JP4510957B2 - セフェム化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、式(3)で表される3−アルケニルセフェム化合物又は3−ノルセフェム化合物を製造する方法に関する。
式(3)で表される3−アルケニルセフェム化合物又は3−ノルセフェム化合物は、非天然型抗生物質の基本骨格を有し、一般に広く用いられている経口用抗生剤セフィキシムやセフチブテン(最新抗生剤要覧第9版、酒井克治著、第83頁及び第85頁、1994)等の広範囲な抗菌スペクトルを有する有用な抗菌剤の重要な合成中間体である。
【0002】
【従来の技術】
3−アルケニルセフェム化合物の製造法としては、3−ハロゲン化メチルセフェムにビッティッヒ反応を行う方法(例えば特開昭61−263990号公報等)、3−スルホニルオキシセフェム化合物に金属触媒を利用してビニル基を導入する方法[テトラヘドロンレターズ,29,6043(1988)、31,3389(1990)、32,4073(1991)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,55,5833(1990)]、アレニルβ−ラクタム化合物若しくはハロゲン化β−ラクタム化合物を出発原料に用いる用いる方法[テトラヘドロンレターズ,33,7029(1992)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,59,4956(1994)、シンレット,774(1999)]等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最初のビッティッヒ反応に関しては、その反応機構上必ず等モルのトリアルキル又はトリアリールホスフィンオキシドが生成するため、非常に大量の燐廃棄物の処理を余儀なくされている。また、3−スルホニルオキシセフェム化合物に金属触媒を利用してビニル基を導入する方法では、その出発原料の合成の際、高価で水に敏感な試薬を用いなければならないのみならず、アルケニル化のための試薬に有害なアルケニル錫化合物やビニルキュープラート化合物を用いなければならず、工業化の大きなデメリットとなっている。
【0004】
アレニルβ−ラクタム化合物を出発原料に用いる方法では、出発原料であるアレニルβ−ラクタム化合物が不安定なばかりか、反応試薬に塩化銅/ビニルトリブチル錫やビニルトリブチル錫から調製されたビニルキュープラートを用いており、工業化の実現は難しい。
ハロゲン化β−ラクタム化合物を出発原料に用いる方法では、その出発原料の調製に多段階の反応工程を要する等の問題がある上、反応に使用するアルケニル化試薬に有機錫化合物を用いなければならず、今一歩現実味のある方法とは言い難い。
上記従来技術は、3−ビニルセフェム化合物の製造のみならず、3−アルケニルセフェム化合物の製造にも適用されているが、本質的な問題は未だ解決されていない。
【0005】
一方、3−ノルセフェム化合物の合成法としては、例えば3−ハロセフェム化合物又は3−スルホニルオキシセフェム化合物を出発原料とし、亜鉛を作用させる方法が報告されている[特開昭52−59186号公報及び Recent Advances in the Chemistry of β−Lactam Antibiotics,170(1977)及び Pure & Appl. Chem.,59,1041(1987)]。しかし、この方法では多量の酢酸、ギ酸又はトリフルオロ酢酸を用いなければならず、実用化は難しい。
【0006】
3−ヒドロキシセフェム化合物を出発原料とし、一旦接触水素添加を行い、3−ヒドロキシセファム化合物を得た後、ハロギ酸エステル/塩基を用いて1,2−脱離を行い、3−ノルセフェム化合物とする方法が報告されているが[特開昭58−213785号、58−34714号公報、又はPure & Appl. Chem.,59,1041(1987)]、本法では接触水素添加、1,2−脱離の2工程を経て合成する必要があり、実用的な方法とは言えない。
【0007】
また、3−ホルミルセフェムを出発原料とする方法やビッティッヒ反応を用いる方法が報告されている(Chemistry and Biology of β−Lactam Antibiotics Penicilins and Cephalosporins,Vol.1,170)が、双方とも出発物質の入手が非常に困難な化合物であるばかりか、前者では高価なロジウム錯体を用いなければならず、また後者ではビッティッヒ反応を利用するために大量の燐廃棄物が副生するという問題点を抱えている。
【0008】
本発明の課題は、式(1)で表される3−セフェム化合物を出発物質とし、3−アルケニルセフェム化合物又は3−ノルセフェム化合物の工業的に実施可能な製造方法を提供することにある。
