JP4502432B2 - パチンコ玉計数検出器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ玉の通過数(消費数)を検出する検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ台においては、パチンコ玉の通過数を色々な部分で計数し、営業上や不正防止など、経営上の基本的な管理データを得る必要がある。パチンコ玉の通過数を検出する検出器として、本願出願人の先願に係る特願平8−251218号:「パチンコ玉計数検出器」などの高周波式近接センサを用いるものでは、玉をセンサ用の検出コイルの中を通過させ、精度良く玉の通過方向、即ち正逆の通過方向を検出し、正逆方向に応じて通過数を加算・減算するように構成したものや、玉の通路に外部より光が入らない機構を設け、その機構内に光電センサを配置し、光学的に玉の通過数を検出するように構成したものがある。
【0003】
しかしながら、後者の光電センサを用いた検出器では、外乱光による誤差は防げるが、パチンコ玉の独特な振動や玉自体の光沢による反射光によって、誤差がよく発生し、精度の良いデータを得ることができない欠点がある。また、パチンコ店内には多種多量の光が用いられているため、パチンコ台の表面部に入射する光が多く、その光を遮蔽する機構を表面部に設けることはデザイン上不可能である。更に、光電センサを用いた検出器では、光電センサに設ける玉通路は玉の直径より1〜2mmしか大きなものでないと玉を検出することが技術的に不可能であり、パチンコ台の表面部における玉通路が広範囲で長い検出距離を要するところには利用できない欠点がある。
【0004】
一方、前者の高周波式近接センサを用いた検出器では、検出距離は玉の大きさが直径11mmと小さいため、長い検出距離を確保できず、玉通路を部分的に非常に狭くした箇所にしか設置することができない。これについてもう少し詳しく説明すると、高周波式近接センサは、一般的に次の特質を有している。
a)検出コイル径より検出物が大きい場合は、検出コイル(コアを含む)の直径に比例して長い検出距離を確保できる。
b)検出コイル径より検出物が小さい場合は、検出コイル(コアを含む)に占める検出物の大きさに比例して長い検出距離を確保できる。
【0005】
これらの特質a,bにより、検出コイルには検出物の大きさに応じた最適な径が要求される。
従来は、例えば図15及び図16に示すように、玉ガイド板51,52で形成されたパチンコ玉70の玉通路50に沿って2個の検出器80,81が近接して設置される。パチンコ台では、パチンコ玉70の移動をスムーズにさせるために、玉ガイド板51,52間の距離、2枚のガラス板61,62のうちのガラス板62とゲージ面65との間の距離をパチンコ玉70の径よりも十分大きくし、玉通路50を広くしてある。このため、パチンコ玉70が玉通路50のどこを通過しても確実に検出する必要がある。
【0006】
しかしながら、従来は、検出器80,81の検出面(コアとコイルで構成される検出部の端面)80A,80Bは、玉通路50の幅に相当する直径を持つ円形であるため、その検出面80A(80B)に対して小さなパチンコ玉70が占める面積は非常に小さく、長い検出距離を全然確保できない欠点がある。また、2個の検出器80,81を極めて高精度に一定間隔を置いて設置する必要があるが、近接配置すると高周波発振を用いるために相互干渉を起こし、検出そのものができなかったり、2個の検出器80,81を精度良く設置することができなかったりする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
パチンコ台の玉の発射数の計数において、発射された玉はパチンコ台の表面部を通過し、ゲージ内に入りゲームに利用されるものと、一定の速さがないときにゲージ途中より返却され、ゲームに利用されないものとがある。そのため、玉の計数を精度良く行うには、次のような色々な問題を解決しなければならない。
▲1▼発射された玉と返却された玉を精度良く計数し、加算・減算処理を行い、プレーヤの消費した玉数を真に知る必要がある。このためには、玉の速さに応じた非常に精度の良い2つの検出信号を正確な間隔を置いて出力しないと、加算・減算の判別ができないという問題がある。
▲2▼パチンコ台の玉発射部の玉通路幅は玉の直径の約2.3倍の25mm前後(ゲージ表面とガラス板面までの距離)あり、しかも検出距離は玉の直径の約1.5倍の16mm前後(玉の通過ガイド幅)もあるため、非常に広範囲で高感度の検出器である必要がある。
