JP2005073889A - 落花生抽出物の消臭剤としての用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 落花生の種子をそのまま、水、水混和性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出して得られる抽出物又はその処理物を有効成分として含有する消臭剤;前記消臭剤を含有する洗浄剤組成物及び消臭用化粧料;並びに前記抽出物又はその処理物を用いることを特徴とする消臭方法。
【選択図】 なし
Description
落花生抽出物については、特許文献3に、落花生渋皮(種皮)抽出物を含有する口腔用剤が開示されており、当該抽出物が消臭作用を有することが記載されているが、その活性成分については明らかにされていない。
(1)落花生の種子をそのまま、水、水混和性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出して得られる抽出物又はその処理物を有効成分として含有する消臭剤。
(2)抽出溶媒が水である前記(1)に記載の消臭剤。
(3)有効成分がプロアントシアニジンを含む前記(1)又は(2)に記載の消臭剤。
(4)有効成分が下記の理化学的性質:
核磁気共鳴スペクトル:図2に示すとおり、
赤外線吸収スペクトル:図3に示すとおり、
を有するプロアントシアニジンである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の消臭剤。
(5)有効成分が下記の理化学的性質:
核磁気共鳴スペクトル:図4に示すとおり、
赤外線吸収スペクトル:図5に示すとおり、
を有するプロアントシアニジンである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の消臭剤。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の消臭剤を含有する洗浄剤組成物。
(8)落花生の種子をそのまま、水、水混和性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出して得られる抽出物又はその処理物を含有する洗浄剤組成物。
(9)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の消臭剤を含有する消臭用化粧料。
(10)デオドラント剤である前記(9)に記載の消臭用化粧料。
(11)デオドラント剤がヘアスプレー、ヘアムース又はデオドラントローションである前記(10)に記載の消臭用化粧料。
(12)落花生の種子をそのまま、水、水混和性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出して得られる抽出物又はその処理物を用いることを特徴とする消臭方法。
抽出温度は、通常、溶媒の融点ないし溶媒の沸点の範囲内であり、好ましくは0〜80℃、更に好ましくは5〜50℃である。超臨界抽出をしてもよい。また、抽出は、通常常圧下で行うが、加圧下又は減圧下で行ってもよい。抽出時間は、抽出温度等により異なり、通常5分間〜1日間であるが、種子由来の油分が溶出してこない時間内とするのが好ましい。抽出溶媒として水を用いて5〜50℃で抽出する場合、抽出時間は、好ましくは5〜60分、更に好ましくは10〜30分である。
抽出液に再度未処理の落花生種子を加え前記と同様の抽出操作を1又は複数回繰り返してもよい。
また、本発明の消臭剤は、各種の洗浄剤組成物又は化粧料中に配合して用いてもよい。
脂肪酸金属塩としては、公知のもの、例えば炭素数8〜22の脂肪酸のアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩)、アンモニウム塩などを用いることができる。脂肪酸は、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよく、直鎖脂肪酸又は分岐鎖を有する脂肪酸のいずれであってもよい。また、脂肪酸金属塩として、炭素数2〜6程度のアルキロールアンモニウム塩も挙げることができる。
また、用途も特に限定されず、例えば洗濯用、掃除用、台所用、浴用、洗顔用、口腔用などの用途のものが挙げられる。具体的には、固形のものとしては浴用石鹸、洗濯用石鹸、台所用石鹸などが挙げられる。粉状のものとしては洗顔剤、洗濯用洗浄剤などが挙げられる。半固体のものとしては洗顔剤、歯磨きなどが挙げられる。液体のものとしてはヘアーシャンプー、ボディソープ、マウスウォッシュ、クレンジング、リンス、ヘアトリートメント剤、洗濯用洗浄剤、掃除用洗浄剤、台所用洗浄剤などが挙げられる。
