JP2004063095A - 固体高分子型燃料電池の集電板 - Google Patents

固体高分子型燃料電池の集電板 Download PDF

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Abstract

【課題】生成水を空気電極層から効率よく取り除くことにある。
【解決手段】空気電極層3(酸化剤電極層)側に開口するとともに、空気(酸化剤ガス)が空気電極層3の表面3aに沿って流通する方向に互いに連通し、かつ空気が通過可能な大きさの複数の発泡空孔61を有する発泡焼結金属によって形成されており、各発泡空孔61を構成する骨格62には、発泡焼結金属の金属粉末62a間に形成されて互いに連通するとともに、空気電極層3側および各発泡空孔61に開口し、かつ空気電極層3側において発生した水を毛管現象で吸引する大きさの粒子間空孔62bが形成されている。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解質膜の両側に積層された燃料電極層と酸化剤電極層のうち、少なくとも酸化剤電極層に積層される固体高分子型燃料電池の集電板に関するものであって、特に携帯電話やデジタルカメラなどの携帯機器用の電池に適した集電板に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の固体高分子型燃料電池としては、例えば図6に示すように、固体高分子の電解質膜1の両側に水素電極層(燃料電極層)2および空気電極層(酸化剤電極層)3が積層され、これらの水素電極層2および空気電極層3のそれぞれの外面に沿って設置されたセパレータ4、5を備えたものを単位セルとし、この単位セルを複数積層させたスタック構造のものが知られている。
【0003】
電解質膜1は、例えば0.1mm程度の厚さのもので構成されている。
水素電極層2および空気電極層3は、図7に示すように、触媒としてPt担持カーボンブラックAを有する多孔質のカーボンペーパによって形成されている。
【0004】
一方のセパレータ4には、図6に示すように、燃料ガス(水素を有する)を水素電極層2の表面全体に供給するための溝4aが形成されており、他方のセパレータ5には、酸化剤ガス(酸素を有する)を空気電極層3の表面全体に供給するための溝5aが形成されている。燃料ガスとしては、例えばほぼ100%の水素が用いられ、酸化剤ガスとしては、例えば空気が用いられる。
上記のように構成された固体高分子型燃料電池においては、図7に示すような化学反応により電気を作ることができる。燃料となる水素(H2 )は、水素電極層2側の触媒Aの作用で水素イオン(H+ )と電子(e− )に分かれる。すなわち、
2 →2H+ +2e−  …(1)
となる。
【0005】
水素イオンは、電解質膜1中を空気電極層3側に移動し、触媒Aの作用によって、外部電気回路から供給される電子とともに、空気電極層3に供給される酸素の還元に使われる。すなわち、
1/2O2 +2H+ +2e− →H2 O …(2)
の電気化学反応が生じ、水が生成される(以下、この水を生成水という)。そして、水素電極層2側の電子が例えば外部の負荷を通って空気電極層3側に流れることから、これを電気エネルギとして使うことができる。
上記電気化学反応は、主に電解質膜1と空気電極層3との境界部で発生することになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記固体高分子型燃料電池においては、連続して運転を行うと、上述した生成水が空気電極3の表面に液膜となって覆うことになり、酸素が電解質膜1に供給されにくくなる。このため、起電力が急激に低下するという問題がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、生成水を酸化剤電極層から効率よく取り除くことによって、高出力で安定した電力を発生させることのできる固体高分子型燃料電池の集電板を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池の集電板は、電解質膜の一方の面に積層され、水素を有する燃料ガスが上記電解質膜とは反対側の表面に供給される燃料電極層と、上記電解質膜の他方の面に積層され、酸素を有する酸化剤ガスが上記電解質膜とは反対側の表面に供給される酸化剤電極層とのうち、少なくとも上記酸化剤電極層の上記表面に積層される固体高分子型燃料電池の集電板であって、上記酸化剤電極層側に開口するとともに、上記酸化剤ガスが少なくとも上記酸化剤電極層の表面に沿って流通する方向に互いに連通し、かつ上記酸化剤ガスが通過可能な大きさの複数の発泡空孔を有する発泡焼結金