JP5944771B2 - 燃料電池用セパレータ - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池用セパレータに関する。
近年、水の生成反応を用いて化学エネルギーを電気エネルギーに変換する燃料電池は、地球環境に優しいクリーンエネルギー源として注目されている。この燃料電池の構造は、通常は、電解質膜と、この電解質膜を両側から挟み込むように配置された触媒層と、この各触媒層の両外側から挟み込むように配置された流路構成層とを有している。この流路構成層は、必要に応じて、電解質膜側から順に、マイクロポーラス層、ガス拡散層、及び、流路を有するセパレータが位置するように構成される。
これらのうち、マイクロポーラス層、ガス拡散層、セパレータの流路に共通する重要な役割は、(1)水素ガス、メタノール、エタノール等の水素源、及び、空気等の酸素源を、反応場である触媒層に供給すること、(2)残余のガス及び生成される水分を排出すること、(3)化学反応によって生じる電子を、出来るだけ効率良く出力用の外部回路に取り出すことである。従って、マイクロポーラス層、ガス拡散層及びセパレータ流路の互いの密着性、及び、これらの層の触媒層に対する密着性を良好に保ち、接触抵抗を低減することが重要である。
上記のマイクロポーラス層及びガス拡散層には、一般的に、多孔性カーボン素材が用いられている。セパレータ流路としては、一般的に、カーボン製及び金属製のセパレータに対して切削加工、プレス加工等によって成形される溝型流路が用いられる。しかしながら、これらの構成に対しては、いずれも、水素源及び酸素源の供給性の改善、水の排出性の改善、及び、接触抵抗の低減が求められている。
例えば、特開2004−186116号公報に開示された技術は、電気抵抗の低減を狙った燃料電池のガス拡散層の製造方法に関するものである。この技術では、ガス拡散層の材料として金属製(例えば、JISのSUS316L)の発泡性スラリーが用いられている。このため、このガス拡散層は、発泡金属多孔体から構成される。そして、このガス拡散層の表面には、各空孔が環状に開口する。
上記のような発泡金属は、一般的に、(1)溶湯金属中への気体の吹き込みによる気泡の形成と同時に凝固する方法、又は、(2)溶湯金属中に発泡剤を加え、発泡剤の分解による気体発生を利用した方法、によって得られる。かかる製法によれば、上記発泡金属は、互いに分離独立した閉気孔型が基本の構造となるため、一般的に、内部の物質移動性に劣る。製造法の制御によって連結孔を得ることも可能である。この場合には、空孔率が大きくなり易い。空孔率が大きいと、構造体としての強度が低くなる。かかる構造体は、燃料電池の部材として組み込まれる際、空孔部分が圧縮変形され易い。その結果、十分な物質移動性が得られないという問題が生じる。また、圧延、圧縮等の2次的な作用によって連通孔を形成する場合では、完全な開気孔型とはならない。このため、気体、液体等の物質移動性に劣るという問題がある。
上記問題に鑑み、例えば、特開2009−252399号公報には、水素源及び酸素源の供給特性の改善、水の排出特性の改善、及び、接触抵抗の低減を狙った技術が開示されている。この技術は、球状の金属粉末から形成された多孔体を、セパレータ流路に適用したものである。このセパレータ流路は、ガス拡散層の機能をも備えたものである。しかしながら、このセパレータ流路も、水素源及び酸素源の供給特性、水の排出性、並びに、圧力損失の低減等については十分であるとは言えない。
特開2004−186116号公報 特開2009−252399号公報
前述したごとく、特開2004−186116号公報に開示された技術は、水素源及び酸素源の供給特性の改善、水の排出特性の改善、及び、接触抵抗の低減が必要である。また、特開2009−252399号公報の技術は、水素源及び酸素源の供給特性及び水の排出特性の向上、並びに、接触抵抗の低減を狙ってはいるが、その効果は十分であるとは言えない。
本発明は、水素源及び酸素源の供給特性、水の排出性等のさらなる改善がなされた燃料電池用セパレータを提供することを目的としている。
本発明に係る燃料電池用セパレータは、
流路層を備えており、
