JP4501342B2 - 固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解質膜の一方および他方の面にそれぞれ積層される触媒層のうち少なくとも一方の触媒層に対して層状となるように配置されるガス拡散層を、セパレータ本体の少なくとも一方の表面に接合してなる固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の固体高分子型燃料電池(PEFC)としては、例えば図10に示すように、固体高分子の電解質膜1の両側に触媒層2、3がそれぞれ積層され、これらの触媒層2、3のそれぞれの外面にさらにセパレータ4、5が積層されたものを単位セルとし、この単位セルを複数積層させたものが知られている。
【0003】
電解質膜1は、例えば0.1mm程度の厚さのもので構成されている。
触媒層2、3は、図11に示すように、触媒としてPt担持カーボンブラックAを有する多孔質のカーボンペーパによって形成されている。
【0004】
セパレータ4、5は、上記各単位セルを区分する隔壁としての機能を有するとともに、電極としての機能を有するようになっている。この例では、一方のセパレータ4がアノード(燃料電極)として利用され、他方のセパレータ5がカソード(酸化剤電極)として利用されるようになっている。
【0005】
そして、一方のセパレータ4には、表面4aに、燃料ガス(水素を有する)を触媒層2の表面全体に供給するための溝4bが形成されている。また、他方のセパレータ5には、表面5aに、酸化剤ガス(酸素を有する)を触媒層3の表面全体に供給するための溝5bが形成されている。燃料ガスとしては、例えばほぼ100%の水素や、天然ガスやメタノールなどの燃料を改質して水素が豊富となったガスが用いられ、酸化剤ガスとしては、一般に空気が用いられる。
【0006】
上記のように構成された固体高分子型燃料電池においては、図11に示すような化学反応により電気エネルギが発生する。この場合、燃料となる水素(H2 )が触媒層2側の触媒Aの作用で水素イオン(H+ )と電子(e- )に分かれる。すなわち、
H2 →2H+ +2e- …(1)
となる。
【0007】
水素イオンは、電解質膜1中を触媒層3側に移動し、触媒Aの作用によって、外部電気回路から供給される電子とともに、触媒層3に供給される酸素の還元に使われる。すなわち、
1/2O2 +2H+ +2e- →H2 O …(2)
の電気化学反応が生じ、水が生成される。そして、触媒層2側の電子が一方のセパレータ4を介して例えば外部の負荷に流れ、さらに、他方のセパレータ5を介して触媒層3側に流れることから、これを電気エネルギとして利用することができる。
上記電気化学反応は、主に電解質膜1と触媒層3との境界部で発生することになる。
【0008】
また、固体高分子型燃料電池としては、例えば触媒層3とセパレータ5との間に多孔質金属材料で形成されたガス拡散層を介在させることによって、触媒層3に対するガスの流通性を向上させたものもある。この場合、ガス拡散層と、上記セパレータ5としてのセパレータ本体とを拡散接合により一体化してなるセパレータも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−22037号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記ガス拡散層を拡散接合により一体化してなるセパレータにおいては、ガス拡散層の外面に不規則な形状の凹凸が形成されていることから、当該ガス拡散層とセパレータ本体とが点状部分で接合されることになる。
このため、ガス拡散層とセパレータ本体との間の電気抵抗が大きくなってしまうという問題があった。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ガス拡散層とセパレータ本体との間の電気抵抗を低減することのできる固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法を提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法は、電解質膜の両側に層状に配置される触媒層のうち少なくとも一方の触媒層に対して層状となるように設置されるガス拡散層を、セパレータ本体の少なくとも一方の表面に接合してなる固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法であって、金属製の原料粉末を、少なくともバインダーおよび発泡剤と混合することによって発泡性スラリーを製造し、上記発泡性スラリーをドクターブレード法あるいはスクリーン印刷により上記セパレータ本体の素材金属板の少なくとも一方の表面に所定の厚さに塗工し、この塗工後の発泡性スラリーを発泡させた後に乾燥させることによって、互いに連通する複数の空孔を有するとともに、上記各空孔が上記素材金属板の表面側に環状口をもって開口し、かつ上記各環状口の間が上記素材金属板の表面に沿う面状部によって形成されたグリーン板を成形し、上記グリーン板を上記素材金属板の表面に押し付けながら、当該素材金属板および上記グリーン板を加熱することによって、上記グリーン板から上記面状部が上記