JP4498183B2 - 塩化水素ガス吸収材および塩化水素ガスの除去方法 - Google Patents

塩化水素ガス吸収材および塩化水素ガスの除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、塩化水素ガスを含む被処理ガス中から塩化水素ガスを吸収する塩化水素ガス吸収材および塩化水素ガスの除去方法に関する。
半導体製造プロセスにおいては洗浄等で毒性や危険性の高い塩化水素ガスが使用されている。これらの塩化水素ガスは人体に危険のない濃度に低下させてから大気中に排出する必要があり、排ガス処理装置で塩化水素ガスが除去されている。
塩化水素ガスの除去方法としては、湿式法と乾式法とが知られている。
湿式法は、アルカリ水溶液を塩化水素ガスの吸収液として使用する方法である。しかしながら、この湿式法では単独で塩化水素ガスを許容濃度以下まで除去することが困難である。また、湿式法は廃液処理に手間がかかるという問題がある。
乾式法としては、二種類のアルカリ成分を含有する粒子を塩化水素ガス吸収材として用いる方法があり、この方法では、ガスの回収も比較的簡便な方法で行える。例えば、ソーダライム(NaOH、Ca(OH)2、H2O)を吸収材として用いて塩化水素ガスを除去する場合、以下の化学式(1)乃至(3)に示す反応が順次生じて、塩化水素ガスを除去する。
HCl+H2O → H3ClO …(1)
3ClO+NaOH → NaCl+2H2O …(2)
NaCl+1/2Ca(OH)2→ 1/2CaCl2+NaOH …(3)
しかしながら、ソーダライムで塩化水素ガスを除去するには前記式(1)で示すように水分が必要である。その結果、塩化水素ガスを含む被処理ガスがドライエッチングガスのような乾燥したガスである場合には、吸収反応場の水分が蒸発してしまうため、ソーダライムによりドライエッチングガスに含まれる塩化水素ガスを吸収、除去することは困難になる。
また、特許文献1にはNaOHの代わりに水酸化ストロンチウムを使用することで水分量の低減による塩化水素ガス吸収能の低下を改善したハロゲンガス吸収材が開示されている。しかしながら、この発明にしても反応に水分は必要であり、乾燥雰囲気下における塩化水素ガスの吸収には限界がある。その結果、吸収材を頻繁に交換しなければならない。
さらに、特許文献2にはソーダライム(NaOH、Ca(OH)2、H2O)に保湿性を付与するための吸水性高分子物質を混合した塩化水素ガスのようなハロゲンガス除去材が開示されている。しかしながら、この発明にしても実際の装置での長期間に渡る使用では塩化水素ガスの吸収に限界がある。
特開平9−99216号公報 特開2004−73974
上述したように、湿式法による塩化水素ガス除去は塩化水素ガスの回収が困難である。また、アルカリ成分を含む粒子を用いた乾式法においては、乾燥したガス中から塩化水素ガスを除去することに適していなかった。
本発明は、乾燥した被処理ガス中の塩化水素ガスを効率よく吸収することが可能な塩化水素ガス吸収材を提供する。
本発明は、乾燥した被処理ガス中の塩化水素ガスを効率よく吸収、除去する塩化水素ガスの除去方法を提供する。
本発明によると、リチウムシリケートと、このリチウムシリケートと塩化水素ガスとの反応・吸収によって生成される水を吸水する吸水性物質を含有し、前記吸水性物質は前記リチウムシリケートに対して0.1〜30重量%の量で含有され、かつ含水量が25重量%以下であることを特徴とする塩化水素ガス吸収材が提供される。
また本発明によると、リチウムシリケートと、このリチウム複合酸化物と塩化水素ガスとの反応・吸収によって生成される水を吸水する吸水性物質を含有し、前記吸水性物質が前記リチウムシリケートに対して0.1〜30重量%の量で含有され、かつ含水量が25重量%以下である塩化水素ガス吸収材に塩化水素ガスを含む被処理ガスを接触させることを特徴とする塩化水素ガスの除去方法が提供される。
本発明によれば、乾燥した被処理ガス中から塩化水素ガスを比較的長期間に渡って効率よく吸収することが可能な塩化水素ガス吸収材を提供できる。
