JP2006073561A - 回路基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インクジェット法を用いて、回路基板上にしわの無い、層の厚さが比較的厚い絶縁層または導電層を形成して、廉価な回路基板を提供することにある。
【解決手段】 絶縁層21の1回の吐出形成された厚さが20μm以上で加熱処理または光処理を施すと、不規則な縞状のしわが部分的または全体的に発生してしまう。このため、本実施例では、絶縁層21を複数回に分けて吐出形成し、加熱処理または光処理を施すことによって、前述した縞状のしわを発生させないようにしたものである。同図は、絶縁層21を絶縁層21aと絶縁層21bとの2回に分けて吐出形成したものである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、インクジェット法を用いた多層構造形成方法に関し、特に、電子機器における回路基板の製造に好適な多層構造形成方法に関する。
絶縁特性の良好な絶縁膜を各種基板上の必要な場所に少ない工程数で容易に形成するのに好適な、絶縁膜の製造方法が知られている(例えば特許文献1)。
特開2000−133649号公報
インクジェット法で一度に層の厚さが比較的厚い絶縁層を回路基板上に形成し、加熱または紫外線照射等の硬化処理を施した場合に、絶縁層の表面にしわができることがある。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、インクジェット法を用いて、回路基板上にしわの無い、層の厚さが比較的厚い絶縁層または導電層を形成して、廉価な回路基板を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、インクジェット法を用いて製造される回路基板であって、前記回路基板の上に複数回の吐出形成からなる絶縁層を備えたことを要旨とする。
これによれば、回路基板の上に絶縁層を複数回に分けて吐出形成することによって、しわの無い、層の厚さが比較的厚い絶縁層を形成することができ、廉価な回路基板を提供することができる。
本発明は、インクジェット法を用いて製造される回路基板であって、前記回路基板の上に複数回の吐出形成からなる導電層を備えたことを要旨とする。
これによれば、回路基板の上に導電層を複数回に分けて吐出形成することによって、しわの無い、層の厚さが比較的厚い導電層を形成することができ、廉価な回路基板を提供することができる。
本発明は、複数回の吐出形成からなる絶縁層を備えた前記回路基板において、さらに1回だけの吐出形成からなる絶縁層を備えていることを要旨とする。
これによれば、絶縁性を厳しく要求される回路基板の部位には、複数回に分けて吐出形成された絶縁層を配設して対応し、比較的絶縁性の要求が低い回路基板の部位には、1回だけで吐出形成された絶縁層を配設して対応する。ひとつの回路基板の上で、絶縁性の要求に合せた絶縁層を配設できるため、廉価な回路基板を提供することができる。
本発明は、複数回の吐出形成からなる導電層を備えた前記回路基板において、さらに1回だけの吐出形成からなる導電層を備えていることを要旨とする。
これによれば、比較的導電層を流れる電流が少ない場合は、この導電層の電気的な抵抗値は影響が少ないため、1回だけの吐出形成からなる導電層で対応することができる。また、比較的導電層を流れる電流が多い場合に対応して、本発明の複数回の吐出形成からなる導電層によって、この導電層を流れる電流に対応した断面積を備え、しかも、しわの無い導電層を回路基板の上に配設することができる。
本発明は、複数回の吐出形成からなる絶縁層または1回だけの吐出形成からなる絶縁層を備えた前記回路基板において、さらに複数回の吐出形成からなる前記導電層を備えていることを要旨とする。
これによれば、比較的導電層を流れる電流が多い場合に対応して、本発明の複数回の吐出形成からなる導電層によって、この導電層を流れる電流に対応した断面積を備え、しかも、しわの無い導電層を回路基板の上に配設することができる。
本発明は、1回だけの吐出形成からなる前記導電層または複数回の吐出形成からなる前記導電層を備えた前記回路基板において、さらに複数回の吐出形成からなる前記絶縁層を備えていることを要旨とする。
これによれば、大電流用回路基板として、本発明の複数回の吐出形成からなる前記導電層が対応し、微弱電流用回路基板として、本発明の1回だけの吐出形成からなる前記導電層が対応し、さらに耐湿性を要求される屋外設置機器用回路基板として、本発明の複数回の吐出形成からなる前記絶縁層が対応し、多くの電気機器に廉価な回路基板を提供することができる。
