JP4504598B2 - 情報処理装置、制御プログラム、画像形成装置及び情報処理システム - Google Patents
情報処理装置、制御プログラム、画像形成装置及び情報処理システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理装置、制御プログラム、画像形成装置及び情報処理システムに係り、特に、携帯電話、携帯情報端末での電子メールの表示、カラープリンター等での印刷時に使用して好適で、表示あるいはプリントする文書の先頭が引用符の行に対して背景色を付加する情報処理装置、制御プログラム、画像形成装置及び情報処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子メールを用いて文書の授受を行う例が増加してきている。一般に、電子メールでの遣り取りが多く行われた文書は、返答文が引用元の文の行間に挿入される形で記述されるため、結果的に全体的に見れば引用元の文と返答文とがあちらこちらの行間で入り乱れる形になることが多い。
【0003】
図2は電子メールにより授受される一般的な文書の例を説明する図である。図2に示す文書は、電子メールでの遣り取りが多数回行われた文書の例であり、返答文が引用元の文の行間に挿入される形で記述されており、結果的に全体的に見れば引用元の文と返答文とがあちらこちらの行間で入り乱れる形となっている。また、通常、電子メールにより授受される文書には、返答の際、引用元の文の各行の先頭に引用符が自動的に付加される。よく使われる引用符としては、例えば、“>”、“|”等のコードがあり、場合によっては、引用符25を読者が設定することができるものもある。図2に示す例では、引用符として、“>”、のコードを使用している。
【0004】
また、再引用の場合、同じ引用符のコードが付加されるか、または、違う引用符のコードが付加される。この場合、引用符は、例えば、“>>”や“|>”等となる。このような引用符の付加によって、電子メールにより授受される文書は、送信者が誰なのか、どういう順番で記述されたのかが判るようにされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、従来から利用されている電子メールで授受される文書は、電子メールでの遣り取りが多くなると、幾つもの引用符が付けられることになるが、引用符が付いていても返答の際に追記された文が入り乱れているために、全体的に見渡しても送信者と記述の順番とが判別しにくく読みづらいため時間がかかるという問題点を生じさせている。
【0006】
また、電子メールで授受される文書は、度重なる再引用を行うと当然電子メールで授受される文書の記述内容が多くなり行数が増加することになる。そして、3,4度以上の引用となると、文書は、引用符のコードが何個も並ぶことになり、各行に渡って同じ引用符のコードが多用されることになって、送信者の区別、順番の区別が付きにくくなってしまう。特に、返答文の挿入位置や有無の要素が入ると、その文書は、更に送信者と順番とが認識しづらくなってしまうという問題を生じる。
【0007】
さらに、電子メールによる文書の記述内容や行数が増えると、利用者にとっては、読むための作業や読む時間が増えることになるため、短い時間で一目で読みたい欲求が出てくる。その場合、解像度にもよるが表示装置のサイズが大きい方が望ましいし、利用者は、文書を用紙に印刷して読みたくなる。
【0008】
また、一般に、電子メールを行う道具はパソコンとは限らず、携帯電話や携帯情報端末も使用されるが、携帯電話や携帯情報端末は、携帯性重視のため表示装置のサイズをかなり小さくする必要がある。従って、携帯電話や携帯情報端末を用いる電子メールの文書は、行当たりの文字数が限られ必然的に行数が増えることになる。また、再引用で引用符が多く付加されると、行当たりの情報量が少なくなり、さらに行数が増えて使い勝手が悪くなる。
【0009】
行数が多い電子メールの文書をそのまま表示した場合、携帯電話や携帯情報端末のように表示装置のサイズが小さくなると、小さくなるほど、一目で電子メールの内容を読み取ることが困難となり、また、印刷する場合でも多くの用紙を必要とするという問題を生じる。
【0010】
また、用紙に印刷して読む場合、一目で電子メールによる文書の内容を視認することができ、読む時間を減少させることができるが、引用符が付いていて再引用の多い文書の場合、丁寧に読まなければ、ある行の送信者が誰でどの順番なのかを判別することができないという問題点が残る。
【0011】
