JP4505157B2 - ピンホール検査機 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、樹脂などの絶縁材料で形成され内部に薬品、食品ならびに、化粧品などを充填された各種形態の密封包装容器のピンホールなどシール不良を検査するピンホール検査装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の点滴用輸液容器のピンホール検査装置は、特許第２６８１７６４号記載の被検体の胴体を対向する電極板で挟む一方、包装物の要検査部を前記電極板の一方と接続した通電部材に接触せしめて、対向する電極板間の静電容量を測定して包装物のピンホールを検出する検査方法がある。
【０００３】
これらの方法でのピンホール検査は、検査原理として要検査部のシール不良の場合の静電容量の変化をみており、検査に高電圧をかけ閃絡電流の発生をみる方法より安全性が高いなどの利点があるが、要検査部が不定形の場合、液体の通電部材に浸漬する必要があるため、被検体がぬれること、また、なによりの問題点は、電極板による挟み込み、通電部材に対する接触など個々の動作が、インライン化、連続化などに対して円滑でなく能率的でなく、処理能力として数百個／分級の大量処理の場合に難点がある。
【０００４】
また、点滴用輸液容器の場合、古い形式の偏平角型のソフトバグの場合は、偏平薄型で要検査部の外径が小径のケースでは、被検体をコンベヤ上に伏せた姿勢で載荷できるため、搬送中に要検査部を固定配設の陰陽の金属繊維製電極で一括して電圧を印加検査ができるが、要検査部の外径寸法が大きい場合、必ずしも能率的な検査は困難で、いずれにしろ固形瓶容器および、ソフトバグの場合とも、満足な高速検査処理機なく、これを対象としたインライン化、自動化がつよく求められていた。
【０００５】
【問題を解決するための手段】
本発明は、点滴輸液の密封包装用などで代表される、硬質瓶容器で収納部に対して封入口のシール部外径が大きい場合の円形シール部のピンホールまたは、シール不良の検査を極力低電圧の電圧印加方式でインラインかつ、自動的、能率的に達成する目的のため、下記のような構成とした。
（１）被検体の密封口の円形シール部（本文では、要検査部という）の回動を支持し、該円形シール部外径の一回転する円周長と若干の余裕長を加えた長手寸法をもった、回動接触動作により要検査部全周に電圧を印加する第１電極の機能を兼ねたガイド板と、円形シール部からみて輸液収納部を介して反対側の円筒部の回動を支持し、該円筒部外径の一回転する円周分と若干の余裕長を加えた長さのガイド板とで被検体をタンデム状に回動する構成とし、
（２） 前記円筒部をガイド板に押し付けながら原動機で強制的に回動させるための、ガイド板上面に平行に円筒部を挟み込むように配設したプーリ中心間距離がガイド板と同長の被検体回動搬送用の無端ベルトと、
（３） 輸液収納部が回動進行するにともない、外壁の回転のための外胴の長径および短径に可撓追従しながら外壁幅の大部分に電圧を印加する、前記ガイド板と同長の機台に束状に密着固定したアモルファス金属繊維製の第２電極と、
（４）前記第１電極または、第２電極で電圧を印加するための電源、ならびにいずれか一方の電極によりピンホールまたは、シール不良が検出されたとき、他方の電極を介して発生する閃絡電流をとらえその多寡を判断し、検出の判定を警報信号または、不良品の除去命令を発信する検出制御回路を構成した。
（以上、請求項１）
（５）さらに、輸液収納部内の含有気体が甚だしく多く、要検査部が気体の介在のため、導電性を阻害し、正常なピンホール検出が損なわれる場合は、被検体とともに検査のための必要機器を搬送方向と直交方向に気体含有に応じた必要角度だけ傾斜させることにより要検査部の空隙を避け、導電性阻害からガードするような構成とした。
（以上、請求項２）
（６）また、本発明は、円筒タンデム回転を基本としておりり回動部の外径が同径か限りなく近い外径の必要がある。そこで、回動部の径に大差があるときは要検査部の径をもととして、円筒構成部の外周部かまたは、外端部に簡単に着脱可能な仮設円筒接続具を用意して、これを補助具として使用し、円滑な検査施行可能な構成とした。
（以上、請求項３）
【発明の実施の形態】
【０００６】
【実施例】
以下、本発明の第一実施例を図１から図３を参照し説明する。
図１は、本発明の正面の組立図で、検出の制御系統原理図を兼ねている。
図２は、図１の側面からみた説明図である。
