JP4505904B2 - 誘電体アンテナの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体アンテナの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話等の移動体通信機器や無線LANに用いられる表面実装型誘電体アンテナとして、誘電体セラミックス単体や樹脂単体からなるものが提案されている。例えば、特開平9−98015号公報には、アンテナ基体がセラミックス単体や樹脂単体からなる表面実装型誘電体アンテナが開示されている。また、特開平9−221573号公報には、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体、無機充填材、ゴム状弾性体、熱可塑性樹脂からなる複合材料からなるめっき性を有する成形体が開示されている。さらに、特開平9−263663号公報、特開平10−17739号公報には、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体に、相溶剤としてゴム状弾性体であるスチレン系ブロックポリマを配合した成形体が開示されている。さらにまた、特開平10−45936号公報には、めっき性を有するシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体の発泡体の製造方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、携帯電話等の移動体通信機器の軽量化および小型化に伴って、誘電体アンテナも軽量化および小型化の要求が高まっている。しかしながら、従来の誘電体セラミックス単体からなるアンテナや樹脂単体からなるアンテナには、それぞれ次のような不具合があった。
【0004】
すなわち、誘電体セラミックス単体からなるアンテナでは、アンテナ基体の成形工程や焼成工程等に時間がかかるばかりでなく、加工性および成形性に劣り、複雑な形状のアンテナを作成するのが困難であった。また、誘電率を大きくすることで、アンテナを小型化することができるが、アンテナにはサイズ効果があり、小さくしすぎるとアンテナ特性を極端に低下させるので、アンテナの小型化には限界がある。従って、アンテナの軽量化にはアンテナの材質の比重が重要となる。しかしながら、誘電体セラミックスは比重が大きく、アンテナの軽量化に対応できないという問題もあった。
【0005】
そこで、比重の小さい有機材料が注目されている。その中でも特に、耐熱性および高周波特性に優れており、射出成型可能なシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体(以下、SPSと記す)が注目されている。ところが、SPSは、それ単独では耐薬品性が非常に良好であることからエッチングができず、その表面にめっきをすることができない。従って、このSPSの表面にめっき性を付与するため、酸に可溶なゴム状弾性体をSPSに添加し、クロム酸でSPS表面に露出したゴム状弾性体をエッチングしてSPSの表面を粗面化する技術が知られていた。しかしながら、クロム酸でエッチングしたSPS表面は非常に粗く、めっき密着強度は高いが、共振周波数における利得が低いという問題があった。さらに、クロム酸は有害な薬品であり、環境保全の観点からもその使用は好ましくない。
【0006】
そこで、クロム酸エッチングを回避する方法として、特開平10−183362号公報に、物理的外力(サンドブラストや研磨等)によってSPSの表面を粗面化する技術が開示されている。しかし、この方法は、スルーホール等を有する複雑な形状のアンテナには対応することができないという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、クロム酸エッチングを使用することなく、SPSの表面にめっき性を付与することができる誘電体アンテナの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】
前記目的を達成するため、本発明に係る誘電体アンテナの製造方法は、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体からなる母体樹脂を55〜88体積%とし、無機充填材を4〜40体積%とし、スチレン系ゴム弾性体を5〜8体積%として混合して得られる複合誘電体材料を用いて、アンテナ基材を形成する工程と、前記アンテナ基材表面を、溶解性パラメータ値が8.8〜10の範囲の溶剤によりエッチングする工程と、エッチング済みの前記アンテナ基材表面にめっき膜を形成する工程と、を備えていること、を特徴とする。
【0009】
以上の構成により、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体(SPS)は低tanδでかつ比重が小さいため、複合誘電体材料は、セラミックス単体からなる誘電体材料より軽量になる。しかも、この複合誘電体材料は、セラミックス単体からなる誘電体材料より加工性及び成形性に優れている。