▲3▼高周波式近接センサを用いた検出器は、光電センサを用いた検出器に対して精度、信頼性などで非常に優れた面が多いが、使用部品などが多く、特に高感度な検出器には大変高価なフェライトコアなどを使用する必要がある。しかし、パチンコ台メーカの競合が激しく、しかも社会経済の状況から低コスト化が要求されている。また、2個の検出器を用いる場合、1個の場合に比べて工数や工賃が2倍になるだけでなく、組立後の特性検査にもコストが非常に掛かる。その上、各検出器には異なる周波数を印加するため、発振回路などに2種類の発注管理や在庫管理などの問題が多い。
▲4▼高周波式近接センサを用いた検出器は、色々な優れた特徴を発揮するが、2個の検出器を近接して配置すると、本質的な高周波相互干渉が発生し、玉の検出を不可能にしたり、或いは検出物が無いにもかかわらず検出信号を出力したりする問題点がある。
▲5▼高周波式近接センサを用いてパチンコ玉を計数するには、玉の進行方向を知ることにより加算・減算を行うことが必要となる。そのためには、2個の検出器を用いて、理想的には電気角90°の位相差の検出信号を出力させなければならない。これは、前記先願発明でも記載されているが、玉の直径が11mmの場合、電気角90°に相当する長さは11/4=2.75mmとなる。しかし、高周波式近接センサの本質的特性から、検出距離は検出コイルの直径におよそ比例するため、2.75mmの数倍の直径の検出コイルを要する。このことは、即ち2個の検出コイルは電気角90°の数倍の位置にしか設けることができず、出力信号も同様であることを意味する。従って、そのままの信号では加算・減算の判別ができないこととなる。
【0008】
つまり、検出コイルは玉の大きさに比べて非常に大きいため、2個の検出コイルからの検出信号はそのままでは電気角90°は元より、180°以上、即ち完全に分離された信号しか得ることができない結果、玉の通過方向を正確に判別できず、従って玉数の加減算の判別をすることができない。
従って、本発明は、そのような問題点に着目してなされたもので、パチンコ玉の計数を広範囲且つ高感度で精度良く行うことができるパチンコ玉計数検出器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1記載のパチンコ玉計数検出器は、1個のケースと、このケース内に配置され、パチンコ玉の通過方向に一定間隔を置いて形成されるとともに、パチンコ玉の通過方向の寸法よりもパチンコ玉の通過方向に直角方向の寸法が長い形状である2つの突出部を有するコアと、このコアの突出部と同形状の空洞部を有し、前記コアの突出部にそれぞれ空洞部が装着されることで、前記コアにパチンコ玉の通過方向に一定間隔を置いて設けられた2個の検出コイルとを備え、パチンコ玉の通過速さに応じたパルス間隔を置いて検出信号を出力するようにしたことを特徴とする。
【0010】
この検出器では、1個のケース内に配置され、パチンコ玉の通過方向に一定間隔を置いて形成されるとともに、パチンコ玉の通過方向の寸法よりもパチンコ玉の通過方向に直角方向の寸法が長い形状である2つの突出部を有するコアと、このコアの突出部と同形状の空洞部を有し、前記コアの突出部にそれぞれ空洞部が装着されることで、前記コアにパチンコ玉の通過方向に一定間隔を置いて設けられた2個の検出コイルとを備え、パチンコ玉の通過速さに応じたパルス間隔を置いて検出信号を出力するようにしているので、2個の検出器を個別に精度良く設置したり管理する必要がなく、信頼性の高い高精度なパチンコ玉の計数を行うことができる。
また、1個のコアに2個の突出部を設けて、パチンコ玉の通過方向に一定間隔を置いて2個の検出コイルを配置できるので、パチンコ玉の計数をより精度良く行うことが出来る。また、コア(特にフェライトコア)が1個でよいため、部品コスト及び組立工数を低減でき、高信頼性・高精度の検出器を安価に提供できる。
【0011】
また、コアの突出部が、パチンコ玉の通過方向の寸法よりもパチンコ玉の通過方向に直角方向の寸法が長い形状であり、このコアの突出部を突出部と同形状の空洞部に挿入することにより同形状の検出コイルが装着されているので、検出の信頼度が高く、安定した検出が可能となる。
【0012】
更に、2個の検出コイルを設ける場合、電磁波は最短の磁路を通るという特質を利用し、2個の検出コイル間に相互干渉を防止するための磁気遮蔽部を設けること(請求項2)により、2個の検出コイルの周波数の相互干渉を防止できる。
