JP4507330B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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JP4507330B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受像層の表面に、加熱することにより樹脂膜となる熱可塑性樹脂層を有する記録媒体に対し、印刷および加熱処理を行うインクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のインクジェットプリンタとして、例えば特開平10−291306号公報に記載のものが知られている。このインクジェットプリンタは、加熱することにより樹脂膜となる多孔質樹脂層を有するプリント媒体(記録媒体)を巻回して収容したカートリッジと、カートリッジが着脱自在に装着されたプリンタ本体とで構成されている。プリンタ本体は、インクジェットヘッドを有するプリントユニットと、プリント媒体の印刷済み部分を切断するカッターユニットと、切断されたプリント媒体片を受け取る中間トレイと、プリント媒体片を加圧および加熱する(定着処理)定着ユニットと、定着ユニットを通過したプリント媒体片の湾曲状態を矯正するダカールユニットと、これら各ユニットにプリント媒体を送る複数組の送りローラとで構成されている。
送りローラによりカートリッジから繰り出されたプリント媒体は、プリントユニットに送られ、ここでインクジェット方式の印刷が行われる。さらにプリント媒体は先方に送られ、その印刷済み部分はカッターユニットにより切断される。この切断されたプリント媒体片は、いったん中間トレイに送り込まれ、ここでUターンしてから定着ユニット、更にはダカールユニットに送り込まれ、定着処理および形状矯正が行われた後、排出口に送り出される。
この場合、定着ユニットは、ヒータを内蔵した一対の加熱ローラで構成されており、プリント媒体は、この一対の加熱ローラに挟持され、加圧且つ加熱しながら送られることで定着処理される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のインクジェットプリンタでは、加熱ローラが記録媒体(プリント媒体)に直接転接するため、効率良く加熱処理(定着処理)を行うことができるが、温度制御を誤ると、溶融した樹脂層の一部が加熱ローラに付着して樹脂膜を損傷させるなどの不具合が生ずる。もっとも、加熱ローラを非接触のもので構成すればかかる不具合は生じないが、非接触の場合には、空間を介して記録媒体を加熱するため、加熱処理が不安定になったり加熱むらなどの不具合が生じ易い。
【0004】
本発明は、記録媒体を、その形態に応じて効率良く加熱することができ、エネルギーの無駄な消費を抑制することができるインクジェットプリンタを提供することをその目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のインクジェットプリンタは、受像層の表面に、加熱することにより樹脂膜となる熱可塑性樹脂層を有する記録媒体に対し、当該記録媒体を送りながらこれに印刷を行うと共に、当該記録媒体を送りながらその印刷済み部分を加熱処理するインクジェットプリンタにおいて、記録媒体の印刷済み部分を加熱すると共に、記録媒体の送り経路を挟むように対峙する一対の板状ヒータから成る非接触ヒータを備え、各板状ヒータの内部は、熱可塑性樹脂層を溶融温度以上に加熱する主加熱部と、主加熱部の送り方向の上流側に配設され、熱可塑性樹脂層を溶融温度以下に加熱する副加熱部と、に2分割されていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、ヒータを通過する記録媒体は、その副加熱部に臨んで予熱され更に主加熱部に臨んで本加熱される。これにより、記録媒体は、徐々に昇温されながら加熱処理される。したがって、記録媒体に対し熱が十分に行き渡るため、記録媒体を必要以上の温度で加熱する必要がなくなり、記録媒体を効率良く加熱することができる。
また、非接触ヒータを用いることで、ヒータと記録媒体とが一切接触することがなく、加熱した記録媒体の樹脂膜がヒータに付着してしまうのを、確実に防止することができる。なお、非接触ヒータとして、平板ヒータや遠赤外線ヒータを用いることが、好ましい。
さらに、非接触ヒータを単純な構造とすることができると共に、所定の加熱面積を持って記録媒体を加熱することができる。したがって、記録媒体に対し、加熱むらを生ずることなく均一に加熱処理することができる。
【0029】
これらの場合、記録媒体が、ロール状に巻回された状態から繰り出されて印刷に供される印刷テープであることが、好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタについて説明する。このインクジェットプリンタは、一般的な記録媒体を印刷対象物とし、これに印刷処理を可能とすると共に、加熱することにより記録面に樹脂膜を構成する熱可塑性樹脂層を有する記録媒体を印刷対象物とし、これに印刷処理に加え加熱処理を可能とするものである。
【0031】
図1はインクジェットプリンタの内部構造を表した断面図、図2はその平面図、図3はその斜視図である。これらの図に示すように、このインクジェットプリンタ1は、箱形の装置ケース3で外殻を形成した装置本体2の内部に、隔板(断熱隔壁)4で仕切るようにしてプリント部5とヒート部6とを備えて、構成されている。装置ケース3のプリント部5側の上隅部には、記録媒体Pを導入するための給紙口7が形成され、装置ケース3のヒート部6側の中間側部には、記録媒体Pを外部に送り出す排紙口8が形成されている。
【0032】
