JP2004157405A - 照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置 - Google Patents

照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004157405A
JP2004157405A JP2002324296A JP2002324296A JP2004157405A JP 2004157405 A JP2004157405 A JP 2004157405A JP 2002324296 A JP2002324296 A JP 2002324296A JP 2002324296 A JP2002324296 A JP 2002324296A JP 2004157405 A JP2004157405 A JP 2004157405A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
light source
source unit
optical system
light beam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002324296A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4211969B2 (ja
Inventor
Tsutomu Yamamoto
力 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujinon Corp
Original Assignee
Fuji Photo Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Optical Co Ltd filed Critical Fuji Photo Optical Co Ltd
Priority to JP2002324296A priority Critical patent/JP4211969B2/ja
Publication of JP2004157405A publication Critical patent/JP2004157405A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4211969B2 publication Critical patent/JP4211969B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Projection Apparatus (AREA)

Abstract

【目的】リフレクタを備えた主要光源部からの光束の、中心近傍の光束低密部に光束を補うように光束を出射する補助光源部、および2枚のフライアイを有する第1インテグレータ部を配し、コンパクトで、照明効率が高く、明るく均一な照明を行ない得る照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置を得る。
【構成】放物面鏡リフレクタ12を備えた主要光源部1、主要光源部1から出射される光束の光束低密部に光束を補うように光束を出射する補助光源部2、偏向ミラー3、2枚のフライアイ15、16により主要光源部1からの光束の光量分布の均一化を図る第1インテグレータ部4、およびロッドインテグレータ36により補助光源部2からの光束の光量分布の均一化を図る第2インテグレータ部5を備えた照明光学系である。2枚のフライアイ15、16の中央部には集光レンズ37、38が形成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光体およびリフレクタを備えた光源部を用いて被照明体を照明する照明光学系に関するもので、特に、照明光束をライトバルブにより光変調し、この投映光束によりスクリーン上に画像を拡大投映する投写型表示装置に好適な照明光学系、およびこれを用いた投写型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
投写型表示装置の光源部としては、光源およびリフレクタからなる構成が一般的である。この光源は、発光分布が小さく発光効率の高いものが望ましく、現在では、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプなどの光源を使用することが一般的である。また、この光源からの光を反射させ前方に出射させるリフレクタは、通常、放物面鏡または楕円面鏡が用いられる。
【0003】
図17〜図19は従来よく知られた光源部の構成を示すものである。図17および図18はリフレクタ104、105の後部に発光管101を位置させたタイプである。また、図19は、多くはキセノンランプとして用いられる構成で、リフレクタ104の後部に陽極103が配置され、リフレクタ104の光出射側から陰極102が配置されるタイプである。図19(b)はこの光源部の断面図であり、図19(a)はこの光源部を光出射側から見た図である。陰極102を有する陰極部は、キセノンガス封入用の透明部材106に溶着されて、リフレクタ外周に対し保持せしめられ、透明部材106上には陰極102に電圧を負荷するための配線を有する棒状保持部材107が配されている。
【0004】
また、図17および図19においてはリフレクタ104は放物面鏡とされ、その焦点位置に光源の発光点が位置するように配されており、これらの光源部からは平行光とされた照明光束が出射される。図18においてはリフレクタ105は楕円面鏡とされ、その第1焦点位置に光源の発光点が位置するように配されており、この光源部から出射された照明光束は楕円面鏡の第2焦点位置に集光される。
【0005】
ところで、このような光源101〜103およびリフレクタ104、105からなる構成の光源部においては、その構造上、リフレクタ104、105から出射される光束の光軸近傍に、光強度の弱い空間ができてしまうことが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の図6(a)および段落番号0038に記載されるとおり、リフレクタ後部に設けられた孔部のために光が反射されない、または発光管そのものの大きさが原因となって光が遮られるためである。発光管101または陽極107を配置するためにリフレクタ最後部に鏡面化されていない範囲があり、この直径をAとすると、光源部から出射される光束の中央部に、少なくとも、図17および図19においては光軸に直交する面内で直径Aの範囲に、また、図18においてはリフレクタの第2焦点を中心に角度B°となるような範囲に、光がほとんど通過しない空間が存在することになる。
【0006】
特許文献1では、光源部より後段のマルチレンズアレイにおいて、被照明体側のマルチレンズアレイの光軸近傍のレンズセルの数を減らし、レンズセルサイズを大きくし、また、これらのレンズセルを偏心させることにより、光強度の弱い光軸近傍の光は利用せずに、光学系全体としての光利用効率を向上させようとする技術が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−56435号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、投写型表示装置においては明るい場所での投写でも問題なく利用できるよう、明るい投写型表示装置の開発が進められている。明るさの向上に大きく寄与する要素として、ライトバルブと並び、照明光学系の光源部の構成にも新たな工夫が求められている。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、光源とリフレクタよりなる光源部から出射される光束の光軸近傍の光量分布に着目し、従来からあるこのタイプの光源部に対し大きな設計変更を施すことなく、コンパクトでありながら、照明効率が高く、明るく均一な照明を行ない得る照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る照明光学系は、発光体およびこの発光体から出射された光を被照明体側に反射するリフレクタを備えた主要光源部と、この主要光源部から出射された光束の中心近傍の光束低密部に光束を補うように光束を出射する補助光源部とを備え、前記主要光源部からの光束の光量均一化を図る、2枚のフライアイを有する第1インテグレータ部が設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
また、前記補助光源部から出射された光束が、前記主要光源部から出射された光束の中心近傍の光束低密部に位置するように、前記主要光源部側の前記フライアイの前段において導入されるように構成されていてもよい。また、前記補助光源部から出射された光束が、前記主要光源部から出射された光束の中心近傍の光束低密部に位置するように、前記2枚のフライアイの間において導入されるように構成されていてもよい。
【0012】
また、前記第1インテグレータ部の前記2枚のフライアイのうち少なくとも一方は、前記補助光源部からの光束が通過する光軸近傍に、前記補助光源部からの光束を集光または発散させるレンズを備えていてもよい。
【0013】
また、前記補助光源部から出射される光束は出射された状態で光量分布が略均一とされていて、該補助光源部からの光束の光量均一化を図る手段は省略されていてもよい。
【0014】
また、前記補助光源部からの光束の光量均一化を図る、2枚のフライアイを有する第2インテグレータ部が設けられていることが好ましい。また、前記第2インテグレータ部の2枚のフライアイのうち少なくとも一方のフライアイが、前記第1インテグレータ部の2枚のフライアイのうち少なくとも一方のフライアイと同一部材上に形成されていることがより好ましい。
【0015】
また、前記補助光源部からの光束の光量均一化を図る、ロッドインテグレータを有する第2インテグレータ部が設けられていることが好ましい。
【0016】
また、前記主要光源部の前記発光体はランダムな偏光の光束を発生し、この光束が偏光変換光学系により直線偏光に変換されて前記被照明体の照明を行い、前記補助光源部は、前記偏光変換光学系により直線偏光に変換された前記主要光源部からの光束と略一致する偏光方向となるような、偏光方向が揃えられた光束を出射し、この補助光源部からの光束は偏光変換をされずに前記被照明体の照明を行なうように構成されていてもよい。