本発明は、前記回路基板において、複数回の吐出形成からなる前記絶縁層のそれぞれの層の厚さが20μm以下であることを要旨とする。
これによれば、複数回の吐出形成からなる前記絶縁層のそれぞれの層の厚さを20μm以下にすることによって、それぞれの前記絶縁層での、しわの発生が防止でき、品質的に安定した廉価な回路基板を提供することができる。
以下、本発明を具体化した実施例1を図面に従って説明する。
図1は、液滴吐出装置1の斜視図を示す。インクジェット法を利用した液滴吐出装置1は、導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bを保持する複数のタンク12と、それぞれのタンク12に連結されているチューブ13と、チューブ13を介してタンク12から導電性液状材料11aと絶縁性液状材料11bとが供給される吐出走査部2とを備える。吐出走査部2は、複数の液滴吐出ヘッド51(詳細は、図2に示す)を保持するサブキャリッジ50と、このサブキャリッジ50を保持するキャリッジ3と、キャリッジ3の位置を制御する第2位置制御装置4と、基板としての基板10Aを保持するステージ5と、ステージ5の位置を制御する第1位置制御装置6と、液滴吐出装置制御部7と、メンテナンス装置8と、排液装置9とを備えている。タンク12とキャリッジ3における複数の液滴吐出ヘッド51とはチューブ13で連結されており、タンク12から複数の液滴吐出ヘッド51のそれぞれに導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bが供給される。それぞれの材質については、後述する。
同図での基板10Aは、可撓性を有する基板10Aの場合を示している。基板10Aには、基板10Aを所定量送るスプロケット用の孔が複数対向して配設されている。ステージ5には、この孔に入る複数の案内用の軸(図示せず)が配設され、基板10Aは、この複数の案内用の軸によって位置決めされている。ステージ5での一通りのパターンの描画が終了すると、基板10AをY軸方向に移動して基板10Aはリール等に巻き取られる。基板10Aは、次の描画領域をステージ5の上に移動して、パターンの描画を繰り返す。不可撓性の基板10Aの場合は、ステージ5に1枚ずつ基板10Aをセットして描画を繰り返す。この基板10Aには、一つの回路部品としてのパターンを複数有しており、大量に製造することができる。また、この複数のパターンが異なっていても良く、多種少量生産にも対応している。本発明では、この基板10Aに含まれている部品としての複数の回路を、装着する電子要素に対応して、基板10Aからプレス加工またはレーザカッティング加工等によって分離された状態を「回路基板」と称する。
また、液滴吐出ヘッド51より吐出された導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bは、吐出された直後は液体状態である。それぞれの材料の溶媒によっては、吐出後に加熱処理または光(赤外線、紫外線等)処理を施して固化させる。本発明では、吐出後に加熱処理または光処理を施して固化させることを含んで単に「形成」と記す。
第2位置制御装置4は、液滴吐出装置制御部7からの信号に応じて、キャリッジ3をX軸方向、およびX軸方向に直交するZ軸方向に沿って相対位置を変更する。さらに、第2位置制御装置4は、Z軸に平行な軸の回りでキャリッジ3を回転する機能も有する。本実施例では、Z軸方向は、鉛直方向(つまり重力加速度の方向)にほぼ平行な方向である。第1位置制御装置6は、液滴吐出装置制御部7からの信号に応じて、X軸方向およびZ軸方向の双方に直交するY軸方向に沿ってステージ5の相対位置を変更する。さらに、第1位置制御装置6は、Z軸に平行な軸の回りでステージ5を回転する機能も有する。なお、本明細書では、第2位置制御装置4および第1位置制御装置6を「走査部」と表記することもある。
ステージ5は、X軸方向とY軸方向との双方に平行な平面を有する。また、ステージ5は、所定の導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bを塗布する基板10Aをその平面上に着脱可能に載置、または保持できるように構成されている。