素材金属板の表面に拡散接合されたガス拡散層を焼成することを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載の固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法は、電解質膜の両側に層状に配置される触媒層のうち少なくとも一方の触媒層に対して層状となるように設置されるガス拡散層を、セパレータ本体の少なくとも一方の表面に接合してなる固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法であって、金属製の原料粉末を、少なくともバインダーおよび発泡剤と混合することによって発泡性スラリーを製造し、上記発泡性スラリーをドクターブレード法によりキャリヤシート上に所定の厚さに塗工し、この塗工後の発泡性スラリーを上記キャリヤシート上で発泡させた後に乾燥させることによって、互いに連通する複数の空孔を有するとともに、上記各空孔が上記キャリヤシート側に環状口をもって開口し、かつ上記各環状口の間が上記キャリヤシート面に沿う面状部によって形成されたグリーン板を成形し、上記グリーン板を上記キャリヤシートから分離した後に、上記グリーン板の上記面状部を上記セパレータ本体の素材金属板の少なくとも一方の表面に重ねるとともに、上記グリーン板を上記素材金属板の表面に押し付けながら、当該素材金属板およびグリーン板を加熱することによって、上記グリーン板から上記面状部が上記素材金属板の表面に拡散接合されたガス拡散層を焼成することを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法は、電解質膜の両側に層状に配置される触媒層のうち少なくとも一方の触媒層に対して層状となるように設置されるガス拡散層を、セパレータ本体の少なくとも一方の表面に接合してなる固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法であって、金属製の原料粉末を、少なくともバインダーおよび発泡剤と混合することによって発泡性スラリーを製造し、上記発泡性スラリーをドクターブレード法によりキャリヤシート上に所定の厚さに塗工し、この塗工後の発泡性スラリーを上記キャリヤシート上で発泡させた後に乾燥させることによって、互いに連通する複数の空孔を有するとともに、上記各空孔が上記キャリヤシート側に環状口をもって開口し、かつ上記各環状口の間が上記キャリヤシート面に沿う面状部によって形成されたグリーン板を成形し、上記グリーン板を上記キャリヤシートから分離した後に、このグリーン板を加熱することによってガス拡散層を焼成し、このガス拡散層の焼結後の上記面状部を上記セパレータ本体の素材金属板の少なくとも一方の表面に重ねるとともに、上記ガス拡散層を上記素材金属板の表面に押し付けながら、当該素材金属板およびガス拡散層を加熱することによって、上記ガス拡散層の焼結後の上記面状部を上記素材金属板の表面に拡散接合することを特徴としている。
【0017】
請求項1に記載の固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法においては、セパレータ本体の素材金属板の表面に塗工した発泡性スラリーを発泡させた後に乾燥させて素材金属板の表面上にグリーン板を成形し、このグリーン板を焼結することによって、ガス拡散層を成形するとともに、当該ガス拡散層の面状部を素材金属板の表面に拡散接合することができる。
【0018】
そして、素材金属板は、セパレータ本体と同一の大きさのものであれば、ガス拡散層がセパレータ本体に直接拡散接合されたのと同じになり、セパレータ本体より大きなものであれば、ガス拡散層を拡散接合した後に、所定の大きさに切断することにより、セパレータ本体にガス拡散層が拡散接合されたものになる。
【0019】
以上、発泡性スラリーの発泡、乾燥、焼結およびガス拡散層の素材金属板への接合を一つの素材金属板上で行うことができるので、製造工程の簡素化、製造時間の短縮等を図ることができ、この結果、接合面積の大きなセパレータ本体とガス拡散層とを備えたセパレータを簡単に製造することができるとともに、当該セパレータのコストの低減を図ることができる。
【0020】
また、グリーン板を素材金属板の表面に押し付けながら加熱してガス拡散層に焼成しているので、その焼成の過程でグリーン板が素材金属板の表面に沿って収縮するのを防止することができる。したがって、ガス拡散層に割れが生じるのを防止することができるので、歩留まりの向上を図ることができる。しかも、グリーン板を素材金属板の表面に押し付けることによって、面状部と素材金属板との拡散接合を速やかに行わせることができるので、セパレータの製造能率の向上を図ることができる。
【0021】
請求項2に記載の固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法においては、グリーン板が素材金属板とは別に製造されることになるので、気孔率等がある程度定まったグリーン板を選択して素材金属板に組み合わせることができる。したがって、固体高分子型燃料電池の大きさ等に応じて、より最適なガス拡散層を備えたセパレータを製造することができる。
【0022】