両端部が円筒部で構成され、方形断面の輸液の収納部３１をもった被検体３０と、その一端にある重ねた円板に近い形状の密封シール部の要検査部δを回動させながらこれを支持し、電圧を印加するガイド板を兼ねた第１電極１と、
【０００７】
方形断面の収納部３１と接続する円筒部３２の回動を支持するガイド板３と、これの上部に平行に配設され、円筒成形部３２をガイド板に強制的に押しつけて回動させる機能の、ベルト長さがガイド板３と同長の原動機駆動の無端ベルト５と、
収納部３１の外表面が回動するのに伴ない印加用電極の先端部が可撓追従する構成の第２電極２と、（図２に収納部の回動状態説明と電極の追従状態の説明を図示）
【０００８】
図１に、第１電極１および第２電極２と接続した電源４１ならびに、検出制御回路４２の系統を図示している。
再び図２にもどり、５１は本発明の検査機内に被検体３０を供給搬送するための供給ベルトコンベヤを示し、ベルト上面はガイド板３および第１電極の上面と同一高さとする。
５２は検査終了の被検体３０の排出ベルトコンベヤである。
【０００９】
図３は、本発明の俯瞰説明図で、ガイド板４は、無端ベルト５によるＰ方向荷重の反力を相殺し要検査部δが安定して第１電極と接触するための押えのガイドである。第２電極２は俯瞰図示で分かるように無数のアモルファス金属繊維２０をホールダ２１で平板状に束ねた単位電極を無数にガイド板３の長さと同じ長さだけ重ねて構成している。
【００１０】
無端ベルト５は、プーリの一端のＭ図示のような原動機により駆動され、他方のプーリはベルトが円筒成形部３２をガイド板に対しＰ図示の方向に調整可能なバネなどにより押し下げられ、強制的な回動を付与するよう構成としている。
【００１１】
次いで、本発明の第一実施例の効用を機構と動作により説明する。
本発明のピンホール検査機の前工程の供給ベルトコンベヤ５１から搬送された被検体３０は、慣性走行によりガイド板および無端ベルト間で挟まれ、図２に表示しているように、無端ベルトの強制的な回動により要検査部δおよび収納部３１に、それぞれ第１および第２電極により電圧を印加されて検査されつつ丸々一回転して検査機を通過する。
【００１２】
若し、要検査部δにピンホールまたは、シール不良があると、その個所に閃絡電流が発生する。その電流は第２電極を介して検出制御回路４２を通過するのでここで電流の多寡に応じシール不良を判定、規定値以上で警報発信または、後工程の不良品排除の信号を発信し、被検体一体当りの検査が終了する。
検査終了の被検体は後続の排出ベルトコンベヤ５２に乗り後方に放流される。
【００１３】
図４は、第二実施例の正面図である。
検査機が調整可能な傾斜台６により図示のαだけ傾斜し、即ち輸液面が収納部内で中心線からαだけ傾斜しているため、空隙部が大きくても要検査部δ全部が輸液面下にあるので検査速度言換えると要検査部δの回動速度が過大の場合でも要検査部δ内の液切れなく、シール不良個所の導電性阻害なく、そのため適確な検出が可能となる。
【００１４】
図５は本発明の第三実施例の説明図である。
円筒部３２が要検査部δの外径Ｄより明らかに過大か過小の場合は被検体の回動が円滑を欠くため、ピンホール検査のための簡便に着脱可能な仮設円筒接続具６０を装備した。
図示は円筒部がＤより過大なケースで円筒成形部３２の外端に凸設した仮設円筒接続具を装備した状態を示す。
逆に過小の場合は、外径がＤの仮設の円筒接続具を円筒接続部３２に装着する。これは、図示の６０の外端装着のものより簡便な構造のため、図示を省略する。
【００１５】
【発明の効果】
上記のように、本発明の機構構成は、特に複雑で手の込んだものでなく、直線ガイド板、回動用無端ベルトなどありきたりの機械要素の組み合せでまとめられる。
また、上記の詳細な説明の通り、検査機の処理機能は勿論、前後工程を含めインライン化が簡単にでき、数百個／分級の多量の処理能力がある確実なピンホール検査機を低コストで提供できる。
【００１６】
第二実施例として、気体の含有率に応じて検査機の機体を傾斜させ、要検査部δの液切れを無くし、高速検査時でも導電性阻害を皆無にしているが、
低速度の検査、言換えると回動速度を低速で検査しても処理能力上、問題無い場合は、気体含有率が高くても、要検査部の検査個所を常に最下面にし、回動検査をしているため、機体の傾斜なしで水平下の検査でも問題は少ない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第一実施例の正面図である。制御系統原理図も併示している。
