JP4499371B2 - 落花生由来のプロアントシアニジンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、落花生由来のプロアントシアニジン並びにその製造方法及び用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
高等植物の生体防御物質として知られるプロアントシアニジンは、一般に、フラバン−7−オールを構成ユニットとして4β→6、4β→8、4β→8・2βO→7等の結合様式によって重合した二量体以上の重合体の総称であり、縮合型タンニンとも呼称される(非特許文献1及び非特許文献2)。これらは、酸処理によりアントシアニジンを生成して紅色になることからプロアントシアニジンと総称されている。プロアントシアニジンは多様な生理活性を示すことが知られており、該活性としては、抗腫瘍、抗炎症、抗老化、抗酸化、抗アレルギー、抗菌、ヒアルロニダーゼ活性阻害、育毛、皮膚白色化、皮膚老化防止、メイラード反応阻害等の活性が報告されている(非特許文献3、非特許文献4、特許文献1〜5)。これらの生理活性とプロアントシアニジンの重合度数との構造活性相関に関しては、全て明確にされているわけではないが、例えば、育毛活性については、プロアントシアニジンのうち二〜五量体(特に二量体と三量体)のプロアントシアニジンオリゴマーが最も高い活性を有することが報告されている(特許文献6)。
【0003】
植物からのプロアントシアニジンの分離精製に関しては、従来より、ブドウ種子、松樹皮、イチョウ葉、ピーナッツ、カカオ豆等の各種植物体からの分離が試みられている。このうち、原料からの工業的抽出例としては、ブドウ種子(特許文献7〜9)あるいは松樹皮(特許文献10及び特許文献11)からの抽出等が挙げられる。特許文献7記載の方法では、白ブドウ種子と70℃未満の水とを接触させて前処理を行った後、熱水抽出に付し、得られた抽出液をセファデックスLH−20カラムに通塔した後、70%エタノールで溶出し、純度約90%のプロアントシアニジン含有粉末を得ている。特許文献10記載の方法では、海岸松樹皮1tを加圧状態で温水抽出に付し、酢酸エチルによる溶出及びクロロホルム添加による沈殿を繰り返し、プロアントシアニジン含有粉末を得ている。しかしながら、前記の各方法で精製された精製物の中に、二〜五量体のプロアントシアニジンオリゴマーのみを90%以上含有するものはなく、いずれの精製物も、モノマーや、六量体以上のポリマー、あるいは他の有機酸を含有するものである。
【0004】
落花生種皮からは、次式:
【化1】
【0005】
【化2】
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】
【0008】
【化5】
で示されるプロアントシアニジンが精製・単離されている(非特許文献5、非特許文献6及び特許文献5)。
【0009】
非特許文献5及び特許文献5は、前者の発表者と後者の発明者、及びそれらの開示内容は実質的に同一であるが、プロアントシアニジンの抽出条件について、前者には、落花生種皮(落花生279kgから)を沸騰水1000リットルで2回、各2時間抽出したと記載されているのに対し、後者には、落花生種皮279kgに水1000リットルを加えて90〜95℃で2回、各2時間抽出したと記載されている。抽出物の収量はいずれも190gと記載されている。
【0010】
また、非特許文献6には、プロアントシアニジンの抽出条件について、アセトン−水(1:1、v/v)混合溶媒を用いて室温で2時間抽出したと記載されている。
【0011】
一方、落花生種皮の抽出物は、骨髄細胞増殖作用、抗HIV作用、コラゲナーゼ活性阻害作用、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用、美白作用、保湿作用、抗酸化作用等を有することが知られているが(特許文献12〜14参照)、その活性成分については明らかにされていない。
【0012】
また、落花生種皮からのプロアントシアニジンの抽出、及び落花生種皮抽出物の調製には、落花生種子から分離した種皮を用いており、落花生種子をそのまま水等で抽出することについては何ら報告されていない。
【0013】
【特許文献1】
特開昭61−16982号公報
【特許文献2】
特開平6−336430号公報
【特許文献3】
特開2000−229834号公報
【特許文献4】
特許第2528087号公報
【特許文献5】
特許第2975997号公報(例えば、請求項1、段落0047、0057及び0058)
【特許文献6】
WO96/00561
【特許文献7】
特開平3−200781号公報
【特許文献8】
WO97/39632
【特許文献9】
米国特許第5484594号明細書
【特許文献10】
米国特許第4698360号明細書
【特許文献11】
WO97/44407
【特許文献12】
特許第3217278号公報(例えば、請求項1)
【特許文献13】
特開平11−246431号公報(例えば、請求項1)
【特許文献14】
特開2002−145757号公報(例えば、請求項1〜7、要約)
【非特許文献1】
「スタインエッガー・ヘンゼル 生薬学[上] 化学・薬理学へのアプローチ」(糸川秀治他訳、(株)廣川書店発行)204〜208頁(1977年)
【非特許文献2】
Porter L.J., Flavans and proanthocyanidins, In: Harborne J.B.(ed.), “The Flavonoids, Advances in Research Science 1986", Chapman & Hall, 1994, pp. 23-55
【非特許文献3】
バート・シュビッタース/ジャック・マスケリエ著、「21世紀の生体防御物質OPC」(佐々木瞭訳、フレグレンスジャーナル社発行、1997年)50−135頁