また、この場合も、グリーン板を素材金属板の表面に押し付けながら焼結しているので、ガス拡散層に割れが生じるのを防止することができるとともに、面状部と素材金属板との拡散接合を速やかに行わせることができる。しかも、ガス拡散層の焼成と、素材金属板への拡散接合とを同時に行うことができることから、製造コストの低減を図ることができる。
【0023】
請求項3に記載の固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法においては、ガス拡散層が素材金属板とは別に製造されることになるので、気孔率等が確実に定まったガス拡散層を選択して素材金属板に組み合わせることができる。したがって、固体高分子型燃料電池の大きさ等に応じて、最適なガス拡散層を有するセパレータを製造することができる。
【0024】
また、ガス拡散層を素材金属板の表面に押し付けながら加熱することにより、ガス拡散層の面状部と素材金属板の表面とを速やかに拡散接合することができる。そして、この場合、ガス拡散層がすでに焼成されていて収縮することがないので、ガス拡散層を押圧する荷重等の管理を厳密に行わなくてもガス拡散層に割れが生じるのを防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。ただし、従来例で示した構成要素と共通する要素には同一の符号を付しその説明を簡略化する。
【0026】
(セパレータの一実施の形態)
まず、本発明の固体高分子型燃料電池のセパレータの一実施の形態を図1〜図3を参照して説明する。
この実施の形態で示すセパレータ50は、図1〜図3に示すように、セパレータ本体51と、このセパレータ本体51に一体的に接合されたガス拡散層6とを備えた構成になっている。なお、セパレータ本体51が従来例で示したセパレータ5に対応している。
【0027】
セパレータ本体51は、耐食性金属としてのステンレス鋼(例えば、SUS316L)によって厚さが例えば0.2mmの四角形状の平板状に形成されている。このセパレータ本体51は、その両側の表面が平面状に形成されている。
【0028】
ガス拡散層6は、耐食性金属としてのステンレス鋼(例えば、SUS316L)の粉体を用いて発泡焼結させたものであり、互いに連通する複数の空孔6aを有する三次元網状構造の多孔質材によって平板状に形成されている。
また、ガス拡散層6は、各空孔6aがセパレータ本体51の一方の表面51a側に環状口6bをもって開口し、かつ各環状口6bの間が表面51aに沿うべく面一状の平面状に形成された面状部6cになっており、この面状部6cを介してセパレータ本体51の表面51aに拡散接合されている。なお、各環状口6bはほぼ円形状に形成され、大きさもほぼ一定のものとなっている。ただし、この環状口6bは、楕円形状、多角形状等の閉ループを描くように形成された各種の形状のものであってもよく、また大きさの異なるものであってもよい。
【0029】
また、ガス拡散層6におけるセパレータ本体51と反対側の面は、複数の空孔6aが単に開口し、各空孔6aを構成する骨格柱の端面が露出することになることから、不規則な形状の凹凸が隣接して形成された状態になっており、その各凸部が比較的柔軟な触媒層3に食い込むことによって、当該触媒層3との導電性の向上が図られている。
ただし、ガス拡散層6は、その両側の面に、上記環状口6bおよび面状部6cを備えたもので構成してもよい。
【0030】
また、ガス拡散層6は、平均孔径が20〜600μm、厚さが25〜1000μmに形成されている。
【0031】
そして、ガス拡散層6は、上述したステンレス鋼の粉末を原料粉末とし、この原料粉末を40〜60重量%、水溶性樹脂バインダーとしてのメチルセルロースを5〜15重量%、界面活性剤としてのアルキルベンゼンスルホン酸塩を1〜3重量%、発泡剤としてのヘキサンを0.5〜3重量%、残部を水および不可避不純物とするものを混練機で混合してなる発泡性スラリー60(図4参照)を原料として成形されたものである。上記原料粉末は、平均粒径が約10μmのものである。
【0032】
なお、この実施の形態では、図1に示すように、カソード側のセパレータ50のみならず、アノード側のセパレータ40もガス拡散層6がセパレータ本体41に一体的に拡散接合されたもので構成されている。ただし、セパレータ本体41およびガス拡散層6は、上述したセパレータ本体51およびガス拡散層6と同様の構成を有するのでその説明を省略する。また、41aはセパレータ本体41の一方の表面である。
【0033】
また、図1においては、電解質膜1等を水平方向に向けた状態のものを示しているが、電解質膜1等を垂直方向に立てた状態にして使用する場合もある。
【0034】
上記のように構成された固体高分子型燃料電池のセパレータ50においては、ガス拡散層6が面状部6cを介してセパレータ本体51の表面に拡散接合されることになるので、ガス拡散層6とセパレータ本体51との接合面積の向上を図ることができる。したがって、ガス拡散層6とセパレータ本体51との間の電気抵抗を、点状の接合となる従来の場合に比べて、格段に低下させることができる。よって、固体高分子型燃料電池における電気エネルギへの変換効率の向上を図ることができる。
【0035】