本発明の目的は、前述した従来技術の問題点を解決し、電子メール文書の行の先頭に付く引用符を探索し、引用符があれば、表示または印刷時に、引用符が先頭に付く行全体に背景色を配置し、読む者が行の送信者が誰でどのような順番なのかを容易に判別することを可能にした背景色の付加方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば前記目的は、電子メールにより授受される文書を表示する情報処理装置において、電子メールの返答により文書の先頭に付けられる引用符を探索する引用符探索手段と、前記引用符の種類毎に異なる色が関連付けられるように、前記探索によって検出された引用符と前記引用符が付けられた行に付加すべき背景色とを関連付けて配色テーブルとして記憶領域に保存する配色テーブル保存手段と、前記文書を表示するための情報として前記電子メール文書の文字列を、前記文字列を改行する改行文字を飛ばして画像バッファに記憶させる画像バッファ制御手段と、前記画像バッファに記憶された前記電子メール文書の文字列を表示装置に表示させる表示処理手段とを含み、前記画像バッファ制御手段が、前記引用符が付けられていない行の文字列を前記画像バッファに記憶させる場合、所定の特殊コードの後に前記引用符が付けられていない行を配置し、前記引用符によって挟まれている文字列若しくは前記引用符と前記特殊コードによって挟まれている文字列を、前記配色テーブルにおいて前記文字列の先頭の引用符と関連付けられている背景色と合成して前記画像バッファに記憶し、前記表示処理手段が、前記電子メール文書の文字列の背景色が前記合成された背景色となるように表示させることにより達成される。
また、前記目的は、前記配色テーブル保存手段が、前記電子メールの文書の内容から分析して取得された送信者情報と前記検出された引用符とを関連付けて保存することにより達成される。
また、前記目的は、電子メールにより授受される文書を表示する情報処理装置を制御する制御プログラムにおいて、電子メールの返答により文書の行の先頭に付けられる引用符を探索するステップと、前記引用符の種類毎に異なる色が関連付けられるように、前記探索によって検出された引用符と前記引用符が付けられた行に付加すべき背景色とを関連付けて配色テーブルとして記憶領域に保存するステップと、前記引用符が付けられていない行について、所定の特殊コードの後に前記引用符が付けられていない行の文字列を配置するステップと、前記引用符によって挟まれている文字列若しくは前記引用符と前記特殊コードによって挟まれている文字列を、前記配色テーブルにおいて前記文字列の先頭の引用符と関連付けられている背景色と合成するステップと、前記文書を表示するための情報として前記合成された文字列を、前記文字列を改行する改行文字を飛ばして画像バッファに記憶させるステップと、前記画像バッファに記憶された文字列を、前記電子メール文書の文字列の背景色が前記合成された背景色となるように表示装置に表示させるステップとを前記情報処理装置に実行させることにより達成される。
【0013】
本発明は、前述の構成を備えることにより、読む者が、表示または印刷される文書の背景色の配置で一目で送信者と記述の順番とが判るようになるため、内容を読む前に整理が付き、読む時間を短縮することができる。
【0015】
また、これにより、最少限の表示または印刷のスペースで前述した効果を得ることが可能となり、さらに、引用符が付いている行とそれ以外の他の行との区別も容易に行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による背景色の付加方法の実施形態を図面により詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施形態による背景色の付加方法を実施する情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。図1において、1は表示装置、3は出力装置、4はCPU、5はHDD、6は画像バッファ、7は印刷バッファ、8はプログラム、9はメモリ、10は電子メール、11は補助記憶装置、27は配色テーブル、28は作業用バッファである。
【0023】
図1に示す情報処理システムは、電子メール機能を有するPC等であってよく、表示装置1、出力装置3、CPU4、HDD5、画像バッファ6、印刷バッファ7、プログラム8、メモリ9、電子メール10、補助記憶装置11、配色テーブル27、作業用バッファ28の各機能部を備えて構成される。
【0024】