プリント部5は、往復動するヘッドユニット11を備えた印刷装置10と、給紙口7に投入された記録媒体Pを1枚ずつ印刷装置10に送り込む給紙装置12と、記録媒体Pを給紙装置12から受け取って印刷装置10に臨ませるようにして先方に送るヘッド側送り装置13と、これら装置10,12,13を制御するヘッド側コントローラ14とを有している。給紙装置12から1枚ずつ送られる記録媒体Pは、ヘッド側送り装置13に受け渡され、ヘッドユニット11の下側近傍を通過してヒート部6に送られる。ヘッドユニット11の下側を通過する記録媒体Pは間欠送りされ、これに対しヘッドユニット11が送り方向に直交する方向に往復動して、記録媒体Pへの印刷が行われる。すなわち、ヘッドユニット11の往復動と記録媒体Pの間欠送りとが、印刷技術における主走査および副走査となって、インクジェット方式の印刷が行われる。
【0033】
ヒート部6は、プリント部5から送られて来る記録媒体Pの印刷済み部分を加熱処理する加熱装置16と、加熱により湾曲(カール)した記録媒体Pを平坦に矯正するカール矯正装置17と、記録媒体Pを外部に送り出す手前で冷却する空冷装置18と、ヘッド側送り装置13から受け取った記録媒体Pを、加熱装置16およびカール矯正装置17を通過させて排紙口8から装置外に送り出すヒータ側送り装置19と、これら各装置16,18,19を制御するヒータ側コントローラ20とを有している。プリント部5から送り込まれた記録媒体Pは、加熱装置16でその記録面側を加熱処理されると共に、カール矯正装置17でその湾曲した形状を平坦な形状に矯正され、さらに空冷装置18で冷却されて装置外に送り出されてゆく。
【0034】
隔板4は、断熱製を有する部材で構成され、装置本体2の内部をヘッド側スペース2aとヒータ側スペース2bとに仕切っている。そして、隔板4の中間位置には、記録媒体Pが通過する貫通口4aが形成されている。このように、隔板4を設けることで、ヘッド側スペース2aとヒータ側スペース2bとを熱的に仕切ることができ、ヘッドユニット11等の加熱装置16から受ける熱的影響を回避することができる。
【0035】
ヘッド側コントローラ14は、いずれも図示しないが、上記装置10,12,13を制御するための制御プログラム等を記憶するROM、各種作業領域となるRAM、装置10,12,13を駆動するための駆動回路、および、それらを使用してプリント部5の各種制御を行うCPUを備え、また、記録媒体Pの属性等を検出する検出手段に接続され、その検出結果をヒータ側コントローラ20に報告する。ヒータ側コントローラ20は、隔板4を通してヘッド側コントローラ14に接続され、各種検出結果を受け取るとともに、上記装置16,18,19の制御プログラム等を記憶するROM、作業領域となるRAM、各装置の駆動のための駆動回路、および、それらを使用してヒート部6において後述の各種制御を行うCPUを備えている。
【0036】
ここで、各構成装置について詳細に説明するが、その前に記録媒体Pについて説明する。記録媒体Pはロール紙でも印刷テープでもよいが、ここでは単票紙(印刷用紙)が用いられている。図4は記録媒体Pの積層構造を表しており、記録媒体Pは、基材Paと、基材Paの表側に積層した受像層Pbとから成り、受像層Pbが記録媒体Pの記録面を構成している。また、受像層Pbの表面には、加熱することにより樹脂膜となる熱可塑性樹脂層Pcが形成されている。そして、本実施形態における記録媒体Pは、この熱可塑性樹脂層Pcを上向きにした状態で、装置本体2の内部に導入される。
【0037】
基材Paは、例えば植物繊維を主体とする紙やPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどで構成されている。受像層Pbは、インク吸収層Pdと熱可塑性樹脂層Pcとから成り、熱可塑性樹脂層Pcは、高分子微粒子または多孔質の高分子層で形成されている。印刷において、受像層Pbにインクが付着すると、インクは熱可塑性樹脂層Pcを通過してインク吸収層Pdに吸収保持される。この状態で、記録媒体Pを加熱すると、熱可塑性樹脂層Pcが溶融し樹脂膜を生成する。すなわち、インク吸収層Pdに吸収保持されたインクが、樹脂膜でコーティング様に保護される。なお、樹脂膜(熱可塑性樹脂層Pc)は無色透明であることが好ましいが、わずかに着色されているものであってもよい。
【0038】
ところで、上記のような積層構造を有する記録媒体Pは、特に基材Paと熱可塑性樹脂層Pcの熱膨張率の相違から加熱処理の際にカールする(反る)。そこで、図5の変形例の記録媒体Pでは、基材Paに裏面側にも熱可塑性樹脂層Pcを構成するようにしている。この場合、記録面側の熱可塑性樹脂層Pcと、この裏面側の熱可塑性樹脂層Pcとは、同一の材質であって同一の厚みに形成されていることが好ましい。記録媒体Pをこのような積層構造にすれば、表裏両面の熱膨張率が釣り合って加熱処理の際にカールを防止することができる。
【0039】
次に、図1、図2および図3を参照して、プリント部5の各構成装置について詳細に説明する。印刷装置10は、ヘッドユニット11と、駆動源となるキャリッジモータ31と、キャリッジモータ31の回転を受けてヘッドユニット11を往復動させる往復動機構32とを備えている。ヘッドユニット11は、下面に多数のインクノズルを形成したインクジェットヘッド33と、インクジェットヘッド33にインクを供給するインクカートリッジ34と、インクジェットヘッド33およびインクカートリッジ34を搭載したキャリッジ35とで、構成されている。なお、カラープリンタでは、インクカートリッジ34に、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒)の4色のインクを充填したものを用いることが好ましい。
【0040】