【非特許文献4】
Tomoya Takahashi, et al., Journal of Investigative Dermatology, 112, 310-316 (1999)
【非特許文献5】
H. Lou, et al., Phytochemistry, 51, 297-308 (1999)(例えば、298〜299頁、305頁左欄19〜21行目)
【非特許文献6】
J. J. Karchesy, et al., J. Agric. Food Chem., 34, 966-970 (1986) (例えば、967頁右欄1〜6行目、968頁図2)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、簡易な手段で高純度のプロアントシアニジンを製造し得る方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の発明を包含する。
(1)落花生の種子をそのまま、水、水混和性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出することを特徴とするプロアントシアニジンの製造方法。
(2)抽出溶媒が水である前記(1)に記載の方法。
(3)前記(1)又は(2)に記載の方法により得られるプロアントシアニジン。
(4)下記の理化学的性質:
核磁気共鳴スペクトル:図2に示すとおり、
赤外線吸収スペクトル:図3に示すとおり、
を有するプロアントシアニジン。
(5)下記の理化学的性質:
核磁気共鳴スペクトル:図4に示すとおり、
赤外線吸収スペクトル:図5に示すとおり、
を有するプロアントシアニジン。
(6)落花生の種子をそのまま、水、水混和性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出することを特徴とする落花生種子抽出物の製造方法。
(7)抽出溶媒が水である前記(6)に記載の方法。
(8)前記(6)又は(7)に記載の方法により得られる落花生種子抽出物。
(9)下記の理化学的性質:
核磁気共鳴スペクトル:図2に示すとおり、
赤外線吸収スペクトル:図3に示すとおり、
を有する落花生種子抽出物。
(10)下記の理化学的性質:
核磁気共鳴スペクトル:図4に示すとおり、
赤外線吸収スペクトル:図5に示すとおり、
を有する落花生種子抽出物。
(11)前記(3)〜(5)のいずれかに記載のプロアントシアニジン又は前記(8)〜(10)のいずれかに記載の落花生種子抽出物を含有する医薬組成物。
(12)前記(3)〜(5)のいずれかに記載のプロアントシアニジン又は前記(8)〜(10)のいずれかに記載の落花生種子抽出物を含有する化粧料。
(13)美白化粧料である前記(12)に記載の化粧料。
(14)前記(3)〜(5)のいずれかに記載のプロアントシアニジン又は前記(8)〜(10)のいずれかに記載の落花生種子抽出物を含有するチロシナーゼ阻害剤。
(15)前記(3)〜(5)のいずれかに記載のプロアントシアニジン又は前記(8)〜(10)のいずれかに記載の落花生種子抽出物を含有する食品類。
【0016】
【発明の実施の形態】
落花生の果実は強固な果皮を有し、この内部に通常2個の種子が存在する。内存する種子にはこれを包する種皮がある。本発明では、落花生種子をそのまま、即ち、落花生種子から種皮を分離したり、落花生種子を破砕、粉砕等により粉末化処理することなく抽出を行う。これにより、プロアントシアニジンを効率よく、かつ高純度で製造することができる。落花生種子としては、種皮の全部又は一部が剥離したものを除外し、種皮が種子全体を覆っているものを選別して用いることが、得られるプロアントシアニジンの純度の点で好ましい。
【0017】
従来、落花生種皮抽出物の調製には、落花生種子から分離した種皮を用いていたが、この場合、種皮分離時の乾燥工程及び分離工程にプロアントシアニジンが変性又は除去されることにより、プロアントシアニジンの収量及び純度が低下し、更に、種皮を種子から分離する際に種子由来の油分が種皮に付着し、抽出物に油分が混入し、純度が低下する。
【0018】
抽出前に、種子を洗浄する場合には、汚れを落とす程度に水等で簡単に洗浄することが、プロアントシアニジンの収量の点で好ましい。
【0019】
抽出溶媒としては、水及び;低級アルコール類、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール;エーテル類、例えばエチルエーテル、ジオキサン;ケトン類、例えばアセトン等の水混和性有機溶媒、並びにこれらの混合溶媒が挙げられるが、水、エタノール、又は水−エタノール混合溶媒が好ましい。抽出に用いる水の種類は、上水、天然水、RO(逆浸透膜)処理水、深層水、磁気化水、単分子水、水の結鎖角度を変化させた処理水等、飲用又は皮膚に適用できるものであれば如何なるものでもよい。
【0020】
通常、種子1kg当り抽出溶媒1〜5Lを使用する。
抽出温度は、通常、溶媒の融点ないし溶媒の沸点の範囲内であり、好ましくは0〜80℃、更に好ましくは5〜50℃である。超臨界抽出をしてもよい。また、抽出は、通常常圧下で行うが、加圧下又は減圧下で行ってもよい。抽出時間は、抽出温度等により異なり、通常5分間〜1日間であるが、種子由来の油分が溶出してこない時間内とするのが好ましい。抽出溶媒として水を用いて5〜50℃で抽出する場合、抽出時間は、好ましくは5〜60分、更に好ましくは10〜30分である。
抽出液に再度未処理の落花生種子を加え前記と同様の抽出操作を1又は複数回繰り返してもよい。
【0021】
前記のようにして得られた抽出液を、布、ステンレスフィルター、濾紙等で濾過して落花生種子、不純物等を取り除くことで、目的の抽出液を得ることができる。また、濾過後の抽出液に、スプレードライ処理、フリーズドライ処理、超臨界処理等の処理を施してもよい。
【0022】
