JP4507162B2 - 色分解合成システム、色分解システムおよび色合成システムとそれを用いた照明光学系、投写光学系および投写型表示装置 - Google Patents

色分解合成システム、色分解システムおよび色合成システムとそれを用いた照明光学系、投写光学系および投写型表示装置 Download PDF

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Description

この発明は、偏光や波長特性に応じて光束を分解および/または合成するシステムに関するものであり、また前記システムを照明光学系および/または投写光学系に用いた、画像情報を表示するライトバルブによって光束を光変調し画像を拡大投写する投写型表示装置で、特に液晶表示素子などの反射型偏光ライトバルブを用いた投写型表示装置に好適なものである。
近年プロジェクタ市場はパソコンの普及とともに大きくのびてきている。映像を信号に変え光変調を行うライトバルブとしては、透過型や反射型の液晶表示素子や微小ミラーが規則的に配列されたDMD素子などが知られている。なかでも反射型の画像表示素子は、高効率で微小な画素を作ることに適しており、高品位な映像を提供するライトバルブとして注目されている。
上記液晶表示素子等、偏光を使用した反射型ライトバルブを備えた投写型表示装置としても様々な開発が進められており、例えば、一般にカラークワッドとして知られている、4つの偏光ビームスプリッタを用いた照明光学系および投写光学系により、光源からの照明光束を波長に応じて色分解したうえで反射型偏光ライトバルブを照明し、このライトバルブからの画像情報を担持した光束を投写する装置が知られている。その構成例を図26、図27に示す。図26、図27において、3原色光に対応する各波長の照明光束の経路は模式的に示されており、光束線上に示された短い交差線と黒丸とは互いに偏光方向が異なる2種類の偏光状態(S偏光とP偏光)のいずれかであることを示す。以下の説明では、短い交差線を第1の偏光状態、黒丸を第2の偏光状態の光束とする。
すなわち、図示されない光源から出射された照明光束は、偏光方向が揃えられた状態でこのカラークワッド159に入射され、このカラークワッド159において3原色光に分解され、各色光用のライトバルブである反射型液晶パネル(以下、LCOSと称する)153a〜153cにより光変調されて、これらの画像情報を担持した投映光束が合成された後カラークワッド159から出射され、投写光学系162dにより投写されて、スクリーン(不図示)上にフルカラー画像が結像される。なお、以下のカラークワッド159の説明では、第1〜第3色光成分とは、青色、緑色、赤色の3原色光を任意の順に対応させることができる。
カラークワッド159には、内部の偏光分離膜171、151a、151b、161がX字型になるように4つの偏光ビームスプリッタ(以下、PBSと称する)が配列されている。第1のPBSは照明光束分解手段170a、第2のPBSは光路分離手段150a、第3のPBSは光路分離手段150b、第4のPBSは投映光束合成手段160aである。さらに、カラークワッド159は、第1〜第3色光成分に各々対応する第1〜第3LCOS153a〜153c、第1〜第4特定波長偏光変換素子143a〜143d、および第1〜第3偏光板142a〜142c、1/4波長位相板152a〜152cを備えてなる。また、偏光板142aは入射する照明光束の偏光方向を第1の偏光状態に揃え、偏光板142bは入射する第2の色光の偏光方向を第2の偏光状態に揃え、偏光板142cは投映光束の偏光方向を第2の偏光状態に揃えるために配され、投写画像のコントラスト向上を図る。また、特定波長偏光変換素子143a〜143dは、所定の色光を所定角度だけ回転させる素子である。特定波長偏光変換素子143a、143dは、第2の色光を第1の偏光状態から第2の偏光状態に変換し、特定波長偏光変換素子143b、143cは、第1の色光を第1の偏光状態から第2の偏光状態に変換する。
これらの作用により、第1の色光は照明光束分解手段170a内部で反射され、光路分離手段150bを透過して第1の色光を光変調させるLCOS153aを照射し、第2の色光は照明光束分解手段170a、光路分離手段150aを透過して第2の色光を光変調させるLCOS153bを照射し、第3の色光は照明光束分解手段170a、光路分離手段150bの各々の内部で反射されて第3の色光を光変調させるLCOS153cを照射する。そして、第1の色光は第1のLCOS153aで画像情報を担持した投映光束として反射され、第1の偏光状態の光束とされて光路分離手段150b内部で反射され、投映光束合成手段160aを透過し、第2の色光は第2のLCOS153bで画像情報を担持した投映光束として反射され、第1の偏光状態の光束とされて光路分離手段150a、投映光束合成手段160aの内部で反射され、第3の色光は第3のLCOS153cで画像情報を担持した投映光束として反射され、第2の偏光状態の光束とされて光路分離手段150b、投映光束合成手段160aを透過して、3色光成分が合成されてカラークワッド159から出射される。
また、このように4つのPBSを用いた構成の場合よりも、低コストかつ軽量で偏光特性を良好にし、投写型表示装置としてのコントラストを向上させ得る構成として、使用するPBSの数を2としたものも提案されている。
図27は、2つのPBSを用いた照明光学系および投写光学系により、図26のものと略同様に、光源からの照明光束を波長に応じて色分解したうえでLCOS153a〜153cよりなる各ライトバルブを照明し、このライトバルブからの画像情報を担持した光束を、投写光学系162dを介し投写するものである。図26の照明光束分解手段170aに代えてダイクロイックミラーよりなる照明光束分解手段170bが配され照明光束を波長に応じて分解するとともに、投映光束合成手段160aに代えてダイクロイックプリズムよりなる投映光束合成手段160bが配され波長に応じて透過または反射する各光束を合成する。また、特定波長偏光変換素子143e、143fと偏光板142d〜142gが図示のとおり適宜配設されている。
ところで、上記図26記載のものでは照明光学系(光源からライトバルブまで)と投写光学系(ライトバルブから投映レンズまで)の両系に計4枚の波長選択性偏光変換素子143a〜143dが配置され、上記図27記載のものでは照明光学系(同上)と投写光学系(同上)の両系に計2枚の波長選択性偏光変換素子143e、143fが配置されている。しかしながら、この波長選択性偏光変換素子という素子は入射角度特性や波長特性が必ずしも良好でなく、その性能によっては投写画像のコントラスト低下や結像性能劣化の大きな要因となる。また、高価な波長選択性偏光変換素子を使用することは、コストアップになってしまう。
これらの課題に対し、使用するPBSを2つとし、かつ波長選択性変換素子を配さずに光学系を構成した下記特許文献1に記載されたものが知られている。
特開2001−100155号公報
上記特許文献1には、反射型液晶ライトバルブを用いたプロジェクタ装置として、2つのPBSを使用した低コストな光学系が開示されている。この光学系では光源からの光束を第1のダイクロイックミラーにより波長に応じて分解し、分解されたうちの所定波長の光束の偏光方向を偏光変換素子により90度回転させ、第2のダイクロイックミラーを用いて光源からの光束を分解合成した後、対応する反射型液晶ライトバルブに照射する構成となっている。
反射型液晶ライトバルブの前段の照明光学系をこのような構成とするのは、装置全体としてコンパクトに、かつ配置するPBSの数を低減しつつも、2枚の反射型ライトバルブに近接しているPBSに対し、波長選択性偏光変換素子を用いることなく偏光方向と波長が異なる2種の光束を入射させるためである。光束の分解合成を行う上記第2のダイクロイックミラーからは、上記PBSに向かうように同一方向に偏光方向と波長が異なる2種の光束が出射され、これらと異なる方向にその余の波長の光束が出射される。
しかしながら、上記特許文献1記載の照明光学系では、第2のダイクロイックミラーの前段という比較的光源に近い位置に偏光方向を変える偏光変換素子を配置させねばならず、偏光変換素子が大型化してしまうという問題がある。
また、この照明光学系では偏光方向を整える偏光素子についての記載がないが、コントラストの良い投写型表示装置とするためには、光路中に偏光方向を整える偏光素子を入れることが求められる。偏光方向が異なる光束が通る光路には偏光素子を入れることができないので、この光学系では上記第2のダイクロイックミラーよりも光源側に偏光素子を入れることになる。しかし、この位置では光源側に近いため、偏光素子の大型化や、偏光素子からライトバルブ直前のPBSまでに配置されている光学素子による偏光特性の劣化が懸念される。偏光素子の配設位置としては、よりライトバルブに近く、PBS入射側の近辺とすることが望ましい。
本発明は、光束の偏光方向や波長を考慮しつつ、例えば、反射型偏光ライトバルブを用いた投写型表示装置の照明光学系や投写光学系において、偏光変換素子を大型化しない位置に配置したり、配置する波長選択性偏光変換素子を極力低減したり、偏光素子を偏光ビームスプリッタ入射側の近辺に配設可能とするような、光学部材の配設位置の選択肢を増加させ、光学系の構成の自由度を高め得る色分解合成システム、色分解システムおよび色合成システムを提供することを目的とし、それを用いた照明光学系、投写光学系および投写型表示装置において、コンパクト化、低コスト化、高コントラスト化および良好な色再現性を達成可能とすることを目的とするものである。
本発明に係る第1の色分解システムまたは色合成システムは、入射光束を波長に応じて反射または透過させる1つの波長選択面と、入射光束の偏光方向を変換させる、1/2波長位相板からなる1つの偏光変換素子とが、ほぼ平行に近接配置され、入射された光束を色分解または色合成して波長に応じて所定の方向に出射する色分解システムまたは色合成システムであって、
少なくとも2つの互いに異なる波長帯域の光束がそれぞれ偏光方向が整えられた状態で入射され、かつ少なくとも1つの波長帯域の光束が入射時と異なる偏光方向の光束として出射されるとともに、少なくとも1つの波長帯域の光束が入射時と異なる進行方向の光束として出射されることを特徴とするものである。
なお、上記「近接配置」とは、当接または重畳された状態を含むものである。以下の本発明に係る色分解合成システム、色分解システム、色合成システム、照明光学系、投写光学系および投写型表示装置においても同様である。
本発明に係る第の色分解合成システムは、入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束の偏光方向を変換させる少なくとも1つの偏光変換素子とが、ほぼ平行に近接配置され、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射される色分解合成システムであって、
互いに異なる方向から入射された前記第1および前記第2の波長帯域の光束ならびに前記第3の波長帯域の光束を色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で前記第1および前記第3の波長帯域の光束を出射するととともに、該第1および該第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に前記第2の波長帯域の光束を出射するように構成されたことを特徴とするものである。
本発明に係る第の色分解システムまたは色合成システムは、入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束の偏光方向を変換させる少なくとも1つの偏光変換素子と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面とが、ほぼ平行に近接配置され、入射された光束を色分解または色合成して波長に応じて所定の方向に出射する色分解システムまたは色合成システムであって、
少なくとも2つの互いに異なる波長帯域の光束がそれぞれ偏光方向が整えられた状態で入射され、かつ少なくとも1つの波長帯域の光束が入射時と異なる偏光方向の光束として出射されるとともに、少なくとも1つの波長帯域の光束が入射時と異なる進行方向の光束として出射されることを特徴とするものである。
本発明に係る第の色分解合成システムは、入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束の偏光方向を変換させる少なくとも1つの偏光変換素子と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面とが、ほぼ平行に近接配置され、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射される色分解合成システムであって、