本明細書におけるX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向は、キャリッジ3およびステージ5のどちらか一方が他方に対して相対位置を変更する方向に一致している。また、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向を規定するXYZ座標系の仮想的な原点は、液滴吐出装置1の基準部分に固定されている。本明細書において、X座標、Y座標、およびZ座標とは、このようなXYZ座標系における座標である。なお、上記の仮想的な原点は、ステージ5に固定されていてもよいし、キャリッジ3に固定されていてもよい。
キャリッジ3およびステージ5は上記以外の平行相対位置を変更したりおよび回転の自由度をさらに有している。ただし、本実施例では、上記自由度以外の自由度に関する記載は説明を平易にする目的で省略されている。
液滴吐出装置制御部7は、導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bの吐出すべき相対位置を表す吐出データを外部情報処理装置(図示せず)から受け取るように構成されている。
メンテナンス装置8において、いくつかの液滴吐出ヘッド51のメンテナンスを行うユニットが設けられ、液滴吐出装置制御部7の制御によりユニットが選択され、キャリッジ3に対応するためにY軸方向に相対位置を変更して停止する。液滴吐出ヘッド51のメンテナンスを実行する場合は、第2位置制御装置4によってキャリッジ3はX軸方向にメンテナンス装置8上に相対位置を変更し、所望のユニットがキャリッジ3の位置にくるようにメンテナンス装置8を移動して選択され、相対位置を変更されて成される。排液装置9は、液滴吐出装置1の各ユニットで回収された導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bをそれぞれに回収するようになっている。
図2(a)は、液滴吐出ヘッド51の全体の断面斜視図、(b)は、吐出部の詳細断面図である。それぞれの液滴吐出ヘッド51は、インクジェット液滴吐出ヘッドである。それぞれの液滴吐出ヘッド51は、振動板126と、ノズルプレート128とを備えている。振動板126と、ノズルプレート128との間には、タンク12からチューブ13を介して、孔131から供給される導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bが常に充填される液溜り129が位置している。
また、振動板126と、ノズルプレート128との間には、複数の隔壁122が位置している。そして、振動板126と、ノズルプレート128と、1対の隔壁122と、によって囲まれた部分がキャビティ120である。キャビティ120はノズル52に対応して設けられているため、キャビティ120の数とノズル52の数とは同じである。キャビティ120には、一対の隔壁122間に位置する供給口130を介して、液溜り129から導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bが供給される。
図2(b)では、振動板126上には、それぞれのキャビティ120に対応して、振動子124が位置する。振動子124は、ピエゾ素子124cと、ピエゾ素子124cを挟む一対の電極124a,124bとを含む。この一対の電極124a,124bとの間に駆動電圧を与えることで、対応するノズル52から導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bが吐出される。なお、ノズル52からZ軸方向に導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bが吐出されるように、ノズル52の形状が調整されている。
ここで、本明細書において「導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11b」とは、ノズルから吐出可能な粘度を有する材料をいう。この場合、材料が水性であること油性であることを問わない。ノズルから吐出可能な流動性(粘度)を備えていれば十分で、固体物質が混入していても全体として流動体であればよい。
導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bの粘度は1mPa・s以上50mPa・s以下であるのが好ましい。粘度が1mPa・sより小さい場合には、液状材料11の液滴を吐出する際にノズル52の周辺部が液状材料11の流出により汚染されやすい。一方、粘度が50mPa・sより大きい場合は、ノズル52における目詰まり頻度が高くなり、このため円滑な液滴の吐出が困難となり得る。詳細については、後述する。
