JP4660088B2 - 防臭剤、および該防臭剤を含む防臭用組成物、化粧料組成物、洗浄用組成物 - Google Patents

防臭剤、および該防臭剤を含む防臭用組成物、化粧料組成物、洗浄用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、有効な抗菌力を有し、人体への危険性の低い新規化合物、ならびに、これを用いた抗菌剤、抗菌性組成物、殺菌方法、および、抗菌性画分に関する。
これまで微生物の増殖による食品・医薬品・化粧品類等の劣化を防ぐための抗菌・防腐剤としては、ソルビン酸およびその塩、パラオキシ安息香酸誘導体などが良く使用されているが、安全性の点で添加可能な対象品が限定され、その添加量が制限されていた。
安全性を考慮した場合、天然由来の抗菌剤が注目されるが、そのような天然由来の抗菌剤として、例えばリゾチームやプロタミン、茶抽出物や各種の香辛料抽出物、各種精油成分等が知られている。しかし、これらは抗菌活性の面で十分な効力を有しているとは言えない。
また、他の天然由来の抗菌剤として、植物から抽出されるソフォラフラバノンGが知られている。ソフォラフラバノンGの抗菌活性については、例えば、ニキビ菌及びフケ菌に対するソフォラフラバノンGを含有するクジン抽出物を配合した抗菌剤の抗菌作用(特許文献1参照)、Bacillus subtilis、Staphylococcus aureus、Sarcina lutea、Psudemonus aeruginosaに対するクララエタノール抽出物の抗菌作用(非特許文献1)、Staphylococcus aureusとStreptococcus mutansに対するソフォラフラバノンGの抗菌作用(非特許文献2)等も報告されている。しかしながら、ソフォラフラバノンGの効果も十分とは言えない。
一方、発汗に伴う不快臭は、本来は無臭かつ無菌である発汗成分が皮表の微生物によって分解されることによって、生じることが知られている。人体上で発生する臭気には、腋臭、足臭、毛髪臭、汗臭等がある。従来、これらの臭気を抑制する手段として発汗防止剤による汗分泌の抑制、吸着剤・脱臭剤による消臭や脱臭、酸や漂白剤などによる臭気成分の中和・分解、殺菌剤・抗菌剤による汗成分中の菌の除去などが行われているが、その効果は必ずしも十分とはいえない。また、漂白剤や、合成の抗菌剤・殺菌剤などの使用は、人体への安全性や環境汚染の点でも懸念されている。
特開2003−95852号公報 フレグランスジャーナルNo.2、p85、1989、「生薬の抗菌性と安全性」 PHYTOTHERAPY REASEARCH、vol.4、No.6、1990、「Activity of Ku Shen Compounds against Staphylococcus aureus and Streptococcus mutans」
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、有効な抗菌力を有するとともに人体への危険性の低い抗菌活性成分(植物由来ソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテル)を有効成分として用いた防臭剤、および該防臭剤を含む防臭用組成物、化粧料組成物、洗浄用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意、実験、検討を行った結果、植物から、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテルおよびソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルを精製抽出し、当該化合物が優れた抗菌活性を有することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
本発明者らが発見したソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルは、従来の天然抗菌活性成分と比較して、優れた抗菌活性を有する。
また、植物中に存在する化合物であるため、人体に対する危険性が低く、家庭品分野において広く応用可能である。
また、本発明は、ソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルを有効成分として含む防臭剤、該防臭剤を有する防臭用組成物、化粧料組成物、および洗浄用組成物を提供する。
さらに、本発明は、前記有効成分を、植物由来のソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテル含有画分として含有する防臭剤、該防臭剤を有する防臭用組成物、化粧料組成物、および洗浄用組成物を提供する。
本発明の防臭剤は、有効成分として、抗菌活性作用を有するソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルを含有するため、少ない使用量で優れた抗菌効果および防臭効果を得ることができる。また、人体への危険性が低いため、家庭品分野において広く使用することができる。
また、本発明の防臭剤を含む各種組成物は、細菌の繁殖による変質、腐敗等の品質劣化を防止でき、保存性が高い。
また、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテルまたはソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルを用いて微生物を殺菌すれば、殺菌効果が高く、なかでもソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルはコリネバクテリウム属およびスタフィロコッカス属等の微生物、特に、コリネバクテリウム キセロシス、スタフィロコッカス エピデルミディス、およびスタフィロコッカス アウレウス等の微生物の殺菌に有効である。