【0017】
また、前記主要光源部の前記発光体はランダムな偏光の光束を発生し、この光束が第1偏光変換光学系により直線偏光に変換されて前記被照明体の照明を行い、前記補助光源部の前記発光体はランダムな偏光の光束を発生し、この光束が第2偏光変換光学系により前記第1偏光変換光学系により直線偏光に変換された前記主要光源部からの光束と略一致する偏光方向となるような、直線偏光に変換されて前記被照明体の照明を行なうように構成されていてもよい。
【0018】
本発明に係る投写型表示装置は、上記照明光学系を備え、この照明光学系からの光束により、所定の画像情報に基づいて照明光束の光変調を行なう少なくとも1つのライトバルブを照明し、このライトバルブからの画像情報を担持した光束を、投写光学系を介し投写することを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、後述する本発明の実施例1に係る照明光学系の概略構成を示す図1(a)を参照しつつ説明する。この照明光学系は、主要光源部1、補助光源部2、偏向ミラー3、2枚のフライアイ15、16を有する第1インテグレータ部4、および第2インテグレータ部5を備えてなる。
【0020】
主要光源部1は、キセノンランプやメタルハライドランプ等の発光管からなる光源11を備え、その発光点が放物面鏡よりなるリフレクタ12の焦点に配置されてなり、光源11から出射された光を被照明体側に反射するリフレクタ12の開口部からは、略平行な光束が出射される。
【0021】
ところで、前述のとおり、この主要光源部1から出射される光束の光軸と垂直な断面内における光量分布としては、光軸近傍の所定範囲に光強度の弱い部分(以下、光束低密部と称する)が存在する。ここに着目し、この照明光学系は、この主要光源部1から出射された光束の中心近傍の光束低密部に、光束を補うように光束を出射する補助光源部2を備えた構成とされている。図1(a)において補助光源部2は半導体レーザLDからなるレーザ光源31よりなり、コリメータレンズ35により平行光束とされた補助光源部2からの光束が偏向ミラー3により偏向されて、主要光源部1から出射された光束の光束低密部に導入される。
【0022】
主要光源部1から出射された光束の光束低密部に補助光源部2から光束を補うという構成は、単に光源部全体として光量が増加し照明光学系の明るさ向上に寄与するのみならず、光量分布においても、本来最も光強度を大きくしたい光束の中心近傍の光束低密部の光強度を増強することができることになる。また、この光束低密部に光束を補うために、例えば偏向ミラー3などの部材を配設しても、主要光源部1からの光束の光強度が弱い部分であるので、主要光源部1からの光束をほとんど遮ることなく、主要光源部1からの光束を効率よく利用することができる。また、このような構成によれば、従来一般に用いられるリフレクタを備えた光源部に対し、これを主要光源部1として、設計変更も少なくコンパクトなままで明るさを向上させることができる。
【0023】
また、この照明光学系は、光軸と垂直断面における光量分布の均一化を図る第1インテグレータ部4として2枚のフライアイ15、16を備えている。図1(a)において、主要光源部1から出射された光束は、主要光源部側から順に第2フライアイ15、第1フライアイ16が配設された第1インテグレータ部4により、光量分布の均一化を図られて、照明光束として照明光学系から出射される。すなわち、第2フライアイ15が主要光源部1からの略平行光束を第2フライアイ15のレンズセルの数と同数の部分光束に分割し、第1フライアイ16を構成する各レンズセル近傍に光源11の二次光源像を形成させることにより光量分布の均一化を図る。
【0024】
なお、本実施形態としては、上記構成に加え、さらに補助光源部2からの光束の光軸と垂直断面における光量分布の均一化を図る第2インテグレータ部5が設けられていることが好ましい。なお、以下の説明では、第1および第2インテグレータ部4、5の作用について「光量分布の均一化」と記載されている場合は、上記断面におけるものとする。
【0025】
図1(a)において、補助光源部2から出射された光束は、第2インテグレータ部5としてのロッドインテグレータ36により、光量分布の均一化を図られる。ロッドインテグレータ36は2枚のフライアイ15、16の間に配設され、補助光源部2からの光束は、第2フライアイ15を透過する際に、このフライアイ15において補助光源部2からの光束が入射する位置に設けられた集光レンズ37の作用により、所定の角度をもってロッドインテグレータ36に入射される。そのため、ロッドインテグレータ36の内壁面において複数回反射されて出射され、光量分布が均一化される。
【0026】
以下、本発明に係る照明光学系の具体的な実施例として、実施例1〜6について説明する。なお、各実施例においては、特に記載のない限り同様の構成部分には同一の符号を付しており、既出の事項に関しては詳細な説明を省略している。
【0027】
<実施例1>
本実施例に係る照明光学系の概略構成の断面図を図1(a)に示す。なお、図1(a)、および以下の図2、3(a)、4(a)、5、7(a)、8、12、13、15、16において、各部材はその断面形状を重点的に記載したものであって、遠方の端面の記載を省略しているものがある。
【0028】
本実施例の構成とそれによる作用効果は上述したとおりであるが、以下、より詳細な構成について説明する。本実施例において、補助光源部2からの光束は第2フライアイ15の前段において、偏向ミラー3により主要光源部1からの光束中に導入されている。補助光源部2の光源が半導体レーザ31とされている場合、この光源は通常、冷却しつつ用いる必要があるため、このように主要光源部1からの光が直接当たらないところに配置し、偏向ミラー3のような導光手段により導入されることが好ましい。
【0029】
次に、本実施例における第1インテグレータ部4のフライアイ15、16について説明する。図1(b)は、図1(a)の第1フライアイ16を被照明体側(矢印A方向)から見たものを模式的に表したものである。このフライアイ16は、矩形状の輪郭をした微小な凸レンズによるレンズセル18が縦横に複数配列されたものであるが、中央部の、このフライアイ16において補助光源部2からの光束が入射する位置には、レンズセル18とは異なる形状の集光レンズ38が設けられている。図1(b)において、レンズセル18に相当する部分をハッチングにより示している。
【0030】
また、フライアイ15は、フライアイ16の各レンズセル18に各々対応するレンズセル17を備え、さらにフライアイ16の集光レンズ38に対応する集光レンズ37を備えた形状とされている。集光レンズ37は、光束をロッドインテグレータ36に入射させる場合に好適な方向に屈折させる屈折力を有し、また集光レンズ38は、ロッドインテグレータ36から出射された光束を所望の方向に屈折させる屈折力を有している。投写型表示装置に用いる照明光学系としては、補助光源部2からの光束が主要光源部1からの光束と同様に後段のライトバルブ上に重畳されるように屈折させることが好ましい。フライアイ15はレンズセル17の凸面を主要光源部側に向け、フライアイ16はレンズセル18の凸面を被照明体側に向けるように配置されている。なお、フライアイ15、16は、同一形状とすることがコスト上有利である。
【0031】
本実施例においては、補助光源部2から出射される光束は、主要光源部1から出射される光束の中心近傍の光束低密部に光束を補うように出射される光束径の小さいものであることを利用し、この補助光源部2から出射される光束の光量分布を均一化するための第2インテグレータ部5としては、ロッドインテグレータ36を用いた簡易な構成としている。そして、このロッドインテグレータ36の配設位置としては、2枚のフライアイ15、16の間とし、スペースを有効利用しコンパクトな構成を達成している。また、補助光源部2からの光束を第2フライアイ15より主要光源部側において導入し、ロッドインテグレータ36を2枚のフライアイ15、16の間に配置することにより、フライアイ15、16において集光レンズ37、38を各々一体的に形成し、コンパクトな構成を達成している。
【0032】
なお、本実施例および以下の実施例において、ロッドインテグレータとしては、ガラス製の中実な棒状ロッドプリズムや、内面を反射コートにより鏡面とした中空プリズムや、棒状ロッドプリズムを光束入射側に配置しその光束出射側に中空プリズムを配置して両者を組み合わせた、いわゆるハイブリッド型のインテグレータを用いることができる。ロッドインテグレータに入射した光束は、棒状ロッドプリズムにおいては内壁面において複数回全反射されながら、中空プリズムにおいては内壁面の鏡面で複数回反射されながら、その光束出射端に導かれる。ロッドインテグレータから出射される光束は、ロッドインテグレータの出射端において光束密度が略均一化された光束とされている。この照明光学系を投写型表示装置に用いた場合、ロッドインテグレータの出射端と後段のライトバルブとがリレーレンズを介して互いに結像関係(共役関係)となる。
【0033】
<実施例2>
本実施例に係る照明光学系の概略構成の断面図を図2に示す。本実施例は、実施例1と同様の主要光源部1、補助光源部2、第1インテグレータ部4、第2インテグレータ部5、およびコリメータレンズ35を備えた構成とされている。しかし、本実施例において偏向ミラー3は、主要光源部1からの光束を偏向させるものとされている点が実施例1と異なっている。偏向ミラー3の光軸近傍の、主要光源部からの光束の光束低密部が照射される部分が空間とされて、この空間を通して補助光源部からの光束が上記光束低密部に導入される。本実施例のように、偏向ミラー3が、主要光源部1からの光束を偏向させるものとされている場合であっても、補助光源部2から出射された光束が、主要光源部1から出射された光束の中心近傍の光束低密部に位置するように導入されるので、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0034】
<実施例3>