属によって形成されており、上記各発泡空孔を構成する骨格には、上記発泡焼結金属の金属粉末間に形成されて互いに連通するとともに、上記酸化剤電極層側および各発泡空孔に開口し、かつ上記酸化剤電極層側において発生した水を毛管現象で吸引する大きさの粒子間空孔が形成されていることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の固体高分子型燃料電池の集電板は、請求項1に記載の発明において、上記発泡空孔の平均孔径が0.15〜3mmであり、上記粒子間空孔の平均孔径が0.1〜40μmであることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の固体高分子型燃料電池の集電板は、請求項1または2に記載の発明において、全体の気孔率が40〜99容量%であることを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の固体高分子型燃料電池の集電板は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、金属粉末と、水溶性樹脂バインダーと、非水溶性炭化水素系有機溶剤である発泡剤と、残部の水および不可避不純物とを混合してなる発泡性スラリーを原料として焼成された発泡焼結金属によって形成されていることを特徴としている。上記原料には、必要に応じて界面活性剤を加えて、発泡状態を維持しやすくすることが好ましい。
【0012】
請求項1〜4に記載の発明においては、電解質膜と酸化剤電極層との間に生じ、酸化剤電極層に流出した生成水が集電板の粒子間空孔による毛管現象によって吸引され、当該集電板側に移動することになる。また、発泡空孔には酸化剤ガスが流通することから、各発泡空孔まで吸い上げられた生成水は効率よく蒸発して、酸化剤ガスとともに集電板から運び出されることになる。このため、生成水が酸化剤電極層内や表面に滞留するのを防止することができる。したがって、集電板の各発泡空孔を介して供給された酸化剤ガスを酸化剤電極層から電解質膜側に間断なく供給することができるので、高出力で安定した電力を発生させることができる。
【0013】
また、固体高分子型燃料電池を、その方向を特定せずに使用するような場合、例えば携帯電話やデジタルカメラなど、携帯用のものとして使用した場合でも、生成水を効率よく排出することができる。すなわち、固体高分子型燃料電池の使用環境によっては、酸化剤電極層の表面が斜め上方を向いたり、水平方向の上方を向いたりすることがあり得るが、このような場合でも、生成水を間断なく排出して、安定した高出力の電力を維持することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明においては、発泡空孔の平均孔径が0.15〜3mmであるので、酸化剤ガスが酸化剤電極層の表面に沿って流通可能になるとともに、当該酸化剤ガスを酸化剤電極層の表面に供給することができる。また、発泡空孔によって適度の流体抵抗が生じることから、酸化剤ガスを所定の圧力で酸化剤電極層の表面に全体的に満遍なく供給することができる。したがって、出力の向上を図ることができる。
上記発泡空孔の平均孔径が0.15mm未満であると、生成水により発泡空孔が部分的に覆われ、酸化剤ガスが酸化剤電極層の表面に供給できなくなる部分が生じ、また同平均孔径が3mmを超えると、圧力損失が小さくなり、酸化剤ガスが酸化剤電極層の表面に均一に供給できなくなる。
また、粒子間空孔の平均孔径が0.1〜40μmであるので、酸化剤電極層の表面に流出した生成水を毛管現象によって効率よく吸引することができる。
上記粒子間空孔の平均孔径が0.1μm未満であると、毛管力は生じるものの、孔径が小さいため、生成水の吸い上げる量が少なくなり、また同平均孔径が40μmを超えると、毛管力が小さくなるため、この場合も生成水の吸い上げ量が少なくなる。
【0015】
なお、発泡空孔の平均孔径としては、0.2〜2mmにすることが、酸化剤ガスの流通性を良くし、かつ酸化剤電極層の表面に所定の圧力の酸化剤ガスを供給する上でより好ましい。
一方、粒子間空孔の平均孔径としては、0.5〜10μmにすることが、毛管現象による生成水の吸引性を良くする上でより好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。ただし、従来例で示した構成要素と共通する要素には同一の符号を付しその説明を簡略化する。
【0017】
この実施の形態で示す集電板6は、図1に示すように、固体高分子型燃料電池における他方のセパレータ5と空気電極層(酸化剤電極層)3との間に設置されるようになっている。
【0018】
