JP4508277B2 - セラミック多層基板の製造方法 - Google Patents
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Description
Ceramics)技術は、グリーンシートと金属との一括焼成を可能にすることから、セラミックの層間に各種の受動素子を組み込んだ素子内蔵基板を具現できる。システム・オン・パッケージ(SOP)の実装技術においては、電子部品の複合化や表面実装部品に発生する寄生効果の最小化を図るため、この素子内蔵基板(以下単に、LTCC多層基板という。)に関わる製造方法が鋭意開発されている。
子102の集合体であるために、仮に溶媒や分散媒が蒸発した場合であっても、焼成工程によって焼成されるまでは高い流動性を持ち続ける。
ンシートの配線用の液状パターンにおいて、他のグリーンシートに描画した配線用の液状パターンが積層方向に重畳する場合に、その重なる領域の近傍にダミーの液状パターンをあわせて描画することが望ましい。
記描画する工程は、積層される前記各グリーンシートの配線用の液状パターンにおいて、他のグリーンシートに描画した配線用の液状パターンを積層方向に重畳させて、その重なる領域の近傍に前記配線用の液状パターンと同じ組成を有するダミーの液状パターンをあわせて描画する工程であって、前記ダミーの液状パターンは、前記配線用の液状パターンの乾燥した乾燥パターンの重なる領域が前記圧着体を形成する工程において受ける押圧力を該重なる領域の近傍に分散するような厚さを有し、且つ、該重なる領域とは反対側の端部が該押圧力によって変形するような幅を有することを特徴とする。
このセラミック多層基板の製造方法によれば、配線用の液状パターンの両側にダミーの液状パターンを描画したので、配線用の乾燥パターンの両側にダミーの乾燥パターンが形
成され、配線用の乾燥パターンとその両側のダミーの乾燥パターンにて相互にグリーンシートから受ける押圧力を分散して支持することができる。その結果、ダミーの乾燥パターンに挟まれて配設された配線用の乾燥パターンの変形を特に小さくすることができる。
このセラミック多層基板の製造方法によれば、各グリーンシートを加熱してダミーの液状パターンを描画する。従って、ダミーの液状パターンは、乾燥により増粘されて濡れ広がりが抑制される。その結果、配線用の液状パターンとダミーの液状パターンとの間隔の長さの精度をより向上させる事ができる。
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図8に従って説明する。図1は、本発明の製造方法を用いて製造したセラミック多層基板を有する回路モジュールの断面図である。
るグリーンシートに液状パターンを描画する描画工程(ステップS11)と、該液状パターンを乾燥する乾燥工程(ステップS12)とが順に実行される。また、LTCC多層基板11の製造方法では、複数のグリーンシートを積層して積層体を形成する積層工程(ステップS13)と、該積層体を減圧包装する減圧包装工程(ステップS14)と、積層体を圧着して圧着体を形成する圧着工程(ステップS15)と、該圧着体を焼成する焼成工程(ステップS16)とが順に実行される。
(描画工程)
図3において、描画工程では、積層シート20と、液滴吐出装置21とが用いられる。積層シート20は、キャリアフィルム22と、キャリアフィルム22に塗布されたグリーンシート23とを有する。
aの両側に描画されたダミーの液状パターンPLbとから構成されている。
(乾燥工程)
図5において、乾燥工程では、描画工程後の積層シート20が乾燥炉等の乾燥装置に搬入され、液状パターンPLを有する状態で少なくとも室温(20℃)よりも高い乾燥温度に加熱される。積層シート20の温度が乾燥温度であることから、液状パターンPLは、その乾燥をさらに促進させる。これによって、液状パターンPLの分散媒Ibの殆どが蒸発し、導電性微粒子Iaの集合体からなる乾燥パターンPDが描画面20aの上に形成される。
(積層工程)
図7において、積層工程では、複数のグリーンシート23を積層するためのベースプレート31が用いられる。ベースプレート31は、積層シート20と略同じサイズの剛性材料からなる板材であって、複数のグリーンシート23を位置決めする位置決めピン31Pと、複数のグリーンシート23を加熱するヒータ31Hとを有する。
リーンシート23に押圧される。この際、配線用の乾燥パターンPDaの両側にダミーの乾燥パターンPDbがそれぞれ配設されているため、配線用の乾燥パターンPDa及びダミーの乾燥パターンPDbは上下方向のグリーンシート23からの上記押圧力を双方に分散することができる。それゆえダミーの乾燥パターンPDaが無い場合に比べて配線用の乾燥パターンPDaへの押圧力が軽減されるために、配線用の乾燥パターンPDaが同押圧力により変形し難くなり、さらにはダミーの乾燥パターンPDbまでもがその押圧力により変形し難くなる。特に、配線用の乾燥パターンPDaは、その両側にダミーの乾燥パターンPDbが配設されることにより、その変形の度合いを効果的に縮小させることができる。