前述した本発明の実施形態において、電子メール10により授受された文書は、HDD5や補助記憶装置11に収納され、画像バッファ6を通して表示装置1に表示される。また、文書の出力は、HDD5や補助記憶装置11から直接印刷バッファ7に収納されるか、あるいは、画像バッファ6の内容が印刷バッファ7に収納され、出力装置3が印刷バッファ7の内容を用紙に印刷することにより行われる。なお、画像バッファ6の内容の作成には作業用バッファ28が用いられる。文書は、頁、行により構成され、行毎に文字が記述されて、その行の先頭に引用符が付けられる場合がある。
【0025】
図1に示すシステムにおいて、メモリ9には、配色テーブル27が格納され、配色テーブル27は、後述するように、引用符、その引用符が先頭となる行の記載者、送信者情報、行の背景色、代用引用符、背景色表示情報が収められる。また、CPU4は、プログラム9を実行することにより各機能部へコマンドを送出する。
【0026】
前述したように構成される本発明の実施形態は、図2に説明したような電子メールによる文書を表示または印刷する場合に、引用符のある行に対して背景色を配置することにより、読む者が一目で送信者と記述の順番とが判るようにし、読む前に文書全体の整理を可能として読む時間を短縮することができるようにするものであり、次のような処理を実行する。
【0027】
1.配色テーブル27へのデータの設定
1−1.まず、各行の引用符の記述状態と有無とを取得し、
1−2.それぞれの引用符の記述状態に対して順番を定め、
1−3.各行の送信者の情報を、送信者のアドレスも含んで取得し、
1−4.それぞれの引用符の記述状態に対し、送信者との関連を定義し、1−5.ある引用符が先頭に付く行の背景色を、送信者と順番の要素とを考慮して定義する。
【0028】
2.背景色の表示と印刷
2−1.ある引用符が先頭に付く行を背景色とともに画像バッファ6に合成し、
2−2.画像バッファ6の内容を表示装置1の画面に表示したり、印刷バッファ7にコピーして出力装置3から印刷する。
【0029】
図3は配色テーブル27の構成と、このテーブルに記載されるデータについて説明する図であり、以下、これについて説明する。
【0030】
配色テーブル27は、図3に示すように、引用符25、送信者情報31、背景色26、背景色表示情報30、代用引用符29とを1組とするデータを備えて構成されている。そして、この配色テーブル27は、引用符25の順番が基準となっており、引用符25の数+1が配色テーブル27が持つデータ数になる。+1は、引用符なしの場合も1つのデータとしてカウントされるからである。引用符25の記述状態にその引用符25が先頭に付く行の送信者31の情報が関連付けられる。
【0031】
背景色26は、プログラム8により任意に指定されるが、どの色にするかはプログラム8の仕様により決まる。また、後の順番となる引用符25に関するデータの配色テーブル27への設定で、対応する送信者情報31がすでに前の順番で定義されていた場合、プログラム8は送信者情報に関連付けられる背景色26に似通った色を設定対象の引用符の背景色とする。配色テーブル27は、1つのデータの中に、前述以外に代用引用符29と背景色表示情報30と有しているが、これらについては後で説明する。
【0032】
図4は配色テーブル27の具体的な例について説明する図であり、この配色テーブルにおける引用符25と送信者情報31は、図2に示す電子メールの文書の内容から分析して記述している。
【0033】
すなわち、図2に示すメールの文書の各行の先頭から1文字ずつコードを分析して、それが引用符25のコードであるか否かをチェックし、引用符25の記述状態を取得する。これにより、図4に示す配色テーブル27の引用符25の列には、取得した引用符が並べられる。図示例では、引用符として、“なし”、“>”、“>>”、“>>>”が並べられているが、図2に示す文書の例から判るように、配色テーブルの引用符の列には、さらに、“>>>>”、“>>>>>”の引用符も並べられる。
【0034】
また、送信者情報31の列には、各行を分析して取得した送信者の情報(記述者の情報)が並べられている。情報は、名前であったりアドレスであったりする。図4に示す例では、引用符“なし”、“>”、“>>”、“>>>”の夫々に対応する送信者情報31として、順に、「日比谷」、「銀座」、「千代田」、「銀座」が並べられている。さらに、背景色26の列には、前述で説明したように、プログラム8により定められた色が設定される。
【0035】
前述したようにして、配色テーブル27のデータの設定が完了すると、次に、定義された背景色を付与して電子メールの文書を表示しあるいは印刷する。すなわち、電子メールの文書の内容の各行の先頭に付く引用符25の記述状態をチェックして、配色テーブル27の情報と照らし合わせて、引用符25の記述状態と関連付けられた背景色を表示しあるいは印刷する。
【0036】
