JP4510146B2 - 建設機械の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械の製造方法に関し、特に、上部旋回体にキャノピまたはキャブが選択的に設けられる建設機械の製造方法に関する。
一般に、油圧ショベル等の建設機械は、自走可能な下部走行体と、下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体とにより大略構成され、上部旋回体の前部側に設けられた作業装置によって土砂の掘削作業等を行なうものである。
そして、油圧ショベルの上部旋回体は、下部走行体上に旋回装置を介して旋回可能に取付けられた支持構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレームに設けられ運転席を上方から覆うキャノピまたは運転室を画成するキャブと、エンジン、油圧ポンプ等の機器類を覆う外装カバーと、旋回フレームの後部側に設けられ作業装置との重量バランスをとるカウンタウエイトとにより大略構成されている。
ここで、例えば市街地等の狭い作業現場での掘削作業に好適に用いられる小旋回型の油圧ショベルは、上部旋回体を旋回させたときに、運転席に着席したオペレータにとって目視しにくいカウンタウエイトの後面等が周囲の障害物に衝突するのを防ぐため、カウンタウエイト等を予め定めた旋回半径の仮想円内に収めると共に、旋回フレームの外周側を前記仮想円に沿って円弧状に形成している。
ところで、この種の小旋回型油圧ショベルには、通常、運転席を上方から覆うキャノピを備えたキャノピ仕様の機種と、運転席の周囲を取囲み内部に運転室を画成するキャブを備えたキャブ仕様の機種とがあり、これらキャノピ仕様の油圧ショベルとキャブ仕様の油圧ショベルとでは、旋回フレームの形状が異なっている。
即ち、キャブ仕様の油圧ショベルに用いられる旋回フレームは、略四角形の箱状に形成されたキャブの左前角隅部等が旋回フレームの外周側から食み出さないように、通常、キャノピ仕様の油圧ショベルに用いられる旋回フレームよりも大きく形成されている。
このように、キャノピ仕様の油圧ショベルとキャブ仕様の油圧ショベルとでは、上部旋回体のベースとなる旋回フレームの構造が異なるため、例えばキャノピ仕様の油圧ショベルの組立時に、この油圧ショベルをキャブ仕様に変更するといった急な仕様変更に迅速に対応することができないという問題がある。
これに対し、キャノピ仕様の旋回フレームの主要部とキャブ仕様の旋回フレームの主要部とを共通化した共通フレームを備え、この共通フレームに対し、キャノピ仕様のガードフレームとキャブ仕様のガードフレームのうち一方のガードフレームを選択的に取付けることにより、キャノピ仕様からキャブ仕様への仕様変更、あるいはキャブ仕様からキャノピ仕様への仕様変更を迅速に行うことができるようにした油圧ショベルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−76455号公報
しかし、上述した特許文献1による従来技術は、キャノピ仕様の旋回フレームの主要部とキャブ仕様の旋回フレームの主要部とを共通化した共通フレームに対し、互いに異なる形状を有するキャノピ仕様のガードフレームとキャブ仕様のガードフレームのうち一方のガードフレームを選択して取付ける構成となっている。
従って、キャノピ仕様の旋回フレームを形成するときには、共通フレームとキャノピ仕様のガードフレームとが必要となり、キャブ仕様の旋回フレームを形成するときには、共通フレームとキャブ仕様のガードフレームとが必要となるため、キャノピ仕様かキャブ仕様かに応じて2種類のガードフレームを使い分けなければならず、部品点数が増加する上に、部品管理が煩雑化してしまうという問題がある。
本発明は、キャノピ仕様の旋回フレームの主要部とキャブ仕様の旋回フレームの主要部との共通化を図り、キャノピ仕様の機種とキャブ仕様の機種との間で仕様変更を容易に行なうことができるようにした建設機械の製造方法を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため本発明は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体とからなり、前記上部旋回体は、支持構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレームに設けられ運転席を上方から覆うキャノピまたは運転室を画成するキャブとにより構成し、前記旋回フレームは、前記キャノピが設けられるキャノピ仕様の旋回フレームと前記キャブが設けられるキャブ仕様の旋回フレームとに共通に用いられ、前記上部旋回体の旋回中心を中心としてほぼ円形状に形成された共通フレームを有し、該共通フレームは、前部側に作業装置が取付けられるセンタフレームと、該センタフレームの左側から前側にかけて設けられる左サイドフレームと、前記センタフレームの右側から前側にかけて設けられる右サイドフレームとにより構成してなる建設機械に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する建設機械の製造方法の特徴は、前記旋回フレームをキャブ仕様とする場合に、前記キャブの左前角隅部の取付スペースを拡大するため前記共通フレームのうち前記左サイドフレームの左前角隅部のみにガード部材を取付ける構成とし、該ガード部材は、左,右方向に延びて前記左サイドフレームの左前角隅部に取付けられる取付部と、該取付部から前記左サイドフレームの外周側よりも外側に突出して後方に向け屈曲して形成された突出部とにより略L字状に形成されていることにある。