互いに異なる方向から入射された前記第1および前記第2の波長帯域の光束ならびに前記第3の波長帯域の光束を色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で前記第1および前記第3の波長帯域の光束を出射するととともに、該第1および該第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に前記第2の波長帯域の光束を出射するように構成されたことを特徴とするものである。
また、前記第または前記第の色分解合成システムに、前記第1、前記第2および前記第3の波長帯域の光束が同一の偏光方向で入射されることが好ましい。
また、前記第または前記第の色分解合成システムにおいて、前記偏光変換素子のうちの同一の偏光変換素子を、前記第1、前記第2および前記第3の波長帯域の光束のうち所定の光束が、少なくとも往、復各々1回ずつ透過するように構成されていることが好ましい。
また、前記第または前記第の色分解合成システムにおいて、前記偏光変換素子のうちの同一の偏光変換素子を、前記第1、前記第2および前記第3の波長帯域の光束のうちの、入射光路の互いに異なる少なくとも所定の2つの光束が透過するように構成されていることが好ましい。
本発明に係る第の色分解システムまたは色合成システムは、入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面とが、ほぼ平行に近接配置され、入射された光束を色分解または色合成して波長に応じて所定の方向に出射する色分解システムまたは色合成システムであって、
少なくとも2つの互いに異なる波長帯域の光束がそれぞれ偏光方向が異なる状態で入射され、かつ少なくとも1つの波長帯域の光束が入射時と異なる進行方向の光束として出射されることを特徴とするものである。
本発明に係る第の色分解合成システムは、入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面とが、ほぼ平行に近接配置され、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射される色分解合成システムであって、
互いに異なる方向から入射された前記第1および前記第2の波長帯域の光束ならびに前記第3の波長帯域の光束を色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で前記第1および前記第3の波長帯域の光束を出射するととともに該第1および該第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に前記第2の波長帯域の光束を出射するように構成されたことを特徴とするものである。
本発明に係る第1の色合成システムは、入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面とが、ほぼ平行に近接配置され、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射される色分解システムまたは色合成システムであって、
同一方向からかつ互いに偏光方向が異なる状態で入射された前記第1および前記第3の波長帯域の光束と、該第1および該第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向から入射された前記第2の波長帯域の光束とを色分解または色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が整えられた状態で前記第1および前記第2の波長帯域の光束を出射するととともに、該第1および該第2の波長帯域の光束と同一の方向に前記第3の波長帯域の光束を出射するように構成されたことを特徴とするものである。
本発明に係る第1の色分解システムは、入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面とが、ほぼ平行に近接配置され、入射された光束を色分解または色合成して波長に応じて所定の方向に出射する色分解システムまたは色合成システムであって、
偏光方向が同一な前記第1および前記第2の波長帯域の光束と、該第1および該第2の波長帯域の光束と互いに異なる偏光方向の前記第3の波長帯域の光束とが入射され、
少なくとも2つの互いに異なる波長帯域の光束がそれぞれ偏光方向が整えられた状態で同一の方向から入射され、かつ少なくとも1つの波長帯域の光束が入射時と異なる進行方向の光束として出射されることを特徴とするものである。
なお、上記「本発明に係る第1の色分解システム」は、この色分解システムの光出射側から光入射側へ光が進行するようにこのシステムを配置した場合には、「本発明に係る第1の色合成システム」として機能するものである。
前記第1の色分解システムまたは前記第1の色合成システムは、偏光方向が同一な前記第1、前記第2および前記第3の波長帯域の光束が入射(前記第1の色合成システムにおいては出射)されることが好ましい。
また、前記第の色分解合成システムにおいて、偏光方向が同一な前記第1および前記第2の波長帯域の光束と、該第1および該第2の波長帯域の光束と互いに異なる偏光方向の前記第3の波長帯域の光束とが、入射されることが好ましい。
また、前記第の色分解合成システム、前記第の色分解システムまたは前記第の色合成システムにおいて、前記波長選択面を、前記第1、前記第2および前記第3の波長帯域の光束のうちの所定の光束が、少なくとも往、復各々1回ずつ透過するように構成されていることが好ましい。
また、前記第の色分解合成システム、前記第の色分解システムまたは前記第の色合成システムにおいて、前記第1、前記第2および前記第3の波長帯域の光束のうちの少なくとも1つの光束が、前記波長選択面に非入射状態となるように構成されていることが好ましい。
本発明に係る第の色分解合成システムは、入射光束を波長に応じて反射または透過させる1つの波長選択面と、入射光束の偏光方向を変換させる少なくとも1つの偏光変換素子とが、ほぼ平行に近接配置され、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射される色分解合成システムであって、
同一方向からかつ互いに偏光方向が異なる状態で入射された前記第1および前記第3の波長帯域の光束と、該第1および該第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向から入射された前記第2の波長帯域の光束とを色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が整えられた状態で前記第1および前記第2の波長帯域の光束を出射するととともに、該第1および該第2の波長帯域の光束と互いに異なる方向に前記第3の波長帯域の光束を出射するように構成されたことを特徴とするものである。
本発明に係る第の色分解合成システムは、入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束の偏光方向を変換させる少なくとも1つの偏光変換素子と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面とが、ほぼ平行に近接配置され、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射される色分解合成システムであって、
同一方向からかつ互いに偏光方向が異なる状態で入射された前記第1および前記第3の波長帯域の光束と、該第1および該第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向から入射された前記第2の波長帯域の光束とを色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が整えられた状態で前記第1および前記第2の波長帯域の光束を出射するととともに、該第1および該第2の波長帯域の光束と互いに異なる方向に前記第3の波長帯域の光束を出射するように構成されたことを特徴とするものである。
本発明に係る第6の色分解合成システムは、入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面とが、ほぼ平行に近接配置され、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射される色分解合成システムであって、
同一方向からかつ互いに偏光方向が異なる状態で入射された前記第1および前記第3の波長帯域の光束と、該第1および該第3の波長帯域の光束とは異なる方向から入射された前記第2の波長帯域の光束とを色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が整えられた状態で前記第1および前記第2の波長帯域の光束を出射するととともに、該第1および該第2の波長帯域の光束と互いに異なる方向に前記第3の波長帯域の光束を出射するように構成されたことを特徴とするものである。
本発明に係る照明光学系は、光源からの光束を、上記いずれかの色分解合成システムまたは色分解システムを用いて色分解および色合成もしくは色分解し、複数の被照明領域に対して照明を行うことを特徴とするものである。
また、この照明光学系は、前記光源と前記色分解合成システムまたは前記色分解システムとの間に、該光源からの光束を偏光方向が同一になるよう整える偏光変換光学系が配置されていることが好ましい。
また、この照明光学系は、前記光源からの光束の光量均一化を図るインテグレートシステムが配置されていることが好ましい。
また、この照明光学系は、前記色分解合成システムまたは前記色分解システムに入射する光束、および前記色分解合成システムまたは色分解システムから射出する光束のうちの、少なくとも1つの光路に、所定の波長成分の光強度を低下させる光学素子を配置することが好ましい。
なお、上記「光強度を低下させる」とは、光強度を0とする場合も含むものである。
また、この照明光学系は、前記色分解合成システムまたは前記色分解システムから射出する光束が偏光ビームスプリッタを介し前記複数の被照明領域に対して照明を行う照明光学系であって、前記色分解合成システムまたは前記色分解システムと該偏光ビームスプリッタとの間に、偏光方向を整える偏光素子が非設置とされている光路が少なくとも1つ存在することが好ましい。
また、この照明光学系は、前記色分解合成システムまたは前記色分解システム以外に、偏光方向を整える偏光素子が非設置とされていることが好ましい。
本発明に係る投写光学系は、画像情報を表示する複数のライトバルブによって光変調された光束を、上記いずれかの色合成システムを用いて単一方向に出射される光束として色合成し、拡大投写を行うことを特徴とするものである。
また、この投写光学系は、前記色合成システムが、光学系の光軸に対し入射面および射出面が垂直であるプリズムとして構成されていることが好ましい。
本発明に係る投写型表示装置は、画像情報を表示するライトバルブを備え、このライトバルブによって光変調された光束を拡大投写する投写型表示装置において、前記色分解合成システム、前記色分解システム、前記色合成システム、前記照明光学系または前記投写光学系のうち少なくともいずれか1つを用いたことを特徴とするものである。
また、この投写型表示装置は、前記ライトバルブとして複数の反射型偏光ライトバルブを用いることが好ましい。
本発明による色分解システムおよび色分解合成システムによれば、光束の偏光状態や波長に応じて所定の特性を有する波長選択面、偏光変換素子および偏光分離面という諸要素を適宜用いて、これらをほぼ平行に近接配置し、少なくとも2つの互いに異なる波長帯域の光束がそれぞれ偏光方向が整えられた状態で入射され、かつ少なくとも1つの波長帯域の光束が入射時と異なる進行方向の光束として出射されるように構成することにより、光学系の構成の自由度を高めることができる。
また、本発明による色分解システムおよび色分解合成システムによれば、光束の偏光状態や波長に応じて所定の特性を有する波長選択面、偏光変換素子および偏光分離面という諸要素を適宜用いて、これらをほぼ平行に近接配置し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するように構成することにより、例えば、投写型表示装置の照明光学系において、波長選択性偏光変換素子、偏光変換素子および偏光素子などの光学部材を低減したり、その配設位置の選択肢を増加させるというような、光学系の構成の自由度を高めることができる。
また、上記色分解システムの光出射側から光入射側へ光が進行するようにこの色分解システムを配置した本発明による色合成システムによっても、同様に例えば投写型表示装置の投写光学系において構成の自由度を高めることができる。
また、本発明による照明光学系、投写光学系および投写型表示装置によれば、本発明による色分解合成システム、色分解システムおよび色合成システムを備えることにより構成の自由度を高め、コンパクト化、低コスト化、高コントラスト化および良好な色再現性を達成可能とすることができる。
