JPH0695908B2 - 香味組成物及びそれを含有する製品 - Google Patents

香味組成物及びそれを含有する製品

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JPH0695908B2
JPH0695908B2 JP19383789A JP19383789A JPH0695908B2 JP H0695908 B2 JPH0695908 B2 JP H0695908B2 JP 19383789 A JP19383789 A JP 19383789A JP 19383789 A JP19383789 A JP 19383789A JP H0695908 B2 JPH0695908 B2 JP H0695908B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、森林様香気及びう蝕菌生育阻害かつ覚醒効果
を有する香味組成物に関し、より詳しくはカバノキ属
(Betula)に属する特定の樹木の水又は有機溶媒抽出物
及び/又は水蒸気蒸留留出油とシス−3−ヘキセノール
を有効成分として含有する香味組成物に関する。この香
味組成物は飲食品,口腔衛生品等の分野において有効に
利用しうるものである。
〔従来の技術〕
カバノキ科(Betulaceae)に属する樹木であるシラカバ
族(Tribus Betuleae)とハシバミ族(Tribus Corylea
e)があり、前者にはハンノキ属(Alnus)とカバノキ属
(Betula)があり、後者にはハシバミ属(Coryleae),
アサダ属(Ostrya)及びクマシデ属(Carpinus)があ
る。カバノキ属に属する樹木のうちヨーロッパカンバ
(B.pendula),ヨーロッパケカンバ(B.pubescens)等
はソ連,東西ドイツ等の欧亞大陸中西部に産し、その
葉,芽を水蒸気蒸留して得たバーチバッド油(birch bu
d oil)や樹皮から水蒸気蒸留して得たバーチバーク油
(birch bark oil),幹を乾留して得たバーチタール油
(birch tar oil)等は化粧品,香料などとして利用さ
れたり、殺菌性があることから医薬品あるいは調合香料
の保留剤として用いられている。
一方、アマハンノキと呼ばれるsweet birch,biack birc
h,cherry birch(Betula lenta)はカナダ南部,北米東
部に自生し、この樹木の樹皮及び小枝を温水に浸した
後、水蒸気蒸留すると、配糖体が酵素により加水分解し
て精油を留出し、薬用に供されるほかウインターグリー
ン油の代用品として調合及び食品香料として使用されて
いる(香料化学総覧、〔1〕第2版、164頁、広川書
店)。バーチバッド油は、前記の如く、ヘヤートニック
やシャンプー等の化粧品として使用されていたが、これ
は低級アルコール含量が低く、レクチファイ又はアブソ
リュートのバーチリーフバッドがしばしば使用される。
最適なアブソリュートは80%アルコールナチュラルオイ
ルで抽出して得られたアルコール溶液を冷却し、沈澱物
を濾過して低減圧下でアルコールを留去して得られる。
バーチバッド油は香料素材のほか皮膚の治療を目的とし
た薬用にも使用されている。(“パフューム・アンド・
フレバー・マテリアル・オブ・ナチュラル・オリジ
ン”)ステェファン アークタンダー著(Perfume and
Flavor Meterials of Natural Origin by Steffen Arct
ander)98頁、Elizabeth,N.J.(U.S.A.)1960年)。
この他シラカバ抽出物の消臭剤としての利用(特開昭61
-24906号公報参照);シラカバの樹脂,木部の抽出物を
配合する液体洗浄剤(特公昭60-46156号公報参照);シ