消臭成分である落花生抽出物又はその処理物の含有量は、洗浄剤の種類や用途によっても異なるが、洗浄剤組成物に対して、抽出物乾燥粉末として、通常0.001〜10重量%である。
本発明の洗浄剤組成物は、落花生抽出物又はその処理物を配合する以外は、それ自体公知の方法に従って、製造することができる。例えば、機械練り石鹸とする場合には、石鹸素地に、落花生抽出物又はその処理物、及びその他の添加剤を加えて、十分に混練した後、所望の形状に成形することにより製造することができる。
(実施例1)落花生種子抽出物の調製
(製造法A)
1.皮のむけていない落花生種子(以下「落花生種子」という。)を60kg用意し、簡単に水洗した。
2.RO処理水(以下「水」という。)(15〜25℃)30Lを容器に入れ、そこに前記1.で用意した落花生種子20kgを入れ、20分間放置した後、落花生種子だけを取り出し28Lの抽出液Aを得た。
3.前記抽出液Aに未抽出の落花生種子20kgを入れ、20分間放置した後、落花生種子だけを取り出し26Lの抽出液Bを得た。
4.前記抽出液Bに未抽出の落花生種子20kgを入れ、20分間放置した後、落花生種子だけを取り出し約24Lの抽出液Cを得た。
5.前記抽出液Cを目の細かい布で濾過し、抽出液Dを得た。
7.前記抽出液Eを加圧式濾過器にかけ、抽出液Fを得た。濾過器のフィルターとしては、7μmのステンレス製フィルターを用いた。
8.前記抽出液Fを凍結濃縮し、抽出液Gを得た。
9.前記抽出液Gを凍結乾燥又はスプレードライに付し、150gの落花生種子抽出物Hを得た。
10.前記抽出物Hを60メッシュの篩にかけ、桃色の抽出物Iを微粒子状の粉体として得た。
(1)薄層クロマトグラフィー
逆相薄層クロマトグラフィー(ODS)分析により、主として1種の成分からなることがわかった。
(a)展開溶媒:50%アセトニトリル
スポットA:Rf 0.71
(b)展開溶媒:35%アセトニトリル
スポットA:Rf 0.47
以下の条件で行った高速液体クロマトグラフィーは、分子量の異なるポリフェノールの混合物であることを示した。結果を図1に示す。
カラム:昭和電工(株)製 Shodex SUGAR KS-801(8.0mm id×300mm)
試料:前記抽出物I(水に溶解後、1日放置)
試料サイズ:10μL(10mg/ml)
溶離液:水
流量:0.35ml/分
カラム温度:80℃
圧力:50kg/cm2
検出:RI range 1
前記抽出物I1.0gをODSカラム(ODS10g)に通導し、水80ml及び50%メタノール80mlを流した結果、50%メタノール溶出画分から0.96gのポリフェノールを得た。(ポリフェノール含有量96%)
(4)NMRスペクトル
前記抽出物Iの核磁気共鳴(1H NMR)スペクトル(500MHz,D2O)を図2に示す。
(5)IRスペクトル
前記抽出物Iの赤外線吸収(IR)スペクトルを以下に示す。
IR (KBr): 3000-3700, 2900, 2850, 1616, 1525, 823, 782 cm-1(図3参照)
12.NMRスペクトルによる解析から、前記抽出物Iには、約90%のプロアントシアニジンが含まれていることが判明した。
種皮付落花生種子を超純水1Lに10分間浸けた後、ブフナーロートを用いて減圧濾過した。濾液を凍結乾燥して、粉末状の落花生種子抽出物Jを2.65g得た。
落花生種子抽出物JのNMRスペクトル及びIRスペクトルを、それぞれ図4及び図5に示す。
特許第2975997号公報に記載の落花生種皮由来のプロアントシアニジンでは、段落0057に記載の構造式及び段落0058の表1に記載の置換基から明らかなように、芳香環(A環、B環、D環及びE環;段落0006の一般式(1)参照)上の水素合計9個に対し、F環(段落0006の一般式(1)参照)におけるメチレン水素が2個存在する。このメチレン水素は、段落0059の表2の1H NMRデータの4´α、4´βに相当し、それらのシグナルが2.58〜2.95ppmに観察されるが、本発明のプロアントシアニジンでは対応するシグナルはほとんど観察されない(図2及び図4参照)。
従って、本発明のプロアントシアニジンは、公知の落花生種皮由来のプロアントシアニジンとは相違し、新規なプロアントシアニジンと考えられる。
ミネラルウォーター1.5Lに対し、実施例1で得られた抽出物I(1g)を溶かした水溶液を調製し、液体(A)とした。同量のミネラルウォーターを液体(B)とした。