【0010】
さらに、ゴム状弾性体は、溶剤でエッチングされ、SPS表面を粗面化してSPSの表面にめっき性を付与するとともに、複合誘電体材料にゴム弾性を与えてめっき膜ピール強度を向上させる。また、無機充填材は複合誘電体材料の比誘電率をアップさせて誘電率を調整するために添加される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明に係る誘電体アンテナの製造方法の実施の形態を説明する。
【0012】
本発明に係る誘電体アンテナの一つの実施形態を図1に示す。該誘電体アンテナ1は、直方体形状のアンテナ基体2,入力電極4,放射電極5およびグランド電極6にて構成されている。
【0013】
入力電極4は、アンテナ基体2の手前側端部に設けられている。放射電極5は、アンテナ基体2の上面中央部に設けられ、アンテナ基体2の長手方向に直線状に延在している。放射電極5の長さはλ/4(λ:アンテナ基体2内での中心波長)である。放射電極5の一方の端部5aは、所定の間隔7をおいて入力電極4に対向している。放射電極5の他方の端部5bは、アンテナ基体2の奥側端面を回り込んで、アンテナ基体2の略下面全面に設けられたグランド電極6に電気的に接続している。
【0014】
アンテナ基体2の材料としては、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体(SPS)からなる母体樹脂に、無機充填材と、溶剤に可溶なゴム状弾性体とを混合してなる複合誘電体材料である。ここで、「溶剤」とは、後述するように、アンテナ基体2の表面にめっき膜を形成する工程において、アンテナ基体2の表面を粗面化するための溶剤である。また、ここでいう「溶剤に可溶な」とは、30〜40℃の溶剤に粒径0.1〜50μmの粉末を10体積%加えて攪拌し、5分以内に目視で完全に溶解するものを指す。
【0015】
SPSを使用するのは、汎用のアタクチックポリスチレン(汎用PS)が有する高周波で良好な誘電特性を維持しつつ、耐溶剤性および耐熱性に優れているためである。低tanδおよび耐熱性を有するものとしては、PTFE系樹脂、液晶ポリマー等もあるが、PTFE樹脂は成形性、コスト、めっき性の点でSPSに劣り、液晶ポリマーは成形性、コスト、誘電特性の点でSPSに劣る。
【0016】
無機充填材は、複合誘電体材料の比誘電率をアップさせる。無機充填材としては、高周波で誘電正接(tanδ)が小さいCaTiO3,SrTiO3等のペロブスカイト系酸化物常誘電体、BaTiO3等のペロブスカイト系酸化物強誘電体およびその混合物や、BaO−Nd2O3−TiO2等のフッ酸以外の他の酸およびアルカリに不溶のものが使用される。あるいは、無機充填材としては、酸やアルカリに可溶な周期律表IIaまたはIIb族元素の酸化物、炭酸塩、硫酸塩、燐酸塩および珪酸塩からなる群の中から選択することができる。酸やアルカリに可溶の無機充填材を採用すると、溶剤エッチングの後、酸やアルカリでさらにエッチングすることができ、めっき密着強度をより一層向上させることができる。
【0017】
溶剤に可溶なゴム状弾性体は、溶剤エッチングを可能にしてSPSの表面にめっき性を付与するとともに、SPSにゴム弾性を与えてめっき膜ピール強度を向上させる。ゴム状弾性体としては、ゴム弾性の高い汎用ジエン系ゴムや、熱可塑性ゴム等が使用される。本実施形態では、架橋し粉砕する必要のない熱可塑性ゴム、特にSPSと相溶性の高いスチレン系で、耐熱性の高いスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンのブロック共重合体(SEBS)とスチレン−ブタジエンゴム(SBR)とを採用した。この場合、溶剤としては、SEBS等のスチレン系ゴム弾性体を溶解することができるSP値(solubility parameter、溶解性パラメータ値)8.8〜10の範囲のものが使用される。
【0018】
SP値8.8〜10の溶剤には、ジエチルケトン、エチルベンゼン、キシレン、トルエン、ジクロルプロパン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、プロピレンオキサイド、クロロホルム、ジブチルフタレート、メチルエチルケトン、スチレン、ジメチルスルフィド、クロロベンゼン、酢酸メチル、ジメチルアニリン、二塩化エチレン、アセトン、シクロヘキサノンおよびその混合物がある。特に、効果の面からテトラヒドロフランやクロロホルムが好ましい。これらの溶剤は、ゴム状弾性体を溶かし出すだけで、溶剤自体は分解等しない。従って、溶剤をエバポレータ等で回収すれば、リサイクル可能である。また、これらの溶剤は、クロム酸エッチング処理の場合に必要な大規模廃液処理システムが不要であるため、ランニングコストが安価である。
【0019】