往復動機構32は、両端を図示しないフレームに支持されたキャリッジガイド軸37と、キャリッジガイド軸37と平行に延在するタイミングベルト38とを有している。キャリッジ35は、キャリッジガイド軸37に往復動自在に支持されており、またキャリッジ35はタイミングベルト38の一部に固定されている。キャリッジモータ31により、プーリを介してタイミングベルト38が正逆走行することで、キャリッジガイド軸37に案内されてヘッドユニット11が往復動する。そして、この往復動の際に、インクジェットヘッド33から適宜インクが吐出されて、記録媒体Pへの印刷が行われる。
【0041】
給紙装置12は、駆動源となる給紙モータ41と、給紙モータ41により回転する給紙ローラ42と、記録媒体Pを装置本体2内に導入するための給紙プレート43とを有している。給紙プレート43は、先端部側が前下がりに傾斜し、尾端部側が給紙口7に臨んでいる。給紙ローラ42は、ローラ本体42aの外周面の一部に平坦な押さえ面42bを有する異形ローラであり、給紙プレート43上に積層した多数枚の記録媒体Pを、ヘッド側送り装置13に向かって1枚ずつ送り込めるようになっている。なお、給紙プレート43に代えて、記録媒体Pを収容する給紙カセットを着脱自在に装着するようにしてもよい。
【0042】
ヘッド側送り装置13は、駆動源となる紙送りモータ51と、紙送りモータ51により回転するヘッド側送りローラ52とを有し、ヘッド側送りローラ52は、インクジェットヘッド33を挟んで記録媒体Pの送り方向の上流側に配設した送込みローラ53と、下流側に配設したヘッド側中間ローラ54とで構成されている。送込みローラ53は、記録媒体Pの送り経路(記録媒体P)21を挟んで上下に対峙する従動ローラ56aと駆動ローラ56bとから成り、駆動ローラ56bは紙送りモータ51に連結されている。同様に、ヘッド側中間ローラ54は、送り経路(記録媒体P)21を挟んで上下に対峙する一対のフリーローラ57a,57bで構成されている。
【0043】
本実施形態のインクジェットプリンタ1における駆動系のローラは、この送込みローラ53と後述する送出しローラ83とで構成され、送込みローラ53の駆動ローラ56bはノンスリップローラで構成され、送出しローラ83の駆動ローラ86bはスリップローラで構成されている。このため、記録媒体Pは、送込みローラ53により送り速度が制御され、送出しローラ83により張りが与えられる。一方、記録媒体Pの送り経路21は、送込みローラ53から排紙口8に至る部分が水平面内において直線状に構成されている。したがって、記録媒体Pは、送込みローラ53から排紙口8まで水平姿勢を維持しながらまっすぐに且つ連続的に送られる。これにより、ヘッドユニット11と加熱装置16とを近接して配置することができ、記録媒体Pの送り機構等を単純な構造にすることができる。
【0044】
次に、ヒート部6の各構成装置について詳細に説明する。加熱装置16は、送られてゆく記録媒体Pに非接触で臨む、いわゆる非接触ヒータ61で構成されている。非接触ヒータ61は、送り経路21を挟んで対峙する板状の一対の平板ヒータ62,62で構成されている。一対の平板ヒータ62,62は、所定の間隙を存して相互平行に対峙し、且つその間隙の中間には送り経路21が平行に位置している。すなわち、記録媒体Pは、その各部が一対の平板ヒータ62,62と一定の間隙を保ちながら送られてゆく。
【0045】
平板ヒータ62は、記録媒体Pの送り方向に一定の長さを有すると共に、使用する最大幅の記録媒体Pに応じた幅を有する加熱面62aを備えている。加熱面62aの長さは、少なくとも間欠送りされる記録媒体Pの間欠ピッチより長く形成することが好ましく、これにより、間欠送りで平板ヒータ62を通過する記録媒体Pを、均一に加熱処理できるようになっている。また、一対の平板ヒータ62,62は、ヒータ側コントローラ20により、個々に駆動可能に構成することが、好ましい。このようにすれば、基材Paの材質等が異なる各種の記録媒体Pに対し、最良の加熱形態をとることができる。なお、この実施形態では、非接触ヒータ61として一対の平板ヒータ62,62を用いているが、遠赤外線ヒータなどを用いるようにしてもよい。また、記録媒体Pの記録面側にのみ非接触ヒータ61を配設する構造としてもよい。
【0046】
カール矯正装置17は、非接触ヒータ61により加熱されることで湾曲(カール)状態となってしまった記録媒体Pを平坦な元の状態に直すものであり、送り経路21を挟んで対峙する上下一対の矯正プレート66,66から成るスリット板65で構成されている。この一対の矯正プレート66,66は、高耐熱性を有するポリイミド樹脂等で構成されており、その送り方向の上流側は、スリット間隙が拡開形成されている。この場合、一対の矯正プレート66,66のスリット間隙は、一対の平板ヒータ62,62の間隙より十分に狭く形成されており、カールした記録媒体Pがこのスリット間隙を通過することで、平坦な形状に矯正される。
【0047】
記録媒体Pは、複数の積層材料で構成されているため、相互の熱膨張率の相違(特に表裏)から加熱によりカールする(反る)。平板ヒータ62からスリット板65のスリット間隙に臨むと、カールを矯正されると共に徐々に冷却されるため、平坦な形状に安定してから排紙される。
【0048】
空冷装置18は、送風ファン71(モータ付き)と、送風ファン71の送風エアーを排紙口8側と非接触ヒータ61側との間で切り替える切替ダンパー72と、送風エアーを排紙口8側に導くダクトプレート73とを有している。切替ダンパー72は電動ダンパーで構成されており、送風ファン71と共にヒータ側コントローラ20により制御される。切替ダンパー72が排紙口8側に切り替わった状態では、送風ファン71からの送風エアーは、排紙口8手前の送り経路21の部分および矯正プレート66の下流側部分に向かって流れ、排紙口8手間に差し掛かった記録媒体Pおよび矯正プレート66を冷却する。また、後述する異常事態が発生した場合には、切替ダンパー72が非接触ヒータ61側に切り替わり、送風エアーぱ非接触ヒータ62に向かって流れて、OFFした非接触ヒータ62を冷却する。
