JP2005057139A - 多層配線基板とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 不必要な部分での導通を防止しつつ液滴吐出方式による低コスト化、短時間化を可能とする。
【解決手段】 基板の上方に空隙型受容層2を形成する工程と、受容層2上に導電膜形成成分を含む液状体22を液滴吐出方式により塗布する工程と、液状体22が塗布された受容層2を含む基板1を複数積層する工程と、積層した基板1を熱処理して導電膜形成成分により導電膜パターン4を形成する工程と、を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多層配線基板とその製造方法に関するものである。
多層配線基板、例えば低温焼結セラミック多層配線基板としては、アルミナ粉とシリカ粉の混合物にバインダーと溶剤を加えてシート状に形成した未焼成のセラミック基板、いわゆるグリーンシートに、スクリーン印刷などの方法を使って金属ペーストでパターンを形成し、その後、上下導通を取るためのビアホールを形成して金属ペーストで充填した後、このグリーンシートを多数枚(複数枚)それぞれ位置合わせした上で積層、圧着し、脱バインダー、焼結工程を経る製造方法で製造される。
ところが金属ペーストを用いるスクリーン印刷では、形成可能な最小線幅が50μm程度であり、また作成に時間がかかる印刷用のマスクを必要とするため、パターンの変更には迅速に対応できないという問題点がある。
そこで、特許文献1には、このようなスクリーン印刷による工程をインクジェット方式(液滴吐出方式)を用いることにより、低コスト化、短時間化に対応する技術が開示されている。
すなわち、特許文献1には、基板として未焼成のグリーンシートを用い、さらにグリーンシートに吸収されやすい有機分散媒に金属や抵抗体等の粉末を分散させたインクを用いて回路パターンを描画し、その後焼成することにより、インクジェット法ではインクが基板上で流れやすく濡れ拡がりやすいという課題を解決した電子回路を実現している。
また、近年ではインクジェット方式で用いられるインクは金属ナノ粒子を含んでおり、特許文献2にはこの種のインクが開示されている。
特開昭58−50795号公報 特開2002−164635号公報
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
グリーンシートに直接インクジェット方式で金属インクをパターン塗布した場合、インク中の有機分散媒だけでなく、金属微粒子までグリーンシートに吸収・浸透して、場合によってはシートの裏側にまで到達することがある。これはインクの粘度が低く、インクに含まれる金属微粒子の大きさがグリーンシートの平均的な孔径に比べて相当に小さいために生じるものである。このような状態で焼結を行うと、グリーンシートの表面と裏面とが意図しない箇所で導通することで、グリーンシートを重ねたときに不必要な部分で上下の層が導通してしまい、多層基板として機能しなくなる虞がある。スクリーン印刷用のペーストであれば、このような事態を招かないが、粘度が高く、粒子径も大きいためインクジェット方式でインクを塗布することは困難であり、上述した低コスト化、短時間化という効果を得ることができない。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、不必要な部分での導通を防止しつつ液滴吐出方式による低コスト化、短時間化を可能とする多層配線基板とその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の多層配線基板の製造方法は、基板の上方に空隙型受容層を形成する工程と、前記受容層上に導電膜形成成分を含む液状体を液滴吐出方式により塗布する工程と、前記液状体が塗布された受容層を含む基板を複数積層する工程と、積層した基板を熱処理して前記導電膜形成成分により導電膜パターンを形成する工程と、を有することを特徴とするものである。
従って、本発明では多層配線基板の製造の際、液滴吐出方式により液状体を塗布することにより、低コスト化、短時間化に対応することができる。また、受容層上に、導電性微粒子や有機金属化合物等の導電膜形成成分を含有する液状体を液滴吐出方式によってグリーンシート等の多孔質基板に塗布すると、液分は受容層から基板に染み込むが、導電膜形成成分は受容層に残ることから、基板の上下層間での不必要な導通を防止することが可能になる。
また、本発明では、液状体が横に拡がることを受容層が抑えるため、より幅の細い配線を形成することも可能にする。
基板としては、未焼成セラミック基板を採用することができる。
また、受容層を形成する工程としては、材質または構造の異なる複数の層を形成する工程からなるのが好ましい。
このようにすれば、液分のみを透過させる層と液分を吸収させる層を別々に形成することが可能になり、効率的に導電膜形成成分のみを残すことができる。
受容層を形成する工程の後でかつ前記液状体を塗布する工程の前に、前記受容層表面が前記液状体に対して撥液性となるように表面処理を行う工程を備えてなるのが好ましい。