なお、上記実施の形態においては、セパレータ本体51や、発泡性スラリー60の原料粉末として、ステンレス鋼のSUS316Lを用いた例を示したが、このセパレータ本体51や、発泡性スラリー60の原料粉末としては、ハステロイ等の他の耐食合金あるいはチタン、ニオブ、タンタルなどの耐食性を持つ金属を用いてもよい。
【0036】
(セパレータの製造方法の第1の実施の形態)
次ぎに、本発明の固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法の第1の実施の形態を、図1〜図4を参照して説明する。
このセパレータの製造方法の第1の実施の形態は、上記セパレータ50を製造する方法に係るものであり、まず、図4に示すように、上述した組成の発泡性スラリー60をドクターブレード法を用いた成形装置Xによってセパレータ本体51の素材金属板52上に塗工し、発泡、乾燥させる。なお、素材金属板52は、帯状に長く形成されたものであり、所定の大きさに切断されることにより、各種の大きさのセパレータ本体51となるようになっている。
【0037】
上記成形装置Xは、図4に示すように、ドクターブレード8、発泡スラリー60のホッパ9、予備乾燥室10a、恒温・高湿度槽10、乾燥槽11、素材金属板52の巻き出しリール12、同素材金属板52の支持ロール14、15を備えた構成になっている。
上記発泡性スラリー60の塗工に際しては、ホッパ9に投入された発泡性スラリー60を、巻き出しリール12から連続的に繰り出される素材金属板52の上面(一方の表面)に連続的に供給する。これにより、発泡性スラリー60はドクターブレード8によって薄く延ばされて素材金属板52上に均一な厚さに塗工される。
【0038】
そして、発泡性スラリー60が塗工された素材金属板52を、まず予備乾燥室10a内を通過させた後、恒温・高湿度槽10内を連続的に移動させることによって、湿度が75〜95%、温度が30〜40℃、滞留時間が10〜20分の条件の下で上記発泡性スラリー60をスポンジ状に発泡させる。さらに、乾燥槽11を連続的に移動させることによって、温度が50〜70℃、滞留時間が50〜70分の条件の下で乾燥させて素材金属板52上にスポンジ状グリーン板61を成形する。このグリーン板61の厚さは、例えば約0.3mmである。
【0039】
この場合、グリーン板61は、互いに連通する複数の空孔を有するとともに、各空孔が素材金属板52の上面側に環状口をもって開口し、かつ各環状口の間が素材金属板52の上面に沿うべく面一状の平面状に形成された面状部となる。
【0040】
そして、上記素材金属板52とグリーン板61とからなる複合板を、連続的にスキン圧延(図示せず)してグリーン板61の平坦性および厚さの均一性の向上を図った後、所定の長さごとに切断する。
次ぎに、切断により所定の大きさに形成された複合板をジルコニア製の平板状圧縮部材(図示せず)の間に挟んで、当該複合板に対して10〜100g/cm2 の押圧力が作用するように荷重を加える。これにより、グリーン板61の面状部は素材金属板52の上面に所定の圧力で押し付けられた状態になる。なお、上記押圧力は、上記加重を、グリーン板61における素材金属板52側の全面積で割ることによって単純に計算した値である。また、上記平板状圧縮部材は、素材金属板52やグリーン板61と反応しないものであれば、ジルコニア以外の材質のものであってもよい。
【0041】
そして、平板状圧縮部材によって押圧された複合板に対して、真空中において、450〜650℃、25〜35分の条件の下で、グリーン板61におけるバインダー成分を除去する脱脂を行い、さらに真空中において、1200〜1300℃、50〜70分の条件の下に保持することにより、グリーン板61からガス拡散層6を焼成するとともに、面状部6cを素材金属板52の上面に拡散接合する。
【0042】
その後、ガス拡散層6を有する素材金属板52を所定の大きさに切断することにより、所定の大きさのセパレータ本体51の一方の表面51aに例えば0.15mmのガス拡散層6が拡散接合されたセパレータ50が完成する。
【0043】
上記のように構成された固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法においては、セパレータ本体51の素材金属板52の表面に塗工した発泡性スラリー60を発泡させた後に乾燥させて素材金属板52の上面にグリーン板61を成形し、このグリーン板61を焼結等することによって、ガス拡散層6を成形すると同時に、当該ガス拡散層6の面状部6cを素材金属板52の上面に拡散接合することができる。
そして、ガス拡散層6が拡散接合された素材金属板52を所定の大きさに切断することにより、所定の大きさのセパレータ本体51にガス拡散層6が拡散接合されたセパレータ50を得ることができる。
【0044】
したがって、発泡性スラリー60の塗工、発泡、乾燥、脱脂、焼結およびガス拡散層6の素材金属板52への接合等を一つの素材金属板52上で行うことができるので、製造工程の簡素化、製造時間の短縮等を図ることができる。よって、セパレータ50を簡単に製造することができるとともに、当該セパレータ50の製造コストの低減を図ることができる。
【0045】