また、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテル系化合物含有画分は、ソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルを植物から抽出精製するため、係る画分を用いれば、ソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルを簡便に取得することができる。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテル系化合物である、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテルを下記化学式(1)に、ソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルを下記式(2)にそれぞれ示す。
Figure 0004660088
ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテルおよびソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルは、本発明者らが、マメ科常緑小灌木であるクララ(Sophora flavescens Aiton)の抽出物中に初めてその存在を確認した化合物である。また、本発明者らは、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテルおよびソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルは、コリネバクテリウム属およびスタフィロコッカス属等の微生物、特に、コリネバクテリウム キセロシス、スタフィロコッカス エピデルミディス、およびスタフィロコッカス アウレウス等の微生物に対して優れた抗菌活性を有することを確認した。
ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテルおよびソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルの製造方法は特に限定されず、化学合成や植物由来等のいずれの由来のものでも使用できる。
例えば、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテルおよびソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルは、マメ科常緑小灌木であるクララのほか、シソ科、ムラサキ科、キョウチクトウ科、セリ科、リンドウ科の植物、具体的にはセージ、アオジソ、チリメンジソ、タイム、エンメイソウ等の植物から得られる。これらの植物を粉砕処理し、有機溶剤、水等の溶出溶媒を用いて植物粉砕処理物から抽出液を調整し、当該抽出液を精製することにより、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテルおよびソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルを得ることができる。
ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテルおよびソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルの調整方法は公知の方法が採用できる。
例えばクララの根を水、水蒸気、低級アルコールなどの高極性有機溶剤で抽出し、得られた抽出物をケイ酸カラム、樹脂カラム、高速液体クロマトグラフィーによって精製する等の方法を用いることができる。
抽出溶媒としては、メタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、酢酸エチル、アセトン、モノテルペン類などの一般に用いられる有機溶媒、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類および水などを挙げることができ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。これらの溶媒の中では抽出効率の点から、特にエタノール、水、1,3−ブチレングリコールおよびこれらの混合溶媒が望ましい。
なお抽出処理は、冷浸、温浸、加熱還流、パーコレーション法などの常法によって行うことができる。溶媒抽出のほかに、水蒸気蒸留、炭酸ガスを超臨界状態にして行う超臨界抽出によって得たエキスも同様に利用できる。超臨界抽出では、抽出助剤としてヘキサン、エタノール等を用いることもできる。
また、抽出物の分離精製は、抽出物を活性炭処理、液液分配、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーなどで行うことができる。
その他の抽出条件、例えば、抽出温度、抽出pHなどは、抽出溶媒や抽出処理の種類に応じて、適切な条件を設定すればよい。
さらに、例えば、公知のソフォラフラバノンGを出発物質としてナトリウムメトキシド等による公知のエーテル化法によりメチルエーテル化し、高速液体クロマトグラフィー等により分離精製を行い、化学合成物を得ることもできる。