図8において、減圧包装工程では、カバープレート33と真空包装袋35とが用いられる。カバープレート33は、ベースプレート31と略同じサイズの剛性材料からなる板材であって、各位置決めピン31Pを挿通可能にする複数の挿通孔33hを有する。真空包装袋35は、ベースプレート31、カバープレート33、及び積層体32を封入可能な柔軟性を有する包装袋である。
(圧着工程)
圧着工程では、減圧包装後の積層体32が静水圧プレス装置に搬入され、該積層体32
に静水圧が加えられることによって圧着体が形成される。この際に、各乾燥パターンPD(配線用の乾燥パターンPDa及びダミーの乾燥パターンPDb)が上下方向のグリーンシート23に押圧されるものの、配線用の乾燥パターンPDa及びダミーの乾燥パターンPDbが上下方向のグリーンシート23からの押圧力を分散するためにその変形を抑制することができる。
(焼成工程)
焼成工程では、圧着工程で得られる圧着体がベースプレート31から取り出され、該圧着体が所定の焼成炉に搬入されて焼成温度にて焼成される。
(1)本実施形態によれば、配線用の液状パターンPLaの近傍にダミーの液状パターンPLbを描画した。従って、乾燥工程にて配線用の液状パターンPLaから形成された配線用の乾燥パターンPDaと、ダミーの液状パターンPLbから形成されたダミーの乾燥パターンPDbとは、積層工程、減圧包装工程及び圧着工程にて上下のグリーンシート23から受ける押圧力を相互に分散することができる。その結果、グリーンシート23の押圧による配線用の乾燥パターンPDa及びダミーの乾燥パターンPDbの変形を小さくすることができ、LTCC基板13に形成するパターンの加工精度を向上することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態について、主に図9〜図13に従って説明する。なお、図9〜図13において、先の第1の実施形態と同様の部材には同じ符号を付して示しており、その説明を割愛する。
(描画工程)
図9は、描画工程において液状パターンPLが形成された2つのグリーンシート23を示す。図9(a)に示すグリーンシート23(以下単に、第1シート23aという。)と、図9(b)に示すグリーンシート23(以下単に、第2シート23bという。)は、それぞれ別個の積層シート20に形成されたグリーンシート23である。
(乾燥工程)
乾燥工程では、乾燥パターンPDが描画面20aの上に凸形状に形成される。詳しくは、図10(a)及び(b)に示すように、乾燥工程では、第1の実施形態と同様に、配線
用の液状パターンPLaを乾燥させて配線用の乾燥パターンPDaが形成され、ダミーの液状パターンPLbを乾燥させてダミーの乾燥パターンPDbが形成される。すなわち、第1シート23a及び第2シート23bのそれぞれの描画面20a上には複数の配線用の乾燥パターンPDaと複数のダミーの乾燥パターンPDbがそれぞれ凸形状に形成される。また、配線用の乾燥パターンPDaと、その所定領域(重畳する領域)の両側に形成された各ダミーの乾燥パターンPDbとの間には、それぞれ幅DSの溝18が形成される。(積層工程)
図11において、積層工程では、複数のグリーンシート23が積層される。詳しくは、第1の実施形態と同様に、1層目の積層シート20がベースプレート31に位置決めされてから、2層目の積層シート20が、グリーンシート23(第2シート23b)を下にした状態でベースプレート31に載置される。2層目の積層シート20は、位置決めピン31Pが位置決め孔Hに挿通されることによって位置決めされ、キャリアフィルム22が剥離されることによって、2層目のグリーンシート23(第2シート23b)のみが1層目のグリーンシート23の上に積層される。
(減圧包装工程)
図13において、減圧包装工程では、真空封入された積層体32は、真空包装袋35、ベースプレート31、及びカバープレート33を介した大気圧を受けて圧着される。この際に、各層の各乾燥パターンPD(配線用の乾燥パターンPDa及びダミーの乾燥パターンPDb)が重なる部分では、各乾燥パターンPDが上下方向のグリーンシート23に押圧されるものの、配線用の乾燥パターンPDa及びダミーの乾燥パターンPDbがその押圧力を分散することにより同押圧力による自身の変形を抑えることができる。
(圧着工程)
圧着工程では、減圧包装後の積層体32が静水圧プレス装置に搬入され、該積層体32に静水圧が加えられることによって圧着体が形成される。この際に、各層の各乾燥パターンPD(配線用の乾燥パターンPDa及びダミーの乾燥パターンPDb)が重なる部分では、各乾燥パターンPDが上下方向のグリーンシート23に押圧されるものの、配線用の乾燥パターンPDa及びダミーの乾燥パターンPDbが押圧力を分散することにより自身の変形を抑制することができる。
(焼成工程)
焼成工程では、第1の実施形態と同様に、圧着工程で得られる圧着体がベースプレート31から取り出され、該圧着体が所定の焼成炉に搬入されて焼成温度にて焼成される。