また本発明によれば、乾燥した被処理ガス中から塩化水素ガスを比較的長期間に渡って効率よく除去することが可能な塩化水素ガスの除去方法を提供できる。
以下、本発明に係る塩化水素ガス吸収材および塩化水素ガスの除去方法を詳細に説明する。
実施形態に係る塩化水素ガス吸収材は、リチウム複合酸化物および吸水性物質を含有する。
前記リチウム複合酸化物としては、例えばリチウムシリケート、リチウムジルコネート、リチウムフェライト、リチウムニッケレート、リチウムチタネート、リチウムアルミネート等が挙げられ、単独もしくは混合して用いることができる。
前記リチウム複合酸化物は、市販品を用いてもよいし、または特開平11−90219号公報に開示されているように酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化チタン、酸化アルミニウムから選ばれる金属酸化物粉末と、炭酸リチウム粉末とを反応させることで製造することもできる。リチウム複合酸化物は、室温で二酸化炭素と反応する虞がある。特に、特開2003−126688に開示されているようにリチウムシリケートは二酸化炭素との反応速度が速いため、製造されたリチウム複合酸化物は密閉容器などの二酸化炭素を除去した雰囲気中で保存することが望ましい。
前記リチウム複合酸化物は、塩化水素ガスと以下の式(4)〜(10)のように反応して吸収する。
Li4SiO4(s)+4HCl→4LiCl(s)+SiO2(s)+2H2O …(4)
Li2SiO3(s)+2HCl→2LiCl(s)+SiO2(s)+H2O …(5)
Li2ZrO3(s)+2HCl→2LiCl(s)+ZrO2(s)+H2O …(6)
2LiFeO2(s)+2HCl→2LiCl(s)+Fe23(s)+H2O…(7)
2LiNiO2(s)+2HCl→2LiCl(s)+Ni23(s)+H2O…(8)
Li2TiO3(s)+2HCl→2LiCl(s)+TiO2(s)+H2O …(9)
2LiAlO2(s)+2HCl→2LiCl(s)+Al23(s)+H2O …(10)
前記リチウム複合酸化物は、この塩化水素ガスを含む乾燥状態の被処理ガスに対して前記式に従ってその塩化水素ガスを効率よく吸収することが可能である。
なお、リチウムシリケートは、式(4)、(5)で示すように2種類あるが、式(4)で示したリチウムシリケート(Li4SiO4)は、式(5)〜(10)で示すリチウム複合酸化物に比べて理論的に2倍(モル比)の塩化水素ガスを回収することが可能である。このため、リチウムシリケート(Li4SiO4)は塩化水素ガスの吸収に好適である。
本発明者らは、リチウム複合酸化物を含む吸収材に前記塩化水素ガスを反応、吸収する際、前記式に示すように水が生成するために吸収材が泥状、さらに液状化する現象を生じることを発見した。このような吸収材の泥状化は、リチウム複合酸化物を含む吸収材間のガス通路が部分的に閉塞する。その結果、塩化水素ガスを含む被処理ガスはこの吸収材に局在して流通する等の不均一な流れになるため、吸収材の一部のみで塩化水素ガスの吸収がなされて吸収効率が低下する。さらに、吸収材が液状化すると、前記被処理ガスの流通が阻害されて被処理ガスを吸収材に供給すことが困難になる。
このような塩化水素ガスの反応、吸収過程において、リチウム複合酸化物を含む吸収材が泥状になり、さらに液状化を防ぐために前述のように吸水性物質をリチウム複合酸化物に並存させることによって、比較的乾燥した状態で塩化水素ガスの吸収効率を向上できることを発見した。このような吸水性物質の並存は、吸収材内部を適切な乾燥状態に保ち、余剰の水分を減少させることができために吸収材が泥状、さらに液状になるのを防止して、その形状を維持することが可能になる。
前記吸水性物質は、有機物でも無機物でもよい。有機系吸水性物質としては、例えばポリアクリル酸エステル、ポリアルキレンオキサイド、アルキルセルロースエーテル等を挙げることができる。また、無機系吸水性物質としては例えばゼオライトやシリカゲル等を挙げることができる。