【0049】
一方、平板ヒータ62の近傍には、両平板ヒータ62,62の間隙内で生じた記録媒体Pのジャミングを検出するジャミング検出センサ75が設けられている。ジャミング検出センサ75はヒータ側コントローラ20に接続されており、ヒータ側コントローラ20は、平板ヒータ62の駆動に連動し、切替ダンパー72を排紙口8側に切り替えた状態で送風ファン71を駆動するが、ジャミング検出センサ75が記録媒体Pのジャミングを検出すると、両平板ヒータ62をOFFして、切替ダンパー72を非接触ヒータ61側に切り替えて送風ファン71を駆動する。
【0050】
このように空冷装置18は、通常時には、排紙口8から装置外部に排出される記録媒体Pをユーザーが手で持てる程度に冷却し、ジャミング等の異常時には、非接触ヒータ61を冷却してユーザーが迅速にジャミング解消処理を行えるようにしている。また、非接触ヒータ61を冷却することで、ジャミング時に、記録媒体Pの溶融した樹脂膜が平板ヒータ62に付着してしまうのを防止することが可能となる。
【0051】
ヒータ側送り装置19は、駆動源となる排紙モータ81と、排紙モータ81により回転するヒータ側送りローラ82とを有し、ヒータ側送りローラ82は、非接触ヒータ61を挟んで送り方向の下流側近傍に配設した送出しローラ83と、上流側近傍に配設したヒータ側中間ローラ84とで構成されている。送出しローラ83は、送り経路(記録媒体P)21を挟んで上下に対峙する従動ローラ86aと駆動ローラ86bとから成り、駆動ローラ86bは排紙モータ81に連結されている。同様に、ヒータ側中間ローラ84は、送り経路(記録媒体P)21を挟んで上下に対峙する一対のフリーローラ87a,87bで構成されている。
【0052】
この場合、送出しローラ83を構成する従動ローラ86aおよび駆動ローラ86b、並びにヒータ側中間ローラ84を構成する一対のフリーローラ87a,87bは、いずれも記録媒体Pに対しその幅方向に亘って転接する円柱状のローラ本体を有しており、記録媒体Pは挟持された状態で回転送りされる。このため、記録媒体Pは、送出しローラ83およびヒータ側中間ローラ84により、平坦に張った状態で非接触ヒータ61を通過する。具体的には、記録媒体Pは、これらローラ83,84により、非接触ヒータ61に給紙される直前では、曲げ癖(巻き癖)を有していても平坦に矯正され、非接触ヒータ61から排紙される直後では、カールしてしても平坦に矯正される。
【0053】
したがって、非接触ヒータ61を通過する記録媒体Pは、これらローラ83,84により湾曲(カール)を阻止される。すなわち、送出しローラ83およびヒータ側中間ローラ84は、記録媒体Pを挟持しながら送る挟持ローラであり、記録媒体Pの送り機構と、記録媒体Pの湾曲を阻止するカール阻止機構とを兼ねている。
【0054】
このため、記録媒体Pの曲げ癖や加熱によるカールを押えることができ、記録媒体Pが非接触ヒータ61に接触してしまうのを防止することができる。なお、記録媒体Pの送りは、ヘッド側の送込みローラ53とヒータ側の送出しローラ83とで行われるため、ヘッドユニット11と非接触ヒータ61とが比較的近接して配置できる場合には、ヘッド側中間ローラ54およびヒータ側中間ローラ84の一方或いは両方を省略する構造にしてもよい。もっとも、ヘッド側中間ローラ54およびヒータ側中間ローラ84のいずれか一方を、駆動ローラ(スリップローラ)とすれば、隔板4などによりヘッドユニット11と非接触ヒータ61とを離して設けざるを得ない場合でも、記録媒体Pを張った状態で適切に送ることができる。
【0055】
また、図6に示すように、送出しローラ83における従動ローラ86aの外周面に、文字や記号等のマークとなる凸部分89を形成し、加熱処理後の記録媒体Pを送りながら、その樹脂膜にマーキングを施すようにしてもよい。このようにすれば、処理済みの記録媒体に凹凸の記録を残すことができると共に、マーキングの有無で樹脂膜の張り替えを確認することができる。例えばこの記録媒体Pで会員証など作製した場合、その記載内容の改ざんを防止することができる。
【0056】
次に、本実施形態のインクジェットプリンタ1における各構成装置の、他の複数の実施形態について、順を追って説明する。図7は、第2実施形態に係る加熱装置16であり、この実施形態では、各平板ヒータ62が主加熱部101と副加熱部102とで、内部が送り方向に2分割されている。主加熱部101および副加熱部102は、それぞれ上記のヒータ側コントローラ(のヒータドライバ)20に接続され、送り方向の上流側に位置する副加熱部102は、記録媒体Pをその熱可塑性樹脂層Pcの溶融温度以下に、送り方向の下流側に位置する主加熱部101は、記録媒体Pをその熱可塑性樹脂層Pcの溶融温度以上に、それぞれ加熱するようになっている。
【0057】
これにより、一対の平板ヒータ62,62を通過する記録媒体Pは、最初に副加熱部102で予熱され、続いて主加熱部101で本加熱される。これにより、記録媒体Pへの熱伝達が促進され、記録媒体Pは徐々に所定の溶融温度(熱可塑性樹脂層Pcの)まで達し、加熱処理が行われる。したがって、熱可塑性樹脂層Pcを溶融するための加熱温度を必要以上に高くしなくて済み、記録媒体Pへの熱的ダメージを極力少なくすることができる。なお、同図示では、送り方向(長さ方向)のほぼ1/3を副加熱部102としているが、1/4或いは1/2を副加熱部102とするなど、適宜変更可能である。また、主加熱部101および副加熱部102を別々のヒータ、すなわち高温ヒータおよび低温ヒータで構成してもよい。さらに、上側の平板ヒータ62のみ、2分割構造とすることも可能である。