更に詳しくは、3−セフェム化合物に式(2)で表されるアルケニルハライド、ニッケル触媒、標準酸化還元電位が−0.3(V/SCE)以下の金属、及び前記金属よりも高い標準酸化還元電位を有する金属の化合物を作用させることで3−アルケニルセフェム化合物又は3−ノルセフェム化合物を容易に製造できる方法であって、3−アルケニルセフェム化合物又は3−ノルセフェム化合物を製造時に用いる溶媒を変更するだけでどちらか一方を選択的に製造できる新規な技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、式(1)で表される3−セフェム化合物を出発物質とし、3−アルケニルセフェム化合物又は3−ノルセフェム化合物の選択的な製造方法に係る。
【0010】
本発明は、式(1)で表される3−セフェム化合物に溶媒中で式(2)で表されるアルケニルハライド、ニッケル触媒、標準酸化還元電位が−0.3(V/SCE)以下の金属、及び前記金属よりも高い標準酸化還元電位を有する金属の化合物を作用させることを特徴とする式(3)で表される3−アルケニルセフェム化合物又は3−ノルセフェム化合物の製造方法に係る。
【0011】
【化6】
Figure 0004510957
【0012】
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、又は保護されたアミノ基を示す。Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、低級アシル基、水酸基、又は保護された水酸基、水酸基若しくは保護された水酸基を置換基として有することのある低級アルキル基を示す。Rは水素原子又はカルボン酸保護基を示す。Xはハロゲン原子、置換基を有することのある低級アルキルスルホニルオキシ基又は置換基を有することのあるアリールスルホニルオキシ基を示す。)
【0013】
【化7】
Figure 0004510957
(式中、Rは置換基を有することのある1−アルケニル基を示す。Yはハロゲン原子を示す。)
【0014】
【化8】
Figure 0004510957
(式中、R、R及びRは前記と同じ。Rは水素原子又は置換基を有することのある1−アルケニル基を示す。)
【0015】
本発明によれば、安定性が高く、入手しやすい式(1)で表される3−セフェム化合物を用い、人体に対して比較的安全で且つ汎用性の高いアルケニル化試薬を作用させることにより、3−アルケニルセフェム化合物を高純度、高収率で選択的に製造することができる。また、反応条件を変更することによって、3−ノルセフェム化合物を高純度、高収率で選択的に製造することができる。即ち、2種類の非天然型セフェム骨格を容易に作り分けることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明において示される各基は、具体的には以下の通りである。尚、本明細書において特に断らない限りは、ハロゲン原子とは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、低級アルキル基とは、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec?ブチル基、tert−ブチル基等の直鎖又は分枝状の炭素数1〜4のアルキル基を意味する。
又、アリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基等を意味する。
【0017】
1で示される保護されたアミノ基としては、Protective Groups in Organic Synthesis, Theodora W.Greene著、1981年、(以下単に「文献」という)の第7章(第218〜287頁)に記載されている各種の基の他、フェノキシアセトアミド、p−メチルフェノキシアセトアミド、p−メトキシフェノキシアセトアミド、p−クロロフェノキシアセトアミド、p−ブロモフェノキシアセトアミド、フェニルアセトアミド、p−メチルフェニルアセトアミド、p−メトキシフェニルアセトアミド、p−クロロフェニルアセトアミド、p−ブロモフェニルアセトアミド、フェニルモノクロロアセトアミド、フェニルジクロロアセトアミド、フェニルヒドロキシアセトアミド、チエニルアセトアミド、フェニルアセトキシアセトアミド、α−オキソフェニルアセトアミド、ベンズアミド、p−メチルベンズアミド、p−メトキシベンズアミド、p−クロロベンズアミド、p−ブロモベンズアミド、フェニルグリシルアミドやアミノ基の保護されたフェニルグリシルアミド、p−ヒドロキシフェニルグリシルアミドやアミノ基及び水酸基の一方又は両方が保護されたp−ヒドロキシフェニルグリシルアミド等のアミド類、フタルイミド、ニトロフタルイミド等のイミド類を例示できる。フェニルグリシルアミド及びp−ヒドロキシフェニルグリシルアミドのアミノ基の保護基としては、上記文献の第7章(第218〜287頁)に記載されている各種基を例示できる。また、p−ヒドロキシフェニルグリシルアミドの水酸基の保護基としては、上記文献の第2章(第10〜72頁)に記載されている各種基を例示できる。
【0018】
2で示される低級アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどの直鎖又は分枝状の炭素数1〜4のアルコキシ基を例示できる。
