JP4510893B2 - 血液分離剤用重合体及び血液分離剤組成物 - Google Patents

血液分離剤用重合体及び血液分離剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、血液試料の比重差を利用して該血液試料を遠心分離し、血清層又は血漿層と、血球層又は血餅層と(以下、単に血清層と血球層という)の間に隔壁を形成して両成分を容易に分離することができる血液分離剤用重合体及び血液分離剤組成物に関する。
血液分離剤組成物は、血清層と血球層との分離性及びチキソトロピー性を有している。即ち、血液分離剤組成物は、その静置時には流動性を有しておらず、遠心分離時には流動して血清層と血球層との間に隔壁を形成し、再び静置されたときには血清層と血球層との分離を保つ。このような血液分離剤組成物の主成分となる重合体としては、所定の粘度及び比重を有する、α−オレインとマレイン酸ジエステルとの共重合体(例えば、特許文献1を参照)、並びに一定範囲の動粘度、密度及び平均分子量を有するコポリエステル(例えば、特許文献2を参照)が知られている。更に、特定の比重及び粘度を有するアクリル系共重合体(例えば、特許文献3を参照)、並びに所定範囲の比重及び溶融粘度を有する水添シクロペンタジエン系石油樹脂(例えば、特許文献4を参照)が知られている。
ところで近年、この種の血液分離剤組成物は、通常の臨床検査以外にも、血中の薬物(例えば、抗てんかん薬であるフェノバルビタール、カルバマゼピン、及びフェニトイン)の濃度をモニターする目的にも用いられるようになりつつある。この場合、そのような薬物が血液分離剤組成物に吸着されると、該薬物の濃度を正確に測定することができなくなり、臨床検査に不都合をきたすことになる。しかし、前記特許文献1〜4に記載された従来の血液分離剤組成物では、血清層と血球層との分離が可能であるものの、前記薬物が血液分離剤組成物に吸着され易く該吸着が臨床検査に悪影響を及ぼすという問題があった。その主な原因は、血液分離剤組成物を構成する重合体の親水性が高くて疎水性が低い傾向にあるためと推測される。
特開平2−168159号公報 特開昭61−233368号公報 特開平6−201682号公報 特開平9−15238号公報
本発明の目的は、血清層と血球層との分離性を良好に保ちつつ、薬物の吸着を少なくすることができる血液分離剤用重合体及び血液分離剤組成物を提供することにある。
本発明の一態様では、(メタ)アクリル酸エステル重合体よりなる血液分離剤用重合体が提供される。(メタ)アクリル酸エステル重合体は、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステル単量体を含む原料から形成されている。(メタ)アクリル酸エステル重合体の比重は1.025〜1.060であり、重量平均分子量は3000〜50000であり、25℃における粘度は10〜300Pa・Sである。(メタ)アクリル酸エステル重合体中における酸素原子の含有率は10〜22%である。
好ましくは、原料は(メタ)アクリル酸エステル単量体以外の単量体を更に含む。好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル単量体は、6〜10の炭素数を有する環状アルキル基を含むエステル基を備える(メタ)アクリル酸エステルを含む。(メタ)アクリル酸エステル単量体中における(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、5〜50質量%が好ましい。好ましくは、6〜10の炭素数を有する環状アルキル基はシクロヘキシル基又はイソボルニル基である。
また、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル単量体以外の単量体は芳香族系ビニル単量体を含む。(メタ)アクリル酸エステル単量体以外の単量体中における芳香族系ビニル単量体の含有量は、1〜50質量%が好ましい。好ましくは、芳香族系ビニル単量体はスチレン又はα−メチルスチレンである。好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル重合体は高温連続重合法によって得られる。好ましくは、原料は少なくとも2種の前記(メタ)アクリル酸エステル単量体を含む。
本発明の別の態様では、前述の血液分離剤用重合体及びシリカを含有する血液分離剤組成物が提供される。