このようにして得られる抽出物の乾燥粉末には、通常60%以上、好ましくは80%以上(核磁気共鳴スペクトルから算出)のプロアントシアニジンが含有されている。したがって、前記乾燥粉末は、高純度プロアントシアニジンとして用いることができる。
【0023】
また、前記抽出物をイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー(好ましくは逆相カラムクロマトグラフィー(ODS))、透析等の各種精製手段により処理し、更に精製してもよい。
【0024】
本発明のプロアントシアニジン又は落花生種子抽出物は、多様な生理活性を示し、そのまま、又は適当な添加剤、活性成分等と組み合わせて、医薬組成物、例えば抗腫瘍剤又は腫瘍予防剤、免疫賦活剤、抗変異原性剤、脳梗塞・脳卒中・くも膜下出血・脳血栓・脳溢血・アルツハイマー・パーキンソン病・痴呆症・血栓等の脳障害の治療又は予防剤、薬剤投与による骨髄機能低下の治療又は予防剤、動脈硬化・脂肪肝・高脂血症・高血圧・心筋梗塞・狭心症・心不全・糖尿病及びその合併症・脂質過酸化・エコノミー症候群・静脈瘤・動脈瘤・痛風等の生活習慣病又は疾病の治療又は予防剤、白内障治療又は予防剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗酸化剤、造血機能回復剤、急性白血病・急性及び慢性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病・骨髄異形成症候群・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫・紫斑病・肝硬変等の治療又は予防剤、抗アレルギー剤(例えば、花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アトピー性発疹等のアレルギー性疾患の治療又は予防剤として)、抗ウイルス剤、抗HIV剤、抗菌剤、二日酔い予防及び回復剤、末梢血流改善剤、血行促進剤、眼精疲労回復剤、尋常性白斑・尋常性乾癬改善剤、慢性疲労回復剤、潰瘍性大腸炎・家族性大腸炎・潰瘍治療及び予防剤、肩凝り・四十肩・五十肩・リュウマチ性関節炎・神経痛・腱鞘炎・ヘルニア・テニス肘・打撲傷・打ち身等の治療又は予防剤、注意欠陥・多動性障害(ADHD)・自律神経失調症・癲癇の治療又は予防剤、子宮内膜症の治療又は予防剤、月経困難症・月経痛治療又は予防剤、月経前症候群・便秘の治療又は予防剤、男性ホルモン抑制剤、前立腺肥大治療又は予防剤、皮膚外用剤;化粧料、例えば抗老化剤、抗酸化剤、育毛剤、皮膚白色化剤(美白化粧料)、保湿剤、シミ・シワ・ソバカス予防剤又は回復剤、痒み止め・虫刺され、日焼けによる炎症防止剤、皮膚酸化予防剤、皮膚老化防止剤;食品類、例えば食品(必要に応じて、乳酸菌等を配合してもよい。)、チューインガム、飲料(必要に応じて、乳酸菌等を配合してもよい。)、抗酸化食品、SOD様食品、抗酸化剤としての食品添加物、特定保健用食品として用いることができる。
【0025】
本発明のプロアントシアニジン又は落花生種子抽出物を医薬組成物又は食品類として用いる場合、投与形態としては、特に制限はなく、必要に応じ適宜選択されるが、一般には錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤等の経口剤、又は注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、貼付剤、軟膏剤等の非経口剤として使用される。
【0026】
本発明のプロアントシアニジン又は落花生種子抽出物の投与量は、対象者の年令、体重、疾患・症状の程度、投与経路により異なるが、経口投与では、プロアントシアニジン又は抽出物乾燥粉末として、通常1日50〜1000mgであり、投与回数は、通常、経口投与では1日1〜3回である。
【0027】
経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等の賦形剤を用いて常法に従って製造される。
【0028】
この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用することができる。
【0029】
結合剤の具体例としては、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルメロースナトリウム、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、プルラン、ポリビニルピロリドン、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマー、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、アラビアゴム末、寒天、ゼラチン、白色セラック、トラガント、精製白糖、マクロゴールが挙げられる。
【0030】
崩壊剤の具体例としては、結晶セルロース、メチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、トラガントが挙げられる。
【0031】
界面活性剤の具体例としては、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴールが挙げられる。
【0032】
滑沢剤の具体例としては、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、タルク、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ロウ類、水素添加植物油、ポリエチレングリコールが挙げられる。
【0033】
流動性促進剤の具体例としては、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム。