【0058】
図8は、第3実施形態に係る加熱装置16であり、この実施形態では、各平板ヒータ62が送り方向に平行に5つのヒータ要素部に分割されている。すなわち、各平板ヒータ62は、幅方向の中央に位置する第1加熱部104と、第1加熱部104の外側に位置する一対の第2加熱部105,105と、最外端に位置する一対の第3加熱部106,106とで構成され、これら各加熱部104,105,106は、それぞれヒータ側コントローラ(のヒータドライバ)20に接続されている。そして、図示では省略しているが、記録媒体Pの幅(サイズ)を検出する幅検出手段を設け、この幅検出手段の検出結果に基づいて、各加熱部104,105,106を以下のように制御することが、好ましい。
【0059】
実施形態のインクジェットプリンタ1が、例えばA4サイズおよびB5サイズの記録媒体Pに印刷可能である場合、A4サイズの記録媒体Pに対しては、第1ないし第3の全加熱部104,105,106を駆動して加熱処理を行い、B5サイズの記録媒体Pに対しては、第1および第2加熱部104,105を駆動して加熱処理を行うようにし、さらに幅狭サイズの記録媒体Pに対しては、第1加熱部104のみを駆動するようにする。このようにすることで、エネルギーの無駄や過剰な加熱を防止することができる。
【0060】
一方、非接触ヒータ61による加熱では、記録媒体Pの幅方向においてその両端部は熱が逃げ易くなる。すなわち、記録媒体Pの幅に対し平板ヒータ62の幅を十分に広く形成しない限り、第1ないし第3加熱部104,105,106を同一温度で加熱すると、記録媒体Pの受熱温度は、その幅方向において両端部が低くなり不均一な受熱状態になる。そこで、例えばA4サイズの記録媒体Pを加熱する場合には、第1および第2加熱部104,105に対し第3加熱部106を幾分高温で駆動するようにする。また、B5サイズの記録媒体Pでは、第1加熱部104に対し第2加熱部105を幾分高温で駆動する(第3加熱部106は駆動せず)ようにする。
【0061】
なお、第2実施形態と同様に、この場合も第1ないし第3加熱部104,105,106を、別々のヒータ(ヒータアレイ)で構成してもよく、また上側の平板ヒータ62のみ、5分割構造とすることも可能である。さらに、平板ヒータ62を5分割ではなく、3分割或いは7分割構造とすることもできる。さらにまた、第2実施形態と第3実施形態とを合成して、平板ヒータ62の加熱部を格子状に分割した構造にすることもできる。
【0062】
一方、上記の第2および第3実施形態において、縦または横分割構造の非接触ヒータ61について説明したが、これを接触ヒータで構成することも可能である。また、記録媒体Pの記録面側にのみ、分割構造の非接触ヒータ(平板ヒータ62でなくても可)61を配設することも可能である。
【0063】
図9は、第4実施形態に係る加熱装置16であり、この実施形態では、一対の平板ヒータ62,62の送り方向の上流側にプレヒート板111が配設されている。プレヒート板111は、送り経路21を挟んで対峙する上下一対のフラット板112,112で構成されている。一対のフラット板112,112は、高耐熱性を有する材料、例えばポリイミド樹脂や金属製のプレートで構成されている。一対のフラット板112,112の上流側の端部は、相互に拡開して上記のヘッド側中間ローラ54に対峙し(この場合にはヒータ側中間ローラ84は省略されている。)、下流側の端部は、それぞれ平板ヒータ62,62の内面に接触している。
【0064】
このような構成では、平板ヒータ62の熱がフラット板112に熱伝達し、フラット板112を適宜加熱(昇温)する。このため、平板ヒータ62を通過する記録媒体Pは、フラット板112で予熱されてから平板ヒータ62により本加熱される。より具体的には、フラット板112は記録媒体Pをその熱可塑性樹脂層Pcの溶融温度以下に、平板ヒータ62は記録媒体Pをその熱可塑性樹脂層Pcの溶融温度以上に、それぞれ加熱することになる。これにより、記録媒体Pへの熱伝達が促進され、記録媒体Pは徐々に所定の溶融温度(熱可塑性樹脂層Pcの)まで達し、加熱処理が行われる。したがって、熱可塑性樹脂層Pcを溶融するための加熱温度を必要以上に高くしなくて済み、記録媒体Pへの熱的ダメージを極力少なくすることができる。また、一対の平板ヒータ62,62の間隙に比して、一対のフラット板112,112の間隙は狭く形成されているため、一対のフラット板112,112は、平板ヒータ62を通過する記録媒体Pをその上流側でガイドする機能も有している。このため、フラット板112により、記録媒体Pが平板ヒータ62に接触するのを防止することができる。
【0065】
図10は、第4実施形態に係る加熱装置16の変形例である。この変形例では、一対の平板ヒータ62,62の送り方向の上流側にプレヒート板111が配設されると共に、下流側にポストヒート板114が配設されている。ポストヒート板114もプレヒート板111と同様に、送り経路21を挟んで対峙する上下一対のフラット板115,115で構成され、且つ一対のフラット板115,115は、高耐熱性を有するポリイミド樹脂などで構成されている。そして、ポストヒート板114を構成する一対のフラット板115,115の上流側の端部は、それぞれ平板ヒータ62,62の下流側端面に接触している。
【0066】
このように、平板ヒータ62の下流側にポストヒート板114を配設することで、加熱処理後の記録媒体Pは、徐々に冷却されながら一対のフラット板115,115間の間隙を通過する。この一対のフラット板115,115間の間隙も、一対の平板ヒータ62,62の間隙に比して狭く構成されているため、平板ヒータ62を通過する記録媒体Pをその下流側でガイドすることになる。特に、平板ヒータ62により加熱された記録媒体Pは、その熱の影響で湾曲(カール)することがある。このため、一対のフラット板115,115は、カールした記録媒体Pを平坦な状態に矯正する機能も奏することになる。