請求項2の発明は、キャブは左前角隅部が前記上部旋回体の旋回半径から食み出した状態で前記キャブ仕様の旋回フレーム上に設ける構成とし、前記ガード部材の前記突出部により前記上部旋回体の旋回半径から食み出した前記キャブの左前角隅部を保護する構成としたことにある。
請求項3の発明は、前記ガード部材の取付部は、前記左サイドフレームの左前角隅部に締結部材を用いて着脱可能に取付ける構成としたことにある。
請求項1の発明によれば、キャノピ仕様の旋回フレームとキャブ仕様の旋回フレームとに共通に用いられる共通フレームを用意し、この共通フレームにガード部材を取付けるか否かによって、キャノピ仕様とキャブ仕様との2種類の旋回フレームを作り分けることができる。そして、キャブ仕様の旋回フレームに対しては、前記共通フレームのうち左サイドフレームの左前角隅部のみにガード部材を取付けることにより、キャブの左前角隅部の取付スペースを拡大することができ、旋回フレームからキャブが食み出さないようにすることができる。これにより、建設機械をキャノピ仕様からキャブ仕様に変更する仕様変更、あるいはキャブ仕様からキャノピ仕様に変更する仕様変更を迅速に行うことができ、生産性を大幅に高めることができる。また、キャノピ仕様とキャブ仕様との2種類の旋回フレームを、共通フレームとガード部材とによって形成することができるので、これら2種類の旋回フレームに用いられる部品点数を削減し、部品管理や工数管理を簡略化することにより、製造コストの低減にも寄与することができる。
請求項2の発明によれば、上部旋回体の旋回動作時等において、旋回半径から食み出したキャブの左前角隅部が周囲の障害物に衝突しようとしたときに、この旋回半径から食み出したキャブの左前角隅部に先立ってガード部材の突出部が障害物に衝突することにより、キャブを障害物から保護することができる。
請求項3の発明によれば、キャノピ仕様の旋回フレームからキャブ仕様の旋回フレームへの仕様変更は、共通フレームの左サイドフレームにガード部材の取付部を締結部材を用いて取付けるだけで容易に行なうことができる。一方、キャブ仕様の旋回フレームからキャノピ仕様の旋回フレームへの仕様変更は、共通フレームの左サイドフレームからガード部材を取外すだけで容易に行なうことができる。

以下、本発明に係る建設機械の実施の形態について、小旋回型の油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図21を参照しつつ詳細に説明する。
ここで、図1ないし図11は本発明の第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、オフセット式の作業装置を備えたキャノピ仕様の油圧ショベルと、同じくオフセット式の作業装置を備えたキャブ仕様の油圧ショベルとを例示している。
まず、オフセット式の作業装置を備えたキャノピ仕様の油圧ショベルについて、図1ないし図5を参照して説明する。
図中、1はキャノピ仕様の小旋回型油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とにより大略構成され、上部旋回体3の前部側には、後述するオフセット式の作業装置8が設けられている。
ここで、上部旋回体3は、支持構造体をなす後述の旋回フレーム11と、該旋回フレーム11上に設けられオペレータが着席する運転席4と、該運転席4の上方および右側方を覆うキャノピ5と、エンジン、油圧ポンプ等の機器類(図示せず)を覆う外装カバー6と、旋回フレーム11の後端部に設けられ作業装置8との重量バランスをとるカウンタウエイト7とにより構成されている。
この場合、図2に示すように、上部旋回体3の旋回中心をOとし、旋回中心Oからカウンタウエイト7の後端面7Aまでの距離によって規定される旋回半径をRとすると、上部旋回体3は、旋回中心Oを中心とした旋回半径Rの仮想円C内に収まるように、上方からみて略円形状に形成されている。
また、キャノピ5は、運転席4と作業装置8との間に立設され運転席4を右側方から覆う側壁部5Aと、該側壁部5Aの上端側から左側に延び運転席4を上方から覆う天蓋部5Bとにより構成されている。そして、キャノピ5の天蓋部5Bは、図2に示すように、上部旋回体3の旋回中心Oを中心とした旋回半径Rの仮想円C内に収まる構成となっている。
また、カウンタウエイト7は、旋回半径Rの仮想円C内に収まるように円弧状に湾曲して左,右方向に延びる凸湾曲形状をなし、鋳造手段等によって一体形成されている。そして、カウンタウエイト7の上側部位は、外装カバー6とほぼ同一面を形成し、該外装カバー6と共にエンジン等の機器類(図示せず)を後方から覆っている。また、カウンタウエイト7の下側部位には、重量を増加させるために後方に向けて円弧状に張出した張出し部7Bが設けられ、この張出し部7Bの後端面7Aによって上部旋回体3の旋回半径Rが規定されている。
このように、上部旋回体3は、キャノピ5、カウンタウエイト7を旋回半径Rの仮想円C内に収めることにより小旋回型の油圧ショベル1を実現し、市街地等の狭い作業現場で旋回動作を行なった場合でも、キャノピ5、カウンタウエイト7等が周囲の障害物に衝突するのを防止できる構成となっている。
8は上部旋回体3の前部側に設けられたオフセット式の作業装置で、該作業装置8は、基端側が旋回フレーム11に俯仰動可能に取付けられたロアブーム8Aと、該ロアブーム8Aの先端側に左,右方向に揺動可能に取付けられたアッパブーム8Bと、該アッパブーム8Bの先端側に左,右方向に揺動可能に取付けられたアーム支持部材8Cと、該アーム支持部材8Cの先端側に回動可能に取付けられたアーム8Dと、該アーム8Dの先端側に回動可能に取付けられたバケット8Eと、ロアブーム8Aとアーム支持部材8Cとの間を連結するリンク8Fと、ブームシリンダ8G、オフセットシリンダ8H、アームシリンダ8I、バケットシリンダ8Jとにより構成されている。