【0034】
また、本発明の医薬組成物(液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤として投与する場合)及び食品類は、矯味矯臭剤、着色剤を含有してもよい。
【0035】
本発明のプロアントシアニジン又は落花生種子抽出物は、例えば、抗アレルギー剤、抗酸化剤、抗炎症剤、血行促進剤、男性ホルモン抑制剤、美白剤、チロシナーゼ阻害剤として、皮膚外用剤又は化粧料に配合することができる。
【0036】
本発明のプロアントシアニジン又は落花生種子抽出物を配合した皮膚外用剤又は化粧料としては、化粧水、乳液、美容液、一般クリーム、エッセンス、クレンジングクリーム等の洗顔料、パック、髭剃り用クリーム、日焼けクリーム、日焼け止めクリーム、日焼け止めローション、日焼けローション、石鹸、ファンデーション、おしろい、パウダー、口紅、リップクリーム、アイライナー、アイクリーム、アイシャドウ、チークカラー、アイブローカラー、マスカラ、浴用化粧料、シャンプー、リンス、トリートメント剤、染毛料、育毛剤、ボディローション、ボディシャンプー等が挙げられる。
【0037】
本発明のプロアントシアニジン又は落花生種子抽出物の配合量は、プロアントシアニジン又は抽出物乾燥粉末として、通常0.001〜100%、好ましくは0.001〜10%、更に好ましくは0.01〜5%である。
【0038】
本発明の化粧料は、以下に示すような、通常化粧料において使用されている各種成分や添加剤の中から用途に適したものを任意に選択、併用して製造することができる。
【0039】
例えば、アボカド油、アーモンド油、ウイキョウ油、オリーブ油、オレンジ油、ゴマ油、カカオ脂、カミツレ油、カロット油、キューカンバー油、牛脂脂肪酸、ククイナッツ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ヒマシ油、綿実油、落花生油、タートル油、ミンク油、卵黄油、パーム油、パーム核油、モクロウ、ヤシ油、牛脂、豚脂などの油脂類又はこれら油脂類の水素添加物(硬化油等)。
【0040】
ミツロウ、カルナウバロウ、鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、カンデリラロウ、モンタンロウ、セラックロウなどのロウ類。
【0041】
流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、オゾケライド、セレシン、マイクロクリスタンワックス、スクワレン、スクワラン、プリスタンなどの鉱物油類。
【0042】
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、トール油、ラノリン脂肪酸などの天然脂肪酸;イソノナン酸、カプロン酸、2−エチルブタン酸、イソペンタン酸、2−メチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソペンタン酸などの合成脂肪酸。
【0043】
エタノール、イソプロパノール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロールなどの天然アルコール;2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノールなどの合成アルコール。
【0044】
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ペンタエリトリトール、ソルビトール、マンニトールなどの多価アルコール。
【0045】
ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、酢酸ラノリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコールなどのエステル。
【0046】
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛などの金属セッケン。
【0047】
アラビアゴム、ベンゾインゴム、ダンマルゴム、グアヤク脂、アイルランド苔、カラヤゴム、トラガントゴム、キャロブゴム、クインシード、寒天、カゼイン、乳糖、果糖、ショ糖及びそのエステル、トレハロース及びその誘導体、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、カラギーナン、サクシニルキトサン、カルボキシメチルキチン又はキトサン、エチレンオキシドなどのアルキレン(C2〜C4)オキシドが付加されたヒドロキシアルキル(C2〜C4)キチン又はキトサン、低分子キチン又はキトサン、キトサン塩、硫酸化キチン又はキトサン、リン酸化キチン又はキトサン、アルギン酸及びその塩、ヒアルロン酸及びその塩、コンドロイチン硫酸及びその塩、ヘパリン、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタクリレート、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド又はその架橋重合物、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミンなどのガム質、糖類及び水溶性高分子化合物。
【0048】
アニオン界面活性剤(アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩)、カチオン界面活性剤(アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩)、両性界面活性剤:カルボン酸型両性界面活性剤(アミノ型、ベタイン型)、硫酸エステル型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル型両性界面活性剤、非イオン界面活性剤(エーテル型非イオン界面活性剤、エーテルエステル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤)、その他の界面活性剤(天然界面活性剤、タンパク質加水分解物の誘導体、高分子界面活性剤、チタン・ケイ素を含む界面活性剤、フッ化炭素系界面活性剤)などの界面活性剤。
