JP5462491B2 - プロアントシアニジン三量体 - Google Patents

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Description

本発明は、落花生由来のプロアントシアニジン三量体並びにその製造方法及び用途に関する。
高等植物の生体防御物質として知られるプロアントシアニジンは、一般に、フラバン−7−オールを構成ユニットとして4β→6、4β→8、4β→8・2βO→7等の結合様式によって重合した二量体以上の重合体の総称であり、縮合型タンニンとも呼称される(非特許文献1及び非特許文献2)。これらは、酸処理によりアントシアニジンを生成して紅色になることからプロアントシアニジンと総称されている。プロアントシアニジンは多様な生理活性を示すことが知られており、該活性としては、抗腫瘍、抗炎症、抗老化、抗酸化、抗アレルギー、抗菌、ヒアルロニダーゼ活性阻害、育毛、皮膚白色化、皮膚老化防止、メイラード反応阻害等の活性が報告されている(非特許文献3、非特許文献4、特許文献1〜5)。これらの生理活性とプロアントシアニジンの重合度数との構造活性相関に関しては、全て明確にされているわけではないが、例えば、育毛活性については、プロアントシアニジンのうち二〜五量体(特に二量体と三量体)のプロアントシアニジンオリゴマーが最も高い活性を有することが報告されている(特許文献6)。
植物からのプロアントシアニジンの分離精製に関しては、従来より、ブドウ種子、松樹皮、イチョウ葉、ピーナッツ、カカオ豆等の各種植物体からの分離が試みられている。このうち、原料からの工業的抽出例としては、ブドウ種子(特許文献7〜9)あるいは松樹皮(特許文献10及び特許文献11)からの抽出等が挙げられる。特許文献7記載の方法では、白ブドウ種子と70℃未満の水とを接触させて前処理を行った後、熱水抽出に付し、得られた抽出液をセファデックスLH−20カラムに通塔した後、70%エタノールで溶出し、純度約90%のプロアントシアニジン含有粉末を得ている。特許文献10記載の方法では、海岸松樹皮1tを加圧状態で温水抽出に付し、酢酸エチルによる溶出及びクロロホルム添加による沈殿を繰り返し、プロアントシアニジン含有粉末を得ている。
落花生種皮からは、次式:
Figure 0005462491
Figure 0005462491
Figure 0005462491
Figure 0005462491
Figure 0005462491
Figure 0005462491
で示されるプロアントシアニジンが精製・単離されている(非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7及び特許文献5)。
非特許文献5及び特許文献5は、前者の発表者と後者の発明者、及びそれらの開示内容は実質的に同一であるが、プロアントシアニジンの抽出条件について、前者には、落花生種皮(落花生279kgから)を沸騰水1000リットルで2回、各2時間抽出したと記載されているのに対し、後者には、落花生種皮279kgに水1000リットルを加えて90〜95℃で2回、各2時間抽出したと記載されている。抽出物の収量はいずれも190gと記載されている。
特許文献12には、落花生の種子から種皮を分離しないまま、水等の溶媒で抽出するプロアントシアニジンの製造方法が開示されているが、プロアントシアニジン三量体については言及されていない。
特開昭61−16982号公報 特開平6−336430号公報 特開2000−229834号公報 特許第2528087号公報 特許第2975997号公報(例えば、請求項1、段落0047、0057及び0058) WO96/00561 特開平3−200781号公報 WO97/39632 米国特許第5484594号明細書 米国特許第4698360号明細書 WO97/44407 特開2004−269487号公報
「スタインエッガー・ヘンゼル 生薬学[上] 化学・薬理学へのアプローチ」(糸川秀治他訳、(株)廣川書店発行)204〜208頁(1977年) Porter L.J., Flavans and proanthocyanidins, In: Harborne J.B.(ed.), "The Flavonoids, Advances in Research Science 1986", Chapman & Hall, 1994, pp. 23-55 バート・シュビッタース/ジャック・マスケリエ著、「21世紀の生体防御物質OPC」(佐々木瞭訳、フレグレンスジャーナル社発行、1997年)50−135頁 Tomoya Takahashi, et al., Journal of Investigative Dermatology, 112, 310-316 (1999) H. Lou, et al., Phytochemistry, 51, 297-308 (1999)(例えば、298〜299頁、305頁左欄19〜21行目) J. J. Karchesy, et al., J. Agric. Food Chem., 34, 966-970 (1986)(例えば、967頁右欄1〜6行目、968頁図2) H. Lou, et al., Phytochemistry, 65, 2391-2399 (2004)
