JP2005327985A - 電極間接続構造、電極間接続方法、及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 配線密度の高いICチップや液晶パネル等と導電接続することができる、インクジェット法による金属配線を有する基板および電子機器を提供することにある。
【解決手段】 受容層202の上に、導電パターン210aおよび導電パターン210bがパターンとして液滴吐出装置1により吐出される(以降、このことを単に塗布すると記載する)。それぞれのパターンが吐出された後、必要に応じて乾燥工程を設ける。以降、乾燥工程は省略して記載する。次に、絶縁パターン215aを塗布して、先に塗布されている導電パターン210aおよび導電パターン210bの間を埋める。次に、絶縁パターン215bを塗布する。絶縁パターン215bは、導電パターン210aおよび導電パターン210bの上に、導電パターン210dと導電パターン210eのための穴を設けるように塗布される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、基板に形成された基板側電極とその基板に装着される電子要素に形成された要素側電極とを導電接続する電極間接続構造およびその構造を実現するための電極間接続方法に関する。また、本発明は、導電部材を用いて基板側電極と要素側電極とを導電接続することに係わる。さらに、本発明は、そのような電極間接続構造および電極間接続方法を用いて製造される電子機器に関する。
従来、基板に形成された基板側電極、いわゆる回路基板の電極を製造するにはリソグラフィー法等が使用されてきた。その理由は、回路基板に装着される或いは導電接続する電子要素、いわゆる半導体装置であるIC(Integrated Circuit)チップや液晶パネルが前述のリソグラフィー法を使用して、より小型化、より細密化されてきているため、回路基板と導電接続するための基板側電極もそれに合わせて、より細密化する必要があった。
しかしながら、リソグラフィー法を使用した回路基板の製造には、写真製版、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、洗浄等の多くの工程と多くの設備を必要とし、それに伴って複雑な工程管理と多くの製造時間がかかっていた。そこで、近年、インクジェット法によって回路基板に直接、金属配線を描画・塗布する技術が知られている(例えば特許文献1)。
特開2004−6578号公報
ところが、インクジェット法による金属配線の描画・塗布技術では、リソグラフィー法を使用して製造された回路基板の金属配線と比較して、金属配線の幅或いは金属配線同士の間隔等の細密性において劣っており、配線密度の高いICチップや液晶パネルとの導電接続が困難であった。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的のひとつは、配線密度の高いICチップや液晶パネル等と導電接続することができる、インクジェット法による金属配線を有する基板および電子機器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、基板に形成された基板側電極と、その基板に装着される電子要素に形成された要素側電極とを導電接続する電極間接続構造であって、基板側電極と要素側電極は互いに接触又は接近して配置され、基板側電極の所定パターンでインクジェット法により吐出形成された導電性パターンと、その導電性パターンと隣り合っている他の導電性パターンとの間に、所定パターンで形成された絶縁性パターンを有することを要旨とする。
これによれば、基板側電極の所定パターンでインクジェット法により吐出形成された導電性パターンと、その導電性パターンと隣り合っている他の導電性パターンとの間に、所定パターンで形成された絶縁性パターンを有することによって、それぞれの導電性パターンの幅(太さ)を大きくすることができ、且つそれぞれの隣り合っている他の導電性パターンとの絶縁をすることができる。したがって、インクジェット法により吐出形成された比較的幅の広い導電性パターンでも要素側電極と導電接続することができる。
また、本発明では、電極間接続構造において、基板側電極が要素側電極に対向するように所定の間隔で配列されている平面方向に対して垂直方向に、導電性パターンの一部と、導電性パターンと隣り合っている少なくとも一方の他の導電性パターンの一部とが、絶縁性パターンを挟んで積重していることを要旨とする。
これによれば、ひとつの導電性パターンの一部と、導電性パターンと隣り合っている少なくとも一方の他の導電性パターンの一部とが絶縁性パターンを挟んで積重しているので、基板側電極が要素側電極に対向するように所定の間隔で配列されている平面方向に対して垂直方向でのスペースが使用できる。したがって、インクジェット法により吐出形成されたより比較的幅の広い導電性パターンでも要素側電極と導電接続することができる。
また、本発明では、電極間接続構造において、基板側電極と要素側電極とが導電接続する部位が、交互に位置を変えて繰り返し配列されていることを要旨とする。
これによれば、基板側電極と要素側電極とが導電接続する部位が、交互に位置を変えて繰り返し配列されているので、ひとつの導電接続する部位と他の導電接続する部位との距離が遠ざかり、導電接続することが安定するとともにそれぞれの導電接続する部位同士の電気的な短絡を防止することができる。
また、本発明では、電極間接続構造において、要素側電極を有する要素は液晶パネルの透光性基板であることを要旨とする。
これによれば、要素側電極を有する電子要素は液晶パネルの透光性基板であり、液晶パネルを駆動する信号を基板側電極から供給することができ、また液晶パネルからの種々の信号を受け取ることができる。
また、本発明では、電極間接続構造において、要素側電極を有する電子要素は液晶パネルの透光性基板であり、電子要素は液晶駆動用ICを装着したガラス基板であることを要旨とする。
これによれば、液晶駆動用ICを装着した液晶パネルの透光性基板に配設されている要素側電極との導電接続をすることができ、要素側電極を介して液晶駆動用ICに駆動信号を供給して液晶パネルを駆動することができる。
また、本発明では、電極間接続構造において、基板側電極を有する基板は可撓性又は不可撓性の基板であることを要旨とする。
これによれば、基板側電極を有する基板は可撓性又は不可撓性の基板であるので、基板に装着される電子要素に適した基板を選択して使用することができる。
また、本発明では、電極間接続構造において、基板側電極を有する基板は可撓性又は不可撓性の基板であり、電子要素はベアICチップであることを要旨とする。
これによれば、電子要素のベアICチップに対して基板側電極を有する基板は可撓性又は不可撓性の基板で導電接続することができる。
また、本発明では、電極間接続構造において、基板側電極を有する基板は可撓性又は不可撓性の基板であり、電子要素はプラスチック、フィルム、液晶パネルであることを要旨とする。
これによれば、基板側電極を有する基板は可撓性又は不可撓性の基板であり、電子要素はプラスチック、フィルム、液晶パネルであるので、電子要素の特性に合わせて適した基板側電極を有する基板を選択して使用することができる。