このようにすれば、液状体が受容層に吸収される前に広がってしまうことを防ぐことができ、より微細な導電膜パターンを形成することができる。
また、この発明においては、前記受容層が、多孔性シリカ粒子、アルミナ、アルミナ水和物のうちの少なくとも一つとバインダーとを含む多孔質層であるのが好ましい。
このようにすれば、多孔性シリカ粒子、アルミナ、アルミナ水和物のうちの少なくとも一つを含有する多孔質層が、その粒子間などに形成される微小空隙に液分を速やかに吸い込むことから、この多孔質層からなる受容層上に導電膜形成成分が選択的に残るようになる。
着弾後の液滴が互いに接するように吐出を行った場合には、部分的に重ね塗りを行うことができるため好ましい。
また、前記液状体を前記受容層上に塗布する工程を、複数回繰り返して重ね塗りすることが好ましい。
このようにすれば、受容層上には導電膜形成成分が選択的に残され、液分がほとんど残っていないことから、乾燥工程を経ることなく直接重ね塗りを行うことが可能になり、したがって導電膜パターンの厚膜化をより効率よく行うことができる。
また、本発明においては、前記液状体を前記受容層上、又は前記受容層上と前記受容層中とに設ける工程を繰り返す間に、前記導電膜形成成分が互いに結合しない温度での熱処理工程を有するのが好ましい。
このようにすれば、熱処理を行うことによって受容層上にある前記液状体中の液分をより速やかに受容層中に移行させ、あるいは蒸発させて受容層から脱離させることができ、またすでに受容層中に移行した液分についてもその一部を蒸発させ、受容層から脱離させることができる。
前記基板に、複数の層間で前記導電性パターンを導通させる導体ポストを形成する工程を有することにより、各層に形成された配線を導通状態とすることができる。
前記導体ポストを液滴吐出方式により形成した場合には、導体ポストを形成するうえで、フォトリソグラフィ、エッチング及び穴あけ工程が不要となるので、多層配線基板の製造工程を単純なものにすることができ、製造装置の小型化、製造期間の短縮化及び製造コストの低減化が可能となる。
また、このような方法によれば、導体ポストを形成するうえで、マスクが不要となるので、例えば、CADデータから直接導体ポストを形成することが可能となり、設計から完成までの期間が短縮され、設計変更にも容易に対応できるようになる。
また、本発明の多層配線基板は、上記の多層配線基板の製造方法により形成された導電膜パターンを配線として有することを特徴としている。
これにより、本発明では基板の上下層間での不必要な導通が防止された導電性パターンを低コストおよび短時間で製造することが可能になる。
以下、本発明の多層配線基板とその製造方法の実施の形態を、図1ないし図3を参照して説明する。
まず、本発明に係る多層配線基板の製造方法について説明する。
この製造方法は、多孔質性の基板を形成する工程と、基板の上方に微小空隙型の受容層を形成する工程と、導電膜形成成分を含有する液状体を、液滴吐出法によって前記基板の受容層上、又は受容層上と受容層中とに設ける(塗布する)工程と、基板の所定位置にスルーホールを設け金属材料を充填する工程と、基板を複数枚積層する工程と、前記受容層上、又は受容層上と受容層中の液状体を熱処理して導電性膜形成成分を接触させ、この導電膜形成成分からなる導電膜パターンを形成する工程と、を備えた方法である。
(多孔質基板形成工程)
多孔質基板形成工程においては、多孔質性の未焼成セラミック基板、いわゆるグリーンシートを形成する。この工程では、原料となるホウケイ酸ガラス粉末、アルミナ及びフォルステライト粉末を所定量(例えばホウケイ酸ガラス;40wt%、アルミナ;35wt%及びフォルステライト;25wt%)混合し、これに溶剤、有機バインダー可塑剤を加えてスラリー化し、ドクターブレード法により厚さ100μmのグリーンシートをベースプレート上に形成する。
なお、ガラス−アルミナ成分系に対する添加物としては、フォルステライトの他に、エンスタタイト(MgO・SiO)、スピネル(MgO・Al)、シリカ(SiO)、コーデェライト(2MgO・2Al・5SiO)、マグネシア(MgO)等も使用可能であるが、焼結性を向上させる点からフォルステライトが好ましく、また添加量については、25wt%とすることが相対密度を高くする点から好ましい。
また、グリーンシートとしては、上記のガラスセラミック系以外にも、結晶化ガラスとアルミナ、或いは他のセラミックとの複合系、セラミック単相系、アルミナへの添加物系などを用いてもよい。
(受容層形成工程)
この工程では、グリーンシートの片面全面に微小空隙型の受容層を形成する。
具体的には、まず、図1(a)に示すように基板としてのグリーンシート1上に微小空隙型の受容層2を形成する。
受容層2の形成については、多孔性シリカ粒子、アルミナ、アルミナ水和物のうちの少なくとも一つと、バインダーとの混合物を塗布することにより、形成するのが好ましく、特にアルミナ、アルミナ水和物のうちの少なくとも一つと、多孔性シリカ粒子と、バインダーとの混合物を塗布して形成するのが望ましい。