以下、本発明の最良と思われる実施形態について詳細に説明する。本実施形態に係る血液分離剤用重合体は、血清層と血球層とを分離するための血液分離剤組成物の主剤として用いられる。この血液分離剤用重合体は、(メタ)アクリル酸エステル重合体よりなる。この(メタ)アクリル酸エステル重合体は、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステル単量体を含む原料から形成されている。この原料は、(メタ)アクリル酸エステル単量体以外の単量体を更に含んでもよい。従って、本願において、“(メタ)アクリル酸エステル重合体”の概念は、1種の(メタ)アクリル酸エステル単量体よりなる単独重合体と、2種以上の(メタ)アクリル酸エステル単量体よりなる共重合体と、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステル単量体及びそれ以外の単量体よりなる共重合体とを含む。以下の説明において、(メタ)アクリル酸エステル単量体以外の単量体を“その他の単量体”といい、(メタ)アクリル酸エステル重合体を単に“重合体”という。この重合体の比重は1.025〜1.060であり、重合体の重量平均分子量は3000〜50000であり、重合体の25℃における粘度は10〜300Pa・Sである。更に、重合体中における酸素原子の含有率は10〜22%である。
前記原料中における(メタ)アクリル酸エステル単量体の含有量は、50〜100質量%が好ましく、60〜100質量%未満がより好ましく、70〜100質量%が特に好ましい。(メタ)アクリル酸エステル単量体の含有量が50質量%未満の場合には、血液分離剤用重合体の比重、チキソトロピー性及び流動性のバランスを良好に維持することができなくなるおそれがある。
(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば1〜20の炭素数を有するアルキル基を含む(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基は直鎖、分岐鎖のいずれでもよい)、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸フェノキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸イソボルニルエステル、及び(メタ)アクリル酸アルコキシシリルアルキルエステルが挙げられる。これらの単量体は、それらの1種又は2種以上が適宜選択して用いられ得るが、2種以上が用いられることが好ましい。即ち、前記原料は、少なくとも2種の(メタ)アクリル酸エステル単量体を含むことが好ましい。この場合、例えば重合体の比重、及び重合体中における酸素の含有率を前述の範囲に容易に設定することができる。
(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、重合体の疎水性を高めて薬物の吸着を少なくすることができることから、6〜10の炭素数を有する環状アルキル基を含むエステル基を備える(メタ)アクリル酸アルキルエステルが特に好ましい。この(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、その比重及び疎水性が高いことから薬物の吸着を起こし難い。6〜10の炭素数を有する環状アルキル基は、シクロヘキシル基又はイソボルニル基が好ましい。即ち、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの中でも、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸イソボルニルが好ましく、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルがより好ましく、アクリル酸シクロヘキシルが特に好ましい。
6〜10の炭素数を有する環状アルキル基を含むエステル基を備える(メタ)アクリル酸エステルの(メタ)アクリル酸エステル単量体中における含有量は、5〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましく、10〜20質量%が特に好ましい。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が5質量%未満の場合には、薬物の吸着性が高くなり、また比重も過剰に小さくなって血液分離剤組成物の血液分離性能が低下するおそれがある。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が50質量%を超えると、血液分離剤用重合体の粘度が過剰に高くなって遠心分離時に後述する反転が起き難くなる。