また、本発明では、基板に形成された基板側電極と、基板に装着される電子要素に形成された要素側電極とを導電接続するための電極間接続方法であって、基板側電極と要素側電極とを互いに接触又は接近して配置し、両電極の接触又は接近部となる箇所の少なくとも一方の電極にインクジェット法により形成された導電部材を付着して、その両電極間を導電部材で導電接続することを要旨とする。
これによれば、基板に形成された基板側電極と、基板に装着される電子要素に形成された要素側電極とを導電接続するために、両電極の接触又は接近部となる箇所の少なくとも一方の電極にインクジェット法により形成された導電部材を付着して、その両電極間を導電部材で導電接続することができるので、基板に形成された基板側電極上に、コンデンサ、抵抗、コイル、ICチップ、液晶パネル等の電子要素が装着でき、それぞれの電子要素の要素側電極と基板側電極とを導電接続することができる電極間接続方法である。
また、本発明では、電極間接続方法において、基板側電極と要素側電極との間に接着剤を塗布して、基板と電子要素とを固着することを要旨とする。
これによれば、基板側電極と要素側電極との間の接着剤によって、基板と電子要素とが固着されるとともに導電部材によって導電接続することができるので、基板が変形しても電子要素を基板に固着しておくことができる。
また、本発明では、電極間接続方法において、導電部材に接着剤を混入させ、基板と電子要素とを固着するとともに導電接続することを要旨とする。
これによれば、導電部材と接着剤を混入させるので、基板と電子要素とを固着するとともに導電接続することができる。
また、本発明では、電極間接続方法において、導電部材を熱によって溶融して、基板の基板側電極と電子要素の要素側電極とを導電接続するとともに、基板と電子要素とを固着することを要旨とする。
これによれば、基板と電子要素を所定の関係位置に位置決めして熱を加えることによって、少なくとも一方の電極に与えられた導電部材を溶融し、基板と電子要素とを導電接続するとともに固着することができる。
また、本発明では、基板に形成された基板側電極と、基板に装着される電子要素に形成された要素側電極とを導電接続するための電極間接続方法であって、基板側電極と要素側電極とを互いに接触又は接近して配置し、両電極の接触又は接近部に可撓性を有するインクジェット法により形成された導電部材をその両電極間に挟持して、可撓性を有する導電部材で導電接続することを要旨とする。
これによれば、基板側電極と要素側電極との間に可撓性を有するインクジェット法により形成された導電部材を挟持するので、どちらか一方の電極を他方の電極に付勢することによって導電接続することができる。
また、本発明では、基板に形成された基板側電極と、基板に装着される電子要素に形成された要素側電極とを導電接続する電極間接続構造を有する電子機器であって、基板側電極と要素側電極は互いに接触又は接近して配置され、基板側電極の所定パターンでインクジェット法により吐出形成された導電性パターンと、導電性パターンと隣り合っている他の導電性パターンとの間に、所定パターンで形成された絶縁性パターンを有する電極間接続構造を備えたことを要旨とする。
これによれば、基板側電極の所定パターンでインクジェット法により吐出形成された導電性パターンと、その導電性パターンと隣り合っている他の導電性パターンとの間に、所定パターンで形成された絶縁性パターンを有することによって、それぞれの導電性パターンの幅(太さ)を大きくすることができ、且つそれぞれの隣り合っている他の導電性パターンとの絶縁をすることができる。したがって、インクジェット法により吐出形成された比較的幅の広い導電性パターンでも要素側電極と導電接続する電極間接続構造を備えることにより、小型で安価な電子機器を提供することができる。
また、本発明では、電子機器において、基板側電極が要素側電極に対向するように所定の間隔で配列されている平面方向に対して垂直方向に、ひとつの導電性パターンの一部と、導電性パターンと隣り合っている少なくとも一方の他の導電性パターンの一部とが、絶縁性パターンを挟んで積重している電極間接続構造を備えたことを要旨とする。
これによれば、ひとつの導電性パターンの一部と、導電性パターンと隣り合っている少なくとも一方の他の導電性パターンの一部とが、絶縁性パターンを挟んで積重することで電極間接続構造を小型化できるため、小型化された電子機器を提供することができる。
また、本発明では、電子機器において、基板側電極と要素側電極とが導電接続する部位が、交互に位置を変えて繰り返し配列されている電極間接続構造を備えたことを要旨とする。
これによれば、基板側電極と要素側電極とが導電接続する部位が、交互に位置を変えて繰り返し配列されているため、電極間接続部の導電接続が安定した電子機器を提供することができる。
また、本発明では、電子機器において、要素側電極を有する電子要素は液晶パネルの透光性基板であることを要旨とする。
これによれば、小型な液晶パネルを備えた電子機器を提供することができる。
また、本発明では、電子機器において、要素側電極を有する電子要素は液晶パネルの透光性基板であり、電子要素は液晶駆動用ICを装着したガラス基板であることを要旨とする。
これによれば、液晶駆動用ICを装着した液晶パネルを備え、高度に表示制御された電子機器を提供することができる。
また、本発明では、電子機器において、基板側電極を有する基板は可撓性又は不可撓性の基板であることを要旨とする。
これによれば、電子要素を装着するための基板または電子要素間を電気的に接続するための基板に使用することができるので、それぞれの電子要素を効率良く配置することができ、小型で薄型の電子機器を提供することができる。
また、本発明では、電子機器において、基板側電極を有する基板は可撓性又は不可撓性の基板であり、電子要素はベアICチップであることを要旨とする。
これによれば、電子要素としてベアICチップを基板側電極を有する可撓性又は不可撓性の基板に装着することによって、小型化された電子機器を提供することができる。
また、本発明では、電子機器において、基板側電極を有する基板は可撓性又は不可撓性の基板であり、電子要素はプラスチック、フィルム、液晶パネルであることを要旨とする。
これによれば、電子要素としてプラスチック、フィルム、液晶パネルを基板側電極を有する可撓性又は不可撓性の基板に装着することによって、更に小型化された電子機器を提供することができる。
以下、本発明を具体化した第1の実施例を図面に従って説明する。
図1は、液滴吐出装置1の斜視図を示す。インクジェット法を利用した液滴吐出装置1は、導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bおよび受容層形成液状材料11cを保持する複数のタンク12と、それぞれのタンク12に連結されているチューブ13と、チューブ13を介してタンク12から導電性液状材料11aと絶縁性液状材料11b或いは受容層形成液状材料11cが供給される吐出走査部2とを備える。吐出走査部2は、複数の液滴吐出ヘッド51(詳細は、図2に示す)を保持するサブキャリッジ50と、このサブキャリッジ50を保持するキャリッジ3と、キャリッジ3の位置を制御する第2位置制御装置4と、基板としての基板10Aを保持するステージ5と、ステージ5の位置を制御する第1位置制御装置6と、液滴吐出装置制御部7と、メンテナンス装置8と、排液装置9とを備えている。タンク12とキャリッジ3における複数の液滴吐出ヘッド51とはチューブ13で連結されており、タンク12から複数の液滴吐出ヘッド51のそれぞれに導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bまたは受容層形成液状材料11cが供給される。それぞれの材質については、後述する。