以下、本発明の実施形態に係る色分解合成システム、色分解システムおよび色合成システムとそれを用いた照明光学系、投写光学系および投写型表示装置について図面を用いて説明する。
<色分解合成システム>
まず、本発明の実施例1に係る色分解合成システムの構成を模式的に示す図1を用いて、本発明の色分解合成システムの第1の実施形態について説明する。なお、本発明の色分解合成システムおよび色分解システムは、例えば後述する本発明の実施例20に係る投写型表示装置の概略構成図である図20に示されるように、投写型表示装置の照明光学系の一構成要素として用いることができるものである。
本発明の色分解合成システムの第1の実施形態は、図1に色分解合成システム1aとして示されるとおり、入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面(図1においてダイクロイックミラー10a)と、入射光束の偏光方向を変換させる少なくとも1つの偏光変換素子(図1において1/2波長位相板11a)とが、ほぼ平行に近接配置された構成とされている。なお、「近接配置」とは、当接または重畳された状態を含むものである。以下の本発明に係る色分解合成システム、色分解システム、色合成システム、照明光学系、投写光学系および投写型表示装置(以下、これらを総称して「システム等」と称することがある)においても同様である。製造性の点などを考慮して当接に限らず若干の空間を許容しているが、空間が大きすぎるとシステム等が大型化する虞がある。
第1の実施形態に係る色分解合成システムには、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射される。図1および以下の図2〜図25において、各波長帯域の光束の経路は模式的に示されており、光束線上に示された短い交差線と黒丸とは互いに偏光方向が異なる2種類の偏光状態(S偏光とP偏光)のいずれかであることを示す。以下の説明では、短い交差線を第1の偏光状態、黒丸を第2の偏光状態の光束とする。また、この色分解合成システム1aおよび以下の本発明に係るシステム等において、第1〜第3の波長帯域の光束は、これらのシステム等をフルカラー画像に対応させて用いる場合には、3原色光とすることが好ましい。この場合には、第1〜第3の波長帯域の光束として、青色、緑色、赤色の3原色の光束を任意の順に対応させることができる。
また、第1の実施形態に係る色分解合成システムは、互いに異なる方向から入射された第1および第2の波長帯域の光束ならびに第3の波長帯域の光束を色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに、第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するという作用を奏するように構成されている。
図1においては、紙面右側より第1および第2の波長帯域の光束が入射され、紙面下側より第3の波長帯域の光束が入射される。色分解合成システム1aは、第1および第2の波長帯域の光束を色分解するとともに第1および第3の波長帯域の光束を色合成し、この第1および第3の波長帯域の光束を紙面左側に出射し、第2の波長帯域の光束を紙面上側に出射する。すなわち、ダイクロイックミラー10aは第1の波長帯域の光束を透過し第2および第3の波長帯域の光束を反射するように設定されている。
また、この色分解合成システム1aに入射する第1〜第3の波長帯域の光束は、いずれも第1の偏光状態とされている。色分解合成システム1aから出射される光束については、第1の波長帯域の光束は、1/2波長位相板11aを1度透過し第2の偏光状態で出射される。第2の波長帯域の光束は、1/2波長位相板11aを透過することなく第1の偏光状態のままで出射される。第3の波長帯域の光束は、1/2波長位相板11aを往、復各々1回ずつ透過し第1の偏光状態で出射される。なお、本発明において偏光変換素子は、この素子に所定の入射角で入射した光束が透過した場合に所定の光路長になるように設定されているものとし、例えば図1のものでは、1/2波長位相板11aは、45度の入射角で入射した光束が透過する場合に1/2波長の位相差を生ぜしめるものである。
図2〜図4は、本発明の実施例2〜4として、この第1の実施形態に係る色分解合成システム1b〜1dの概略構成を示している。実施例2〜4の構成は図示のとおりであるので、詳細な説明は省略する。色分解合成システム1b〜1dは、色分解合成システム1aとは、ダイクロイックミラー10b〜10dの透過および反射に関する特性設定、ダイクロイックミラー10b〜10dと1/2波長位相板11b〜11dとの配設順ならびに第1〜第3の波長帯域の光束の出射方向のうち少なくとも1つの点で異なっているが、互いに異なる方向から入射された第1および第2の波長帯域の光束ならびに第3の波長帯域の光束を色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに、第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するように構成されている点で、略同様の作用を奏する。
第1の実施形態に係る色分解合成システムは、波長選択面と偏光変換素子という最少で2つという少ない構成要素で構成することができ、同一の偏光方向の第1、第2および第3の波長帯域の光束を入射させることができる。
また、第1の実施形態に係る実施例1〜4の色分解合成システム1a〜1dのうち、実施例1、3、4のものは、同一の1/2波長位相板11a、11c、11dを、所定の光束が少なくとも往、復各々1回ずつ透過するように構成されている。また、第1の実施形態に係る実施例1〜4の色分解合成システム1a〜1dのうち、実施例1〜3のものは、例えば実施例1の第1の波長帯域の光束と第3の波長帯域の光束とのように、同一の1/2波長位相板11a〜11cを、入射光路の互いに異なる少なくとも所定の2つの光束が透過するように構成されている。このような構成は、このシステムが照明光学系や投写型表示装置の構成要素となったときに、部材数の低減や部材配置設計の自由度向上という効果を導き得るものである。
本発明の色分解合成システムの第2の実施形態は、図5に本発明の実施例5に係る色分解合成システム2aとして示されるとおり、入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面(図5においてダイクロイックミラー10e)と、入射光束の偏光方向を変換させる少なくとも1つの偏光変換素子(図5において1/2波長位相板11e)と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面(図5において反射型偏光板12a)とが、ほぼ平行に近接配置された構成とされている。
第1の実施形態と同様に、第2の実施形態に係る色分解合成システムにも、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射される。また、第2の実施形態に係る色分解合成システムも、互いに異なる方向から入射された第1および第2の波長帯域の光束ならびに第3の波長帯域の光束を色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに、第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するという作用を奏するように構成されている。
図5においては、紙面右側より第1および第2の波長帯域の光束が入射され、紙面下側より第3の波長帯域の光束が入射される。色分解合成システム2aは、第1および第2の波長帯域の光束を色分解するとともに第1および第3の波長帯域の光束を色合成し、この第1および第3の波長帯域の光束を紙面左側に出射し、第2の波長帯域の光束を紙面上側に出射する。すなわち、ダイクロイックミラー10eは第1および第3の波長帯域の光束を透過し第2の波長帯域の光束を反射するように設定されている。
また、この色分解合成システム2aに入射する第1〜第3の波長帯域の光束は、いずれも第2の偏光状態とされている。色分解合成システム2aから出射される光束については、第1の波長帯域の光束は、反射型偏光板12aを透過し1/2波長位相板11eを1度透過し第1の偏光状態で出射される。第2の波長帯域の光束は、反射型偏光板12aを透過し1/2波長位相板11eを往、復各々1回ずつ透過し、第2の偏光状態で反射型偏光板12aに入射されて透過された第2の偏光状態で出射される。第3の波長帯域の光束は、1/2波長位相板11eを透過し第1の偏光状態に変換されたのち反射型偏光板12aに入射されて反射され、再び1/2波長位相板11eを透過し第2の偏光状態で出射される。すなわち、反射型偏光板12aは第1の偏光状態の光束を反射し第2の偏光状態の光束を透過するように設定されている。
図6〜図13は、本発明の実施例6〜13として、この第2の実施形態に係る色分解合成システム2b〜2iの概略構成を示している。実施例6〜13の構成は図示のとおりであるので、詳細な説明は省略する。色分解合成システム2b〜2iは、色分解合成システム2aとは、ダイクロイックミラー10f〜10mの透過および反射に関する特性設定、ダイクロイックミラー10f〜10mと1/2波長位相板11f〜11mと反射型偏光板12b〜12iとの配設順、第1〜第3の波長帯域の光束の出射方向ならびに第1〜第3の波長帯域の光束の入射時の偏光状態のうち少なくとも1つの点で異なっているが、互いに異なる方向から入射された第1および第2の波長帯域の光束ならびに第3の波長帯域の光束を色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに、第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するように構成されている点で、略同様の作用を奏する。
また、第2の実施形態に係る実施例5〜13の色分解合成システム2a〜2iのうち、実施例5〜10、12、13は、同一の1/2波長位相板11e〜11j、11l、11mを、所定の光束が少なくとも往、復各々1回ずつ透過するように構成されている。また、上記実施例5〜13の色分解合成システム2a〜2iのうち、実施例5、9、10、12は、同一の1/2波長位相板11e、11i、11j、11lを、入射光路の互いに異なる少なくとも所定の2つの光束が透過するように構成されている。このような構成は、このシステムが照明光学系、投映光学系または投写型表示装置の構成要素となったときに、部材数の低減や部材配置設計の自由度向上という効果を導き得るものである。
また、図14は、本発明の実施例14として、この第2の実施形態に係る色分解合成システム2jの概略構成を示すものである。本発明において偏光変換素子は、実施例1〜13に用いられたような1枚の1/2波長位相板に限られない。実施例14は偏光変換素子として2枚の1/4波長位相板13a、13bを用いた構成とされている。
図14において、紙面右側より第1および第2の波長帯域の光束が入射され、紙面下側より第3の波長帯域の光束が入射され、第1および第3の波長帯域の光束を紙面左側に出射し、第2の波長帯域の光束を紙面上側に出射する。ダイクロイックミラー10nは第1の波長帯域の光束を透過し第2の波長帯域の光束を反射するように設定されている。
また、この色分解合成システム2jに入射する第1〜第3の波長帯域の光束はいずれも第1の偏光状態とされている。色分解合成システム2jから出射される光束については、第1の波長帯域の光束は、1/4波長位相板13a、13b、反射型偏光板12jをこの順で透過して第2の偏光状態で出射される。第2の波長帯域の光束は、1/4波長位相板13aを往、復各々1回ずつ透過して第2の偏光状態で出射される。第3の波長帯域の光束は、反射型偏光板12jで反射されて第1の偏光状態で、出射される。実施例5〜13と異なり、この色分解合成システム2jは、第2の波長帯域の光束の偏光状態を入射時と異なる状態に変換して出射する。反射型偏光板12jは、実施例5〜13と同様に、第1の偏光状態の光束を反射し第2の偏光状態の光束を透過するように設定されている。
複数の偏光変換素子を用いた実施例14の色分解合成システム2jも、互いに異なる方向から入射された第1および第2の波長帯域の光束ならびに第3の波長帯域の光束を色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに、第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するように構成されている点で、実施例5〜13のシステムと略同様の作用を奏する。
また、複数の偏光変換素子を用いた場合のより望ましい構成としては、どの光束も波長位相板を通る回数がなるべく等しい回数とされることが好ましい。