多孔性シリカ粒子としては、平均粒子直径が2〜50μm、平均細孔直径8〜50nm、細孔容積0.8〜2.5cc/g程度のものが好ましい。多孔性シリカ粒子は、20重量%以下のボリア、マグネシア、ジルコニア、チタニア等を含有するものであってもよい。
アルミナまたはアルミナ水和物としては、半径3〜10nmを有する細孔容積の和が0.2〜1.5cc/gを有する多孔質のアルミニウム酸化物やその含水物が挙げられる。細孔物性の測定手段としては、アルミナまたはアルミナ水和物の乾燥固形分が有する細孔の分布を、窒素吸着法(定流量法)により、例えばオミクロンテクノロジー社製オムニソープ100を使用して測定することができる。
そして、半径3〜10nmを有する細孔容積の和が、0.2〜1.5cc/gである場合はさらに好ましい。
また、これらアルミナまたはアルミナ水和物は、結晶質または非晶質のいずれでもよく、その形態としては不定形粒子、球状粒子等適宜な形態を用いることができる。アルミナゾルを用い、これを乾燥することによって得られるゲル状物は特に好適である。
このようなものの具体例として、凝ベーマイトが挙げられる。これは、本発明に用いられる物質として最適である。特に、ゾルを乾燥して得られる擬ベーマイトゾルが好ましい。
アルミナまたはアルミナ水和物の使用量は、多孔性シリカ粒子に対して5〜50重量%程度とするのが好ましい。
このような多孔性シリカ粒子及び/又はアルミナまたはアルミナ水和物に混合されるバインダーとしては、主にポリビニルアルコールが好適に用いられるが、その他、カチオン変成、アニオン変成、シラノール変成等の各種変成ポリビニルアルコール、デンプン誘導体およびその変成体、セルロース誘導体、スチレン−マレイン酸共重合体等を、適宜単独あるいは混合して使用することができる。
前記混合物の塗布方法としては、例えばエアナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、グラビアコーター、サイズプレス、スピンコート、液滴吐出法、スクリーン印刷等各種の方法を採用することができる。
塗布された混合物の中、溶剤及びバインダーはグリーンシート1に吸収される。
そして、このようにして多孔性シリカ粒子及び/又はアルミナまたはアルミナ水和物とバインダーとの混合物をグリーンシート1上に塗布したら、混合物中の液分を蒸発させ、バインダーを固化する目的で乾燥処理を行う。このような乾燥処理としては、シリカ粒子やアルミナ粒子が焼結されない温度、例えば50〜130℃程度の温度で加熱処理を行う方法や、減圧処理による方法、さらにはこれら加熱処理と減圧処理とを併用する方法などが採用可能である。このようにして乾燥処理がなされることにより、受容層2を構成する多孔性シリカ粒子またはアルミナまたはアルミナ水和物は、その粒子間などに微小空隙を形成する多孔質層となる。
また、前記のようにして形成される微小空隙形の多孔質層は、さらに材質や構造の異なる複数の層とすることもできる。例えば、多孔性シリカ粒子およびアルミナ水和物とバインダーとの混合物を前記のように塗布、乾燥処理を行なって多孔質層を形成した後、多孔性シリカ粒子およびアルミナとバインダーとの混合物を塗布、乾燥処理を行なうことにより、材質の異なる複数の層からなる受容層を形成することができる。
また、通常のインクジェット印刷で用いられる受容層の膜厚は10μm〜100μm程度であるが、導電性パターンを形成する場合にはより膜厚の小さいものが好ましい。この場合には、例えば、アルミナ、アルミナ水和物のうち少なくとも一つと、バインダーとの混合物を塗布するにあたり、さらに溶剤で希釈してから塗布したり、スピンコートによって塗布を行なえば、膜厚1μm以下の受容層を形成することができる(ここでは厚さ5μmとした)。
また、必要であれば、このような受容層を形成するにあたり、グリーンシートの全面に塗布するのではなく、必要な部分にのみ選択的に塗布することもできる。これは、例えばスクリーン印刷や、液滴吐出法による塗布を採用することで行なうことができる。また、場合によっては、全面に受容層を塗布した後、さらにレジスト塗布、露光、現像、エッチングを行なうことで不要な部分を除去してもよい。
さらに、前記のようにして形成した受容層の表面を、その上に配置する液状体に対して撥液性となるような表面処理を行なうこともできる。撥液性の表面処理を行なうには、例えばフルオロアルキルシランの単分子膜を形成すればよい。この単分子膜は、たとえば受容層表面に波長254nmの紫外線を10mW/cmで10分間照射して洗浄した4インチ角基板と、パーフルオロ、1、1、2、2、テトラヒドロデシルトリエトキシシラン0.1gとを容積10リットルの密閉容器に入れて、120℃にて2時間熱処理を行なうことによって形成される。このような撥液性の表面処理を行なうことにより、液状体の液部分が受容層に吸収される前に横方向に広がってしまうことを防止することができる。
(液滴吐出工程)