そして、作業装置8は、オフセットシリンダ8Hを伸縮させることによりアーム8Dをロアブーム8Aに対して左,右方向に平行移動させ、この状態でロアブーム8Aを俯仰動させつつアーム8D、バケット8Eを回動させることにより、側溝等の掘削作業を行なうものである。
11は上部旋回体3のベースとなるキャノピ仕様の旋回フレームで、該旋回フレーム11は、図3ないし図5に示すように、後述の共通フレーム12のみ(単体)によって構成されるものである。この場合、共通フレーム12は、それ単体ではキャノピ仕様の旋回フレーム11を構成し、図8および図9に示す後述のガード部材42を取付けたときには、このガード部材42と共に後述するキャブ仕様の旋回フレーム41を構成するものである。
12はキャノピ仕様の旋回フレーム11を構成する共通フレームで、該共通フレーム12は、後述のセンタフレーム13、左サイドフレーム22、右サイドフレーム23等により強固な支持構造体として構成されている。そして、共通フレーム12は、図2に示す上部旋回体3の旋回中心Oを中心とした仮想円C内に収まるように、上方からみてほぼ円形状に形成されている。
13は共通フレーム12の中央部分を構成するセンタフレームで、該センタフレーム13は、後述の底板14、左前縦板15、右前縦板16、横板18、左後縦板19、右後縦板20、ウエイト取付板21等により構成されている。
14はセンタフレーム13のベースとなる底板で、該底板14は、厚肉な鋼板等を用いて前,後方向に延びる略長方形状に形成されている。そして、底板14の前部側上面には、左前縦板15と右前縦板16とが立設され、これら左,右の前縦板15,16は、左,右方向で一定の間隔をもって対面しつつ前,後方向に延びている。
ここで、左,右の前縦板15,16は、図5に示すように、底板14から上方に突出する山形状をなし、これら各前縦板15,16の上端側は、作業装置8のロアブーム8Aが取付けられるブームブラケット部15A,16Aとなっている。また、左,右の前縦板15,16間は補強用の連結板17によって連結され、該連結板17には、作業装置8のブームシリンダ8Gが取付けられるシリンダブラケット17Aが設けられている。
18は各前縦板15,16の後端側に位置して底板14の中央部上面に立設された横板で、該横板18は、左,右の前縦板15,16の後端部に溶接等によって固着されることにより両者間を連結している。そして、横板18は、底板14から後述の左サイドフレーム22に向けて左,右方向に延びている。
19,20は横板18の後側に位置して底板14の後部側上面に立設された左,右の後縦板で、これら左後縦板19と右後縦板20とは、左,右の前縦板15,16の間隔よりも大きな間隔をもって左,右方向で対面しつつ前,後方向に延びている。ここで、左,右の後縦板19,20の前端部は、横板18に溶接等によって固着されることにより、該横板18を介して連結されている。そして、左,右の後縦板19,20上には、エンジン(図示せず)が左,右方向に延びる横置き状態で搭載される構成となっている。
21は左,右の後縦板19,20間に位置して底板14の後端部に設けられたウエイト取付板で、該ウエイト取付板21は、カウンタウエイト7がボルト等を用いて取付けられるものである。
22はセンタフレーム13の左側に設けられた左サイドフレームで、該左サイドフレーム22は、図2に示す旋回中心Oを中心とした旋回半径Rの仮想円C内に収まるように円弧状に湾曲して前,後方向に延びる左曲げ枠部22Aと、該左曲げ枠部22Aの前端側からセンタフレーム13の左前縦板15に向けて左,右方向に延びる左前枠部22Bと、これら左曲げ枠部22Aと左前枠部22Bとの間を接続する左コーナ部22Cとにより構成されている。
ここで、左曲げ枠部22Aと左前枠部22Bとは、略D字状の断面形状を有する中空な筒体(パイプ材)を用いて形成されている。そして、左曲げ枠部22Aの長さ方向中間部は、センタフレーム13を構成する横板18の左端部に溶接等によって接合され、左前枠部22Bの右端部は、センタフレーム13の左前縦板15に溶接等によって接合されている。
23はセンタフレーム13の右側に設けられた右サイドフレームで、該右サイドフレーム23も、図2に示す旋回中心Oを中心とした旋回半径Rの仮想円C内に収まるように円弧状に湾曲して前,後方向に延びる右曲げ枠部23Aと、該右曲げ枠部23Aの前端側からセンタフレーム13の右前縦板16に向けて左,右方向に延びる右前枠部23Bと、これら右曲げ枠部23Aと右前枠部23Bとの間を接続する右コーナ部23Cとにより構成されている。
ここで、右曲げ枠部23Aと右前枠部23Bとは、略D字状の断面形状を有するパイプ材を用いて形成されている。そして、右曲げ枠部23Aの長さ方向中間部は、左,右方向に延びる複数の横梁24を介してセンタフレーム13の底板14に連結され、右前枠部23Bの左端部は、センタフレーム13の右前縦板16に溶接等によって接合されている。
25は左サイドフレーム22を構成する左前枠部22B等の上方に複数のブラケット26を用いて取付けられたフロア支持板で、該フロア支持板25は、センタフレーム13の左前縦板15から左前枠部22Bに沿って左,右方向に延びている。そして、フロア支持板25とセンタフレーム13の横板18との間には、運転席4に着席するオペレータの足場となるフロア(図示せず)が設けられる構成となっている。