本実施例に係る照明光学系の概略構成の断面図を図3(a)に示す。本実施例の主要光源部1は、実施例1と同様のものである。
【0035】
本実施例の補助光源部2は、この補助光源部2から出射される光束は出射された状態で光量分布が略均一となっているような光源とされている。例えば、レーザ光源32を用いることができる。このような光源を備えた補助光源部2からの光束はインテグレータにより光量均一化を図る必要がないので、本実施例においては、補助光源部2からの光束の光量均一化を図る手段は省略され、より簡易な構成とされている。
【0036】
本実施例の第1インテグレータ部4は、実施例1と同様に2枚のフライアイ15、16よりなる。図3(b)は、図3(a)の第1フライアイ16を被照明体側(矢印B方向)から見たものを模式的に表したものである。このフライアイ16は、実施例1と同様に、矩形状の輪郭をした微小な凸レンズによるレンズセル18が縦横に複数配列されたものであり、中央部の、このフライアイ16において補助光源部2からの光束が入射する位置には、実施例1と異なりレンズセル18と同形状の集光レンズ38が設けられている。図3(b)において、レンズセル18と同形状のレンズに相当する部分をハッチングにより示している。
【0037】
また、フライアイ15は、フライアイ16の各レンズセル18に各々対応するレンズセル17を備え、さらにフライアイ16の集光レンズ38に対応する集光レンズ37を備えた形状とされている。集光レンズ37は、補助光源部2からの光束に対し、主要光源部1からの平行光束と同様の方向に屈折させる屈折力を有し、第1フライアイ近傍に二次光源像を結像させることができる。また、集光レンズ38は、集光レンズ37により集光された補助光源部2からの光束に対し、第2フライアイ15により各部分光束に分割された主要光源部1からの光束と同様の方向に屈折させる屈折力を有している。投写型表示装置に用いる照明光学系としては、補助光源部2からの光束が主要光源部1からの光束と同様に後段のライトバルブ上に重畳されるように屈折させることが好ましい。実施例1と同様に、フライアイ15はレンズセル17の凸面を主要光源部側に向け、フライアイ16はレンズセル18の凸面を被照明体側に向けるように配置されている。なお、フライアイ15、16は、同一形状とすることがコスト上有利である。
【0038】
本実施例においては、補助光源部2からの光量分布の均一な光束を、コリメータレンズ35および偏向ミラー3を介し、第2フライアイ15より主要光源部側において導入している。そのため、フライアイ15においてレンズセル17と同形状の集光レンズ37を一体的に形成し、フライアイ16においてレンズセル18と同形状の集光レンズ38を一体的に形成し、コンパクトな構成を達成している。
【0039】
<実施例4>
本実施例に係る照明光学系の概略構成の断面図を図4(a)に示す。本実施例の主要光源部1は、実施例1と同様のものである。
【0040】
本実施例の補助光源部2は、放物面鏡よりなるリフレクタ34の焦点位置に光源33が配された構成とされている。本発明に係る照明光学系の補助光源部2は、レーザ光源に限られるものではなく、本実施例のようにリフレクタ34を用いたものであってもよい。この場合は、補助光源部2として低コストで光量の大きいものとすることができる。本実施例において、補助光源部2から出射された光束は、光量分布の不均一な略平行光とされている。
【0041】
本実施例の第1インテグレータ部は、実施例1と同様に2枚のフライアイ15、16よりなる。図4(b)は、図4(a)の第1フライアイ16を被照明体側(矢印C方向)から見たものを模式的に表したものである。このフライアイ16は、実施例1と同様に、矩形状の輪郭をした微小な凸レンズによるレンズセル18が縦横に複数配列されたものであり、中央部の、このフライアイ16において補助光源部2からの光束が入射する位置には、実施例1と異なり、後述する第2インテグレータ部を構成するフライアイ41、42が設けられている。また、フライアイ15は、フライアイ16の各レンズセル18に各々対応するレンズセル17を備えている。実施例1と同様に、フライアイ15はレンズセル17の凸面を主要光源部側に向け、フライアイ16はレンズセル18の凸面を被照明体側に向けるように配置されている。
【0042】
本実施例においては、補助光源部2から出射された光束は、偏向ミラー3を介し主要光源部1から出射された光束の中心近傍の光束低密部に位置するように、2枚のフライアイ15、16の間において導入される。そのため、第2フライアイ15の中央部の、主要光源部1から出射された光束の中心近傍の光束低密部に対応する部分には、特にレンズを配設する必要はない。
【0043】
また、補助光源部2から出射された光束が2枚のフライアイ15、16の間において導入される構成とされているので、偏向ミラー3等の主要光源部1からの光束中に挿入する部材が、主要光源部1からの光を遮りにくく、光利用効率を向上させることができる。両フライアイ15、16の近傍において、特に第1フライアイ16の近傍では、主要光源部1からの光が第2フライアイ15により各部分光束として集光されている。このため、この集光された各部分光束を遮らないように、いわば各部分光束の隙間に部材を配設することができ、補助光源部2からの光を偏向させる偏向ミラー3を支持固定するための部材を、このように配設することができる。本実施例と異なり、第2フライアイ15の前段に偏向ミラー3を配置し、補助光源部2からの光を導入しようとする構成においては、偏向ミラー3の支持固定部材が主要光源部1からの光を遮ることが避けられない。
【0044】
前述の通り、本実施例において補助光源部2から出射された光束は、光量分布の不均一な略平行光とされている。そこで、補助光源部2からの光束の光量均一化を図るために2面のフライアイ41、42を有する第2インテグレータ部が設けられている。本実施例においては、第1フライアイ16の中央部の、このフライアイ16において補助光源部2からの光束が入射する位置に、第1フライアイ16の両面に、このフライアイ41、42が形成されている。
【0045】
図4(b)には、第1フライアイ16の被照明体側に形成された、補助光源部2に対応する第1フライアイ42が示されている。このフライアイ42は、レンズセル17、18とは異なる大きさの矩形状の輪郭をした微小な凸レンズによるレンズセル49が、縦横に複数配列されてなる。また、図4(a)に示されるように、第1フライアイ16の補助光源部側の面には、各レンズセル49に各々対応するレンズセル48を備えた、補助光源部2に対応する第2フライアイ41が形成されている。補助光源部2からの平行光束は、第1フライアイ16の補助光源部側に形成された、補助光源部2に対応する第2フライアイ41により、各部分光束に分割されて集光され、さらに第1フライアイ16の被照明体側に形成された、補助光源部2に対応する第1フライアイ42により所望の方向に屈折されて出射される。投写型表示装置に用いる照明光学系としては、補助光源部2からの光束が主要光源部1からの光束と同様に後段のライトバルブ上に重畳されるよう屈折されることが好ましい。
【0046】
このように本実施例は、補助光源部2から出射された光の光量分布を均一化する第2インテグレータ部の2面のフライアイ41、42が、第1インテグレータ部のフライアイ16と同一部材上に形成されていることにより、部材数を低減し簡易でコンパクトな構成を達成している。なお、本発明においては、本実施例のように同一部材の両面にフライアイが設けられている場合であっても、第2フライアイにより各部分光束に分割されて第1フライアイ近傍に二次光源像を形成するという、「2面のフライアイを有する」構成を、「2枚のフライアイを有する」ことと同等とみなすことができる。
【0047】
本実施例の変更例として、補助光源部2からの光束を、第2フライアイ15よりも前段において主要光源部1からの光束の光束低密部に導入するように構成し、第2フライアイ15の中央部の補助光源部2からの光束が通過する位置に、フライアイ15と同一部材上に補助光源部2に対応する第2フライアイ41を形成してもよい。このように、第2インテグレータ部の2面のフライアイ41、42のうち、少なくとも一方のフライアイが、第1インテグレータ部の2枚のフライアイ15、16のうち少なくとも一方のフライアイと同一部材上に形成されていることにより、部材数を低減し簡易でコンパクトな構成とすることができる。
【0048】
また、本実施例の変更例として、補助光源部2が楕円面鏡よりなるリフレクタを用いたものとされるように構成することも可能である。
【0049】
<実施例5>
本実施例に係る照明光学系の概略構成の断面図を図5に示す。本実施例の主要光源部1およびレーザ光源31よりなる補助光源部2は、実施例1と同様のものである。また、第1インテグレータ部としてのフライアイ15、16の構成も、第2フライアイ15の中央部の主要光源部1からの光束の光束低密部に対応する部分、および、第1フライアイ16の中央部の補助光源部2からの光束が入射される部分を除き、実施例1と同様のものである。
【0050】
本実施例においては、補助光源部2から出射された光束が偏向ミラーにより主要光源部1からの光束中に導入されるのではなく、補助光源部2が第1インテグレータ部としての2枚のフライアイ15、16の間に配されている。主要光源部1から出射される光束の中心近傍の光束低密部に、補助光源部2を配設しているので、主要光源部1から出射される光の利用効率を悪化させる虞はない。
【0051】
本実施例は、実施例4と同様に、補助光源部2からの光束の光量均一化を図るために2枚のフライアイ41、42を有する第2インテグレータ部が設けられた構成とされている。本実施例においては、補助光源部2から出射された光束がコリメータレンズ35により平行光束とされた後、補助光源部2に対応する第2のフライアイ41により各部分光束に分割されて集光され、さらに第1フライアイ16の被照明体側の面に形成された、補助光源部2に対応する第1のフライアイ42により所望の方向に屈折されて出射される。投写型表示装置に用いる照明光学系としては、補助光源部2からの光束が主要光源部1からの光束と同様に後段のライトバルブ上に重畳されるように屈折されることが好ましい。
【0052】