2で示される低級アシル基としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリルなどの直鎖又は分枝状の炭素数1〜4のアシル基を例示できる。
【0019】
で示される水酸基又は保護された水酸基を置換基として有する低級アルキル基の保護された水酸基、およびRで示される保護された水酸基の保護基としては、上記文献の第2章(第10〜72頁)に記載されている基を例示できる。Rで示される上記置換低級アルキル基は、水酸基又は上記で示される保護された水酸基の中から選ばれる同一又は異なる種類の置換基で、同一又は異なる炭素上に1つ以上置換されていてもよい。
【0020】
で示されるカルボン酸の保護基としては、上記文献の第5章(第152〜192頁)に示されている各種基の他、アリル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−ニトロベンジル基、ジフェニルメチル基、トリクロロメチル基、トリクロロエチル基、tert−ブチル基等を例示できる。
【0021】
及びRにおける置換基を有することのある1−アルケニル基の置換基の種類としては、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アリール基、低級アルキル基、アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、メルカプト基、基RS−( Rは低級アルキル基又はアリール基)で表されるアルキルチオ基又はアリールチオ基、ホルミルオキシ基、基RCOO−(Rは前記に同じ)で表されるアシルオキシ基、ホルミル基、基RCO−(Rは前記に同じ)で表されるアシル基、基RO−(Rは前記に同じ)で表されるアルコキシ基又はアリールオキシ基、カルボキシル基、基ROCO−(Rは前記に同じ)で表されるアルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基などが例示でき、R及びRにおける1−アルケニル基は、上記置換基から選ばれる同一又は異なる種類の置換基で、同一又は異なる炭素上に1つ以上置換されていてもよい。
【0022】
Xにおける置換基を有することのある低級アルキルスルホニルオキシ基としては、例えばメタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トリクロロメタンスルホニルオキシ基等を例示できる。置換基を有することのあるアリールスルホニルオキシ基としては、ベンゼンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基等を例示できる。
【0023】
本発明において、出発原料として用いられる式(1)で表される3−セフェム化合物は、Xの種類により例えば以下の文献記載の方法に従って製造される。
即ち、Xがハロゲン原子の場合、3−ヒドロキシセフェム化合物(I)を出発原料とし、ジメチルホルムアミド中、反応性クロロ化合物(三塩化リン、オキシ塩化リン等)を反応させる方法により製造することができる(特開昭49−116095号公報)。
【0024】
【化9】
Figure 0004510957
(式中R、R及びRは前記に同じ。)
【0025】
Xが置換基を有しても良い低級アルキルスルホニルオキシ基又は置換基を有しても良いアリールスルホニルオキシ基の場合、式(I)の3−ヒドロキシセフェム化合物を置換基を有していてもよい低級アルキルスルホン酸無水物叉は置換基を有していてもよいアリールスルホン酸無水物と反応させることにより製造することができる[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,54,4962(1989)]。
【0026】
本発明では、上記方法で合成される式(1)で表される3−セフェム化合物に、有機溶媒中で式(2)で表されるアルケニルハライド、ニッケル触媒、標準酸化還元電位が−0.3(V/SCE)以下の金属、及び前記金属よりも高い標準酸化還元電位を有する金属の化合物を作用させることで、式(3)で表される3−アルケニルセフェム化合物[下記、式(3a)]を容易に製造できる。
また、同条件下で溶媒を含水有機溶媒に変更することで、3−ノルセフェム化合物[下記、式(3b)]を得ることもできる。
【0027】
【化10】
Figure 0004510957
(式中、R、R、R及びRは前記に同じ。)
【0028】
溶媒として含水溶媒を用いた場合に、式(3b)の3−ノルセフェム化合物が得られるのは還元により生じた化合物(1)の3位のアニオンが化合物(2)とカップリング反応を行う前に水素イオンの付加が起こるためと考えられる。
【0029】
本発明において用いられる式(2)で表される1−アルケニルハライド化合物としては、具体的には沃化ビニル、塩化ビニル、臭化ビニル、1−cis−臭化プロペニル、1−臭化ブテニル、2−メチル−1−臭化プロペニル、1−メチル−1−臭化プロペニル、1,2−ジメチル−1−臭化プロペニル、3−フェニル−1−臭化プロペニル等が挙げられ、式(1)の化合物に対して通常1〜10倍モル、好ましくは1〜4倍モル量使用するのがよい。
