JPH09124743A - 比重を制御した液状樹脂とその用途 - Google Patents

比重を制御した液状樹脂とその用途

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JPH09124743A
JPH09124743A JP7281167A JP28116795A JPH09124743A JP H09124743 A JPH09124743 A JP H09124743A JP 7281167 A JP7281167 A JP 7281167A JP 28116795 A JP28116795 A JP 28116795A JP H09124743 A JPH09124743 A JP H09124743A
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JP
Japan
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monomer
specific gravity
acrylate
liquid resin
meth
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JP7281167A
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English (en)
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Yoshinori Kawashima
美紀 川島
Makoto Doi
誠 土肥
Takeo Yamaguchi
岳男 山口
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】複数の流動体の混合物からなる流動体を比重の
差で分離せしめる際にセパレータ材料として用いる比重
を制御した液状樹脂、特に精密な比重制御が必要とされ
る血清分離剤。 【解決手段】1つの重合性二重結合を有する単量体A
(例えば下記式(1)の化合物)と、1つの重合性二重
結合を有する単量体B(下記式(2)の化合物)からな
り、0.820〜2.200g/cm3 (25℃)の一
定比重に制御した数平均分子量が10,000〜20
0,000であって、50℃における粘度が1,000
〜1,000,000cpsである液状樹脂。 CH2 =C(R1 )COO(Cn 2nO)m 3 (1) (式中、R1 はHまたはCH3 、R3 はH、アルキル基
またはフェニル基、nは1〜3の整数、mは1〜20の
整数) CH2 =C(R1 )COO−R2 (2) (式中、R1 はHまたはCH3 、R2 はアルキル基)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の流動体の混
合物からなる流動体を比重の差で分離せしめる際にセパ
レータ(隔壁)材料として用いることができる比重を制
御した液状樹脂に関する。さらに詳しくは、人、牛、ネ
ズミなどの血液試料を血清または血漿部分と凝塊部分に
分離する際のセパレータ材料、重油と海水を分離する際
のセパレータ材料または、細胞磨砕液から無細胞抽出液
を分離する際のセパレータ材料、さらには液状試料を外
気から遮断するための封止剤などとして使用できる比重
を制御した液状樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の流動体の混合物からなる様々な流
動体を各成分の比重差で分離せしめる方法としては、デ
カンテーション法や遠心分離法に始まり様々な方法が知
られている。しかしながら分離した後の各成分の単離法
としては分液ロート、ピペットなどによる分取が主に用
いられ、その効率化、簡便化が望まれていた。特に、現
代における医療診断や処置に不可欠である血液成分の化
学分析においては、血清または血漿を全血から効率よく
且つ正確に分離するための種々の試みが行なわれた。そ
のような試みの代表的な例として、上層を形成するであ
ろう血清または血漿の比重より大きな比重を有し、且
つ、下層を形成するであろう血球より小さな比重を有す
るセパレータ材料の存在下で遠心分離することが実用化
されてきた。この方法の実用化により、上層の血清また
は血漿層をピペットを使用することなくデカンテーショ
ンにより容易に且つ正確に分取することが可能となっ
た。
【0003】このような方法における、セパレータ材料
としては、固体状(例えは粉末、ペレット、ビーズ)と
液体状のものに大別される。しかしながら、固体状セパ