すなわち、固体高分子型燃料電池は、電解質膜1の一方の面に積層され、水素を有する燃料ガス(この実施の形態の場合はほぼ100%の水素)が電解質膜1とは反対側の表面2aに供給される水素電極層(燃料電極層)2と、電解質膜1の他方の面に積層され、酸素を有する酸化剤ガス(この実施の形態の場合は空気)が上記電解質膜1とは反対側の表面3aに供給される空気電極層(酸化剤電極層)3とを備えている。
【0019】
水素電極層2側には、当該水素電極層2の表面2aに積層するように一方のセパレータ4が設置されている。
また、空気電極層3側には、当該空気電極層3の表面3aに集電板6が積層されているとともに、この集電板6にさらに積層するようにして他方のセパレータ5が設置されている。
【0020】
集電板6は、空気電極層3側に開口するとともに、酸化剤ガスとしての空気が空気電極層3の表面3aに沿って流通する方向に互いに連通し、かつ空気が通過可能な大きさの複数の発泡空孔61(図2参照)を有する発泡焼結金属によって、四角形の薄板状に形成されてされている。なお、この実施の形態で示す発泡空孔61は、上述した表面3aに沿って流通する方向のみに連通しているのではなく、四方八方に3次元の網目状に連通しているとともに、上述した空気電極層3側の表面、他方のセパレータ5側の表面、周縁部の各端面にも開口している。
【0021】
上記各発泡空孔61を構成する骨格62には、図2に示すように、発泡焼結金属の金属粉末62a間に形成されて互いに連通するとともに、空気電極層3側および各発泡空孔61に開口し、かつ空気電極層3側において発生した生成水を毛管現象で吸引する大きさの粒子間空孔62bが形成されている。なお、粒子間空孔62bは、空気電極層3側の表面にのみ開口しているのではなく、他方のセパレータ5側の表面、周縁部の各端面にも開口している。すなわち、粒子間空孔62bも、3次元の網目状に連通している。
【0022】
また、発泡空孔61の平均孔径は、0.15〜3mmであり、粒子間空孔62bの平均孔径は、0.1〜40μmである。さらに、集電板6全体の気孔率は、40〜99容量%になっている。気孔率は、発泡空孔61と粒子間空孔62bの合計容積を集電板6の全容積で割ったものに100を掛けてパーセントで表示したものである。
【0023】
そして、集電板6は、鉄基合金粉末であるステンレス鋼(本実施の形態ではJIS記号でSUS316Lを使用)粉末を原料粉末とし、この原料粉末を40〜60重量%、水溶性樹脂バインダーとしてのメチルセルロースを5〜15重量%、界面活性剤としてのアルキルベンゼンスルホン酸塩を1〜3重量%、発泡剤としてのヘキサンを0.5〜3重量%、残部を水および不可避不純物とするものを混練機で混合してなる発泡性スラリーを原料として成形されたものである。上記原料粉末は、粒径が5μm以下および15μm以上を除いた平均粒径が10μmのものである。
【0024】
なお、図1等においては、電解質膜1等を水平方向に向けた状態のものを示しているが、通常は電解質膜1等を垂直方向に立てた状態にして使用することになる。
【0025】
上記集電板6は、図3に示すドクターブレード法を用いた成形装置によって成形されるようになっている。この成形装置は、キャリヤーシート7、ドクターブレード8、発泡スラリーを投入するホッパ9、恒温・高湿度槽10、乾燥槽11、巻き出しリール12、巻取リール13、支持ロール14、15を備えたもので構成されている。
【0026】
次に、上記成形装置を用いて集電板6を製造する方法を説明する。まず、発泡スラリーをホッパ9に投入する。そして、この発泡スラリーをキャリヤーシート7上にドクターブレード8により薄板状に成形し、恒温・高湿度槽10において、湿度が75〜95%、温度が30〜40℃、滞留時間が10〜20分の条件の下でスポンジ状に発泡させる。さらに、乾燥槽11において、温度が50〜70℃、滞留時間が50〜70分の条件の下で乾燥させてスポンジ状グリーン板16を製造する。
【0027】
このスポンジ状グリーン板16を、真空中において、550〜650℃、25〜35分の条件の下で、バインダー成分を除去する脱脂を行い、さらに真空中で、1200〜1300℃、50〜70分の条件の下で焼結することにより、厚さが0.5mmで、連続した発泡空孔61および粒子間空孔62bを有し、気孔率が40〜99容量%で、発泡空孔61の平均孔径が0.15〜3mm、粒子間空孔62bの平均孔径が0.1〜40μmのスポンジ状焼成金属板を製造する。
【0028】
このスポンジ状焼成金属板を所定の大きさに切断することにより、集電板6が製造される。なお、集電板6の厚さは、圧延により調整してもよい。