前記その他の単量体は(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合することから、その他の単量体の具体例は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとラジカル共重合可能なラジカル重合性単量体であれば特に限定されない。具体的には、その他の単量体として、例えば芳香族系ビニル単量体、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルピロリドン、及び(メタ)アリルエーテル類が挙げられる。芳香族系ビニル単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン、クロロスチレン、及びブロモスチレンが挙げられる。ビニルエステル類としては、例えば(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルジアルキルアミド、及び酢酸ビニルが挙げられる。これらの単量体は、それらの1種又は2種以上が適宜選択して用いられ得る。
これらの単量体の中でも、芳香族系ビニル単量体が好ましく、スチレン及びα−メチルスチレンがより好ましい。これらの単量体は、比重が大きいとともに高い疎水性を有することから、血液分離剤組成物の血液分離能を保持しつつ、薬物の吸着を抑制するのに効果的である。更に、芳香族系ビニル単量体との共重合により得られる共重合体は、放射線による滅菌処理の際に粘度及び分子量が増大し難いことから、放射線による滅菌処理に対して安定である。その他の単量体中における芳香族系ビニル単量体の含有量は、1〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましく、10〜20質量%が更に好ましい。芳香族系ビニル単量体の含有量が1質量%未満の場合には、芳香族系ビニル単量体の効果が十分に発揮されない。芳香族系ビニル単量体の含有量が50質量%を超える場合には、血液分離剤用重合体の粘度が過剰に高くなってその流動性を確保することが困難になる。
前記重合体は、通常のラジカル重合法によって得られることができる。ラジカル重合法としては、溶液重合法、塊状重合法及び分散重合法のいずれの方法でもよく、また近年開発されたリビングラジカル重合法でもよい。しかし、150〜270℃の高温連続重合法(高温連続ラジカル重合法)が最も好ましい。この重合法によれば、高温重合であることから、高分子鎖からの水素引き抜き反応から始まる切断反応が起こる。そのため、製造される重合体の分子量の制御に多量のラジカル重合開始剤、連鎖移動剤等を必要としないことから、それらの不純物を重合体が含まず、該重合体を容易に製造することができる。更に、反応器に攪拌槽型反応器を用いることにより、組成分布及び分子量分布の幅が比較的狭い重合体を得ることができる。
高温連続重合法は、具体的には特表昭57−502171号公報、特開昭59−6207号公報、及び特開昭60−215007号公報に開示された公知の方法に従って行われる。例えば、加圧可能な反応器が加圧下で所定温度に設定される。次いで、各単量体、及び必要に応じて重合溶媒を含む原料が一定の供給速度で反応器へ供給され、原料の供給量に見合う量の重合液が反応器から抜き出される。原料には、必要に応じてラジカル重合開始剤が配合されてもよい。このラジカル重合開始剤の割合は、原料100質量部当たり0.001〜3質量部が好ましい。
重合温度は、前述のように150〜270℃が好ましく、170〜230℃がより好ましく、180℃〜220℃が特に好ましい。重合温度が270℃を越えると、重合体に着色及び熱劣化の問題が生じる場合がある。重合温度が150℃未満の場合には、分岐反応が起こって重合体の分子量分布の幅が広くなり易い。更に、重合体の分子量の制御に多量のラジカル重合開始剤及び連鎖移動剤を必要とする。そのため、ラジカル重合開始剤及び連鎖移動剤に由来する夾雑物の重合体中における含有量が高くなり、該夾雑物が血液の分離及び測定に悪影響を与える場合がある。また、除熱などの生産上の問題が起こることもある。圧力は、例えば重合温度と、使用される単量体及び重合溶媒の沸点とに依存しており、重合反応に影響を及ぼさないが前記重合温度を維持することができる圧力であればよい。
原料の反応器中での平均滞留時間は、1〜60分が好ましく、5〜30分がより好ましい。滞留時間が1分未満の場合には、各単量体が十分に反応しないおそれがある。滞留時間が60分を越えると、重合体の生産性が悪く、更に重合体の着色及び熱劣化が起こることがある。また、反応器として、管状型反応器ではなく連続攪拌槽型反応器を用いることが、重合体の組成分布及び分子量分布の幅を狭くすることができることから好ましい。
重合溶媒の具体例は特に制限されないが、重合体の溶解性が高いことから、アルコール系溶剤(例えばイソプロピルアルコール)、ケトン系溶剤(例えばメチルエチルケトン)、及びエステル系溶剤(例えば酢酸ブチル)が好ましい。重合体の溶解性が低い重合溶媒では、反応器の壁にスケールが成長し易く、例えば洗浄工程でそのスケールを除去する必要があることから、生産上の問題が起き易い。