レータ材料は分離機能が充分ではなく、そのため血清ま
たは血漿の若干の損失は避け難く、その上固体状セパレ
ータ材料と管壁間の隙間から血球が溢出して、臨床検査
に悪影響をもたらす場合が多い。更に衝撃あるいは不自
然な動きを与えると、形成された隔壁が破壊されるため
移動時には十分注意を要する。これに対し、液体状セパ
レータ材料は、その使用によって上記固体状セパレータ
材料の欠点が解消されるため、シリコン樹脂系、ポリエ
ステル樹脂系、アクリル樹脂系などの液状樹脂を用いた
セパレータが実用化されつつある。これらの液状樹脂
は、適正な比重と粘度を有するものは、そのままで使用
され、チキソトロピック性を付与したい場合、あるいは
適正な比重と粘度を有しない場合は、シリカ、ベントン
等を液状樹脂に分散して用いることもある。これらの液
状樹脂は、その分離機能は優れているもののその一部が
油状となって(以下油分と称する)血清表面あるいは血
清中に混入する場合があるという欠点を有している。こ
の油分は、デカンテーションにより血清の層に混入し、
分析機器や分析データそのものにトラブルを生じさせ
る。この問題点を解消するために、アルキル(メタ)ア
クリレートと二官能性ビニル化合物との共重合体により
液体状セパレータを得ようとする試みもされているが
(特開昭59−6872)、二官能性の単量体を使用し
ているため分子量分布が広くなりやすく、適正な粘度や
比重を持たせるための反応制御が困難であるという欠点
がある。また、ポリオレフィンを塩素化することにより
比重を制御する方法もあるが、ポリマー化後の処理であ
るがゆえに均質な比重を有する液状樹脂は得られにく
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題を解決するために、鋭意研究を進めた結果、特定な比
重および構造を有する単官能モノマーを組み合わせるこ
とにより、目的とする比重と粘度に制御した液状共重合
体が簡便に得られることを見いだし本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の流動体
の混合物からなる流動体を比重の差で分離せしめる際に
セパレータ(隔壁)材料として用いることができる比重
を制御した液状樹脂に関する。
【0006】即ち本発明は、1.000〜2.000g
/cm3 (25℃)の比重であり1つの重合性二重結合
を有する単量体Aと、0.800〜0.999g/cm
3 (25℃)の比重であり1つの重合性二重結合を有す
る単量体Bからなり、0.820〜2.200g/cm
3 (25℃)の一定比重に制御した数平均分子量が1
0,000〜200,000であって、50℃における
粘度が1,000〜1,000,000cpsである液
状樹脂に関する。
【0007】本発明は、単量体A/単量体B=1:99
〜99:1(重量比)である上記の液状樹脂に関する。
本発明は、単量体Aおよび単量体Bがそれぞれ下記式
(1)および(2)で示されることを特徴とする上記液
状樹脂に関する。 CH2 =C(R1 )COO(Cn 2nO)m 3 (1) (式中、R1 は水素原子またはCH3 、R3 は水素原
子、炭素数1〜5のアルキル基または置換されてもよい
フェニル基、nは1〜3の整数、mは1〜20の整数を
それぞれ表す。) CH2 =C(R1 )COO−R2 (2) (式中、R1 は水素原子またはCH3 、R2 は炭素数4
〜22のアルキル基をそれぞれ表す。) 本発明は、分子量分布(Mw/Mn)が、1.0〜4.
5であることを特徴とする上記液状樹脂に関する。
【0008】さらに本発明は、25℃における比重が
1.030〜1.080g/cm3 であり、血液試料
を、血清または血漿部分と、凝塊部分に分離するための
上記液状樹脂に関する。
【0009】本発明において単量体Aは、得られる共重
合体の比重の上限を決定するための構成成分として使用
される。斯る単量体Aは、25℃において1.000〜
2.000g/cm3 、好ましくは1.050〜1.5
00の比重を有し、1つの重合性二重結合を有する単量
体であり、例えばビニルベンジルクロリド(1.074
g/cm3 )、ビニルブロミド(1.517g/c
3 )、ビニルクロリド(1.253g/cm3 )、2
−(パーフルオロヘキシル)エチルメタアクリレート
(1.496g/cm3 )、2−(パーフルオロヘキシ
ル)エチルアクリレート(1.554g/cm3 )、2
−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート(1.