図5は前述した背景色を配置する処理を行って表示あるいは印刷した電子メール文書の例を示す図である。この図5に示す例は、前述した処理(請求項1に対応)により、引用符コード“>>”、“>>>>”、“>>>>>”が付けられた行のそれぞれに、異なる色の背景色が配置され、たの部分には背景色が配置されないものとなり、読む者が一目で送信者と記述の順番とが判り、読む前に文書全体の整理が可能となり読む時間を短縮することができるものとなる。なお、図5に示している例では、色の差異が不明確となっているが、背景色は前述したように配置される。
【0037】
ところで、行数が多い電子メールの文書をそのまま表示した場合、携帯電話や携帯情報端末のように表示装置のサイズが小さくなると、小さくなるほど、一目で電子メールの内容を読み取ることが困難となるため、前述したような背景色を付与しただけでは、十分に読み易くなるとは言えず、また、印刷する場合にも用紙を多必要とすることになる。
【0038】
前述したような点を解決するために、本発明の実施形態は、電子メール文書の各行を改行することなく文書を詰め込んで表示あるいは印刷し、前述した場合と同様に、引用符25の後に続く文字列に背景色を配置するようにすることもできる。このための処理は、文書の行の文字列を画像バッファ6にコピーする際に、各行の最後に必ず付いている改行文字を飛ばしてコピーし、次の行の文字列を順に画像バッファに詰め込んでいくように行われる。
【0039】
図6は各行を改行することなく文書を詰め込んで表示あるいは印刷した電子メール文書の例を示す図である。この図6から判るように、各行を改行せず文書に詰め込みで記述し、図6には示していないが、前述したように、引用符の後に続く文字列に背景色を配置した場合、最少限のスペースで一目で送信者と記述の順番が判るようにすることができる。
【0040】
電子メール文書は、図2、図5に示した例からも判るように、引用符が付けられている行の後に、引用符が付けられていない行が続く場合がある。このような場合に、前述したように、電子メール文書の各行を改行することなく文書を詰め込んで表示あるいは印刷し、引用符25の後に続く文字列に背景色を配置するようにすると、引用符25が付いている行と、これに続く他の行との区別ができなくなり、他の行にも背景色が表示されてしまうという問題を生じる。なお、図6に示す例では、背景色の配置状態については示していない。
【0041】
本発明の実施形態は、前述したような問題を解決するため、引用符25が付いていない行の文字列を画像バッファ6にコピーする前に、画像バッファ6に特殊コードを配置してから引用符25が付いていない行の文字列を画像バッファ6にコピーする。そして、後で背景色の表示または印刷を行う際、特殊コードが検出されれば、それに対応する別の行、すなわち、引用符が付いていなかった行に背景色を配置しないように制御する。
【0042】
図7は前述の引用符25が付いていない行の文字列を画像バッファ6にコピーする前に、画像バッファ6に特殊コードを配置してコピーし、その後に背景色の表示または印刷を行った電子メール文書の例を示す図であり、請求項2、4による処理を行った場合の例である。
【0043】
この例によれば、引用符が付けられていなかった行、例えば、最新の記述の行には背景色が表示されることがなく、また、引用符25が付けられた行には引用符のコードがそのまま記述されているので、その行には、配色テーブル27に沿った図5により説明した場合と同様な背景色を配置して表示、印刷することができ、行を詰めた場合にも、読む者が一目で送信者と記述の順番とが判り、読む前に文書全体の整理が可能となり読む時間を短縮することができると共に、小さい表示装置の場合にも、多くの文を表示させることが可能となる。
【0044】
ところで、図7に示したような電子メール文書の例において、特定の送信者の記述だけを見たいという要求がある。例えば、「銀座」氏の記述だけを見たいという要求がある場合、「銀座」氏の部分について、例えば、黄色系の背景色を配置することとすれば、読む者は、一目で黄色系の背景色のある行だけを判別することができ、この行を見れば、「銀座」氏の記述だけを素早く読むことが可能になる。この場合、全ての行に渡って背景色を配置して表示または印刷する必要性はないし、背景色が多いと見づらくなって探索の邪魔になる恐れがある。
【0045】