前記ラジカル重合開始剤の具体例は、所定の反応温度でラジカルを発生する重合開始剤であれば特に限定されない。具体的には、ラジカル重合開始剤として、例えば過酸化物系重合開始剤、アゾ系重合開始剤、及びリビング重合に用いられる金属錯体が挙げられる。また、ラジカル重合開始剤として、例えばスチレン等の、加熱によりラジカルを生成する熱重合開始ラジカルが用いられてもよい。これらの具体例の中でも、ジターシャリブチルパーオキサイド、ジターシャリアミルパーオキサイド、ジターシャリアミルパーオキサイド、及びアゾ系開始剤が特に好ましい。アゾ系開始剤は、安価であるとともに、ラジカル重合開始剤による水素の引抜きを起こし難い。水素の引き抜き反応の頻度が高くなると、重合体の分子量分布の幅が広くなり、低分子量の成分が遠心分離時に切断されて血清中へ混入するという問題が起きる。
前記のようにして得られる重合体の25℃における比重は、血清層と血球層とを比重差によって分離し、それらの間に隔壁を形成するために、1.025〜1.060に設定されており、1.030〜1.050が好ましい。血清層と血球層とを分離するためには、血液分離剤組成物の比重が1.040〜1.060であることが好ましい。そのため、重合体の比重が1.025未満では、血液分離剤組成物の比重を前記範囲に調整するためにシリカ等の無機顔料が血液分離剤組成物に大量に添加される必要があり、その結果、血液分離剤組成物の例えば流動性及び反転性に支障をきたす。重合体の比重が1.060を超えると、小さい比重を有する可塑剤等が血液分離剤組成物に大量に添加される必要があり、薬物の吸着性が高くなったり、血清中に浮遊物が生じたりする。
重合体の重量平均分子量は、重合体の流動性を良好にするとともに前記隔壁の強さを確保するために、3000〜50000に設定されており、4000〜30000が好ましく、5000〜20000がより好ましい。重合体の重量平均分子量が3000未満の場合には、血液を分離する隔壁の強さが不十分であったり、血清中に浮遊物が生じたりする。重合体の重量平均分子量が50000を越えると、遠心分離時の流動性が悪化して反転性に支障をきたす。
重合体の25℃における粘度は、重合体の流動性を良好にするとともに前記隔壁の強さを得るために、10〜300Pa・sに設定されており、30〜200Pa・sが好ましく、50〜150Pa・sがより好ましい。重合体の粘度が10Pa・s未満の場合には、血液を分離する隔壁の強さが不十分であり、血清層と血球層との分離を維持することができなくなる。重合体の粘度が300Pa・sを越えると、血液分離剤用重合体の流動性が低下して遠心分離時の反転性に支障をきたす。
重合体中における酸素原子の含有率は、重合体の親水性と疎水性とのバランスを図って薬物の吸着を抑えるために10〜22%に設定されており、13〜21%が好ましく、15〜20%がより好ましい。薬物の吸着量は、血液分離剤組成物の親水性が高くなるに伴って増加する傾向があり、言い換えると重合体中における酸素原子の含有率の増加に伴って増加する傾向がある。従って、重合体の親水性と疎水性とのバランスを図る必要があり、その指標として酸素原子の含有率が10〜22%に設定されている。この酸素原子の含有率は、下式に基づいて算出され得る。
まず、単独重合体の場合における酸素原子の含有率は、下式で求められる。
酸素原子の含有率(%)=(酸素の原子量×単量体中における酸素原子の総個数/単量体の分子量)×100
従って、例えばアクリル酸ブチルの単独重合体の場合、下式の結果より、酸素原子の含有率は25%となる。
酸素原子の含有率=(32/128)×100=25%
そして、共重合体の場合には、以下のようにして共重合体中における酸素原子の含有率が求められる。まず、共重合体を形成する原料中に含まれる各単量体の単独重合体の場合における酸素原子の含有率を、前記に従ってそれぞれ求める。次いで、得られた各酸素原子の含有率に、各単量体の共重合の割合に基づく質量分率をそれぞれ掛け、それによって算出される値を合算することにより、共重合体中における酸素原子の含有率が求められる。
酸素原子の含有率が10%未満の場合には、重合体の疎水性が過剰に高くなってチキソトロピー性が不十分になり、無機顔料の分散性も悪くなる。酸素原子の含有率が22%を越えると、重合体への薬物の吸着、例えば抗てんかん薬であるフェノバルビタール、カルバマゼピン、及びフェニトインの吸着が著しく、血中薬物濃度を正しく評価することができなくなる。