同図での基板10Aは、可撓性を有する基板10Aの場合を示している。基板10Aには、基板10Aを所定量送るスプロケット用の孔が複数対向して配設されている。ステージ5には、この孔に入る複数の案内用の軸(図示せず)が配設され、基板10Aは、この複数の案内用の軸によって位置決めされている。ステージ5での一通りのパターンの描画が終了すると、基板10AをY軸方向に移動して基板10Aはリール等に巻き取られる。基板10Aは、次の描画領域をステージ5の上に移動して、パターンの描画を繰り返す。不可撓性の基板10Aの場合は、ステージ5に1枚ずつ基板10Aをセットして描画を繰り返す。この基板10Aには、一つの回路部品としてのパターンを複数有しており、大量に製造することができる。また、この複数のパターンが異なっていても良く、多種少量生産にも対応している。本発明では、この基板10Aに含まれている部品としての複数の回路を、装着する電子要素に対応して、基板10Aからプレス加工またはレーザカッティング加工等によって分離された状態を「回路基板」と称する。
また、液滴吐出ヘッド51より吐出された導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bおよび受容層形成液状材料11cは、吐出された直後は液体状態である。それぞれの材料の溶媒によっては、吐出後に加熱処理または光処理を施して固化させる。本発明では、吐出後に加熱処理または光処理を施して固化させることを含んで単に「形成」と記す。
第2位置制御装置4は、液滴吐出装置制御部7からの信号に応じて、キャリッジ3をX軸方向、およびX軸方向に直交するZ軸方向に沿って相対位置を変更する。さらに、第2位置制御装置4は、Z軸に平行な軸の回りでキャリッジ3を回転する機能も有する。本実施例では、Z軸方向は、鉛直方向(つまり重力加速度の方向)にほぼ平行な方向である。第1位置制御装置6は、液滴吐出装置制御部7からの信号に応じて、X軸方向およびZ軸方向の双方に直交するY軸方向に沿ってステージ5の相対位置を変更する。さらに、第1位置制御装置6は、Z軸に平行な軸の回りでステージ5を回転する機能も有する。なお、本明細書では、第2位置制御装置4および第1位置制御装置6を「走査部」と表記することもある。
ステージ5は、X軸方向とY軸方向との双方に平行な平面を有する。また、ステージ5は、所定の導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bまたは受容層形成液状材料11cを塗布する基板10Aをその平面上に着脱可能に載置、または保持できるように構成されている。
本明細書におけるX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向は、キャリッジ3およびステージ5のどちらか一方が他方に対して相対位置を変更する方向に一致している。また、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向を規定するXYZ座標系の仮想的な原点は、液滴吐出装置1の基準部分に固定されている。本明細書において、X座標、Y座標、およびZ座標とは、このようなXYZ座標系における座標である。なお、上記の仮想的な原点は、ステージ5に固定されていてもよいし、キャリッジ3に固定されていてもよい。
キャリッジ3およびステージ5は上記以外の平行相対位置を変更したりおよび回転の自由度をさらに有している。ただし、本実施例では、上記自由度以外の自由度に関する記載は説明を平易にする目的で省略されている。
液滴吐出装置制御部7は、導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bまたは受容層形成液状材料11cの吐出すべき相対位置を表す吐出データを外部情報処理装置(図示せず)から受け取るように構成されている。
メンテナンス装置8において、いくつかの液滴吐出ヘッド51のメンテナンスを行うユニットが設けられ、液滴吐出装置制御部7の制御によりユニットが選択され、キャリッジ3に対応するためにY軸方向に相対位置を変更して停止する。液滴吐出ヘッド51のメンテナンスを実行する場合は、第2位置制御装置4によってキャリッジ3はX軸方向にメンテナンス装置8上に相対位置を変更し、所望のユニットがキャリッジ3の位置にくるようにメンテナンス装置8を移動して選択され、相対位置を変更されて成される。排液装置9は、液滴吐出装置1の各ユニットで回収された導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bまたは受容層形成液状材料11cをそれぞれに回収するようになっている。
図2(a)は、液滴吐出ヘッド51の全体の断面斜視図、(b)は、吐出部の詳細断面図である。それぞれの液滴吐出ヘッド51は、インクジェット液滴吐出ヘッドである。それぞれの液滴吐出ヘッド51は、振動板126と、ノズルプレート128とを備えている。振動板126と、ノズルプレート128との間には、タンク12からチューブ13を介して、孔131から供給される導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bまたは受容層形成液状材料11cが常に充填される液溜り129が位置している。
また、振動板126と、ノズルプレート128との間には、複数の隔壁122が位置している。そして、振動板126と、ノズルプレート128と、1対の隔壁122と、によって囲まれた部分がキャビティ120である。キャビティ120はノズル52に対応して設けられているため、キャビティ120の数とノズル52の数とは同じである。キャビティ120には、一対の隔壁122間に位置する供給口130を介して、液溜り129から導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bまたは受容層形成液状材料11cが供給される。
図2(b)では、振動板126上には、それぞれのキャビティ120に対応して、振動子124が位置する。振動子124は、ピエゾ素子124cと、ピエゾ素子124cを挟む一対の電極124a,124bとを含む。この一対の電極124a,124bとの間に駆動電圧を与えることで、対応するノズル52から導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bまたは受容層形成液状材料11cが吐出される。なお、ノズル52からZ軸方向に導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bまたは受容層形成液状材料11cが吐出されるように、ノズル52の形状が調整されている。
ここで、本明細書において「導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bまたは受容層形成液状材料11c」とは、ノズルから吐出可能な粘度を有する材料をいう。この場合、材料が水性であること油性であることを問わない。ノズルから吐出可能な流動性(粘度)を備えていれば十分で、固体物質が混入していても全体として流動体であればよい。詳細については、後述する。