本明細書では、ひとつのノズル52と、ノズル52に対応するキャビティ120と、キャビティ120に対応する振動子124と、を含んだ部分を「吐出部127」と表記することもある。この表記によれば、1つの液滴吐出ヘッド51は、ノズル52の数と同じ数の吐出部127を有する。吐出部127は、ピエゾ素子の代わりに電気熱変換素子を有してもよい。つまり、吐出部127は、電気熱変換素子による材料の熱膨張を利用して材料を吐出する構成を有していてもよい。
図3(a)は、回路基板100上に製造された複数回の吐出形成からなる絶縁層21の模式的部分平面図を示し、同図(b)は、模式的A−A断面図を示す。
基板10Aからプレス加工またはレーザカッティング加工等によって分離された状態の回路基板100の材質について説明する。回路基板100は可撓性を有する材質として、ポリイミド樹脂系、エポキシ樹脂系、ポリエステル樹脂系、フェノール樹脂系、フッ素樹脂系等の合成樹脂を基材にしたもの、また、紙、ガラス布基材を基材にしたもの、或いは、これらのそれぞれの基材を組み合せたコンポジット基材等からなる。
また、回路基板100は不可撓性の材質として、低温焼結基材としてのガラス系、無機質系としてのセラミック、高温焼結基材系、高熱伝導性基材(炭化ケイ素系等)、誘電体材料、抵抗体材料等からなる。
これらの材質からなる回路基板100の一面または両面(本実施例は、一面の場合)に、バンク101,102がインクジェット法またはフォトリソ法を利用して形成されている。バンク101,102の上には、電子要素20と電気的接続をするための銀または金の成分を少なくとも含む、導電部としての複数のバンプ22がインクジェット法またはフォトリソ法を利用して形成されている。
この複数のバンプ22と電気的に接続する電子要素20は、液晶表示装置だけでなく、種々の電気光学装置である。ここでいう「電気光学装置」とは、複屈折性の変化や、旋光性の変化や、光散乱性の変化などの光学的特性の変化(いわゆる電気光学効果)を利用する装置に限定されず、信号電圧の印加に応じて光を射出、透過、または反射する装置全般のことである。また、電子要素20として半導体装置を含む。
具体的には、電気光学装置は、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ表示装置、表面伝導型電子放出素子を用いたディスプレイ(SED:Surface-Conduction Electron-Emitter Display)、および電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)を含む。
さらに、本実施例は、種々の電子機器の回路として適用することができる。例えば、携帯電話機やパーソナルコンピュータにも、本実施例を適用することができる。
前述した電子要素20として、例えば半導体装置がバンプ22の上に実装された場合に、回路基板100として各バンプ間の絶縁性を向上するために、バンク101の内側に絶縁層21を形成する。
本実施例の実験の結果では、絶縁層21の1回の吐出形成された厚さが20μm以上で加熱処理または光処理を施すと、不規則な縞状のしわが部分的または全体的に発生してしまう。このため、本実施例では、絶縁層21を複数回に分けて吐出形成し、加熱処理または光処理を施すことによって、前述した縞状のしわを発生させないようにしたものである。同図は、絶縁層21を絶縁層21aと絶縁層21bとの2回に分けて吐出形成したものである。
具体的には、厚さが20μm以下になるように、絶縁層21aを吐出形成して加熱処理または光処理を施し、その後に絶縁層21aの上に、やはり厚さが20μm以下になるように絶縁層21bを吐出形成して加熱処理または光処理を施したところ、それぞれの絶縁層21a,21b共に縞状のしわは発生しなかった。この場合、絶縁層21aと絶縁層21bとの厚さはそれぞれ20μm以下であればよく、それぞれの厚さが等しくなくともよい。
また、絶縁層の最上層としての絶縁層21bが、バンク101,102上に配設されている複数の導電部としてのバンプ22の一部を抱合することによって、バンプ22の回路基板100への固定力が増すとともに、電子要素20との電気的接続性を安定化することができる。それぞれのバンプ22は、回路基板100上に配設されている電気的な配線に接続している(図示せず)。