この流路層が、金属粉末が接合されて形成された多孔体から構成されており、
この多孔体の内部に、連通する空間が形成されており、
上記流路層の体積に占める上記空間の体積の割合である体積空孔率が、55%以上90%以下であり、
流路層の任意の断面の面積に占める空間の面積の割合である面積空孔率が55%以上90%以下である。
好ましくは、上記流路層の任意の部位における、体積3mm又はそれより大きい体積に対する体積空孔率が55%以上90%以下である。
上記セパレータ本体の面に対して垂直な方向の軸をZ軸とするとき、
好ましくは、Z軸上の任意の位置における、このZ軸に垂直な断面の面積3mm又はそれより大きい面積に対する面積空孔率が55%以上90%以下であり、
Z軸に対して垂直な任意の方向の軸である垂直軸上の任意の位置における、この垂直軸に垂直な断面の面積3mm又はそれより大きい面積に対する面積空孔率が55%以上90%以下である。
好ましくは、上記多孔体が金属粉末の焼結体から構成されている。
好ましくは、上記金属粉末が球状粉末である。
好ましくは、上記金属粉末がアトマイズ法により製造される。
本発明に係る燃料電池は、
電解質膜と、この電解質膜を両側から挟み込むように配置された触媒層と、この各触媒層の両外側から挟み込むように配置されたセパレータとを有しており、
上記セパレータが、前述した燃料電池用セパレータのうちのいずれかから構成されている。
本発明のセパレータによれば、燃料となる水素ガス、メタノール、エタノール等の水素源、及び、上記燃料の酸化剤である空気等の酸素源の供給特性のさらなる向上、水分の排出特性のさらなる向上が可能となる。すなわち、セパレータを流れる流体の圧力損失のさらなる低減が可能となる。また、セパレータにいわばネット状の流路が張り巡らされるので、水素源及び酸素源となる気体や液体を多孔体の空間部の全域に、より均一に供給することが可能となる。上記多孔体の空孔率を制御することができるため、供給される気体や液体が通過する流路の大きさを自由に設計することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るセパレータを備えた燃料電池の単位セルの一例を示す断面図である。 図2は、図1のセパレータにおける流路層を構成する多孔体を概略的に示す平面図である。 図3は、図1のセパレータにおける多孔体の拡大写真を示す図である。 図4は、図1の単位セルの発電作用を説明する図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1及び図2には、燃料電池の単位セル1が示されている。複数個の単位セル1が重ね合わせられることにより、燃料電池が構成される。この単位セル1は、固体高分子からなる電解質膜2と、この電解質膜2を挟むように積層された一対の触媒層3、4と、各触媒層3、4をその外側から挟むように配置されたガス拡散層5、6と、各ガス拡散層5、6をその外側から挟むように配置されたセパレータ7、8とを備えている。なお、図1及び図2は、理解容易のために、その寸法は実物と一致していない。とくに各層の厚さが大きく表されている。
電解質膜2はイオン伝導性を有している。触媒層3、4は、例えば、白金を担持した多孔質体から構成されている。ガス拡散層5、6は電極を構成しており、導電性に優れている。ガス拡散層5、6は、水素や空気を効率的に流通させる。セパレータ7、8は、セパレータ本体9、10及び流路層11、12を有している。流路層11、12は、ガス拡散層5、6に接している。セパレータ本体9、10は、隣接する単位セル1同士を隔離する役割を担う。さらに、一方のセパレータ本体9がアノード(燃料極)としての役割を担い、他方のセパレータ本体10がカソード(空気極)としての役割を担いうる。
上記セパレータ本体9、10は、平板状を呈している。セパレータ本体9、10の材質は、要求される耐食性、耐酸化性、熱膨張特性、熱伝導性、電気伝導性等に応じて様々な選択が可能である。例えば、ステンレス鋼、特に低炭素オーステナイト系ステンレス鋼、耐酸化合金(高クロム合金等)等が適用されうる。これらの金属は例示であり、これらに限定はされない。