64g/cm3 )などのハロゲン系ビニル化合物、ビニ
ルイミダゾール(1.039g/cm3 )などの不飽和
複素環系ビニル化合物、ビニルベンゾエート(1.07
0g/cm3 )、(メタ)アクリレート系化合物などの
エステル系ビニル化合物などを挙げることができる。こ
れらのうち一般式(A)で表される(メタ)アクリレー
ト系化合物を用いると、好ましい粘度を有する液状樹脂
を得ることができる。
【0010】一般式(1)で示されるポリ(アルキレ
ン)オキシ基誘導体としては、例えば、テトラエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシ
テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−
ブトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、n−ペンタキシテトラエチレングリコール(メタ)
アクリレート、テトラプロピレングリコール(メタ)ア
クリレート、メトキシテトラプロピレングリコール(メ
タ)アクリレート、エトキシテトラプロピレングリコー
ル(メタ)アクリレート、プロポキシテトラプロピレン
グリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシテトラ
プロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ペン
タキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メ
トキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート
など比重1.01〜1.10g/cm3 の化合物また
は、
【0011】フェノキシテトラエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラプロピ
レングリコール(メタ)アクリレートなど比重1.10
〜1.15g/cm3 の化合物があり、中でも1〜2
0、好ましくは3〜16の繰り返し単位であるポリオキ
シアルキレン鎖を有するアクリレートまたは対応するメ
タアクリレートを使用することにより効果的に共重合体
の粘度を下げることができる。粘度低下を目的とする場
合にはアクリレート、単量体の皮膚刺激性などの毒性が
問題になる場合にはメタクリレー系の単量体を用いるこ
とが好ましい。繰り返し単位が2以下の場合、液状の樹
脂が得られにくい上に単量体自体の皮膚刺激性が高いた
め好ましくなく、また17、特に21以上になると反応
性重合度が上がりにくいため未反応の単量体が残留し易
いこと、液状樹脂が得られにくいこと、さらには血清分
離剤として使用する場合には血液中のタンパク質との相
互作用が無視できなくなることなどから高い配合比で用
いることは好ましくない。
【0012】本発明において、単量体Bは、得られる共
重合体の比重の下限を決定するための構成成分として使
用される。斯る単量体Bは、25℃での比重が0.80
0〜0.999g/cm3 、好ましくは0.850〜
0.950であり、1つの重合性二重結合を有する単量
体であり、例えばビニルシクロペンタン(0.704g
/cm3 )、ビニルシクロヘキサン(0.832g/c
3 )などの脂環式ビニル化合物、ビニルドデカノエー
ト(0.886g/cm3 )、ビニル2−エチルヘキサ
ノエート(0.875g/cm3 )、ビニルアセテート
(0.934g/cm3 )などのビニルアルキレート系
化合物、または(メタ)アクリレート系化合物などを挙
げることができる。これらのうち一般式(2)で表され
る(メタ)アクリレート系化合物を用いると、好ましい
粘度を有する液状樹脂を得ることができる。
【0013】一般式(2)で示される単量体Bとして
は、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)ア
クリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル
(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アク
リレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル
(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレー
ト、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル
(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレ
ート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシ
ル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレ
ート、イコシル(メタ)アクリレート、ヘンイコシル
(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート
など比重0.80〜0.90g/cm3 の炭素数4〜2
2のアルキル(メタ)アクリレートがあり、中でも炭素
数4〜18のアルキル基を有するアクリレートまたは対
応するメタクリレートが好ましい。粘度低下を目的とす
る場合にはアクリレート、単量体の皮膚刺激性などの毒
性が問題になる場合にはメタクリレート系の単量体を用
いることが好ましい。炭素数が3以下では液状の樹脂が
得られにくい上、単量体自体の皮膚刺激性が高く、また
炭素数が19、特に23以上になると重合度が上がりに
くいため未反応の単量体が残留し易いこと、側鎖の結晶
化が進むため得られる液状樹脂の粘度が高くなり易くな
ることなどから高い配合比で用いることは好ましくな
い。
【0014】本発明において使用される単量体Aおよび
単量体Bの配合比としては、重量比で単量体A/単量体
B=1:99〜99:1好ましくは、10:90〜9
0:10である。どちらか一方の成分がこれより少ない
配合比で共重合体の比重を制御することは誤差が生じ易
いため好ましくない。
【0015】一定比重を有する単量体から得られるポリ
マーの比重は、単量体の構造や分子量によって異なる
が、一般的には(ポリマー比重)/(単量体比重)=
1.01〜1.10の範囲である。そこで、本発明にお
いて制御できる共重合体の比重の範囲は、25℃で、
0.820〜2.200g/cm3 、好ましくは0.8
50〜1.500である。これより低い比重を有する共
重合体を得るには分子量を低下させなければならないた
め油分の発生につながり好ましくなく、またこれより高
い比重を有する共重合体を得るのはかなり高い比率で塩
素化合物を配合しなければならなく、塩素化合物の不安
定性を考慮すると好ましくない。
【0016】本発明において得られる液状樹脂の50℃
における粘度は1,000〜1,000,000cps
好ましくは、2,000〜500,000cpsであ
る。これより小さい場合にはデカンテーションの際分離
層が破壊しやすいため好ましくなく、またこれより大き
い場合には分離層の形成性や浮上性が悪く、さらには分
離管への充填も困難になるため好ましくない。
【0017】本発明の液状樹脂は、共重合体の数平均分
子量が10,000〜200,000、好ましくは1
5,000〜150,000である。数平均分子量は上
記数値より小さくなると、比重に及ぼす分子量の影響が
無視できないことから比重の制御が困難になり、これよ
り大きくなると、粘度が高くなり、分離の際の浮上性が
悪くなるため好ましくない。本発明において得られる共
重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜4.