なお、第2の実施形態に係る色分解合成システムには、偏光分離面として反射型偏光板が配されている。このような偏光分離面は透過光および反射光の偏光方向を整える機能も果たすことになるので、このシステムを光学系または装置の一部として配した場合には、別置されていた偏光板の働きを兼務させることができる場合があり、構成の簡易化にも寄与し得る。
第2の実施形態に係る色分解合成システムは、同一の偏光方向の第1、第2および第3の波長帯域の光束を入射させることができ、互いに異なる方向から第1および第2の波長帯域の光束と第3の波長帯域の光束とを入射させることができる。
本発明の色分解合成システムの第3の実施形態は、図15に本発明の実施例15に係る色分解合成システム3aとして示されるとおり、入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面(図15においてダイクロイックミラー10o)と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面(図15において反射型偏光板12a)とが、ほぼ平行に近接配置された構成とされている。
第1の実施形態と同様に、第3の実施形態に係る色分解合成システムにも、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射される。また、第3の実施形態に係る色分解合成システムも、互いに異なる方向から入射された第1および第2の波長帯域の光束ならびに第3の波長帯域の光束を色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに、第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するという作用を奏するように構成されている。
図15においては、紙面右側より第1および第2の波長帯域の光束が入射され、紙面下側より第3の波長帯域の光束が入射される。色分解合成システム3aは、第1および第2の波長帯域の光束を色分解するとともに第1および第3の波長帯域の光束を色合成し、この第1および第3の波長帯域の光束を紙面左側に出射し、第2の波長帯域の光束を紙面上側に出射する。すなわち、ダイクロイックミラー10oは第1および第3の波長帯域の光束を透過し第2の波長帯域の光束を反射するように設定されている。また、この色分解合成システム3aでは、同一のダイクロイックミラー10oを、第3の波長帯域の光束が少なくとも往、復各々1回ずつ透過するように構成されている。
また、この色分解合成システム3aに入射する第1および第2の波長帯域の光束は第2の偏光状態とされ、第3の波長帯域の光束は第1の偏光状態とされている。そして、色分解合成システム3aから出射される光束については、第1の波長帯域の光束は反射型偏光板12kを透過し第2の偏光状態で出射される。第2の波長帯域の光束は反射型偏光板12kを往、復各々1回ずつ透過し第2の偏光状態で出射される。第3の波長帯域の光束は反射型偏光板12kで反射されて第1の偏光状態で出射される。すなわち、反射型偏光板12kは第1の偏光状態の光束を反射し第2の偏光状態の光束を透過するように設定されている。
図16は、本発明の実施例16として、この第3の実施形態に係る色分解合成システム3bの概略構成を示している。実施例16の構成は図示のとおりであるので、詳細な説明は省略する。色分解合成システム3bは、色分解合成システム3aとはダイクロイックミラー10pと反射型偏光板12lとの配設順が異なり、ダイクロイックミラー10pについても第1の波長帯域の光束を透過し第2の波長帯域の光束を反射するように設定されていればよいが、互いに異なる方向から入射された第1および第2の波長帯域の光束ならびに第3の波長帯域の光束を色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに、第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するように構成されている点で、略同様の作用を奏する。
また、この実施例16では、反射型偏光板12lで反射される第2の波長帯域の光束がダイクロイックミラー10pに非入射状態となるように構成されている。
第3の実施形態に係る色分解合成システムは、波長選択面と偏光分離面という最少で2つという少ない構成要素で構成することができ、互いに異なる方向から第1および第2の波長帯域の光束と第3の波長帯域の光束とを入射させることができる。
第3の実施形態に係る色分解合成システムにも第2の実施形態のものと同様に、偏光分離面として反射型偏光板が配されているので、このシステムを光学系または装置の一部として配した場合には、別置されていた偏光板の働きを兼務させることができる場合があり、構成の簡易化にも寄与し得る。
なお、以上に説明した本発明の色分解合成システムは、レンズ等の一般の光学素子と同様に光を逆進させて用いることも可能である。すなわち、上述した色分解合成システムの光出射側から光入射側へ光が進行するようにこのシステムを配置することができ、この場合、この色分解合成システムは、互いに異なる第1および第3の波長帯域の光束が同一方向からかつ互いに偏光方向が異なる状態で入射され、該第1の波長帯域の光束と、この光束と互いに異なる方向から入射された、前記第1および前記第3の波長帯域と互いに異なる第2の波長帯域の光束とが、同一方向に出射される、という作用を奏する構成となる。
また、この場合、第1および第2の実施形態に係る色分解合成システムから出射される第1、第2および第3の波長帯域の光束は同一の偏光方向で出射されることが好ましい。第3の実施形態に係る色分解合成システムから出射される光束は、偏光方向が同一な第1および第2の波長帯域の光束、ならびに、第1および第2の波長帯域の光束と互いに異なる偏光方向の第3の波長帯域の光束とされていることが好ましい。
<色分解システムおよび色合成システム>
つぎに、本発明の実施例17に係る色分解システムの構成を模式的に示す図17を用いて、本発明の色分解システムの第1の実施形態について説明する。
本発明の色分解システムの第1の実施形態は、図17に色分解システム4aとして示されるとおり、入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面(図17においてダイクロイックミラー10q)と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面(図17において反射型偏光板12m)とが、ほぼ平行に近接配置された構成とされている。
第1の実施形態に係る色分解システムには、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が同一の方向から入射され、この色分解システムはこれらの光束を色分解し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに、第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するという作用を奏するように構成されている。
図17においては、紙面右側より第1〜第3の波長帯域の光束が入射される。色分解システム4aは、第1および第3の波長帯域の光束と第2の波長帯域の光束とを色分解し、この第1および第3の波長帯域の光束を紙面上側に出射し、第2の波長帯域の光束を紙面左側に出射する。すなわち、ダイクロイックミラー10qは第1の波長帯域の光束を反射し第2の波長帯域の光束を透過するように設定されている。
また、この色分解システム4aに入射する第1および第2の波長帯域の光束は第2の偏光状態とされ、第3の波長帯域の光束は第1の偏光状態とされている。そして、色分解システム4aから出射される光束については、第1の波長帯域の光束は、反射型偏光板12mを往、復各々1回ずつ透過し第2の偏光状態で出射される。第2の波長帯域の光束は、反射型偏光板12mを1度透過し第2の偏光状態で出射される。第3の波長帯域の光束は、反射型偏光板12mで反射されて第1の偏光状態で出射される。すなわち、反射型偏光板12mは第1の偏光状態の光束を反射し第2の偏光状態の光束を透過するように設定されている。
また、この実施例17では、反射型偏光板12mで反射される第3の波長帯域の光束がダイクロイックミラー10qに非入射状態となるように構成されている。
図18は、本発明の実施例18として、この第1の実施形態に係る色分解システム4bの概略構成を示している。実施例18の構成は図示のとおりであるので、詳細な説明は省略する。色分解システム4bは、色分解システム4aとはダイクロイックミラー10rと反射型偏光板12nとの配設順が異なり、ダイクロイックミラー10rについても第1の波長帯域の光束を反射し第2および第3の波長帯域の光束を透過するように設定されているが、同一の方向から入射された第1、第2および第3の波長帯域の光束を色分解し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに、第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するように構成されている点で、略同様の作用を奏する。
また、この色分解システム4bでは、同一のダイクロイックミラー10rを、第3の波長帯域の光束が少なくとも往、復各々1回ずつ透過するように構成されている。
第1の実施形態に係る色分解システムは、波長選択面と偏光分離面という最少で2つという少ない構成要素で構成することができ、同一の方向から第1、第2および第3の波長帯域の光束を入射させることができる。
分解システムの比較形態は、図19に比較例に係る色分解システム5aとして示されるとおり、入射光束を波長に応じて反射または透過させる少なくとも2つの波長選択面(図19においてダイクロイックミラー10s、10t)と、入射光束の偏光方向を変換させる少なくとも2つの偏光変換素子(図19において1/4波長位相板13c、13d)とが、ほぼ平行に近接配置された構成とされている。
比較形態に係る色分解システムには、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が同一の方向から入射され、この色分解システムはこれらの光束を色分解し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに、第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するという作用を奏するように構成されている。
図19においては、紙面右側より第1〜第3の波長帯域の光束が入射される。色分解システム5aは、第1および第3の波長帯域の光束と第2の波長帯域の光束とを色分解し、この第1および第3の波長帯域の光束を紙面上側に出射し、第2の波長帯域の光束を紙面左側に出射する。すなわち、ダイクロイックミラー10sは第1および第2の波長帯域の光束を透過し第3の波長帯域の光束を反射するように設定され、ダイクロイックミラー10tは第2の波長帯域の光束を透過し第1の波長帯域の光束を反射するように設定されている。
また、この色分解システム5aに入射する第1、第2および第3の波長帯域の光束は第1の偏光状態とされている。そして、色分解システム5aから出射される光束については、第1の波長帯域の光束は、1/4波長位相板13cを往、復各々1回ずつ透過して第2の偏光状態で出射される。第2の波長帯域の光束は、1/4波長位相板13c、13dを、1回ずつ透過し第2の偏光状態で出射される。第3の波長帯域の光束は、第1の偏光状態のままで出射される。
比較形態に係る色分解システムには、同一の方向から同一の偏光方向で第1、第2および第3の波長帯域の光束を入射させることができる。
なお、以上に説明した本発明の色分解システムは、レンズ等の一般の光学素子と同様に光を逆進させて用いることも可能である。すなわち、上述した色分解システムの光出射側から光入射側へ光が進行するようにこのシステムを配置することができ、この場合、この色分解システムは、「色合成システム」として機能することとなり、互いに異なる第1および第3の波長帯域の光束が同一方向からかつ互いに偏光方向が異なる状態で入射され、該第1および該第3の波長帯域の光束と、これらの光束と互いに異なる方向から入射された、前記第1および前記第3の波長帯域と互いに異なる第2の波長帯域の光束とが、同一方向に出射される、という作用を奏する構成となる。
また、この場合、第1の実施形態に係る色合成システムから出射される光束は、偏光方向が同一な第1および第2の波長帯域の光束、ならびに、第1および第2の波長帯域の光束と互いに異なる偏光方向の第3の波長帯域の光束とされていることが好ましい。第2の実施形態に係る色合成システムから出射される光束は、同一の偏光方向で出射されることが好ましい。
<照明光学系および投写型表示装置>