前記のようなストリップライン構成からなる誘電体アンテナ1は、SPSの比重が小さいため、アンテナ基体2の軽量化を図ることができる。さらに、アンテナ基体2が低tanδのSPSの複合誘電体材料からなるので、安定したアンテナ特性を有する誘電体アンテナ1を得ることができる。
【0020】
次に、複合誘電体材料の組成比および組成物を種々変更させて、誘電特性を測定した。表1に示す容量比で秤量したSPS等を粗混合した後、2軸押出し機を用いて複合材料ペレットを製作した。2軸押出し時のシリンダ温度は290℃であった。
【0021】
【表1】
【0022】
ここに、ゴム状弾性体として、材料1,2,4〜10の場合にはスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンのブロック共重合体(シェルジャパン製クレイトンG1650)を使用し、材料3の場合にはスチレン−ブタジエンゴム(日本ゼオン製2057S−スチレン含有量60%)を使用した。無機充填材としては、各材料1〜10に対して、それぞれ、平均粒径1.2μmのCaTiO3、平均粒径2.6μmのCaCO3平均粒径1.0μmのBaSO4、平均粒径0.5μmのCa2P2O7(ピロリン酸カルシウム)、平均粒径2.0μmのBaTiO3、平均粒径1.3μmのSrTiO3、平均粒径2.0μmのZnO、平均粒径0.8μmのTiO2および平均粒径5.0μmのAl2O3を表1に示す容量比で使用した。
【0023】
製作した複合材料ペレットを使用して、射出成形法にて直径が50mm、板厚が1.3mmの円形の評価板を成形した。この射出成形法は、誘電体アンテナ等の複雑形状のものを容易にかつ短時間に成形することができる。そして、射出成形の際には、SPSを溶融させる程度の熱を加えるだけでよく、セラミック焼成のように1000℃以上の温度は不要である。
【0024】
こうして得られた各材料サンプルについて誘電特性の測定をした結果を表1に示す。誘電特性の測定には、共振周波数の摂動量より比誘電率および誘電正接を算出する摂動法を用いた。表1からわかるように、材料1〜材料10は、3.0〜17の比誘電率εrを有している。一般に、誘電体アンテナ等の高周波部品では、約3.0〜20の比誘電率εrを有するものが要求されている。SPSの含有量が高過ぎると、比誘電率εrが3.0より小さくなり、誘電体アンテナを小型化することができない。
【0025】
次に、成形された評価板の表面には、以下の工程によりめっき膜を形成した。
評価板を界面活性剤水溶液(常温)に6分間浸漬して、評価板の表面を脱脂洗浄する。次に、評価板を表2および表3に示すように、エッチング方法を種々変更させてその表面を粗面化する。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
ここに、溶剤エッチング法として、実施例1,2,6〜12および比較例13の場合にはSP値が9.1のTHF(テトラヒドロフラン)を使用し、実施例3,13の場合にはSP値が8.8のキシレンを使用し、実施例4および比較例14の場合にはSP値が9.3のクロロホルムを使用し、実施例5,14の場合にはSP値が10.0のアセトンを使用し、比較例3の場合にはSP値が8.2のシクロヘキサンを使用し、比較例4の場合にはSP値が10.5のイソブタノールを使用した。評価板は、これら溶剤にそれぞれ所定の時間だけ超音波浸漬される。評価板の表面に露出した溶剤に可溶なゴム状弾性体とSPS低分子量成分とが溶剤によってエッチングされ、評価板の表面が粗面化される。
【0029】
一方、クロム酸エッチングは、比較例1,2,5〜12の評価板に対して行われた。評価板を、クロム酸系の酸化剤である、無水クロム酸(400g/リットル水溶液):硫酸(400g/リットル水溶液)=1:1の混合液(68℃)に12分間浸漬する。評価板の表面に露出した酸に可溶なゴム状弾性体やSPS低分子量成分等が酸化剤によってエッチングされ、評価板の表面が粗面化される。
【0030】
次に、エッチングによって表面が粗面化された評価板を十分水洗し、カチオン系界面活性剤液(45℃)に5分間浸漬(コンディショナ工程)した後、塩化パラジウム/塩化錫の塩酸酸性水溶液(50℃)に5分間浸漬して評価板の表面にパラジウムを付着させた(キャタリスト工程)。次に、評価板を、塩酸水溶液(常温)に10分間浸漬した(アクセラレータ工程)。この後、評価板を硫酸銅アルカリ水溶液(常温)に20分間浸漬して、評価板の表面に0.05〜0.1μmの無電解銅めっき膜を形成した。さらに、無電解銅めっき膜の上に電解銅めっき膜を形成し、合計10〜70μmの厚みを有するめっき膜を成膜した。
【0031】
こうして得られた各サンプルについて、めっき膜ピール強度の測定をした結果を表2および表3に示す。めっき膜ピール強度の測定は、めっき膜をエッチングして幅が10mmで長さが45mmの短冊状パターンを形成した後、この短冊状パターンを、短冊の長さ方向で、引き上げ方向が常に評価板と垂直になるような状態で評価板から引き剥がす際の荷重を測定した。垂直引き剥がし速度は、0.9mm/sである。
【0032】