また、グリーン板61を素材金属板52の表面に押し付けながら加熱してガス拡散層6に焼成しているので、その焼成の過程でグリーン板61が素材金属板52の表面に沿って収縮するのを防止することができる。したがって、ガス拡散層6に割れが生じるのを防止することができ、歩留まりの向上を図ることができる。しかも、グリーン板61を素材金属板52の表面に押し付けることによって、面状部6cと素材金属板52との拡散接合を速やかに行わせることができる。よって、セパレータ50の製造能率の向上を図ることができる。
【0046】
なお、上記実施の形態では、発泡性スラリー60をドクターブレード法により素材金属板52上に塗工するように構成したが、発泡性スラリー60をシルク印刷により素材金属板52上に塗工するようにしてもよい。この場合には、発泡性スラリー60を所定の大きさの素材金属板52上に塗工した後、上記と同様に予備乾燥、発泡、乾燥、バインダの脱脂、焼結等を行うことにより、素材金属板52上にガス拡散層6を焼成させることができる。そして、ガス拡散層6が面状部6cを介して拡散接合された素材金属板52を、所定の大きさに切断することによって、セパレータ50が完成する。なお、シルク印刷によって発泡性スラリー60をセパレータ本体51の表面51aに直接塗工するようにしてもよい。
【0047】
(セパレータの製造方法の第2の実施の形態)
次ぎに、本発明の固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法の第2の実施の形態を、図5を参照して説明する。
このセパレータの製造方法の第2の実施の形態は、上記セパレータ50を製造する方法に係るものであり、まず、図5に示すように、上述した組成の発泡性スラリー60をドクターブレード法を用いた成形装置Yによって、後述するキャリヤシート7上に塗工し、発泡、乾燥させる。
【0048】
上記成形装置Yは、図5に示すように、キャリヤシート7、ドクターブレード8、ホッパ9、予備乾燥室10a、恒温・高湿度槽10、乾燥槽11、キャリヤシート7の巻き出しリール12、同キャリヤシート7の巻取リール13、同キャリヤシート7の支持ロール14、15を備えた構成になっている。
上記キャリヤシート7は、PET製のシートによって構成されたものであり、例えば酸素ガス中プラズマ処理を行うことにより、水との接触角を20〜70度に調製し、親水性の向上が図られている。
【0049】
上記発泡性スラリー60の塗工に際しては、ホッパ9に投入された発泡性スラリー60を、巻き出しリール12から連続的に繰り出されるキャリヤシート7の上面に連続的に供給する。これにより、発泡性スラリー60はドクターブレード8によって薄く延ばされてキャリヤシート7上に均一な厚さに塗工される。
【0050】
そして、発泡性スラリー60が塗工されたキャリヤシート7を、まず予備乾燥室10a内を通過させた後、恒温・高湿度槽10内を連続的に移動させることによって、湿度が75〜95%、温度が30〜40℃、滞留時間が10〜20分の条件の下で上記発泡性スラリー60をスポンジ状に発泡させる。さらに、乾燥槽11を連続的に移動させることによって、温度が50〜70℃、滞留時間が50〜70分の条件の下で乾燥させてキャリヤシート7上にスポンジ状グリーン板61を成形する。このグリーン板61の厚さは、例えば約0.3mmである。
【0051】
この場合、グリーン板61は、互いに連通する複数の空孔を有するとともに、各空孔がキャリヤシート7の上面側に環状口をもって開口し、かつ各環状口の間がキャリヤシート7の上面に沿って面一状の平面状に形成された面状部となる。
【0052】
そして、グリーン板61をキャリヤシート7上に載置した状態において、連続的にスキン圧延(図示せず)してグリーン板61の平坦性および厚さの均一性の向上を図った後、当該グリーン板61をキャリヤシート7から分離する。
【0053】
次ぎに、グリーン板61の面状部をセパレータ本体51の素材金属板(図示せず)の少なくとも一方の表面に重ね、この重ねられた複合板をジルコニア製の平板状圧縮部材(図示せず)の間に挟んで、上記複合板に対して10〜100g/cm2 の押圧力が作用するように荷重を加える。これにより、グリーン板61の面状部は素材金属板の表面に所定の圧力で押し付けられた状態になる。
【0054】
そして、上記平板状圧縮部材によって押圧された複合板に対して、真空中において、450〜650℃、25〜35分の条件の下で、グリーン板61におけるバインダー成分を除去する脱脂を行い、さらに真空中において、1200〜1300℃、50〜70分の条件の下に保持することにより、グリーン板61からガス拡散層6を焼成するとともに、面状部6cを素材金属板の表面に拡散接合する。
【0055】
その後、ガス拡散層6を有する素材金属板を所定の大きさに切断することにより、所定の大きさのセパレータ本体51の一方の表面51aに例えば0.15mmのガス拡散層6が拡散接合されたセパレータ50を得ることができる。
【0056】
上記のように構成された固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法においては、グリーン板61が素材金属板とは別に製造されることになるので、気孔率等がある程度定まったグリーン板61を選択して素材金属板に組み合わせることができる。したがって、固体高分子型燃料電池の大きさ等に対応させて、より最適なガス拡散層6を備えたセパレータ50を製造することができる。