つぎに、本発明の実施例20〜22の概略構成を示す図20〜図22を用いて、本発明に係る照明光学系およびそれを用いた投写型表示装置の第1の実施形態について説明する。これらの投写型表示装置は、第1〜第3の波長帯域の光束に対応する画像情報を表示する反射型偏光ライトバルブである反射型液晶パネル(以下、LCOSと称する)53a〜53cと、これらLCOS53a〜53cを照明する照明光学系と、これらLCOS53a〜53cにより光変調された光束を拡大投写する投写光学系とを備え、照明光学系の一構成要素として、実施例20は上述した実施例1に係る色分解合成システム1aを、実施例21は上述した実施例7に係る色分解合成システム2cを、実施例22は上述した実施例15に係る色分解合成システム3aを、用いたものである。
なお、図20〜図22および後述する図23〜図25において、相対的に同様の位置で同様の作用を有するものには同様の符号を付し、異なる位置で同様の作用を有するものには数字部分が同様となる符号を付している。
照明光学系は、光源30、リフレクタ31a、31b、インテグレートシステム32a、32b、コリメータレンズ33(実施例20)、偏光変換光学系35a、35b、照明光束色分離手段40a、40b、重畳レンズまたはリレーレンズとして作用するレンズ41a〜41j、偏光板42a〜42c、1/2波長位相板44a(実施例22)、全反射ミラー34a〜34i、および本発明に係る色分解合成システム1a、2c、3aを適宜備えるとともに、各LCOS53a〜53cの直前に配された偏光ビームスプリッタ(以下、PBSと称する)よりなる光路分離手段50a、50bと、1/4波長位相板52a〜52cとを含むものとする。
また、投写光学系は上記光路分離手段50a、50bと、1/4波長位相板52a〜52cとを含み、さらに、偏光板42d〜42f、特定波長偏光変換素子43a、投映光束合成手段60a、60b、投映レンズ62a〜62dを適宜備えている。
光源30は、超高圧水銀ランプ、あるいはメタルハライドランプ等の高輝度白色光源を用いることができる。
リフレクタ31a、31bは、光源30からの光を反射して前方に出射するもので、このようなリフレクタとしては楕円面鏡、放物面鏡等の凹面鏡を用いることができる。楕円面鏡よりなるリフレクタ31a、放物面鏡よりなるリフレクタ31bとして示している。
インテグレートシステム32a、32bは、光源からの光束が効率よくLCOSの有効開口に照射されるように、光軸に直行する面内における光量分布の均一化を図るもので、このようなインテグレートシステムとしてはロッドインテグレータやフライアイレンズを用いることができる。また、ロッドインテグレータとしても、ガラス製の中実な棒状ロッドプリズムや、内面を反射コートにより鏡面とした中空プリズムや、棒状ロッドプリズムを光束入射側に配置しその光束出射側に中空プリズムを配置して両者を組み合わせた、いわゆるハイブリッド型のインテグレータや、偏光変換も備えた偏光リカバリパイプなど、様々なタイプのものを用いることができる。ロッドインテグレータよりなるインテグレートシステム32a、フライアイレンズよりなるインテグレートシステム32bとして示している。
偏光変換光学系35a、35bは、光源30から出射された白色光を一方向に振動する直線偏光に変換するものであり、その構成は図示のものに限られない。実施例20〜22の、偏光ビームスプリッタアレイとストライプ状に配設された1/2波長位相膜よりなる構成は、照明光束をP偏光とS偏光とに分離した後、一方の偏光の偏光方向を変換して両者を偏光方向が揃った平行光束として出力するもので、光量利用効率を向上させることができる。第1の偏光状態の照明光束を出射する偏光変換光学系35a、第2の偏光状態の照明光束を出射する偏光変換光学系35bとして示している。
照明光束色分離手段40a、40bは、後段の色分解合成システム1a、2c、3aに対し所定の波長帯域の光束が所定の方向から入射されるように照明光束の色分解を行うもので、色分解合成システム1a、2c、3aの構成に対応させて所定の光束を反射させ、所定の光束を透過させるように構成する。このような照明光束色分離手段としてはダイクロイックミラーに限られず、プリズムとされていてもよい。第1および第2の波長帯域の光束を透過し第3の波長帯域の光束を反射する照明光束色分離手段40a、第1および第2の波長帯域の光束を反射し第3の波長帯域の光束を透過する照明光束色分離手段40bとして示している。
偏光板42a〜42fは、各配設位置で光束の偏光方向を整えるもので、特に特定波長偏光変換素子やダイクロイックミラーの後段やPBSの前後に配された偏光板が偏光方向のズレを調整することにより、光の利用効率低下や投映画面上でのコントラスト低下を防止する作用効果を有する。第1の偏光状態の光束の偏光方向を整える偏光板42a〜42c、42e、42f、第2の偏光状態の光束の偏光方向を整える偏光板42dとして示している。
1/2波長位相板44aは、実施例22の第3の波長帯域の光束を第2の偏光状態から第1の偏光状態へと変換する。色分離合成システム3aに入射する第3の波長帯域の光束の偏光状態を調整するものである。本発明に係る照明光学系または投写型表示装置においては、実施例22のように、色分離合成システム3aに入射する第1〜第3の波長帯域の光束のいずれかの光束の偏光状態が異なるように構成する場合にも、光源30からの光束は全体として偏光変換光学系を介して偏光状態を整えた後に所望の光束を分離しての偏光状態を変換することが好ましい。実施例22ではそのためにレンズ41g〜41iからなるリレー光学系を設け、第2の波長帯域の光束の偏光状態を調整している。
コリメータレンズ33、およびレンズ41a〜41jは、模式的に示されたものであって、レンズ枚数等の構成は適宜変更可能である。
光路分離手段50aはPBSよりなり、第2の波長帯域の照明光束がLCOS53bで反射されるとともに1/4波長位相板52bを往、復各々1回ずつ通過することにより偏光方向が90度変換された投映光束となることを利用し、内部の偏光分離膜51aで照明光束と投映光束の一方を透過、他方を反射させて光路を分離する。本発明に係る実施例20〜25では、偏光分離膜51aは第1の偏光状態の光束を反射し第2の偏光状態の光束を透過する。すなわち、実施例20および実施例21では照明光束を反射し投映光束を透過し、実施例22では照明光束を透過し投映光束を反射する。なお、一般にPBSの偏光分離膜は、P偏光よりもS偏光に対する反射効率が良好であるので、装置構成としてはPBSで反射させる光束がS偏光となるように構成することが好ましい。
また、光路分離手段50bはPBSよりなり、光路分離手段50aと略同様に、内部の偏光分離膜51bでの反射および透過作用により照明光束と投映光束の光路を分離するものであるが、この光路分離手段50bには偏光方向が異なる第1および第3の波長帯域の照明光束が同一方向から入射され、その偏光方向に応じて透過または反射されて各々対応するLCOS53aまたは53cを照射することになる。各LCOS53aまたは53cで反射された投映光束は、再び光路分離手段50bに入射してその偏光方向に応じて反射または透過されて、同一方向に出射される。本発明に係る実施例20〜25では、偏光分離膜51bは第1の偏光状態の光束を反射し第2の偏光状態の光束を透過する。すなわち、実施例20〜実施例22において第1の波長帯域の照明光束と第3の波長帯域の投映光束を透過し、第1の波長帯域の投映光束と第3の波長帯域の照明光束を反射する。
特定波長偏光変換素子43aは、所定の波長帯域の光束を所定角度だけ回転させる素子である。実施例20〜実施例22の特定波長偏光変換素子43aは、第3の波長帯域の光束を第2の偏光状態から第1の偏光状態に変換する。
投映光束合成手段60a、60bは、互いに異なる2方向から入射した第1および第3の波長帯域の光束と第2の波長帯域の光束とを合成し、同一方向に出射する。PBSよりなる投映光束合成手段60a、ダイクロイックプリズムよりなる投映光束合成手段60bとして示している。すなわち、実施例20および実施例21ではPBSよりなる投映光束合成手段60aにおいて、第1の偏光状態で入射した第1および第3の波長帯域の光束が反射され、第2の偏光状態で入射した第2の波長帯域の光束が透過されて合成される。また、実施例22ではダイクロイックプリズムよりなる投映光束合成手段60bにおいて、第1および第3の波長帯域の光束が反射され、第2の波長帯域の光束が透過されて合成される。
投映レンズ62a〜62dは、LCOS53a〜53cで反射された画像情報を担持した投映光束を、図示されないスクリーン上にフルカラー画像として拡大投写する。レンズ系全体が投映光束合成手段の後段に配されている投映レンズ62d、レンズ系が分割されて投映光束合成手段の前後に配されている投映レンズ62a〜62cとして示している。投映レンズ62aと投映レンズ62c、または投映レンズ62bと投映レンズ62cが、それぞれ投映レンズ系を構成している。
実施例20〜22の照明光学系によれば、上記特許文献1(特開2001−100155号公報)記載の照明光学系と同様に、照明光学系において波長選択性偏光変換素子を配することなく、2枚のLCOS53a、53cに近接しているPBS50bに対し、偏光方向と波長が異なる2種の光束を入射させることができる。入射角度特性や波長特性が必ずしも良好とはいえない波長選択性偏光変換素子が不要となるので、低コスト化だけでなく、コントラスト低下や結像性能劣化を防止することができる。
また、実施例20〜22の照明光学系との比較のため、上記特許文献1記載の照明光学系と大略同様の照明光学系を備えた投写型表示装置を、従来例3として図28に示す。図28において、図20〜図22に示した装置と相対的に同様の位置で同様の作用を有するものには数字下二桁とアルファベットが同様の符号を付し、異なる位置で同様の作用を有するものには数字下二桁が同様となる符号を付している。図28について、図20〜図22に示した装置と相対的に同様の位置で同様の作用を有するものについては説明を省略する。
この従来例3では、本発明の色分解合成システム1a、2c、3aに代わるものとして配されている照明光束分解合成手段270は、ダイクロイックミラーよりなり、第1の波長帯域の光束を反射し、第2および第3の波長帯域の光束を透過するように設定されている。それにより、互いに異なる方向から入射された第1および第2の波長帯域の光束ならびに第3の波長帯域の光束を色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに、第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するものである。
また、1/2波長位相板244cは、第3の波長帯域の光束を第1の偏光状態から第2の偏光状態へと変換し、照明光束分解合成手段270に入射する第3の波長帯域の光束の偏光状態を調整する。1/2波長位相板244cの後段に配された偏光板242lは、第2の偏光状態とされた第3の波長帯域の光束の偏光方向を整える。上記特許文献1には偏光素子についての記載がないが、コントラストの良い投写型表示装置とするためには、少なくともこの従来例3に記載した程度の偏光素子(偏光板242b〜242e、242l)を配置することが必要となる。
また、光路分離手段250bはPBSよりなり、光路分離手段50bと略同様に、内部の偏光分離膜251bでの反射および透過作用により照明光束と投映光束の光路を分離するものであるが、偏光分離膜251bは第1の波長帯域の照明光束と第3の波長帯域の投映光束を反射し、第1の波長帯域の投映光束と第3の波長帯域の照明光束を透過する。
実施例20〜22(図20〜図22)の照明光学系と、従来例3(図28)の照明光学系とを比較すると、本発明の色分解合成システム1a、2c、3aを用いることによりこれらの照明光学系において、偏光変換素子を大型化しない位置に配置したり、配置する波長選択性偏光変換素子を極力低減したり、偏光素子を偏光ビームスプリッタ入射側の近辺に配設可能とするような、光学系の構成が可能となっていることが明らかである。
実施例20の照明光学系では、本発明の色分解合成システム1aを用いているので、偏光方向が同一な第1、第2の波長帯域の光束と、第1および第2の波長帯域の光束と偏光方向が同一な第3の波長帯域の光束とが互いに異なる方向から入射され、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに、第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するように構成することができる。従って、従来例3の1/2波長位相板244Cのような照明光束色分離手段240aの後段で第3の波長帯域の光束の偏光状態を変換する偏光変換素子を、配する必要がない。
独立に配置される部材数の低減によりアライメント調整工程を簡略化できるだけでなく、光源230に近い位置に配すると光束径が大きいために1/2波長位相板244Cが大型になるという問題に対しても、色分解合成システム1a中に含まれる1/2波長位相板11aは、より光源30から離して配されていることになり、小型化、低コスト化が可能となる。実施例1の色分解合成システム1aだけでなく、本発明の第1の実施形態に係る他の色分解合成システムを用いた投写型表示装置においても略同様とすることができる。