【0049】
レチノール、レチナール(ビタミンA1)、デヒドロレチナール(ビタミンA2)、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ピリドキシン(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、コリン、イノシトール類、アスコルビン酸及びその誘導体、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、ジヒドロタキステロール、トコフェロール及びその誘導体、ユビキノン(コエンザイムQ)類、ビタミンK1、ビタミンK2、ビタミンK3、ビタミンK4、その他、必須脂肪酸(ビタミンF)、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、オロット酸、ビタミンP類(ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジン)、ビタミンUなどのビタミン類。
【0050】
バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジンなどや、それらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩などのアミノ酸又はピロリドンカルボン酸などのアミノ酸誘導体。
【0051】
酵母代謝物、酵母菌抽出エキス、米発酵エキス、米糠発酵エキス、ユーグレナエキスやトレハロース又はその誘導体などの微生物培養代謝物。グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などのα−ヒドロキシ酸。
【0052】
無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、ベントナイト、マイカ、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、グンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、カラミンなどの無機顔料。
【0053】
p−アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、アントラニル酸誘導体、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、ベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体、カンファー誘導体、フラン誘導体、ピロン誘導体、核酸誘導体、アラントイン誘導体、ニコチン酸誘導体、ビタミンB6誘導体、ベンゾフェノン類、オキシベンゾン、アルブチン、グアイアズレン、シコニン、バイカリン、バイカレイン、ベルベリン、ネオヘリオパン、ウロカニン酸誘導体、エスカロール、酸化亜鉛、タルク、カオリンなどの紫外線吸収・遮断剤。
【0054】
p−アミノ安息香酸誘導体、サルチル酸誘導体、アントラニル酸誘導体、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、ベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体、カンファー誘導体、フラン誘導体、ピロン誘導体、核酸誘導体、アラントイン誘導体、ニコチン酸誘導体、ビタミンB6誘導体、オキシベンゾン、ベンゾフェノン、アルブチン、グアイアズレン、シコニン、バイカリン、バイカレイン、ベルベリンなどの美白剤。
【0055】
アスコルビン酸及びその誘導体、ヒドロキノン及びその配糖体、コウジ酸及びその誘導体、胎盤エキス、シルクペプチド、植物エキス(クワ、トウキ、ワレモコウ、ヨモギ、スイカズラ、キハダ、ドクダミ、マツホド、ハトムギ、オドリコソウ、サンザシ、ユーカリ、セイヨウノコギリソウ、アルテア、ケイヒ、マンケイシ、ハマメリス、ヤマグワ、延命草、桔梗、トシシ、続随子、射干、麻黄、センキュウ、ドッカツ、サイコ、ボウフウ、ハマボウフウ、オウゴン、シャクヤク、ゲンノショウコ、甘草、五倍子、アロエ、ショウマ、紅花、阿仙薬など)などチロシナーゼ活性阻害剤。
【0056】
ヒドロキノンモノベンジルエーテル、フェニル水銀ヘキサクロロフェン、酸化第二水銀、塩化第一水銀、過酸化水素水、過酸化亜鉛などのメラニン色素還元・分解剤。
【0057】
ヒドロキノン、乳酸菌エキス、胎盤エキス、霊芝エキス、冬虫夏草エキス、虫草エキス、キノコ由来の多糖類、ビタミンA、ビタミンE、アラントイン、脾臓エキス、胸腺エキス、酵母エキス、発酵乳エキス、植物エキス(アロエ、オウゴン、スギナ、ゲンチアナ、ゴボウ、シコン、ニンジン、ハマメリス、ホップ、ヨクイニン、オドリコソウ、センブリ、トウキ、トウキンセンカ、アマチャ、オトギリソウ、キュウリ、タチジャコウソウ、ローズマリー、パセリなど)などのターンオーバーの促進作用・細胞賦活剤。
【0058】
コハク酸、アラントイン、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、カラミン、p−フェノールスルホン酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム、レゾルシン、塩化第二鉄、タンニン酸(カテキン化合物を含む)などの収斂剤。
【0059】