【図２】本発明の第一実施例の側面図である。本発明の検査機と被検体３０の供給５１および、排出ベルトコンベヤ５２との関係、また、被検体３０の回動状態と第２電極２により収納部３１に対する電圧印加の関係の分解図である。
【図３】本発明の第一実施例の俯瞰図である。
【図４】本発明の第二実施例の正面図で、気体による検査阻害をさけるため検査機全体を一定角度傾斜させている説明図である。
【図５】本発明の第三実施例の説明図で、仮設円筒接続具６０を被検体３０の外端部に取り付けた状態の説明図である。
【符号の説明】
１ 第１電極
２ 第２電極
３ ガイド板
４ ガイド板
５ 無端ベルト
６ 傾斜台
２０ アモルファス金属繊維
２１ ホールダ
３０ 被検体
３１ 収納部
３２ 円筒部
４１ 電源
４２ 検出制御回路
５１ 供給ベルトコンベヤ
５２ 排出ベルトコンベヤ
６０ 仮設円筒接続具

Claims (3)

1. 流動性内容物を密封包装する樹脂製の点滴用輸液容器で代表される、容器の収納部３１が長手方向および断面共、角部に十分の丸みをもたせた方形断面か、または、断面が円形か長円形で、前記収納部３１の片側に内容物を収納後に密封シールした円形断面の密封封入口（以下要検査部δという）を有し、また、前記収納部３１の前記要検査部δと反対側を前記要検査部δの外径と限りなく近い径に円筒成形した形状の、収納部３１両側を双方一対の両円筒部で結合した円筒タンデム状の容器（以下被検体３０という）で、前記要検査部δが一回転する間に高電圧を印加してピンホールかまたは、シール不良がある場合当該個所に発生する閃絡電流の多寡により判別、検出する原理のピンホール検査機において、
   前記円筒部３２が回動し、一回転する周長さと、これに若干の余裕ある長さを加えた長手寸法の回動を支持するガイド板３と、
   前記円筒部３２を前記ガイド板３に押し付けながら被検体を回動するための前記ガイド板３と平行で、かつ、ガイド板３とベルトプーリの中心間距離が同一長さの原動機駆動の無端ベルト５と、
   前記要検査部δが、回動し一回転する周長さと、これに若干の余裕ある長さを加えた長手寸法で、かつ、凹断面が長手全体に延在し、一方が開放され、残りの三方が前記要検査部δの外形と一部は接触し、また、非接触部も限りなく近距離で囲繞するに近い形状の凹断面をもった、前記要検査部δが回動するためのガイド板を兼ねた第１電極１と、
   前記収納部３１の外形寸法の大径と短径の両径に対して可撓適合する高さ寸法で機台に束状に固着され、かつ、被検体が前記ガイド板３および第１電極１上を回動する間、前記収納部外表面に電圧を印加するために必要な長手寸法を有するアモルファス金属繊維製第２電極２と、
   前記第１電極１および第２電極２を接続回路で結線接続した、電源４１および前記要検査部δまた、前記収納部外表面に対する両電極による電圧印加をすることにより、若しピンホールまたは、シール不良を検出した場合、当該個所に発生する閃絡電流の多寡により判別し、警報および不良品の排除信号を発信する検出制御回路４２と、
   を備えたことを特徴としたピンホール検査機。
2. 請求項１では、内容物に含まれる気体の含有率と、被検体３０の検査姿勢は特に特定明記していないが比較的少量の気体を含有しており、また、水平の回動搬送状態で前記要検査部δのピンホールまたは、シール不良を検査するものである。
   これに対し内容物の気体含有率が著しく高い場合、前記要検査部δが含有気体の介在により内容物の導電性が損なわれピンホールまたは、シール不良の的確な検出を阻害されるため、被検体３０の搬送方向と直交の軸線を水平軸線から気体含有量に応じた適宜な角度αだけ傾斜させた状態で検査することにより、要検査部δの気体介在を常に避けるように、前記ガイド板３と、前記第１電極１と、前記回動用の無端ベルト５ならびに、前記第２電極２などを、被検体３０の搬送ならびに、検査関連一式を傾斜構成したことを特徴とした、
   請求項１記載のピンホール検査機。
3. 前記要検査部δの外径寸法と対象位置の前記円筒部３２の外径寸法に著しく差異がある場合、前記要検査部δ外径Ｄと同一径を有する、被検体の前記円筒部外径が大きい場合は外端部に凸設し、または、前記円筒部外径が過小の場合は外円周部に、検査時のみ、簡便に着脱取付け可能な仮設円筒接続具６０を備えたことを特徴とした、
   請求項１および請求項２記載のピンホール検査機。

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