また、表2および表3に記載されている表面粗さRa、中心周波数およびアンテナ利得は次の条件で製作した誘電体アンテナ1(図1参照)を用いて測定した。表1に示す容量比で秤量したSPS等を粗混合した後、2軸押出し機を用いて材料1〜材料10の各複合材料ペレットを製作した。この材料1〜材料10の各ペレットを、120℃の温度で3時間予備乾燥した後、射出成形法にて直方体形状のアンテナ基体2を成形した。このとき、成形温度は290℃、射出速度は50mm/s、保圧は500kg/cm2に設定した。
【0033】
成形されたアンテナ基体2の表面には、前述のめっき膜形成工程と同様の工程でめっき膜が形成される。ただし、めっき膜は無電解銅めっきが厚さ0.1μm、電解銅めっきが厚さ3〜4μm、電解ニッケルめっきが厚さ1〜2μm、電解金めっきが厚さ0.1μmの順で積層される。このとき、電界銅めっきを成膜した時点で、パターニングされたメタルマスクを用いてレジストを電解銅めっき膜上に塗布し、塩化第2鉄でエッチングして入力電極4,放射電極5及びグランド電極6のパターニングを行なった。
【0034】
表面粗さRaは、製作した誘電体アンテナ1のアンテナ基体2が露出している表面部分を測定した。また、中心周波数およびアンテナ利得は、製作した誘電体アンテナ1を、回路基板にリフロー半田により実装した後、測定した。
【0035】
表2からわかるように、実施例1〜14の誘電体アンテナ1の場合、つまり、複合誘電体材料の組成比を、SPSからなる母体樹脂が55〜88体積%、ゴム状弾性体が5〜8体積%、無機充填材が4〜40体積%の範囲とし、アンテナ基体2の表面を粗面化するためSP値が8.8〜10.0の溶剤を用いて溶剤エッチングした場合には、めっき膜ピール強度は0.5kg/cm以上であり、表面粗さRaは0.15〜0.45の範囲にあり、アンテナ利得は1.5dBd以上であった。
【0036】
一方、表3の比較例1,2,5〜12に示すように、アンテナ基体2の表面を粗面化するためにクロム酸エッチングを採用した場合、クロム酸はゴム状弾性体やSPS低分子量成分を分解しながらアンテナ基体2の深部までエッチングする。このため、溶剤エッチングより高いめっき密着強度が得られる。しかし、クロム酸エッチングは、エッチング表面が非常に粗く、誘電体アンテナ1の中心周波数におけるアンテナ利得が0.5〜1.45dBdと低い。特に、無機充填材の組成比が高い材料を用いたアンテナ基体2の場合(比較例11参照)、アンテナ利得は顕著に低い。従って、誘電体アンテナ等の高周波部品で要求されている約1.5dBd以上のアンテナ利得を満足しない。
【0037】
なお、本発明に係る誘電体アンテナの製造方法は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に係る誘電体アンテナの製造方法は、SPSからなる母体樹脂に、溶剤に可溶なゴム状弾性体を混合しているので、SPSの表面を粗面化してSPSの表面めっき性を付与する場合、溶剤でエッチングすることができ、従来のクロム酸エッチングをする必要がなくなる。さらに、溶剤エッチングはSPSの表層のみをエッチングし、クロム酸エッチングのようにSPSの深部までエッチングする方法とは異なる。従って、溶剤エッチングで製作した誘電体アンテナは、高いめっき密着強度と高いアンテナ利得を両立することができる。
【0039】
また、成形に必要な温度はSPSを熱溶融させる程度でよく、セラミックスの焼成のように高い温度が不要である。さらに、射出成形が可能であり、簡単かつ効率よく複雑な形状に成形することができ、めっき電極も容易に形成することができ、しかもその密着強度が高いことと相俟ってスルーホール等も容易に形成することができる。また、SPSが高周波特性に優れているので、ギガヘルツ帯においても高比誘電率及び低tanδの優れた電気特性を有する高周波部品を得ることができる。さらに、ゴム状弾性体が添加されているので、内部応力が緩和され、リフロー半田時の変形不良が発生しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る誘電体アンテナの一つの実施形態を示す斜視図。
【符号の説明】
1…誘電体アンテナ
2…アンテナ基体
4…入力電極
5…放射電極
6…グランド電極
Claims (1)
- シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体からなる母体樹脂を55〜88体積%とし、無機充填材を4〜40体積%とし、スチレン系ゴム弾性体を5〜8体積%として混合して得られる複合誘電体材料を用いて、アンテナ基材を形成する工程と、
前記アンテナ基材表面を、溶解性パラメータ値が8.8〜10の範囲の溶剤によりエッチングする工程と、
エッチング済みの前記アンテナ基材表面にめっき膜を形成する工程と、
を備えていること、
を特徴とする誘電体アンテナの製造方法。
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