ラカバ抽出物の毛髪化粧料への利用(特開昭62-190115
号公報参照)が知られている。一方、食品用途では、シ
ラカバをエチルアルコール又はエチルアルコール含有溶
液との共存下130℃以上の温度で1分以上処理し、抽出
した溶液よりなる香味料で種々の飲食品、殊に調味料,
酒類,洋生菓子,砂糖漬け類、チョコレート等に使用さ
れる(特公昭64-8991号公報)。又、シラカバ抽出物よ
り得られるキシロオリゴ糖の粉末又は溶液は上品で低い
甘味質,程良い着色,増粘効果,保存性の向上,良い香
り等の優れた特性を付与した飲食品を製造すること(特
開昭62-278961号公報参照)が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来は極く限られた地域で利用されてお
り、しかもバーチバッド油やバーチバーク油は主に医薬
用に利用され、食品用には主にキシロオリゴ糖を利用し
ていたにすぎない。又、従来使われていたサルチル酸メ
チル含有のウインターグリーン(スウィートバーチ油)
はその香りから用途として薬用,口腔用に限られてしま
い、森林の香りを想起させるものとはほど遠いものであ
った。
近年、天然精油および植物成分の香りとそれ以外の新し
い機能に対する開発機運が高まり、新しい機能を有する
精油及びその成分が次々と明らかにされ、特にフィトン
チッド,植物間のアレロパシー及び森林浴等が紹介さ
れ、一層これらの目的に適合する森林用香気とう蝕菌生
育阻害効果を有する素材の開発が望まれていた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記の課題を解決するために、森林浴イメ
ージを有し、かつ食用に供することができる樹木抽出物
に注目して鋭意検討した結果、特定の樹木の抽出物が嗜
好性が高く、抗菌性、特にう蝕菌の生育阻害効果が強
く、かつ香気が森林イメージを与えることを見出し、本
発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(a)カバノキ属(Betula)に属す
る樹木であるシラカンバ(B.platyphylla var.japonic
a),オノオレカンバ(B.schmidtii),ヨーロッパカン
バ(B.pendula),ヨーロッパケカンバ(B.pubescen
s),ポプリフォリヤカンバ(B.populifolia),ダケカ
ンバ(B.ermanii)及びヤチカンバ(B.tatewakiana)の
中から選ばれた1種又は2種以上の樹木の水又は有機溶
媒抽出物及び/又は水蒸気蒸留留出油並びに(b)シス
−3−ヘキセノールを含有することを特徴とする香味組
成物に関する。
カバノキ属にはその冬芽中の精油中にサルチル酸メチル
を含有するものと含有しないものがあり、サルチル酸メ
チルを主要成分とするものはサルチル酸メチルの特有な
香りを持つため、森林様香味組成物としては不適当であ
り、本発明から除外される樹木である。カバノキ属は北
半球の温帯から亜寒帯に約40種あり、日本には11種存在
する。カバノキ属は英語でBirchと呼ばれ、ミズメ(B.g
rossa),ジゾウカンバ(B.globispica),アポイカン
バ(B.apoiensis),ヤチカンバ(B.tatewakiana),ダ
ケカンバ(B.ermanii),チチブミネバリ(B.chichibue
nsis),オノオレカンバ(B.schmidtii),ヤエガワカ
ンバ(B.davurica),ネコシデ(B.corylifolia),シ
ラカンバ(B.platyphylla var.japonica),ウダイカン
バ(B.maximowicziana)である。また、世界周北には、
ユーラシア大陸中西部に分布するヨーロッパカンバ(B.