次に、血液に関する臨床検査及び血液分離剤組成物について説明する。臨床検査に用いられる血液分離管の底部には、チキソトロピー性を有するゲル状の血液分離剤組成物が収容される。そして、血液分離管内に採血して適当な時間静置させた後、遠心分離操作が行われる。このとき、ゲル状の血液分離剤組成物が遠心力によって流動状態となる。この血液分離剤組成物は、予め血清成分又は血漿成分と血餅成分又は血球成分との中間の比重を有するように調整されていることから、管底から次第に浮上し、血清層と血球層との中間に位置するとともに隔壁を形成してそれらを分離することができる。このようにして得られた血清及び血漿を用いて、生体内の種々の物質の量が測定されて病気の診断及び治療に利用される。
本血液分離剤組成物の構成成分としては、主剤となる前記重合体と、副剤となるシリカ(特に微粉末シリカ)とが挙げられる。更に、血液分離剤組成物には、有機ゲル化剤(例えばジベンジリデンソルビトール)、有機ゲル化剤の分散剤(例えば1−メチル−2−ピロリドン)、相溶化剤、酸化防止剤、老化防止剤、及び粘度低下剤等の添加剤が更に配合されてもよい。
前記微粉末シリカは、血液分離剤組成物へのチキソトロピー性の付与及び該血液分離剤組成物の比重の調節を目的として配合される。微粉末シリカの具体例としては、一般に市販されている微粉末シリカであれば特に限定されない。微粉末シリカの表面は、疎水性を有してもよいし、親水性を有してもよい。疎水性シリカと親水性シリカとが組み合わされて使用されることにより、血液分離剤組成物にチキソトロピー性を付与することができる。微粉末シリカの具体例としては、例えば商品名レオロシール〔(株)トクヤマ製〕、及びアエロジル〔日本アエロジル(株)製〕が挙げられる。
前記有機ゲル化剤は、少量で血液分離剤組成物にチキソトロピー性を付与することができる。有機ゲル化剤として、商品名ゲルオールD及びゲルオールMD〔ジベンジリデンソルビトール、新日本理化(株)製〕が好ましい。このような有機ゲル化剤は、固体であるとともに融点が高いことから、溶解性が高い溶剤に溶解して添加されてもよい。そのような溶剤としては、例えばNMP(N−メチルピロリドン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、及びセロソルブが挙げられる。
本血液分離剤組成物は、前記重合体、微粉末シリカ及び必要により添加剤が混練されて調製される。混練方法の具体例は特に制限されず、一般に工業的に用いられる混練方法が採用される。優れた混練効果を発揮するために、各成分は50〜200℃に加熱され得る。本血液分離剤組成物の比重は、血清層と血球層との中間になるように前記重合体及び微粉末シリカの量比で調整され、好ましくは1.040〜1.060に調製され、より好ましくは1.040〜1.050に調整される。
さて、本実施形態の作用について説明すると、臨床検査に用いられる血液分離剤組成物は前記重合体を主剤とし、その他の添加剤が混練されることにより得られる。血液分離剤用重合体は前記重合体よりなる。この重合体は、前述した特定の比重、重量平均分子量及び粘度を有しており、かつ重合体中における酸素原子の含有率は10〜22%の範囲に設定されている。特に、この酸素原子の含有率の設定により、重合体の親水性を抑えて疎水性を高めることができ、薬物に対する非親和性が発現される。このため、重合体に対する血中における抗てんかん薬等の薬物の吸着を抑制することができる。
本実施形態は以下の利点を有する。
本実施形態の血液分離剤用重合体は、以下の要件を備えている重合体よりなる。
(1)比重は1.025〜1.060である。
(2)重量平均分子量は3000〜50000である。
(3)25℃における粘度は10〜300Pa・Sである。
(4)重合体中における酸素原子の含有率は10〜22%である。
特に、重合体中における酸素原子の含有率が前述の範囲に設定されることにより、薬物の吸着を抑えるために親水性が低いとともに疎水性が高くなるようにバランスが図られている。従って、血液分離剤用重合体は、前記4つの要件を備えることで血清層と血球層との分離性を良好に保ちつつ、薬物の吸着を少なくすることができる。
前記(メタ)アクリル酸エステル単量体が、6〜10の炭素数を有する環状アルキル基を含むエステル基を備える(メタ)アクリル酸エステルを含むことが好ましい。この場合、(メタ)アクリル酸エステル単量体中における前記(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、5〜50質量%が好ましい。これにより、血液分離剤用重合体の疎水性が高くなって薬物の吸着をより少なくすることができる。
6〜10の炭素数を有する環状アルキル基がシクロヘキシル基又はイソボルニル基であることにより、薬物の吸着を抑える効果をより発揮することができる。