【0030】
ニッケル触媒としては、例えば、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、沃化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、過塩素酸ニッケル、酢酸ニッケル等の脂肪酸ニッケル、テトラクロロニッケル(II)酸テトラエチルアンモニウム、テトラブロモニッケル(II)酸テトラエチルアンモニウム、塩化ヘキサアンミンニッケル(II)、臭化ヘキサアンミンニッケル(II)、ジニトロテトラアンミンニッケル(II)、塩化トリス(エチレンジアミン)ニッケル(II)、硫酸トリス(エチレンジアミン)ニッケル(II)、ジニトロビス(エチレンジアミン)ニッケル(II)、過塩素酸ビス(N,N−ジメチルエチレンジアミン)ニッケル(II)ジクロロ(ビピリジル)ニッケル(II)、ジブロモ(ビピリジル)ニッケル(II)クロロ(シクロペンタジエニル)(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、ジクロロ(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、ジブロモ(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)等のニッケル(II)錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、トリス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、ニッケル(0)アセチルアセトナト、ニッケル(0)ヘキサフルオロアセチルアセトナト等のニッケル(0)錯体等)等が例示できる。これらの金属化合物は、一種類あるいは二種類以上混合して用いてもよい。
使用量は、式(1)の化合物に対して通常0.01〜10倍モル、好ましくは0.1〜1倍モル量とするのがよい。
【0031】
標準酸化還元電位が−0.3(V/SCE)以下の金属としてはマグネシウム、アルミニウム、マンガン、亜鉛、鉄、錫、鉛等が例示できるが、アルミニウムが好ましい。これらの形状としては特に制限はなく、粉状、板状、箔状、塊状、針状等の広範囲の形態を適宜使用できるが、より好ましくは粉状金属又は箔状金属を使用するのがよい。粉状金属の粒子径は、広範囲で適宜決定できるが、10〜300メッシュ程度のものを使用するのが好ましい。これらの金属の使用量としては、式(1)の化合物に対して通常1〜50倍モル、好ましくは1〜10倍モル量使用するのがよい。
【0032】
使用量が式(1)の化合物に対して等モルよりも少ない場合、未反応の式(1)の化合物が残存するため、収率、純度の低下が起こり好ましくない。
【0033】
前記金属よりも高い標準酸化還元電位を有する金属の化合物としては、鉛化合物(例えばフッ化鉛、塩化鉛、臭化鉛、沃化鉛、硝酸鉛、硫酸鉛、過塩素酸鉛、ほう酸鉛、炭酸鉛、燐酸鉛、等の無機塩鉛、酢酸鉛、シュウ酸鉛、ステアリン酸鉛等の脂肪酸鉛、酸化鉛、水酸化鉛等)、銅化合物(例えばフッ化銅、塩化銅、臭化銅、沃化銅、硝酸銅、硫酸銅、過塩素酸銅、炭酸銅等の無機塩鉛、酢酸銅、シュウ酸銅等の脂肪酸鉛、酸化銅、水酸化銅等)、チタン化合物(例えばフッ化チタン、塩化チタン、臭化チタン、沃化チタン、硝酸チタン、硫酸チタン等)、ビスマス化合物(例えばフッ化ビスマス、塩化ビスマス、臭化ビスマス、沃化ビスマス、硝酸ビスマス、硫酸ビスマス、酸化ビスマス等)、アンチモン化合物(例えば、フッ化アンチモン、塩化アンチモン、臭化アンチモン、沃化アンチモン等)等が例示できるが、鉛化合物を使用するのが好ましい。
【0034】
これらの金属化合物は、一種の金属化合物が式(1)の化合物に対して通常0.001〜10倍モル量、好ましくは0.01〜3倍モル量となるように使用するのが良い。
【0035】
従って、例えば上記金属化合物を二種類以上併用する場合には、二種類以上の金属化合物をそれぞれ上記の使用量で用いるのが良い。
標準酸化還元電位が−0.3(V/SCE)以下の金属と前記金属よりも高い標準酸化還元電位を有する金属の化合物との組み合わせの具体例としては、例えば、アルミニウム/鉛化合物、アルミニウム/ビスマス化合物、マンガン/アルミニウム化合物、 マンガン/鉛化合物、亜鉛/鉛化合物、マグネシウム/ビスマス化合物、マグネシウム/ビスマス化合物、マグネシウム/銅化合物、錫/チタン化合物、錫/ビスマス化合物等の組み合わせが挙げられる。アルミニウム/鉛化合物の組み合わせが還元がスムーズに進行するため、より好ましい。
【0036】
溶媒としては、例えば、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等のアミド類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル等のニトリル類、ジメチルイミダゾール(DMI)、ジメチルスルホキシド等、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等が単独または二種以上混合して用いてもよい。