【0067】
図11および図12を参照して、第5実施形態に係る加熱装置16について説明する。この実施形態では、一対の平板ヒータ62a,62bのうち、上側の平板ヒータ62aが上下方向に移動自在に構成されている。すなわち、この加熱装置16は、駆動源となるモータやシリンダなどから成るアクチュエータ121と、一対の平板ヒータ62a,62bをそれぞれ保持する上ヒータホルダ122および下ヒータホルダ123と、アクチュエータ121により操作される操作レバー124とを有している。
【0068】
上ヒータホルダ122は下ヒータホルダ123の内側面に嵌合しており、上ヒータホルダ122の両側板部126,126に形成した前後一対且つ左右2組、計4本のピン127が、下ヒータホルダ123の両側板部128,128に形成した前後一対且つ左右2組、計4本の長孔129に係合して、上ヒータホルダ122は下ヒータホルダ123に対し上下方向に移動自在に係合している。また、下ヒータホルダ123の両側板部128,128には、それぞれ前後方向に水平に延びる水平ガイド孔130が形成され、これに対応して、上ヒータホルダ122の両側板部に126,126には、それぞれ前後方向に傾斜して延びる傾斜ガイド孔131が形成されている。
【0069】
一方、操作レバー124には、レバー本体133の左右の両端部に下ヒータホルダ123の外側に位置するように一対のアーム部134,134が垂設され、一対のアーム部134,134には、それぞれ内向きのガイドピン135が取り付けられている。各ガイドピン135は、上記の水平ガイド孔130および傾斜ガイド孔131を貫通しており、操作レバー124を前後方向に移動させると、ガイドピン135が水平ガイド孔130に案内されて前後方向に移動すると同時に、傾斜ガイド孔131を前後方向に移動するガイドピン135により、上ヒータホルダ122を介して上側の平板ヒータ62aが上下方向に平行移動する。すなわち、ピン127、長孔129、ガイドピン135、水平ガイド孔130および傾斜ガイド孔131により、平行移動機構(ヒータ移動機構)が構成されており、アクチュエータ121を正逆駆動させることで、上側の平板ヒータ62aが、下側の平板ヒータ62bに対する平行姿勢を維持したまま上下方向に移動する。
【0070】
図12に示すように、アクチュエータ121は上記のヒータ側コントローラ20に接続され、またヒータ側コントローラ20には、一対の平板ヒータ62a,62b間で生ずる記録媒体Pのカールやジャミングを検出する検出センサ(別々のセンサでもよい)137が接続されている。一対の平板ヒータ62a,62b間に臨んだ検出センサ137が、記録媒体Pのカールやジャミングを検出すると、アクチュエータ121が駆動して、上側の平板ヒータ62aを上動させる。これにより、記録媒体(の樹脂膜)Pが、上側の平板ヒータ62aに接触するのを防止することができる。もちろん、第1実施形態と同様にジャミングの際には、平板ヒータ62aの上動と共に、両平板ヒータ62a,62bがOFFされ且つ空冷装置18がONされる。
【0071】
なお、操作レバー124を手動で操作する構成としてもよい。また、上側の平板ヒータ62aだけでなく、下側の平板ヒータ62bも同時に移動する構成としてもよい。さらに、一対の平板ヒータ62a,62bの間隙は、記録媒体Pの材質に基づくカールの度合いにより、予め設定しておくようにしてもよいし、平板ヒータ62a,62bの微妙な温度調整が不可能な場合にも、記録媒体Pと平板ヒータ62aとの離間距離を調整することで、記録媒体Pの受熱温度を調整するようにしてもよい。より具体的には、ヒータ側コントローラ20が記憶する各種記録媒体P別の加熱温度に基づいて、記録媒体Pと平板ヒータ62aとの離間距離を調整するようにする。
【0072】
図13は、第6実施形態に係るカール矯正装置17であり、このカール矯正装置17では、スリット板65が上下一対の湾曲板141,141で構成されている。一対の湾曲板141,141は、それぞれスリット間隙を存して円弧状に湾曲している。これは、例えば記録媒体Pが、加熱により長さ方向において山形にカールする性質がある場合に、山形とは逆の谷形に湾曲したスリット板65を通過させることにより、カール状態を相殺させて平坦な記録媒体Pを得るようにしたものである。また、記録媒体Pが、巻き癖(曲げ癖)を有するロール紙で構成されている場合などでは、スリット板65により巻き癖方向と逆方向にカールさせることで、記録媒体Pを平坦に矯正することが可能となる。
【0073】
図14は、第7実施形態に係るヒータ側送り装置19である。このヒータ側送り装置19では、送出しローラ83の上側に位置する従動ローラ86aおよびヒータ側中間ローラ84の上側のフリーローラ87aが、ローラ軸145と、ローラ軸145に相互に間隙を存して等間隔に固定した3つ(複数)のローラ本体146,146,146とで、それぞれ構成されている。3つのローラ本体146はそれぞれ幅狭に形成され、記録媒体Pの幅方向の両端部および中間部の3箇所を押さえるようにして、これに転接している。
【0074】
これにより、記録媒体Pに対する送りおよびカール阻止機能を損なうことなく、フリーローラ87aではインクのローラへの付着が抑制され、従動ローラ86aでは樹脂膜のローラへの付着が抑制される。なお、記録媒体Pの幅方向両端部に転接する4つのローラ86a,87aは、記録媒体Pの余白部分に転接することが好ましい。また、幅方向両端部が上側に反る記録媒体Pでは、中間に位置するローラ本体146を省略することもできる。さらに、ローラ本体146を、星形のローラ(スターホイール)で構成するようにしてもよい。