pendula),ヨーロッパケカンバ(B.pubescens)があ
り、中国にはチョウセンミネバリ(B.costata),トウ
シラカンバ(B.albosinensis),コウアンシラカンバ
(B.platyphylla)等がある。また、アメリカ大陸のア
メリカシラカンバ(B.papyrifera),ポプリフォリアカ
ンバ(B.populifolia),ルテアカンバ(B.lutea),ア
マハンノキ(B.lenta)等がある。このうちミズメ(B.g
rossa),チョウセンミバリ(B.costata),ルテアカン
バ(B.lutea),ウラジロカンバ(B.corylifolia)はサ
ルチル酸メチルを主成分として含んでいるので除外され
る。
特に好ましい樹木はシラカンバ(B.platyphylla),オ
ノオレカンバ(B.schmidtii),ヨーロッパカンバ(B.p
endula),ヨーロッパケカンバ(B.pubescens),ポプ
リフォリヤカンバ(B.populifolia),ダケカンバ(B.e
rmanii),ヤチカンバ(B.tatewakiana)である。
本発明において、樹木としては樹幹,樹皮,樹液,小
枝,冬芽などの部位が対象とされ、これらの中では冬
芽,樹幹,樹皮が好ましい。この樹木を抽出しやすいサ
イズに細断し、室温〜50℃程度の温度で水又は有機溶媒
で浸漬し、連続的に抽出し、抽出溶媒を必要により減圧
下で濃縮する。又は、細断した樹木を常法により水蒸気
蒸留して得た留出油を単独でもしくは上記抽出液を組み
合せて使用することができる。本発明に使用できる有機
溶媒としては、イソペンタン,n−ペンタン,n−ヘキサン
等の炭化水素類;エタノール,グリセリン,プロピレン
グリコール等のアルコール類;アセトン,メチルエチル
ケトン等のケトン類;酢酸エチル,酢酸メチル等のエス
テル類;エチルエーテル等のエーテル類;炭酸ガスによ
る超臨界抽出等が用いられる。抽出時間は制限がなく、
長期間つけ込むこともでき、目的とする成分が十分抽出
できればよい。抽出液はそのまま使うこともできるが、
必要があれば減圧下で濃縮して濃縮物又は一定濃度溶液
として他の添加剤と調合して使用することができる。
次に、シス−3−ヘキセノールの配合は樹木抽出物又は
留出油の2重量%以上は必要であるが、20重量倍を越え
ると、シス−3−ヘキセノールの臭いが強くなり好まし
くない。香味組成物中の樹木抽出物又は留出油は0.01%
以上で特徴が現れ、20重量%以上としても増量による効
果が得られない。
本発明の香味組成物を化粧品,食品,飲料等へ添加する
場合、その添加量は通常の香料の添加物の場合と同様で
あり、0.01〜20重量%が通常である。
〔実施例〕
次に、参考例,試験例,実施例を挙げて本発明を更に詳
細に説明する。
なお、本発明の効果は抗菌性,専門パネラーによる香気
チェック及び脳波CNVを測定して確認をした。
本発明に使用した分析機器 ガスクロマトグラフィー:パーキンエルマー社 8320型 条件:カラム PEG 20M化学 結合型 0.25mm×25m 温度:45℃,4分保持 3℃/分昇温230℃まで注入,検出器240℃ スプリット比:1/64 ガスクロマトグラフィー質量分析器:ヒュウレット パッカード社5710A ガスクロマトグラフィー日立M80B型質量分析 条件:イオン化電圧20eV,イオン化室温度200℃ 〔試験法1〕ガスクロマトグラフィー 抽出物をクライゼン型ミクロ蒸留装置(矢沢科学製)に
より揮発成分のみを0.1mmHgで液温100℃で留出するもの
を捕集して、留出物をガスクロマトに注入して測定し
た。
〔試験法2〕抗菌力テスト 「防菌防黴」、11巻,7号、432頁、1983年の方法に準拠
して行った。すなわち各試料を培地中の濃度が1/500,1/
1000,1/2000,1/3000,1/5000,1/7000となるようにジメチ
ルスルホキシド(DMSO)で希釈後、寒天培地に混合し24
穴マイクロプレート(Falcon 3047)の各穴に流し固化
させた。