そこで、本発明の実施形態は、特定の送信者を選択し、選択された送信者が記載した行全体に背景色を配置して表示または印刷するようにすることができる。このため、本発明の実施形態は、図3に示す配色テーブル27に背景色表示情報30を用意している。特定の送信者31が選択された場合、プログラム8は、配色テーブル27の送信者情報31を検索して、同一の送信者を見つけた場合、背景色表示情報30の値を「有り」にする。この場合、プログラム8の仕様によって、排他的に他の送信者の背景色表示情報の値を「無し」にするようにしてもよい。この場合、プログラム8は、背景色表示情報30の「有り」を受けて背景色を付け、逆に、「無し」を受けて背景色を付けないように処理を行う。
【0046】
図8は特定の送信者の記述だけに背景色を配置して表示あるいは印刷した電子メール文書の例を示す図であり、請求項5による処理を行った場合の例である。この例は、引用符コード“>”、“>>>”を持つ「銀座」氏の記述の部分のみに背景色を配置し、他には背景色を配置していない。このような表示または印刷により、読む者は、希望する特定の送信者、この場合、「銀座」氏の記述のみを容易に判別して素早く読むことができる。
【0047】
前述までに説明した例は、引用符25をそのまま残した状態で、引用符に従った、あるいは、特定の送信者の記述に背景色を配置して表示または印刷するものであった。しかし、電子メール文書において、再引用の度に引用符コードが付けられると、引用符コードが3文字以上になる場合が有り、表示部分が小さい携帯電話や携帯情報端末用での電子メール文書の表示は、行当たりの文字数が限られており、3文字以上の引用符コードが入ると行当たりの情報量が減少し、行数が増えるため機能性が落ちるという問題点を生じる。
【0048】
本発明の実施形態は、前述の問題点を解決するために、電子メールの返答で文書の行の先頭に付く引用符コードが3文字以上の場合に、その引用符コードを2文字分に収まるように、予め設定された代用引用符コードに置き換えるようにすることができる。このため、本発明の実施形態は、図3に示す配色テーブル27に代用引用符29の欄を用意している。図3に示す配色テーブル27では、3番目の引用符25の行からは自動的に代用引用符29が付加されるように設定されている。
【0049】
代用引用符29は、半角文字と“>”を合わせた2バイト分であり、半角文字は、英数大小文字が割り当てられる。システムで代用引用符29の使用が設定された場合、プログラム8は、引用符25コードが3文字以上である場合、その引用符コードを配色テーブル27に設定された代用引用符(29)に置き換える。例えば、引用符“>>>”は代用引用符“A>”に、引用符“>>>>”は代用引用符“B>”に置き換えられる。
【0050】
図9は行の先頭に付く引用符コード2文字分に収まるような代用引用符コードに置き換えた電子メール文書の例を示す図であり、請求項6による処理を行った例である。このように、行の先頭に付く引用符コード2文字分に収まるような代用引用符コードに置き換えて表示または印刷を行うことにより、表示部分が小さい携帯電話や携帯情報端末での電子メール文書の表示の場合にも、行当たりの文字数を減らすことなく表示を行うことができる。
【0051】
図10は前述までに説明した本発明の実施形態での表示、印刷までの全体の処理動作を説明するローチャートであり、以下、これについて説明する。なお、ここでの処理は、プログラム8が電子メール内の機能、または、オプションとして提供され、電子メール処理の起動が手動による実行ボタンにより、あるいは、自動ジョブにより自動的に起動されるものとする。また、電子メールで交わされる文書の内容は、実際A4サイズ換算で1、2頁に過ぎないが、ここでは通常の文書の場合と同様の制御を行うものとする。
【0052】
(1)まず、頁数の初期値を“0”に設定し、電子メールの文書が複数頁ある場合、頁数が最大数に達するか、EOFコードが検出されるまでループの制御を行うため、文書のページ数がMAXであるか、EOFコードがあるかを判定する(ステップS10、S11)。
【0053】
(2)ステップS11の判定で、頁数が最大数に達していないか、または、EOFコードが検出されない場合、頁単位の処理で改頁コードが検出されるまでループの制御を行うため、改頁コードが検出されたか否かを判定する。改頁コードが検出された場合、ページ数に1を加えて、ステップS11からの処理に戻って、その後の処理を繰り返して続ける(ステップS12、S15)。
【0054】
(3)ステップS12の判定で、改頁コードが検出されなかった場合、その詳細を後述する配色テーブルの作成の処理と、背景色の設定、合成の処理とを行って、ステップS12からの処理に戻って、その後の処理を繰り返して続ける(ステップS13、S14)。
【0055】
(4)ステップS11の判定で、頁数が最大数に達したか、または、EOFコードが検出された場合、全てのページに対する背景色の設定、合成の処理を終了したことになるので、その詳細を後述する電子メール文書の画面表示、印刷を行って処理を終了する(ステップS16)。