【0075】
図15は、第8実施形態に係るヒータ側送り装置(カール阻止機構)19である。このヒータ側送り装置19では、上下の平板ヒータ62,62にそれぞれ9箇所の貫通開口151が形成されており、各貫通開口151には上下一対の薄型フリーローラ152(上側のみ図示)が配設されている。薄型フリーローラ152は、記録媒体Pの幅方向の両端部および中間部の3箇所に各3組ずつ配設されており、平板ヒータ62内において、記録媒体Pを押さえるようにしてこれに転接する。この構成では、加熱中の記録媒体Pをカールしないように押さえておくことができ、記録媒体Pのカールを極力抑制することができる。なお、この場合も、上側の薄型フリーローラ152を星形のローラ(スターホイール)で構成することができ、また幅方向の両端部に転接する複数組の薄型フリーローラ152は、記録媒体Pの余白部分に転接することが好ましい。
【0076】
次に、上述したインクジェットプリンタ1の制御系であるヘッド側コントローラ14およびヒート側コントローラ20における制御方法について、特に制御情報の処理方法について説明する。例えば前述のように、制御情報がインクジェットプリンタ1内に閉じている場合、図16(a)のようになる。すなわち、ヘッド側コントローラ14により検出した記録媒体Pの属性情報がヒータ側コントローラ20に伝えられ、ヒータ側コントローラ20では、その属性情報に基づいて条件テーブルを検索して、ヒート部6における加熱条件等を決定する。
【0077】
この場合、加熱条件には、記録媒体Pの基材の材質、記録媒体Pの厚みおよび熱可塑性樹脂層の溶融温度等が含まれる。これらの検出手段としては、例えば記録媒体Pに上記の各種属性等をコード化したバーコード等(タグ)を付しておいて、それを光学的に読みとる検出手段等が考えられる。すなわち、この構成によれば、記録媒体Pの加熱処理における加熱条件(加熱熱量等)の制御にあたって、記録媒体の各種属性を考慮できるので、非接触状態での加熱処理であっても、記録媒体Pをその属性に合わせて適切に加熱処理することができる。
【0078】
また、この場合、ヒート部6等に環境温度を検出する検出手段(温度センサ等)を設け、その検出結果を同図に示すように環境情報として入力し、その情報により加熱条件を補正することもできる。すなわち、この場合、加熱熱量等の加熱条件を環境温度で補正することができるので、非接触状態での加熱処理にあたって、熱の逃げ等を考慮した記録媒体への加熱処理が可能となり、より一層記録媒体を適切に加熱処理することができる。
【0079】
また、これらの場合、加熱条件(例え加熱熱量の制御要素)が記録媒体Pの加熱温度と記録媒体Pの送り速度とから成ることが、好ましい。この構成によれば、例えば記録媒体Pの送り速度を一定とすれば、加熱温度のみ制御すればよく、加熱熱量の制御を簡単に行うことができる。また、この場合、記録媒体の送り速度を印刷解像度により決定される固定値とし、記録媒体の加熱温度を可変値としても良い。この構成によれば、記録媒体の印刷解像度を犠牲にすることになく、加熱熱量の制御を簡単に行うことができる。
【0080】
なお、上述の例では、制御情報がインクジェットプリンタ1内に閉じている場合について説明したが、例えば図17に示すように、インクジェットプリンタ1と一般的なパソコンPCとを接続し、制御情報をリンクさせても良い(なお、図示では、ケーブル接続しているが、光通信その他の通信手段でも可能である)。そして、この場合の制御情報の授受は、図16(b)のようになる。この場合、プリント部5(のヘッド側コントローラ14)と、パソコンPC間での情報の授受は主に印刷情報に関するものであり、一般的なプリンタとパソコンとの接続と同様に、プリンタドライバを介して行われる。
【0081】
一方、パソコンPC側に属性情報を制御するためのハードウェアまたはソフトウェア(以下「ヒートシステムドライバ」)を用意し、記録媒体Pの属性情報は、そのヒートシステムドライバを介して、ヒート部6(のヒータ側コントローラ20)との間で授受される。この場合のヒートシステムドライバは、論理回路等のハードウェアであれば拡張ボード等として、ソフトウェアであればディスク内にインストールするなどにより、その機能をパソコンに付加すれば良い。
【0082】
この場合、記録媒体Pに対し、記録媒体Pを送りながら印刷を行って印刷済み部分を加熱処理するインクジェットプリンタ1と、加熱条件に関する記録媒体Pの属性情報を入力可能なパソコンPCとをリンクさせ、パソコンPCに入力された属性情報に基づいて、加熱条件を決定し、記録媒体Pの加熱熱量等を制御することになる。このため、この構成では、外部記憶手段や通信手段などによりパソコンPCに入力すれば、それを介して、これにリンクさせたインクジェットプリンタ1により、個々の記録媒体Pの属性情報に基づいて、その加熱熱量を制御することができる。すなわち、パソコンPCの入力機能や演算機能を活用して、個々の記録媒体Pを適切に加熱処理することができる。また、これにより、記録媒体Pの属性情報をインクジェットプリンタ1に記憶しておく必要がなく、且つ新規の記録媒体に対しても容易に対応させることができる。
【0083】
また、この場合、インクジェットプリンタ1は、記録媒体Pの種別を検出すると共に、その種別情報をパソコンPCに出力し、パソコンPCでは、それに基づいて、対応する記録媒体Pの属性情報をインクジェットプリンタ1に出力し、インクジェットプリンタ1では、属性情報に基づいて、記録媒体Pの加熱条件を決定しその加熱熱量等を制御できる。また、同様に、インクジェットプリンタ1は、記録媒体Pの種別を検出すると共に、その種別情報をパソコンPCに出力し、パソコンPCは、種別情報に基づいて、対応する記録媒体Pの属性情報から記録媒体の加熱条件を決定し、インクジェットプリンタ1を介して、記録媒体Pの加熱熱量を制御するようにしても良い。これらの構成によれば、パソコンPCとインクジェットプリンタ1とのそれぞれの持つ機能を相互に活用させて、記録媒体Pを適切に加熱処理でき、また、ユーザーによる記録媒体Pの種別入力の手間を省くことができ、自動で記録媒体Pの適切な加熱処理を行うことができる。
