解後、非極性有機溶媒を添加混合し、高次エステルを非極性有機溶媒に移行させて分離する工程、b. 極性有機溶媒またはその含水物から溶媒を留去する工程、
    c. 溶媒留去物を水および水非混和性有機溶媒に溶解し、未反応のポリグリセリンを水相に移行させて分離する工程、
    d. 水非混和性有機溶媒から溶媒を留去する工程
    の各工程を経て得られたエステル化度2.5未満の精製ポリグリセリン脂肪酸エステル(c)を混合溶解した多価アルコール溶液と、油性着香料、油性色素類、動植物油脂類、中鎖脂肪酸トシグリセライド類、脂溶性ビタミン類及び植物性天然樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の可食性油性材料(a)とシュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート(SAIB)(b)との混合油とを混合し、乳化処理することを特徴とする酸性飲料配合用乳化組成物の製造方法。
  3. 含水率50重量%以下の多価アルコール(d)に、下記a〜d
    a. 未精製ポリグリセリン脂肪酸エステルを水および水非混和性有機溶媒に溶解し、未反応のポリグリセリンを水相に移行させて分離する工程、
    b. 水非混和性有機溶媒から溶媒を留去する工程、
    c. 溶媒留去物を極性有機溶媒またはその含水物に溶解した後、非極性有機溶媒を添加混合し、高次エステルを非極性有機溶媒に移行させて分離する工程、
    d. 極性有機溶媒またはその含水物から溶媒を留去する工程、
    の各工程を経て得られたエステル化度2.5未満の精製ポリグリセリン脂肪酸エステル(c)を混合溶解した多価アルコール溶液と、油性着香料、油性色素類、動植物油脂類、中鎖脂肪酸トシグリセライド類、脂溶性ビタミン類及び植物性天然樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の可食性油性材料(a)とシュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート(SAIB)(b)との混合油とを混合し、乳化処理することを特徴とする酸性飲料配合用乳化組成物の製造方法。
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