本発明は、落花生由来の新規プロアントシアニジン並びにその製造方法及び用途を提供することを課題とする。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)一般式(I):
Figure 0005462491
で示されるプロアントシアニジン三量体。
(2)前記(1)に記載のプロアントシアニジン三量体を含有する医薬組成物。
(3)前記(1)に記載のプロアントシアニジン三量体を含有する抗炎症剤。
(4)前記(1)に記載のプロアントシアニジン三量体を含有する食品類。
(5)前記(1)に記載のプロアントシアニジン三量体を含有する化粧料。
(6)落花生の種子から種皮を分離しないまま、水で抽出し、得られた抽出物を精製することを含む前記(1)に記載のプロアントシアニジン三量体の製造方法。
本発明によれば、落花生由来のプロアントシアニジン三量体並びにその製造方法及び用途を提供することができる。
落花生の果実は強固な果皮を有し、この内部に通常2個の種子が存在する。内存する種子にはこれを包する種皮がある。本発明のプロアントシアニジン三量体を得るためには、好ましくは、落花生の種子から種皮を分離しないまま、水で抽出を行う。これにより、プロアントシアニジンを効率よく、かつ高純度で得ることができる。落花生種子としては、種皮の全部又は一部が剥離したものを除外し、種皮が種子全体を覆っているものを選別して用いることが、得られるプロアントシアニジンの純度の点で好ましい。
従来、落花生種皮抽出物の調製には、落花生種子から分離した種皮を用いていたが、この場合、種皮分離時の乾燥工程及び分離工程にプロアントシアニジンが変性又は除去されることにより、プロアントシアニジンの収量及び純度が低下し、更に、種皮を種子から分離する際に種子由来の油分が種皮に付着し、抽出物に油分が混入し、純度が低下する。
抽出前に、種子を洗浄する場合には、汚れを落とす程度に水等で簡単に洗浄することが、プロアントシアニジンの収量の点で好ましい。
抽出に用いる水の種類は、上水、天然水、RO(逆浸透膜)処理水、深層水、磁気化水、単分子水、水の結鎖角度を変化させた処理水等、飲用又は皮膚に適用できるものであれば如何なるものでもよい。
通常、種子1kg当り水1〜5Lを使用する。
抽出温度は、好ましくは5〜50℃、更に好ましくは10〜30℃である。超臨界抽出をしてもよい。また、抽出は、通常常圧下で行うが、加圧下又は減圧下で行ってもよい。抽出時間は、抽出温度等により異なり、通常5分間〜1日間であるが、種子由来の油分が溶出してこない時間内とするのが好ましい。5〜50℃で抽出する場合、抽出時間は、好ましくは5〜60分、更に好ましくは10〜30分である。
抽出液に再度未処理の落花生種子を加え前記と同様の抽出操作を1又は複数回繰り返してもよい。
前記のようにして得られた抽出液を、布、ステンレスフィルター、濾紙等で濾過して落花生種子、不純物等を取り除くことで、目的の抽出液を得ることができる。また、濾過後の抽出液に、スプレードライ処理、フリーズドライ処理、超臨界処理等の処理を施してもよい。
このようにして得られる抽出物の乾燥粉末には、通常70%以上、好ましくは80%以上(核磁気共鳴スペクトルから算出)のプロアントシアニジンが含有されている。したがって、前記乾燥粉末は、高純度プロアントシアニジンとして用いることができる。
前記抽出物をイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー(好ましくは逆相カラムクロマトグラフィー(ODS))等の各種精製手段により処理し、更に精製することにより、本発明のプロアントシアニジン三量体を得ることができる。
本発明のプロアントシアニジン三量体は、前記一般式(I)で示される化合物であり、表1に示す4種のカテキン同族体(catechin, ent-catechin, epicatechin 又はent-epicatechin)いずれかの組み合わせからなるA−型プロアントシアニジン三量体である。
Figure 0005462491
本発明のプロアントシアニジン三量体は、炎症性サイトカイン(TNF−α,IL−6)の産生抑制作用を示し、そのまま、又は適当な添加剤、活性成分等と組み合わせて、医薬組成物、例えば抗炎症剤、抗アレルギー剤(例えば、花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アトピー性発疹等のアレルギー性疾患の治療又は予防剤として);食品類、例えば食品(必要に応じて、乳酸菌等を配合してもよい。)、チューインガム、飲料(必要に応じて、乳酸菌等を配合してもよい。)、特定保健用食品として用いることができる。
本発明のプロアントシアニジン三量体を医薬組成物又は食品類として用いる場合、投与形態としては、特に制限はなく、必要に応じ適宜選択されるが、一般には錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤等の経口剤、又は注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、貼付剤、軟膏剤等の非経口剤として使用される。
本発明のプロアントシアニジン三量体の投与量は、対象者の年令、体重、疾患・症状の程度、投与経路により異なるが、経口投与では、プロアントシアニジン又は抽出物乾燥粉末として、通常1日1〜1000mgであり、投与回数は、通常、経口投与では1日1〜3回である。