【0037】
また上記溶媒を主として、これに他の通常の溶媒、例えば、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の低級アルキルカルボン酸の低級アルキルエステル類、ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルセロソルブ、ジメトキシエタン等のエーテル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、アニソールなどの置換又は無置換の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類、ジクロルメタン、クロロホルム、ジクロルエタン、トリクロルエタン、ジブロムエタン、プロピレンジクロライド、四塩化炭素、フレオン等のハロゲン化炭化水素類を併用した混合溶媒として用いることもできる。
【0038】
特に好ましい溶媒としては、ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシドを主溶媒とする混合溶媒が挙げられる。
3−ノルセフェム化合物の製造の際の含水有機溶媒における含水率としては、通常0.2〜75%、好ましくは1〜40%とするのがよい。
これら溶媒の使用量は、式(1)の化合物1kg当たり0.5〜200L程度、好ましくは1〜50L程度とするのがよい。
反応は通常−10〜80℃、好ましくは0〜50℃の範囲で行なわれ、室温付近の反応温度でも本発明の反応は好適に進行する。
【0039】
本発明により得られる式(3)の化合物は、反応終了後、通常の抽出操作或いは晶析操作を行なうことによりほぼ純品として得ることができるが、その他の方法によっても勿論精製することができる。
【0040】
本発明により製造される式(3)の化合物を、例えば式(3)の化合物でRが保護されたアミノ基、Rが水素原子である場合[化合物(3−1)]、 Recent Advances in the Chemistry of β−Lactam Antibiotics, 109(1980)等に記載のアミノ基保護基の脱離反応により、7−アミノ−3−セフェム化合物(3−2)に導くことができる。勿論、Rがアミノ基、Rが水素原子である式(1)の化合物から本発明の方法で直接7−アミノ−3−セフェム化合物(3−2)に導くことも可能である。
【0041】
【化11】
Figure 0004510957
(式中、R及びRは前記に同じ。Rはアミノ基の保護基を示す。)
【0042】
得られた7−アミノ−3−セフェム化合物(3−2)は、広範囲な抗菌スペクトルを有する有用な抗菌剤の重要な合成中間体として用いられている。
例えば、Rがビニル基である化合物(3−2)を、特公昭63−20435号公報に記載の方法によって、経口用抗生剤セフィキシムに導くことができるし、セフジニル(最新抗生剤要覧第9版、酒井克治著、86頁、1994)に導くこともできる。
また、Rが水素原子である化合物(3−2)を、Pure & Appl. Chem., 59, 104(1987)に記載の方法によって、経口用抗生剤セフチブテンに導くことができる。
【0043】
本発明によれば、式(1)の化合物のR、R及びRの置換基は反応に関与せず、その種類に拘わらず反応が進行するため、有用な非天然型坑菌剤の中間体として利用することができる式(3)の化合物を得ることができる。
【0044】
【実施例】
以下に実施例及び参考例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれら実施例に限定されるものではない。
【0045】
実施例1
式(1)の化合物(R=フェニルアセトアミド基、R=H、R=ジフェニルメチル基、X=−OSOCF)(1a)200mg、臭化鉛11mg、ジブロモ(ビピリジル)ニッケル錯体35mg及びアルミニウム65mgを秤取り、ジメチルホルムアミド(DMF)4mL及び臭化ビニル180mgを加え、22℃〜25℃で1時間撹拌した。この反応液を酢酸エチル及び5%塩酸を用いて抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した後、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/トルエン=1/5)にて精製して、式(3a)の化合物(R=フェニルアセトアミド基、R=H、R=ジフェニルメチル基、R=ビニル基)(3a−1)145mgを得た。
収率:91%
1H NMR (300MHz,DMSO−d) δ 3.49(d,J=14Hz,1H),3.57(d,J=14Hz,1H),3.58(d,J=18Hz,1H),3.91(d,J=18Hz,1H),5.18(d,J=5.1Hz,1H),5.28(d,J=11Hz,1H),5.63(d,J=17Hz,1H),5.75(dd,J=5.1,8.1Hz,1H),6.70(dd,J=11,17Hz,1H),6.939(s,1H),9.17(d,J=8.1Hz,1H),7.19−7.46(m,15H).