5、好ましくは1.0〜4.0である。分子量分布がこ
れより大きい場合には、低分子量物の含有量が多く油分
の原因にもなる他、比重に及ぼす分子量の影響が無視で
きなくなるため比重の制御が困難になり好ましくない。
【0018】本発明の液状樹脂は、上記単量体の混合物
をラジカル重合開始剤の存在下、溶媒中に溶解するか、
単量体の混合物を滴下する方法によりラジカル重合法で
製造することができる。ラジカル重合開始剤としては、
過酸化ベンゾイル、t−ブチルペルオキシド、クメンヒ
ドロペルオキシド、過酸化ラウロイル、また有機過酸化
物(大成社、「架橋剤ハンドブック」、p520〜53
5、第2刷)に記載の過酸化物、アゾビスイソブチロニ
トリル、アゾビスシクロヘキサンニトリルなどのアゾ化
合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫
酸系開始剤など既知の化合物を使用することができる。
【0019】使用する溶剤としては、酢酸エチル、トル
エン、メチルエチルケトン、ベンゼン、ジオキサン、n
−プロパノール、メタノール、イソプロパノール、テト
ラヒドロフラン、n−ブタノール、sec−ブタノー
ル、tert−ブタノール、イソブタノール、メチルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エ
チルカルビトール、メチルセロソルブアセテート、エチ
ルセロソルブアセテート、ダイアセトンアルコール、水
などをあげることができる。本発明において、合成時に
用いた溶剤は合成後に沈澱精製、必要に応じて減圧、加
温下などの適当な条件下におけるエバポレーション、ま
たは薄膜蒸留装置などによる留去などの方法により除く
ことで液状樹脂とすることができる。また、本発明にお
いて得られる25℃における比重が1.030〜1.0
80g/cm3 、であり、50℃における粘度が1,0
00〜1,000,000cpsである液状の共重合体
は、血液試料を血清または、血漿部分と凝塊部分に分離
するための液状樹脂として用いることができる。
【0020】本発明において、目的とする比重や粘度は
単量体の組成比により制御できるが、粘性調節剤等を加
えることにより、静置時の流動を防止したり、分離層の
強度を増加することができる。斯る粘性調節剤として
は、例えばシリカ、硫酸バリウム、アルミナ、炭酸カル
シウム、タルク、雲母の他有機ゲル化剤等を挙げること
ができる。さらに、これらの粘性調節剤を加える場合、
分散の安定化をはかるためシランカップリング剤、チタ
ンカップリング剤等を添加することもできる。これらの
粘性調節剤等を共重合体に加える時期としては、合成時
の溶媒、重合後の重合溶液、溶媒除去後の液状樹脂のい
ずれでもよいが、溶媒を除去する前の方が、脱泡と脱溶
剤が同時に行なわれるためコスト的に好ましい。また、
分散機としては、ニーダー、ロールミル、3本ロール、
マーラー、ボールミル、ホモジナイザー等を挙げること
ができる。
【0021】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。例中、
%とあるのは重量%を示す。
【0022】合成例、実施例、比較例で使用した以下の
化合物の略号を記す。 ◎単量体A PEG9MA:メトキシポリエチレングリコール#40
0メタクリレート(新中村化学工業(株)M−90G) (モノマー比重)=1.080g/cm3 AMP−60G:フェノキシポリエチレングリコールア
クリレート(新中村化学工業(株)AMP−60G) (モノマー比重)=1.118g/cm3 VBC:ビニルベンジルクロリド (モノマー比重)=1.074g/cm3 ◎単量体B BA:ブチルアクリレート (モノマー比重)=0.899g/cm3 LA:ラウリルアクリレート (モノマー比重)=0.875g/cm3 EHA:2−エチルヘキシルアクリレート (モノマー比重)=0.885g/cm3
【0023】本実施例における数平均分子量、粘度、お
よび比重の測定方法を以下に示す。 1)数平均分子量:ゲル透過クロマトグラフィー(東ソ
ー(株)製 SC−8020)におけるスチレン換算値
を採用した。また、分子量分布(Mw/Mn)は、同測
定機器において得られる値を採用した。 2)粘度:レオメータ(レオメトリクス社製:RDS−