また、この照明光学系では、色分解合成システム1aとPBS50bとの間は、偏光方向を整える偏光素子が非設置とされた光路となっている。
実施例21の照明光学系では、本発明の色分解合成システム2cを用いているので、偏光方向が同一な第1、第2の波長帯域の光束と、第1および第2の波長帯域の光束と偏光方向が同一な第3の波長帯域の光束とが互いに異なる方向から入射され、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに、第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するように構成することができる。従って、実施例20のものと同様に、従来例3の1/2波長位相板244Cのような偏光変換素子を、配する必要がない。
さらに、この照明光学系では、本発明の色分解合成システム2cを用いているので、従来例3の偏光板242b、242l、242cのような偏光方向を整えるための素子を、配する必要がない。この照明光学系では、偏光分離面として色分解合成システム2c中に偏光板12cが配され、この偏光板12cが従来例3の3枚の偏光板242b、242l、242cの役割を果たしている。
すなわち、色分解合成システム2cでは1枚の偏光板12cが、第1の波長帯域の光束に関しては、ダイクロイックミラーよりなる照明光束分解手段40bを経て1/2波長位相板11gで第2の偏光状態に変換されたこの光束の偏光方向を整え、第2の波長帯域の光束に関しては、照明光束分解手段40bを経たこの光束の偏光方向を整えるとともにダイクロイックミラー10gを経たこの光束の偏光方向を整え、第3の波長帯域の光束に関しては、照明光束分解手段40b、ダイクロイックミラー10gを経たこの光束の偏光方向を整えるように構成されている。このようにしてこの照明光学系では、色分解合成システム2cとPBS50aとの間および色分解合成システム2cとPBS50bとの間は、偏光方向を整える偏光素子が非設置とされた光路となっている。この照明光学系は、色分解合成システム2c以外に、偏光方向を整える偏光素子が非設置とされている。
部材数の低減により低コスト化、アライメント調整工程の簡略化を図るだけでなく、偏光板242b、242lよりも、色分解合成システム2c中に含まれる偏光板12cはより光源30から離して配されていることになり、小型化、低コスト化が可能となる。さらに、偏光板12cは、偏光板242b、242lよりも、よりライトバルブに近く配されていることになり、偏光特性の劣化を少なくしコントラストを向上させることができる。実施例5の色分解合成システム2cだけでなく、本発明の第2の実施形態に係る他の色分解合成システムを用いた投写型表示装置においても略同様とすることができる。
実施例22の照明光学系では、本発明の色分解合成システム3aを用いているので、偏光方向が同一な第1および第2の波長帯域の光束と、第1および第2の波長帯域の光束と互いに異なる偏光方向の第3の波長帯域の光束とが互いに異なる方向から入射され、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに、第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するように構成することができる。従って、実施例21のものと同様に、従来例3の偏光板242b、242l、242cのような偏光方向を整えるための素子を、配する必要がない。この照明光学系では、偏光分離面として色分解合成システム3a中に含まれる偏光板12Kが配され、この偏光板12Kが従来例3の3枚の偏光板242b、242l、242cの役割を果たしている。
すなわち、色分解合成システム3aでは1枚の偏光板12Kが、第1の波長帯域の光束に関しては、ダイクロイックミラーよりなる照明光束分解手段40aを経たこの光束の偏光方向を整え、第2の波長帯域の光束に関しては、照明光束分解手段40aを経たこの光束の偏光方向を整えるとともにダイクロイックミラー10oを経たこの光束の偏光方向を整え、第3の波長帯域の光束に関しては、照明光束分解手段40a、ダイクロイックミラー10oを経たこの光束の偏光方向を整えるように構成されている。このようにしてこの照明光学系では、色分解合成システム3aとPBS50aとの間および色分解合成システム2cとPBS50bとの間は、偏光方向を整える偏光素子が非設置とされた光路となっている。この照明光学系は、色分解合成システム3a以外に、偏光方向を整える偏光素子が非設置とされている。
部材数の低減により低コスト化、アライメント調整工程の簡略化を図るだけでなく、偏光板242b、242lよりも、色分解合成システム3a中に含まれる偏光板12Kはより光源30から離して配されていることになり、小型化、低コスト化が可能となる。さらに、偏光板12Kは、偏光板242b、242lよりも、よりライトバルブに近く配されていることになり、偏光特性の劣化を少なくしコントラストを向上させることができる。実施例15の色分解合成システム3aだけでなく、本発明の第3の実施形態に係る他の色分解合成システムを用いた投写型表示装置においても略同様とすることができる。
本発明に係る照明光学系およびそれを用いた投写型表示装置の第2の実施形態は、実施例23および実施例24としてその概略構成を図23および図24に示すとおり、照明光学系の一構成要素として本発明に係る色分解システムを用いたものである。実施例23は上述した実施例17に係る色分解システム4aを、実施例24は上述した実施例19に係る色分解システム5aを、用いたものである。これらの投写型表示装置は、実施例20〜22の照明光学系およびそれを用いた投写型表示装置と略同様に、第1〜第3の波長帯域の光束に対応する画像情報を表示するライトバルブであるLCOS53a〜53cと、これらLCOS53a〜53cを照明する照明光学系と、これらLCOS53a〜53cにより光変調された光束を拡大投写する投写光学系とを備えている。図23および図24について、図20〜図22に示した装置と相対的に同様の位置で同様の作用を有するものについては説明を省略する。
この照明光学系は、光源30、リフレクタ30b、インテグレートシステム32b、偏光変換光学系35a、35b、重畳レンズとして作用するレンズ41c、41k、特定波長偏光変換素子43b(実施例23)、偏光板42g、42h(実施例24)、および本発明に係る色分解システム4a、5aを適宜備えるとともに、各LCOS53a〜53cの直前に配されたPBSよりなる光路分離手段50a、50bと、1/4波長位相板52a〜52cとを含むものとする。
また、投写光学系は上記光路分離手段50a、50bと、1/4波長位相板52a〜52cとを含み、さらに、偏光板42e、42f、42i、特定波長偏光変換素子43a、43c、投映光束合成手段60b、投映レンズ62dを備えている。
特定波長偏光変換素子43bは、実施例23の照明光学系において、第3の波長帯域の光束を第2の偏光状態から第1の偏光状態に変換する。色分離システム4aに同一方向から入射する第1〜第3の波長帯域の光束のうち、第3の波長帯域の光束の偏光状態を第1および第2の波長帯域の光束と異ならせるように調整するものである。また、特定波長偏光変換素子43cは、実施例24の投写光学系において、第1の波長帯域の光束を第1の偏光状態から第2の偏光状態に変換する。
偏光板42e〜42hは、第1の偏光状態の光束の偏光方向を整える偏光板42e〜42g、第2の偏光状態の光束の偏光方向を整える偏光板42h、42iとして示している。
レンズ41c、41kは、模式的に示されたものであって、レンズ枚数等の構成は適宜変更可能である。
光路分離手段50aは、実施例23および実施例24において第2の波長帯域の照明光束を透過し投映光束を反射する。また、光路分離手段50bは、実施例23および実施例24において第1の波長帯域の照明光束と第3の波長帯域の投映光束を透過し、第1の波長帯域の投映光束と第3の波長帯域の照明光束を反射する。
投映光束合成手段60bは、ダイクロイックプリズムよりなり、実施例23では第1および第3の波長帯域の光束が反射され、第2の波長帯域の光束が透過されて合成される。また、実施例24では第1および第3の波長帯域の光束が透過され、第2の波長帯域の光束が反射されて合成される。
本発明の色分解システムを代表するものとして、実施例23および実施例24の照明光学系では、本発明の色分解システム4a、5aを用いることによりこれらの照明光学系において、実施例20〜実施例22のものよりもさらに光学部材の配設位置の選択肢を増加させ、光学系の構成の自由度が高くなっている。色分解システム4a、5aは、同一の方向から入射された第1、第2および第3の波長帯域の光束を色分解し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに、第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するという作用を奏するように構成されているので、実施例20〜実施例22のものよりも、さらに光源30から色分解システム4a、5aまでを簡易にかつコンパクトに構成することができる。
実施例23の照明光学系では、本発明の色分解合成システム4aを用いているので、偏光方向が同一な第1および第2の波長帯域の光束と、第1および第2の波長帯域の光束と互いに異なる偏光方向の第3の波長帯域の光束とが、同一の方向から入射され、これらの光束を、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに、第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するように構成することができる。従って、独立した部材としての偏光変換素子や偏光素子を配する必要がない。独立した部材数を低減することにより低コスト化やアライメント調整工程の簡略化を図ることができる。実施例23の照明光学系では、偏光分離面として色分解システム4a中に含まれる偏光板12mが配され、この偏光板12mが複数枚の偏光板に相当する役割を果たしている。
すなわち、色分解システム4aでは1枚の偏光板12mが、第1の波長帯域の光束に関しては、ダイクロイックミラー10qを経たこの光束の偏光方向を整え、第2の波長帯域の光束に関しては、この光束を透過させることにより偏光方向を整え、第3の波長帯域の光束に関しては、特定波長偏光変換素子43bで第1の偏光状態に変換されたこの光束の偏光方向を整えるように構成されている。このようにしてこの照明光学系では、色分解システム4aとPBS50aとの間および色分解システム4aとPBS50bとの間は、偏光方向を整える偏光素子が非設置とされた光路となっている。この照明光学系は、色分解システム4a以外に、偏光方向を整える偏光素子が非設置とされている。
色分解合成システム4a中に含まれる偏光板12mは比較的光源30から離して配されていることになり、小型化、低コスト化が可能となる。さらに、偏光板12mは、比較的ライトバルブに近く配されていることになり、偏光特性の劣化を少なくしコントラストを向上させることができる。また、照明光学系中に含まれる偏光板の数としてもこの偏光板12mの1枚と少なく光利用効率が高いので、コントラストを向上させることができる。
実施例17の色分解合成システム4aだけでなく、本発明の第1の実施形態に係る他の色分解システムを用いた投写型表示装置においても略同様とすることができる。
実施例24の照明光学系では、本発明の色分解システム5aを用いているので、第1、第2および第3の波長帯域の光束が同一の方向から同一の偏光方向で入射され、これらの光束を、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で第1および第3の波長帯域の光束を出射するととともに、第1および第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に第2の波長帯域の光束を出射するように構成することができる。従って、独立した部材としての偏光変換素子を配する必要がない。また、実施例23のように色分解システム4aの前段に特定波長偏光変換素子43bを配する必要がなく、低コストでもコントラスト低下や結像性能劣化を防止することができる。独立した部材数を低減することにより低コスト化やアライメント調整工程の簡略化を図ることができる。この照明光学系では、色分解システム5aとPBS50aとの間および色分解システム5aとPBS50bとの間は、偏光方向を整える偏光素子が非設置とされた光路となっている。
実施例19の色分解システム5aだけでなく、本発明の第2の実施形態に係る他の色分解システムを用いた投写型表示装置においても略同様とすることができる。
<投写光学系および投写型表示装置>