次に、図1(b)に示すように、導電膜形成成分を含む液状体を、液滴吐出法によって前記グリーンシート1の受容層2上の所定位置に設ける。
導電膜形成成分を含む液状体としては、導電性微粒子を分散媒に分散させた分散液を用いる。ここで用いられる導電性微粒子は、金、銀、銅、パラジウム、ニッケルの何れかを含有する金属微粒子の他、導電性ポリマーや超電導体の微粒子などが用いられる。
これら導電性微粒子については、分散性を向上させるためその表面に有機物などをコーティングして使うこともできる。導電性微粒子の表面にコーティングするコーティング剤としては、例えばキシレン、トルエン等の有機溶剤やクエン酸等が挙げられる。
導電性微粒子の粒径は1nm以上0.1μm以下であることが好ましい。0.1μmより大きいと、後述する液滴吐出装置のヘッドのノズルの目詰まりが起こりやすく、液滴吐出法による吐出が困難になるからである。また、1nmより小さいと、導電性微粒子に対するコーテイング剤の体積比が大きくなり、得られる膜中の有機物の割合が過多となるからである。
導電性微粒子を含有する液体の分散媒としては、室温での蒸気圧が0.001mmHg以上200mmHg以下(約0.133Pa以上26600Pa以下)であるものが好ましい。蒸気圧が200mmHgより高いと、吐出後に分散媒が急激に蒸発してしまい、良好な膜を形成することが困難となるからである。
また、分散媒の蒸気圧は0.001mmHg以上50mmHg以下(約0.133Pa以上6650Pa以下)であるのがより好ましい。蒸気圧が50mmHgより高いと、液滴吐出法で液滴を吐出する際に乾燥によるノズル詰まりが起こり易く、安定な吐出が困難になるからである。
一方、室温での蒸気圧が0.001mmHgより低い分散媒の場合には、乾燥が遅くなって膜中に分散媒が残留しやすくなり、後工程の熱及び/又は光処理後に良質の導電膜が得られにくくなる。
使用する分散媒としては、前記の導電性微粒子を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されない。そのような分散媒として、具体的には、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、更にプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を挙げることができる。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、また液滴吐出法への適用のし易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、さらに好ましい分散媒としては、水、炭化水素系化合物を挙げることができる。これらの分散媒は、単独でも、あるいは2種以上の混合物としても使用することができる。
前記導電性微粒子を分散媒に分散する場合の分散質濃度としては、1質量%以上80質量%以下とするのが好ましく、所望の導電膜の膜厚に応じて調整することができる。80質量%を超えると凝集をおこしやすくなり、均一な膜が得にくくなる。
このようにして調整された前記導電性微粒子を含有する液状体の表面張力としては、0.02N/m以上0.07N/m以下の範囲とするのが好ましい。液滴吐出法にて液状体を吐出する際、表面張力が0.02N/m未満であると、インク組成物のノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲りが生じ易くなり、0.07N/mを超えると、ノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないため、吐出量、吐出タイミングの制御が困難になるからである。
表面張力を調整するため、前記液状体には、受容層2との接触角を不当に低下させない範囲で、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節剤を微量添加することができる。ノニオン系表面張力調節剤は、液体の基板への濡れ性を良好化し、膜のレベリング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発生などの防止に役立つものである。
前記液状体は、必要に応じて、アルコール、エーテル、エステル、ケトン等の有機化合物を含んでいても差し支えない。
前記液状体の粘度は1mPa・s以上50mPa・s以下であるのが好ましい。液滴吐出法にて吐出する際、粘度が1mPa・sより小さい場合にはノズル周辺部がインクの流出により汚染されやすく、また粘度が50mPa・sより大きい場合は、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなり円滑な液滴の吐出が困難となるからである。
本実施の形態では、粒径10nmからなる金の微粒子をα−テルピネオールに分散させた金微粒子分散液(真空冶金社製、商品名「パーフェクトゴールド」)を導電性インクとして用いた。
このような導電性微粒子を含有する液状体を吐出する液滴吐出装置としては、図2(a)、(b)に示す液滴吐出ヘッド10を備えた装置が好適に用いられる。