更に又、2個の検出コイルを設ける場合、2個の検出コイルの出力周波数を、相互干渉をしない程度に差のある異なる周波数とすること(請求項3)により、高周波発振方式の検出器において起こり得る相互干渉を可能な限り防ぐことができる。勿論、上記磁気遮蔽部と併用すれば、相互干渉の防止効果が一層高まる。
【0013】
一方、2個の検出コイルを設ける場合、2個の検出コイルの出力信号を一定時間オフディレイし、パチンコ玉が一定範囲の速さで玉通路の検出箇所を通過するときに、論理処理によりパチンコ玉の通過方向が判断できるように出力信号を重ねること(請求項4)により、パチンコ玉の正逆の通過方向を正確に検出し、玉数の加算・減算をより精度良く行うことができる。
【0014】
即ち、2個の検出コイルの検出信号を一定時間長く遅延させて出力させることにより、パチンコ玉の或る一定範囲の速さ(玉が玉通路の検出箇所を通ってゲージ内に入る速さから、検出箇所には達するがゲージ内に入らずに返却される速さまでの範囲の速さ)において加減算判別を正確に行えるようになる。
なお、本発明において、コアに設ける突出部は、パチンコ玉の通過方向の寸法よりもパチンコ玉の通過方向に直角方向の寸法が長い形状であるが、具体的な形状としては、長円形(楕円形)、長方形などがある。また、2つの突出部間に設ける磁気遮蔽部もコアに一体に設けるのが好ましい。コアの材質としては、フェライト、パーマロイが挙げられるが、渦電流による高周波損失が少ないことや加工性に富むことなどを考慮すると、フェライトが最適である。勿論、コアに装着する検出コイル及びその空胴部の形状も、コアの突出部の形状と同形状である。但し、ここでいう“同形状”とは、全く同じ形状だけでなく、ほぼ同様の似た形状をも含む。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
一実施形態に係るパチンコ玉計数検出器を玉通路に隣接して設置した状態での縦断面図を図1に、その正面図を図2に、横断面図を図3に示す。この検出器は、樹脂製のケース1と、ケース1内に配置されたフェライトからなる1個のコア2と、コア2に装着された2個の検出コイル10A,10Bとを備える。ケース1内には、コア2や検出コイル10A,10Bの他に、各種電子部品7が実装されたプリント基板8が配置され、検出コイル10A,10Bのコイル12がプリント基板8に電気的に接続されると共に、プリント基板8からの電気信号がリード線9を通じて検出器外部に導出される。また、ケース1は着脱可能なカバー1aを有する。
【0016】
検出器が設置される玉通路50は、一定間隔を置いて対向配置された玉ガイド板51,52により形成され、この玉通路50を発射部から発射されたパチンコ玉70が通過する。但し、パチンコ玉70の通過方向は、図中の矢印方向が正方向(加算方向)である。検出器の一方側はパチンコ台のゲージ面65になっており、このゲージ面65に平行に2枚の透明なガラス板61,62が一定間隔を置いて配置されている。検出器及び玉ガイド板51,52は、ゲージ面65とガラス板62との間の空間に設けられている。
【0017】
コア2及び検出コイル10A,10Bは、図4に示すような形態である。コア2の基部はここでは長円形を呈し、その長軸方向がパチンコ玉の通過方向に向くように形成されている。このコア2は、パチンコ玉の通過方向に一定間隔を置いて設けられた2つの突出部2a,2bを有する。突出部2a,2bは、それぞれパチンコ玉の通過方向の寸法よりもパチンコ玉の通過方向に直角方向の寸法が長い形状(長円形)である。なお、突出部2a,2bを除くコア2の基部は長円形である必要はなく、円形、正方形など他の形状でもよい。
【0018】
検出コイル10A,10Bは、突出部2a,2bと同様に長円形であり、ボビン11と、ボビン11に巻回されたコイル12とからなる。ボビン11はコア2の突出部2a,2bと同形状の空胴部11aを有し、検出コイル10A,10Bは、空胴部11aにコア2の突出部2a,2bを挿入してコア2に装着される。これにより、1つのコア2の突出部2a,2bにそれぞれ検出コイル10A,10Bが位置決めされ、2つの検出部A,Bが構成される。
【0019】
ここに、検出コイルの選択度を高めるなどして各検出コイル10A,10Bごとに別々のコアを用いてもよいが、特にフェライトコアは検出器のコストの大部分を占める高価なものであるため、2個の検出コイル10A,10Bを1個のフェライトコアに一体に設ける方が好ましい。これは、検出コイル10A,10B間の距離を精度良く一定に保ち、出力信号間隔を一定にすると共に、幾ら周波数をずらしても避けることのできない相互干渉による検出感度変化が一定になるように、各検出部A,Bの干渉を予め考慮して検出感度を設定するためである。これにより、2個の検出器を個別に設置する場合、仕様書でいくら詳細に指定しても、検出器が乱雑に取付けられたり、誤った取付ピッチで取付けられたりする誤用などは完全に防ぐことができる。