27はフロア支持板25と上,下方向で対面するように左サイドフレーム22の前部側に設けられたガード部材取付板で、該ガード部材取付板27は、左サイドフレーム22を構成する左曲げ枠部22Aの前端側、左前枠部22B、左コーナ部22Cの下面側に溶接等によって固着され、左,右方向に延びている。そして、ガード部材取付板27のうち左コーナ部22Cの近傍部位には、後述のガード部材42を取付けるための2個のボルト孔(雌ねじ孔)27Aが螺設されている。
図1および図2に示すキャノピ仕様の油圧ショベル1は、上述の如き共通フレーム12のみ(単体)によって構成されたキャノピ仕様の旋回フレーム11を有するもので、該油圧ショベル1は、下部走行体2上で上部旋回体3を旋回させつつ、オフセット式の作業装置8を用いて側溝等の掘削作業を行なう。
この場合、図2に示すように、上部旋回体3のキャノピ5、カウンタウエイト7等は、旋回中心Oを中心とした旋回半径Rの仮想円C内に収められているので、例えば市街地等の狭い作業現場で上部旋回体3の旋回動作を行なった場合でも、キャノピ5、カウンタウエイト7等が周囲の障害物に衝突するのを防止することができる。
次に、オフセット式の作業装置を備えたキャブ仕様の油圧ショベルについて、図6ないし図11を参照して説明する。なお、このキャブ仕様の油圧ショベルのうち、上述したキャノピ仕様の油圧ショベル1と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、31はキャブ仕様の小旋回型油圧ショベルで、該油圧ショベル31は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体32とにより大略構成され、上部旋回体32の前部側にはオフセット式の作業装置8が設けられている。
ここで、上部旋回体32は、後述の旋回フレーム41と、該旋回フレーム41上に設けられオペレータが着席する運転席4と、該運転席4を収容する運転室を画成したキャブ33と、エンジン、油圧ポンプ等の機器類(図示せず)を覆う外装カバー6と、旋回フレーム41の後端部に設けられ作業装置8との重量バランスをとるカウンタウエイト7とにより構成されている。
ここで、キャブ33は、図6および図7に示すように、前面部33A、後面部33B、左側面部33C、右側面部33D、上面部33E等によって囲まれた箱状に形成され、その内部に運転席4を収容する運転室を画成するものである。
この場合、図7に示すように、上部旋回体32は、旋回中心Oを中心とした旋回半径Rの仮想円C内に収まるように、上方からみて略円形状に形成されている。しかし、キャブ33は、運転室内におけるオペレータの作業スペースを大きく確保するため、前面部33Aと左側面部33Cとが交わる左前角隅部33Fが、上述の仮想円Cから径方向外側に食み出す構成となっている。
このため、キャブ仕様の油圧ショベル31は、上部旋回体32の旋回動作時にキャブ33の左前角隅部33Fが周囲の障害物と衝突するのを防止するため、後述する旋回フレーム41の形状を、キャノピ仕様の旋回フレーム11とは異ならせる構成となっている。
41は上部旋回体32のベースとなるキャブ仕様の旋回フレームで、該旋回フレーム41は、図8および図9に示すように、キャノピ仕様の旋回フレーム11を構成する共通フレーム12と、該共通フレーム12に取付けられた後述のガード部材42とにより構成されている。
42はキャブ仕様の旋回フレーム41の場合にのみ共通フレーム12に取付けられるガード部材で、該ガード部材42は、図8ないし図11に示すように、後述の取付部43と突出部44とにより構成され、共通フレーム12を構成する左サイドフレーム22の左前角隅部に取付けられている。
43は後述の突出部44と共にガード部材42を構成する取付部で、該取付部43は、鋼板等を用いて左,右方向に延びる長方形の平板状に形成されている。ここで、取付部43には、左サイドフレーム22に設けられたガード部材取付板27の各ボルト孔27Aに対応する2個のボルト挿通孔43Aが穿設されている。そして、取付部43は、ボルト挿通孔43Aに挿通した締結部材としてのボルト45をガード部材取付板27のボルト孔27Aに螺着することにより、左サイドフレーム22の左前角隅部に固定されるものである。
44は取付部43に溶接用の手段を用いて一体に固着された突出部で、該突出部44は、例えば鋳鋼材等により略L字状に屈曲した中実な棒状体として形成され、図11に示すように、下面側が円弧状に湾曲した略D字状の断面形状をもって形成されている。そして、突出部44は、図7および図8に示すように、左サイドフレーム22の外周側から旋回半径Rの径方向外側に突出し、この旋回半径Rの仮想円Cから食み出したキャブ33の左前角隅部33Fを下側から保護する構成となっている。
このように、左サイドフレーム22の左前角隅部にガード部材42を設けることにより、上部旋回体32の旋回動作時に、旋回中心Oを中心とする旋回半径Rの仮想円Cから食み出したキャブ33の左前角隅部33Fが、周囲の障害物に衝突しようとしたときに、ガード部材42の突出部44が、キャブ33の左前角隅部33Fに先立って障害物に衝突することにより、キャブ33を障害物から保護することができる構成となっている。
また、ガード部材42を、ボルト45を用いて左サイドフレーム22の左前角隅部に着脱可能に取付けることにより、例えばガード部材42が障害物と衝突して変形、破損等を生じた場合でも、新たなガード部材42を左サイドフレーム22に交換して取付けることにより、キャブ仕様の旋回フレーム41を迅速かつ容易に修復できる構成となっている。