【0056】
図11は前述したステップ13における配色テーブル27の作成の処理動作を説明するフローチャートであり、以下、これについて説明する。
【0057】
(1)まず、改行コードが検出されるか、強制終了のフラグが出されるまでループの制御を行うため、改行コードが検出されたか、強制終了のフラグが出されたかを判定する(ステップS20)。
【0058】
(2)ステップS20の判定で、改行コードが未検出であり、強制終了のフラグが出されていなかった場合、まず、行の先頭からコードを1個ずつ取得し、取得したコードが文字コードであるか否かをチェックし、文字コードでなかった場合、ループ強制終了のフラグを立てて、ステップ20からの処理に戻って、その後の処理を繰り返して続ける(ステップS21、S22、S28)。
【0059】
(3)ステップS22のチェックで、取得したコードが文字コードであった場合、取得したコードが引用符コードであるか否かをチェックし、引用符コードでなかった場合、ループ強制終了のフラグを立てて、ステップ20からの処理に戻って、その後の処理を繰り返して続ける。引用符のコードとは、例えば、前述でも説明したように、“>”、“|”等のコードである。但し、電子メールにより定義されている引用符コードが別にあれば、そのコードである(ステップS23、S28)。
【0060】
(4)ステップS23のチェックで、取得したコードが引用符コードであった場合、その引用符コードを作業用バッファ28へ格納し、その後、引用符コードの検出数のカウントをインクリメントする。当然、検出数のカウントの初期値は0である。引用符コードの検出数のカウントをチェックし、検出数が1個以下であった場合、何もせずに、ステップ20からの処理に戻って、その後の処理を繰り返して続ける(ステップS24〜S26)。
【0061】
(5)ステップS26のチェックで、引用符コードの検出数が2個以上であった場合、作業用バッファ28へ格納した引用符コードを、以前に格納した引用符コードに結合させる。例えば、格納した引用符“>”を以前格納した引用符“>”に結合すると、その引用符は“>>”となる。また、引用符コードが連続して検出された場合、検出数分結合する形になる。その後、ステップ20からの処理に戻って、その後の処理を繰り返して続ける(ステップS27)。
【0062】
(6)ステップ20の判定で、改行コードが検出されたか、あるいは、強制終了のフラグが検出された場合、引用符コードの検出数のカウントをチェックし、引用符コードの検出数が0であった場合、何もせずにステップS13の出口へ移動して、図10に示す次の処理に移行する(ステップS29)。
【0063】
(7)ステップS29のチェックで、引用符コードの検出数が1以上であった場合、ステップS27の処理で、結合して作業用バッファ28へ格納した引用符が配色テーブル27に格納されているか否かをチェックする。このチェックで、配色テーブル27に格納されていなければ、フラグA=0を立てて、ステップS13の出口へ移動して、図10に示す次の処理に移行する(ステップS30、S34)。
【0064】
(8)ステップS30のチェックで、結合して作業用バッファ28へ格納した引用符が配色テーブル27に格納されていなかった場合、作業用バッファ28にある引用符25を配色テーブル27に格納する(ステップS31)。
【0065】
(9)次に、送信者情報31を探索し、あればこれを取得して、フラグA=1を立てる。もし、送信者情報31が取得できなかった場合、送信者を不特定者扱いにする(ステップS32、S33)。
【0066】
(10)次に、ステップS32で取得した送信者情報31が配色テーブル27に格納されているかをチェックし、このチェックで、取得した送信者情報31が配色テーブル27に格納されていば、フラグB=0を立てて、ステップS13の出口へ移動して、図10に示す次の処理に移行する(ステップS35、S38)。(11)ステップS35のチェックで、取得した送信者情報31が配色テーブル27に格納されていなかった場合、ステップS32で取得した送信者情報31を、配色テーブル27に格納し、フラグB=1を立てて、ステップS13の出口へ移動して、図10に示す次の処理に移行する(ステップS36、S37)。
【0067】
図12は前述した図10のフローにおけるステップ14の背景色の設定、合成の処理動作を説明するフローチャートであり、以下、これについて説明する。背景色の設定の処理では、配色テーブル27に格納する背景色26をどの色で設定するかを決めるために、図11で説明したフローの中で設定されたフラグAとフラグBとが用いられる。
【0068】