本発明で用いる有効成分は、上記ソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルを含有するものである。
上記有効成分としては、ソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルの純粋な化合物を使用することができるが、これに限定されるものではなく、植物抽出物、植物抽出物を半精製、または粗精製して得られるソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテル含有画分を使用することもできる。
ただし、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテル及びソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルの精製度が低いと、例えば、従来から知られているソフォラフラバノンG等が混入する場合がある。ソフォラフラバノンGは本発明の化合物と比較して抗菌活性が低いため、ソフォラフラバノンGの混入率が過剰となると、本発明が意図する抗菌活性レベルを達成できない場合や、抗菌剤の添加量を増加する必要が生じる場合があり、好ましくない。
したがって、半精製または粗精製のソフォラフラバノンG−5−メチルエーテル及びソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルを使用する場合は、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテル及びソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルの含有率が10質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上であることが好ましい。また、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテル及びソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルの合計含有量に対して、不純物であるソフォラフラバノンGの混入割合が、30質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であることが好ましい。
また、用途に応じて、上述のソフォラフラバノンG−5−メチルエーテル及びソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルの純粋な化合物、半精製物、粗精製物を、適当な溶剤に溶解させたり、適当な基材に分散させたものを抗菌剤として使用してもよい。
特に、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテル及びソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルが、対象組成物に対して不溶性、難溶性の場合、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテルまたはソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルを溶剤に溶解させた抗菌剤を用いることが好ましい。溶剤としては、アルコール、エーテル等の有機溶剤、水、あるいはこれらの混合溶媒等を使用することができる。
本発明で用いる有効成分は、目的組成物に添加することにより、目的組成物に、優れた殺菌作用、滅菌作用、消毒作用、除菌作用、防腐作用を付与することができる。本発明で用いる有効成分は人体への危険性が低いため、特に、皮膚、毛髪、口腔等の人体に適用される製品や、洗剤等の家庭用の製品に好適に用いることができる。
本発明で用いる有効成分を、目的組成物に添加して抗菌活性を付与する場合、目的組成物中におけるソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルの濃度が0.0001%〜50質量%(以下単に%という)となるよう配合する。好ましい濃度は、0.001%〜30%、更に好ましくは0.01%〜10%である。0.0001%未満ではその効果は発揮されず、50%を超える配合は使用感を悪くするなどの不都合を生じるおそれがある。
本発明で用いる有効成分は、皮膚外用剤、毛髪化粧料、口腔用組成物等の人体や動物に適用される製品に利用することができ、具体的には、皮膚外用剤としては、クリーム、ハンドクリーム、乳液、化粧水、ローション、石鹸、ハンドソープ、ボディーソープ、制汗剤、水虫薬、ニキビ治療剤、消毒剤、美白剤、貼付剤、パック剤、目薬などを例示することができる。また、毛髪化粧料としては、シャンプー、リンス、トリートメント、トニック、育毛剤、ヘアジェル、ヘアワックス、ヘアクリーム、ヘアフォーム、ヘアスプレー、ヘアウォーターなどを例示することができる。また、口腔組成物としては、歯磨、洗口剤、歯肉マッサージクリームなどを例示することができる。
また、本発明で用いる有効成分は、また、衣料用組成物、台所用組成物、住居用組成物などの家庭用製品にも利用することができる。例えば、衣料用組成物としては、衣類用洗剤、衣類用洗剤前処理剤、運動靴用洗剤、柔軟剤、漂白剤、リンス剤、撥水剤、耐電防止剤を例示することができる。また、台所用組成物としては、食器用洗剤、野菜用洗剤、レンジ用洗剤、自動食器洗浄機用洗剤等を例示することができる。また、住居用組成物としては、トイレ用洗剤、浴室浴槽用洗剤、窓用洗剤、家具・床・畳用洗剤、室内芳香消臭剤、エアコン用洗浄消臭剤などを例示することができる。