本明細書では、ひとつのノズル52と、ノズル52に対応するキャビティ120と、キャビティ120に対応する振動子124と、を含んだ部分を「吐出部127」と表記することもある。この表記によれば、1つの液滴吐出ヘッド51は、ノズル52の数と同じ数の吐出部127を有する。吐出部127は、ピエゾ素子の代わりに電気熱変換素子を有してもよい。つまり、吐出部127は、電気熱変換素子による材料の熱膨張を利用して材料を吐出する構成を有していてもよい。
図3(a)は、電子要素と基板10Aとの関係を示す模式的な部分平面図、図3(b)は、電子要素と基板10Aとの関係を示す模式的な部分断面図である。本実施例では、電子要素として液晶パネルで説明する。他の電子要素としての、有機EL(electroluminescence)装置、PDP(Plasma Display Panel)装置、電子放出素子を利用した画像表示装置(SED(Surface-Conduction Electron-Emitter Display)またはFED(Field Emission Display)と呼ばれることもある。)、半導体装置としてのパッケージングを行う前のチップであるベアICチップ、液晶駆動用ICを装着したガラス基板、トランジスタ、抵抗、コンデンサ、水晶発振器等の電子要素に同様に適用できる。
同図(a)および(b)の基板10A、受容層102、導電性パターンとしての導電パターン110並びに絶縁性パターンとしての絶縁パターン115の材質および特性等について説明する。
基板10Aの材質について説明する。基板10Aが可撓性を有する材質として、ポリイミド樹脂系、エポキシ樹脂系、ポリエステル樹脂系、フェノール樹脂系、フッ素樹脂系等の合成樹脂を基材にしたもの、また、紙、ガラス布基材を基材にしたもの、或いは、これらのそれぞれの基材を組み合せたコンポジット基材等がある。
また、基板10Aが不可撓性の材質として、低温焼結基材としてのガラス系、無機質系としてのセラミック、高温焼結基材系、高熱伝導性基材(炭化ケイ素系等)、誘電体材料、抵抗体材料等がある。本実施例は、液滴吐出装置1により、導電パターンを選択的に基板としての基材に導電パターンを描画して製造するため、これらの基材に適用できる。
導電性パターンとなる導電性液状材料11aは、導電性微粒子及び有機金属化合物のうちの少なくとも一方を含有し、液滴吐出装置1によって基板10Aの上に所定の形状で所定の位置に設けられて導電性パターンとなる。導電性微粒子及び有機金属化合物のうちの少なくとも一方を含有する導電性液状材料11aとしては、導電性微粒子を分散媒に分散させた分散液、液体の有機金属化合物、有機金属化合物の溶液、またはそれらの混合物を用いる。ここで用いられる導電性微粒子は、金、銀、銅、錫、パラジウム、ニッケルの何れかを含有する金属微粒子の他、導電性ポリマーや超電導体の微粒子などが用いられる。
これら導電性微粒子については、分散性を向上させるためその表面に有機物などをコーティングして使うこともできる。導電性微粒子の粒径は1nm以上0.1μm以下であることが好ましい。0.1μmより大きいと、インクジェット吐出装置の液滴吐出ヘッドのノズル部で目詰まりが起こりやすく、液滴吐出法による吐出が困難になるからである。また、1nmより小さいと、導電性微粒子に対するコーティング剤の体積比が大きくなり、得られる膜中の有機物の割合が過多となるからである。
また、有機金属化合物としては、例えば金、銀、銅、パラジウムなどを含有する化合物や錯体で、熱分解により金属が析出するものが挙げられる。具体的には、クロロトリエチルホスフィン金(I)、クロロトリメチルホスフィン金(I)、クロロトリフェニルフォスフィン金(I)、銀(I)2,4−ペンタンヂオナト錯体、トリメチルホスフィン(ヘキサフルオロアセチルアセトナート)銀(I)錯体、銅(I)ヘキサフルオロペンタンジオナトシクロオクタジエン錯体、などが挙げられる。
導電性微粒子及び有機金属化合物のうちの少なくとも一方を含有する液体の分散媒または溶媒としては、室温での蒸気圧が0.001mmHg以上200mmHg以下(約0.133Pa以上26600Pa以下)であるものが好ましい。蒸気圧が200mmHgより高いと、吐出後に分散媒または溶媒が急激に蒸発してしまい、良好な膜を形成することが困難となるからである。また、分散媒または溶媒の蒸気圧は0.001mmHg以上50mmHg以下(約0.133Pa以上6650Pa以下)であるのがより好ましい。蒸気圧が50mmHgより高いと、液滴吐出法で液滴を吐出する際に乾燥によるノズル詰まりが起こり易く、安定な吐出が困難になるからである。一方、室温での蒸気圧が0.001mmHgより低い分散媒または溶媒の場合には、乾燥が遅くなって膜中に分散媒または溶媒が残留しやすくなり、後工程の熱及び/又は光処理後に良質の導電膜が得られにくくなる。
使用する分散媒としては、前述の導電性微粒子を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されない。また、溶媒としては、前述の有機金属化合物を溶解するものであれば特に限定されない。そのような分散媒または溶媒として、具体的には、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、更に、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を挙げることができる。さらには、ポリイミド樹脂系、エポキシ樹脂系、ポリエステル樹脂系、フェノール樹脂系、フッ素樹脂系、紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂等がある。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、有機金属化合物の溶解性、また液滴吐出法への適用のし易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、さらに好ましい分散媒または溶媒としては、水、炭化水素系化合物を挙げることができる。これらの分散媒または溶媒は、単独でも、あるいは2種以上の混合物としても使用することができる。
前述した導電性微粒子を分散媒に分散する場合の分散質濃度としては、1質量%以上80質量%以下とするのが好ましく、所望の導電膜の膜厚に応じて調整することができる。80質量%を超えると凝集をおこしやすくなり、均一な膜が得にくくなる。また、同様の理由で、前述した有機金属化合物の溶液の溶質濃度としても、前述した分散質濃度と同範囲のものが好ましい。このようにして調整された導電性微粒子及び有機金属化合物のうちの少なくとも一方を含有する導電性液状材料11aの表面張力としては、0.02N/m以上0.07N/m以下の範囲とするのが好ましい。液滴吐出法にて導電性液状材料11aを吐出する際、表面張力が0.02N/m未満であると、インク組成物のノズル面に対する濡れ性が増大するためノズルから基板10Aまでの間で飛行曲りが生じ易くなり、0.07N/mを超えると、ノズル先端での表面張力によるインクの形状(以下、メニスカスという)が安定しないため、吐出量、吐出タイミングの制御が困難になるからである。