セパレータの流路層11、12は、セパレータ本体9、10に形成された平板状凹所内に形成されている。流路層11、12は、この凹所内に金属粉末16が充填・焼結されることによって構成される。この流路層11、12も平板状を呈している。流路層11、12は金属粉末多孔体からなる。この金属粉末多孔体の材質は、要求される耐食性、耐酸化性、熱膨張特性、熱伝導性、電気伝導性等に応じて様々な選択が可能である。金属粉末多孔体の材質として、例えば、ステンレス鋼、特に低炭素オーステナイト系ステンレス鋼、Ni基耐食超合金(INCONEL(登録商標)、ハステロイ(登録商標)等)、Ni−Cu系耐食合金(MONEL(登録商標)等)、耐酸化合金(高クロム合金等)等が適用されうる。これらの金属は例示であり、これらに限定はされない。
図3には、上記流路層11、12を構成する金属粉末多孔体の拡大写真が示されている。この拡大写真から明らかなように、金属粉末多孔体15から構成された流路層11、12においては、焼結された多数の球状の金属粉末16間に、多数の空間17が形成されている。この多数の空間17同士がいわばネット状に連通されている。この流路層11、12により、セパレータ本体9、10(セパレータ7、8)における、燃料(水素源)及び空気(酸素源)の供給口18と、水やガスの排出口19とが連通される。上記ネット状の空間17が、上記気体及び液体の流路を構成する。この流路によれば、アノード側セパレータ9の全面に、燃料が均一に供給されやすくなる。すなわち、水素源、及び酸素源となる気体や液体を、アノード側流路層11の全域に均一に供給することが可能となる。また、カソード側セパレータ10の全面に、酸素源が均一に供給されやすくなる。すなわち、酸素源となる気体や液体を、カソード側流路層12の全域に均一に供給することが可能となる。加えて、流路抵抗が小さくなり、通過する流体の圧力損失が低下する。その結果、燃料供給特性の改善が可能となる。そして、単位セル1としての出力密度が向上する。
上記金属粉末16の製造には、アトマイズ法が好ましく採用されうる。アトマイズ法のうちでは、ガスアトマイズ法が好ましい。ガスアトマイズ法によって製造された金属粉末16を用いる場合、金属粉末16同士がほぼ点接触した状態で焼結されうる。かかる焼結によって得られた多孔体15においては、十分に連結した空間17が形成されうる。このような連結空間17では、流路抵抗が低減し、そこを流れる液体及び気体の優れた物質移動が確保されうる。上記焼結によって得られた多孔体15は、他部材、例えばガス拡散層5、6との接触において密着性が向上し、接触抵抗を低減しうる。もちろん、ガスアトマイズ法に限定されることはなく、球又はこれに類似した形状が得られる手法であれば採用可能である。
また、球状金属粉末16の球状とは完全な球を意味するものではない。この球状とは、溶融状態の金属が固化する際に表面張力等の作用によって自然に得られる球状を含む。また、機械加工等によって類似の球状が得られる場合には、このような球も含まれる。溶融状態の金属が粉末に成形される際に、主たる球状金属粉末に対して、微小な球状金属粉末、又は、扁平型等の微小な金属粉末が付着したものも含まれる。これらの金属粉末からなる多孔体も、用途に応じて、他の部材との密着性を向上させる効果を奏しうる。
上記金属粉末16の焼結としては、真空焼結、水素等の還元性雰囲気中での焼結、アルゴン、窒素等の不活性ガス中での焼結、大気焼結等が採用されうる。必要に応じて、セパレータ7、8全体の厚さ及び形状の調整を目的として、焼結時のプレス制御、焼結後のプレス加工、切削加工、研磨加工等が施されてもよい。
適切な温度の焼結により、球状の金属粉末16の接点近傍同士の金属結合、換言すれば、ほぼ点接触状態の金属結合を行うことが可能となる。このような焼結によって多孔体15を形成する場合は、十分に大きい空間17が形成され、これらの空間17同士の連通が容易となる。この多孔体15においては、高い空孔率を得ることが可能となる。この場合の適切な焼結温度は、球状の金属粉末16の粒径によって異なる。基本的に、粒径の小さい金属粉末16を用いる場合には、比較的低い焼結温度が適用される。粒径の小さい金属粉末16に対して、焼結温度が高すぎる場合には、金属粉末16の焼結が過度になり、十分な連結空間が得られにくくなる。