図6および図7に示すキャブ仕様の油圧ショベル31は、上述の如く共通フレーム12とガード部材42とによって構成されたキャブ仕様の旋回フレーム41を有するもので、該油圧ショベル31は、下部走行体2上で上部旋回体32を旋回させつつ、オフセット式の作業装置8を用いて側溝等の掘削作業を行なう。
この場合、図7に示すように、キャブ33の左前角隅部33Fは、旋回中心Oを中心とした旋回半径Rの仮想円Cから食み出すものの、この左前角隅部33Fの下側には、旋回フレーム41を構成するガード部材42が配置されている。このため、例えば市街地等の狭い作業現場で上部旋回体32の旋回動作を行なうことにより、キャブ33の左前角隅部33Fが周囲の障害物に衝突しようとしたとしても、ガード部材42の突出部44が、キャブ33の左前角隅部33Fに先立って障害物に衝突することにより、キャブ33を障害物から保護することができる。
また、ガード部材42が障害物と衝突して変形、破損等を生じた場合でも、ボルト45を用いて新たなガード部材42を左サイドフレーム22に交換して取付けることにより、キャブ仕様の旋回フレーム41を迅速かつ容易に修復することができる。
そして、本実施の形態では、キャノピ仕様の旋回フレーム11を共通フレーム12のみによって構成し、キャブ仕様の旋回フレーム41を共通フレーム12とガード部材42とによって構成している。
これにより、例えばキャノピ仕様の油圧ショベル1の組立時に、この油圧ショベル1をキャブ仕様の油圧ショベル31に変更するといった急な仕様変更が生じた場合でも、キャノピ仕様の旋回フレーム11(共通フレーム12)に、ガード部材42を取付けるだけで、容易にキャブ仕様の旋回フレーム41を形成することができる。
また、これとは逆に、キャブ仕様の油圧ショベル31をキャノピ仕様の油圧ショベル1に変更するといった急な仕様変更が生じた場合でも、キャブ仕様の旋回フレーム41からガード部材42を取外すだけで、容易にキャノピ仕様の旋回フレーム11を形成することができる。
このように、本実施の形態によれば、キャノピ仕様の旋回フレーム11とキャブ仕様の旋回フレーム41とに共通して用いられる共通フレーム12を備え、キャブ仕様の旋回フレーム41の場合にのみ、共通フレーム12にガード部材42を取付ける構成としている。これにより、キャノピ仕様の旋回フレーム11の主要部とキャブ仕様の旋回フレーム41の主要部との共通化を図ることができ、キャノピ仕様の油圧ショベル1からキャブ仕様の油圧ショベル31への仕様変更、あるいはキャブ仕様の油圧ショベル31からキャノピ仕様の油圧ショベル1への仕様変更を迅速に行うことができ、生産性を大幅に高めることができる。
また、共通フレーム12に対してガード部材42を取付け、取外しするだけで、キャノピ仕様の旋回フレーム11とキャブ仕様の旋回フレーム41とを作り分けることができるので、これら2種類の旋回フレーム11,41を形成するために必要な部品点数を削減することができ、旋回フレーム11,41の部品管理や工数管理を簡略化し、製造コストの低減にも寄与することができる。
次に、図12ないし図19は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態では、スイング式の作業装置を備えたキャノピ仕様の油圧ショベルと、同じくスイング式の作業装置を備えたキャブ仕様の油圧ショベルとを例示している。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
まず、スイング式の作業装置を備えたキャノピ仕様の油圧ショベルについて、図12ないし図15を参照して説明する。
図中、51はキャノピ仕様の小旋回型油圧ショベルで、該油圧ショベル51は、自走可能な下部走行体52と、該下部走行体52上に旋回可能に搭載された上部旋回体53とにより大略構成され、上部旋回体53の前部側には、後述するスイング式の作業装置58が設けられている。
ここで、上部旋回体53は、後述の旋回フレーム61と、該旋回フレーム61上に設けられオペレータが着席する運転席54と、該運転席54の上方を覆うキャノピ55と、エンジン、油圧ポンプ等の機器類(図示せず)を覆う外装カバー56と、旋回フレーム61の後端部に設けられ作業装置58との重量バランスをとるカウンタウエイト57とにより構成されている。
この場合、図13に示すように、上部旋回体53の旋回中心をOとし、旋回中心Oからカウンタウエイト57の後端面57Aまでの距離によって規定される旋回半径をRとすると、上部旋回体53は、旋回中心Oを中心とした旋回半径Rの仮想円C内に収まるように、上方からみて略円形状に形成されている。
また、キャノピ55は、運転席54の周囲に立設された複数本の支柱55Aと、該各支柱55Aによって支持され運転席54を上方から覆う天蓋部55Bとにより構成されている。そして、キャノピ55の天蓋部55Bは、図13に示すように、上部旋回体53の旋回中心Oを中心とした旋回半径Rの仮想円C内に収まる構成となっている。
また、カウンタウエイト57は、旋回半径Rの仮想円C内に収まるように円弧状に湾曲して左,右方向に延びる凸湾曲形状をなし、鋳造手段等によって一体形成されている。そして、カウンタウエイト57は、外装カバー56とほぼ同一面を形成し、該外装カバー56と共にエンジン等の機器類(図示せず)を後方から覆っている。