表面張力を調整するため、導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bまたは受容層形成液状材料11cには、基板10Aの表面との接触角を不当に低下させない範囲で、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節剤を微量添加することができる。ノニオン系表面張力調節剤は、液体の基板への濡れ性を良好化し、膜のレベリング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌(表面に小さなくぼみがある状態)の発生などの防止に役立つものである。また、導電性液状材料11aは、必要に応じて、アルコール、エーテル、エステル、ケトン等の有機化合物を含んでいても差し支えない。
導電性液状材料11a、絶縁性液状材料11bまたは受容層形成液状材料11cの粘度は1mPa・s以上50mPa・s以下であるのが好ましい。液滴吐出法にて吐出する際、粘度が1mPa・sより小さい場合にはノズル周辺部がインクの流出により汚染されやすく、また粘度が50mPa・sより大きい場合は、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなり円滑な液滴の吐出が困難となるからである。
また、導電性液状材料11aまたは絶縁性液状材料11bを基板10Aの表面に定着するために、受容層102が配設されていることもある。この受容層102は、基板10Aの材質によって前述した導電性液状材料11aまたは絶縁性液状材料11bが定着するための表面処理であったり、また、撥水性を有する物質を表面に処理すれば導電性液状材料11aまたは絶縁性液状材料11bの定着を防ぐための表面処理であったりする。
受容層102は多孔性シリカ粒子またはアルミナまたはアルミナ水和物等で構成され、その粒子間などに微小空隙を形成する多孔質層である。この微小空隙に導電性液状材料11aまたは絶縁性液状材料11bを吐出することにより、導電性液状材料11aまたは絶縁性液状材料11bが入り込んで基板10Aに定着することができる。基板10Aの材質によっては、受容層102が無くても定着することができる。また、受容層102は、材質が異なる二層以上の層から成ってもよい。更に、受容層102は、液滴吐出装置1によって選択的に所定のパターンで配設されていてもよい。したがって、受容層形成液状材料11cを導電性液状材料11aまたは絶縁性液状材料11bと同様に吐出して、パターンを描画して受容層102を形成するようにしてもよい。
また、絶縁性液状材料11bの材質は、乾燥後にSiO2,SiN,Si34となる液状材料、ポリイミド樹脂系、エポキシ樹脂系、ポリエステル樹脂系、フェノール樹脂系、フッ素樹脂系、紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂等から選択することにより、基板10A、受容層102または導電パターン110への密着性が確保される。また、絶縁性液状材料11bの材質はこれらに限らず、電気的な絶縁性を確保できる材質であればよい。
次に、液滴吐出ヘッド51を使用した液滴吐出装置1によってパターンが形成される順番および方法について説明する。
図3(a)または図3(b)では、基板としての基板10Aの表面に、受容層102が配設され、導電性パターンとしての導電パターン110(導電パターンが複数ある場合で、すべての導電パターンを指す場合は総称して導電パターン110という)および絶縁性パターンとしての絶縁パターン115(絶縁パターンが複数ある場合で、すべての絶縁パターンを指す場合は総称して絶縁パターン115という)が、液滴吐出装置(図1参照)1によって形状が形成される。本実施例では、液滴吐出装置1によって絶縁パターン115を形成するようになっているが、他の塗布方法(例えば、スプレー、ポッティング、刷毛塗り等)でもよい。前述したように受容層102は必ずしも必要ではなく、基板10Aと導電パターン110または絶縁パターン115との密着性が確保されればなくてもよい。
本実施例では、受容層102が基板10Aの少なくとも一面の全域に配設されている場合で説明する。先ず、基板10Aの片面または両面にスプレー、スピンコート、ディッピング、真空蒸着、大気圧プラズマ処理等により受容層102を基板10Aの少なくとも一面に形成し、必要によって乾燥処理および焼付け処理を施す。これによって導電パターン110または絶縁パターン115と基板10Aとのそれぞれの密着性が確保される。
液滴吐出装置1(図1参照)によって、基板10Aには基板側電極としての導電パターン110a,110bが受容層102上にパターン化される。この場合、液滴吐出装置1での導電パターン110の幅L1は、基板10Aの上方に二点鎖線で示した電子要素としての液晶パネル101の要素側電極としての透明電極端子109a〜109cの幅L2よりも大きいのが現状である。図3(b)からも分かるように導電パターン110aと導電パターン110bとの間に、他の導電性パターンとしての導電パターン110cを同一平面で吐出してパターン化すれば、それぞれの導電パターン110a〜110cとが接触してすべてのパターンが電気的に短絡したこととなり、基板10Aは電気回路としての機能を全く果たせないこととなる。
そこで、本実施例では、導電パターン110a,110bの周囲に絶縁性液状材料11bを液滴吐出装置1によって吐出し、絶縁パターン115aを導電パターン110a,110bと略同じ厚さで配設する。パターンを吐出した後に、加熱処理または光処理が施される。以降、この加熱処理または光処理は省略して説明する。さらに、絶縁パターン115bを導電パターン110dと導電パターン110eの領域を除く領域に配設する。
絶縁パターン115bの上に、導電パターン110cを配設する。この場合、液晶パネル101の透明電極端子109a〜109cの配列ピッチをP1、導電パターン110cの幅をL3、導電パターン110dおよび導電パターン110eの幅をL4とした場合に、P1>(L3+L4)×1/2を満足している必要がある。言い換えれば、導電パターン110cと導電パターン110dまたは導電パターン110eとの間に、隙間があるように導電パターン110cを配設しなければならない。このことは、基板10Aが回路として機能するために重要な特性である。
次に、絶縁パターン115bの上に、導電パターン110c、導電パターン110dおよび導電パターン110eの領域を除いた領域に、絶縁パターン115cを配設する。更に、絶縁パターン115dを導電パターン110d,110e,110fの領域を除いた領域に配設する。次に、絶縁パターン115b〜115dで作られた穴に導電パターン110d,110e,110fを吐出する。この導電パターン110d,110e,110f間の距離は、液晶パネル101の透明電極端子109a〜109cの配列ピッチをP1と略等しくなっている。
本実施例では、図3(a)に示すように、導電パターン110a〜110cが、液晶パネル101の透明電極端子109a〜109cの配列ピッチ方向(同図紙面左右方向)にそれぞれが重なり合って配設されているが、片側(導電性パターンの一部または一方の他の導電性パターンの一部)だけが重なり合っていてもよい。しかも、この重なり合っている導電パターン110a〜110cとの間に絶縁パターン115を挟んで積重していることにより、導電パターン同士の電気的な短絡を防止する構成となっている。