SOD、カタラーゼ、グルタチオンパーオキシダーゼなどの活性酸素消去剤;アスコルビン酸及びその塩、ステアリン酸エステル、トコフェロール及びそのエステル誘導体、ノルジヒドログアセレテン酸、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ヒドロキシチロソール、パラヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、セサモール、セサモリン、ゴシポールなどの抗酸化剤。
【0060】
β−カロチン、植物エキス(ゴマ培養細胞、アマチャ、オトギリソウ、ハマメリス、チョウジ、メリッサ、エンメイソウ、シラカバ、セージ、ローズマリー、南天実、キナ、エイジツ、イチョウなど)などの過酸化脂質生成抑制剤。
【0061】
イクタモール、インドメタシン、カオリン、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸メチル、アセチルサリチル酸、塩酸ジフェンヒドラミン、d又はdl−カンフル、ヒドロコルチゾン、グアイアズレン、カマズレン、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びその塩、甘草エキス成分、シコンエキス、エイジツエキス、雪ノ下などの抗炎症剤。
【0062】
アクリノール、イオウ、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルロザニリン、クレゾール、グルコン酸カルシウム、グルコン酸クロルヘキシジン、スルファミン、マーキュロクロム、ラクトフェリン又はその加水分解物、塩化アルキルジアミノエチルグリシン液、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、クジンなどの殺菌・消毒薬。
【0063】
グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヒアルロン酸及びその塩、ポリエチレングリコール、コンドロイチン硫酸及びその塩、水溶性キチン又はキトサン誘導体、ピロリドンカルボン酸及びその塩、乳酸ナトリウム、ミニササニシキエキスなどの保湿剤。
【0064】
二硫化セレン、臭化アルキルイソキノリニウム液、ジンクピリチオン、ビフェナミン、チアントール、カスタリチンキ、ショウキョウチンキ、トウガラシチンキ、塩酸キニーネ、強アンモニア水、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム、チオグリコール酸などの頭髪用剤。
【0065】
卵胞ホルモン(エストロン、エストラジオール、エチニルエストラジオールなど)、イソフラボン、オキセンドロンなどの抗アンドロゲン剤。ビタミンE及びその誘導体、センブリエキス、ニンニクエキス、人参エキス、アロエエキス、ゲンチアナエキス、トウキエキス、セファランチン、塩化カルプロニウム、ミノキシジルなどの末梢血管血流促進剤。
【0066】
トウガラシチンキ、ノニル酸バニルアミド、カンタリスチンキ、ショウキョウチンキ、ハッカ油、l−メントール、カンフル、ニコチン酸ベンジルなどの局所刺激剤。
【0067】
感光素301号、ヒノキチオール、パントテン酸及びその誘導体、アラントイン、胎盤エキス、ビオチン、ペンタデカン酸グリセリドなどの代謝活性剤。
【0068】
ピリドキシン及びその誘導体、イオウ、ビタミンB6などの抗脂漏剤。 レゾルシン、サリチル酸、乳酸などの角質溶解剤。過酸化水素水、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過ホウ酸ナトリウム、過酸化尿素、過炭酸ナトリウム、過酸化トリポリリン酸ナトリウム、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、過酸化ピロリン酸ナトリウム、過酸化オルソリン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム過酸化水素付加体、硫酸ナトリウム塩化ナトリウム過酸化水素付加体、β−チロシナーゼ酵素液、マッシュルーム抽出液などの酸化剤。
【0069】
硫酸ストロンチウム、硫化ナトリウム、硫化バリウム、硫化カルシウムなどの無機系還元剤、チオグリコール酸又はその塩類(チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸リチウム、チオグリコール酸マグネシウム、チオグリコール酸ストロンチウムなど)などの除毛剤。
【0070】
エタノールアミン、尿素、グアニジンなどの毛髪膨潤剤。5−アミノオルトクレゾール、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、1−アミノ−4−メチルアミノアントラキノン、3,3′−イミノジフェノール、塩酸2,4−ジアミノフェノキシエタノール、塩酸2,4−ジアミノフェノール、塩酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸ニトロパラフェニレンジアミン、塩酸パラフェニレンジアミン、塩酸N−フェニルパラフェニレンジアミン、塩酸メタフェニレンジアミン、オルトアミノフェノール、酢酸N−フェニルパラフェニレンジアミン、1,4−ジアミノアントラキノン、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、トルエン−2,5−ジアミン、トルエン−3,4−ジアミン、ニトロパラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、パラニトロオルトフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラメチルアミノフェノール、ピクラミン酸、ピクラミン酸ナトリウム、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