また、この場合も、グリーン板61を素材金属板の表面に押し付けながら焼結しているので、ガス拡散層6に割れが生じるのを防止することができるとともに、面状部6cと素材金属板との拡散接合を速やかに行わせることができる。しかも、ガス拡散層6の焼成と、素材金属板の表面への拡散接合とを同時に行うことができることから、セパレータ50の製造コストの低減を図ることができる。
【0057】
(セパレータの製造方法の第3の実施の形態)
次ぎに、本発明の固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法の第3の実施の形態を説明する。
このセパレータの製造方法の第3の実施の形態は、上記セパレータ50を製造する方法に係るものである。ただし、上述した組成の発泡性スラリー60をドクターブレード法を用いた成形装置Yによってキャリヤシート7上に塗工し、発泡、乾燥させるまでの工程は上述した第2の実施の形態と同一である。
【0058】
すなわち、キャリヤシート7上でグリーン板61を連続的にスキン圧延した後、グリーン板61をキャリヤシート7から分離するまでの工程は、セパレータの製造方法の第2の実施の形態と同一であるので説明を省略する。
【0059】
そして、この第3の実施の形態では、上記キャリヤシート7から分離したグリーン板61に対して、真空中において、450〜650℃、25〜35分の条件の下で、グリーン板61におけるバインダー成分を除去する脱脂を行い、さらに真空中において、1200〜1300℃、50〜70分の条件の下に保持することにより、グリーン板61からガス拡散層6を焼成する。この焼結後のガス拡散層6は、厚さが約0.2mmである。
【0060】
このガス拡散層6をスキン圧延することにより平坦性および厚さの均一性の向上を図った後、当該ガス拡散層6をセパレータ本体51の素材金属板の少なくとも一方の表面に重ね、この重ねられた複合板をジルコニア製の平板状圧縮部材(図示せず)の間に挟んで、当該複合板に対して10〜100g/cm2 の押圧力が作用するように荷重を加える。これにより、ガス拡散層6の面状部6cが素材金属板の表面に所定の圧力で押し付けられた状態になる。
【0061】
そして、平板状圧縮部材によって押圧された複合板に対して、真空中において、1150〜1300℃、30分間〜5時間の条件の下に保持することにより、ガス拡散層6の面状部6cを素材金属板の表面に拡散接合する。
【0062】
その後、ガス拡散層6が接合された素材金属板を所定の大きさに切断することにより、所定の大きさのセパレータ本体51の一方の表面51aに例えば約0.18mmのガス拡散層6が拡散接合されたセパレータ50を得ることができる。
【0063】
上記のように構成された固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法においては、ガス拡散層6がセパレータ本体51の素材金属板とは別に製造されることになるので、気孔率等が確実に定まったガス拡散層6を選択して素材金属板に組み合わせることができる。したがって、固体高分子型燃料電池の大きさ等に応じて、最適なガス拡散層6を有するセパレータ50を製造することができる。
また、ガス拡散層6を素材金属板の表面に押し付けながら加熱することにより、ガス拡散層6の面状部6cと素材金属板の表面とを速やかに拡散接合することができる。そして、この場合、ガス拡散層6がすでに焼成されていて収縮することがないので、ガス拡散層6を押圧する荷重等の管理を厳密に行わなくてもガス拡散層6に割れが生じることがないという利点がある。
【0064】
なお、上記のようにガス拡散層6を予め焼成した後に、セパレータ本体51の素材金属板に接合する場合には、そのセパレータ本体51としては、図6に示すように、その表面51aにガス流路となる溝51bを有するものを用いることも可能である。同様にして、セパレータ本体41としては、表面41aに溝41bを有するものを用いることが可能である。
【0065】
さらに、図7に示すように、セパレータ本体51として平板状に形成されたものを用い、ガス拡散層6としてセパレータ本体51側を向く面にガス流路となる溝6dを有するものを用いてもよい。この場合、ガス拡散層6は、グリーン板の状態あるいは焼結後の状態での圧延の際に、上記溝6dに相当する部分を凹状により深く圧延するなどの手法により、当該溝6dに相当するものを成形した後、拡散接合等のなどの手法によりセパレータ本体51に接合することが可能である。同様にして、当該溝6dを有するガス拡散層6を平板状のセパレータ本体41に接合するように構成してもよい。
【0066】
【実施例】
次ぎに、本発明の実施例を説明する。図8は、本発明の実施例を示す顕微鏡写真であって、上記セパレータの製造方法の第3実施の形態で示したガス拡散層の面状部とセパレータ本体の表面とを拡散接合した部分の断面を観察したものである。また、図9は、比較例を示す顕微鏡写真であって、従来のガス拡散層とセパレータ本体の表面とを拡散接合した部分の断面を観察したものである。
【0067】