また、本実施例では、液晶パネル101の透明電極端子109の一部に液晶駆動用IC(図示せず)が装着されている場合も、同様に導電接続することができる。また、基板10Aが可撓性を有する基板として説明したが、不可撓性の基板でも同様に導電接続することができる。
また、本実施例の基板側電極としての導電パターン110d〜110fと要素側電極としての液晶パネル101の透明電極端子109とを押圧した状態で、基板10Aと液晶パネル101の透明基板との間に、接着剤を流し込んで導電接続部を固着してもよい。
また、基板側電極としての導電パターン110d〜110f部または要素側電極としての液晶パネル101の透明電極端子109部の少なくとも一方に導電性を有する導電部材116を付着させ、その導電部材116にエネルギー(熱、光等)を与えて基板側電極としての導電パターン110d〜110fと液晶パネル101の透明電極端子109とを導電接続させてもよい。導電部材116としては、ハンダ、金属紛、金属メッキ、導電ペースト、可撓性を有する導電ゴム、導電性接着剤等の導電性を有する物質をいう。
本実施例として、導電パターン110d〜110fの導電性液状材料11aの溶媒に、光硬化型(紫外線硬化型、可視光硬化型等)の樹脂を使用した場合は、基板10Aと液晶パネル101とを接触させた状態で、基板10Aの上方から光を照射することにより、導電パターン110d〜110fの硬化と同時に基板10Aと液晶パネル101とを固着させて導電接続することができる。このことは、電子要素の要素側電極部がプラスチック、フィルム等の透明な材質であれば、同様に導電接続することができる。
更に、本実施例として、基板側電極としての導電パターン110d〜110f部と、要素側電極としての液晶パネル101の透明電極端子109部と一方を他方に付勢することによって導電接続してもよい。
また、本実施例の電子要素として半導体装置としてのベアICチップの場合でも同様に適用することができる。電子要素がベアICチップの場合、要素側電極としてのバンプが金または金メッキで構成されているため、基板側電極としての導電パターン110d〜110fの中にハンダの粒子を混入させ、ベアICチップと基板10A(回路基板)とを所定の位置で位置決めして、加熱・溶融することによってベアICチップと基板10Aとを導電接続することができる。
以下、第1の実施例の効果を記載する。
(1)基板側電極の所定パターンで吐出形成された導電パターン110a,110bと、その導電パターン110a,110bと隣り合っている他の導電パターン110cとの間に、所定パターンで吐出形成された絶縁パターン115を有することによって、それぞれの導電パターンの幅L1および幅L3を大きくすることができ、且つそれぞれの隣り合っている他の導電パターンとの絶縁をすることができる。したがって、吐出形成された比較的幅の広い導電パターン110a〜110cでも要素側電極としての液晶パネル101の透明電極端子109a〜109cの端子と導電接続することができる電極間接続構造および電子機器を提供することができる。
(2)ひとつの導電パターン110cの一部と、導電パターン110cと隣り合っている少なくとも一方の他の導電パターン110a,110bの一部とが絶縁パターン115を挟んで積重しているので、基板側電極としての導電パターン110a〜110fが要素側電極としての液晶パネル101の透明電極端子109a〜109cの端子に対向するように所定の間隔で配列されている平面方向に対して垂直方向でのスペースが使用できる。したがって、吐出形成された、より比較的幅の広い導電性パターンでも要素側電極と導電接続することができる電極間接続構造および小型化された電子機器を提供することができる。
(3)要素側電極を有する基板としての液晶パネル101は透光性基板であり、液晶パネル101を駆動する信号を基板側電極としての導電パターン110a〜110fから供給することができ、また液晶パネル101からの種々の信号を受け取ることができる電極間接続構造および小型な液晶パネルを備えた電子機器を提供することができる。
(4)液晶駆動用ICを装着した液晶パネル101の透光性基板に配設されている要素側電極との導電接続をすることができ、要素側電極としての透明電極端子109a〜109cを介して液晶駆動用ICに駆動信号を供給して液晶パネル101を駆動することができる電極間接続構造および高度に表示制御された液晶パネルを備えた電子機器を提供することができる。
(5)基板側電極としての導電パターン110a〜110fを有する基板10Aは可撓性又は不可撓性の基板であるので、基板10Aに装着される電子要素に適した基板10Aを選択して使用することができる電極間接続構造およびそれぞれの電子要素を効率良く配置することができ、小型で薄型の電子機器を提供することができる。
(6)電子要素としてのベアICチップに対して基板側電極としての導電パターン110a〜110fを有する基板10Aは可撓性又は不可撓性の基板で導電接続することができる電極間接続構造および小型化された電子機器を提供することができる。
(7)基板側電極としての導電パターン110a〜110fを有する基板10Aは可撓性又は不可撓性の基板であり、電子要素はプラスチック、フィルム、液晶パネルであるので、電子要素の特性に合わせて適した基板側電極を有する基板を選択して使用することができる電極間接続構造および更に小型化された電子機器を提供することができる。
(8)基板10Aに形成された基板側電極としての導電パターン110a〜110fと、基板10Aに装着される電子要素に形成された要素側電極としての透明電極端子109a〜109cとを導電接続するために、両電極の接触又は接近部となる箇所の少なくとも一方の電極に導電部材を付着して、その両電極間を導電部材で導電接続することができるので、基板10Aに形成された基板側電極としての導電パターン110a〜110f上に、コンデンサ、抵抗、コイル、ICチップ、液晶パネル等の種々の電子要素が装着できる。
(9)基板側電極としての導電パターン110d〜110fと要素側電極としての液晶パネル101の透明電極端子109a〜109cとの間の接着剤によって、基板10Aと液晶パネル101とが固着されるとともに導電部材によって導電接続することができるので、基板10Aが変形しても液晶パネル101を基板10Aに固着しておくことができる。
(10)基板側電極としての導電パターン110d〜110fと要素側電極としての液晶パネル101の透明電極端子109a〜109cとの間に、導電性を有する導電部材と接着剤を混入させて挟持するため、基板10Aと電子要素としての液晶パネル101とを固着するとともに導電接続することができる。
(11)基板10Aと電子要素としての液晶パネル101を所定の関係位置に位置決めして熱を加えることによって、少なくとも一方の電極に与えられた導電部材を溶融し、基板10Aと電子要素としての液晶パネル101とを導電接続するとともに固着することができる。
(12)基板側電極としての導電パターン110d〜110fと要素側電極としての液晶パネル101の透明電極端子109a〜109cとの間に可撓性を有する導電部材を挟持するので、どちらか一方の電極を他方の電極に付勢することによって導電接続することができる。