経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等の賦形剤を用いて常法に従って製造される。
この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用することができる。
結合剤の具体例としては、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルメロースナトリウム、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、プルラン、ポリビニルピロリドン、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマー、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、アラビアゴム末、寒天、ゼラチン、白色セラック、トラガント、精製白糖、マクロゴールが挙げられる。
崩壊剤の具体例としては、結晶セルロース、メチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、トラガントが挙げられる。
界面活性剤の具体例としては、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴールが挙げられる。
滑沢剤の具体例としては、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、タルク、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ロウ類、水素添加植物油、ポリエチレングリコールが挙げられる。
流動性促進剤の具体例としては、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムが挙げられる。
また、本発明の医薬組成物(液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤として投与する場合)及び食品類は、矯味矯臭剤、着色剤を含有してもよい。
本発明のプロアントシアニジン三量体は、例えば、抗アレルギー剤、抗炎症剤として、皮膚外用剤又は化粧料に配合することができる。
本発明のプロアントシアニジン三量体を配合した皮膚外用剤又は化粧料としては、化粧水、乳液、美容液、一般クリーム、エッセンス、クレンジングクリーム等の洗顔料、パック、髭剃り用クリーム、日焼けクリーム、日焼け止めクリーム、日焼け止めローション、日焼けローション、石鹸、ファンデーション、おしろい、パウダー、口紅、リップクリーム、アイライナー、アイクリーム、アイシャドウ、チークカラー、アイブローカラー、マスカラ、浴用化粧料、シャンプー、リンス、トリートメント剤、染毛料、育毛剤、ボディローション、ボディシャンプー等が挙げられる。
本発明のプロアントシアニジン三量体の配合量は、プロアントシアニジン又は抽出物乾燥粉末として、通常0.001〜100%、好ましくは0.001〜10%、更に好ましくは0.01〜5%である。
本発明の化粧料は、以下に示すような、通常化粧料において使用されている各種成分や添加剤の中から用途に適したものを任意に選択、併用して製造することができる。
例えば、アボカド油、アーモンド油、ウイキョウ油、オリーブ油、オレンジ油、ゴマ油、カカオ脂、カミツレ油、カロット油、キューカンバー油、牛脂脂肪酸、ククイナッツ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ヒマシ油、綿実油、落花生油、タートル油、ミンク油、卵黄油、パーム油、パーム核油、モクロウ、ヤシ油、牛脂、豚脂などの油脂類又はこれら油脂類の水素添加物(硬化油等)。
ミツロウ、カルナウバロウ、鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、カンデリラロウ、モンタンロウ、セラックロウなどのロウ類。
流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、オゾケライド、セレシン、マイクロクリスタンワックス、スクワレン、スクワラン、プリスタンなどの鉱物油類。
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、トール油、ラノリン脂肪酸などの天然脂肪酸;イソノナン酸、カプロン酸、2−エチルブタン酸、イソペンタン酸、2−メチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソペンタン酸などの合成脂肪酸。
エタノール、イソプロパノール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロールなどの天然アルコール;2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノールなどの合成アルコール。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ペンタエリトリトール、ソルビトール、マンニトールなどの多価アルコール。
ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、酢酸ラノリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコールなどのエステル。
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛などの金属セッケン。
アラビアゴム、ベンゾインゴム、ダンマルゴム、グアヤク脂、アイルランド苔、カラヤゴム、トラガントゴム、キャロブゴム、クインシード、寒天、カゼイン、乳糖、果糖、ショ糖及びそのエステル、トレハロース及びその誘導体、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、カラギーナン、サクシニルキトサン、カルボキシメチルキチン又はキトサン、エチレンオキシドなどのアルキレン(C2〜C4)オキシドが付加されたヒドロキシアルキル(C2〜C4)キチン又はキトサン、低分子キチン又はキトサン、キトサン塩、硫酸化キチン又はキトサン、リン酸化キチン又はキトサン、アルギン酸及びその塩、ヒアルロン酸及びその塩、コンドロイチン硫酸及びその塩、ヘパリン、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタクリレート、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド又はその架橋重合物、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミンなどのガム質、糖類及び水溶性高分子化合物。
アニオン界面活性剤(アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩)、カチオン界面活性剤(アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩)、両性界面活性剤:カルボン酸型両性界面活性剤(アミノ型、ベタイン型)、硫酸エステル型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル型両性界面活性剤、非イオン界面活性剤(エーテル型非イオン界面活性剤、エーテルエステル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤)、その他の界面活性剤(天然界面活性剤、タンパク質加水分解物の誘導体、高分子界面活性剤、チタン・ケイ素を含む界面活性剤、フッ化炭素系界面活性剤)などの界面活性剤。
レチノール、レチナール(ビタミンA)、デヒドロレチナール(ビタミンA)、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩(ビタミンB)、リボフラビン(ビタミンB)、ピリドキシン(ビタミンB)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、コリン、イノシトール類、アスコルビン酸及びその誘導体、エルゴカルシフェロール(ビタミンD)、コレカルシフェロール(ビタミンD)、ジヒドロタキステロール、トコフェロール及びその誘導体、ユビキノン(コエンザイムQ)類、ビタミンK、ビタミンK、ビタミンK、ビタミンK、その他、必須脂肪酸(ビタミンF)、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、オロット酸、ビタミンP類(ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジン)、ビタミンUなどのビタミン類。
バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジンなどや、それらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩などのアミノ酸又はピロリドンカルボン酸などのアミノ酸誘導体。
酵母代謝物、酵母菌抽出エキス、米発酵エキス、米糠発酵エキス、ユーグレナエキスやトレハロース又はその誘導体などの微生物培養代謝物。グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などのα−ヒドロキシ酸。
無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、ベントナイト、マイカ、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、グンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、カラミンなどの無機顔料。
p−アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、アントラニル酸誘導体、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、ベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体、カンファー誘導体、フラン誘導体、ピロン誘導体、核酸誘導体、アラントイン誘導体、ニコチン酸誘導体、ビタミンB誘導体、ベンゾフェノン類、オキシベンゾン、アルブチン、グアイアズレン、シコニン、バイカリン、バイカレイン、ベルベリン、ネオヘリオパン、ウロカニン酸誘導体、エスカロール、酸化亜鉛、タルク、カオリンなどの紫外線吸収・遮断剤。