バンク101は、同図(a)で示す通り閉ざされた平面形状を成しており、絶縁層21a,21bは、バンク101の全周にわたって接触した状態で内側に形成されていて、バンク101の内側は、絶縁層21a,21bとによって絶縁性が確保されている。例え、バンク101の中に回路基板100に配設されている別の配線(図示せず)がある場合でも、同様に絶縁性を確保することができる。
また、絶縁層21c,21dは、同図(a)に示すように、閉じていないバンク102と閉じているバンク101との間に配設され、バンク101,102とに接触していない方向には、バンクが配設されていない。この場合は、絶縁層21c,21dの吐出形成の際の描画でその形状を決めている。本実施例では、バンク101とバンク102との間の回路基板100上には、別の配線(図示せず)が多数あり、絶縁層21c,21dはこれらの配線と電子要素20との間の電気的な絶縁を確保している。
また、絶縁層21e,21fは、同図(a)に示すように、閉じていないバンク102に接触して配設され、バンク102に接触していない方向には、バンクが配設されていない。この場合は、絶縁層21e,21fの吐出形成の際の描画でその形状を決めている。
また、絶縁層21gは、同図(a)に示すように、導電層109が液滴吐出装置1により回路基板100上に吐出形成され、絶縁層21gが導電層109の周囲を覆うように電気的な絶縁を行っている。この絶縁層21gは、1回だけ液滴吐出装置1から吐出形成された絶縁層21gである。このように、回路基板100上に耐湿性向上または電子要素20の絶縁性向上のために複数回の吐出形成を経て造られた絶縁層21a〜21fと、電気的な絶縁だけを確保するため、1回の吐出形成を経て造られた絶縁層21gとを回路基板100上に並設することによって、絶縁層に求められる特性レベルに合致した製造が可能になるとともに廉価な回路基板100を製造することができる。
ここで絶縁層21の材質について説明する。液滴吐出装置1によって吐出形成後に、加熱処理または光処理を施すことによって、SiO2,SiN,Si34となる液状材料、ポリイミド樹脂系、エポキシ樹脂系、ポリエステル樹脂系、フェノール樹脂系、フッ素樹脂系、紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂等から選択することにより、回路基板100またはバンク101,102への密着性が確保される。また、絶縁性液状材料11bの材質はこれらに限らず、電気的な絶縁性を確保できる材質であればよい。
さらに、本実施例では、絶縁層21を形成するために2回に分けて吐出形成しているが、複数回であれば同様な効果が得られる。また、このような絶縁層21の吐出形成を複数回繰り返すことによって、どのような厚さにも対応することができる。
さらに、バンク101またはバンク102が全くない回路基板100でも、液滴吐出装置1での吐出形成により、所定の形状に吐出形成することができる。この場合も、同様に所望の厚さになるまで、吐出形成を繰り返すことによって回路基板100のいかなる場所にも絶縁層21を形成することができる。
以下、実施例1の効果を記載する。
(1)1回の絶縁層21を吐出する厚さを20μm以下に保つことによって、縞状のしわが無い絶縁層21を得ることができる。
(2)1回の絶縁層21a〜21fを吐出する厚さを20μm以下に保ちながら、複数回の吐出形成をすることによって、縞状のしわが無い所望の厚さを有する絶縁層21を得ることができる。
(3)回路基板100上に、1回だけの吐出形成で配設された絶縁層21と、複数回の吐出形成を経て配設された絶縁層21を並設することによって、絶縁層21に求められる品質別に最適な特性を持った絶縁層21を造り込むことができる。
(4)回路基板として、耐湿性を確保することができる。これにより例えば、耐湿性を要求される屋外設置機器用回路基板として利用することができる。
以下、本発明を具体化した実施例2を図面に従って説明する。実施例1と異なる点のみを記載する。
図4(a)は、回路基板100上に製造された複数の層からなる導電層110の模式的部分斜視図を示し、同図(b)は、模式的部分断面図を示す。
回路基板100の一面または両面(本実施例は、一面の場合)に、バンク103,104がインクジェット法またはフォトリソ法を利用して形成されている。このバンク103,104との間と回路基板100との領域に、液滴吐出装置1を使って導電性液状材料11aが20μm以下の厚さで吐出形成され導電層110aを形成する。