、N−フェニルパラフェニレンジアミン、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、硫酸5−アミノオルトクレゾール、硫酸2−アミノ−5−ニトロフェノール、硫酸オルトアミノフェノール、硫酸オルトクロルパラフェニレンジアミン、硫酸4,4′−ジアミノジフェニルアミン、硫酸2,4−ジアミノフェノール、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、硫酸ニトロパラフェニレンジアミン、硫酸パラアミノフェノール、硫酸パラニトロオルトフェニレンジアミン、硫酸パラニトロメタフェニレンジアミン、硫酸パラフェニレンジアミン、硫酸パラメチルアミノフェノール、硫酸メタアミノフェノール、硫酸メタフェニレンジアミン、カテコール、ジフェニルアミン、α−ナフトール、ヒドロキノン、ピロガロール、フロログルシン、没食子酸、レゾルシン、タンニン酸、ヘマテインなどの染料剤。
【0071】
ジャコウ、シベット、カストリウム、アンバーグリスなどの天然動物性香料、アニス精油、アンゲリカ精油、イランイラン精油、イリス精油、ウイキョウ精油、オレンジ精油、カナンガ精油、カラウェー精油、カルダモン精油、グアヤクウッド精油、クミン精油、黒文字精油、ケイ皮精油、シンナモン精油、ゲラニウム精油、コパイババルサム精油、コリアンデル精油、シダーウッド精油、シトロネラ精油、ジャスミン精油、ジンジャーグラス精油、杉精油、スペアミント精油、西洋ハッカ精油、大茴香精油、チュベローズ精油、丁字精油、橙花精油、冬緑精油、トルーバルサム精油、バチュリー精油、バラ精油、パルマローザ精油、檜精油、ヒバ精油、白檀精油、プチグレン精油、ベイ精油、ベチバ精油、ベルガモット精油、ペルーバルサム精油、ボアドローズ精油、芳樟精油、マンダリン精油、ユーカリ精油、ライム精油、リナロエ精油、レモングラス精油、レモン精油、ローズマリー精油、和種ハッカ精油などの植物性香料、その他合成香料などの香料。
【0072】
赤キャベツ色素、赤米色素、アカネ色素、アナトー色素、イカスミ色素、ウコン色素、エンジュ色素、オキアミ色素、柿色素、カラメル、金、銀、クチナシ色素、コーン色素、タマネギ色素、タマリンド色素、スピルリナ色素、ソバ全草色素、チェリー色素、海苔色素、ハイビスカス色素、ブドウ果汁色素、マリーゴールド色素、紫イモ色素、紫ヤマイモ色素、ラック色素、ルチンなどの色素・着色剤。
【0073】
その他、保湿剤、ホルモン類、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、キレート剤、防腐・防バイ剤、清涼剤、安定化剤、乳化剤、動・植物性蛋白質及びその分解物、動・植物性多糖類及びその分解物、動・植物性糖蛋白質及びその分解物、血流促進剤、消炎剤・抗アレルギー剤、細胞賦活剤、角質溶解剤、創傷治療剤、増泡剤、増粘剤、口腔用剤、消臭・脱臭剤、苦味料、酵素などが挙げられ、これらとの併用によって、相加的及び相乗的な各種の効果が期待できる。
【0074】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0075】
(実施例1)プロアントシアニジンの製造
(製造法A)
1.皮のむけていない落花生種子(以下「落花生種子」という。)を60kg用意し、簡単に水洗した。
2.RO処理水(以下「水」という。)(15〜25℃)30Lを容器に入れ、そこに前記1.で用意した落花生種子20kgを入れ、20分間放置した後、落花生種子だけを取り出し28Lの抽出液Aを得た。
3.前記抽出液Aに未抽出の落花生種子20kgを入れ、20分間放置した後、落花生種子だけを取り出し26Lの抽出液Bを得た。
4.前記抽出液Bに未抽出の落花生種子20kgを入れ、20分間放置した後、落花生種子だけを取り出し約24Lの抽出液Cを得た。
5.前記抽出液Cを目の細かい布で濾過し、抽出液Dを得た。
6.前記抽出液Dを加圧式濾過器にかけ、抽出液Eを得た。濾過器のフィルターとしては、布6枚を重ねたものを用いた。
7.前記抽出液Eを加圧式濾過器にかけ、抽出液Fを得た。濾過器のフィルターとしては、7μmのステンレス製フィルターを用いた。
8.前記抽出液Fを凍結濃縮し、抽出液Gを得た。
9.前記抽出液Gを凍結乾燥又はスプレードライに付し、150gの落花生種子抽出物Hを得た。
10.前記抽出物Hを60メッシュの篩にかけ、桃色の抽出物Iを微粒子状の粉体として得た。
【0076】
11.前記抽出物Iを分析した結果を以下に示す。
(1)薄層クロマトグラフィー
逆相薄層クロマトグラフィー(ODS)分析により、主として1種の成分からなることがわかった。
(a)展開溶媒:50%アセトニトリル
スポットA:Rf 0.71
(b)展開溶媒:35%アセトニトリル
スポットA:Rf 0.47
(2)高速液体クロマトグラフィー
以下の条件で行った高速液体クロマトグラフィーは、分子量の異なるポリフェノールの混合物であることを示した。結果を図1に示す。
カラム:昭和電工(株)製 Shodex SUGAR KS-801(8.0mm id×300mm)
試料:前記抽出物I(水に溶解後、1日放置)
試料サイズ:10μL(10mg/ml)
溶離液:水
流量:0.35ml/分
カラム温度:80℃
圧力:50kg/cm2
検出:RI range 1
(3)逆相カラムクロマトグラフィー(ODS)によるポリフェノール含量の分析
前記抽出物I1.0gをODSカラム(ODS10g)に通導し、水80ml及び50%メタノール80mlを流した結果、50%メタノール溶出画分から0.96gのポリフェノールを得た。(ポリフェノール含有量96%)
(4)NMRスペクトル
前記抽出物Iの核磁気共鳴(1H NMR)スペクトル(500MHz,D2O)を図2に示す。
(5)IRスペクトル
前記抽出物Iの赤外線吸収(IR)スペクトルを以下に示す。