【0046】
実施例2
式(1)の化合物(R=フェニルアセトアミド基、R=H、R=p−メトキシベンジル基、X=−OSOCF)(1b)200mg、臭化鉛12mg、ジブロモ(ビピリジル)ニッケル錯体38mg及びアルミニウム70mgを秤取り、DMF4mL及び臭化ビニル190mgを加え、実施例1と同様に処理して、式(3a)の化合物(R=フェニルアセトアミド基、R=H、R=p−メトキシベンジル基、R=ビニル基)(3a−2)153mgを得た。収率:89%
【0047】
1H NMR (300MHz,CDCl) δ 3.44(d,J=18Hz,1H),3.60(d,J=16Hz,1H),3.61(d,J=18Hz,1H),3.67(d,J=16Hz,1H),3.79(s,3H),4.92(d,J=4.4Hz,1H),5.16(d,J=14Hz,1H),5.21(d,J=14Hz,1H),5.31(d,J=11Hz,1H),5.43(d,J=17Hz,1H),5.81(dd,J=4.4,9Hz,1H),6.26(d,J=9Hz,1H),7.08(dd,J=44,17Hz,1H),6.85〜7.40(m,9H).
【0048】
実施例3
式(1)の化合物(R=フェニルアセトアミド基、R=H、R=ジフェニルメチル基、X=−OSOCH)(1c)200mg、臭化鉛12mg、ジブロモ(ビピリジル)ニッケル錯体38mg及びアルミニウム71mgを秤取り、DMF4mL及び臭化ビニル190mgを加え、実施例1と同様に処理して、化合物(3a−1)157mgを得た。収率:90%
得られた化合物の1H NMRスペクトルは、実施例1で得られた化合物と一致した。
【0049】
実施例4
式(1)の化合物(R=フェニルアセトアミド基、R=H、R=p−メトキシベンジル基、X=−OSOCH)(1d)200mg、臭化鉛13mg、ジブロモ(ビピリジル)ニッケル錯体42mg及びアルミニウム77mgを秤取り、DMF4mL及び臭化ビニル200mgを加え、実施例1と同様に処理して、化合物(3a−2)165mgを得た。収率:87%
得られた化合物の1H NMRスペクトルは、実施例2で得られた化合物と一致した。
【0050】
実施例5
式(1)の化合物(R=フェニルアセトアミド基、R=H、R=ジフェニルメチル基、X=−OSO−CH−p)(1e)200mg、臭化鉛11mg、ジブロモ(ビピリジル)ニッケル錯体34mg及びアルミニウム63mgを秤取り、DMF4mL及び臭化ビニル180mgを加え、実施例1と同様に処理して、化合物(3a−1)136mgを得た。収率:88%
得られた化合物の1H NMRスペクトルは、実施例1で得られた化合物と一致した。
【0051】
実施例6
式(1)の化合物(R=フェニルアセトアミド基、R=H、R=p−メトキシベンジル基、X=−OSO−CH−p)(1f)200mg、臭化鉛11mg、ジブロモ(ビピリジル)ニッケル錯体36mg及びアルミニウム67mgを秤取り、DMF4mL及び臭化ビニル190mgを加え、実施例1と同様に処理して、化合物(3a−2)149mgを得た。収率:90%
得られた化合物の1H NMRスペクトルは、実施例2で得られた化合物と一致した。
【0052】
実施例7
式(1)の化合物(R=フェニルアセトアミド基、R=H、R=ジフェニルメチル基、X=Cl)(1g)200mg、臭化鉛13mg、ジブロモ(ビピリジル)ニッケル錯体43mg及びアルミニウム79mgを秤取り、DMF4mL及び臭化ビニル220mgを加え、実施例1と同様に処理して、化合物(3a−1)167mgを得た。収率:86%