(1)処理が開始されると、まず、フラグAの値をチェックする。フラグA=0は、引用符25が配色テーブル27に格納済みであることを意味し、フラグA=1は、引用符25が配色テーブル27に未格納であることを意味する(ステップS40)。
【0069】
(2)ステップS40のチェックで、フラグAの値が1であった場合、フラグBの値をチェックする。フラグB=0は、送信者情報31が配色テーブル27に格納済みであることを意味し、フラグB=1は、送信者情報31が配色テーブル27に未格納であることを意味する(ステップS41)。
【0070】
(3)ステップS41のチェックで、フラグBの値が1であった場合、使用されていない背景色26を配色テーブル27に設定し、また、フラグBの値が0であった場合、最近設定された背景色26に近似の色を、背景色26として配色テーブル27に設定する。これらの処理において、配色テーブル27への背景色26の設定は、チェック対象となる引用符25に関連付けられた位置に設定すべきである(ステップS42、S43)。
【0071】
(4)ステップS42、またはS43の処理後、あるいは、ステップS40のチェックで、フラグAの値が0であった場合、背景色26を行の文字列に合成する処理に移り、引用符25に関連付けした背景色26を配色テーブル27から取得する(ステップS44)。
【0072】
(5)次に、引用符25から始まる行の文字列を画像バッファ6にコピーするが、その段階で代用引用符29を使用するか否かをどうかチェックする。代用引用符29をを使用する場合、引用符25を配色テーブル27に格納されている代用引用符29に置き換える(ステップS45、S47)。
【0073】
(6)ステップS47の処理後、または、ステップS45のチェックで、代用引用符29を使用しないとされた場合、引用符25から始まる行の文字列23を画像バッファ6にコピーする(ステップS46)。
【0074】
(7)次に、画像バッファ6の中で引用符25から始まる行の文字列に背景色26を合成するが、その段階で、配色テーブル27に格納されている背景色表示情報30の値と照らし合わせて、背景色26を合成するか否かをチェックする。もし、背景色26を合成しないのであれば、何もせずに、ステップS14の出口へ移動して、図10に示す次の処理に移行する(ステップS48)。
【0075】
(8)ステップS48のチェックで、引用符25から始まる行の文字列に背景色26を合成するとされていてた場合、画像バッファ6の中で引用符25から始まる行の文字列に背景色26を合成し、ステップS14の出口へ移動して、図10に示す次の処理に移行する(ステップS49)。
【0076】
図13は前述した図10のフローにおけるステップ16の画面表示、印刷の処理動作を説明するフローチャートであり、以下、これについて説明する。
【0077】
(1)処理が開始されると、まず、画面表示を行うか否かを問い、画面表示を行わないのであれば、何もせずにステップS16の出口に移動し、図10での処理を終了する(ステップS50)。
【0078】
(2)ステップS50の問いで、画面表示を行うとされた場合、画面バッファ6の内容を表示装置1に表示する。次に、印刷を行うか否かを問い、印刷を行わないのであれば、何もせずにステップS16の出口に移動し、図10での処理を終了する(ステップS51、S52)。
【0079】
(3)ステップS52の問いで、印刷を行うとされた場合、画像バッファ6の内容を印刷バッファ7にコピーし、印刷バッファ7の内容を出力装置3に出力して印刷させ、その後、ステップS16の出口に移動し、図10での処理を終了する(ステップS53、S54)。
【0080】
前述した本発明の実施形態による処理は、コンピュータプログラムとして構成して提供することができ、また、それらの処理プログラムは、FD、CDROM、MO、DVDROM等の記録媒体に格納して提供することができる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電子メールの文書の内容の各行の先頭に付く引用符の記述状態に基づいて、その行に、引用符の記述状態と関連付けられた背景色を配置することとしているので、読む者が一目で送信者と記述の順番とを判別して、読む前に文書全体の整理が可能となるので、読む時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による背景色の付加方法を実施する情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。
【図2】電子メールにより授受される一般的な文書の例を説明する図である。