前記吸水性物質は、前記リチウム複合酸化物に対して0.1〜30重量%の量で含有されることが好ましい。前記吸水性物質の含有量を0.1重量%未満にすると、吸水性物質を含有させる効果を十分に発現させることが困難になる。一方、前記吸水性物質の含有量が30重量%を超えると、塩化水素ガスの主たる吸収材であるリチウム複合酸化物の吸収材中に占める割合が低下して塩化水素ガスの吸収性能(吸収効率)が低下する虞がある。なお、前記吸水性物質の含有量はリチウム複合酸化物の種類および密度、塩化水素ガス濃度等に応じて前記範囲(0.1〜30重量%)内で調整される。
本実施形態に係る塩化水素ガス吸収材は、前述したように塩化水素と反応、吸収する際に泥状などの要因になる水を生成することから、使用時において可能な限り水分を含まない乾燥した状態であることが好ましい。このような吸収材は、使用時の含水量が25重量%以下であることが好ましい。前記吸収材の使用時の含水量が25重量%を超えると、1時間以上使用する条件下にて生成した水分が吸収材中の水分に加算され、吸収材に吸水性物質が共存したとしても泥状、さらに液状になる虞がある。吸収材の使用時のより好ましい含水量は、20重量%以下、最も好ましい含水量は15重量%以下である。ただし、被処理ガス中の塩化水素濃度が10ppm以下のような低濃度である場合、つまり塩化水素との反応、吸収時に相当量の水の生成を伴わない塩化水素濃度である場合、吸収材の使用時の含水量が25重量%を超えてもよい。
本実施形態に係る塩化水素ガス吸収材の形状やサイズは、その使用条件により適宜選択することが可能である。この吸収材は、特に平均粒径50μm以上、3mm以下の粒状であることが好ましい。この粒状吸収材の平均粒径を50μm未満にすると、例えば反応器に吸収材を充填した場合、粒子同士が密に詰まり粒子間の隙間が小さくなる。このため、塩化水素ガスを含む被処理ガスを粒子間に十分な量で流通させることが困難になり、塩化水素ガスの効率的な吸収が困難になる虞がある。一方、粒状吸収材の平均粒径が3mmを超えると、リチウム化複合酸化物と塩化水素ガスとの接触確率(接触面積/体積)が小さくなって、塩化水素ガスの吸収効率が低下する虞がある。
なお、従来のソーダライムのような塩化水素ガス吸収材において前述した式(1)に示す反応を実現するには、水分を必須成分としているため、乾燥した被処理ガス中で使用する際、粒径5mm程度の粗大粒子にして保湿性を高める措置を採用していた。本実施形態に係る塩化水素ガス吸収材における吸収材成分であるリチウム化複合酸化物は、前述した式(4)〜(10)で示されるように塩化水素ガスとの反応、吸収過程で水分を必要としない。このため、粒状塩化水素ガス吸収材は平均粒径3mm以下とすることが可能になり、前述したように塩化水素ガスとの接触確率を高め、塩化水素ガスの吸収効率を向上することが可能になる。
本実施形態に係る平均粒径50μm〜3mmの粒状塩化水素ガス吸収材は、例えば以下に説明する転動法や押出し法等により作ることが可能である。
転動法は、例えば平均粒径0.1〜20μmのリチウム複合酸化物粉末と吸水性物質を混合し、傾斜回転皿上で回転させながら液体を加える方法で、これによって平均粒径50μm〜3mmの粒状(球状)の塩化水素ガス吸収材を得ることができる。
押出し法は、例えば平均粒径0.1〜20μm程度のリチウム複合酸化物粉末と吸水性物質を湿式で混合し、スクリュー回転の力により目的の径を有する孔を通して押出した後、所定の長さに切断し篩い分けする方法で、これによって平均粒径50μm〜3mmの粒状(円柱状)の塩化水素ガス吸収材を得ることができる。
一般的に押出し法で作製した粒状の吸収材は、転動法で作製した粒状の吸収材に比べて気孔率が高い構造になるため、実際の装置に充填するときに要求される吸収材の強度、性能などに応じていずれかの方法を選択すればよい。
前記転動法および押出し法では、リチウム複合酸化物粉末および吸水性物質にバインダ樹脂粉末を混合してもよい。このバインダ樹脂としては、例えばPVA、PVB、ワックス、パラフィン、CMC等を使用することができる。また、いずれの方法でも粒状に成形するときにリチウム複合酸化物粉末および吸水性物質に液体と混合される。この液体としては、例えば水、エタノールのようなアルコール、またはそれらの混合物を用いることができる。作製された吸収材は、強度維持のために乾燥される。この乾燥は、使用される液体の種類に応じて温度および時間が決められる。