IR (KBr): 3000-3700, 2900, 2850, 1616, 1525, 823, 782 cm-1(図3参照)
12.NMRスペクトルによる解析から、前記抽出物Iには、約90%のプロアントシアニジンが含まれていることが判明した。
【0077】
(製造法B)
種皮付落花生種子を超純水1Lに10分間浸けた後、ブフナーロートを用いて減圧濾過した。濾液を凍結乾燥して、粉末状の落花生種子抽出物Jを2.65g得た。
落花生種子抽出物JのNMRスペクトル及びIRスペクトルを、それぞれ図4及び図5に示す。
【0078】
NMRスペクトルにおいて、高分子ポリフェノール由来のシグナル(6.5〜7.3ppm)の他に、糖に由来すると思われるシグナルが大きく観察され、前記抽出物Iのプロアントシアニジンとは相違する物質と考えられた。
【0079】
(公知のプロアントシアニジンとの比較)
特許第2975997号公報(特許文献5)に記載の落花生種皮由来のプロアントシアニジンでは、段落0057に記載の構造式及び段落0058の表1に記載の置換基から明らかなように、芳香環(A環、B環、D環及びE環;段落0006の一般式(1)参照)上の水素合計9個に対し、F環(段落0006の一般式(1)参照)におけるメチレン水素が2個存在する。このメチレン水素は、段落0059の表2の1H NMRデータの4´α、4´βに相当し、それらのシグナルが2.58〜2.95ppmに観察されるが、本発明のプロアントシアニジンでは対応するシグナルはほとんど観察されない(図2及び図4参照)。
【0080】
従って、本発明のプロアントシアニジンは、公知の落花生種皮由来のプロアントシアニジンとは相違し、新規なプロアントシアニジンと考えられる。
【0081】
(実施例2)経口投与によるマウス移植癌に対する抗腫瘍性試験
ICRマウス(5週令、雌、6匹/群)の片足皮下に、予めマウス腹腔に投与して増殖させた癌細胞(腫瘍細胞株:Sarcoma 180細胞。37℃で継代培養した。)を5×106cells/mouseの割合で移植した。癌細胞移植後10日間、1日1回、実施例1で得られた抽出物Iの10mg/ml濃度の水溶液を、当該抽出物I100mg/kgの割合で経口投与した。また、対照群には、生理食塩水を与えた。5週間にわたって半週間毎に腫瘍塊の大きさを計測した。5週間後、腫瘍塊を取り出し、重量を計測し、腫瘍増殖阻害率を求めた。その結果、実施例1で得られた抽出物Iの経口投与による腫瘍増殖阻害率は38.3%であり、顕著な腫瘍増殖阻害活性が認められた。また、腫瘍容積の推移を図6に示す。
【0082】
(実施例3)チロシナーゼ阻害効果
<方法>
1.酵素溶液[mushroom tyrosinase(シグマ社製)の1/15Mリン酸緩衝液300U/ml]を0.02ml、被検物質(実施例1で得られた抽出物I)溶液(目的濃度の1.25倍)0.16ml(コントロール群にはリン酸緩衝液)を添加し、波長475nmにおける吸光度(OD)を測定した後(Basal)、25℃で10分間pre-incubateした。
2.前記の溶液に、L−DOPA試薬(和光純薬社製)を1/15 Mリン酸緩衝液に溶解した溶液(0.125%濃度)を0.02ml添加し、25℃で10分間incubateした。
3.波長475nmにおける吸光度(OD)を測定した。
Blank:酵素なし。Control:薬物なし。
【0083】
なお、酵素阻害活性は下記のように計算した。
% of control=100×[(被検物質添加群のOD)-(そのwellのBasalのOD)]-[(Blank wellのOD)-(Blank wellのBasalのOD)]/
[(Control群のOD)-(Control wellのBasalのOD)]-[(Blank wellのOD)-(Blank wellのBasalのOD)]
結果を図7に示す。50%阻害濃度(IC50)は415μg/mlであった。
【0084】
(実施例4)
実施例1で得られた抽出物I10gをトウモロコシデンプン490gと混合し水を加えて練合し、1mm×1mmの網目を有するスクリーンにて造粒して乾燥し顆粒剤とした。
本顆粒剤1g中には前記抽出物I20mgが含有されている。本顆粒剤は症状にあわせて1回5〜10gを1日3回服用する。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、簡易な手段で高純度のプロアントシアニジン、及び高濃度のプロアントシアニジンを含有する落花生抽出物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】落花生種子の抽出物の高速液体クロマトグラフィーの結果を示す図である。
【図2】落花生種子の抽出物のNMRスペクトルを示す図である。
【図3】落花生種子の抽出物のIRスペクトルを示す図である。
【図4】落花生種子の抽出物(結晶体)のNMRスペクトルを示す図である。
【図5】落花生種子の抽出物(結晶体)のIRスペクトルを示す図である。
【図6】抗腫瘍性試験における腫瘍容積の推移を示す図である。
【図7】落花生種子の抽出物のチロシナーゼ阻害効果を示す図である。
Claims (4)
- 落花生の種子をそのまま、水、水混和性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出することを特徴とするプロアントシアニジンの製造方法。
- 抽出溶媒が水である請求項1記載の方法。
- 落花生の種子をそのまま、水、水混和性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出することを特徴とする落花生種子抽出物の製造方法。
- 抽出溶媒が水である請求項3記載の方法。
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