(13)電子要素としての液晶パネル101の透明電極端子109a〜109cの端子の幅L2と比較して幅の広い導電パターン110a〜110cの幅L1および幅L3でも、絶縁パターン115と積重することによって、基板側電極と要素側電極とを導電接続することができる電極間接続構造および電子機器を提供することができる。
(14)基板10A上の導電パターン110を配線する場合に、隣同士の間隔が取れない場合は、本実施例を適用して配線することができ、基板10Aそのものを小型化することができる。
(15)電子要素の要素側電極部が、プラスチック、フィルム、液晶パネルのようなガラス基板である場合は、導電性液状材料11aの溶媒に光硬化型の樹脂を使用することにより、基板10Aの基板側電極とこれらの電子要素の要素側電極とを固着すると同時に導電接続することができ、製造工程を短縮化するとともに、導電接続部の検査が目視でできるため安価で小型な電極間接続構造および電子機器を提供することができる。
(16)電子要素が多種少量生産型の場合に、本実施例では、ひとつの基板10A上に、多種に対応する幾種類かの回路基板を同時に製造することができるため、安価な電極間接続構造および電子機器を提供することができる。
(17)電子要素としてベアICチップまたは液晶パネルの場合、従来は異方性導電フィルムACF(Anisotropic Conductive Film)を使用して電極間接続をしていたが、ACFは金が主成分であり大変高価である。本実施例によれば、安価な電極間接続を実現することができる。
以下、本発明を具体化した第2の実施例を図面に従って説明する。本実施例は、第1の実施例と異なる部分について記載する。
図4(a)は、電子要素と基板10Aとの関係を示す模式的な部分平面図、図4(b)は、電子要素と基板10Aとの関係を示す模式的な部分断面図である。
この実施例は、受容層、導電パターンおよび絶縁パターンが必要な箇所に配設されて構成されている実施例である。液滴吐出装置1(図1参照)のタンク12の少なくともひとつに受容層形成液状材料11cが投入され、液滴吐出装置制御部7によって、液滴吐出ヘッド51から吐出された受容層形成液状材料11cが、基板10Aの上にパターンとして受容層202が配設されている。この受容層202の配設領域は、受容層202の上に配設される導電パターン210または絶縁パターン215の配設領域の一部を含む領域となっている。受容層202は、基板10Aと導電パターン210と絶縁パターン215との材質の組合せにより、密着性を確保するために必要な部分だけ配設されていればよい。また、全く配設されていなくてもよい。
受容層202の上に、導電パターン210aおよび導電パターン210bがパターンとして液滴吐出装置1により吐出される(以降、このことを単に塗布すると記載する)。それぞれのパターンが吐出された後、必要に応じて乾燥工程を設ける。以降、乾燥工程は省略して記載する。次に、絶縁パターン215aを塗布して、先に塗布されている導電パターン210aおよび導電パターン210bの間を埋める。次に、絶縁パターン215bを塗布する。絶縁パターン215bは、導電パターン210aおよび導電パターン210bの上に、導電パターン210dと導電パターン210eのための穴を設けるように塗布される。
次に、絶縁パターン215bの上に導電パターン210cが塗布される。同図(a)で、導電パターン210aおよび導電パターン210bと導電パターン210cとは、交互に位置を変えて繰り返し配列されている。このことについては、後で詳述する。
次に、絶縁パターン215cを、絶縁パターン215aで設けられた穴と略同位置になるように、導電パターン210aおよび導電パターン210bの上に穴を設けると同時に導電パターン210cの周囲を埋める。次に、絶縁パターン215dを塗布する。絶縁パターン215dは、導電パターン210cの上に新たに導電パターン210f用の穴を設けると同時に、絶縁パターン215bおよび絶縁パターン215cで設けられている穴と略同位置に穴を設け、更に導電パターン210cを覆うように塗布する。
絶縁パターン215dによって、導電パターン210cの上に新たに導電パターン210f用の穴は、導電パターン210dと導電パターン210e用に設けられた穴とは交互に位置を変えて繰り返し配列されている。次に、導電パターン210d,210e,210fを塗布する。この場合、液滴吐出装置1によって塗布するか、或いはディスペンサ等に入れられた導電性液状材料11aを塗布してもよい。
基板側電極としての導電パターン210a,210b,210c,210d,210e,210fの位置が、電子要素としての液晶パネル201の要素側電極としての透明電極端子209a〜209cに対し、交互に位置を変えて繰り返し配列されていることについて説明する。同図(b)での、導電パターン210cと導電パターン210dおよび導電パターン210eとの距離L5は、同図(a)のように交互に位置を変えて配列することによって、実質の導電パターン210cと導電パターン210dおよび導電パターン210eとの距離はL6となる。導電パターン210cと導電パターン210dおよび導電パターン210eとの電気的な短絡は、回路として致命傷となるため、それぞれとの距離が離れることにより回避することができる。
以下、第2の実施例の効果を記載する。
(18)基板側電極としての導電パターン210a,210b,210cと要素側電極としての透明電極端子209a〜209cとが導電接続する部位としての導電パターン210d,210e,210fが、交互に位置を変えて繰り返し配列されているので、ひとつの導電接続する部位と他の導電接続する部位との距離が遠ざかり、導電接続することが安定するとともにそれぞれの導電接続する部位同士の電気的な短絡を防止することができる電極間接続構造と電極間接続部の導電接続が安定した電子機器を提供することができる。
(19)基板側電極としての導電パターン210a,210b,210c,210d,210e,210fの位置を、交互に位置を変えて配列することによって、製造上の電気的な短絡不良を削減でき、安定した品質を確保することができる。
(20)受容層202を必要な箇所に選択的に配設することで、受容層形成液状材料11cを節約することができ、安価な電極間接続構造と電子機器を提供することができる。
以下に、前記第2の実施例における変形例を記載する。
(変形例1)電子要素がベアICチップであり、基板10Aにワイヤーボンディングする場合に、基板側電極としての導電パターン210d,210e,210f部とベアICチップに設けられているバンプとの間でワイヤーボンディングすることによって、基板側のボンディング部間の距離を離すことができるため、安定した品質を得ることができる。
液滴吐出装置1の斜視図。 (a)は、液滴吐出ヘッド51の全体の断面斜視図、(b)は、吐出部の詳細断面図。 第1の実施例における(a)は、電子要素と基板10Aとの関係を示す模式的な部分平面図、(b)は、電子要素と基板10Aとの関係を示す模式的な部分断面図。 第2の実施例における(a)は、電子要素と基板10Aとの関係を示す模式的な部分平面図、(b)は、電子要素と基板10Aとの関係を示す模式的な部分断面図。
符号の説明