つぎに、本発明に係る投写光学系およびそれを用いた投写型表示装置である実施例25の概略構成を示す図25を用いて、本発明に係る投写光学系およびそれを用いた投写型表示装置の実施形態について説明する。この装置は、投写光学系の一構成要素として本発明に係る色合成システム4a′を用いている。また、この装置は、照明光学系の一構成要素として本発明に係る色分解システム5aを用いている。
この投写型表示装置は、実施例20〜24の投写型表示装置と略同様に、第1〜第3の波長帯域の光束に対応する画像情報を表示するライトバルブであるLCOS53a〜53cと、これらLCOS53a〜53cを照明する照明光学系と、これらLCOS53a〜53cにより光変調された光束を拡大投写する投写光学系とを備えている。図25についても、図20〜図24に示した装置と相対的に同様の位置で同様の作用を有するものについては説明を省略する。
照明光学系は、光源30、リフレクタ30b、インテグレートシステム32b、偏光変換光学系35b、重畳レンズとして作用するレンズ41c、41k、偏光板42j、42k、および本発明に係る色分解システム5aを備えるとともに、各LCOS53a〜53cの直前に配されたPBSよりなる光路分離手段50a、50bと、1/4波長位相板52a〜52cとを含むものとする。
この照明光学系は色分解システム5aを備えた実施例24のものと略同様の構成であり、各光束の偏光状態が、第1の偏光状態と第2の偏光状態とが入れ替わったものである。第2の偏光状態の照明光束を出射する偏光変換光学系35bを備えるとともに、第2の偏光状態の光束の偏光方向を整える偏光板42j、第1の偏光状態の光束の偏光方向を整える偏光板42kを備えている。また、光路分離手段50aは、第2の波長帯域の照明光束を反射し投映光束を透過する。また、光路分離手段50bは、第1の波長帯域の照明光束と第3の波長帯域の投映光束を反射し、第1の波長帯域の投映光束と第3の波長帯域の照明光束を透過する。
また、投写光学系は上記光路分離手段50a、50bと、1/4波長位相板52a〜52cとを含み、さらに、投映光束を合成する色合成システム4a′、および投映レンズ62dを備えている。
本実施例の色合成システム4a′は、図17に示した色分解システム4aを、この色分解システム4aの光出射側から光入射側へ光が進行するようにこのシステムを配置したものである。すなわち、この色合成システム4a′は、図25の紙面下側から入射された第2の偏光状態の第1の波長帯域の光束および第1の偏光状態の第3の波長帯域の光束と、紙面右側から入射された第2の波長帯域の光束とが、紙面左側の同一方向に出射される、という作用を奏する構成となる。このように色合成システム4a′は、LCOS53a〜53cにより光変調された光束を単一方向に出射される光束として合成し、投映レンズ62dに向けて出射する。本実施例では、色合成システム4a′は光学系の光軸に対し入射面および射出面が垂直であるプリズムとして構成され、このプリズムの内部にダイクロイックミラー10qと反射型偏光板12mとが、ほぼ平行に近接配置されているので、収差補正が良好で光量ロスが少ない。
前述のとおりダイクロイックミラー10qは第1の波長帯域の光束を反射し第2の波長帯域の光束を透過するように設定され、反射型偏光板12mは第1の偏光状態の光束を反射し第2の波長帯域の光束を透過するように設定されている。色合成システム4a′に入射された光束は、第1の波長帯域の光束は反射型偏光板12mを透過、ダイクロイックミラー10qで反射、再び反射型偏光板12mを透過し第2の偏光状態で出射される。第2の波長帯域の光束は、ダイクロイックミラー10q、反射型偏光板12mをこの順に透過し第2の偏光状態で出射される。第3の波長帯域の光束は、反射型偏光板12mで反射されて第1の偏光状態で出射される。
色合成システム4a′を用いたこの実施例25の投写光学系から明らかなように、本発明の色合成システムを用いた投写光学系によれば、実施例20〜実施例24のものと比較して、光路分離手段50aと色合成システム4a′との間だけでなく光路分離手段50bと色合成システム4a′との間にも、特定波長偏光変換素子や光束の偏光方向を整えるための素子を、配する必要がない。実施例25の投写光学系では、偏光分離面として色合成システム4a′中に偏光板12mが配されているので、第1〜第3のいずれの波長帯域の光束についてもPBSよりなる光路分離手段50a、50bの後段で偏光方向を整えることができる。偏光板の低減により低コスト化、アライメント調整工程の簡略化を図れるだけでなく、光利用効率を高くしコントラストを向上させることができる。さらに、入射角度特性や波長特性が必ずしも良好とはいえない波長選択性偏光変換素子が不要となるので、低コスト化だけでなく、コントラスト低下や結像性能劣化を防止することができる。
実施例25の投写型表示装置では照明光学系と投写光学系に各々本発明に係る色分解システム5aと色合成システム4a′を用いている。そのため、装置全体としても波長選択性偏光変換素子を全く配置しない構成が可能となっている。本発明に係る他の色分解合成システムまたは色分解システムを照明光学系に用い、本発明に係る他の色合成システムを投写光学系に用いた投写型表示装置においても、略同様とすることができる。
<態様の変更>
なお、本発明の色分解合成システム、色分解システムおよび色合成システムとそれを用いた照明光学系、投写光学系および投写型表示装置としては、上述したものに限られず種々の態様の変更が可能である。
例えば、色分解合成システム、色分解システムおよび色合成システムにおいて、波長選択面としては、ダイクロイックミラー、ダイクロイックプリズムだけでなく、例えばホログラムを用いることができる。また、これらの面の製造方法としては、一般に用いられる蒸着やスパッタリングにより積層させるものに限られず、結晶を用いたり、所定の厚みにフィルム状のものを積層したり塗布していく方法がある。
また、色分解合成システム、色分解システムおよび色合成システムにおいて、偏光変換素子は、実施例として例示された1/2波長板や1/4波長位相板に限らず、光束の偏光方向を変える素子を用いることができる。また、偏光変換素子を1つのシステム内に複数用いる構成も可能である。
また、色分解合成システム、色分解システムおよび色合成システムにおいて、偏光分離面は反射型偏光板に限られるものではない。
また、本発明の照明光学系、投写光学系および投写型表示装置としては、実施例のものに限られず、光束の偏光状態および波長帯域を考慮して本発明の色分解合成システム、色分解システムおよび色合成システムを任意に用いることができる。照明光学系、投写光学系および投写型表示装置の構成としては、本発明の色分解合成システム、色分解システムおよび色合成システムのうちの少なくとも1つを備えたものとされていればよく、その他の構成については実施例に例示したものに限られない。
また、投写型表示装置において、投写画像の色再現性を良好とするために所定の波長成分の光強度を低下させる光学素子を配置する手法が知られている。例えば、超高圧水銀灯の可視領域における波長の分光分布では3原色光のうち赤色波長域が、他の色成分に対応する波長域に比べ光量が少なく、その一方、黄色波長域に光強度のピークを有するため、そのままの光源光を使用すると、全体として黄色味を帯びたカラー画像が形成されてしまう。そこで、光源から出射された光のうち580nm近辺の波長域の光の光強度を低下させて照明を行うことがある。本発明の照明光学系においても、本発明に係る色分解合成システムまたは色分解システムに入射する光束、および本発明に係る色分解合成システムまたは色分解システムから射出する光束のうちの、少なくとも1つの光路に、所定の波長成分の光強度を低下させる光学素子を配置し、色再現性を良好とすることができる。なお、「光強度を低下させる」とは、光強度を0とする場合も含むものである。
なお、本発明の色分解合成システム、色分解システムおよび色合成システムとしては、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射されるものに限られない。これらのシステムの延長上の概念として、互いに異なる2つまたは4つ以上の波長帯域の光束が入射されるシステムを含むものである。このような構成のシステムはさらに光学系の構成の自由度を高めることができるものである。
また、本発明の色分解合成システム、色分解システムおよび色合成システムとしては、上述したような、光束が同一方向または互いに異なる2方向から入射される構成に限られるものではない。例えば、互いに異なる3つ以上の方向から光束が入射される構成のシステムとすることも可能である。このような構成のシステムはさらに光学系の構成の自由度を高めることができるものである。
本発明の実施例1に係る色分解合成システムの概略構成図 本発明の実施例2に係る色分解合成システムの概略構成図 本発明の実施例3に係る色分解合成システムの概略構成図 本発明の実施例4に係る色分解合成システムの概略構成図 本発明の実施例5に係る色分解合成システムの概略構成図 本発明の実施例6に係る色分解合成システムの概略構成図 本発明の実施例7に係る色分解合成システムの概略構成図 本発明の実施例8に係る色分解合成システムの概略構成図 本発明の実施例9に係る色分解合成システムの概略構成図 本発明の実施例10に係る色分解合成システムの概略構成図 本発明の実施例11に係る色分解合成システムの概略構成図 本発明の実施例12に係る色分解合成システムの概略構成図 本発明の実施例13に係る色分解合成システムの概略構成図 本発明の実施例14に係る色分解合成システムの概略構成図 本発明の実施例15に係る色分解合成システムの概略構成図 本発明の実施例16に係る色分解合成システムの概略構成図 本発明の実施例17に係る色分解システム(色合成システム)の概略構成図 本発明の実施例18に係る色分解システム(色合成システム)の概略構成図 比較例に係る色分解システム(色合成システム)の概略構成図 本発明の実施例20に係る投写型表示装置の概略構成図 本発明の実施例21に係る投写型表示装置の概略構成図 本発明の実施例22に係る投写型表示装置の概略構成図 本発明の実施例23に係る投写型表示装置の概略構成図 本発明の実施例24に係る投写型表示装置の概略構成図 本発明の実施例25に係る投写型表示装置の概略構成図 従来例1に係る投写型表示装置の概略構成図 従来例2に係る投写型表示装置の概略構成図 従来例3に係る投写型表示装置の概略構成図
符号の説明
1a〜1d、2a〜2j、3a、3b 色分解合成システム
4a、4a′、4b、5a 色分解システム(色合成システム)
10a〜10t ダイクロイックミラー
11a〜11m、44a、244c 1/2波長位相板
12a〜12n 反射型偏光板
13a〜13d、52a〜52c、152a〜152c、252a〜252c 1/4波長位相板
30、230 光源
31a、31b、231b リフレクタ
32a、32b、232b インテグレートシステム
33 コリメータレンズ
34a〜34i、234b、234c 全反射ミラー
35a、35b、235a 偏光変換光学系
40a、40b、170a、170b、240a 照明光束分解手段
41a〜41k、241c、241e、241f レンズ
42a〜42k、142a〜142g、242b〜242e、242l 偏光板
43a〜43c、143a〜143f、243a 特定波長偏光変換素子
50a、50b、150a、150b、250a、250b 光路分離手段(PBS)
51a、51b、151a、151b、161、171、251a、251b 偏光分離膜
53a〜53c、153a〜153c、253a〜253c 反射型液晶パネル(LCOS)
60a、60b、160a、160b、260a 投映光束合成手段
62a〜62d、162d、262d 投映レンズ
159 カラークワッド
270c 照明光束分解合成手段

Claims (27)

  1. 入射光束を波長に応じて反射または透過させる1つの波長選択面と、入射光束の偏光方向を変換させる、1/2波長位相板からなる1つの偏光変換素子とが、ほぼ平行に近接配置され、入射された光束を色分解または色合成して波長に応じて所定の方向に出射する色分解システムまたは色合成システムであって、
    少なくとも2つの互いに異なる波長帯域の光束がそれぞれ偏光方向が整えられた状態で入射され、かつ少なくとも1つの波長帯域の光束が入射時と異なる偏光方向の光束として出射されるとともに、少なくとも1つの波長帯域の光束が入射時と異なる進行方向の光束として出射されることを特徴とする色分解システムまたは色合成システム。
  2. 入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束の偏光方向を変換させる少なくとも1つの偏光変換素子とが、ほぼ平行に近接配置され、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射される色分解合成システムであって、