本発明の実施例においては、ガス拡散層の表面に面状部が形成されていることから、この面状部がセパレータ本体の表面に当接する広い範囲で面状に拡散接合していることが確認できる。
一方、比較例は、ガス拡散層の表面が不規則な形状の凹凸によって形成されていることから、その凸部の先端部がセパレータ本体の表面に当接する狭い範囲で点状に拡散接合していることが確認できる。
したがって、本発明の実施例を採用することにより、ガス拡散層とセパレータ本体との間の電気抵抗を比較例に比べて格段に低減することができる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法によって得られたセパレータによれば、ガス拡散層が面状部を介してセパレータ本体の表面に接合されることになるので、ガス拡散層とセパレータ本体との接合面積の向上を図ることができる。したがって、ガス拡散層とセパレータ本体との間の電気抵抗を、点状の接合となる従来の場合に比べて、格段に低下させることができる。よって、電気エネルギへの変換効率の向上を図ることができる。
【0069】
また、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法によれば、セパレータ本体の素材金属板の表面に塗工した発泡性スラリーを発泡させた後に乾燥させて素材金属板の表面上にグリーン板を成形し、このグリーン板を焼結することによって、ガス拡散層を成形するとともに、当該ガス拡散層の面状部を素材金属板の表面に拡散接合することができる。
【0070】
したがって、発泡性スラリーの発泡、乾燥、焼結およびガス拡散層の素材金属板への接合を一つの素材金属板上で行うことができるので、製造工程の簡素化、製造時間の短縮等を図ることができる。よって、セパレータ本体とガス拡散層との接合面積の大きなセパレータを簡単に製造することができるとともに、当該セパレータのコストの低減を図ることができる。
【0071】
また、グリーン板を素材金属板の表面に押し付けながら加熱してガス拡散層に焼成しているので、その焼成の過程でグリーン板が素材金属板の表面に沿って収縮するのを防止することができる。したがって、ガス拡散層に割れが生じるのを防止することができるので、歩留まりの向上を図ることができる。しかも、グリーン板を素材金属板の表面に押し付けることによって、面状部と素材金属板との拡散接合を速やかに行わせることができるので、セパレータの製造能率の向上を図ることができる。
【0072】
請求項2に記載の固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法によれば、グリーン板が素材金属板とは別に製造されることになるので、気孔率等がある程度定まったグリーン板を選択して素材金属板に組み合わせることができる。したがって、固体高分子型燃料電池の大きさ等に応じて、より最適なガス拡散層を備えたセパレータを製造することができる。
【0073】
また、この場合も、グリーン板を素材金属板の表面に押し付けながら焼結しているので、ガス拡散層に割れが生じるのを防止することができるとともに、面状部と素材金属板との拡散接合を速やかに行わせることができる。しかも、ガス拡散層の焼成と、素材金属板への拡散接合とを同時に行うことができることから、製造コストの低減を図ることができる。
【0074】
請求項3に記載の固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法によれば、ガス拡散層が素材金属板とは別に製造されることになるので、気孔率等が確実に定まったガス拡散層を選択して素材金属板に組み合わせることができる。したがって、固体高分子型燃料電池の大きさ等に応じて、最適なガス拡散層を有するセパレータを製造することができる。
【0075】
また、ガス拡散層を素材金属板の表面に押し付けながら加熱することにより、ガス拡散層の面状部と素材金属板の表面とを速やかに拡散接合することができる。そして、この場合、ガス拡散層がすでに焼成されていて収縮することがないので、ガス拡散層を押圧する荷重等の管理を厳密に行わなくてもガス拡散層に割れが生じるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の固体高分子型燃料電池のセパレータの一実施の形態を示す図であって、当該セパレータを備えた固体高分子型燃料電池の単位セルを示す断面図である。
【図2】 同固体高分子型燃料電池のセパレータを示す要部断面図である。
【図3】 同固体高分子型燃料電池のセパレータにおけるガス拡散層を示す要部斜視図である。
【図4】 この発明の固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法の第1の実施の形態において使用する成形装置の説明図である。
【図5】 この発明の固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法の第2の実施の形態において使用する成形装置の説明図である。
【図6】 この発明の固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法の第3の実施の形態において製造したガス拡散層を有するセパレータを備えた固体高分子型燃料電池の単位セルを示す断面図である。