導電層110aの上に、再び液滴吐出装置1を使って導電性液状材料11aが20μm以下の厚さで吐出形成され導電層110bを形成する。このようにして、導電層110c、導電層110dの吐出形成を繰り返す。この場合、導電層110a〜110dの厚さは、20μm以下の厚さであれば、それぞれの厚さは異なっていてもよい。また、熱処理または光処理が施された後は、導電層110a〜110dは一体となり、ひとつの導電層110として機能する。
また、回路基板100の上には、導電層110e〜110hのようにバンク103,104を配設せずに、導電層110eの上に次々と吐出形成を繰り返して、熱処理または光処理が施され、導電層110e〜110hは一体となり、ひとつの導電層110として機能する。この場合も、導電層110e〜110hの厚さは、20μm以下の厚さであれば、それぞれの厚さは異なっていてもよい。
また、回路基板100の上には、1回だけの吐出形成からなる導電層109が配設されている。この導電層109は、微弱電流回路用の配線である。
このように、複数回の吐出形成により導電層110の断面積が大きくなり、電気的に抵抗値が下がる。このため、この導電層110に比較的大きな電流を流すことができる。電気機器または電子機器の電源回路、昇圧回路等の回路基板として利用することができる。また、微弱電流用の配線は、1回だけの吐出形成からなる導電層109で充分なため、配線に流す電流の大きさによって、導電層110,109とを使い分けて製造することができる。
従来の銅張回路基板では、均一の厚さの銅製導電層であったため、大電流用の配線は幅を大きくすることで対応していたが、本発明によれば、導電層110を積み重ねることによって対応しているため、回路基板100全体の平面積を小さくすることができ、この回路基板100を使用すれば電子機器および電気機器を小型化することができる。
ここで導電性液状材料11aの材質について説明する。導電性液状材料11aは、平均粒径が10nm程度の銀粒子と、分散剤と、有機溶媒と、を含む。そして導電性液状材料11aにおいて、銀粒子は分散剤に覆われている。分散剤に覆われた銀粒子は有機溶媒中に安定して分散されている。ここで、分散剤は、銀原子に配位可能な化合物である。
分散剤(または溶媒)としては、導電性微粒子を分散できるもので凝集を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を例示できる。これらのうち、導電性微粒子の分散性と分散液の安定性、また液滴吐出法への適用の容易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、より好ましい分散媒としては、水、炭化水素系化合物を挙げることができる。
なお、平均粒径が1nm程度から数100nmまでの粒子は、「ナノ粒子」とも表記される。この表記によれば、導電性液状材料11aは銀のナノ粒子を含んでいる。
本実施例では、導電層110を形成するために4回に分けて吐出形成しているが、複数回であれば同様な効果が得られる。また、このような導電層110の吐出形成を複数回繰り返すことによって、どのような厚さにも対応することができる。
以下、実施例2の効果を記載する。
(5)1回の導電層110a〜110dおよび導電層110e〜110hを吐出する厚さを20μm以下に保つことによって、縞状のしわが無い導電層110を得ることができる。
(6)1回の導電層110a〜110dおよび導電層110e〜110hを吐出する厚さを20μm以下に保ちながら、複数回の吐出形成をすることによって、縞状のしわが無い所望の厚さを有する導電層110を得ることができる。
(7)本実施例の導電層110により、電気的に抵抗値が下がるため比較的大きな電流を流すことができる。電気機器または電子機器の電源回路、昇圧回路等の回路基板として利用することができる。
(8)本実施例の導電層110,109とを使い分けて製造することができるため、ひとつの回路基板100の上に、大電流用回路配線と微弱電流用配線を並設することができ、回路基板100の数を少なくすることができる。
(9)この回路基板100を使用すれば電子機器および電気機器を小型化することができる。
(変形例1)実施例1において、絶縁層21用のバンク101,102を配設するようにしたが、バンクの代わりに銅張回路基板で形成された導電パターンをバンクに使用して絶縁層21を形成してもよい。