この球状金属粉末16の焼結としては、前述のとおり、押圧力を負荷するプレス焼結が適用可能である。しかし、過度のプレス力が加えられた場合、十分な連結空間が得られにくくなる可能性がある。焼結後に、必要に応じて、洗浄、酸洗等によって酸化膜の除去等が行われてもよい。焼結後、用途に応じて、耐食コーティング、高電導膜コーティング、撥水処理、疎水処理、親水性処理等が施されてもよい。
以上のごとくして得られた多孔体15は、高い空孔率を確保しうる。この多孔体15から形成されたセパレータ流路層11、12のネット状空間17の空孔率は、55%以上90%以下にされる。上記空孔率とは、金属粉末多孔体の所定体積に占める空間17の体積の割合(%)をいう。本実施形態では、上記所定体積として流路層全体の体積が用いられており、空孔率はこの体積に占める空間の体積の割合とされている。従って、この空孔率は、後述する面積空孔率と区別して「体積空孔率」と呼べる。この体積空孔率は、対象物の重量を測定することにより、算出することが可能である。
さらに、上記流路層11、12の任意の部位における、体積3mmに対する体積空孔率が55%以上90%以下とされるのが好ましい。任意の部位の小さい体積の体積空孔率が55%以上90%以下とされているので、空間17が均一に分布していることがわかる。従って、流路層11、12の任意の部位における、3mmを超える体積に対しても体積空孔率が55%以上90%以下となる。
また、空間17の均一分布の観点から、流路層11、12の面積空孔率も55%以上90%以下とされているのが好ましい。ここで、面積空孔率とは、金属粉末多孔体の断面の面積に占める空間の面積の割合(%)をいう。本実施形態では、流路層11、12の任意の断面における面積空孔率が55%以上90%以下とされているのが好ましい。
より詳細には、まず、上記セパレータ本体9、10の面9a、10a(図1参照)に対して垂直な方向の軸をZ軸とする。このとき、上記面9a、10a上の任意の位置でのZ軸上の、任意の位置における、このZ軸に垂直な断面の面積3mmに対する面積空孔率が55%以上90%以下とされるのが好ましい。さらに、Z軸に対して垂直な任意の方向の軸(以下、垂直軸という)上の任意の位置における、この垂直軸に垂直な断面の面積3mmに対する面積空孔率も55%以上90%以下とされるのが好ましい。また、流路層11、12の任意の部位における、3mmを超える面積に対しても面積空孔率が55%以上90%以下となる。上記垂直軸は、X軸及びY軸と呼んでもよい。
前述のごとく、流路層11、12において、体積空孔率及び面積空孔率が55%未満の場合、気体及び液体の十分な物質移動性が得られにくい場合がある。一方、いずれかの空孔率が90%を超えると、構造体としての強度が不十分となる場合がある。従って、各空孔率は55%以上90%以下とするのがよい。
上記範囲の空孔率は、金属粉末16の使用量の調整、金属粉末16の粒径の調整等によって確保されうる。また、セパレータ7、8を製作する際に、金属粉末16とバインダーとの混合体に適切な熱処理を施すことによっても、空孔率を上記範囲に収めることが可能となる。上記範囲の空孔率を有する流路層11、12により、燃料電池が使用される各分野に応じた電池設計が可能になる。体積空孔率は流路層11、12の重量を測定することによって算出可能であるが、面積空孔率は走査顕微鏡観察により得られた結果から算出可能である。その他、水銀圧入法、ガス吸着法等によっても測定することが可能である。
前述した流路層11、12は、前述した機能に加えて、ガス拡散層5、6と同様の機能をも発揮しうる。従って、上記ガス拡散層5、6を削除し、その分、この流路層11、12を必要な大きさにすることも可能である。また、この流路層11、12は、図示しないマイクロポーラス層としての機能をも有しうる。このマイクロポーラス層は、燃料電池にとって必須ではないが、機能向上のために有効である。マイクロポーラス層は、電解質膜2への水分の保持や排出により、湿度レベルの調整を行う。