58は上部旋回体53の前部側に設けられたスイング式の作業装置で、該作業装置58は、後述の旋回フレーム61に左,右方向に揺動可能に取付けられたスイングポスト58Aと、該スイングポスト58Aに俯仰動可能に取付けられたブーム58Bと、該ブーム58Bの先端側に回動可能に取付けられたアーム58Cと、該アーム58Cの先端側に回動可能に取付けられたバケット58Dと、スイングシリンダ58E、ブームシリンダ58F、アームシリンダ58G、バケットシリンダ58Hとにより構成されている。
そして、作業装置58は、スイングシリンダ58Eを伸縮させることによりブーム58Bを左,右方向に揺動させ、この状態でブーム58Bを俯仰動させつつアーム58C、バケット58Dを回動させることにより掘削作業を行なうものである。
61は上部旋回体53のベースとなるキャノピ仕様の旋回フレームで、該旋回フレーム61は、図14および図15に示すように、後述の共通フレーム62のみ(単体)によって構成されるものである。この場合、共通フレーム62は、それ単体ではキャノピ仕様の旋回フレーム61を構成し、図18および図19に示す如くガード部材42を取付けたときには、このガード部材42と共に後述するキャブ仕様の旋回フレーム91を構成するものである。
62はキャノピ仕様の旋回フレーム61を構成する共通フレームで、該共通フレーム62は、後述のセンタフレーム63、左サイドフレーム70、右サイドフレーム71等により強固な支持構造体として構成されている。そして、共通フレーム62は、図13に示す上部旋回体53の旋回中心Oを中心とした仮想円C内に収まるように、上方からみてほぼ円形状に形成されている。
63は共通フレーム62の中央部分を構成するセンタフレームで、該センタフレーム63は、厚肉な鋼板等を用いて平板状に形成され前,後方向に延びた底板64と、該底板64の上面側に立設され前,後方向に延びた左縦板65および右縦板66と、底板64の前,後方向の中間部に位置して該底板64上に立設され左,右方向に延びた横板67とにより大略構成されている。
ここで、左縦板65は、横板67よりも前側に位置する左前縦板65Aと、横板67よりも後側に位置する左後縦板65Bとにより構成され、右縦板66は、横板67よりも前側に位置する右前縦板66Aと、横板67よりも後側に位置する右後縦板66Bとにより構成されている。
そして、左,右の前縦板65A,66Aは、横板67から前方に向けてほぼ「ハ」の字状に延び、左,右の前縦板65A,66Aの前端側には、上述のスイングポスト58Aを支持する段付き円筒状のスイングブラケット68が接合されている。一方、左,右の後縦板65B,66Bは、横板67から後方に向けてほぼ平行に延び、これら左,右の後縦板65B,66B上にはエンジン(図示せず)が搭載される構成となっている。
69は左,右の後縦板65B,66B間に位置して底板64の後端部に設けられたウエイト取付板で、該ウエイト取付板69は、カウンタウエイト57がボルト等を用いて取付けられるものである。
70はセンタフレーム63の左側に設けられた左サイドフレームで、該左サイドフレーム70は、図13に示す旋回中心Oを中心とした旋回半径Rの仮想円C内に収まるように円弧状に湾曲して前,後方向に延びる左曲げ枠部70Aと、該左曲げ枠部70Aの前端側からセンタフレーム63の左前縦板65Aに向けて左,右方向に延びる左前枠部70Bと、これら左曲げ枠部70Aと左前枠部70Bとの間を接続する左コーナ部70Cとにより構成されている。
ここで、左曲げ枠部70Aと左前枠部70Bとは、略D字状の断面形状を有するパイプ材を用いて形成されている。そして、左曲げ枠部70Aの長さ方向中間部は、横板67の左端部に溶接等によって接合され、左前枠部70Bの右端部は、左前縦板65Aに溶接等によって接合されている。
71はセンタフレーム63の右側に設けられた右サイドフレームで、該右サイドフレーム71も、図13に示す旋回中心Oを中心とした旋回半径Rの仮想円C内に収まるように円弧状に湾曲して前,後方向に延びる右曲げ枠部71Aと、該右曲げ枠部71Aの前端側からセンタフレーム63の右前縦板66Aに向けて左,右方向に延びる右前枠部71Bと、これら右曲げ枠部71Aと右前枠部71Bとの間を接続する右コーナ部71Cとにより構成されている。
ここで、右曲げ枠部71Aと右前枠部71Bとは、略D字状の断面形状を有するパイプ材を用いて形成されている。そして、右曲げ枠部71Aの長さ方向中間部は、左,右方向に延びる複数の横梁72を介して底板64に連結され、右前枠部71Bの左端部は、右前縦板66Aに溶接等によって接合されている。
73は左サイドフレーム70を構成する左前枠部70B等の上方に複数のブラケット74を用いて取付けられたフロア支持板で、該フロア支持板73は、センタフレーム63の左前縦板65Aから左前枠部70Bに沿って左,右方向に延びている。そして、フロア支持板73と横板67との間には、運転席54に着席するオペレータの足場となるフロア(図示せず)が設けられる構成となっている。
75はフロア支持板73と上,下方向で対面するように左サイドフレーム70の前部側に設けられたガード部材取付板で、該ガード部材取付板75は、左サイドフレーム70を構成する左曲げ枠部70Aの前端側、左前枠部70B、左コーナ部70Cの下面側に溶接等によって固着され、左,右方向に延びている。そして、ガード部材取付板75のうち左コーナ部70Cの近傍部位には、ガード部材42を取付けるための2個のボルト孔(雌ねじ孔)75Aが螺設されている。
図12および図13に示すキャノピ仕様の油圧ショベル51は、上述の如き共通フレーム62のみ(単体)によって構成されたキャノピ仕様の旋回フレーム61を有するもので、該油圧ショベル51は、下部走行体52上で上部旋回体53を旋回させつつ、スイング式の作業装置58を用いて掘削作業を行なう。