【0020】
前記したように、この検出器における検出部A,Bは、玉通路50を全面的にカバーできるように長円形を成している。この場合、コア2の突出部2a,2bの玉通過方向の幅(短軸方向の長さ)は玉の直径の約50%を占める寸法にしてあり、検出コイル10A,10Bの同方向の幅は玉の直径にほぼ等しい寸法になっている。従って、玉通路50の幅が約25mmとしても、検出部A,Bの検出面(端面)に対するパチンコ玉の面はおよそ次のようになる。
【0021】
図5に示す検出部A(B)の検出面(端面)において、長軸方向の寸法a=25mm、短軸方向の寸法b=11mm、左右の円弧部分の半径r=5.5mm、円弧部分を除く部分の寸法d=14mmとすると、検出面の表面積は、
{π(112 )/4}+(11×14)≒95+154=249mm2
となり、パチンコ玉の表面積(円面積)は、
π(112 )/4≒95mm2
であるため、検出部の検出面に対するパチンコ玉の面は、
95÷249≒0.38
となり、約38%を占める。これに対して、前記図16に示すような検出面80A(80B)が円形の場合、その直径が25mmとすると、検出面に対するパチンコ玉の面は、
{π(112 )/4}÷{π(252 )/4}≒95÷490≒0.2
となり、およそ20%しか占めない。
【0022】
つまり、この実施形態の検出器における長円形の検出面は、従来の円形の検出面に比べて割合が約2倍となるため、パチンコ玉を広範囲にわたって安定して検出することができる。
これは、上記1つのコア2に2個の検出コイル10A,10Bを設ける場合だけでなく、1つのコアに1個の検出コイルを設ける場合も全く同様であり、同等の特性が得られる。勿論、長円形に代えて長方形でも同じである。
【0023】
ところで、玉通路50が特に広い場合、検出器の検出感度を非常に高くしなければならない。ところが、高周波式近接センサでは、検出感度を上げるほど、周囲金属の影響や相互干渉を受けるようになるため、これを防止する必要がある。この対策を施したコア2を図6に示す。図6のコア2では、2つの突出部2a,2bの間に磁気遮蔽部2cが一体に設けられている。磁気遮蔽部2cは、コア2の短軸方向に全幅にわたって位置し、その高さは突出部2a,2bの高さと同じである。但し、図6に示す磁気遮蔽部2cは一例であり、検出コイル10A,10Bからの磁気の相互干渉を防ぐことができるのであれば、どのような形態でもよい。
【0024】
この磁気遮蔽部2cを設けたコア2に検出コイル10A,10Bを装着し、各検出コイル10A,10Bに高周波発振回路を接続したときに生ずる磁束の様子を図7に示す。一般に高周波式近接センサは、電磁波を用い、接近する金属による高周波損失や検出コイルのリアクタンス変化を検出するものであるが、特に磁波による検出が主となる。しかしながら、磁気は透磁率の高い所を最短距離で進む特性がある。
【0025】
そこで、その特性を有効利用するために、コア2の突出部2a,2bとの間に磁気遮蔽部2cを設けると、例えば検出コイル10Aから出た磁気は、検出コイル10B側の突出部2bよりも十分に近い磁気遮蔽部2cを通り、検出コイル10Aに戻り、検出コイル10Bを通過するのは極僅かである。このことは、検出コイル10Bから出た磁気も同様である。従って、2個の検出コイル10A,10Bを近接して配置しても、相互干渉が極めて少なくなるため、検出感度を十分に高めることができる。
【0026】
一方、磁気遮蔽部2cを設けない場合は、図8に示すように、検出コイル10A(10B)から出た磁気が相手の検出コイル10B(10A)を通過し易く、場合によっては相互干渉により検出が不可能になったり、或いは検出物(パチンコ玉)が無いにもかかわらず、検出信号が出力されたりすることがある。このため、検出の信頼性や精度を考慮すると、磁気遮蔽部2cを設けるのが好ましい。
【0027】
更に、コア2に磁気遮蔽部2cを設けること以外にも、2個の検出コイル10A,10Bに印加する発振周波数を相互の干渉をしない程度に差のある異なる周波数にすることにより、2個の検出コイル10A,10Bを接近させて配置しても、高精度で玉数の検出が可能となる。勿論、磁気遮蔽部2cと異なる周波数を併用すれば、より一層高精度な玉数検出を行うことができる。