さらに、本発明で用いる有効成分は特定保健用食品、栄養機能食品などを含む、あらゆる機能性食品に利用することができる。
この場合、本発明で用いる有効成分を含む組成物は、上記目的組成物の種類、剤形などに応じた公知の配合成分を用いて常法により調製できる。例えば、界面活性剤、油分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、キレート剤、pH調整剤、香料、色素、紫外線吸収・散乱剤、ビタミン類、水等を必要に応じて適宜配合することができる。また、冷感効果を付与する目的としてメントールまたはイシリンを加えることができる。なお任意成分はこれらに限定されるものではない。
また、本発明で用いる有効成分である抗菌活性成分を含む組成物には、必要に応じて、前記抗菌活性成分に加えて、一般に用いられている消臭剤、防腐剤、保存剤、酸化防止剤などをあわせて配合することができる。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテル及びソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルの精製方法
クララの根40gにエタノール800mlを加えて加温抽出し、冷却後、減圧濃縮して蒸留水を添加し、50%エタノール抽出溶液を得た。得られた50%エタノール抽出溶液をろ過して固形物を除き、ろ液を減圧下で濃縮乾固後、乾固形物を固形物換算で20%となるようにメタノールに溶解し、シリカゲルカラム(和光純薬工業社製:ワコーゲル C−200)にてクロロホルム:メタノール=90:10により溶出して溶出液を得た。得られた溶出液を減圧下で濃縮乾固し、乾固形物を固形物換算で10%となるように50%エタノールに溶解し、高速液体クロマトグラフィー(島津社製:Tskgel ODS−80Ts)にて蒸留水:アセトニトリル:酢酸=50:50:1により溶出して溶出液を得た。次に減圧下で濃縮乾固し、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテル及びソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルを得た。
なお、得られた本発明の新規化合物の同定に関しては、汎用の質量分析装置であるFAB−MS(fast atom bombardment-Mass Spectrometer)と構造解析機器であるNMR(Nuclear Magnetic Resonance)を用いて実施した。FAB−MSにより新規化合物の質量を決定し、NMRでその構造を決定したが、NMR解析においては側鎖の置換基の構造決定が困難であったため、新規化合物を公知のアセチル化法を用いてアセチル化し、アセテートの2次元NMRを実施して構造決定に至った。
〔実施例2〜5〕臭気発生抑制試験
体臭原因菌として、Corynebacterium xerosis菌を用いて、本発明の抗菌剤の殺菌試験及び防臭試験を実施した。
実施例1で取得した任意の量のソフォラフラバノンG−5−メチルエーテル及びソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルを50%エタノールに溶解し、試料溶液とした。
TSB培地(DIFCO製)でCorynebacterium xerosis菌を37℃,24時間前培養した。655nmにおける吸光度が1.3以上あることを確認後、3000rpmで5分間遠心分離処理を行い、菌体(沈殿物)を回収した。菌体を生理食塩水に懸濁させ、再び同様の操作を行い、得られた菌体をもとの菌液の1/2量のリン酸緩衝液pH6.0に懸濁させ、供試菌液とした。
ロイシンを1%になるようにリン酸緩衝液pH6.0に溶解し、基質溶液とした。
供試菌液2.5mLに基質溶液2.5mLを加え、各濃度の試料溶液を50μL添加攪拌後、37℃、6時間保温した。保温した菌液から2.5μLを採取し、TSB培地により96穴プレート上で100倍希釈した後、10倍希釈を5回繰り返した。希釈終了後、37℃、24〜48時間培養を行い、プレートリーダーにて濁度(OD595)を測定した。比較例としてイソプロピルメチルフェノール(以下IPMPという)とソフォラフラバノンGを用い、本発明を含まないコントロールに対して何%殺菌したかを算出した結果を表1に示す。
残った菌液は0.22μmフィルターで濾過し、Corynebacterium xerosis菌を除去する。濾液2mLに10%硫酸を0.5mL、ジエチルエーテルを3mL加え攪拌後、ジエチルエーテル相5μLを採取してガスクロマトグラフでイソ吉草酸発生量を測定した。本発明を含まないコントロールに対して何%防臭したかを算出した結果を表2に示す。
Figure 0004660088
反応系中の試料濃度は固形物換算で50ppmになるように調製した。上記表1に示した結果から明らかなように、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテル及びソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルに高い殺菌作用が認められた。
Figure 0004660088
反応系中の試料濃度は固形物換算で50ppmになるように調製した。上記表2に示した結果から明らかなように、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテル及びソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルに高い防臭作用が認められた。
〔実施例6〜11〕最小発育阻止濃度測定試験