p−アミノ安息香酸誘導体、サルチル酸誘導体、アントラニル酸誘導体、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、ベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体、カンファー誘導体、フラン誘導体、ピロン誘導体、核酸誘導体、アラントイン誘導体、ニコチン酸誘導体、ビタミンB誘導体、オキシベンゾン、ベンゾフェノン、アルブチン、グアイアズレン、シコニン、バイカリン、バイカレイン、ベルベリンなどの美白剤。
アスコルビン酸及びその誘導体、ヒドロキノン及びその配糖体、コウジ酸及びその誘導体、胎盤エキス、シルクペプチド、植物エキス(クワ、トウキ、ワレモコウ、ヨモギ、スイカズラ、キハダ、ドクダミ、マツホド、ハトムギ、オドリコソウ、サンザシ、ユーカリ、セイヨウノコギリソウ、アルテア、ケイヒ、マンケイシ、ハマメリス、ヤマグワ、延命草、桔梗、トシシ、続随子、射干、麻黄、センキュウ、ドッカツ、サイコ、ボウフウ、ハマボウフウ、オウゴン、シャクヤク、ゲンノショウコ、甘草、五倍子、アロエ、ショウマ、紅花、阿仙薬など)などチロシナーゼ活性阻害剤。
ヒドロキノンモノベンジルエーテル、フェニル水銀ヘキサクロロフェン、酸化第二水銀、塩化第一水銀、過酸化水素水、過酸化亜鉛などのメラニン色素還元・分解剤。
ヒドロキノン、乳酸菌エキス、胎盤エキス、霊芝エキス、冬虫夏草エキス、虫草エキス、キノコ由来の多糖類、ビタミンA、ビタミンE、アラントイン、脾臓エキス、胸腺エキス、酵母エキス、発酵乳エキス、植物エキス(アロエ、オウゴン、スギナ、ゲンチアナ、ゴボウ、シコン、ニンジン、ハマメリス、ホップ、ヨクイニン、オドリコソウ、センブリ、トウキ、トウキンセンカ、アマチャ、オトギリソウ、キュウリ、タチジャコウソウ、ローズマリー、パセリなど)などのターンオーバーの促進作用・細胞賦活剤。
コハク酸、アラントイン、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、カラミン、p−フェノールスルホン酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム、レゾルシン、塩化第二鉄、タンニン酸(カテキン化合物を含む)などの収斂剤。
SOD、カタラーゼ、グルタチオンパーオキシダーゼなどの活性酸素消去剤;アスコルビン酸及びその塩、ステアリン酸エステル、トコフェロール及びそのエステル誘導体、ノルジヒドログアセレテン酸、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ヒドロキシチロソール、パラヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、セサモール、セサモリン、ゴシポールなどの抗酸化剤。
β−カロチン、植物エキス(ゴマ培養細胞、アマチャ、オトギリソウ、ハマメリス、チョウジ、メリッサ、エンメイソウ、シラカバ、セージ、ローズマリー、南天実、キナ、エイジツ、イチョウなど)などの過酸化脂質生成抑制剤。
イクタモール、インドメタシン、カオリン、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸メチル、アセチルサリチル酸、塩酸ジフェンヒドラミン、d又はdl−カンフル、ヒドロコルチゾン、グアイアズレン、カマズレン、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びその塩、甘草エキス成分、シコンエキス、エイジツエキス、雪ノ下などの抗炎症剤。
アクリノール、イオウ、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルロザニリン、クレゾール、グルコン酸カルシウム、グルコン酸クロルヘキシジン、スルファミン、マーキュロクロム、ラクトフェリン又はその加水分解物、塩化アルキルジアミノエチルグリシン液、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、クジンなどの殺菌・消毒薬。
グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヒアルロン酸及びその塩、ポリエチレングリコール、コンドロイチン硫酸及びその塩、水溶性キチン又はキトサン誘導体、ピロリドンカルボン酸及びその塩、乳酸ナトリウム、ミニササニシキエキスなどの保湿剤。
二硫化セレン、臭化アルキルイソキノリニウム液、ジンクピリチオン、ビフェナミン、チアントール、カスタリチンキ、ショウキョウチンキ、トウガラシチンキ、塩酸キニーネ、強アンモニア水、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム、チオグリコール酸などの頭髪用剤。
卵胞ホルモン(エストロン、エストラジオール、エチニルエストラジオールなど)、イソフラボン、オキセンドロンなどの抗アンドロゲン剤。ビタミンE及びその誘導体、センブリエキス、ニンニクエキス、人参エキス、アロエエキス、ゲンチアナエキス、トウキエキス、セファランチン、塩化カルプロニウム、ミノキシジルなどの末梢血管血流促進剤。
トウガラシチンキ、ノニル酸バニルアミド、カンタリスチンキ、ショウキョウチンキ、ハッカ油、l−メントール、カンフル、ニコチン酸ベンジルなどの局所刺激剤。