そして、得られた集電板6は、毛管作用を確実に発揮させる目的で、室温において、約3〜10%塩酸水溶液中で7〜13分間酸洗処理を行う。または、紫外線やプラズマを照射してもよい。これにより、固体高分子型燃料電池に設置すべき集電板6が完成する。
【0029】
上記のように構成された固体高分子型燃料電池においては、一方のセパレータ4における溝4aの一端部に供給された水素が当該溝4a内を流れるとともに、当該溝4aの他端部から流出する。これによって、水素電極層2の表面2aの全体に水素が供給されることになることから、水素イオンが水素電極層2から電解質膜1を通って空気電極層3側に効率よく移動する。
【0030】
一方、他方のセパレータ5における溝5aの一端部に供給された空気は、当該溝5a内を通って溝5aの他端部に流れ、当該他端部から排出される。これによって、空気が集電板6の表面の全体にわたって供給されるとともに、集電板6の連続する発泡空孔61を通って、空気電極層3の表面3aの全体に供給されることになる。また、集電板6内に供給された空気は、空気電極層3の表面3aに沿って流通した後、上記溝5aの他端部から流出することになる。
【0031】
そして、空気電極層3の表面3aに供給された空気は、当該多孔質の空気電極層3内を電解質膜1側に移動する。このため、上述した(2)式の電気化学反応によって生成水が生じるとともに、この生成水が空気電極層3の毛管現象によって表面3a側に移動することになる。
【0032】
そうすると、集電板6は、空気電極層3の表面3aに移動した生成水を粒子間空孔62bによる毛管現象によって吸引することになる。また、発泡空孔61には空気が流通することから、各発泡空孔61まで吸引された生成水は発泡空孔61内を通る空気内に効率よく蒸発して、当該空気とともに集電板6から運び出されることになる。このため、生成水が空気電極層3内や当該空気電極層3の表面3aに滞留するのを防止することができる。したがって、集電板6の各発泡空孔61を介して供給された空気中の酸素を空気電極層3から電解質膜1側に間断なく供給することができるので、高出力で安定した電力を発生させることができる。
【0033】
また、固体高分子型燃料電池を、その方向を特定せずに使用するような場合、例えば携帯電話やデジタルカメラなど、携帯用のものとして使用した場合でも、生成水を効率よく排出することができる。すなわち、固体高分子型燃料電池の使用環境によっては、空気電極層3の表面3aが斜め上方を向いたり、水平方向の上方を向いたりすることがあり得るが、このような場合でも、生成水を間断なく排出して、安定した高出力の電力を維持することができる。
【0034】
さらに、発泡空孔61の平均孔径が0.15〜3mmであるので、空気が空気電極層3の表面に沿って流通可能になるとともに、当該空気を空気電極層3の表面3aに効率よく供給することができる。また、発泡空孔61によって適度の流体抵抗が生じることから、空気を所定の圧力で空気電極層3の表面3aの全体に供給することができる。したがって、出力の向上を図ることができる。
また、粒子間空孔62bの平均孔径が0.1〜40μmであるので、空気電極層3の表面3aに流出した生成水を毛管現象によって効率よく吸引することができる。
【0035】
なお、上記原料粉末は45〜55重量%、メチルセルロースは7.5〜12.5重量%、アルキルベンゼンスルホン酸塩は1.5〜2.5重量%、ヘキサンは1〜2重量%とすることがより好ましい。また、原料粉末は、粒径が7.5μm以下および12.5μm以上を除いた平均粒径が10μmとすることがより好ましい。
【0036】
また、発泡空孔61の平均孔径としては、0.2〜2mmにすることが、空気の流通性を良くし、かつ空気電極層3の表面3aに所定の圧力の空気を供給する上でより好ましい。
さらに、粒子間空孔62bの平均孔径としては、0.5〜10μmにすることが、毛管現象による生成水の吸引性を良くする上でより好ましい。
またさらに、集電板6全体の気孔率は、60〜98容量%にすることが、より好ましい。
【0037】
また、上記実施の形態においては、鉄基合金粉末であるステンレス鋼粉末を原料粉末として用いた例を示したが、この原料粉末としては、耐食性の良い金属およびその合金、例えばニッケル基耐食合金の粉末等を用いたものであってもよい。
【0038】
一方、集電板6は、図4に示すように、水素電極層2と一方のセパレータ4との間に積層させるようにして設置してもよい。この場合には、水素とともに供給した水を粒子間空孔62bを介して水素電極層2に供給し、当該多孔質の水素電極層2を適度に湿潤させることができるので、水素イオンを効率よく発生させることができる。したがって、固体高分子型燃料電池の出力の向上を図ることができる。
【0039】