【0028】
次に、この実施形態の検出器の回路構成の一例をブロック図で図9に示す。検出コイルL1 ,L2 は、上記検出コイル10A,10Bに相当し、それぞれ発振回路(1)31-1,(2)31-2とで高周波発振回路を構成し、各高周波発振回路の出力は、それぞれ検波平滑回路(1)32-1,(2)32-2で検波平滑され、レベル弁別回路(1)33-1,(2)33-2で玉の有無による発振出力の変化を弁別し、遅延増幅出力回路(1)34-1,(2)34-2を経て、玉の検出信号の出力(1)DO1 ,(2)DO2 として出力される。出力DO1 と出力DO2 の波形は、玉の通過時間差により位相差を持つものとなる。
【0029】
検出コイルL1 ,L2 からの2つの位相差を持った信号を論理処理する論理回路としては、例えば図10に示すような回路が使用される。ここに示す論理回路は、一般的なDタイプフリップフロップを用いた加減判別回路であり、その原理はマイコン等を用いた判別と全く同様な論理である。
図10において、出力DO1 は、ノット回路NOT1、ノット回路NOT2を介してD形フリップフロップD−FF1のCL1 端子と、ノア回路NOR2の入力の一端に接続され、ノット回路NOT1の出力がD形フリップフロップD−FF2のCL2 端子と、ノア回路NOR1の入力の一端に接続されている。又、出力DO2 は、D形フリップフロップD−FF1のD1 入力端子と、D形フリップフロップD−FF2のD2 入力端子に接続され、D形フリップフロップD−FF1のQ1 バー出力端はノア回路NOR1の他の入力の一端に接続され、D形フリップフロップD−FF2のQ2 バー出力端はノア回路NOR2の他の入力の一端に接続されている。
【0030】
検出コイルL1 (図10では検出器出力DO1 )をクロックとして用い、検出コイルL2 (図10では検出器出力DO2 )をデータとして用いると、論理は図11のタイムチャート及び図12の真理値表に示すようになる。これは、パチンコ玉が連続して正方向に通過した場合である。この時、出力DO1 が出力DO2 より電気的に位相が進んでいる場合、即ち図1においてパチンコ玉70が矢印方向に移動する場合を通過計数とすると、減算信号であるNOR1の出力NO1 がL(Low)、加算信号のNOR2の出力NO2 がH(High)となり、加算信号NOR2の出力NO2 が出力され、計数は加算される。
【0031】
逆に、図1でパチンコ玉が反対方向に移動する場合は、出力DO2 が出力DO1 より電気的に位相が進むことになる。この時のタイムチャートを図13に、真理値表を図14に示す。これは、現実には有り得ないことではあるが、パチンコ玉が連続して戻ってきた場合である。この場合は、減算信号NOR1の出力NO1 はH、加算信号NOR2の出力NO2 はLとなり、減算信号NOR1の出力NO1 が出力され、計数は減算される。
【0032】
このように、パチンコ玉の通過計数時に通過数から元に戻った(復帰した)数を差し引くことができ、真の数を計数できる。
図11及び図13のタイムチャートから明らかなように、この実施形態では、2個の検出コイル10A,10Bの間隔が精度良く一定であるため、各検出コイル10A,10Bからの出力信号は、一定時間オフディレイされ、パチンコ玉が一定範囲の速さで玉通路の検出箇所を通過するときに、論理処理によりパチンコ玉の通過方向が判断できるように重なっている。ここに、一定範囲の速さは、前記したように玉が玉通路の検出箇所を通ってゲージ内に入る速さから、検出箇所には達するがゲージ内に入らずに返却される速さまでの範囲の速さを指す。このように、検出信号を遅延させて位相差を持たせることにより、パチンコ玉が正方向に通過したのか、逆方向に通過したのかを、即ち通過玉信号と返却玉信号を正確に判別でき、真の消費玉数を精度良く計数できる。
【0033】
以上のように、この実施形態のパチンコ玉計数検出器によれば、マイコンなどを用いてパルス間隔を計測して加減算を推理する従来に比べて、高精度にパチンコ玉の消費数を検出することができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の検出器によれば、1個のケース内に配置され、パチンコ玉の通過方向に一定間隔を置いて形成されるとともに、パチンコ玉の通過方向の寸法よりもパチンコ玉の通過方向に直角方向の寸法が長い形状である2つの突出部を有するコアと、このコアの突出部と同形状の空洞部を有し、コアの突出部にそれぞれ空洞部が装着されることで、コアにパチンコ玉の通過方向に一定間隔を置いて設けられた2個の検出コイルとを備えているため、次の効果を有する。