【0084】
また、これらの場合、パソコンPCは、記録媒体Pの加熱制御状態および印刷制御状態を管理し、且つ印刷制御に異常が発生した場合に、加熱制御を停止させることが、好ましい。この構成によれば、パーソナルコンピュータにインクジェットプリンタの加熱および印刷に関する管理機能を持たせることにより、インクジェットプリンタの記憶容量等を少なくすることができる。また、これらの場合、属性情報はCD−ROM等の外部記憶媒体に記憶され、その外部記憶媒体を介してパソコンPCに入力されることもでき、この構成によれば、属性情報を携帯可能とすると共に、パソコンPCに簡単に入力することができる。なお、これらの場合にも、前述と同様に、加熱熱量を環境温度で補正しても良い。また、加熱熱量の制御要素が、記録媒体の加熱温度と記録媒体の送り速度とから成り、さらには、記録媒体の送り速度を印刷解像度により決定される固定値とし、記録媒体の加熱温度を可変値として、制御を行うこともできる。
【0085】
【発明の効果】
本発明のインクジェットプリンタによれば、記録媒体の送り方向にヒータの加熱部を2分割し、記録媒体を予熱してから本加熱するようにしているため、記録媒体を徐々に昇温されながら加熱処理することができる。したがって、記録媒体への熱的ダメージを少なくすることができると共に、記録媒体を効率良く加熱することができ、エネルギーの無駄な消費を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの内部構造を示す断面図である。
【図2】実施形態に係るインクジェットプリンタの内部構造を示す平面図である。
【図3】実施形態に係るインクジェットプリンタの内部構造を示す斜視図である。
【図4】記録媒体の積層構造を示す断面図である。
【図5】記録媒体の変形例の積層構造を示す断面図である。
【図6】送出しローラの変形例を示す斜視図である。
【図7】第2実施形態に係る加熱装置廻りの斜視図である。
【図8】第3実施形態に係る加熱装置廻りの斜視図である。
【図9】第4実施形態に係る加熱装置廻りの斜視図である。
【図10】第4実施形態の変形例に係る加熱装置廻りの斜視図である。
【図11】第5実施形態に係る加熱装置の斜視図である。
【図12】第5実施形態に係る加熱装置の側面図である。
【図13】第6実施形態に係るカール矯正装置廻りの斜視図である。
【図14】第7実施形態に係るヒータ側送り装置廻りの斜視図である。
【図15】第8実施形態に係るヒータ側送り装置廻りの斜視図である。
【図16】コントローラによる制御方法を説明するためのブロック図である。
【図17】パーソナルコンピュータとインクジェットプリンタとをリンクさせた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ 2 装着本体
4 隔板 5 プリント部
6 ヒート部 10 印刷装置
11 ヘッドユニット 12 給紙装置
13 ヘッド側送り装置 14 ヘッド側コントローラ
16 加熱装置 17 カール矯正装置
18 空冷装置 20 ヒータ側送り装置
21 送り経路 33 インクジェットヘッド
52 ヘッド側送りローラ 53 送込みローラ
54 ヘッド側中間ローラ 56b 駆動ローラ
61 非接触ヒータ 62 平板ヒータ
62a 加熱面 65 スリット板
66 矯正プレート 71 送風ファン
72 切替ダンパー 75 ジャミング検出センサ
82 ヒータ側送りローラ 83 送出しローラ
84 ヒータ側中間ローラ 86b 駆動ローラ
89 凸部分 101 主加熱部
102 副加熱部 104 第1加熱部
105 第2加熱部 106 第3加熱部
111 プレヒート板 112 フラット板
114 ポストヒート板 115 フラット板
121 アクチュエータ 122 上ヒータホルダ
123 下ヒータホルダ 124 操作レバー
130 水平ガイド孔 131 傾斜ガイド孔
135 ガイドピン 137 検出センサ
141 湾曲板 145 ローラ軸
146 ローラ本体 151 貫通開口
152 薄型フリーローラ PC パーソナルコンピュータ
P 記録媒体 Pa 基材
Pb 受像層 Pc 熱可塑性樹脂層

Claims (2)

  1. 受像層の表面に、加熱することにより樹脂膜となる熱可塑性樹脂層を有する記録媒体に対し、
    当該記録媒体を送りながらこれに印刷を行うと共に、当該記録媒体を送りながらその印刷済み部分を加熱処理するインクジェットプリンタにおいて、
    前記記録媒体の印刷済み部分を加熱すると共に、前記記録媒体の送り経路を挟むように対峙する一対の板状ヒータから成る非接触ヒータを備え、
    前記各板状ヒータの内部は、前記熱可塑性樹脂層を溶融温度以上に加熱する主加熱部と、前記主加熱部の送り方向の上流側に配設され、前記熱可塑性樹脂層を溶融温度以下に加熱する副加熱部と、に2分割されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記記録媒体が、ロール状に巻回された状態から繰り出されて印刷に供される印刷テープであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
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