得られた化合物の1H NMRスペクトルは、実施例1で得られた化合物と一致した。
【0053】
実施例8
式(1)の化合物(R=フェニルアセトアミド基、R=H、R=p−メトキシベンジル基、X=Cl)(1h)200mg、臭化鉛15mg、ジブロモ(ビピリジル)ニッケル錯体47mg及びアルミニウム87mgを秤取り、DMF4mL及び臭化ビニル240mgを加え、実施例1と同様に処理して、化合物(3a−2)175mgを得た。収率:82%
得られた化合物の1H NMRスペクトルは、実施例2で得られた化合物と一致した。
【0054】
実施例9
化合物(1b)200mg、臭化鉛14mg、ジブロモ(ビピリジル)ニッケル錯体43mg及びアルミニウム80mgを秤取り、DMF4mL及び1−cis−臭化プロペニル230mgを加え、実施例1と同様に処理して、式(3a)の化合物(R=フェニルアセトアミド基、R=H、R= p−メトキシベンジル基、R=cis−1−プロペニル基)(3a−3)167mgを得た。収率:85%
1H NMR (300MHz,CDCl) δ 1.53(dd,J=1.7,7.1Hz,3H),3.24(d,J=17.8Hz,1H),3.45(d,J=17.8Hz,1H),3.60(d,J=15.6Hz,1H),3.69(d,J=15.6Hz,1H),3.80(s,3H),4.97(d,J=4.8HZ,1H),5.14(s,2H),5.64(dq,J=7.1,11.5Hz,1H),5.79(dd,J=4.8,9.1Hz,1H),6.07(dd,J=1.7,11.5Hz,1H),6.13(d,J=9.1Hz,1H),6.82〜6.92,7.20〜7.43(m,9H).
【0055】
実施例10
反応系中に水200mgを添加した以外は実施例1と同様の反応を行った結果、式(3b)の化合物(R=フェニルアセトアミド基、R=H、R=ジフェニルメチル基)(3b−1)144mgを得た。収率:94%
1H NMR (300MHz,CDCl) δ 3.46(dd,J=6.2,19.0Hz,1H),3.67(dd,J=2.2,19.0Hz,1H),3.71,3.79(ABq,J=15.8Hz,2H),5.04(d,J=4.3Hz,1H),6.00(dd,J=4.3,9.0Hz,1H),6.19(d,J=9.0Hz,1H),6.71(dd,J=2.2,6.2Hz,1H),7.03(s,1H),7.35〜7.58(m,15H).
【0056】
実施例11
反応系中に水200mgを添加した以外は実施例2と同様の反応を行った結果、式(3b)の化合物(R=フェニルアセトアミド基、R=H、R=p−メトキシベンジル基)(3b−2)138mgを得た。
収率:92%
1H NMR (300MHz,CDCl) δ 3.33(dd,J=6.3,19.2Hz,1H),3.53(dd,J=2.7,19.2Hz,1H),3.59,3.71(ABq,J=16.1Hz,2H),3.80(s,3H),4.90(d,J=5.1Hz,1H),5.15,5.22(ABq,J=11.8Hz,2H),5.86(dd,J=5.1,9.2Hz,1H),6.15(d,J=9.2Hz,1H),6.50(dd,J=2.7,6.3Hz,1H),6.86〜7.35(m,9H).