この場合、図13に示すように、上部旋回体53のキャノピ55、カウンタウエイト57等は、旋回中心Oを中心とした旋回半径Rの仮想円C内に収められているので、例えば市街地等の狭い作業現場で上部旋回体53の旋回動作を行なった場合でも、キャノピ55、カウンタウエイト57等が周囲の障害物に衝突するのを防止することができる。
次に、スイング式の作業装置を備えたキャブ仕様の油圧ショベルについて、図16ないし図19を参照して説明する。なお、このキャブ仕様の油圧ショベルのうち、上述したキャノピ仕様の油圧ショベル51と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、81はキャブ仕様の小旋回型油圧ショベルで、該油圧ショベル81は、自走可能な下部走行体52と、該下部走行体52上に旋回可能に搭載された上部旋回体82とにより大略構成され、上部旋回体82の前部側にはスイング式の作業装置58が設けられている。
ここで、上部旋回体82は、後述の旋回フレーム91と、オペレータが着席する運転席54と、該運転席54を収容する運転室を画成したキャブ83と、外装カバー56と、カウンタウエイト57とにより構成されている。そして、キャブ83は、前面部83A、後面部83B、左側面部83C、右側面部83D、上面部83E等によって囲まれた箱状に形成され、その内部に運転席54を収容する運転室を画成するものである。
この場合、図17に示すように、上部旋回体82は、旋回中心Oを中心とした旋回半径Rの仮想円C内に収まるように、上方からみて略円形状に形成されている。しかし、キャブ83のうち前面部83Aと左側面部83Cとが交わる左前角隅部83Fは、上述の仮想円Cから径方向外側に食み出す構成となっている。
このため、キャブ仕様の油圧ショベル81は、上部旋回体82の旋回動作時にキャブ83の左前角隅部83Fが周囲の障害物と衝突するのを防止するため、後述する旋回フレーム91の形状を、キャノピ仕様の旋回フレーム61とは異ならせる構成となっている。
91は上部旋回体82のベースとなるキャブ仕様の旋回フレームで、該旋回フレーム91は、図18および図19に示すように、キャノピ仕様の旋回フレーム61を構成する共通フレーム62と、共通フレーム62の左サイドフレーム70に取付けられたガード部材42とにより構成されている。
ここで、ガード部材42は、取付部43のボルト挿通孔43Aに挿通したボルト45を、左サイドフレーム70に設けたガード部材取付板75のボルト孔75Aに螺着することにより、左サイドフレーム70の左前角隅部に固定されるものである。これにより、ガード部材42の突出部44は、図17および図18に示すように、左サイドフレーム70の外周側から旋回半径Rの径方向外側に突出し、この旋回半径Rの仮想円Cから食み出したキャブ83の左前角隅部83Fを下側から保護する構成となっている。
図16および図17に示すキャブ仕様の油圧ショベル81は、上述の如く共通フレーム62とガード部材42とによって構成されたキャブ仕様の旋回フレーム91を有するもので、該油圧ショベル81は、下部走行体52上で上部旋回体82を旋回させつつ、スイング式の作業装置58を用いて掘削作業を行なう。
この場合、図17に示すように、キャブ83の左前角隅部83Fは、旋回中心Oを中心とした旋回半径Rの仮想円Cから食み出すものの、この左前角隅部83Fの下側には、旋回フレーム91を構成するガード部材42が配置されている。このため、例えば市街地等の狭い作業現場で上部旋回体82の旋回動作を行なうことにより、キャブ83の左前角隅部83Fが周囲の障害物に衝突しようとしたとしても、ガード部材42の突出部44が、キャブ83の左前角隅部83Fに先立って障害物に衝突することにより、キャブ83を障害物から保護することができる。
また、ガード部材42が障害物と衝突して変形、破損等を生じた場合でも、ボルト45を用いて新たなガード部材42を左サイドフレーム70に交換して取付けることにより、キャブ仕様の旋回フレーム91を迅速かつ容易に修復することができる。
そして、本実施の形態では、キャノピ仕様の旋回フレーム61を共通フレーム62のみによって構成し、キャブ仕様の旋回フレーム91を共通フレーム62とガード部材42とによって構成している。
このように、本実施の形態においても、キャノピ仕様の旋回フレーム61とキャブ仕様の旋回フレーム91とに共通に用いられる共通フレーム62を備え、キャブ仕様の旋回フレーム91の場合にのみ、共通フレーム62にガード部材42を取付ける構成としている。これにより、キャノピ仕様の油圧ショベル51からキャブ仕様の油圧ショベル81への仕様変更、あるいはキャブ仕様の油圧ショベル81からキャノピ仕様の油圧ショベル51への仕様変更を迅速に行うことができ、生産性を大幅に高めることができる。
なお、上述した各実施の形態では、ガード部材42を構成する突出部44を、下面側が円弧状に湾曲した略D字状の断面形状をもって形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図20に示す第1の変形例によるガード部材42′のように、突出部44′の下面側に、当該下面側から上面側に窪み前,後方向に延びる凹窪部44A′を設ける構成としてもよい。このガード部材42′を共通フレーム12の左サイドフレーム22に取付けた場合には、下部走行体2の履帯上面とガード部材42′の突出部44′との間に凹窪部44A′に対応した隙間を形成することができ、オペレータは、この隙間を利用して履帯上に足を掛け、キャブ33に容易に乗降することができる。