その上にハートインフュージョン・ブイヨン(25.0g/
l)中でスタフィロコッカス・アウレウス(S.aureus
とストレプトコッカス・ミュータンス(S.mutans)を各
々15時間培養した菌液(5x108cells/ml)を生理食塩水
で10倍希釈後、その10μlを塗布し、37℃で24時間培養
し、菌の生育を調べた。
〔試験法3〕 特開昭63-199293号公報に記載の試験方法に準ずる方法
で行った。
実施例1 (1) 冬芽の採取 東京大学農学部付属演習林北海道演習林の見本林よりヨ
ーロッパカンバ(太さ約0.5cm未満)の小枝を切断し、
小枝1kgより143.3g(14.3%)の冬芽を採取した。
(2) 精油の採取 (2)−1 冬芽の抽出 上記(1)で得られたヨーロッパカンバの冬芽10gをイ
ソペンタン(半井薬品製)200mlに2日間浸漬したの
ち、濾過により冬芽を分離し、次いでイソペンタンを常
圧下でウォーターバス(温度50℃)にて留去して、濃縮
物2.01gを得た。このものは、フレッシュな甘いバルサ
ム様液体(屈折率:▲n20 D▼=1.5410)1.5g(収率0.5
%)を得た。
(2)−3 樹幹の抽出 よく洗浄したヨーロッパカンバの樹幹を細断し、その6k
gに95%局方エタノール18lを加えて48時間浸漬した。上
記(2)−2の方法に準じて処理して、1.2kgまで濃縮
した。この濃縮物の性状は、外観は茶又は淡黄色を呈
し、比重:▲d20 20▼=0.8977,屈折率:▲n20 D▼=1.36
92で、組成はエタノール60重量%,水35重量%,固形物
5重量%であった。
(2)−4 冬芽の抽出 上記(1)で得られた冬芽70gを室温下、酢酸エチル
(半井薬品製)200mlに2日間浸漬した。次いで、濾過
して冬芽を除き、減圧下にウォーターバス(温度50℃)
にて濃縮して、濃縮物(屈折率:▲n20 D▼=1.4980)1
4.7g(収率21.0%)を得た。この濃縮物は、甘いバルサ
ム様の白樺特有の香りを有していた。
(2)−5 冬芽の付いた小枝の水蒸気蒸留留出油の調
製 ヨーロッパカンバの冬芽の付いた小枝(長さ10cm未満)
250gを常法により水蒸気蒸留を5時間行い、2.5lの留出
水を得た。これをペンタン0.5lで3回抽出したのち、ペ
ンタンを常圧下で濃縮して濃縮物(屈折率:▲n20 D▼=
1.4780)2.1gを得た。このものは、透明な油状でフェノ
ール的な香気のあるウッディーバルサム様の香りを有し
ていた。
実施例2 実施例1の(2)−1と同様にして、表1に示した各種
冬芽から精油を採取した。
試験例1 実施例2で得られた精油を、試験法1により分析して官
能評価をした。結果を表1に示す。
試験例2 実施例2で得られた精油のうち第2表に示した試料につ
いて試験法に従い、抗菌性を測定した。結果を表2に示
す。
実施例3 香味組成物の調製 下記の処方に従い、森林浴香気を有する香味組成物を従
来の方法に従って調製した。なお、処方中の単位は重量
部を示し、(1)〜(5)は下記のものを示す。
(1) 樹幹抽出物(実施例1の(2)−3のもの) (2) 冬芽抽出物(実施例1の(2)−1のもの) (3) 冬芽の付いた小枝の抽出物 (実施例1の(2)−2のもの) (4) 冬芽抽出物(実施例1の(2)−4のもの) (5) 冬芽の付いた小枝の水蒸気蒸留留出油 (実施例1の(2)−5のもの) 1)キャンディー用香味組成物 メントールクリスタル 3.6 シス−3−ヘキセノール 3.0 (1)の5重量%含有含水エタノール溶液 7.7 (2)の5重量%含有含水エタノール溶液 7.7 グレープフルーツフレーバー 78.0 100.0 2)チューインガム用香味組成物 メントールミクロン 23.0 フルーツフレーバー 57.2 シス−3−ヘキセノール 3.8 (1)の5重量%含有エタノール溶液 10.0 (4)の2重量%含有エタノール溶液 6.0 100.0 3)ミントキャンディー用香味組成物 ミントフレーバー 59.2 シス−3−ヘキセノール 1.6 ライムフレーバー 15.0 ペパーミントオイル 