また、水素や空気を、それぞれセパレータ4、5の溝4a、5aの一端部に供給して他端部から排出するように構成したが、当該水素や空気を、図5に示すように、集電板6における一方の端面に供給して、当該一方の端面に平行な他方の端面から排出するように構成してもよい。
この場合には、空気が集電板6内を空気電極層3の表面3aに沿って一定の方向に流れるので、生成水を発泡空孔61を介して効率よく排出することができる。また、セパレータ4、5から溝4a、5aを取り除くことができる利点もある。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜4に記載の発明によれば、酸化剤電極層の表面に流出した生成水を発泡空孔内を流れる酸化剤ガス中に蒸発させて、当該酸化剤ガスとともに集電板外に運び出すことができる。したがって、生成水が酸化剤電極層内や表面に滞留するのを防止することができるので、高出力で安定した電力を発生させることができる。
【0041】
また、固体高分子型燃料電池の使用環境によっては、酸化剤電極層の表面が斜め上方を向いたり、水平方向の上方を向いたりすることがあり得るが、このような場合でも、生成水を間断なく排出して、安定した高出力の電力を維持することができる。
【0042】
請求項2に記載の発明によれば、発泡空孔の平均孔径が0.15〜3mmであるので、酸化剤ガスが酸化剤電極層の表面に沿って流通可能になるとともに、当該酸化剤ガスを酸化剤電極層の表面に供給することができる。また、発泡空孔によって適度の流体抵抗が生じることから、酸化剤ガスを所定の圧力で酸化剤電極層の表面に全体的に満遍なく供給することができる。したがって、出力の向上を図ることができる。
また、粒子間空孔の平均孔径が0.1〜40μmであるので、酸化剤電極層の表面に流出した生成水を毛管現象によって効率よく吸引することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態としての集電板を備えた固体高分子型燃料電池の単位セルを示す断面図である。
【図2】同集電板の要部を示す説明図である。
【図3】同集電板の成形装置を示す説明図である。
【図4】同集電板を用いた他の固体高分子型燃料電池の単位セルを示す断面図である。
【図5】同集電板を用いたさらに他の固体高分子型燃料電池の単位セルを示す断面図である。
【図6】従来の固体高分子型燃料電池の単位セルを示す断面図である。
【図7】同固体高分子型燃料電池の原理を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電解質膜
2 水素電極層(燃料電極層)
2a 表面
3 空気電極層(酸化剤電極層)
3a 表面
6 集電板
61 発泡空孔
62 骨格
62a 金属粉末
62b 粒子間空孔

Claims (4)

  1. 電解質膜の一方の面に積層され、水素を有する燃料ガスが上記電解質膜とは反対側の表面に供給される燃料電極層と、上記電解質膜の他方の面に積層され、酸素を有する酸化剤ガスが上記電解質膜とは反対側の表面に供給される酸化剤電極層とのうち、少なくとも上記酸化剤電極層の上記表面に積層される固体高分子型燃料電池の集電板であって、
    上記酸化剤電極層側に開口するとともに、上記酸化剤ガスが少なくとも上記酸化剤電極層の表面に沿って流通する方向に互いに連通し、かつ上記酸化剤ガスが通過可能な大きさの複数の発泡空孔を有する発泡焼結金属によって形成されており、
    上記各発泡空孔を構成する骨格には、上記発泡焼結金属の金属粉末間に形成されて互いに連通するとともに、上記酸化剤電極層側および各発泡空孔に開口し、かつ上記酸化剤電極層側において発生した水を毛管現象で吸引する大きさの粒子間空孔が形成されていることを特徴とする固体高分子型燃料電池の集電板。
  2. 上記発泡空孔の平均孔径が0.15〜3mmであり、上記粒子間空孔の平均孔径が0.1〜40μmであることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池の集電板。
  3. 全体の気孔率が40〜99容量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の固体高分子型燃料電池の集電板。
  4. 金属粉末と、水溶性樹脂バインダーと、非水溶性炭化水素系有機溶剤である発泡剤と、残部の水および不可避不純物とを混合してなる発泡性スラリーを原料として焼成された発泡焼結金属によって形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の固体高分子型燃料電池の集電板。
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