前記その他の単量体が芳香族系ビニル単量体を含むことが好ましい。この場合、その他の単量体中における芳香族系ビニル単量体の含有量は、1〜50質量%が好ましい。これにより、血液分離剤用重合体の疎水性が高くなって薬物の吸着をより少なくすることができる。更に、放射線による滅菌処理の際に血液分離剤用重合体の粘度及び分子量が増大し難いことから、血液分離剤用重合体の安定性を向上させることができる。芳香族系ビニル単量体の中でも、特にスチレン又はα−メチルスチレンを用いることにより、前記効果をより発揮することができる。
また、血液分離剤組成物の滅菌処理のために電子線又はγ線が用いられるが、芳香族系ビニル単量体を含む原料から共重合体が得られることにより、血液分離剤組成物を電子線及びγ線に対して安定させることができる。
血液分離剤組成物は、前記血液分離剤用重合体及びシリカを含有することから、血液分離剤用重合体の前記効果を発揮することができる。
以下に、製造例、実施例、及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はそれらの実施例に限定されるものではない。
(共重合体Aの製造方法)
オイルジャケットを備えるとともに容量が1リットルである加圧式攪拌槽型反応器におけるオイルジャケットの温度を180℃に保った。次いで、アクリル酸ブチル(以下、BAと略記する)50g、アクリル酸−2−エチルヘキシル(以下、HAと略記する)30g、アクリル酸シクロヘキシル20g、及びメチルエチルケトン15gからなる原料に、ラジカル重合開始剤としてジターシャリーヘキシルパーオキサイド(以下、DTHPと略記する)0.1gを配合した後、原料を原料タンクに仕込んだ。そして、一定の供給速度で原料タンクから反応器に原料を連続供給し、反応器内の質量が580gで一定になるように、反応物を反応器出口から連続的に抜き出した。このときの原料の供給速度は48g/分であり、原料の反応器中での滞留時間は12分であった。更に、反応器内の温度を180℃に保った。そして、減圧度を30kPaに保つとともに温度を250℃に保った薄膜蒸発器を用いて、抜き出した反応物から揮発成分を連続的に分離し、該揮発成分をほとんど含まない共重合体Aを回収した。
原料の供給開始後、反応器内の温度が安定してから更に36分後にほぼ平衡状態に達したと判断し、該時間が経過したときを薄膜蒸発後の共重合体Aの回収開始点とした。そして、回収開始点から60分間、原料の供給を継続した結果、約2000gの共重合体Aを回収した。得られた共重合体Aについて、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)より求めたポリスチレン換算による共重合体Aの重量平均分子量(以下、Mwという)は20,000であり、数平均分子量(以下、Mnという)は4,600であり、分子量分布Mw/Mnは4.6であった。また、ガスクロマトグラフィー(GC)による、共重合体A中における揮発成分量は0.2質量%以下であった。本共重合体Aは室温で流動性を有しており、液状であった。25℃における粘度は、E型粘度計で測定したところ110Pa・sであり、25℃における比重は1.038であった。更に、共重合体Aを目視で確認したところ、黄変等の問題もなく、色調の優れたものであった。
(共重合体B〜Nの製造方法)
共重合体B〜Nを、表1に示す各単量体の組成で、共重合体Aの製造方法と同様の操作により製造した。このようにして得られた共重合体B〜NのMw、粘度、比重、酸素原子の含有率の測定結果を表1に示す。また、各共重合体を目視で確認したところ、黄変等の不具合は認められなかった。
Figure 0004510893
実施例及び比較例における諸物性を次の方法により測定した。
(1)重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミションクロマトグラフ(GPC)を用いるとともに溶離液としてテトラヒドロフランを用い、ポリスチレン換算で測定した。
(2)25℃における粘度は、E型粘度計にて25℃で測定した。
(3)比重は以下の方法により測定した。即ち、500mlメスフラスコに共重合体を入れた後、浮き秤によって25℃で比重を測定した。
(4)酸素原子の含有率は、各単量体の組成から質量分率を求め、前述した式を用いて算出した。
表1中の略号を以下に示す。
BA:アクリル酸ブチル、HA:アクリル酸2−エチルヘキシル、CHA:アクリル酸シクロヘキシル、St:スチレン、MMA:メタクリル酸メチル、BMA:メタクリル酸ブチル、SA:アクリル酸ステアリル。
(血液分離剤組成物の調製)
共重合体A、有機ゲル化剤としてのジベンジリデンソルビトールDBS、NMP、及び微粉末シリカを、共重合体A:94質量%、ジベンジリデンソルビトールDBS:0.3質量%、NMP:1.2質量%、及び微粉末シリカ:4.5質量%の比率で10分間混練し、血液分離剤組成物を調製した。