【0057】
実施例12〜16
反応溶媒を以下の溶媒に変更して実施例1と同様の反応を行って、化合物(3a−1)を得た。結果を表1に示した。
【0058】
【表1】
Figure 0004510957
【0059】
各実施例で得られた化合物(3a−1)の1H NMRスペクトルは、実施例1で得られた化合物と一致した。
【0060】
実施例17〜21
臭化鉛を以下の金属塩に変更して実施例1と同様の反応を行って、化合物(3a−1)を得た。結果を表2に示した。
【0061】
【表2】
Figure 0004510957
【0062】
各実施例で得られた化合物(3a−1)の1H NMRスペクトルは、実施例1で得られた化合物と一致した。
【0063】
実施例22〜25
アルミニウムを以下の金属に変更して実施例1と同様の反応を行って、化合物(3a−1)を得た。結果を表3に示した。
【0064】
【表3】
Figure 0004510957
【0065】
各実施例で得られた化合物(3a−1)の1H NMRスペクトルは、実施例1で得られた化合物と一致した。
【0066】
参考例1
実施例1又は実施例2で得られた3−ビニルセフェム化合物(3a−1、3a−2)を以下の手順によりセフィキシムへと誘導することができる。
化合物(3a−1)又は(3a−2)を塩化メチレン溶媒下に五塩化燐/ピリジン試薬と反応させた後、反応液を−35℃に冷却し、メタノールで処理して7−アミノ−3−ビニルセフェム塩酸塩(4)を生成させる。化合物(4)にフェノールを加え、45℃で1時間反応させて、7−アミノ−3−ビニルセフェム−4−カルボン酸(5)を得る。化合物(5)を特公昭63−20435号公報に記載の方法により、7位側鎖との反応、最終の脱保護反応を経てセフィキシムへと導くことができる。
【0067】
【化12】
Figure 0004510957
【0068】
参考例2
実施例10で得られた3−ノルセフェム化合物(3b−1)を、参考例1と同様に処理して7−アミノ−3−ノルセフェム塩酸塩(6)とし、Pure &Appl. Chem., 59, 104(1987)に記載された方法に従って、セフチブテンへと誘導することができる。
【0069】
【化13】
Figure 0004510957
【0070】
【発明の効果】
本発明では、広範囲な抗菌スペクトルを有する有用な非天然型坑菌剤の中間体である3−アルケニルセフェム化合物及び3−ノルセフェム化合物等の製造方法が提供される。

Claims (4)

  1. 式(1)で表される3−セフェム化合物に溶媒中で式(2)で表されるアルケニルハライド、ニッケル触媒、標準酸化還元電位が−0.3(V/SCE)以下の金属、及び前記金属よりも高い標準酸化還元電位を有する金属の化合物を作用させることを特徴とする式(3)で表される3−アルケニルセフェム化合物又は3−ノルセフェム化合物の製造方法。
    Figure 0004510957
    (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、又は保護されたアミノ基を示す。Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、低級アシル基、水酸基、又は保護された水酸基、水酸基若しくは保護された水酸基を置換基として有することのある低級アルキル基を示す。Rは水素原子又はカルボン酸保護基を示す。Xはハロゲン原子、置換基を有することのある低級アルキルスルホニルオキシ基又は置換基を有することのあるアリールスルホニルオキシ基を示す。)
    Figure 0004510957
    (式中、Rは置換基を有することのある1−アルケニル基を示す。Yはハロゲン原子を示す。)
    Figure 0004510957
    (式中、R、R及びRは前記と同じ。Rは水素原子又は置換基を有することのある1−アルケニル基を示す。)
  2. 式(1)で表される3−セフェム化合物に対して、標準酸化還元電位が−0.3(V/SCE)以下の金属を少なくとも等モル、前記金属よりも高い標準酸化還元電位を有する金属の化合物を0.001〜10倍モル使用する請求項1記載の3−アルケニルセフェム化合物又は3−ノルセフェム化合物の製造方法。
  3. 溶媒として有機溶媒を用いて式(3a)で表される請求項1記載の3−アルケニルセフェム化合物の製造方法。
    Figure 0004510957
    (式中、R〜Rは前記に同じ)
  4. 溶媒として含水有機溶媒を用いて式(3b)で表される請求項1記載の3−ノルセフェム化合物の製造方法。
    Figure 0004510957
    (式中、R〜Rは前記に同じ)
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