7.8 (3)の5重量%含有エタノール溶液 6.4 100.0 4)スポーツドリンク飲料用香味組成物 グレープフルーツエッセンス 32.5 シス−3−ヘキセノール 3.0 (5)の30重量%含有含水エタノール溶液 64.5 100.0 5)抗う蝕性チューインガム用香味組成物 メントールミクロン 13.0 シス−3−ヘキセノール 12.0 グレープフルーツフレーバー 21.8 (1)の20重量%含有エタノール溶液 4.5 (2)の20重量%含有エタノール溶液 4.5 (4)の20重量%含有エタノール溶液 44.2 100.0 6)歯みがき用香味組成物 ペパーミント油 30.0 スペアミント油 15.0 メントール 15.0 カルボン 7.0 アネトール 7.7 (1)の5重量%含有含水エタノール溶液 11.0 (2)の5重量%含有含水エタノール溶液 11.7 シス−3−ヘキセノール 2.6 100.0 7)洋酒用香味組成物 エステル系香料 2.6 イソアミルアルコール 0.3 ウィスキーディストリビュート 29.5 シス−3−ヘキセノール 14.7 (1)の50重量%含有エタノール溶液 26.5 (2)の50重量%含有エタノール溶液 26.4 100.0 試験例4 実施例1で調製した試料(1)冬芽の抽出物(実施例1
の(2)−1のもの),(2)冬芽の付いた小枝の水蒸
気蒸留留出(実施例1の(2)−5のもの),(3)冬
芽の付いた小枝の抽出物(実施例1の(2)−2のも
の),(4)樹幹抽出物(実施例1の(2)−3のも
の)を表4に示した所定量(重量部)を用いて供試料1
〜5を調製した。
各試料を各々広口ビン(6cmφ×7cm)に一定量採り、試
験法3に従い随伴性陰性変動(CNV)を測定した。1試
料につき被験者は4名で行ない、CNV前期成分総加算量
の標準状態でのCNV前期成分総加算量を基にした百分率
(CNV振幅%)を求めた。結果を表4に示す。
また、得られた試料1〜5について、パネル20名(男女
各10名)による嗜好性の順位付けを行った。この結果を
表5に示す。表中の数字は人数を示す。なお、統計処理
法は「新版官能評価ハンドブック」(日科技連)のp301
〜305に記載の方法に従った。
表より、ケンドールの一致係数W=0.43,Sによる検定S
=1720(>468.5,α=0.05,k=20,n=5)が求められ
る。従って、この順位は5%の有意水準で有意となり、
シス−3−ヘキセノールの添加は、嗜好性の増加に有効
であると判定できる。
試験例5 実施例1で調製した試料より9種を選択し、その冬芽抽
出物の嗜好性の順位を求めた。方法は、この9種を下記
に示す2群に分け、アマハンノキを対照とした。
第1群 A−1 ヨーロッパカンバ, B−1 ヨーロッパケカンバ, C−1 シラカンバ, D−1 アマハンノキ, E−1 ルテアカンバ 第2群 A−2 ヤチカンバ, B−2 ポプリフォリアカンバ C−2 アメリカシラカンバ, D−2 ウダイカンバ, D−1 アマハンノキ 試料には、実施例1の(2)−1の方法で得た各種冬芽
の濃縮物を0.02重量%加えたキャンディーを用いた。パ
ネラーは男,女10名づつ計20名で実施した。統計処理法
は、試験例4と同様の方法で行った。第1群の結果を表
6に、第2群の結果を表7に示す。表中の数字は人数を
示す。
表より、第1群,第2群共にケンドールの一致係数とS
による検定で5%の有意水準で有意となり、この順位は
関連性があり、全体として評価が一致している。このう
ち下位の順位となったものは、並行して行った官能所見
より特有な薬品臭があった。これは、サルチル酸メチル
に起因する。一方、評価順位の上位のものは、森林の香
り,森林の皮,幹を連想するとの評価を得た。
試験例6 シス−3−ヘキセノールの最適含有量を決定するため
に、官能評価を行った。試料は実施例1の(2)−3の
樹幹抽出物に対し、シス−3−ヘキセノールの添加量を
0.05重量%より25重量倍に至る香味組成物を調製し、キ
ャンディーに0.02重量%加えたものを用いた。パネルは