〔血中薬物濃度評価〕
(実施例1)
ガラス製の血液分離管(内径11mm、長さ100mm)に、前記共重合体Aを含有する血液分離剤組成物0.9g、及びフェニトインが15μg/mlの濃度で溶解しているプール血清2mlを分注した。次いで、血液分離管をゴム栓で密栓した後、4℃の雰囲気下及び正立で24時間保存した。そして、1500Gの遠心力で血液分離管を5分間遠心分離した後、上澄みを分取してフェニトインの濃度を測定した。ブランクとして、フェニトインとプール血清のみとを含む血液分離管も別途用意した後、前述と同様にしてフェニトインの濃度を測定した。そして、下記式から薬物非吸着率(%)を算出した。
薬物非吸着率=〔(血液分離剤組成物入りの場合の薬物濃度)/(ブランクの薬物濃度)〕×100
この評価の結果、共重合体Aを含有する血液分離剤組成物のフェニトインに対する薬物非吸着率は96%であった。フェニトインの他に、カルバマゼピン及びフェノバルビタールについても、共重合体Aへの薬物吸着性を評価した。その結果、カルバマゼピンの場合の薬物非吸着率は96%であり、フェノバルビタールの場合の薬物非吸着率は99%であった。
(実施例2〜8)
前記(血液分離剤組成物の調製)と同様の操作により、共重合体B〜Hをそれぞれ含有する各血液分離剤組成物を調製した。そして、実施例1と同様にして、フェニトイン、カルバマゼピン及びフェノバルビタールの3種の薬物に対する薬物非吸着率(%)を測定した。それらの結果を表2に示す。
(比較例1及び2)
前記(血液分離剤組成物の調製)と同様の操作により、共重合体J及びKをそれぞれ含有する各血液分離剤組成物を調製した。そして、実施例1と同様にして、前記3種の薬物に対する薬物非吸着率(%)を測定した。それらの結果を表2に示す。
Figure 0004510893
表2に示すように、実施例1〜8の共重合体A〜Hは薬物を吸着し難くかった。これは、共重合体A〜Hの酸素原子の含有率が22%以下であることから、各共重合体の極性が低くなっているためと考えられる。一方、比較例1及び2の共重合体J及びKは薬物を吸着し易かった。これは、共重合体J及びKの酸素原子の含有率が23%以上であり、共重合体J及びKの極性が共重合体A〜Hの極性に比べて高くなっているためと考えられる。
〔血液分離剤組成物の評価(一般検査)〕
(実施例9〜16)
共重合体Bを含有する血液分離剤組成物を2本の硬質ガラス製試験管に0.9gずつ収容して採血管を調製した。そして、各採血管にプ−ル血清2mlを分注し、4℃の雰囲気下及び正立で24時間保存した。次いで、各採血管を1500Gの遠心力で5分遠心分離した後、上澄みを採取した。上清に関し、表3及び表4に示す各分析項目について評価した。また、ブランクとしてプール血清のみ入れた採血管を別途用意し、前記と同様にして各分析項目について評価した。重合体C〜Hを含有する血液分離剤組成物についても、前記と同様にして、各分析項目について評価した。それらの結果を表3及び表4に示す。
Figure 0004510893
Figure 0004510893
表3及び表4に示すように、各分析項目について、共重合体B〜Hを含有する血液分離剤組成物の結果と、ブランクの結果との大きな差はなかった。従って、各血液分離剤組成物が検査を阻害している様子は全くなかった。
(比較例3〜5)
前記(血液分離剤組成物の調製)と同様の操作により、共重合体L〜Nをそれぞれ含有する各血液分離剤組成物を調製した。そして、実施例9と同様にして、各血液分離剤組成物を硬質ガラス製試験管に0.9g収容して採血管を調製した。そして、実施例9と同様にして各分析項目についての評価を試みた。しかし、共重合体の比重が小さいことから、遠心分離後に共重合体の一部が上澄みに浮遊してしまい、各分析項目を評価することができなかった。
〔滅菌処理評価〕
(実施例17〜21)
共重合体B〜Fを含有する血液分離剤組成物を硬質ガラス製試験管に0.9gずつ収容して採血管を調製した。そして、これらの採血管に線量25kGyのガンマ(γ)線を放射して滅菌処理を行い、その前後での血液分離剤組成物の粘度の変化を測定した。また、比重が1.08である食塩水を前記各硬質ガラス製試験管に入れた後、該試験管を遠心分離機で5分間遠心分離することにより、反転する遠心力を評価した。それらの結果を表5に示す。
ここで、反転について説明する。血液分離剤組成物はゲル化剤によって流動性を有さない状態で採血管底に収容されているが、遠心力が加わることによって流動性を有するようになる。血液分離剤組成物の比重は1.040〜1.060に調整されており、比重が大きい食塩水(d=1.08)が分注されると、はじめは食塩水が血液分離剤組成物上に溜まっているが、遠心力が加わると、血液分離剤組成物が流動性を発現し、比重の大きい食塩水が底部へ移動するとともに、比重の小さい血液分離剤組成物が食塩水上へ移動する。この現象を反転という。