6名の被験者に、生ニンニクを約1g、口の中で噛み砕き食べさせた。食した後、直ちに口臭をかぎ、臭いの確認をしたところ、ニンニクの臭いが強烈に臭った。6名中の3名の被験者に、直ちに液体(A)60mlを口に含ませ、口中をぶくぶくと洗浄させ、液体(A)をそのまま飲ませた後、口臭を確認したところ、いずれの被験者もほんの少し臭う程度になった。
10分後、液体(A)を使用した者は微かなニンニク臭を感じた。液体(B)を使用した者は、ニンニク臭が洗浄した直後とさほど変わらなかった。
表1に示す組成にしたがって、本発明のジェル剤と対照ジェル剤を調製した。
実施例1で得られた抽出物Iを配合しない以外は前記と同様にして、対照ジェル剤を調製した。
腋臭の被験者1名について、左右の脇の下の臭いの臭さを確認し、同程度と判断した。
表2に示す組成にしたがって、石鹸素地に、実施例1で得られた抽出物I、及びその他の添加剤を加えて、十分に混練した後、成形し、1個の重量が100gの石鹸を製造した。実施例1で得られた抽出物Iを配合した石鹸を本発明の石鹸とし、配合していない石鹸を対照石鹸とした。
1.ニンニクをすりおろし、手に塗って対照石鹸で洗った時、少し臭いが落ちたが、かなりのニンニク臭が残っていた。
同様にして本発明の石鹸で洗った場合、ほとんどニンニク臭が消えた。
2.生イカ、スモークサーモン、ドクダミの葉、キムチ等を前記と同様の方法で試みたが同様の結果を得た。
Claims (12)
- 落花生の種子をそのまま、水、水混和性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出して得られる抽出物又はその処理物を有効成分として含有する消臭剤。
- 抽出溶媒が水である請求項1記載の消臭剤。
- 有効成分がプロアントシアニジンを含む請求項1又は2記載の消臭剤。
- 有効成分が下記の理化学的性質:
核磁気共鳴スペクトル:図2に示すとおり、
赤外線吸収スペクトル:図3に示すとおり、
を有するプロアントシアニジンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の消臭剤。 - 有効成分が下記の理化学的性質:
核磁気共鳴スペクトル:図4に示すとおり、
赤外線吸収スペクトル:図5に示すとおり、
を有するプロアントシアニジンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の消臭剤。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の消臭剤を含有する洗浄剤組成物。
- 石鹸、ボディソープ、マウスウォッシュ、歯磨き、シャンプー、クレンジング、リンス又はヘアトリートメント剤である請求項6記載の洗浄剤組成物。
- 落花生の種子をそのまま、水、水混和性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出して得られる抽出物又はその処理物を含有する洗浄剤組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の消臭剤を含有する消臭用化粧料。
- デオドラント剤である請求項9記載の消臭用化粧料。
- デオドラント剤がヘアスプレー、ヘアムース又はデオドラントローションである請求項10記載の消臭用化粧料。
- 落花生の種子をそのまま、水、水混和性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出して得られる抽出物又はその処理物を用いることを特徴とする消臭方法。
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JP2010168300A (ja) * | 2009-01-21 | 2010-08-05 | Efuekuto:Kk | プロアントシアニジン三量体 |
JP2018030998A (ja) * | 2016-07-29 | 2018-03-01 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | タンニンを含む組成物の使用 |
CN107982570A (zh) * | 2017-12-05 | 2018-05-04 | 云南白药清逸堂实业有限公司 | 一种除异味护理液、其制备方法以及除异味卫生巾 |
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2003
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