【図3】配色テーブルの構成とこのテーブルに記載されるデータについて説明する図である。
【図4】配色テーブルの具体的な例について説明する図である。
【図5】前述した背景色を配置する処理を行って表示あるいは印刷した電子メール文書の例を示す図である。
【図6】各行を改行することなく文書を詰め込んで表示あるいは印刷した電子メール文書の例を示す図である。
【図7】前述の引用符付いていない行の文字列を画像バッファにコピーする前に、画像バッファに特殊コードを配置してコピーし、その後に背景色の表示または印刷を行った電子メール文書の例を示す図である。
【図8】特定の送信者の記述だけに背景色を配置して表示あるいは印刷した電子メール文書の例を示す図である。
【図9】行の先頭に付く引用符コード2文字分に収まるような代用引用符コードに置き換えた電子メール文書の例を示す図である。
【図10】前述までに説明した本発明の実施形態での表示、印刷までの全体の処理動作を説明するローチャートである。
【図11】図10のフローにおけるステップ13の配色テーブルの作成の処理動作を説明するフローチャートである。
【図12】図10のフローにおけるステップ14の背景色の設定、合成の処理動作を説明するフローチャートである。
【図13】図10のフローにおけるステップ16の画面表示、印刷の処理動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 表示装置
3 出力装置
4 CPU
5 HDD
6 画像バッファ
7 印刷バッファ
8 プログラム
9 メモリ
10 電子メール
11 補助記憶装置
25 引用符
26 背景色
27 配色テーブル
28 作業用バッファ
29 代用引用符
30 背景色表示情報
31 送信者情報
Claims (3)
- 電子メールにより授受される文書を表示する情報処理装置であって、
電子メールの返答により文書の行の先頭に付けられる引用符を探索する引用符探索手段と、
前記引用符の種類毎に異なる色が関連付けられるように、前記探索によって検出された引用符と前記引用符が付けられた行に付加すべき背景色とを関連付けて配色テーブルとして記憶領域に保存する配色テーブル保存手段と、
前記文書を表示するための情報として、前記電子メール文書の文字列を、前記文字列を改行する改行文字を飛ばして画像バッファに記憶させる画像バッファ制御手段と、
前記画像バッファに記憶された前記電子メール文書の文字列を表示装置に表示させる表示処理手段とを含み、
前記画像バッファ制御手段は、
前記引用符が付けられていない行の文字列を前記画像バッファに記憶させる場合、所定の特殊コードの後に前記引用符が付けられていない行を配置し、
前記引用符によって挟まれている文字列若しくは前記引用符と前記特殊コードによって挟まれている文字列を、前記配色テーブルにおいて前記文字列の先頭の引用符と関連付けられている背景色と合成して前記画像バッファに記憶し、
前記表示処理手段は、前記電子メール文書の文字列の背景色が前記合成された背景色となるように表示させることを特徴とする情報処理装置。 - 前記配色テーブル保存手段は、前記電子メールの文書の内容から分析して取得された送信者情報と前記検出された引用符とを関連付けて保存することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
- 電子メールにより授受される文書を表示する情報処理装置を制御する制御プログラムであって、
電子メールの返答により文書の行の先頭に付けられる引用符を探索するステップと、
前記引用符の種類毎に異なる色が関連付けられるように、前記探索によって検出された引用符と前記引用符が付けられた行に付加すべき背景色とを関連付けて配色テーブルとして記憶領域に保存するステップと、
前記引用符が付けられていない行について、所定の特殊コードの後に前記引用符が付けられていない行の文字列を配置するステップと、
前記引用符によって挟まれている文字列若しくは前記引用符と前記特殊コードによって挟まれている文字列を、前記配色テーブルにおいて前記文字列の先頭の引用符と関連付けられている背景色と合成するステップと、
前記文書を表示するための情報として前記合成された文字列を、前記文字列を改行する改行文字を飛ばして画像バッファに記憶させるステップと、
前記画像バッファに記憶された文字列を、前記電子メール文書の文字列の背景色が前記合成された背景色となるように表示装置に表示させるステップとを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
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