2枚のフライアイ41、42の形状は実施例4と同様に、フライアイ15、16のレンズセルとは異なる大きさの矩形状の輪郭をした微小な凸レンズによるレンズセル48、49が縦横に複数配列されてなり、2枚のフライアイ41、42のレンズセル48、49は互いに1対1に対応している。本実施例においても、フライアイ42が、フライアイ16と同一部材上に形成されていることにより、部材数を低減し簡易でコンパクトな構成とすることができる。
【0053】
ところで、投写型表示装置に用いる照明光学系としては、例えば装置のライトバルブが液晶パネルとされている場合など、照明光学系から出射される光は偏光方向が揃えられた略平行光とされていることが好ましい場合がある。そこで本実施例は、第1および第2インテグレータ部の後段に、ランダムな偏光を発生する主要光源部1からの光束を直線偏光に変換するための第1偏光変換光学系6、および、ランダムな偏光を発生する補助光源部2からの光束を、第1偏光変換光学系6により直線偏光に変換された主要光源部1からの光束と略一致する偏光方向となるような、直線偏光に変換する第2偏光変換光学系7を備えた照明光学系とされている。
【0054】
図6(a)は、本実施例において一体的に形成された第1および第2偏光変換光学系6、7を被照明体側から見た図であり、図6(b)は、図6(a)の側面図である。この第1偏光変換光学系6は、第1インテグレータ部から出射された主要光源部1からの光束の偏光方向を揃えるもので、従来よく知られた、偏光ビームスプリッタアレイ、およびこのアレイの光出射面側に配設され複数のλ/2位相膜21がストライプ状に配設されたλ/2位相板からなるものである。図6(a)において、ハッチング部分はλ/2位相膜21が配された部分である。
【0055】
偏光ビームスプリッタアレイはその内部に、偏光分離膜19と反射膜20とが、光軸に対して略45度の角度を有するように交互に形成されている。ランダムな偏光である主要光源部1からの光束は、フライアイ16の対応するレンズセルから入射され、偏光分離膜19により偏光方向の異なるP偏光とS偏光の2種類の偏光に分離される。一方の偏光は偏光分離膜19を透過しプリズム面22から出射される。他方の偏光は偏光分離膜19と隣接する反射膜20とで反射されて、最終的には、偏光ビームスプリッタアレイを直進透過した光束とほぼ平行な角度で偏光ビームスプリッタアレイより出射され、λ/2位相膜21を通過する際に、偏光面の回転作用により偏光ビームスプリッタアレイを直進透過した光束と略一致する偏光方向に変換されて出射される。
【0056】
また、第2偏光変換光学系7は、第1偏光変換光学系6の中央部の、補助光源部2から出射される光束が通過する位置に形成されている。第2偏光変換光学系7は、サイズは異なるものの第1偏光変換光学系6と略同様の構成で、内部に偏光分離膜43と反射膜44とが形成された偏光ビームスプリッタアレイと、複数のλ/2位相膜45がストライプ状に配設されたλ/2位相板とからなる。プリズム面46から出射される光束と、λ/2位相膜45を通過し偏光方向が変換されて出射される光束とは、第1偏光変換光学系6により直線偏光に変換された主要光源部1の光束と、略一致する偏光方向とされて出射される。
【0057】
本実施例において、第1偏光変換光学系6は、中央部の第2偏光変換光学系7の形成を容易にするために、図6紙面上下方向に2つの部材に分割され、2つの部材は内部の偏光分離膜19と反射膜20とが、光軸に対し対称となるように配設されている。
【0058】
このように、補助光源部2の光源がランダムな偏光を発生するものとされている場合は、後段にこの光源からの光の偏光方向を揃えるための第2偏光変換光学系7を配設することが好ましい。照明光束が、第1および第2偏光変換光学系6、7により略一致する偏光方向となるように変換されて出射される照明光学系によれば、装置のライトバルブが液晶パネルとされた投写型表示装置に用いる照明光学系としても、照明効率の高いものとすることができる。
【0059】
なお、実施例4および本実施例のように、補助光源部2からの光束の光量均一化を図るために2枚のフライアイ41、42を有する第2インテグレータ部が設けられた構成において、補助光源部2の光源が偏光方向の揃えられた光束を出射するものとされている場合には、第2偏光変換光学系は不要となる。すなわち、主要光源部1の光源はランダムな偏光を発生し、この光束が第1偏光変換光学系6により直線偏光に変換されて被照明体の照明を行い、補助光源部2は、第1偏光変換光学系6により直線偏光に変換された主要光源部1からの光束と略一致する偏光方向となるような、偏光方向が揃えられた光束を出射し、この光束は偏光変換をされずに被照明体の照明を行うように構成することにより、構成の簡易化を図ることができる。
【0060】
また、本実施例の変更例として、補助光源部2およびコリメータレンズ35が、第2フライアイ15の主要光源部側に配設され、第2フライアイ15の中央部に補助光源部2に対応する第2のフライアイ41を形成することも可能である。本実施例においても、この変更例においても、偏向ミラーを配設しこれにより補助光源部2からの光束を導入するようにしてもよい。
【0061】
<実施例6>
本実施例に係る照明光学系の概略構成の断面図を図7(a)に示す。本実施例の照明光学系は、実施例5と同様に、第1偏光変換光学系および第2偏光変換光学系7を備えた照明光学系とされている。第1偏光変換光学系は、後述するとおり、複屈折回折型偏光分離板26、および、複数のλ/2位相膜21がストライプ状に配設されたλ/2位相板よりなる。
【0062】
なお、偏光変換光学系以外の構成は、第2インテグレータ部がロッドインテグレータ36とされた実施例1のものと略同様であり、補助光源部2からの光束が、第1フライアイ16と第2フライアイ15との間に配された偏向ミラー3により導入されている点が異なっている。また、このため本実施例では、集光レンズ37は、実施例1のように第2フライアイ15の中央部に形成されるのではなく、単体のレンズとされ、ロッドインテグレータ36に入射させる場合に好適な方向に屈折させる屈折力を有している。補助光源部2からの光束がフライアイ15の後段において主要光源部1からの光束に導入される場合にも、主要光源部1から出射される光束の中心近傍の光束低密部に導入されるので、主要光源部1から出射される光の利用効率を悪化させる虞はない。
【0063】
本実施例の第1偏光変換光学系は、複屈折回折型偏光分離板26、および、複数のλ/2位相膜21がストライプ状に配設されたλ/2位相板よりなり、ランダムな偏光を発生する主要光源部1からの光束を直線偏光に変換する。主要光源部1からの光束は、複屈折回折型偏光分離板26を通過することにより、偏光方向に応じて互いに異なる2方向に偏向されて分離される。図7(a)において、一方の偏光光束を実線で、他方の偏光光束を点線で示す。図示のとおり、互いに異なる2方向に偏向された偏光光束は、第2フライアイ15の作用により第1フライアイ16上にフライアイ分割数の2倍の光源像を形成する。これらの光源像のうち、いずれか一方の偏光方向を有する光束による光源像付近に、偏光方向を変換するλ/2位相膜21を配置することにより、主要光源部1から出射される光束を直線偏光に変換する。図7(a)では、λ/2位相膜21が点線で示された偏光光束の偏光方向を変換させ得る位置に配されるように、λ/2位相板が第1フライアイ16の主要光源部側の平面に付設されている。
【0064】
本実施例の第2偏光変換光学系7は、プリズムよりなるブロック状の偏光変換システムであり、ランダムな偏光を発生する補助光源部2からの光束を、第1偏光変換光学系により直線偏光に変換された主要光源部1からの光束と略一致する偏光方向となるような、直線偏光に変換する。このプリズムは、内部に偏光分離膜43が形成された四角柱状のプリズムと、斜辺に反射膜44が形成された二等辺三角柱状プリズムとを、偏光分離膜43と反射膜44とが平行かつ光軸に対して略45度の角度をなすように、接合したものである。
【0065】
ランダムな偏光である補助光源部2からの光束は、ロッドインテグレータ36から、集光レンズ38を介し、偏光変換光学系7に入射される。この光束はプリズム内部の偏光分離膜43により偏光方向の異なる2種類の偏光に分離される。一方の偏光は偏光分離膜43を直進透過しプリズムの光束出射面46から出射される。他方の偏光は偏光分離膜43と反射膜44とで反射されて、最終的には、偏光分離膜43を直進透過した光束とほぼ平行な角度でプリズムの光束出射面より出射され、この光束出射面に形成されたλ/2位相膜45を通過する際に、偏光面の回転作用により偏光分離膜43を直進透過した光束と略一致する偏光方向に変換されて出射される。偏光分離膜43の分離特性およびλ/2位相膜45の配設位置を適宜設定することにより、補助光源部2からの光束を、第1偏光変換光学系により直線偏光に変換された主要光源部1からの光束と略一致する偏光方向となるような、直線偏光に変換することができる。なお、図7(b)は、図7(a)のフライアイ16および第2偏光変換光学系7を被照明体側から見たものを模式的に表したものである。図7(b)において、第2偏光変換光学系7に相当する部分をハッチングにより示している。
【0066】
このように、補助光源部2の光源がランダムな偏光を発生するものとされている場合は、後段にこの光源からの光の偏光方向を揃えるための第2偏光変換光学系7を配設することが好ましい。照明光束が、第1および第2偏光変換光学系により略一致する偏光方向となるように変換されて出射される照明光学系によれば、装置のライトバルブが液晶パネルとされた投写型表示装置に用いる照明光学系としても、照明効率の高いものとすることができる。
【0067】
なお、本実施例においても実施例5と同様に、補助光源部2の光源が偏光方向の揃えられた光束を出射するものとされている場合には、第2偏光変換光学系は不要となる。このような光源を用いて、構成の簡易化を図ることができる。
【0068】
<実施例7>
本実施例に係る照明光学系の概略構成の断面図を図8に示す。本実施例の照明光学系の構成は実施例1のものと共通するところが多いが、相違点としては、第1および第2インテグレータ部の後段に偏光変換光学系6が配されている点と、補助光源部2からの光束が、第1フライアイ16と第2フライアイ15との間に配された偏向ミラー3により導入されている点がある。この相違点について説明する。