男女各10名づつ計20名で行ない、おいしさの順位を決定
した。この結果を表8に示す。なお、表中の数字は人数
を示す。また、統計処理は試験例4と同様の方法で行っ
た。
次いで、クレマーの検定(「新版官能ハンドブック」
(日科技連)p305)を行ったところ、α=0.01でSjが42
〜78より外れた81と80(表中の比率1:0.005,1:25)は、
共に評価順位が下位で、有意においしさという点で劣る
と判定される。
実施例4 処方 砂糖 550重量部 水飴(Brix75) 450重量部 水 180重量部 クエン酸 1.5重量部 キャンデー用香味組成物 2.0重量部 鍋に砂糖550重量部、水飴450重量部、水177重量部を入
れ、徐々に加熱して完全に溶解させた。これを常法によ
り145℃まで煮詰めた。これに、予めクエン酸1.5重量部
を3重量部の水に溶解させ水溶液とした。クエン酸水溶
液4.5重量部及び実施例3により調製したキャンデー用
香味組成物2重量部を加えて、混合し、冷却したのち所
望の計に成型した。得られたハードキャンデーは覚醒効
果のある新鮮な香味を有するものであった。実施例5 処方 ガムベース 230重量部 砂糖 550重量部 水飴(Brix85) 100重量部 グルコース 120重量部 クエン酸 4重量部 チューインガム用香味組成物 10重量部 通常のチューインガム製法と同じく、35℃に保温したガ
ムベースに、砂糖,水飴,グルコース,クエン酸を加え
て、よく混練したのち、実施例3により調製したチュー
インガム用香味組成物を加え、さらに混練することによ
りチューインガムを製造した。得られたチューインガム
は、覚醒効果のある新鮮な香味を有するものであった。
実施例6 処方 砂糖 600重量部 水飴(Brix75) 400重量部 水 200重量部 ミントキャンデー用香味組成物 3重量部 鍋に、砂糖,水飴,水を入れ、徐々に加熱して完全に溶
解させた。これを常法により147℃迄煮詰めた。これに
実施例3により調製したミントキャンデー用香味組成物
を加えて混合し、冷却したのち所望の形に成型した。得
られたミントキャンデーは、覚醒効果のあるさわやかな
香味を有するものであった。
実施例7 処方 砂糖 500重量部 ビタミンC 7重量部 クエン酸 15重量部 クエン酸ナトリウム 7重量部 塩化ナトリウム 2重量部 乳酸カルシウム 1.5重量部 塩化マグネシウム 0.5重量部 リン酸三カリウム 2重量部 スポーツドリンク飲料用香味組成物 15重量部 水 9450重量部 砂糖に砂糖と等量の水を加えて攪拌,沸騰,溶解した
後、これを配合タンクに投入した。次に、塩類,酸,ビ
タミンCの順で微温水に溶解し、配合タンクに投入し、
最後に実施例3により調製したスポーツドリンク飲料用
香味組成物,水を投入、均一になる迄混合した。次に、
チューブラヒーターにて、93〜96℃に加温し、充填,巻
締,冷却を行ってスポーツドリンクを製造した。得られ
たスポーツドリンクは、覚醒効果のある森林の香りを有
するものであった。
実施例8 処方 ガムベース 220重量部 ソルビット 550重量部 マルチトール 230重量部 抗う蝕性チューインガム香味組成物 20重量部 通常のチューインガム製法と同じく、35℃に保温したガ
ムベースにソルビット(粉末ソルビトール),マルチト
ール(水分12%)を加えてよく混練したのち、実施例3
により調製した抗う蝕性チューインガム香味組成物を加
え、さらに混練することより、チューインガムを製造し
た。得られたチューインガムは、抗う蝕性を有するもの
であった。
実施例9 練り歯磨配合剤 原料配合例(重量%) 第二リン酸カルシウム 50 グリセリン 25 水 21.4 ラウリル硫酸ナトリウム 1.4 カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0 サッカリンナトリウム 0.15 安息香酸ナトリウム 0.05実施例3の6)に記載した歯磨用香味組成物 1.0 100 水20kgにサッカリンナトリウム0.15kgと安息香酸ナトリ