    互いに異なる方向から入射された前記第1および前記第2の波長帯域の光束ならびに前記第3の波長帯域の光束を色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で前記第1および前記第3の波長帯域の光束を出射するととともに、該第1および該第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に前記第2の波長帯域の光束を出射するように構成されたことを特徴とする色分解合成システム。
  3. 入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束の偏光方向を変換させる少なくとも1つの偏光変換素子と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面とが、ほぼ平行に近接配置され、入射された光束を色分解または色合成して波長に応じて所定の方向に出射する色分解システムまたは色合成システムであって、
    少なくとも2つの互いに異なる波長帯域の光束がそれぞれ偏光方向が整えられた状態で入射され、かつ少なくとも1つの波長帯域の光束が入射時と異なる偏光方向の光束として出射されるとともに、少なくとも1つの波長帯域の光束が入射時と異なる進行方向の光束として出射されることを特徴とする色分解システムまたは色合成システム。
  4. 入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束の偏光方向を変換させる少なくとも1つの偏光変換素子と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面とが、ほぼ平行に近接配置され、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射される色分解合成システムであって、
    互いに異なる方向から入射された前記第1および前記第2の波長帯域の光束ならびに前記第3の波長帯域の光束を色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で前記第1および前記第3の波長帯域の光束を出射するととともに、該第1および該第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に前記第2の波長帯域の光束を出射するように構成されたことを特徴とする色分解合成システム。
  5. 前記第1、前記第2および前記第3の波長帯域の光束が同一の偏光方向で入射されることを特徴とする請求項2または4記載の色分解合成システム。
  6. 前記偏光変換素子のうちの同一の偏光変換素子を、前記第1、前記第2および前記第3の波長帯域の光束のうちの所定の光束が、少なくとも往、復各々1回ずつ透過するように構成されていることを特徴とする請求項2、4、5のうちいずれか1項記載の色分解合成システム。
  7. 前記偏光変換素子のうちの同一の偏光変換素子を、前記第1、前記第2および前記第3の波長帯域の光束のうちの、入射光路の互いに異なる少なくとも所定の2つの光束が透過するように構成されていることを特徴とする請求項2、4、5のうちいずれか1項記載の色分解合成システム。
  8. 入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面とが、ほぼ平行に近接配置され、入射された光束を色分解または色合成して波長に応じて所定の方向に出射する色分解システムまたは色合成システムであって、
    少なくとも2つの互いに異なる波長帯域の光束がそれぞれ偏光方向が異なる状態で入射され、かつ少なくとも1つの波長帯域の光束が入射時と異なる進行方向の光束として出射されることを特徴とする色分解システムまたは色合成システム。
  9. 入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面とが、ほぼ平行に近接配置され、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射される色分解合成システムであって、
    互いに異なる方向から入射された前記第1および前記第2の波長帯域の光束ならびに前記第3の波長帯域の光束を色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で前記第1および前記第3の波長帯域の光束を出射するととともに、該第1および該第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に前記第2の波長帯域の光束を出射するように構成されたことを特徴とする色分解合成システム。
  10. 入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面とが、ほぼ平行に近接配置され、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射される色分解システムまたは色合成システムであって、
    同一方向からかつ互いに偏光方向が異なる状態で入射された前記第1および前記第3の波長帯域の光束と、該第1および該第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向から入射された前記第2の波長帯域の光束とを色分解または色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が整えられた状態で前記第1および前記第2の波長帯域の光束を出射するととともに、該第1および該第2の波長帯域の光束と同一の方向に前記第3の波長帯域の光束を出射するように構成されたことを特徴とする色分解システムまたは色合成システム。
  11. 入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面とが、ほぼ平行に近接配置され、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が同一の方向から入射される色分解システムまたは色合成システムであって、
    偏光方向が同一な前記第1および前記第2の波長帯域の光束と、該第1および該第2の波長帯域の光束と互いに異なる偏光方向の前記第3の波長帯域の光束とが入射され、
    同一方向にかつ互いに偏光方向が異なる状態で前記第1および前記第3の波長帯域の光束を出射するととともに、該第1および該第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向に前記第2の波長帯域の光束を出射するように構成されたことを特徴とする色分解システムまたは色合成システム。
  12. 偏光方向が同一な前記第1および前記第2の波長帯域の光束と、該第1および該第2の波長帯域の光束と互いに異なる偏光方向の前記第3の波長帯域の光束とが、入射されることを特徴とする請求項9記載の色分解合成システム。
  13. 前記波長選択面を、前記第1、前記第2および前記第3の波長帯域の光束のうちの所定の光束が、少なくとも往、復各々1回ずつ透過するように構成されていることを特徴とする請求項912のうちいずれか1項記載の色分解合成システム、色分解システムまたは色合成システム。
  14. 前記第1、前記第2および前記第3の波長帯域の光束のうちの少なくとも1つの光束が、前記波長選択面に非入射状態となるように構成されていることを特徴とする請求項912のうちいずれか1項記載の色分解合成システム、色分解システムまたは色合成システム。
  15. 入射光束を波長に応じて反射または透過させる1つの波長選択面と、入射光束の偏光方向を変換させる少なくとも1つの偏光変換素子とが、ほぼ平行に近接配置され、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射される色分解合成システムであって、
    同一方向からかつ互いに偏光方向が異なる状態で入射された前記第1および前記第3の波長帯域の光束と、該第1および該第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向から入射された前記第2の波長帯域の光束とを色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が整えられた状態で前記第1および前記第2の波長帯域の光束を出射するととともに、該第1および該第2の波長帯域の光束と互いに異なる方向に前記第3の波長帯域の光束を出射するように構成されたことを特徴とする色分解合成システム。
  16. 入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束の偏光方向を変換させる少なくとも1つの偏光変換素子と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面とが、ほぼ平行に近接配置され、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射される色分解合成システムであって、
    同一方向からかつ互いに偏光方向が異なる状態で入射された前記第1および前記第3の波長帯域の光束と、該第1および該第3の波長帯域の光束と互いに異なる方向から入射された前記第2の波長帯域の光束とを色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が整えられた状態で前記第1および前記第2の波長帯域の光束を出射するととともに、該第1および該第2の波長帯域の光束と互いに異なる方向に前記第3の波長帯域の光束を出射するように構成されたことを特徴とする色分解合成システム。
  17. 入射光束を波長に応じて反射または透過させる波長選択面と、入射光束を偏光方向に応じて反射または透過させる偏光分離面とが、ほぼ平行に近接配置され、互いに異なる第1、第2および第3の波長帯域の光束が入射される色分解合成システムであって、
    同一方向からかつ互いに偏光方向が異なる状態で入射された前記第1および前記第3の波長帯域の光束と、該第1および該第3の波長帯域の光束とは異なる方向から入射された前記第2の波長帯域の光束とを色分解および色合成し、同一方向にかつ互いに偏光方向が整えられた状態で前記第1および前記第2の波長帯域の光束を出射するととともに、該第1および該第2の波長帯域の光束と互いに異なる方向に前記第3の波長帯域の光束を出射するように構成されたことを特徴とする色分解合成システム。
  18. 光源からの光束を、請求項1〜17のうちいずれか1項記載の色分解合成システムまたは色分解システムを用いて色分解および色合成もしくは色分解し、複数の被照明領域に対して照明を行うことを特徴とする照明光学系。
  19. 前記光源と前記色分解合成システムまたは前記色分解システムとの間に、該光源からの光束を偏光方向が同一になるよう整える偏光変換光学系が配置されていることを特徴とする請求項18記載の照明光学系。
  20. 前記光源からの光束の光量均一化を図るインテグレートシステムが配置されていることを特徴とする請求項18または19記載の照明光学系。
  21. 前記色分解合成システムまたは前記色分解システムに入射する光束、および前記色分解合成システムまたは色分解システムから射出する光束のうちの、少なくとも1つの光路に、所定の波長成分の光強度を低下させる光学素子を配置したことを特徴とする請求項18〜20のうちいずれか1項記載の照明光学系。
  22. 前記色分解合成システムまたは前記色分解システムから射出する光束が偏光ビームスプリッタを介し前記複数の被照明領域に対して照明を行う照明光学系であって、前記色分解合成システムまたは前記色分解システムと該偏光ビームスプリッタとの間に、偏光方向を整える偏光素子が非設置とされている光路が少なくとも1つ存在することを特徴とする請求項18〜21のうちいずれか1項記載の照明光学系。
  23. 前記色分解合成システムまたは前記色分解システム以外に、偏光方向を整える偏光素子が非設置とされていることを特徴とする請求項18〜21のうちいずれか1項記載の照明光学系。
  24. 画像情報を表示する複数のライトバルブによって光変調された光束を、請求項10、11、13、14のうちいずれか1項記載の色合成システムを用いて単一方向に出射される光束として色合成し、拡大投写を行うことを特徴とする投写光学系。
  25. 前記色合成システムが、光学系の光軸に対し入射面および射出面が垂直であるプリズムとして構成されていることを特徴とする請求項24記載の投写光学系。
  26. 画像情報を表示するライトバルブを備え、このライトバルブによって光変調された光束を拡大投写する投写型表示装置において、請求項1〜25記載の前記色分解合成システム、前記色分解システム、前記色合成システム、前記照明光学系または前記投写光学系のうち少なくともいずれか1つを用いたことを特徴とする投写型表示装置。
  27. 前記ライトバルブとして複数の反射型偏光ライトバルブを用いたことを特徴とする請求項26記載の投写型表示装置。
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