【0069】
本実施例では、補助光源部2からの光束が第1フライアイ16と第2フライアイ15との間に配された偏向ミラー3により導入されているので、集光レンズ37は、実施例1のように第2フライアイ15の中央部に形成されるのではなく、単体のレンズとされ、ロッドインテグレータ36に入射させる場合に好適な方向に屈折させる屈折力を有している。
【0070】
また、本実施例の偏光変換光学系6は、従来よく知られた、偏光ビームスプリッタアレイ、およびこのアレイの光出射面側に配設され複数のλ/2位相膜21がストライプ状に配設されたλ/2位相板からなるものである。本実施例では、実施例5および6と異なり、主要光源部1からの光束の偏光方向を揃える第1偏光変換光学系とは別に、補助光源部2からの光束の偏光方向を揃えるための第2偏光変換光学系を備えることなく、従来一般の偏光変換光学系を利用することにより低コスト化を図ることができる。
【0071】
このような偏光変換光学系6を用いた場合、補助光源部2のレーザ光源31としては、ランダムな偏光を発生するものも、偏光方向が揃えられた光束を出射する偏光特性が良好なものも、いずれを用いることも可能である。前者の光源の場合、補助光源部2からの光束は、対応する偏光変換光学系6のλ/2位相膜21およびプリズム面22の双方から、偏光変換光学系6により直線偏光に変換された主要光源部1からの光束と略一致する偏光方向とされて出射される。いわば、偏光変換光学系6が、補助光源部2からの光束の偏光方向を揃えるという実施例5および6における第2偏光変換光学系7の役割をも、果たしていることになる。
【0072】
後者の光源の場合、補助光源部2からの光束は、対応する偏光変換光学系6のλ/2位相膜21およびプリズム面22のいずれかから出射された光束のみが、偏光変換光学系6により直線偏光に変換された主要光源部1の光束と略一致する偏光方向とされて、出射される。
【0073】
また、補助光源部2のレーザ光源31が、偏光方向が揃えられた光束を出射する偏光特性が良好なものとされている場合には、偏光変換光学系6を図9〜11に示すように変更することが可能である。図9〜11において、(a)は偏光変換光学系6を被照明体側から見た図であり、(b)はその偏光変換光学系6の側面図である。各(a)図において、ハッチング部分はλ/2位相膜21が配された部分である。
【0074】
図9に示す偏光変換光学系6は、内部に偏光分離膜19と反射膜20とが、光軸に対して略45度の角度を有するように交互に形成された偏光ビームスプリッタアレイと、複数のλ/2位相膜21がストライプ状に配設されたλ/2位相板とからなり、この位相板は中央部の、補助光源部2からの光束が通過する部分だけλ/2位相膜21が削除されている。レーザ光源31からの光束が偏光分離膜19を透過する偏光特性を有するものとされているならば、この光束はほとんどがプリズム面22から出射される。そして、偏光分離膜19の分離効率によってある程度の光束が反射されたとしても、反射膜20で反射され出射される光束も、この部分だけλ/2位相膜21が削除されているので、プリズム面22から出射された光束と略一致する偏光方向のまま、プリズム面25から出射されることになる。すなわち、中央部の所定位置のλ/2位相膜21だけが削除されたλ/2位相板を偏光ビームスプリッタアレイに接着するという、低コストな手法を用いることにより、補助光源部2からの光利用効率を高くすることができる。
【0075】
このように、補助光源部2の光源が、偏光が揃えられたものとされている場合は、この光束をさらに偏光変換する必要性はないが、この光束が、主要光源部1からの光を偏光変換する偏光変換光学系6を介して照明光学系から出射されても不都合ではない。
【0076】
図10および図11は、補助光源部2のレーザ光源31が、偏光方向が揃えられた光束を出射する偏光特性が良好なものとされていることから、偏光変換光学系6においてこの光束が通過する部分を空間とし、偏光変換光学系6のプリズムを透過させずに光量を最大限利用しようとするものである。偏光変換光学系6の中央部にこの空間を形成するために、例えば、図10に示すように、同形状の2つの偏光変換光学系6a(一方を実線で示し、他方を点線で示している)を組み合わせる構成とすることで、製造コストを低減することができる。また、図11に示すように、同形状の2つの偏光変換光学系6bと同形状の2つの偏光変換光学系6c(いずれも一方を実線で示し、他方を点線で示している)という4つの部材を組み合わせる構成としても、製造コストを低減することができる。なお、偏光変換光学系6の中央部に空間を形成する方法としては、上記のものに限られない。
【0077】
本実施例のように照明光束が、偏光変換光学系6により略一致する偏光方向となるように変換されて出射される照明光学系によれば、装置のライトバルブが液晶パネルとされた投写型表示装置に用いる照明光学系としても、照明効率の高いものとすることができる。
【0078】
<実施例8>
本実施例に係る照明光学系の概略構成の断面図を図12に示す。本実施例の特徴は、補助光源部が複数の光源からなることにある。その他の構成は既に説明した実施例と略同様のものである。例えば、主要光源部1は実施例1と同様である。また、第1インテグレータ部は2枚のフライアイ15、16により構成され、第2インテグレータ部はロッドインテグレータ36により構成されており、実施例6と略同様の構成とされている。偏向変換光学系6は実施例7の変更例として図9に示した、中央部のみλ/2位相膜が削除されたものと同様である。
【0079】
本実施例の照明光学系は、補助光源部として、分光分布が同様な2つの光源31a、31bを備えている。これらの光源31a、31bからの光束は、コリメータレンズ35a、35b、および両光束を反射させ合成させる偏向ミラー3を介し、主要光源部1から出射された光束の中心近傍の光束低密部に光束を補うようにこの光束中に導入される。その後、光源31a、31bからの光束は、レンズ37を介し、第2インテグレータ部としてのロッドインテグレータ36に入射されて光量分布の均一化を図られ、レンズ38を介して偏向変換光学系6に入射される。なお、レンズ38は実施例7のものと異なり、第1フライアイ16のレンズセルとは別のレンズとされ、第1フライアイ16において補助光源部からの光束が通過する位置に設けられた空間部に配設されているが、その作用は実施例6のものと同様である。
【0080】
本実施例においては、偏向変換光学系6は、図9に示した中央部のみλ/2位相膜が削除されたものを用いている。したがって、補助光源部の光源31a、31bは、偏向変換光学系6により直線偏光に変換された主要光源部1からの光束と略一致する偏光方向となるような、偏光方向が揃えられた光束を出射するものであることが好ましい。この場合、偏向変換光学系6からは、補助光源部2からの光束も、直線偏光に変換された主要光源部1からの光束と略一致する偏光方向とされた照明光束として出射され、照明効率を良好とすることができる。しかし、補助光源部が複数の光源からなる構成において、必ずしも上述のように偏光方向が揃えられた光束を出射する光源としなければならないわけではない。また、偏光変換光学系6の構成としても、光源特性やその他の構成に応じて適宜選択することができる。
【0081】
なお、本実施例では補助光源部として2つの光源を用いているが、2つ以上の光源を用いることも可能である。補助光源部として複数の光源を備えていることにより、主要光源部1の光束低密部に補う光量を増加させることができる。
【0082】
<実施例9>
本実施例に係る照明光学系の概略構成の断面図を図13に示す。本実施例は、補助光源部を構成する複数の光源が、分光分布が異なる2種類の光源31a、31bからなる点が実施例8と異なり、その他の点では実施例8と同様である。
【0083】
本実施例では、分光分布が異なる2種類の光源31a、31bを用いているので、これらの光源31a、31bから出射された光束を合成する手段としてクロスプリズム7が配されている。光源31a、31bからの光束は、コリメータレンズ35a、35bを介し、クロスプリズム7内のダイクロイック膜51a、51bにより反射されて偏向され、主要光源部1から出射された光束の中心近傍の光束低密部に光束を補うようにこの光束中に導入される。その後、光源31a、31bからの光束は、レンズ37を介し、第2インテグレータ部としてのロッドインテグレータ36に入射されて光量分布の均一化を図られ、レンズ38を介して偏向変換光学系6に入射される。
【0084】
本実施例においても実施例8と同様に、補助光源部の光源31a、31bは、偏向変換光学系6により直線偏光に変換された主要光源部1からの光束と略一致する偏光方向となるような、偏光方向が揃えられた光束を出射するものであることが好ましい。この場合、偏向変換光学系6からは、補助光源部2からの光束も、直線偏光に変換された主要光源部1からの光束と略一致する偏光方向とされた照明光束として出射され、照明効率を良好とすることができる。補助光源部が分光分布が異なる光源からなる構成において、実施例8と同様に、必ずしも上述のように偏光方向が揃えられた光束を出射する光源としなければならないわけではない。また、偏光変換光学系6の構成としても、光源特性やその他の構成に応じて適宜選択することができる。
【0085】
なお、本実施例では補助光源部として2つの光源を用いているが、2つ以上の光源を用いることも可能である。補助光源部として複数の光源を備えていることにより、主要光源部1の光束低密部に補う光量を増加させることができる。また、本実施例ではクロスプリズム7により補助光源部の光束の合成を行なうことにより、実施例8の偏向ミラー3を配置する場合に比べ、主要光源部1からの光束を遮光する範囲が小さい。
【0086】
さらに、補助光源部として分光分布が異なる少なくとも2種類の光源を用いた照明光学系は、カラー投写型表示装置の照明光学系として用いられた場合に有用である。例えば、3原色光のうちの異なる2色光を、一方を光源31aから、他方を光源31bから出射させて合成し、主要光源部1からの光束低密部に光束を補うように構成することができる。
【0087】