ここで、液滴吐出ヘッド10は、図2(a)に示すように例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数の空間15と液溜まり16とが形成されている。各空間15と液溜まり16の内部はインクで満たされており、各空間15と液溜まり16とは供給口17を介して連通したものとなっている。また、ノズルプレート12には、空間15からインクを噴射するためのノズル孔18が一列に配列された状態で複数形成されている。一方、振動板13には、液溜まり16にインクを供給するための孔19が形成されている。
また、振動板13の空間15に対向する面と反対側の面上には、図2(b)に示すように圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21の間に位置し、通電するとこれが外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたものである。そして、このような構成のもとに圧電素子20が接合されている振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲するようになっており、これによって空間15の容積が増大するようになっている。したがって、空間15内に増大した容積分に相当するインクが、液溜まり16から供給口17を介して流入する。また、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。したがって、空間15も元の容積に戻ることから、空間15内部のインクの圧力が上昇し、ノズル孔18から基板に向けてインクの液滴(液状体)22が吐出される。
なお、液滴吐出ヘッド10の液滴吐出方式(インクジェット方式)としては、前記の圧電素子20を用いたピエゾジェットタイプ以外の、公知の方式のものを採用してもよい。
このような構成の液滴吐出ヘッド10を用いて、本例では図1(b)に示したように受容層2上の所定位置に液状体の液滴22を所望するパターン状、例えば形成する配線パターン形状に吐出する。このとき、特に限定されないものの、本例では液滴吐出ヘッド10からの液状体の吐出を、着弾後の液滴22aが、隣り合う液滴22aどうし互いに接するようにして行う。
このようにして液状体を受容層2上に吐出塗布すると、塗布された液状体中の液分、すなわち分散媒が受容層2に形成された微小空隙内に染み込み、図1(c)に示すように主に液状体中の導電性微粒子3は、グリーンシート1に浸透せずに受容層2上に微粒子の集合体(塊)となって残る。
このとき、図1(b)に示した液滴吐出ヘッド10からの吐出を、着弾後の液滴22aが互いに接するようにして行っているので、受容層2上に残った導電性微粒子3の集合体3aも、隣り合うものどうしが接するようようになる。これにより、結果として全ての集合体3aが連続して所望のパターン状、例えば形成する配線パターン形状のものとなる。
なお、液状体中に含有された導電性微粒子3にあっても、特にその粒径がより小さいものは、分散媒の液分とともに受容層2の微小空隙内に入り込むがグリーンシート1にまでは達しない。
(スルーホール形成・金属充填工程)
金属インクを塗布したグリーンシート1に対しては、パンチングマシンや金型プレス等を用いて所定位置にスルーホールを形成する。なお、スルーホールの形成は、レーザー照射により行ってもよい。
続いて、形成されたスルーホールに金属ペーストを充填する。金属充填方式としては、ディスペンサーやスクリーン印刷でもよいが、上述した金属インクを液滴吐出方式を用いて充填することがコスト削減、作業の短時間化の観点から好ましい。
(積層工程)
この後、図3に示すように、ベースプレートを取り除いたグリーンシート1(及び受容層2)を複数枚、位置を合わせて積層する。この後、必要であれば、他の受動部品の埋め込みを行う。そして、例えば100℃、100〜150kg/cmの圧力で熱圧着を行う。
図3におけるグリーンシート1上には受容層2を介して導電性パターン4(導電膜パターン)からなる配線31が形成され、さらにこの配線31上に同様の構成の絶縁層としてのグリーンシート(基板、未焼成セラミック基板)32、受容層33、配線34が形成されている。
配線31には、これの上に連続した状態で、上述したスルーホールに金属を充填した導電性のポスト(導体ポスト)35が形成されている。
ここで、上層の配線34の形成に際しては、その下側に形成されたポスト35を介して配線31に導通させるべく、該配線34の一部がポスト35の直上に位置するようにして形成する。すなわち、液滴吐出ヘッド10より液滴22をポスト35の直上位置に吐出し、配線34を形成するようにする。すると、前述したように吐出され着弾した液滴22aは、その導電性微粒子3の一部(より粒径の小さいもの)が受容層33に入り込み、ここに導電部36を形成する。したがって、形成された配線34は、その下側に形成された導電部36およびポスト35を介して、下層の配線31に導通したものとなる。