II、RFS−II)定常粘度測定法による、ズリ速度
1/secの値を採用した。 3)比重:試験管(8mmφ)に1gの液状樹脂と、2
5℃で0.001g/cm3 間隔で調製した硫酸銅比重
液5mlをそれぞれ入れ、遠心分離装置により25℃、
3,000rpmで20分間遠心分離した後における液
状樹脂の浮き沈みで比重を判定した。
【0024】(実施例1〜20)液状樹脂の合成と物性
測定 撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、及びコンデンサ
ーを備えた500ミリリットル四つ口丸底フラスコに、
表1に示した組成で化合物を配合し、アゾビスイソブチ
ロニトリル(AIBN)を開始剤(全モノマー仕込み量
に対し1重量%)とし、酢酸エチル溶媒中(モノマー仕
込み時の濃度:33重量%)で、4時間還流させた後A
IBNをさらに0.1重量%添加し、さらに2時間加熱
撹拌を継続した。反応終了後、得られた重合体溶液から
エバポレーターにより(<10mmHg、75℃、5時
間)溶媒を留去し粘稠な液状樹脂を得た。得られた樹脂
の数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、
比重、および粘度(25℃、50℃)の測定結果を表1
に示す。
【0025】 表1 液状樹脂の組成と物性測定結果 ─────────────────────────────────── Mn 粘度 比重 実施例 組成 ():Mw/Mn (50 ゜C)/cps (25 ゜C) ─────────────────────────────────── 1 LA:AMP60G = 90:10 1.27E4 (3.79) 5600 0.938 2 80:20 1.36E4 (3.58) 5430 0.968 3 70:30 1.32E4 (3.54) 5680 0.991 4 56:44 1.40E4 (3.72) 7000 1.025 5 55:45 1.36E4 (3.47) 7200 1.027 6 54:46 1.48E4 (3.28) 8600 1.030 7 53:47 1.75E4 (3.86) 10810 1.032 8 40:60 1.35E4 (3.76) 12110 1.064 9 30:70 1.33E4 (3.73) 16350 1.088 10 10:90 1.35E4 (3.17) 21370 1.130 11 EHA:AMP60G = 55:45 1.69E4 (4.17) 81500 1.056 12 65:35 1.90E4 (3.24) 72000 1.053 13 BA:AMP60 =55:45 1.33E4 (3.98) 69540 1.074 14 LA:EHA:AMP60G=40:22:38 2.40E4 (2.36) 20370 1.035 15 35:27:38 1.67E4 (3.05) 15140 1.035 16 30:30:40 1.74E4 (2.98) 17130 1.035 17 LA:PEG9MA = 50:50 1.23E4 (2.13) 3400 1.036 18 EHA:PEG9MA = 50:50 1.28E4 (2.22) 4700 1.041 19 LA:VBC = 50:50 2.17E4 (3.18) 78200 1.023 20 EHA:VBC = 50:50 2.57E4 (3.31) 89000 1.025 ───────────────────────────────────
【0026】(実施例21〜24)実施例7、14〜1
6で得られた液状樹脂100部にベントン38(REE
OX,Inc製)を2.5部を加え、3本ロールで十分
分散を行なった後、真空脱気したもの1.5gを直径1
2mmの採血管底部に充填したものを常温および40℃
で1ヶ月間保存後、各採血管に6ml採血し、さらに約
30分静置した後2500回転で10分間遠心分離を行
なった。
【0027】(実施例25〜28)実施例7、14〜1
6で得られる脱溶剤前の重合溶液にベントンSD2(R
EEOX,Inc製)を樹脂固形分100部に対して
2.5部になるように加え、一晩放置後ホモジナイザー
で分散を十分に行なった後、70℃で脱溶剤したもの