ウム50gを加えたものを擂かい機で攪拌しながら、カル
ボキシメチルセルロースナトリウムのグリセリン溶液26
kgを加えた。次に、ラウリル硫酸ナトリウム1.4kgを水
1.4kgに溶解したものを加え均一に混合した。最後に香
味組成物を加えて混合、均一にして1分間脱気した。
実施例10 リキュール配合例 95%アルコール 100l 果実酒(白)アルコール分13% 50l グラニュー糖 88kg メープルシロップ(ブリックス80) 20kg ハチミツ (ブリックス80) 20kg 実施例3の7)に記載した洋酒用香味組成物 0.2kg 加水全量 1000l 原料アルコール100l果実酒50lに香味組成物0.2kgを加
え、均一に混合した。これにグラニュー糖,メープルシ
ロップ,ハチミツを適当量の水に溶解して加え、全量を
1000lに加水調製した。得られた製品はエキス分12,アル
コール分16のリキュールである。
実施例11 洗口剤 処方 (重量%) 95%エチルアルコール 15.00 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2.00 塩化セチルピリジニウム 0.005 精製グリセリン 10.00 サッカリンナトリウム 0.02 安息香酸ナトリウム 0.05 青色1号1%水溶液 0.03 実施例3の6)に記載した歯磨用香味組成物 0.30 水 72.595 合計 100 95%エチルアルコールにポリエキシエチレン硬化ヒマシ
油を溶解し、これに香味組成物を加えて均一溶液とす
る。これに予め水にグリセリン,塩化セチルピリジニウ
ム,サッカリンナトリウムおよび色素溶液を溶解したも
のを加え、均一に混合する。
〔発明の効果〕
本発明の香味組成物を飲食物,口腔衛生品等に加えるこ
とにより、上品で森林的な香気を与えることができる。
その上、う蝕性菌の生育を阻害する作用を有すると共
に、リフレッシュ,さわやかさ,覚醒等の感覚を与える
効果がある等の優れた性質を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/26 7252−4C 35/78 C 7822−4C C07C 31/125 8930−4H C11B 9/00 C 2115−4H C12G 3/04 (72)発明者 村田 忠彦 埼玉県坂戸市千代田5―3―1 明治製菓 株式会社食料開発研究所内 (72)発明者 大木 剛夫 埼玉県坂戸市千代田5―3―1 明治製菓 株式会社食料開発研究所内 (72)発明者 渡邊 定元 北海道富良野市字山部市街地二条通北1丁 目(番地なし) 東京大学農学部付属演習 林北海道演習林内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)カバノキ属(Betula L.)に属する
    樹木であるシラカンバ(B.platyphylla var.japonic
    a),オノオレカンバ(B.schmidtii),ヨーロッパカン
    バ(B.pendula),ヨーロッパケカンバ(B.pubescen
    s),ポプリフォリヤカンバ(B.populifolia),ダケカ
    ンバ(B.ermanii)及びヤチカンバ(B.tatewakiana)の
    中から選ばれた1種又は2種以上の樹木の水又は有機溶
    媒抽出物及び/又は水蒸気蒸留留出油並びに(b)シス
    −3−ヘキセノールを含有することを特徴とする香味組
    成物。
  2. 【請求項2】(b)成分のシス−3−ヘキセノールの含
    有量が(a)成分の樹木の水又は有機溶媒抽出物及び/
    又は水蒸気蒸留留出油の2重量%〜20重量倍である請求
    項1記載の香味組成物。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の香味組成物を含有す
    る飲食品又は口腔用製品。
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