また、上述した各実施の形態では、ガード部材42を、ボルト45を用いて左サイドフレーム22の左前角隅部に取付けられる平板状の取付部43と、該取付部43に溶接によって固着された略L字状の突出部44とにより構成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図21に示す第2の変形例によるガード部材92のように、ボルト45用のボルト挿通孔93Aが穿設された取付部93と、左サイドフレーム22の外周側から突出する突出部94とを、鋳造手段によって一体形成する構成としてもよい。
また、上述した第1の実施の形態では、オフセット式の作業装置8を備えたキャノピ仕様の油圧ショベル1とキャブ仕様の油圧ショベル31とを例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばスイング動作を行なわないモノブーム式の作業装置を備えたキャノピ仕様の油圧ショベルとキャブ仕様の油圧ショベルにも適用することができる。
さらに、上述した各実施の形態では、建設機械としてクローラ式の下部走行体を備えた油圧ショベルを例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベル、油圧クレーン等の他の建設機械にも適用することができる。
本発明の第1の実施の形態によるオフセット式の作業装置を備えたキャノピ仕様の小旋回型油圧ショベルを示す正面図である。 キャノピ仕様の小旋回型油圧ショベルを示す平面図である。 キャノピ仕様の旋回フレームを示す平面図である。 キャノピ仕様の旋回フレームを下面側からみた下面図である。 キャノピ仕様の旋回フレームを示す斜視図である。 第1の実施の形態によるオフセット式の作業装置を備えたキャブ仕様の小旋回型油圧ショベルを示す正面図である。 キャブ仕様の小旋回型油圧ショベルを示す平面図である。 キャブ仕様の旋回フレームを示す平面図である。 キャブ仕様の旋回フレームを示す分解斜視図である。 図9中のガード部材を単体で示す斜視図である。 共通フレームとガード部材との取付状態を図8中の矢示XI−XI方向からみた拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態によるスイング式の作業装置を備えたキャノピ仕様の小旋回型油圧ショベルを示す正面図である。 キャノピ仕様の小旋回型油圧ショベルを示す平面図である。 キャノピ仕様の旋回フレームを示す斜視図である。 キャノピ仕様の旋回フレームを示す平面図である。 第2の実施の形態によるスイング式の作業装置を備えたキャブ仕様の小旋回型油圧ショベルを示す正面図である。 キャブ仕様の小旋回型油圧ショベルを示す平面図である。 キャブ仕様の旋回フレームを示す分解斜視図である。 キャブ仕様の旋回フレームを示す平面図である。 ガード部材の第1の変形例を示す図10と同様な斜視図である。 ガード部材の第2の変形例を示す図11と同様な拡大断面図である。
符号の説明
1,31,51,81 油圧ショベル
2,52 下部走行体
3,32,53,82 上部旋回体
4,54 運転席
5,55 キャノピ
8,58 作業装置
11,41,61,91 旋回フレーム
12,62 共通フレーム
13,63 センタフレーム
22,70 左サイドフレーム
23,71 右サイドフレーム
33,83 キャブ
33F,83F 左前角隅部
42,42′,92 ガード部材
43,93 取付部
44,44′,94 突出部
45 ボルト(締結部材)

Claims (3)

  1. 自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体とからなり、
    前記上部旋回体は、支持構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレームに設けられ運転席を上方から覆うキャノピまたは運転室を画成するキャブとにより構成し、
    前記旋回フレームは、前記キャノピが設けられるキャノピ仕様の旋回フレームと前記キャブが設けられるキャブ仕様の旋回フレームとに共通に用いられ、前記上部旋回体の旋回中心を中心としてほぼ円形状に形成された共通フレームを有し、
    該共通フレームは、前部側に作業装置が取付けられるセンタフレームと、該センタフレームの左側から前側にかけて設けられる左サイドフレームと、前記センタフレームの右側から前側にかけて設けられる右サイドフレームとにより構成してなる建設機械において、
    前記旋回フレームをキャブ仕様とする場合に、前記キャブの左前角隅部の取付スペースを拡大するため前記共通フレームのうち前記左サイドフレームの左前角隅部のみにガード部材を取付ける構成とし、
    該ガード部材は、左,右方向に延びて前記左サイドフレームの左前角隅部に取付けられる取付部と、該取付部から前記左サイドフレームの外周側よりも外側に突出して後方に向け屈曲して形成された突出部とにより略L字状に形成されていることを特徴とする建設機械の製造方法
  2. 前記キャブは左前角隅部が前記上部旋回体の旋回半径から食み出した状態で前記キャブ仕様の旋回フレーム上に設ける構成とし、前記ガード部材の前記突出部により前記上部旋回体の旋回半径から食み出した前記キャブの左前角隅部を保護する構成としてなる請求項1に記載の建設機械の製造方法
  3. 前記ガード部材の取付部は、前記左サイドフレームの左前角隅部に締結部材を用いて着脱可能に取付ける構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械の製造方法
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