L1…幅、L2…幅、L3…幅、L5…距離、L6…距離、1…液滴吐出装置、2…吐出走査部、3…キャリッジ、4…第2位置制御装置、5…ステージ、6…第1位置制御装置、7…液滴吐出装置制御部、10A…基板、11a…導電性液状材料、11b…絶縁性液状材料、11c…受容層形成液状材料、12…タンク、13…チューブ、50…サブキャリッジ、51…液滴吐出ヘッド、52…ノズル、101…液晶パネル、102…受容層、109…透明電極端子、109a〜109c…透明電極端子、110…導電パターン、110a〜110f…導電パターン、115…絶縁パターン、115a〜115d…絶縁パターン、120…キャビティ、201…液晶パネル、202…受容層、209a〜209c…透明電極端子、210…導電パターン、210a〜210f…導電パターン、215…絶縁パターン、215a〜215d…絶縁パターン。

Claims (21)

  1. 基板に形成された基板側電極と、前記基板に装着される電子要素に形成された要素側電極とを導電接続する電極間接続構造であって、
    前記基板側電極と前記要素側電極は互いに接触又は接近して配置され、
    前記基板側電極の所定パターンでインクジェット法により吐出形成された導電性パターンと、前記導電性パターンと隣り合っている他の導電性パターンとの間に、所定パターンで形成された絶縁性パターンとを有することを特徴とする電極間接続構造。
  2. 請求項1に記載の電極間接続構造において、前記基板側電極が前記要素側電極に対向するように所定の間隔で配列されている平面方向に対して垂直方向に、ひとつの前記導電性パターンの一部と、前記導電性パターンと隣り合っている少なくとも一方の他の導電性パターンの一部とが、前記絶縁性パターンを挟んで積重していることを特徴とする電極間接続構造。
  3. 請求項1または2に記載の電極間接続構造において、前記基板側電極と前記要素側電極とが導電接続する部位が、交互に位置を変えて繰り返し配列されていることを特徴とする電極間接続構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極間接続構造において、前記要素側電極を有する電子要素は液晶パネルの透光性基板であることを特徴とする電極間接続構造。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極間接続構造において、前記要素側電極を有する電子要素は液晶パネルの透光性基板であり、前記電子要素は液晶駆動用ICを装着したガラス基板であることを特徴とする電極間接続構造。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極間接続構造において、前記基板側電極を有する基板は可撓性又は不可撓性の基板であることを特徴とする電極間接続構造。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極間接続構造において、前記基板側電極を有する基板は可撓性又は不可撓性の基板であり、前記電子要素はベアICチップであることを特徴とする電極間接続構造。
  8. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極間接続構造において、前記基板側電極を有する基板は可撓性又は不可撓性の基板であり、前記電子要素はプラスチック、フィルム、液晶パネルであることを特徴とする電極間接続構造。
  9. 基板に形成された基板側電極と、前記基板に装着される電子要素に形成された要素側電極とを導電接続するための電極間接続方法であって、
    前記基板側電極と前記要素側電極とを互いに接触又は接近して配置し、
    前記基板側電極と前記要素側電極との接触又は接近部となる箇所の少なくとも一方の電極にインクジェット法により形成された導電部材を付着して、その両電極間を前記導電部材で導電接続することを特徴とする電極間接続方法。
  10. 請求項9に記載の電極間接続方法において、前記基板側電極と前記要素側電極との間に接着剤を塗布して、前記基板と前記電子要素とを固着することを特徴とする電極間接続方法。
  11. 請求項9に記載の電極間接続方法において、前記導電部材に接着剤を混入させ、前記基板と前記電子要素とを固着するとともに導電接続することを特徴とする電極間接続方法。
  12. 請求項9に記載の電極間接続方法において、前記導電部材を熱によって溶融して、前記基板の前記基板側電極と前記電子要素の前記要素側電極とを導電接続するとともに、前記基板と前記電子要素とを固着することを特徴とする電極間接続方法。
  13. 基板に形成された基板側電極と、前記基板に装着される電子要素に形成された要素側電極とを導電接続するための電極間接続方法であって、
    前記基板側電極と前記要素側電極とを互いに接触又は接近して配置し、
    前記両電極の接触又は接近部に可撓性を有するインクジェット法により形成された導電部材をその両電極間に挟持して、前記導電部材で導電接続することを特徴とする電極間接続方法。
  14. 基板に形成された基板側電極と、前記基板に装着される電子要素に形成された要素側電極とを導電接続する電極間接続構造を有する電子機器であって、
    前記基板側電極と前記要素側電極は互いに接触又は接近して配置され、
    前記基板側電極の所定パターンでインクジェット法により吐出形成された導電性パターンと、前記導電性パターンと隣り合っている他の導電性パターンとの間に、所定パターンで形成された絶縁性パターンを有する電極間接続構造を備えたことを特徴とする電子機器。
  15. 請求項14に記載の電子機器において、前記基板側電極が前記要素側電極に対向するように所定の間隔で配列されている平面方向に対して垂直方向に、ひとつの前記導電性パターンの一部と、前記導電性パターンと隣り合っている少なくとも一方の他の導電性パターンの一部とが、前記絶縁性パターンを挟んで積重している電極間接続構造を備えたことを特徴とする電子機器。
  16. 請求項14または15に記載の電子機器において、前記基板側電極と前記要素側電極とが導電接続する部位が、交互に位置を変えて繰り返し配列されている電極間接続構造を備えたことを特徴とする電子機器。
  17. 請求項14〜16のいずれか一項に記載の電子機器において、前記要素側電極を有する電子要素は液晶パネルの透光性基板であることを特徴とする電子機器。
  18. 請求項14〜16のいずれか一項に記載の電子機器において、前記要素側電極を有する電子要素は液晶パネルの透光性基板であり、前記電子要素は液晶駆動用ICを装着したガラス基板であることを特徴とする電子機器。
  19. 請求項14〜16のいずれか一項に記載の電子機器において、前記基板側電極を有する基板は可撓性又は不可撓性の基板であることを特徴とする電子機器。
  20. 請求項14〜16のいずれか一項に記載の電子機器において、前記基板側電極を有する基板は可撓性又は不可撓性の基板であり、前記電子要素はベアICチップであることを特徴とする電子機器。
  21. 請求項14〜16のいずれか一項に記載の電子機器において、前記基板側電極を有する基板は可撓性又は不可撓性の基板であり、前記電子要素はプラスチック、フィルム、液晶パネルであることを特徴とする電子機器。
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