【図7】 上記第1〜第3の実施の形態のいずれかにおいて製造したガス拡散層であってガス流路となる溝が形成されたガス拡散層を有するセパレータを備えた固体高分子型燃料電池の単位セルを示す断面図である。
【図8】 この発明の実施例を示す図であって、ガス拡散層の面状部とセパレータ本体との拡散接合状態を示す顕微鏡写真である。
【図9】 この発明の実施例に対する比較例を示す図であって、従来のガス拡散層とセパレータ本体との拡散接合状態を示す顕微鏡写真である。
【図10】 従来の固体高分子型燃料電池の単位セルを示す断面図である。
【図11】 同固体高分子型燃料電池の原理を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電解質膜
2、3 触媒層
6 ガス拡散層
6a 空孔
6b 環状口
6c 面状部
7 キャリヤシート
40、50 セパレータ
41、51 セパレータ本体
41a、51a 一方の表面
52 素材金属板
60 発泡性スラリー
61 グリーン板
Claims (3)
- 電解質膜の両側に層状に配置される触媒層のうち少なくとも一方の触媒層に対して層状となるように設置されるガス拡散層を、セパレータ本体の少なくとも一方の表面に接合してなる固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法であって、
金属製の原料粉末を、少なくともバインダーおよび発泡剤と混合することによって発泡性スラリーを製造し、
上記発泡性スラリーをドクターブレード法あるいはスクリーン印刷により上記セパレータ本体の素材金属板の少なくとも一方の表面に所定の厚さに塗工し、
この塗工後の発泡性スラリーを発泡させた後に乾燥させることによって、互いに連通する複数の空孔を有するとともに、上記各空孔が上記素材金属板の表面側に環状口をもって開口し、かつ上記各環状口の間が上記素材金属板の表面に沿う面状部によって形成されたグリーン板を成形し、
上記グリーン板を上記素材金属板の表面に押し付けながら、当該素材金属板および上記グリーン板を加熱することによって、上記グリーン板から上記面状部が上記素材金属板の表面に拡散接合されたガス拡散層を焼成することを特徴とする固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法。 - 電解質膜の両側に層状に配置される触媒層のうち少なくとも一方の触媒層に対して層状となるように設置されるガス拡散層を、セパレータ本体の少なくとも一方の表面に接合してなる固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法であって、
金属製の原料粉末を、少なくともバインダーおよび発泡剤と混合することによって発泡性スラリーを製造し、
上記発泡性スラリーをドクターブレード法によりキャリヤシート上に所定の厚さに塗工し、
この塗工後の発泡性スラリーを上記キャリヤシート上で発泡させた後に乾燥させることによって、互いに連通する複数の空孔を有するとともに、上記各空孔が上記キャリヤシート側に環状口をもって開口し、かつ上記各環状口の間が上記キャリヤシート面に沿う面状部によって形成されたグリーン板を成形し、
上記グリーン板を上記キャリヤシートから分離した後に、上記グリーン板の上記面状部を上記セパレータ本体の素材金属板の少なくとも一方の表面に重ねるとともに、上記グリーン板を上記素材金属板の表面に押し付けながら、当該素材金属板およびグリーン板を加熱することによって、上記グリーン板から上記面状部が上記素材金属板の表面に拡散接合されたガス拡散層を焼成することを特徴とする固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法。 - 電解質膜の両側に層状に配置される触媒層のうち少なくとも一方の触媒層に対して層状となるように設置されるガス拡散層を、セパレータ本体の少なくとも一方の表面に接合してなる固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法であって、
金属製の原料粉末を、少なくともバインダーおよび発泡剤と混合することによって発泡性スラリーを製造し、
上記発泡性スラリーをドクターブレード法によりキャリヤシート上に所定の厚さに塗工し、
この塗工後の発泡性スラリーを上記キャリヤシート上で発泡させた後に乾燥させることによって、互いに連通する複数の空孔を有するとともに、上記各空孔が上記キャリヤシート側に環状口をもって開口し、かつ上記各環状口の間が上記キャリヤシート面に沿う面状部によって形成されたグリーン板を成形し、
上記グリーン板を上記キャリヤシートから分離した後に、このグリーン板を加熱することによってガス拡散層を焼成し、
このガス拡散層の焼結後の上記面状部を上記セパレータ本体の素材金属板の少なくとも一方の表面に重ねるとともに、上記ガス拡散層を上記素材金属板の表面に押し付けながら、当該素材金属板およびガス拡散層を加熱することによって、上記ガス拡散層の焼結後の上記面状部を上記素材金属板の表面に拡散接合することを特徴とする固体高分子型燃料電池のセパレータの製造方法。
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