感光素301号、ヒノキチオール、パントテン酸及びその誘導体、アラントイン、胎盤エキス、ビオチン、ペンタデカン酸グリセリドなどの代謝活性剤。
ピリドキシン及びその誘導体、イオウ、ビタミンBなどの抗脂漏剤。 レゾルシン、サリチル酸、乳酸などの角質溶解剤。過酸化水素水、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過ホウ酸ナトリウム、過酸化尿素、過炭酸ナトリウム、過酸化トリポリリン酸ナトリウム、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、過酸化ピロリン酸ナトリウム、過酸化オルソリン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム過酸化水素付加体、硫酸ナトリウム塩化ナトリウム過酸化水素付加体、β−チロシナーゼ酵素液、マッシュルーム抽出液などの酸化剤。
硫酸ストロンチウム、硫化ナトリウム、硫化バリウム、硫化カルシウムなどの無機系還元剤、チオグリコール酸又はその塩類(チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸リチウム、チオグリコール酸マグネシウム、チオグリコール酸ストロンチウムなど)などの除毛剤。
エタノールアミン、尿素、グアニジンなどの毛髪膨潤剤。5−アミノオルトクレゾール、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、1−アミノ−4−メチルアミノアントラキノン、3,3′−イミノジフェノール、塩酸2,4−ジアミノフェノキシエタノール、塩酸2,4−ジアミノフェノール、塩酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸ニトロパラフェニレンジアミン、塩酸パラフェニレンジアミン、塩酸N−フェニルパラフェニレンジアミン、塩酸メタフェニレンジアミン、オルトアミノフェノール、酢酸N−フェニルパラフェニレンジアミン、1,4−ジアミノアントラキノン、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、トルエン−2,5−ジアミン、トルエン−3,4−ジアミン、ニトロパラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、パラニトロオルトフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラメチルアミノフェノール、ピクラミン酸、ピクラミン酸ナトリウム、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、N−フェニルパラフェニレンジアミン、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、硫酸5−アミノオルトクレゾール、硫酸2−アミノ−5−ニトロフェノール、硫酸オルトアミノフェノール、硫酸オルトクロルパラフェニレンジアミン、硫酸4,4′−ジアミノジフェニルアミン、硫酸2,4−ジアミノフェノール、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、硫酸ニトロパラフェニレンジアミン、硫酸パラアミノフェノール、硫酸パラニトロオルトフェニレンジアミン、硫酸パラニトロメタフェニレンジアミン、硫酸パラフェニレンジアミン、硫酸パラメチルアミノフェノール、硫酸メタアミノフェノール、硫酸メタフェニレンジアミン、カテコール、ジフェニルアミン、α−ナフトール、ヒドロキノン、ピロガロール、フロログルシン、没食子酸、レゾルシン、タンニン酸、ヘマテインなどの染料剤。
ジャコウ、シベット、カストリウム、アンバーグリスなどの天然動物性香料、アニス精油、アンゲリカ精油、イランイラン精油、イリス精油、ウイキョウ精油、オレンジ精油、カナンガ精油、カラウェー精油、カルダモン精油、グアヤクウッド精油、クミン精油、黒文字精油、ケイ皮精油、シンナモン精油、ゲラニウム精油、コパイババルサム精油、コリアンデル精油、シダーウッド精油、シトロネラ精油、ジャスミン精油、ジンジャーグラス精油、杉精油、スペアミント精油、西洋ハッカ精油、大茴香精油、チュベローズ精油、丁字精油、橙花精油、冬緑精油、トルーバルサム精油、バチュリー精油、バラ精油、パルマローザ精油、檜精油、ヒバ精油、白檀精油、プチグレン精油、ベイ精油、ベチバ精油、ベルガモット精油、ペルーバルサム精油、ボアドローズ精油、芳樟精油、マンダリン精油、ユーカリ精油、ライム精油、リナロエ精油、レモングラス精油、レモン精油、ローズマリー精油、和種ハッカ精油などの植物性香料、その他合成香料などの香料。
赤キャベツ色素、赤米色素、アカネ色素、アナトー色素、イカスミ色素、ウコン色素、エンジュ色素、オキアミ色素、柿色素、カラメル、金、銀、クチナシ色素、コーン色素、タマネギ色素、タマリンド色素、スピルリナ色素、ソバ全草色素、チェリー色素、海苔色素、ハイビスカス色素、ブドウ果汁色素、マリーゴールド色素、紫イモ色素、紫ヤマイモ色素、ラック色素、ルチンなどの色素・着色剤。