以上、本発明に係る照明光学系の具体的な実施例として、実施例1〜9について説明した。各実施例とも、主要光源部1から出射された光束の光束低密部に補助光源部2から光束を補うという構成とされているので、明るくコンパクトな照明光学系とされており、第1インテグレータ部として2枚のフライアイを備えているので、光量分布の均一化された照明光束を出射することができる。
【0088】
ところで、本発明に係る照明光学系の主要光源部に用いられる光源としては、例えば超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプなどがあるが、これらの光源は各々種類により固有の分光分布を有しており、可視光領域において一様な光量分布を持っているわけではない。本発明に係る照明光学系の主用途である投写型表示装置に関しては、明るさの要望以外に、色再現性が良い画像が要求されるが、色再現性を良好とするためには、この光源の分光分布のばらつきが問題となる場合がある。光源によっては、色再現性を良好とするために必要な波長域の光量が不足していたり、また、不必要な波長域の光量が過剰であったりするためである。
【0089】
例えば、図14は超高圧水銀灯の可視領域における波長の分光分布を示す図であり、縦軸が光強度を示すものである。図示のとおりこの光源では、3原色光のうち赤色波長域が、他の色成分に対応する波長域に比べ光量が少なく、その一方、黄色波長域に光強度のピークを有するため、そのままの光源光を使用すると、全体として黄色味を帯びたカラー画像が形成されてしまう。そのため、従来、装置の色再現性を良好とする方策としては、光源から出射された光のうち580nm近辺の波長域の光を取り除いて照明を行っていたが、その分の光量損失は明るさ向上の要望とは反するものとなってしまう。
【0090】
本発明に係る照明光学系によれば、主要光源部から出射された光束の中心近傍の光束低密部に光束を補うように光束を出射する補助光源部を備え、主要光源部から出射される光束の分光分布において増加させたい波長域に強度ピークを有する光束を前記補助光源部から出射させるように構成することができる。例えば、主要光源部の発光体が上記超高圧水銀灯とされた場合に、補助光源部から、赤色波長域に強度ピークを有する光束を出射させる構成とすることである。この補助光源部の光源としては、例えば、安価で小型な赤色半導体レーザを用いることができる。このような構成によれば、照明光束全体として赤色波長域の光強度が増加し、従来は色再現性に悪影響を及ぼしていた超高圧水銀灯からの580nm近辺の光も、排除することなく利用できるようになる。この、これまで排除していた光量は、超高圧水銀灯の全光量の20%にも相当し、これ程の光量が増加する効果は高い。
【0091】
主要光源部から出射される光束の分光分布において増加させたい波長域に強度ピークを有する光束を、補助光源部から出射させるように構成することにより、単に補助光源部からの光量分が増加するのみならず、色再現性のためにこれまで排除していた主要光源部からの光束も色再現性の低下を招くことなく取り込むことができ、明るく色再現性の良いコンパクトな照明光学系を得ることができる。なお、補助光源部から出射させる光束の強度ピークは赤色波長域に限られるものではなく、主要光源部の光源の分光分布に応じその波長域を適宜設定することができる。
【0092】
本発明の照明光学系としては、上述したものに限られるものではなく種々の態様の変更が可能である。例えば、実施例1〜9中に用いられた主要光源部、補助光源部、偏向手段、第1インテグレータ部、第2インテグレータ部、偏光変換光学系等をそれぞれ取出して組合わせた構成としてもよい。また、上記各実施例は、実施例2と同様に、偏向ミラーが主要光源部からの光束を偏向させるものとされ、この偏向ミラーの、主要光源部からの光束の光束低密部が照射される部分が空間とされて、この空間を通して補助光源部からの光束が上記光束低密部に導入されるような構成に変更することができる。
【0093】
また、補助光源部からの光束を、主要光源部からの光束中に導入する位置としては、第1および第2インテグレータ部の前段、後段、また第1インテグレータ部を構成する2枚のフライアイの中間も含め、いずれとされていてもよい。また、補助光源部からの光束を主要光源部からの光束の光束低密部中に導入するための偏向ミラーは、必須ではない。実施例5として示したような、光束低密部に補助光源部を配設する構成がいずれの場合にも可能である。
【0094】
また、主要光源部は、各実施例に図示された発光管を備えた構成だけでなく、図19に示された電極を配設する構成のものとされていてもよい。また、補助光源部は、リフレクタを備えた構成やレーザ光源を用いることができ、さらに、光量分光の均一な光源としたり、偏光特性の良好な光源とすることができる。補助光源部は、照明光学系の光量増加、光量分布の均一化、色再現性の適正化(所定の色味を強くしたい、弱くしたい等の場合を含む)等の所期の目的を達成し得るものとすることが好ましい。また、各フライアイのレンズセルや、主要光源部および補助光源部からの光束の光路中に配される各レンズの形状は、適宜設定することができる。
【0095】
なお、付言すれば、本発明に係る照明光学系は、従来多数提案されている、単に総量としての光量を増加させるために複数の光源を備えた照明光学系とは、その目的も作用効果も異なるものである。従来の複数光源を備えた照明光学系は、本発明の主要光源部に相当するような大きさの光源部を複数個配設することにより、総量としての光量を増加させることを目的としている。これらは、本発明のような、リフレクタを備えた光源部から出射された光束の光束低密部に別の光源から光束を補う、という発想を有するものではない。
【0096】
また、前述の投写型表示装置の色再現性の問題を解決するべく、発光分布の異なる光源部を複数使用した照明光学系も既に提案されている(例えば特開2001−166383号公報参照)。しかしこの場合も、上記複数光源を備えた照明光学系と同様に、本発明のような、リフレクタを備えた光源部から出射された光束の光束低密部に別の光源から光束を補う、という発想を有するものではない。本発明に係る照明光学系によれば、この従来例よりも格段にコンパクトな照明光学系により、高い色再現性を達成することができる。
【0097】
次に、本発明に係る投写型表示装置の具体的な実施例として、実施例10および実施例11について説明する。
【0098】
<実施例10>
本実施例に係る投写型表示装置の概略構成を図15に示す。この装置は、本発明に係る照明光学系を代表したものとしての、上記実施例1に係る照明光学系を用いた装置とされている。なお、この照明光学系の偏光変換光学系6は、実施例7(図8)に示された、従来よく知られたものとされている。
【0099】
この装置は、照明光学系からの照明光束により、所定の画像情報に基づいて照明光束の光変調を行なう透過型画像表示素子よりなるライトバルブを照明し、このライトバルブからの画像情報を担持した光束を、投写光学系67を介し投写するものである。照明光束は、第1および第2インテグレータ部4、5により光量分布が均一化され、偏光変換光学系6により偏光方向が揃えられた状態で、本発明の照明光学系から出射される。そしてこの照明光束は、以下に示すとおり、3原色光に分解され、各色光用の透過型画像表示素子である液晶パネル64a〜cにより光変調されて、これらの投映光束が合成された後、投写光学系67により投写されて、スクリーン(不図示)上にフルカラー画像が結像される。なお、以下に示す第1〜第3色光成分とは、青色、緑色、赤色の3原色光を任意の順に対応させることができる。
【0100】
すなわち、照明光学系から出射された照明光束は、ダイクロイックミラー62a、62bにより色光分解され、それぞれ第1〜第3色光成分用の画像が表示される液晶パネル64a〜cに照射される。ダイクロイックミラー62aは、照明光束を第1色光成分光束と第2、第3色光成分の合成光束とに分離し、ダイクロイックミラー62bは、ダイクロイックミラー62aにより分離された第2、第3色光成分の合成光束を、第2色光成分と第3色光成分とに分離するものである。照明光束の光路上には、偏向のための全反射ミラー63a〜dと、集光レンズ61a〜fとが配され、液晶パネル64a〜c上には、第1インテグレータ部4のフライアイから出射された各部分光束、および第2インテグレータ部5から出射された補助光源部2からの光束が重畳される。液晶パネル64a〜cを透過し、所定の画像情報に基づいて光変調された投映光束である第1〜第3色光成分光束は、内部に、第1色光成分を反射するダイクロイック膜65aと第3色光成分を反射するダイクロイック膜65bとを有する、クロスプリズム66により合成される。
【0101】
本実施例によれば、本発明に係る照明光学系を備えていることにより、コンパクトでありながら、照明効率が高く明るく均一な照明を行ない得る投写型表示装置を得ることができる。
【0102】
また、前述したとおり、本発明に係る照明光学系は、主要光源部1から出射される光束の分光分布において増加させたい波長域に強度ピークを有する光束を、補助光源部2から出射させるように構成することができる。例えばこの場合のように、補助光源部2からの光束が白色光でなく特定の波長域に光強度が偏っている場合には、補助光源部2からの光束は、照明光束を色光分解し各色光ごとに各々ライトバルブにより画像情報を担持させた後に色合成を行なう構成の装置の、複数のライトバルブのうち一部のライトバルブのみを照明するように構成してもよい。例えば、主要光源部1が白色光を出射し、補助光源部2の光源が赤色半導体レーザとされている場合、補助光源部2からの光は赤色成分用のライトバルブのみを照明するように構成されていてもよい。
【0103】
<実施例11>
本実施例に係る投写型表示装置の概略構成を図16に示す。この装置は、照明光学系からの照明光束により、所定の画像情報に基づいて照明光束の光変調を行なう反射型画像表示素子よりなるライトバルブを照明し、このライトバルブからの画像情報を担持した光束を、投写光学系88を介し投写するものである。この装置は、本発明に係る照明光学系を代表したものとしての、上記実施例3に係る照明光学系を用いた装置とされている。
【0104】