空間17の大きさは、好ましい粒径の金属粉末16を選択することによって制御可能である。燃料電池の用途によっては、この空間17の大きさが多孔体中の位置によって異なるようにされていてもよい。具体的には、空間17の大きさが、流路層11、12内において複数段階に分かれているもの、流路層11、12内において大から小へ、又は小から大へ順に傾斜分布しているもの等でもよい。
図4には、単位セル1による発電作用である基本的な電気化学反応の一例が説明されている。この単位セル1は、以上説明されたようなセパレータ7、8を含んでいる。この例では、一方(アノード側)のセパレータ5の流路層11に、水素源である水素ガス(図中、Hで示す。)が供給されている。この水素源が燃料である。他方(カソード側)のセパレータ6の流路層12には、酸素源(図中、Oで示す。)である空気等が供給される。この酸素源が燃料の酸化剤である。アノード側流路層11に水素源が流入すると、アノード側触媒層3において、
2H → 4H+ 4e
なる反応が起こる。この反応によって生じた水素イオン4Hは電解質膜2を透過してカソード側流路層12に至る。そして、電子4eは外部の電気負荷13を流れてカソード側触媒層4に至る。この電子4eの流れが電気エネルギーとして利用される。
カソード側流路層12には酸素源である空気等が流入している。カソード側触媒層4において、空気等のOと、ここに流入した上記水素イオン4H及び電子4eとにより、
2O + 4H + 4e→ 2H
なる反応が起こって水2HO が生成される。水2HO はカソード側流路層12を通って排出される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1−20]
実施例1から20として、燃料電池の単位セル1の主要構成、及び、評価対象としての主要特性が表1から4に示されている。上記主要構成として、セパレータ本体9、10の材質、セパレータの流路層11、12を構成する多孔体の金属粉末の材質、金属粉末の粒径、この多孔体の厚さ、及び、多孔体の空孔率が挙げられている。流路層の平面視形状は、縦横ともに50mmの正方形である。他の構成は、全実施例1から20について同一である。上記主要特性としては、流路層(多孔体)11、12を通過する流体の圧力損失、及び、単位セル1の出力密度比率が挙げられている。この流体として空気が用いられた。
上記空孔率(%)の算出方法は以下に示される。セパレータ本体に対して、前述のZ軸上の任意の10カ所における、Z軸に垂直な断面の面積25mmあたりの面積空孔率の平均値を、Z軸に垂直な断面の面積空孔率として算出した。また、Z軸に垂直な任意の軸であるX軸に対して任意の10ヶ所の垂直な断面の面積3mmあたりの面積空孔率の平均値を、X軸に垂直な断面の面積空孔率として算出した。さらに、上記Z軸及びX軸それぞれに垂直なY軸に対して任意の10ヶ所の垂直な断面の面積3mmあたりの面積空孔率の平均値を、Y軸に垂直な断面の面積空孔率として算出した。いずれの実施例においても、X、Y及びZの各軸に垂直な断面の面積空孔率が55%以上90%以下の範囲内に収まっている。
単位セル1の流路機能の評価のために、流路層11、12に5.0×10−3の空気を流したときの圧力損失を測定した。また、単位セルの出力機能の評価のために、電気出力の測定値から出力密度比率を算出した。この出力密度比率は、0.8V時の出力密度に対する0.4V時の出力密度の比をいう。基準となる0.8V時の出力密度が同じであっても、0.4V時の出力密度が大きくなることにより、大きな出力及び安定した出力密度が得られ、電池として優れる。実施例1から20についての圧力損失及び出力密度比率が表1から4に示されている。
[比較例1−10]
比較例1から10として、燃料電池の単位セルの主要構成、及び、評価対象としての主要特性が表4及び5に示されている。上記主要構成として、セパレータ本体の材質、セパレータの流路層を構成する多孔体の金属粉末の材質、金属粉末の粒径、この多孔体の厚さ、及び、多孔体の空孔率が挙げられている。流路層の平面視形状は、縦横ともに50mmの正方形である。他の構成は、実施例1と同一である。上記主要特性としては、流路層(多孔体)を通過する流体の圧力損失、及び、単位セル1の出力密度比率が挙げられている。空孔率(%)の算出方法、圧力損失の測定方法、及び、出力密度比率の算出方法は、上記した実施例1から20に対するのと同じである。