その他、保湿剤、ホルモン類、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、キレート剤、防腐・防バイ剤、清涼剤、安定化剤、乳化剤、動・植物性蛋白質及びその分解物、動・植物性多糖類及びその分解物、動・植物性糖蛋白質及びその分解物、血流促進剤、消炎剤・抗アレルギー剤、細胞賦活剤、角質溶解剤、創傷治療剤、増泡剤、増粘剤、口腔用剤、消臭・脱臭剤、苦味料、酵素などが挙げられ、これらとの併用によって、相加的及び相乗的な各種の効果が期待できる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)プロアントシアニジン三量体の製造
(1)抽出物の調製
1.皮のむけていない落花生種子(以下「落花生種子」という。)を60kg用意し、簡単に水洗した。
2.RO処理水(以下「水」という。)(15〜25℃)30Lを容器に入れ、そこに前記1.で用意した落花生種子20kgを入れ、20分間放置した後、落花生種子だけを取り出し28Lの抽出液Aを得た。
3.前記抽出液Aに未抽出の落花生種子20kgを入れ、20分間放置した後、落花生種子だけを取り出し26Lの抽出液Bを得た。
4.前記抽出液Bに未抽出の落花生種子20kgを入れ、20分間放置した後、落花生種子だけを取り出し約24Lの抽出液Cを得た。
5.前記抽出液Cを目の細かい布で濾過し、抽出液Dを得た。
6.前記抽出液Dを加圧式濾過器にかけ、抽出液Eを得た。濾過器のフィルターとしては、布6枚を重ねたものを用いた。
7.前記抽出液Eを加圧式濾過器にかけ、抽出液Fを得た。濾過器のフィルターとしては、7μmのステンレス製フィルターを用いた。
8.前記抽出液Fを凍結濃縮し、抽出液Gを得た。
9.前記抽出液Gを凍結乾燥又はスプレードライに付し、150gの落花生種子抽出物Hを得た。
10.前記抽出物Hを60メッシュの篩にかけ、桃色の抽出物Iを微粒子状の粉体として得た。
(2)プロアントシアニジン三量体の精製・単離
前記(1)で得た抽出物I54gの水溶液1000mlをダイアイオンHP−20(容積1500ml)に通導し、5000mlの蒸留水で洗浄した後に5000mlの50%エタノールにて溶出し、濃縮することによって37gの褐色粉末を得た。次に、このものを25%エタノールに溶解し、トヨパールHW−40c(容量1000ml)クロマトグラフィーに付した。75%エタノール画分3.1gのうち、2.2gを逆相クロマトグラフィー(ODS60g)に付し、40%メタノール画分60mgを得た。これを逆相HPLC(ODSカラム、20mm id×250mm)クロマトグラフィーに付し、20%メタノール溶出画分を再度、逆相HPLC(ODSカラム、20mm id×250mm)クロマトグラフィーに付すことにより、10%アセトニトリル溶出画分より化合物1(プロアントシアニジン三量体:epicatechin-(2β→O→7,4β→6)-[epicatechin-(4β→6)]-epicatechin, 10mg)を得た。
[α]D 52.9°(c 0.40, MeOH);
HR-FAB-MS m/z 863.18279 [M-H]- (calcd for C45H35O18863.18238);
IR ν 3564, 1622, 1558, 1286, 1103 cm-1;
CD Δε239 +59.42, Δε284 +31.57;
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 2.90 (2H, m), 3.77 (1H, s), 4.18 (1H, d, J=3.4), 4.22 (1H, br d, J=4.4), 4.42 (1H, d, J=3.4), 4.45 (1H, s), 4.99 (1H, s), 5.26 (1H, s), 5.84 (1H, d, J=2.4), 5.90 (1H, d, J=2.4), 6.01 (1H, s), 6.09 (1H, S), 6.58 (1H, br d, J=8.3), 6.64 (1H, d, J=8.3), 6.71 (1H, d, J=2.8), 6.77 (1H, d, J=7.8), 6.80 (1H, d, J=8.3), 6.92 (1H, br d, J=6.4), 7.01 (1H, dd, J=2.7, 8.5), 7.08 (1H, d, J=2.3), 7.10 (1H, d, J=2.0);
13C NMR (125 MHz, CD3OD) δ 29.2 (t). 29.7 (d), 37.3 (d), 67.2 (d), 67.8 (d), 73.1 (d), 77.0 (d), 81.1 (d), 96.3 (d), 96.7 (2C, d’s), 97.8 (d), 100.3 (2C, s’s), 102.0 (s), 104.5 (s), 107.0 (s), 110.7 (s), 115.3 (3C, d’s), 115.7 (d), 115.9 (d), 116.4 (d), 119.3 (2C, d’s), 119.9 (d), 131.2 (s), 131.3 (s), 133.0 (s), 145.5 (s), 145.7 (s), 145.9 (s), 146.1 (s), 146.2 (s), 146.8 (s), 151.3 (s), 152.2 (s), 152.3 (s), 156.7 (3C, s’s), 156.8 (2C, s’s), 157.9 (s).
化合物1(プロアントシアニジン三量体:epicatechin-(2β→O→7,4β→6)-[epicatechin-(4β→6)]-epicatechin)の構造式を以下に示す。
Figure 0005462491
プロアントシアニジン三量体で、SciFinder検索でヒットしたものはなく、文献未記載の新規物質と判断した。
(実施例2)THP−1細胞における炎症性サイトカイン(TNF−α,IL−6)の産生抑制作用
化合物1(プロアントシアニジン三量体)について、ヒト単球系白血病細胞株のTHP−1細胞を用いて免疫賦活作用を評価した。すなわち、ヒトにおける単球系の免疫応答を反映する培養THP−1細胞に化合物1を作用させ、大腸菌由来毒素のエンドトキシンであるリポ多糖類(LPS)刺激(100ng/ml)もしくは未刺激時に産生される炎症性サイトカイン(TNF−α,IL−6)の濃度をELISA法で評価した。なお、LPSは単球系細胞のCD14受容体と結合し、MAPキナーゼを経由してサイトカイン産生を誘導する。IL−6は、TNF−αと同じ転写因子を介して産生されるが、産生後の細胞アクションは、TNF−αではNF−κBを、IL−6ではNF−IL−6をそれぞれ誘導し、TNF−αは炎症プロセスにおいて起炎と皮膚組織のターンオーバーに作用し、IL−6は炎症応答の慢性化とターンオーバーのプロセスにそれぞれ関与する。従って、これらの因子を同時に計測することにより、皮膚炎症に対する異なる制御機構に対する作用を知ることができる。
化合物1はLPS刺激下、THP−1細胞における炎症性サイトカインTNF−α 及びIL−6の産生量を有意に抑制した。これは化合物1(プロアントシアニジン三量体)の細胞レベルにおける抗炎症作用を示唆するものである。
(実験方法及び結果)
5%牛血清(FBS)を加えたRPMI−1640基礎培地を用い、SIGMAより購入したヒト単球系白血病細胞株(THP−1)を37℃、5%CO存在下にて培養した。
THP−1培養細胞を5%FBSを含むRPMI−1640培地で1.5×10cells/wellの割合に混合し、その細胞懸濁溶液を24穴シャーレに970μlずつ加え、5%CO存在下のインキュベータ内、37℃の条件下で4時間予備培養した。
試料をDMSO溶液に溶解し、最終濃度0.1〜20μg/mlになるように基礎培地にて希釈した。なお、DMSOの最終濃度は0.3%に混合した。
4時間培養した細胞に、調製した試料溶液を20μlずつ、最終濃度が0.1μg/mlになるようにリポ多糖類(LPS)を10μlずつ投与し、36時間培養した。
36時間培養後、24穴シャーレから1wellに1個、それぞれエッペンチューブに回収し、2000rpm、0℃、5分の条件で遠心分離に付し、上清、各200μlをそれぞれ96穴シャーレに加え、−80℃で一時保存した。含まれるサイトカイン(TNF−α,IL−6)量をELISA法にて測定した。
結果を表2に示す。
Figure 0005462491

Claims (1)

  1. 一般式(I):
    Figure 0005462491
    で示されるプロアントシアニジン三量体。
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