なお、図3においては、便宜上ポスト35の上を導電部36としたが、上層の受容層33中における配線34の直下位置は全て導電部となる。
また、図3では下層の配線31と上層の配線34とからなる2層配線としたが、配線34上にさらに絶縁層となるグリーンシート及びポスト、受容層、配線をこの順に積み上げることにより、3層以上の多層配線基板を形成することができる。
(熱処理工程)
続いて、400℃で脱バインダー処理を行い、さらに900℃で焼成することにより、セラミック多層配線基板を得ることができた。
なお、受容層2、33は、グリーンシート1、32と同様のアルミナまたはアルミナとシリカの混合物で構成されるため、焼成(焼結)後はグリーンシート1、32と一体となり、セラミック多層基板の一部を構成することになり密着力等が問題となることはない。
以上のように、本実施の形態では、グリーンシート上に形成した受容層に金属インクを塗布して導電膜パターンを配線しているので、金属インクの液分のみが受容層からグリーンシートに染み込み、膜形成成分である金属微粒子については受容層に残ることになりグリーンシートには達しない。そのため、グリーンシートを多層に積層した場合でも、不必要な部分で上下の層が導通してしまい、多層基板として機能しなくなることを防止しつつ、液滴吐出方式による低コスト化、短時間化という効果を得ることができる。
また、受容層は、金属インクが横に拡がることを抑えるため、より幅の細い配線を形成することも可能になる。
本発明の製造方法を工程順に説明するための要部側断面である。 液滴吐出ヘッドの概略構成を説明するための図である。 本発明の配線基板の一例を示す要部側断面図である。
符号の説明
1、32…グリーンシート(基板、未焼成セラミック基板)、2、33…受容層、4…導電膜パターン(導電性パターン)、22…液滴(液状体)、31、34…配線、35…ポスト(導体ポスト)

Claims (11)

  1. 基板の上方に空隙型受容層を形成する工程と、
    前記受容層上に導電膜形成成分を含む液状体を液滴吐出方式により塗布する工程と、
    前記液状体が塗布された受容層を含む基板を複数積層する工程と、
    積層した基板を熱処理して前記導電膜形成成分により導電膜パターンを形成する工程と、
    を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  2. 請求項1記載の多層配線基板の製造方法において、
    前記基板が未焼成セラミック基板であることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の多層配線基板の製造方法において、
    前記受容層を形成する工程は、材質または構造の異なる複数の層を形成する工程からなることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法において、
    前記受容層を形成する工程の後でかつ前記液状体を塗布する工程の前に、前記受容層表面が前記液状体に対して撥液性となるように表面処理を行う工程を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法において、
    前記受容層を、多孔性シリカ粒子、アルミナ、アルミナ水和物のうちの少なくとも一つとバインダーとの混合物を塗布することによって形成することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法において、
    前記液滴吐出方式による液状体の吐出を、着弾後の液滴が互いに接するように行うことを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法において、
    前記液状体を前記受容層上に塗布する工程を、複数回繰り返して重ね塗りすることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  8. 請求項7記載の多層配線基板の製造方法において、
    前記液状体を前記受容層上に塗布する工程を繰り返す間に、前記導電膜形成成分が互
    いに結合しない温度での熱処理工程を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法において、
    前記基板に、複数の層間で前記導電性パターンを導通させる導体ポストを形成する工程を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  10. 請求項9記載の多層配線基板の製造方法において、
    前記導体ポストを液滴吐出方式により形成することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法により形成された導電膜パターンを配線として有することを特徴とする多層配線基板。
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