ーの乾燥パターンPDbが形成される。従って、圧着体が形成されるときに、上記重畳する領域においては第2シート23bに形成された配線用の乾燥パターンPDaの厚みに応じた押圧力が第2シート23bから第1シート23aへ加えられるものの、その押圧力を配線用の乾燥パターンPDaと各ダミーの乾燥パターンPDbとに分散することができる。その結果、上記重畳する領域においては、第1シート23aと第2シート23bとの間で相互に作用する配線用の乾燥パターンPDaへの押圧力が各ダミーの乾燥パターンPDbへ分散されるために、それぞれの配線用の乾燥パターンPDaの変形を小さくすることができ、ひいてはLTCC基板13に形成するパターンの加工精度を向上できる。
・上記各実施形態では、ヒータ31Hを駆動することによって積層体32を加熱するが、これに限らず、積層体32を加熱しなくても良い。
Claims (7)
- 複数のグリーンシートの各々に導電性インクの液滴を吐出して前記各グリーンシートに前記導電性インクからなる液状パターンを描画する工程と、
前記各液状パターンを乾燥して乾燥パターンを形成する工程と、
前記乾燥パターンを有する前記各グリーンシートを積層して積層体を形成し、減圧包装した前記積層体に静水圧を加えることにより圧着体を形成する工程と、
前記圧着体を焼成してセラミック多層基板を形成する工程と
を有したセラミック多層基板の製造方法であって、
前記描画する工程は、
配線用の液状パターンを描画するとともに、該配線用の液状パターンの近傍に該配線用の液状パターンと同じ組成を有するダミーの液状パターンを描画する工程であって、
前記ダミーの液状パターンは、
前記配線用の液状パターンの乾燥した乾燥パターンが前記圧着体を形成する工程において受ける押圧力を該乾燥パターンの近傍に分散するような厚さを有し、且つ、該乾燥パターンとは反対側の端部が該押圧力によって変形するような幅を有することを特徴とするセラミック多層基板の製造方法。 - 請求項1に記載のセラミック多層基板の製造方法において、
前記描画する工程は、
積層される前記各グリーンシートの配線用の液状パターンにおいて、他のグリーンシートに描画した配線用の液状パターンが積層方向に重畳する場合に、その重なる領域の近傍にダミーの液状パターンをあわせて描画することを特徴とするセラミック多層基板の製造方法。 - 複数のグリーンシートの各々に導電性インクの液滴を吐出して前記各グリーンシートに前記導電性インクからなる液状パターンを描画する工程と、
前記各液状パターンを乾燥して乾燥パターンを形成する工程と、
前記乾燥パターンを有する前記各グリーンシートを積層して積層体を形成し、減圧包装した前記積層体に静水圧を加えることにより圧着体を形成する工程と、
前記圧着体を焼成してセラミック多層基板を形成する工程と
を有したセラミック多層基板の製造方法であって、
前記描画する工程は、
積層される前記各グリーンシートの配線用の液状パターンにおいて、他のグリーンシー
トに描画した配線用の液状パターンを積層方向に重畳させて、その重なる領域の近傍に前記配線用の液状パターンと同じ組成を有するダミーの液状パターンをあわせて描画する工程であって、
前記ダミーの液状パターンは、
前記配線用の液状パターンの乾燥した乾燥パターンの重なる領域が前記圧着体を形成する工程において受ける押圧力を該重なる領域に分散するような厚さを有し、且つ、該重なる領域とは反対側の端部が該押圧力によって変形するような幅を有することを特徴とするセラミック多層基板の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のセラミック多層基板の製造方法において、
前記描画する工程は、
前記圧着体を形成する工程にて前記配線用の液状パターンの乾燥した乾燥パターンと前記ダミーの液状パターンの乾燥した乾燥パターンとの間で前記グリーンシートが撓まないように、前記配線用の液状パターンと前記ダミーの液状パターンを描画することを特徴とするセラミック多層基板の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のセラミック多層基板の製造方法において、
前記描画する工程は、
前記配線用の液状パターンの両側に前記ダミーの液状パターンを描画することを特徴とするセラミック多層基板の製造方法。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のセラミック多層基板の製造方法において、
前記乾燥パターンを形成する工程は、
前記配線用の液状パターンを乾燥させて配線用の乾燥パターンを形成し、前記ダミーの液状パターンを乾燥させてダミーの乾燥パターンを形成する工程であり、
前記配線用の乾燥パターンと前記ダミーの乾燥パターンとは、前記圧着体を形成する工
程において前記積層体に静水圧を加えたときに、接触しないことを特徴とするセラミック多層基板の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載のセラミック多層基板の製造方法において、
前記描画する工程は、
前記各グリーンシートを加熱して前記ダミーの液状パターンを描画することを特徴とするセラミック多層基板の製造方法。
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