照明光束は、第1インテグレータ部4により光量分布が均一化され、偏光変換光学系6により偏光方向が揃えられた状態で、本発明の照明光学系から出射される。そしてこの照明光束は、集光レンズ81a、81bおよび偏向のための全反射ミラー82を介し、以下に示すとおり、カラークワッド89に入射され、このカラークワッド89において3原色光に分解され、各色光用の画像表示素子である反射型液晶パネル(以下、LCOSと称する)85a〜cにより光変調されて、これらの投映光束が合成された後カラークワッド89から出射され、投写光学系88により投写されて、スクリーン(不図示)上にフルカラー画像が結像される。なお、以下に示す第1〜第3色光成分とは、青色、緑色、赤色の3原色光を任意の順に対応させることができる。
【0105】
カラークワッド89は、内部の偏光分離膜84a〜dがX字型になるように配列された第1〜第4PBS83a〜d、第1〜第3色光成分に各々対応する第1〜第3LCOS85a〜c、第1〜第4特定波長偏光変換素子86a〜d、および第1〜第2偏光板87a、87bを備えてなる。偏光板87aは入射する照明光束の偏光方向を揃え(以下の説明においては、この偏光方向をS偏光とする。)、偏光板87bは投映光束の偏光方向をP偏光に揃えるために配され、投写画像のコントラスト向上を図る。また、特定波長偏光変換素子86a〜dは、所定の色光を所定角度だけ回転させS偏光をP偏光に変換する素子である。特定波長偏光変換素子86a、86dは、第1の色光をS偏光からP偏光に変換し、特定波長偏光変換素子86b、86cは、第3の色光をS偏光からP偏光に変換する。
【0106】
これらの作用により、第1の色光はPBS83a、83bを透過して第1の色光を光変調させるLCOS85aを照射し、第2の色光はPBS83a、83cの各々の内部で反射されて第2の色光を光変調させるLCOS85bを照射し、第3の色光はPBS83a内部で反射され、PBS83cを透過して第3の色光を光変調させるLCOS85cを照射する。そして、第1の色光は第1のLCOS85aのONに対応する投映光束がS偏光に変換されて反射され、PBS83b、83dの内部で反射され、第2の色光は第2のLCOS85bのONに対応する投映光束がP偏光に変換されて反射され、PBS83c、83dを透過し、第3の色光は第3のLCOS85cのONに対応する投映光束がS偏光に変換されて反射され、PBS83c内部で反射され、PBS83dを透過して、3色光成分が合成されてカラークワッド89から出射される。
【0107】
本実施例によれば、本発明に係る照明光学系を備えていることにより、コンパクトでありながら、照明効率が高く明るく均一な照明を行ない得る投写型表示装置を得ることができる。また、実施例10と同様に、本実施例においても、補助光源部2からの光束が白色光でなく特定の波長域に光強度が偏っている場合には、補助光源部2からの光束は、照明光束を色光分解し各色光ごとに各々ライトバルブにより画像情報を担持させた後に色合成を行なう構成の装置の、複数のライトバルブのうち一部のライトバルブのみを照明するように構成してもよい。
【0108】
なお、本発明の投写型表示装置としては上述した実施例のものに限られず、種々の態様の変更が可能である。例えば、本発明の投写型表示装置としては、本発明の照明光学系を任意に用いることができる。第2インテグレータ部がフライアイであるか、ロッドインテグレータであるか、あるいは設けられていないかによって、後段の装置構成が限定されるものではない。ただし、これらの組み合わせは任意であるが装置全体としての整合性は必要である。
【0109】
また、本発明の投写型表示装置においてライトバルブは実施例のものに限られない。例えば、ライトバルブとしてデジタル・マイクロミラー・デバイスを用いた装置構成とすることも可能である。この場合にも、本発明に係る照明光学系を備えることにより、コンパクトでありながら、照明効率が高く明るく均一な照明を行ない得る投写型表示装置を得ることができる。
【0110】
また、本発明の投写型表示装置は必ずしもカラー画像表示装置に限られず、モノクロ画像表示装置とされていてもよい。
【0111】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置によれば、光源とリフレクタよりなる主要光源部から出射された光束の、中心近傍の光束低密部に光束を補うように光束を出射する補助光源部を備え、2枚のフライアイを有する第1インテグレータ部が設けられていることにより、コンパクトでありながら、照明効率が高く、明るく均一な照明を行ない得る照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る照明光学系の概略構成図
【図2】本発明の実施例2に係る照明光学系の概略構成図
【図3】本発明の実施例3に係る照明光学系の概略構成図
【図4】本発明の実施例4に係る照明光学系の概略構成図
【図5】本発明の実施例5に係る照明光学系の概略構成図
【図6】図5の第1および第2偏光変換光学系の概略構成図
【図7】本発明の実施例6に係る照明光学系の概略構成図
【図8】本発明の実施例7に係る照明光学系の概略構成図
【図9】図8の偏光変換光学系の第1変更例の概略構成図
【図10】図8の偏光変換光学系の第2変更例の概略構成図
【図11】図8の偏光変換光学系の第3変更例の概略構成図
【図12】本発明の実施例8に係る照明光学系の概略構成図
【図13】本発明の実施例9に係る照明光学系の概略構成図
【図14】超高圧水銀灯の可視領域における波長の分光分布図
【図15】本発明の実施例10に係る照明光学系の概略構成図
【図16】本発明の実施例11に係る照明光学系の概略構成図
【図17】リフレクタを備えた第1の従来の光源部の概略構成図
【図18】リフレクタを備えた第2の従来の光源部の概略構成図
【図19】リフレクタを備えた第3の従来の光源部の概略構成図
【符号の説明】
1 主要光源部
2 補助光源部
3 偏向ミラー
4 第1インテグレータ部
5 第2インテグレータ部
6 偏光変換光学系
7、66 クロスプリズム
11、33 光源
12、34、104 放物面リフレクタ
15 第2フライアイ
16 第1フライアイ
17、18、48、49 レンズセル
19、43、84 偏光分離膜
20、44 反射膜
21、45 λ/2位相膜
22、25、46 プリズム面
26 複屈折回折型偏光分離板
31、32 半導体レーザ
35 コリメータレンズ
36 ロッドインテグレータ
37、38、61、81 集光レンズ
41 補助光源部に対応する第2フライアイ
42 補助光源部に対応する第1フライアイ
51、65 ダイクロイック膜
62 ダイクロイックミラー
63、82 全反射ミラー
64 透過型液晶パネル
67、88 投写光学系
83 PBS
85 反射型液晶パネル(LCOS)
86 特定波長偏光変換素子
87 偏光板
89 カラークワッド
101 発光管
102 陰極
103 陽極
105 楕円面リフレクタ
106 透明部材
107 棒状保持部材

Claims (11)

  1. 発光体およびこの発光体から出射された光を被照明体側に反射するリフレクタを備えた主要光源部と、この主要光源部から出射された光束の中心近傍の光束低密部に光束を補うように光束を出射する補助光源部とを備え、前記主要光源部からの光束の光量均一化を図る、2枚のフライアイを有する第1インテグレータ部が設けられていることを特徴とする照明光学系。
  2. 前記補助光源部から出射された光束が、前記主要光源部から出射された光束の中心近傍の光束低密部に位置するように、前記主要光源部側の前記フライアイの前段において導入されることを特徴とする請求項1記載の照明光学系。
  3. 前記補助光源部から出射された光束が、前記主要光源部から出射された光束の中心近傍の光束低密部に位置するように、前記2枚のフライアイの間において導入されることを特徴とする請求項1記載の照明光学系。
  4. 前記第1インテグレータ部の前記2枚のフライアイのうち少なくとも一方は、前記補助光源部からの光束が通過する光軸近傍に、前記補助光源部からの光束を集光または発散させるレンズを備えてなることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の照明光学系。
  5. 前記補助光源部から出射される光束は出射された状態で光量分布が略均一とされていて、該補助光源部からの光束の光量均一化を図る手段は省略されていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の照明光学系。
  6. 前記補助光源部からの光束の光量均一化を図る、2枚のフライアイを有する第2インテグレータ部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の照明光学系。
  7. 前記第2インテグレータ部の2枚のフライアイのうち少なくとも一方のフライアイが、前記第1インテグレータ部の2枚のフライアイのうち少なくとも一方のフライアイと同一部材上に形成されていることを特徴とする請求項6記載の照明光学系。
  8. 前記補助光源部からの光束の光量均一化を図る、ロッドインテグレータを有する第2インテグレータ部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の照明光学系。
  9. 前記主要光源部の前記発光体はランダムな偏光の光束を発生し、この光束が偏光変換光学系により直線偏光に変換されて前記被照明体の照明を行い、前記補助光源部は、前記偏光変換光学系により直線偏光に変換された前記主要光源部からの光束と略一致する偏光方向となるような、偏光方向が揃えられた光束を出射し、この補助光源部からの光束は偏光変換をされずに前記被照明体の照明を行なうことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1項記載の照明光学系。
  10. 前記主要光源部の前記発光体はランダムな偏光の光束を発生し、この光束が第1偏光変換光学系により直線偏光に変換されて前記被照明体の照明を行い、前記補助光源部の前記発光体はランダムな偏光の光束を発生し、この光束が第2偏光変換光学系により前記第1偏光変換光学系により直線偏光に変換された前記主要光源部からの光束と略一致する偏光方向となるような、直線偏光に変換されて前記被照明体の照明を行なうことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1項記載の照明光学系。