1.5gを直径12mmの採血管底部に充填し、常温お
よび40℃で1ヶ月間保存後、各採血管に6ml採血
し、さらに約30分静置した後、25℃、2500回転
で10分間遠心分離を行なった。
【0028】(実施例29)実施例16で得られた液状
樹脂1.5gを直径12mmの採血管底部に充填したも
のを常温および40℃で1ヶ月間保存後、各採血管に6
ml採血し、約30分静置した後、25℃、2500回
転で10分間遠心分離を行なった。
【0029】 表2 血清分離試験結果 ─────────────────────────────────── (分離層の厚さ/mm) ( 血清表面の浮遊物)*1 (デカンテーション難易)*2 実施例 常温保存 40 ℃保存 常温保存 40 ℃保存 常温保存 40 ℃保存 ─────────────────────────────────── 21 8 8 − − ○ ○ 22 7 7 − − ○ ○ 23 8 8 − − ○ ○ 24 7 7 − − ○ ○ 25 11 11 − − ○ ○ 26 8 8 − − ○ ○ 27 10 10 − − ○ ○ 28 9 9 − − ○ ○ 29 12 12 − − ○ ○ ─────────────────────────────────── *1:血清表層への油分の発現の有無:−発現無し、×発現あり *2:○分離層が流動せず汚染のない血清を容易に分離できる ×分離層が流動し、汚染のない血清を容易に分離できない
【0030】
【発明の効果】本発明により、複数の流動体の混合物か
らなる流動体を比重の差で分離せしめる際にセパレータ
材料として用いることができる比重を制御した液状樹
脂、特に精密な比重制御が必要とされる血液試料を血清
または血漿部分と凝塊部分に分離する際のセパレータ材
料が簡便に提供できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1.000〜2.000g/cm3 (2
    5℃)の比重であり1つの重合性二重結合を有する単量
    体Aと、0.800〜0.999g/cm3 (25℃)
    の比重であり1つの重合性二重結合を有する単量体Bか
    らなり、0.820〜2.200g/cm3 (25℃)
    の一定比重に制御した数平均分子量が10,000〜2
    00,000であって、50℃における粘度が1,00
    0〜1,000,000cpsである液状樹脂。
  2. 【請求項2】 単量体A/単量体B=1:99〜99:
    1(重量比)である請求項1記載の液状樹脂。
  3. 【請求項3】 単量体Aおよび単量体Bがそれぞれ下記
    (1)式および(2)式で示されることを特徴とする請
    求項1または2記載の液状樹脂。 CH2 =C(R1 )COO(Cn 2nO)m 3 (1) (式中、R1 は水素原子またはCH3 、R3 は水素原
    子、炭素数1〜5のアルキル基または置換されてもよい
    フェニル基、nは1〜3の整数、mは1〜20の整数を
    それぞれ表す。) CH2 =C(R1 )COO−R2 (2) (式中、R1 は水素原子またはCH3 、R2 は炭素数4
    〜22のアルキル基をそれぞれ表す。)
  4. 【請求項4】 分子量分布(Mw/Mn)が、1.0〜
    4.5であることを特徴とする請求項1ないし3記載の
    液状樹脂。
  5. 【請求項5】 25℃における比重が1.030〜1.
    080g/cm3 であり、血液試料を、血清または血漿
    部分と、凝塊部分に分離するための請求項1ないし4記
    載の液状樹脂。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7090970B2 (en) 2001-12-04 2006-08-15 Sekisui Chemical Co., Ltd. Composition for blood serum or plasma separation and vessel for blood examination containing the same

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