Figure 0004510893
表5に示すように、実施例17〜20の共重合体B〜Eを含む血液分離剤組成物については、γ線処理が施された場合の粘度の変化が大きく、該処理が反転に必要な遠心力(反転性)に影響していた。一方、実施例21のStが共重合している共重合体Fを含む血液分離剤組成物については、その粘度の増加率は小さく、前記処理が反転性に影響を与えるものではなかった。
(実施例22〜27)
実施例22では、共重合体Aのみを採血管に1g収容した後に採血管を密栓し、25kGyのガンマ線を照射した。そして、照射前後の共重合体Aの粘度の変化を測定した。実施例23〜27の重合体B及びF〜Iについても同様に評価した。それらの結果を表6に示す。
Figure 0004510893
表6に示すように、実施例22〜24の重合体の粘度は、γ線照射によって大きく増大した。一方、Stが共重合している重合体F〜Hを含む実施例25〜27の粘度の変化は、ガンマ線照射前後で小さかった。
(実施例28〜30)
実施例28では、重合体Aのみを採血管に1g収容した後に採血管を密栓し、25kGyの電子線を照射した。電子線の加速電圧を4.8MeVに設定した。そして、電子線の照射前後における重合体Aの粘度の変化を測定した。実施例29及び30の重合体I及びFについても同様に評価した。それらの結果を表7に示す。
Figure 0004510893
表7に示すように、実施例28及び29の重合体A及びIの粘度は、電子線照射によって増大した。一方、Stが共重合されている実施例30の重合体Fについては、粘度変化は小さかった。
前記実施形態は、次のように変更して具体化され得る。
共重合体の物性として、該共重合体の例えば軟化点、動粘度、及び降伏値が所定の範囲に設定されてもよい。
比重、重量平均分子量、25℃における粘度、及び酸素原子の含有率が異なる複数の重合体が用意され、それらが適宜混合されて血液分離剤組成物が調製されてもよい。

Claims (9)

  1. (メタ)アクリル酸エステル重合体よりなる血液分離剤用重合体であって、
    前記(メタ)アクリル酸エステル重合体は、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステル単量体を含む原料から形成され、
    前記(メタ)アクリル酸エステル重合体の比重は1.025〜1.060であり、重量平均分子量は3000〜50000であり、25℃における粘度は10〜300Pa・Sであり、(メタ)アクリル酸エステル重合体中における酸素原子の含有率は10〜22%であることを特徴とする血液分離剤用重合体。
  2. 前記原料は、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体以外の単量体を更に含む請求項1に記載の血液分離剤用重合体。
  3. 前記(メタ)アクリル酸エステル単量体は、6〜10の炭素数を有する環状アルキル基を含むエステル基を備える(メタ)アクリル酸エステルを含み、
    前記(メタ)アクリル酸エステル単量体中における前記(メタ)アクリル酸エステルの含有量は5〜50質量%である請求項1又は請求項2に記載の血液分離剤用重合体。
  4. 前記6〜10の炭素数を有する環状アルキル基はシクロヘキシル基又はイソボルニル基である請求項3に記載の血液分離剤用重合体。
  5. 前記(メタ)アクリル酸エステル単量体以外の単量体は芳香族系ビニル単量体を含み、
    前記(メタ)アクリル酸エステル単量体以外の単量体中における芳香族系ビニル単量体の含有量は1〜50質量%である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の血液分離剤用重合体。
  6. 前記芳香族系ビニル単量体はスチレン又はα−メチルスチレンである請求項5に記載の血液分離剤用重合体。
  7. 前記(メタ)アクリル酸エステル重合体は高温連続重合法によって得られる請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の血液分離剤用重合体。
  8. 前記原料が少なくとも2種の前記(メタ)アクリル酸エステル単量体を含む請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の血液分離剤用重合体。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の血液分離剤用重合体及びシリカを含有することを特徴とする血液分離剤組成物。
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