試験菌として、Corynebacterium xerosis菌、Staphylococcus epidermidis菌およびStaphylococcus aureus菌を用いて、最小発育阻止濃度測定試験を実施した。
任意の量の本発明品を50%エタノールに溶解し、試料溶液とした。
Corynebacterium xerosis菌(以下C.x.菌という)はTSA寒天培地上(栄研化学製)で2回継代培養を行った。さらに、寒天培地から菌を3白金時分かき取り、生理食塩水5mLに溶かし、生理食塩水で100倍希釈して被検菌液とした。
Staphylococcus epidermidis菌(以下S.e.菌という)はBHI寒天培地上(日本製薬製)で2回継代培養を行った。さらに、寒天培地から3白金耳分かき取り、生理食塩水5mLに溶かし、生理食塩水で100倍希釈して被検菌液とした。
Staphylococcus aureus菌(以下S.a.菌という)はTSA寒天培地上(栄研化学製)で2回継代培養を行った。さらに、寒天培地から菌を3白金時分かき取り、生理食塩水5mLに溶かし、生理食塩水で100倍希釈して被検菌液とした。
96wellマイクロプレート(IWAKI製)の各wellにSCDブイヨン培地(栄研化学製)を200μL加える。任意の濃度に希釈した試料溶液を加え、各被検菌液を添加し、37℃、48時間培養後、プレートリーダーにて濁度(OD595)を測定する。プレートリーダーによる測定結果と肉眼的に明らかに発育を認めない最低濃度(ppm)をもって最小発育阻止濃度とした。C.x.菌に対する結果を表3に、S.e.菌に対する結果を表4に、S.a.菌に対する結果を表3に示す。
Figure 0004660088
上記表3に示した結果のように、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテル及びソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルにC.x.菌に対して高い抗菌作用が認められた。
Figure 0004660088
上記表4に示した結果のように、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテル及びソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルにS.e.菌に対して高い抗菌作用が認められた。
Figure 0004660088
上記表5に示した結果のように、ソフォラフラバノンG−5−メチルエーテル及びソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルにS.a.菌に対して高い抗菌作用が認められた。
〔実施例12〕 製品への応用
以下、本発明のソフォラフラバノンG−5−メチルエーテル及びソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルを所要の組成物に配合した処方例を示す。
なお組成物中に記した香料は、特開2003−300811号公報(特願2002−104240号公報)に開示の香料に、ジブチルヒドロキシトルエンを0.001%添加したものである。
実施例12の処方例では、いずれの製品も消臭・防臭効果、肌マイルド性、抗酸化性に優れた効果を示した。
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ペースト状になるまでニーダで混合し、貼付剤組成物とした。貼付剤組成物を不織布上に150g/cm2になるまで均一塗布し、ポリエチレンフィルムを施し、貼付剤を調製した。
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以上のように、本発明で用いるソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルは、抗菌活性成分として有用であり、特に、防臭剤、該防臭剤を有する防臭用組成物、化粧料組成物、および洗浄用組成物に適している。
また、本発明において抗菌性画分を用いれば、比較的簡便な装置および工程にて、本発明のソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルを取得できる。

Claims (6)

  1. コリネバクテリウム属の微生物による臭気の発生を抑制する作用を有するソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルを有効成分として含む防臭剤。
  2. 植物抽出液を精製処理することにより取得され、ソフォラフラバノンG−4",5"−ジヒドロ−5"−ヒドロキシ−5−メチルエーテルを含有する画分として、前記有効成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の防臭剤。
  3. 前記植物抽出液がクララ抽出液であることを特徴とする請求項2に記載の防臭剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の防臭剤を含有することを特徴とする防臭用組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の防臭剤を含有することを特徴とする化粧料組成物。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の防臭剤を含有することを特徴とする洗浄用組成物。
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