[評価]
上記圧力損失は、10.0kPa未満を合格とし、これを表中に○印で示した。10.0kPa以上を不合格とし、これを表中に×印で示した。出力密度比率は、3.0以上をを合格とし、これを表中に○印で示した。3.0未満を不合格とし、これを表中に×印で示した。
一般的に、流路層の厚さが薄いセパレータほど、圧力損失が大きくなる傾向にある。例えば、実施例1、4、7、8、11、12、16及び20では、流路層の厚さは0.1mm又は0.2mmと薄い。しかし、X、Y及びZの各軸に垂直な断面の空孔率は、いずれも55%以上とされていることにより、圧力損失が10.0kPa未満に抑えられている。また、3.0以上の出力密度比率も実現されている。上記を含め、実施例1〜20は、いづれも圧力損失の低減、出力密度比率の向上が実現されている。
一方、比較例1から10では、X軸、Y軸及びZ軸の少なくとも一つの軸に垂直な断面の空孔率が、好適な55%以上90%以下の範囲から外れている。その結果、比較例1から10では、圧力損失の低減、及び、出力密度比率の向上のうちの少なくとも一方が実現されていない。以上の評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るセパレータは、水素源及び酸素源の供給特性、並びに、水等の排出性に優れるので、高出力密度が望まれる燃料電池に好適である。
1・・・単位セル
2・・・電解質膜
3・・・(アノード側)触媒層
4・・・(カソード側)触媒層
5・・・(アノード側)ガス拡散層
6・・・(カソード側)ガス拡散層
7・・・(アノード側)セパレータ
8・・・(カソード側)セパレータ
9・・・(アノード側)セパレータ本体
10・・・(カソード側)セパレータ本体
11・・・(アノード側)流路層
12・・・(カソード側)流路層
13・・・電気負荷
15・・・多孔体
16・・・金属粉末
17・・・空間
18・・・供給口
19・・・排出口

Claims (6)

  1. セパレータ本体及び流路層を備えた燃料電池用セパレータの製造方法であって、
    上記セパレータ本体に凹所が形成され、この凹所内に金属粉末が充填され、焼結されることにより、この凹所内に多孔体が形成され、
    上記流路層が、この多孔体から構成され
    この多孔体の内部に、連通する空間が形成されており、
    上記流路層の体積に占める上記空間の体積の割合である体積空孔率が、55%以上90%以下、又は、
    流路層の任意の断面の面積に占める空間の面積の割合である面積空孔率が55%以上90%以下にされる燃料電池用セパレータの製造方法
  2. 上記流路層の任意の部位における、体積3mm又はそれより大きい体積に対する体積空孔率が55%以上90%以下にされる請求項1に記載の燃料電池用セパレータの製造方法
  3. 上記セパレータ本体の面に対して垂直な方向の軸をZ軸とするとき、
    任意のZ軸上の任意の位置における、このZ軸に垂直な断面の面積3mm又はそれより大きい面積に対する面積空孔率が55%以上90%以下であり、
    Z軸に対して垂直な方向の任意の軸である垂直軸上の任意の位置における、この垂直軸に垂直な断面の面積3mm又はそれより大きい面積に対する面積空孔率が55%以上90%以下にされる請求項1又は2に記載の燃料電池用セパレータの製造方法
  4. 上記金属粉末が球状粉末である請求項1からのいずれかに記載の燃料電池用セパレータの製造方法
  5. 上記金属粉末がアトマイズ法により製造される請求項1からのいずれかに記載の燃料電池用セパレータの製造方法
  6. 解質膜をその両側から挟み込むように触媒層を配置、この各触媒層をその両外側から挟み込むようにセパレータを置する燃料電池の製造方法であって、
    上記セパレータが、請求項1から5のいずれかに記載の製造法によって製造される燃料電池の製造方法
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