  11. 請求項1〜10のうちいずれか1項記載の照明光学系を備え、この照明光学系からの光束により、所定の画像情報に基づいて照明光束の光変調を行なう少なくとも1つのライトバルブを照明し、このライトバルブからの画像情報を担持した光束を、投写光学系を介し投写することを特徴とする投写型表示装置。
JP2002324296A 2002-11-07 2002-11-07 照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置 Expired - Fee Related JP4211969B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002324296A JP4211969B2 (ja) 2002-11-07 2002-11-07 照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002324296A JP4211969B2 (ja) 2002-11-07 2002-11-07 照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004157405A true JP2004157405A (ja) 2004-06-03
JP4211969B2 JP4211969B2 (ja) 2009-01-21

Family

ID=32803927

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002324296A Expired - Fee Related JP4211969B2 (ja) 2002-11-07 2002-11-07 照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4211969B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011505019A (ja) * 2007-11-30 2011-02-17 ポイボス ビジョン オプト−エレクトロニクス テクノロジー リミテッド 投影システムに用いる光源装置並びに投影表示装置
WO2011037057A1 (ja) * 2009-09-28 2011-03-31 日本電気株式会社 光源装置およびそれを用いた投射型表示装置
JP2012075562A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Fujifilm Corp 内視鏡用光源装置
JP2012083522A (ja) * 2010-10-12 2012-04-26 Sony Corp 照明装置、投影型表示装置、直視型表示装置
CN104267506A (zh) * 2011-08-29 2015-01-07 深圳市绎立锐光科技开发有限公司 光源、合光装置及带该光源的投影装置
JP2018060223A (ja) * 2017-12-15 2018-04-12 カシオ計算機株式会社 光源装置及びプロジェクタ
CN112728504A (zh) * 2021-01-05 2021-04-30 浙江光锥科技有限公司 一种tir准直透镜轮廓模拟方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011505019A (ja) * 2007-11-30 2011-02-17 ポイボス ビジョン オプト−エレクトロニクス テクノロジー リミテッド 投影システムに用いる光源装置並びに投影表示装置
JP5692078B2 (ja) * 2009-09-28 2015-04-01 日本電気株式会社 光源装置およびそれを用いた投射型表示装置
WO2011037057A1 (ja) * 2009-09-28 2011-03-31 日本電気株式会社 光源装置およびそれを用いた投射型表示装置
US8870384B2 (en) 2009-09-28 2014-10-28 Nec Corporation Projection display device having light source device with color synthesis unit
JP2012075562A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Fujifilm Corp 内視鏡用光源装置
JP2012083522A (ja) * 2010-10-12 2012-04-26 Sony Corp 照明装置、投影型表示装置、直視型表示装置
US9124816B2 (en) 2010-10-12 2015-09-01 Sony Corporation Illumination unit, projection type display unit, and direct view type display unit
US9946145B2 (en) 2010-10-12 2018-04-17 Sony Corportation Illumination unit, projection type display unit, and direct view type display unit
CN104267506A (zh) * 2011-08-29 2015-01-07 深圳市绎立锐光科技开发有限公司 光源、合光装置及带该光源的投影装置
CN104267506B (zh) * 2011-08-29 2017-02-15 深圳市绎立锐光科技开发有限公司 光源、合光装置及带该光源的投影装置
JP2018060223A (ja) * 2017-12-15 2018-04-12 カシオ計算機株式会社 光源装置及びプロジェクタ
CN112728504A (zh) * 2021-01-05 2021-04-30 浙江光锥科技有限公司 一种tir准直透镜轮廓模拟方法
CN112728504B (zh) * 2021-01-05 2023-03-14 浙江光锥科技有限公司 一种tir准直透镜轮廓模拟方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4211969B2 (ja) 2009-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3471001B2 (ja) 照明光学系およびこれを用いた投射型表示装置
JP5393839B2 (ja) 照明光学系、画像投射用光学系及び画像投射装置
KR100909023B1 (ko) 조명광학계 및 그것을 이용한 투사형 표시장치
JP2006113242A (ja) 照明光学系及びそれを用いた画像表示装置
JP3635979B2 (ja) 照明光学系および投写型表示装置
JP4148490B2 (ja) 偏光ビームスプリッタを用いた投射型表示装置
WO2005036255A1 (ja) 照明装置及びこれを備えたプロジェクタ
JP4464118B2 (ja) 照明光学系及びそれを有する画像表示装置
JP4211969B2 (ja) 照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置
JPH10170869A (ja) 偏光照明装置および投写型表示装置
JP3966174B2 (ja) 照明光学系およびこれを備えたプロジェクタ、並びに、照明光学系に用いられる光源装置
JP4109958B2 (ja) 照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置
US20040021832A1 (en) Polarizing illumination optical system and projection-type display device which uses same
JP4497507B2 (ja) 照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置
JP3591026B2 (ja) 照明装置及びそれを用いた投写型表示装置
JP4244290B2 (ja) 照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置
JP2004226460A (ja) 照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置
JP2004133195A (ja) 照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置
JP5035879B2 (ja) 照明光学系および投写型表示装置
JP2004061848A (ja) 照明光学系およびプロジェクタ
JP4487484B2 (ja) 照明装置及びこれを備えたプロジェクタ
JP4420428B2 (ja) 偏光照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置
JP2005024664A (ja) 偏光照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置
JP2002268008A (ja) 照明光学系およびこれを用いたプロジェクタ
JP3550261B2 (ja) 液晶プロジェクタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081008

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081023

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081023

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131107

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees