JP5578160B2 - 植物由来の賦活化剤及び細胞外マトリックス産生促進剤 - Google Patents
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Description
1.植物由来ポリアミン含有抽出物を有効成分とすることを特徴とする賦活化剤。
2.植物由来ポリアミン含有抽出物が、大豆種子、大豆胚芽、大豆胚、大豆芽、小麦種子、小麦胚芽、小麦胚、小麦芽、豆乳及びオカラよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上から得ることを特徴とする前記1の賦活化剤。
3.ポリアミンが、第一級アミノ基を2つ以上有する脂肪族炭化水素からなる群より選ばれたすくなくとも1種以上の化合物であることを特徴とする前記1または2の賦活化剤。4.ポリアミンが、1,3−ジアミノプロパン、プトレシン、カダベリン、カルジン、スペルミジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、スペルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペンチルノルスペルミジン、N,N−ビス(アミノプロピル)カダベリン、ホモスペルミン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン及びホモカルドヘキサミンよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする前記1〜3のいずれかの賦活化剤。
5.ポリアミンが、プトレシン、スペルミジン及びスペルミンからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする前記1〜4のいずれかの賦活化剤。
6.前記1〜5のいずれかの賦活化剤を有効成分として含有することを特徴とする化粧品類。
7.前記1〜5のいずれかの賦活化剤を有効成分として含有することを特徴とする医薬部外品類。
8.前記1〜5のいずれかの賦活化剤を有効成分として含有することを特徴とする飲食品類。
9.前記1〜5のいずれかの賦活化剤を有効成分として含有することを特徴とする医薬品類。
10.植物由来ポリアミン含有抽出物を動物に接触させる工程を含むことを特徴とする賦活化方法。
11.ポリアミンが、第一級アミノ基を2つ以上有する脂肪族炭化水素からなる群より選ばれたすくなくとも1種以上の化合物であることを特徴とする前記10の賦活化方法。
12.植物由来ポリアミン含有抽出物が、大豆種子、大豆胚芽、大豆胚、大豆芽、小麦種子、小麦胚芽、小麦胚、小麦芽、豆乳及びオカラよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上から得ることを特徴とする前記10または11の賦活化方法。
13.ポリアミンが、1,3−ジアミノプロパン、プトレシン、カダベリン、カルジン、スペルミジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、スペルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペンチルノルスペルミジン、N,N−ビス(アミノプロピル)カダベリン、ホモスペルミン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン及びホモカルドヘキサミンよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする前記10〜12のいずれかの賦活化方法。
14.ポリアミンが、プトレシン、スペルミジン及びスペルミンからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする前記10〜13のいずれかの賦活化方法。
15.大豆種子、大豆胚芽、大豆胚、大豆芽、小麦種子、小麦胚芽、小麦胚、小麦芽、豆乳及びオカラよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上から得られた植物由来ポリアミン含有抽出物を有効成分とする賦活化剤。
16.植物由来ポリアミン含有抽出物を有効成分として含有することを特徴とする細胞外マトリックス産生促進剤。
17.細胞外マトリックス産生促進剤がコラーゲン産生促進剤であることを特徴とする前記22の細胞外マトリックス産生促進剤。
18.植物由来ポリアミン含有抽出物を動物に接触させる工程を含むことを特徴とする細胞外マトリックス産生促進方法。
19.植物由来ポリアミン含有抽出物を動物に接触させる工程を含むことを特徴とするコラーゲン産生促進方法。
20.ポリアミンが、第一級アミノ基を2つ以上有する脂肪族炭化水素からなる群より選ばれたすくなくとも1種以上の化合物であることを特徴とする前記19のコラーゲン産生促進方法。
21.植物由来ポリアミン含有抽出物が、大豆種子、大豆胚芽、大豆胚、大豆芽、小麦種子、小麦胚芽、小麦胚、小麦芽、豆乳及びオカラよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上から得ることを特徴とする前記19または20のコラーゲン産生促進方法。
22.ポリアミンが、1,3−ジアミノプロパン、プトレシン、カダベリン、カルジン、スペルミジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、スペルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペンチルノルスペルミジン、N,N−ビス(アミノプロピル)カダベリン、ホモスペルミン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン及びホモカルドヘキサミンよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする前記19〜21のいずれかのコラーゲン産生促進方法。
23.ポリアミンが、プトレシン、スペルミジン及びスペルミンからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする前記19〜22のいずれかのコラーゲン産生促進方法。
24.植物由来ポリアミン含有抽出物を動物に接触させる工程を含むことを特徴とするヒアルロン酸産生促進方法。
25.ポリアミンが、第一級アミノ基を2つ以上有する脂肪族炭化水素からなる群より選ばれたすくなくとも1種以上の化合物であることを特徴とする前記24のヒアルロン酸産生促進方法。
26.植物由来ポリアミン含有抽出物が、大豆種子、大豆胚芽、大豆胚、大豆芽、小麦種子、小麦胚芽、小麦胚、小麦芽、豆乳及びオカラよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上から得ることを特徴とする前記24または25のヒアルロン酸産生促進方法。
27.ポリアミンが、1,3−ジアミノプロパン、プトレシン、カダベリン、カルジン、スペルミジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、スペルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペンチルノルスペルミジン、N,N−ビス(アミノプロピル)カダベリン、ホモスペルミン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン及びホモカルドヘキサミンよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする前記24〜26のいずれかのヒアルロン酸産生促進方法。
28.ポリアミンが、プトレシン、スペルミジン及びスペルミンからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする前記24〜27のいずれかのヒアルロン酸産生促進方法。
植物由来ポリアミン含有抽出物を有効成分として含有することを特徴とする細胞外マトリックス産生促進剤。
細胞外マトリックス産生促進剤がコラーゲン産生促進剤又はヒアルロン酸産生促進剤であることを特徴とする上記に記載の細胞外マトリックス産生促進剤。
植物由来ポリアミン含有抽出物が、大豆種子、大豆胚芽、大豆胚、大豆芽、小麦種子、小麦胚芽、小麦胚、小麦芽、豆乳及びオカラよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上から得ることを特徴とする上記に記載の細胞外マトリックス産生促進剤。
ポリアミンが、第一級アミノ基を2つ以上有する脂肪族炭化水素からなる群より選ばれたすくなくとも1種以上の化合物であることを特徴とする上記に記載の細胞外マトリックス産生促進剤。
ポリアミンが、1,3−ジアミノプロパン、プトレシン、カダベリン、カルジン、スペルミジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、スペルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペンチルノルスペルミジン、N,N−ビス(アミノプロピル)カダベリン、ホモスペルミン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン及びホモカルドヘキサミンよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする上記に記載の細胞外マトリックス産生促進剤。
ポリアミンが、プトレシン、スペルミジン及びスペルミンからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする上記に記載の細胞外マトリックス産生促進剤。
上記に記載の細胞外マトリックス産生促進剤を有効成分として含有することを特徴とする化粧品類。
上記に記載の細胞外マトリックス産生促進剤を有効成分として含有することを特徴とする医薬部外品類。
上記に記載の細胞外マトリックス産生促進剤を有効成分として含有することを特徴とする飲食品類。
上記に記載の細胞外マトリックス産生促進剤を有効成分として含有することを特徴とする医薬品類。
酸性条件下(酸水溶液)で植物抽出物を得ることで、エタノールやメタノールのような有機溶媒で回収した植物抽出物に比べてポリアミン量の回収率が高く、特に水に溶けにくい化合型ポリアミンは酸性条件によって水に可溶化でき、有機溶媒では抽出効率が低い遊離型ポリアミンの含量も向上する。ポリアミンは酸性条件下では優れた安定性を示し、植物抽出物中に含まれるポリアミンやその他の有効成分の安定性が向上する。さらに酸性条件下(酸水溶液)で植物抽出物を得ることで、ポリアミン以外の天然有効成分が同時に回収される。例えば、天然有効成分としては単糖、オリゴ糖等の糖類、ペプチド、蛋白質等が挙げられる。ポリアミンとポリアミン以外の天然有効成分を同時に含むことで賦活化、細胞外マトリックス産生促進効果がより増強される。加えて回収した植物抽出物は水溶液であるため有機溶媒に比べて安全性の面でも高いメリットが期待される。
ポリフェノール吸着剤の添加量は、好ましくは0.1〜30%(w/v)、より好ましくは0.5〜20%(w/v)、さらに好ましくは、1〜10%(w/v)である。
本発明の植物由来のポリアミン含有抽出物は抽出物中にはポリアミン以外の天然成分が含まれることで、ポリアミンに比べてポリアミン特有の臭気(におい)が軽減し、安定性も高まることで、食品用途、化粧品用途、医薬部外品用途、医薬品用途に利用しても品質を損なうことがない。
動物、植物、微生物、前記抽出物及び加工物、ポリアミンを含む植物抽出物を有効成分として含有することを特徴とする賦活化剤、ポリアミンを有効成分として含む植物抽出物を含むことを特徴とする細胞外マトリックス産生促進剤、ポリアミンを含む植物抽出物を有効成分とすることを特徴とする化粧品類、ポリアミンを含む植物抽出物を有効成分とすることを特徴とする医薬部外品類、ポリアミンを含む植物抽出物を有効成分とすることを特徴とする飲食品類、ポリアミンを含む植物抽出液を有効成分とすることを特徴とする医薬品類などに含まれるポリアミン含量を以下の方法で調べることができる。ポリアミンは遊離型ポリアミン、化合型ポリアミン、結合型ポリアミンがあり抽出方法は異なるがいずれも解析することができる(Plant Cell Physiol., 43(2), 196-206, 2002, J. Nutr. Biochem., 4, 66-70, 1993, Biosci. Biotech. Biochem., 61(9), 1582-1584, 1997)。具体例として植物種子の遊離型ポリアミンの分析方法について詳細に示す。約0.1〜1.0gのダイズ種子に希釈内部標準液(1,6−hexanediamine、又は1,7−diaminoheptane、内部標準量=7.5又12nmol)と5%過塩素酸水溶液(試料生体重1.0g当たり5〜20mL)を加え、ポリトロンミキサーを用いて室温下で十分に磨砕抽出する。磨砕液を、4℃・35,000×gで20分間遠心分離して上清液を採取し本液を遊離型ポリアミン溶液とする。スクリューキャップ付きのマイクロチューブに100〜400μLの遊離型ポリアミン溶液(植物抽出物,精製植物抽出物)、200μLの飽和炭酸ナトリウム水溶液、200μLのダンシルクロライド/アセトン溶液(10mg/mL)を加えて軽く混和する。チューブの栓をしっかりと閉めたのちアルミ箔で覆い、60℃のウォーターバスで1時間加温してダンシル化を行う。チューブを放冷した後、プロリン水溶液(100mg/mL)を200μL加えて混和する。アルミ箔で覆ってウォーターバスで30分間再加温する。放冷後、窒素ガスを吹き付けてアセトンを除いた後に、600μLのトルエンを加えて激しく混和する。チューブを静置して2相に分かれた後に、上層のトルエン層を300μLマイクロチューブに分取する。分取したトルエンに窒素ガスを吹き付けてトルエンを完全除去する。チューブに200μLのメタノールを加えてダンシル化遊離型ポリアミンを溶解させる。プトレシン、スペルミジン、スペルミンの遊離型ポリアミン量の定量は蛍光検出器(励起波長:365nm・発光波長:510nm)を接続した高速液体クロマトグラフィーを用いて内部標準法で分析する。HPLCカラムはμBondapak C18(Waters社製:027324、3.9×300mm、粒子径10μm)を使用する。試料中のポリアミン含量は標準液と試料のHPLCチャートから、それぞれ各ポリアミンと内部標準のピーク面積を求めて算出する。
100gのダイズ種子(品種‘フクユタカ’)に希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane、内部標準量=1200nmol)と480mLの5%過塩素酸水溶液を加えて室温下で一晩放置した。その後、ポリフェノール吸着剤であるポリクラールVT(ISP社製)を16g添加し、ブレンダーミキサーでダイズ種子を十分に破砕後、室温下で30分間放置して酸性条件下で抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで20分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液を植物抽出物(ダイズ種子抽出物)とした。植物抽出物中にはポリアミンとしてプトレシンが8.2mg、スペルミジンが12.4mg、スペルミンが6.1mg含まれており、合計で26.7mgであった。さらに回収した植物抽出物を陽イオン交換樹脂(AG 50W-X4, 200-400mesh, H+型, バイオラッド社製)で充填したカラムに通し、ポリアミンを樹脂に吸着させた。0.7NNaCl/0.1Mリン酸ナトリウム溶液(pH8.0)、水、1N塩酸を順次流してカラムを洗浄した。不純物を除去した後に、6N塩酸でポリアミンを溶出して30%の水酸化ナトリウムで中和して本液を精製植物抽出物(精製ダイズ種子抽出物)とした。精製植物抽出物中にはポリアミンとしてプトレシンが6.4mg、スペルミジンが10.4mg、スペルミンが5.1mg含まれており、合計で21.9mgであった。植物抽出物と精製植物抽出物のHPLC分析のチャート図を図1に示した。プトレシン(検出時間:10.173分・10.175分)、カダベリン(検出時間:10.903分・10.890分)、スペルミジン(検出時間:16.050分・16.137分)、スペルミン(検出時間:20.100分・20.225分)のシャープな単一ピークがいずれの抽出物においても検出され、ポリアミンが主成分であることが確認された。ポリアミン純度をHPLC分析のピーク面積から算出したところ、植物抽出物は80〜86%、精製植物抽出物は88〜93%であった。ポリアミンが主成分である理由は、ポリフェノール吸着剤を添加し、酸条件下で抽出することで種子タンパク質などの不純物を変性及び吸着除去していることが大きく影響している。植物抽出物(ダイズ種子抽出物)と精製植物抽出物(精製ダイズ種子抽出物)は電気透析装置(アシライザー, アストム社製)により脱塩を行い、凍結乾燥により濃縮して種々の評価に用いた。
ダイズ種子(品種‘フクユタカ’)を吸水させて、光条件下又は暗黒条件下、26℃で2日間培養して発芽させた。光条件下又は暗黒条件下で培養した発芽ダイズの芽部分をそれぞれ約50gサンプリングした。50gのダイズ芽に希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane、内部標準量=600nmol)、250mLの5%過塩素酸水溶液、ポリフェノール吸着剤であるポリクラールVT(ISP社製)を8g添加し、ホモジナイザーでダイズ芽を十分に破砕した。次に室温下で30分間放置して酸性条件下で抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで20分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液を植物抽出物(ダイズ芽抽出物)とした。光条件下で発芽させたダイズ芽から植物抽出物中にはポリアミンとしてプトレシンとカダベリンが26.2mg、スペルミジンが1.8mg、スペルミンが0.2mg含まれており、合計で28.2mgであった。暗黒条件下で発芽させたダイズ芽から植物抽出物中にはポリアミンとしてプトレシンとカダベリンが17.1mg、スペルミジンが1.6mg、スペルミンが0.2mg含まれており、合計で18.9mgであった。回収した植物抽出物(ダイズ芽抽出物)を電気透析装置(アシライザー, アストム社製)により脱塩を行い、凍結乾燥により濃縮して種々の評価に用いた。
100gのダイズ胚芽(フォーユー社製)に希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane、内部標準量=1200nmol)、500mLの5%過塩素酸水溶液を加えて室温下で1時間放置した。その後、ポリフェノール吸着剤であるポリクラールVT(ISP社製)を16g添加し、ブレンダーミキサーでダイズ胚芽を十分に破砕後、室温下で30分間放置して酸性条件下で抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで20分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液を植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)とした。植物抽出物中にはポリアミンとしてプトレシンが23.5mg、スペルミジンが24.0mg、スペルミンが9.6mg含まれており、合計で57.1mgであった。さらに回収した植物抽出物を陽イオン交換樹脂(AG 50W-X4, 200-400mesh, H+型, バイオラッド社製)で充填したカラムに通し、ポリアミンを樹脂に吸着させた。0.7NNaCl/0.1Mリン酸ナトリウム溶液(pH8.0)、水、1N塩酸を順次流してカラムを洗浄した。不純物を除去した後に、6N塩酸でポリアミンを溶出して30%の水酸化ナトリウムで中和して本液を精製植物抽出物(精製ダイズ胚芽抽出物)とした。精製植物抽出物中にはポリアミンとしてプトレシンが20.4mg、スペルミジンが22.3mg、スペルミンが7.7mg含まれており、合計で50.4mgであった。植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)と精製植物抽出物(精製ダイズ胚芽抽出物)は電気透析装置(アシライザー, アストム社製)により脱塩を行い、凍結乾燥により濃縮して種々の評価に用いた。
100gのコムギ胚芽(培焼・ローストタイプ,日清ファルマ社製)に希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane、内部標準量=1200nmol)、500mLの5%過塩素酸水溶液を加えて室温下で1時間放置した。その後、ポリフェノール吸着剤であるポリクラールVT(ISP社製)を16g添加し、ブレンダーミキサーでダイズ胚芽を十分に破砕後、室温下で30分間放置して酸性条件下で抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで20分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液を植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)とした。植物抽出物中にはポリアミンとしてプトレシンが6.4mg、スペルミジンが23.9mg、スペルミンが14.3mg含まれており、合計で44.6mgであった。さらに回収した植物抽出物を陽イオン交換樹脂(AG 50W-X4, 200-400mesh, H+型, バイオラッド社製)で充填したカラムに通し、ポリアミンを樹脂に吸着させた。0.7NNaCl/0.1Mリン酸ナトリウム溶液(pH8.0)、水、1N塩酸を順次流してカラムを洗浄した。不純物を除去した後に、6N塩酸でポリアミンを溶出して30%の水酸化ナトリウムで中和して本液を精製植物抽出物(精製コムギ胚芽抽出物)とした。精製植物抽出物中にはポリアミンとしてプトレシンが5.7mg、スペルミジンが21.5mg、スペルミンが12.9mg含まれており、合計で40.1mgであった。植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)と精製植物抽出物(精製コムギ胚芽抽出物)は電気透析装置(アシライザー, アストム社製)により脱塩を行い、凍結乾燥により濃縮して種々の評価に用いた。
100mLの豆乳(品種‘フクユタカ’)に希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane、内部標準量=1200nmol)、100mLの5%過塩素酸水溶液を加えた。その後、ミキサーで十分に混合後、室温下で30分間放置して酸性条件下で抽出した。混合物を4℃・27,700×gで20分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液を植物抽出物(豆乳抽出物)とした。植物抽出物中にはポリアミンとしてプトレシンが0.7mg、スペルミジンが1.9mg、スペルミンが0.7mg含まれており、合計で3.3mgであった。回収した植物抽出物(豆乳抽出物)を電気透析装置(アシライザー, アストム社製)により脱塩を行い、凍結乾燥により濃縮して種々の評価に用いた。
1kgのオカラに希釈内部標準液(1,7−diaminoheptane、内部標準量=10μmol)、5Lの5%過塩素酸水溶液を加えて室温下で1時間放置した。その後、ホモジナイザーでオカラを十分に破砕後、室温下で1時間放置して酸性条件下で抽出した。破砕物を2℃・22,000×gで30分間遠心分離して液体画分を採取し、30%の水酸化ナトリウム溶液で中和して本液を植物抽出物(オカラ抽出物)とした。植物抽出物中にはポリアミンとしてプトレシンが5.4mg、スペルミジンが17.8mg、スペルミンが6.5mg含まれており、合計で29.7mgであった。植物抽出物(オカラ抽出物)は電気透析装置(アシライザー, アストム社製)により脱塩を行い、凍結乾燥により濃縮して種々の評価に用いた。
ダイズ胚芽由来のポリアミンを含む植物抽出物及び/又はポリアミンを有効成分として含む植物抽出物は実施例3に記載されている植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)と精製植物抽出物(精製ダイズ胚芽抽出物)を用いた。評価は以下の手順で行った。正常ヒト皮膚線維芽細胞を1ウェル当たり2.0×104個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に10%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて24時間培養後、任意のポリアミン濃度の試料を添加した試験培地に交換し、さらに48時間培養した。次いで3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を100μg/mL含有する培地に交換して3時間培養し、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを2−プロパノールにて抽出し、マイクロプレートリーダーにて550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活作用を評価した。評価結果を、コントロール(水添加)における細胞賦活作用を100とした相対値にて図5に示す。
コムギ胚芽由来のポリアミンを含む植物抽出物及び/又はポリアミンを有効成分として含む植物抽出物は実施例4に記載されている植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)と精製植物抽出物(精製コムギ胚芽抽出物)を用いた。評価は以下の手順で行った。正常ヒト皮膚線維芽細胞を1ウェル当たり2.0×104個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に10%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて24時間培養後、任意のポリアミン濃度の試料を添加した試験培地に交換し、さらに48時間培養した。次いで3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を100μg/mL含有する培地に交換して3時間培養し、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを2−プロパノールにて抽出し、マイクロプレートリーダーにて550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活作用を評価した。評価結果を、コントロール(水添加)における細胞賦活作用を100とした相対値にて図6に示す。
・ ヒト毛乳頭細胞の培養方法
ヒト頭髪毛乳頭細胞(THPC−001)トータルキット(HDPCトータルキット:THPCK−001、製造元:セルアプリケイションズインク USA、輸入販売元:東洋紡績株式会社)を用いて、常法によりヒト毛乳頭細胞を培養した。解凍した細胞を懸濁するためのPCGM培地を10mL、15mL遠心チューブに分注し、氷令しておく。即ち、凍結したヒト頭髪毛乳頭細胞(THPC−001)の入ったバイアル瓶を37℃の恒温槽で急速に融解する。このバイアル瓶にPCGM培地を1mL程度徐々に滴下しDMSOを希釈後、全量をPCGM培地が入った遠心チューブに移し懸濁させる。浮遊細胞を冷却低遠心機で4℃、1000rpm、5分間遠心する。沈殿した細胞を吸わないように注意しながら上清を吸引し、1mLPCGM培地に再懸濁させる。この全量を、コラーゲン液でコートしたT−75フラスコに植え込み、加湿下で、二酸化炭素濃度5vol%、37℃に保たれたインキュベーターに入れ静置培養を行う。1日後、培地の交換を行う。以後、1日おきに培地の交換を行い継代培養する。尚、PCGM培地成分は、1%FBSを含有するPCGM基礎培地250mLに牛下垂体抽出液(BPE)100倍希釈液を2.5mL、牛胎児血清(FCS)100倍希釈液を2.5mL、インシュリン・トランスフェリン・トリヨードサイロニン溶液(ITT)200倍希釈液を1.25mL、サイロプロテイン溶液(Cyp)200倍希釈液を1.25mL添加したものを用いた。
ダイズ胚芽由来のポリアミンを含む植物抽出物及び/又はポリアミンを有効成分として含む植物抽出物は実施例3に記載されている植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)と精製植物抽出物(精製ダイズ胚芽抽出物)を用いた。評価は、以下の手順で行った。ヒト毛乳頭細胞を1ウェル当たり2.0×104個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に10%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。24時間培養後、任意のポリアミン濃度の試料を添加した試験培地に交換し、さらに48時間培養した。次いで3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を100μg/mL含有する培地に交換して3時間培養し、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを2−プロパノールにて抽出し、マイクロプレートリーダーにて550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活作用を評価した。評価結果を、試料無添加のブランクにおける細胞賦活作用を100とした相対値にて図7に示す。
・ ヒト毛乳頭細胞の培養方法
ヒト頭髪毛乳頭細胞(THPC−001)トータルキット(HDPCトータルキット:THPCK−001、製造元:セルアプリケイションズインク USA、輸入販売元:東洋紡績株式会社)を用いて、常法によりヒト毛乳頭細胞を培養した。解凍した細胞を懸濁するためのPCGM培地を10mL、15mL遠心チューブに分注し、氷令しておく。即ち、凍結したヒト頭髪毛乳頭細胞(THPC−001)の入ったバイアル瓶を37℃の恒温槽で急速に融解する。このバイアル瓶にPCGM培地を1mL程度徐々に滴下しDMSOを希釈後、全量をPCGM培地が入った遠心チューブに移し懸濁させる。浮遊細胞を冷却低遠心機で4℃、1000rpm、5分間遠心する。沈殿した細胞を吸わないように注意しながら上清を吸引し、1mLPCGM培地に再懸濁させる。この全量を、コラーゲン液でコートしたT−75フラスコに植え込み、加湿下で、二酸化炭素濃度5vol%、37℃に保たれたインキュベーターに入れ静置培養を行う。1日後、培地の交換を行う。以後、1日おきに培地の交換を行い継代培養する。尚、PCGM培地成分は、1%FBSを含有するPCGM基礎培地250mLに牛下垂体抽出液(BPE)100倍希釈液を2.5mL、牛胎児血清(FCS)100倍希釈液を2.5mL、インシュリン・トランスフェリン・トリヨードサイロニン溶液(ITT)200倍希釈液を1.25mL、サイロプロテイン溶液(Cyp)200倍希釈液を1.25mL添加したものを用いた。
コムギ胚芽由来のポリアミンを含む植物抽出物及び/又はポリアミンを有効成分として含む植物抽出物は実施例4に記載されている植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)と精製植物抽出物(精製コムギ胚芽抽出物)を用いた。評価は、以下の手順で行った。ヒト毛乳頭細胞を1ウェル当たり2.0×104個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に10%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。24時間培養後、任意のポリアミン濃度の試料を添加した試験培地に交換し、さらに48時間培養した。次いで3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を100μg/mL含有する培地に交換して3時間培養し、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを2−プロパノールにて抽出し、マイクロプレートリーダーにて550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活作用を評価した。評価結果を、試料無添加のブランクにおける細胞賦活作用を100とした相対値にて図8に示す。
ダイズ胚芽由来のポリアミンを含む植物抽出物及び/又はポリアミンを有効成分として含む植物抽出物は実施例3に記載されている植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)を用いた。コムギ胚芽由来のポリアミンを含む植物抽出物及び/又はポリアミンを有効成分として含む植物抽出物は実施例4に記載されている植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)を用いた。評価は、以下の手順で行った。正常ヒト皮膚線維芽細胞を1ウェル当たり1.0×105個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて24時間培養後、PBS(−)で2回洗浄した後、任意の濃度の試料を添加した無血清培地に交換し、さらに50時間同条件にて培養した。培養上清から、ヒト線維芽細胞が産生するI型プロコラーゲンC末端ペプチド(Procollagen typeI carboxyterminal propeptide:PIP)を、Procollagen type I C-peptide (PIP) EIA Kit (TaKaRa)で測定した。コラーゲン産生促進率は、標準品を上記ELISAキットにて測定し、その結果から検量線を作成、その検量線から試料添加時のコラーゲン産生量及び試料無添加時のコラーゲン産生量を求め、試料無添加時のコラーゲン産生量を100%として算出し、評価を行った。
ダイズ胚芽由来のポリアミンを含む植物抽出物及び/又はポリアミンを有効成分として含む植物抽出物は実施例3に記載されている植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)を用いた。コムギ胚芽由来のポリアミンを含む植物抽出物及び/又はポリアミンを有効成分として含む植物抽出物は実施例4に記載されている植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)を用いた。ポリアミンとの比較としてプトレシン、スペルミジン、スペルミンをそれぞれ単独で用いた。評価は、以下の手順で行った。正常ヒト皮膚線維芽細胞を1ウェル当たり1.0×105個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて24時間培養後、PBS(−)で2回洗浄した後、任意の濃度の試料を添加した無血清培地に交換し、さらに3日間、6日間同条件にて培養した。培養上清から、ヒト線維芽細胞が産生するI型プロコラーゲンC末端ペプチド(Procollagen typeI carboxyterminal propeptide:PIP)を、Procollagen type I C-peptide (PIP) EIA Kit (TaKaRa)で測定した。コラーゲン産生促進率は、標準品を上記ELISAキットにて測定し、その結果から検量線を作成、その検量線から試料添加時のコラーゲン産生量及び試料無添加時のコラーゲン産生量を求め、試料無添加時のコラーゲン産生量を100%として算出し、評価を行った。
ダイズ胚芽由来の植物抽出物は実施例3に記載されている植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)を用いた。コムギ胚芽由来の植物抽出物は実施例4に記載されている植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)を用いた。ポリアミンとの比較としてプトレシン、スペルミジン、スペルミンをそれぞれ単独で用いた。評価は、以下の手順で行った。正常ヒト皮膚線維芽細胞を1ウェル当たり1.0×105個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて24時間培養後、PBS(−)で2回洗浄した後、任意のポリアミン濃度の試料を添加した無血清培地に交換し、さらに3日間同条件にて培養した。培養上清中のヒアルロン酸を測定した。尚プレート上の細胞を0.5% Triton-X100を含む細胞溶解液で溶解し回収後にタンパク質量を測定し(Bio Rad,プロテインアッセイキット)、細胞数の指標とした。ヒアルロン酸の測定は、正常ヒト皮膚線維芽細胞が産生するヒアルロン酸を、ヒアルロン酸プレート「中外」(富士レビオ社)を用いてHyaluronic acid binding protein(HABP)を用いたサンドイッチ法により測定した。ポリアミンや植物抽出物を添加していない試料(コントロール)のヒアルロン酸量を100とした場合の、ポリアミン、植物抽出物添加試料のヒアルロン酸量を産生率とした。
ン酸の産生を促進してヒアルロン酸量を維持することができる。その結果、紫外線曝露等により生じる皮膚のしわ、たるみ、くすみ、荒れ等を効果的に改善することができる。
以下に示す組成の美容液を常法により製造した。コントロールとして、胚芽抽出物を含まない美容液も常法により製造した。
(組成) (重量%)
ソルビット 4.0
ジプロピレングリコール 6.0
ポリエチレングリコール 1500 5.0
POE(20)オレイルアルコールエーテル 0.5
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
メチルセルロース 0.2
精製ダイズ胚芽抽出物(ポリアミン濃度7.4mM) 1.0
精製水 全体で100となる量
以下に示す組成の乳液を常法により製造した。コントロールとして、胚芽抽出物を含まない乳液も常法により製造した。
(組成) (重量%)
グリセリルエーテル 1.5
ショ糖脂肪酸エステル 1.5
モノステアリン酸ソルビタン 1.0
スクワラン 7.5
ジプロピレングリコール 5.0
精製ダイズ胚芽抽出物(ポリアミン濃度7.4mM) 1.0
精製水 全体で100となる量
以下に示す組成のクリームを常法により製造した。コントロールとして、胚芽抽出物を含まないクリームも常法により製造した。
(組成) (重量%)
プロピレングリコール 6.0
フタル酸ジブチル 19.0
ステアリン酸 5.0
モノステアリン酸グリセリン 5.0
モノステアリン酸ソルビタン 12.0
モノステアリン酸ポリエチレンソルビタン 38.0
エデト酸ナトリウム 0.03
精製ダイズ胚芽抽出物(ポリアミン濃度7.4mM) 1.0
精製水 全体で100となる量
実施例14〜16を用いて官能評価を行った。なお、胚芽抽出物を含まない比較例も同時に評価した。官能評価は、しわ、たるみ、くすみ等の症状の気になる40〜60歳のパネル20人を1群として実施例及び比較例をそれぞれ1日2回,3カ月間連続使用してもらい、3カ月後の肌状態についてアンケート調査をして行った。
以下に示す組成の美容液を常法により製造した。コントロールとして、胚芽抽出物を含まない美容液も常法により製造した。
(組成) (重量%)
ソルビット 4.0
ジプロピレングリコール 6.0
ポリエチレングリコール 1500 5.0
POE(20)オレイルアルコールエーテル 0.5
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
メチルセルロース 0.2
精製コムギ胚芽抽出物(ポリアミン濃度10.25mM) 1.0
精製水 全体で100となる量
以下に示す組成の乳液を常法により製造した。コントロールとして、胚芽抽出物を含まない乳液も常法により製造した。
(組成) (重量%)
グリセリルエーテル 1.5
ショ糖脂肪酸エステル 1.5
モノステアリン酸ソルビタン 1.0
スクワラン 7.5
ジプロピレングリコール 5.0
精製コムギ胚芽抽出物(ポリアミン濃度10.25mM) 1.0
精製水 全体で100となる量
以下に示す組成のクリームを常法により製造した。コントロールとして、胚芽抽出物を含まないクリームも常法により製造した。
(組成) (重量%)
プロピレングリコール 6.0
フタル酸ジブチル 19.0
ステアリン酸 5.0
モノステアリン酸グリセリン 5.0
モノステアリン酸ソルビタン 12.0
モノステアリン酸ポリエチレンソルビタン 38.0
エデト酸ナトリウム 0.03
精製コムギ胚芽抽出物(ポリアミン濃度10.25mM) 1.0
精製水 全体で100となる量
実施例18〜20を用いて官能評価を行った。なお、胚芽抽出物を含まない比較例も同時に評価した。官能評価は、しわ、たるみ、くすみ等の症状の気になる40〜60歳のパネル20人を1群として実施例及び比較例をそれぞれ1日2回,3カ月間連続使用してもらい、3カ月後の肌状態についてアンケート調査をして行った。
ダイズ胚芽由来のポリアミンを含む植物抽出物及び/又はポリアミンを有効成分として含む植物抽出物は実施例3に記載されている植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)を用いた。コムギ胚芽由来のポリアミンを含む植物抽出物及び/又はポリアミンを有効成分として含む植物抽出物は実施例4に記載されている植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)を用いた。ポリアミンとの比較としてプトレシン、スペルミジン、スペルミンをそれぞれ単独で用いた。さらに市販品である大豆エキスを比較対照として用いた。評価は、以下の手順で行った。正常ヒト皮膚線維芽細胞を1ウェル当たり1.0×104個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて24時間培養後、PBS(−)で2回洗浄した後、任意の濃度の試料を添加した無血清培地に交換し、さらに3日間、6日間同条件にて培養した。培養上清から、ヒト線維芽細胞が産生するI型プロコラーゲンC末端ペプチド(Procollagen typeI carboxyterminal propeptide:PIP)を、Procollagen type I C-peptide (PIP) EIA Kit (TaKaRa)で測定した。コラーゲン産生促進率は、標準品を上記ELISAキットにて測定し、その結果から検量線を作成、その検量線から試料添加時のコラーゲン産生量及び試料無添加時のコラーゲン産生量を求め、試料無添加時のコラーゲン産生量を100%として算出し、評価を行った。
ダイズ胚芽由来のポリアミンを含む植物抽出物及び/又はポリアミンを有効成分として含む植物抽出物は実施例3に記載されている植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)を用いた。コムギ胚芽由来のポリアミンを含む植物抽出物及び/又はポリアミンを有効成分として含む植物抽出物は実施例4に記載されている植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)を用いた。ポリアミンとの比較としてプトレシン、スペルミジン、スペルミンをそれぞれ単独で用いた。評価は、以下の手順で行った。正常ヒト皮膚線維芽細胞を1ウェル当たり1.0×105個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて24時間培養後、PBS(−)で2回洗浄した後、任意の濃度の試料を添加した無血清培地に交換し、さらに3日間、6日間同条件にて培養した。培養上清から、ヒト線維芽細胞が産生するI型プロコラーゲンC末端ペプチド(Procollagen typeI carboxyterminal propeptide:PIP)を、Procollagen type I C-peptide (PIP) EIA Kit (TaKaRa)で測定した。尚プレート上の細胞を0.5% Triton-X100を含む細胞溶解液で溶解し回収後にタンパク質量を測定し(Bio Rad,プロテインアッセイキット)、細胞数の指標とした。コラーゲン産生促進率は、標準品を上記ELISAキットにて測定し、その結果から検量線を作成、その検量線からタンパク質(細胞数)当たりの試料添加時のコラーゲン産生量及び試料無添加時のコラーゲン産生量を求め、試料無添加時のコラーゲン産生量を100%として算出し、評価を行った。
ダイズ胚芽由来の抽出物は実施例3に記載されている植物抽出物(ダイズ胚芽抽出物)を用いた。コムギ胚芽由来の抽出物は実施例4に記載されている植物抽出物(コムギ胚芽抽出物)を用いた。成分として、エネルギー、水分、蛋白質、脂質、灰分、炭水化物、ナトリウム、糖類を分析した。分析は、(株)マシス食品安全分析センターで実施した。成分の分析結果を表3に示した。サンプルは水溶液のため水分が約85%含まれており、残りの約15%の固形成分は、炭水化物(約11〜12%)、タンパク質(約3%)、灰分(0.6〜0.8%)、脂質(約0.1%)であった。固形成分の内、炭水化物がほとんどを占めており、炭水化物の約70%が糖類であった。残りの30%は核酸、食物繊維等と思われる。糖類の内訳は、大豆胚芽抽出物は単糖のグルコースとフルクトース(60%)、二糖のマルトース(3%)、三糖のラフィノース、マルトトリオース(36%)、小麦胚芽抽出物はグルコースとフルクトース(59%)、ラクトース、スクロース(18%)、ラフィノース、マルトトリオース(7.4%)、残りが四糖以上のオリゴ糖であった。以上の結果から、特に大豆胚芽抽出物、小麦胚芽抽出物の成分の多くを占めている糖類(特に単糖・オリゴ糖とその組み合わせ)が賦活化、抗老化、細胞外マトリックス産生促進、コラーゲン産生促進、ヒアルロン酸産生促進、美肌効果に対する有効成分の一つであると考えている。大豆胚芽抽出物、小麦胚芽抽出物に共通して単糖、オリゴ糖等の有効成分が多く含まれるのは、大豆や小麦の種子や胚芽を塩酸等の酸性条件下で抽出処理したことが大きなポイントであると考えている。また、抽出の際にポリフェノール吸着剤を添加することで、賦活化、抗老化、細胞外マトリックス産生促進、コラーゲン産生促進、ヒアルロン産生促進に対してネガティブに作用するポリフェノール類等の植物抽出物中への混入を抑えることができと考えている。しかしながら、これにより本発明が何ら限定されるものではない。
Claims (8)
- イネ科もしくはマメ科植物の種子、乾燥種子、胚芽もしくは胚に酸水溶液を添加し、pH6.0以下の酸性条件下で抽出する工程を含む工程により得られた植物由来ポリアミン含有抽出物を有効成分として含有することを特徴とするコラーゲン産生促進剤。
- イネ科もしくはマメ科植物の種子、乾燥種子、胚芽もしくは胚に酸水溶液を添加し、pH6.0以下の酸性条件下で抽出する工程を含む工程により得られた植物由来ポリアミン含有抽出物を有効成分として含有することを特徴とするヒアルロン酸産生促進剤。
- ポリアミンが、第一級アミノ基を2つ以上有する脂肪族炭化水素からなる群より選ばれたすくなくとも1種以上の化合物であることを特徴とする請求項1に記載のコラーゲン産生促進剤。
- ポリアミンが、1,3−ジアミノプロパン、プトレシン、カダベリン、カルジン、スペルミジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、スペルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペンチルノルスペルミジン、N,N−ビス(アミノプロピル)カダベリン、ホモスペルミン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン及びホモカルドヘキサミンよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする請求項3に記載のコラーゲン産生促進剤。
- ポリアミンが、プトレシン、スペルミジン及びスペルミンからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする請求項4に記載のコラーゲン産生促進剤。
- ポリアミンが、第一級アミノ基を2つ以上有する脂肪族炭化水素からなる群より選ばれたすくなくとも1種以上の化合物であることを特徴とする請求項2に記載のヒアルロン酸産生促進剤。
- ポリアミンが、1,3−ジアミノプロパン、プトレシン、カダベリン、カルジン、スペルミジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、スペルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペンチルノルスペルミジン、N,N−ビス(アミノプロピル)カダベリン、ホモスペルミン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン及びホモカルドヘキサミンよりなる群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする請求項6に記載のヒアルロン酸産生促進剤。
- ポリアミンが、プトレシン、スペルミジン及びスペルミンからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする請求項7に記載のヒアルロン酸産生促進剤。
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