(変形例2)導電性微粒子のコーティング剤として、アミン、アルコール、チオールなどが知られている。より具体的には、導電性微粒子のコーティング剤として、2−メチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、ジエチルメチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミンなどのアミン化合物、アルキルアミン類、エチレンジアミン、アルキルアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、アルキルチオール類、エタンジチオールを用いることができる。
また、導電性微粒子のコーティング剤として、アミン、アルコール、チオールなどが知られている。より具体的には、導電性微粒子のコーティング剤として、2−メチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、ジエチルメチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミンなどのアミン化合物、アルキルアミン類、エチレンジアミン、アルキルアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、アルキルチオール類、エタンジチオールを用いることができる。
前記各実施例及び変形例から把握される技術的思想を以下に記載する。
(1)請求項2,4,5,6に記載の回路基板において、複数回の吐出形成からなる前記導電層のそれぞれの層の厚さが20μm以下であることを特徴とする回路基板。
これによれば、複数回の吐出形成からなる前記導電層のそれぞれの層の厚さを20μm以下にすることによって、それぞれの前記導電層での、しわの発生が防止でき、品質的に安定した廉価な回路基板を提供することができる。
液滴吐出装置の斜視図。 (a)は、液滴吐出ヘッドの全体の断面斜視図、(b)は、吐出部の詳細断面図。 実施例1における(a)は、回路基板上に製造された複数の層からなる絶縁層の模式的部分平面図、(b)は、模式的A−A断面図。 実施例2における(a)は、回路基板上に製造された複数の層からなる導電層の模式的部分斜視図、(b)は、模式的部分断面図。
符号の説明
1…液滴吐出装置、2…吐出走査部、3…キャリッジ、4…第2位置制御装置、5…ステージ、6…第1位置制御装置、7…液滴吐出装置制御部、8…メンテナンス装置、9…排液装置、10A…基板、11…液状材料、11a…導電性液状材料、11b…絶縁性液状材料、12…タンク、13…チューブ、20…電子要素、21,21a〜21g…絶縁層、22…バンプ、50…サブキャリッジ、51…液滴吐出ヘッド、52…ノズル、100…回路基板、101,102,103,104…バンク、109,110,110a〜110h…導電層、120…キャビティ、122…隔壁、124…振動子、124a,124b…電極、124c…ピエゾ素子、126…振動板、127…吐出部、128…ノズルプレート、130…供給口、131…孔。

Claims (7)

  1. インクジェット法を用いて製造される回路基板であって、
    前記回路基板の上に複数回の吐出形成からなる絶縁層を
    備えたことを特徴とする回路基板。
  2. インクジェット法を用いて製造される回路基板であって、
    前記回路基板の上に複数回の吐出形成からなる導電層を
    備えたことを特徴とする回路基板。
  3. 請求項1に記載の回路基板において、さらに1回だけの吐出形成からなる絶縁層を備えていることを特徴とする回路基板。
  4. 請求項2に記載の回路基板において、さらに1回だけの吐出形成からなる導電層を備えていることを特徴とする回路基板。
  5. 請求項1または3に記載の回路基板において、複数回の吐出形成からなる前記導電層をさらに備えていることを特徴とする回路基板。
  6. 請求項2または4に記載の回路基板において、複数回の吐出形成からなる前記絶縁層をさらに備えていることを特徴とする回路基板。
  7. 請求項1,3,5,6のいずれか一項に記載の回路基板において、複数回の吐出形成からなる前記絶縁層のそれぞれの層の厚さが20μm以下であることを特徴とする回路基板。
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