(1)2個の検出器を別個に精度良く設置したり管理したりする必要がない。
(2)取付加工費が少なくて済む上に、周波数の異なる2種類の検出器を購入したり在庫管理したりする必要がない。
(3)予め2個の検出コイルの相互干渉を想定した上で適切な検出感度に設定できるので、信頼性の高い検出を行うことができる。
(4)パチンコ玉の計数をより精度良く行うことができる。また、高価なコア(特にフェライトコア)が1個でよいため、部品コスト及び組立工数を低減でき、非常に安価な検出器を提供できる。
(5)コアの突出部及び検出コイルからなる検出部の検出面に対するパチンコ玉の面の割合を大きくすることができるので、検出の信頼性が高く、広範囲にわたって高感度の検出を行うことができる。
【0035】
(6)請求項2の構成とすることで、2個の検出コイルの周波数の相互干渉を防止でき、信頼性の高い高感度の検出が可能になる。特に、大きな検出距離を必要とする場合に有効である。
(7)請求項3の構成とすることで、高周波発振方式の検出器において起こり得る相互干渉を可能な限り防ぐことができる。特に、請求項2の構成と併用すれば、相互干渉の防止効果が一層高まる。
(8)請求項4の構成とすることで、出力信号は遅延加工されているため、推理計数でなく論理計数を行うことができ、2個の検出コイル間の距離が短いものから長いものまで、パチンコ玉の正逆の通過方向を正確に検出し、玉数の加算・減算をより精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るパチンコ玉計数検出器を玉通路に隣接して設置した状態での縦断面図である。
【図2】同検出器の正面図である。
【図3】同検出器の横断面図である。
【図4】同検出器に用いられるコアと検出コイルの斜視図である。
【図5】同検出器において、コアと検出コイルで構成される検出部の検出面(端面)の形状を示す図である。
【図6】同検出器に用いられるコアの別形態を示す斜視図である。
【図7】図6のコアを用いた検出部における磁束の様子を示す断面図である。
【図8】図4のコアを用いた検出部における磁束の様子を示す断面図である。
【図9】同検出器の回路構成の一例を示すブロック図である。
【図10】同検出器の検出の論理処理回路の一例を示す回路図である。
【図11】同検出器においてパチンコ玉が連続して正方向(加算方向)に移動した場合のタイムチャートである。
【図12】図11の場合における真理値表である。
【図13】同検出器においてパチンコ玉が連続して逆方向(減算方向)に移動した場合のタイムチャートである。
【図14】図13の場合における真理値表である。
【図15】従来例に係る検出器を玉通路に隣接して設置した状態での側面図である。
【図16】図15の検出器の正面図である。
【符号の説明】
1 ケース
2 コア
2a,2b 突出部
2c 磁気遮蔽部
10A,10B 検出コイル
11a 空胴部
50 玉通路
70 パチンコ玉
A,B 検出部
Claims (4)
- 1個のケースと、このケース内に配置され、パチンコ玉の通過方向に一定間隔を置いて形成されるとともに、パチンコ玉の通過方向の寸法よりもパチンコ玉の通過方向に直角方向の寸法が長い形状である2つの突出部を有するコアと、このコアの突出部と同形状の空洞部を有し、前記コアの突出部にそれぞれ空洞部が装着されることで、前記コアにパチンコ玉の通過方向に一定間隔を置いて設けられた2個の検出コイルとを備え、パチンコ玉の通過速さに応じたパルス間隔を置いて検出信号を出力するようにしたことを特徴とするパチンコ玉計数検出器。
- 前記2個の検出コイル間に、相互干渉を防止するための磁気遮蔽部を設けたことを特徴とする請求項1記載のパチンコ玉計数検出器。
- 前記2個の検出コイルの出力周波数は、相互干渉しない程度に差のある異なる周波数であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパチンコ玉計数検出器。
- 前記2個の検出コイルの出力信号は、一定時間オフディレイされ、パチンコ玉が一定範囲の速さで玉通路の検出箇所を通過するとき、論理処理によりパチンコ玉の通過方向が判断できるように重なっていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のパチンコ玉計数検出器。
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