次に、前述した塩化水素ガス吸収材による塩化水素ガス(HCl)の除去方法を説明する。
リチウム複合酸化物および吸水性物質を含む塩化水素ガス吸収材に塩化水素ガスを含む乾燥した被処理ガスを接触させることにより、前記リチウム複合酸化物が被処理ガス中の塩化水素ガスと前述した式(4)〜式(10)に従って反応して吸収する。このときの反応は、水を必要としないため、乾燥した被処理ガスからハロゲン含有ガスを効率よく吸収、除去することが可能になる。
また、リチウム複合酸化物および吸水性物質を含む塩化水素ガス吸収材は塩化水素ガスの吸収過程で泥状、液状化するのを抑えて被処理ガスをその吸収材(例えば粒状の吸収材)における個々の粒子間に良好に流通させることができ、塩化水素ガスを効率よく吸収して除去することが可能になる。特に、塩化水素ガス吸収材において、使用時の含水量を40重量%以下にすることによって、吸収材の泥状、液状化を防止して被処理ガスをその吸収材(例えば粒状の吸収材)における個々の粒子間に良好に流通させることができ、塩化水素ガスをより一層効率よく吸収して除去することが可能になる。
このような塩化水素ガスの除去は、例えば図1に示す反応器が用いられる。この反応器1は、両端にフランジ2a,2bを有する円筒状本体3と、この本体3の一端(上端)のフランジ2aに当接され、ガス導入管4を有する上部円板状蓋体5と、前記本体3の他端(下端)のフランジ2bに当接され、ガス排出管6を有する下部円板状蓋体7とを備えている。前記円筒状本体3のフランジ2a,2bには、複数のボルト挿通穴(図示せず)が開口され、前記各円板状蓋体5、7にもこれら挿通穴に対応してボルト挿通穴(図示せず)が開口され、円筒状本体3上端のフランジ2aと上部円板状蓋体5の合致したボルト挿通穴、および円筒状本体3下端のフランジ2bと下部円板状蓋体7の合致したボルト挿通穴にボルトをそれぞれ挿入し、ナットで締め付けることによって、各円板状蓋体5、7が円筒状本体3に固定される。前記上部円板状蓋体5におけるガス導入管4の開口部および前記下部円板状蓋体7におけるガス排出管6の開口部には、メッシュ8,9がそれぞれ取り付けられている。
このような図1に示す反応器1において、上部円板状蓋体5を円筒状本体3から外して、下部円板状蓋体7を有する円筒状本体3内にリチウム複合酸化物および吸水性物質を含む例えば粒状の塩化水素ガス吸収材10を充填した後、再び上部円板状蓋体5を円筒状本体3に取り付ける。つづいて、塩化水素ガスを含む乾燥した被処理ガスを上部円板状蓋体5のガス導入管4を通して円筒状本体3内に充填された粒状の塩化水素ガス吸収材10を流通、接触させ、吸収材10中のリチウム複合酸化物を被処理ガス中の塩化水素ガスと前述した式(4)〜式(10)に従って反応させて吸収する。吸収材10と反応させた後の被処理ガスは、下部円板状蓋体7のガス排出管6を通して排出される。
前記被処理ガスは、任意の量の塩化水素ガス、例えば0.5〜10%の塩化水素ガスを含むガスを用いることができる。
前記乾燥した被処理ガスは、積極的に含水率を低減させたガスに限らず、例えば水分量が0.5%以下、場合によって0.1%以下含むものである。このような水分量の乾燥した被処理ガスとしては、例えば洗浄工程後の廃ガスとして排出される塩化水素ガスおよび窒素のような不活性ガスを含む乾燥した洗浄ガス等を挙げることができる。
本実施形態に係る塩化水素ガスの除去方法において、吸収材中のリチウム複合酸化物が塩化水素ガスと前述した式(4)〜式(10)に従って反応し、塩化リチウムとシリコン酸化物のような酸化物に変換されると、反応系(例えば反応器)から取り出されて廃棄される。この反応器からの取出しにおいて、吸収材がその中の吸水性物質による泥状、液状化を防止してその形状(例えば粒状)を維持することが可能であるため、取り出し操作を簡便化できる。すなわち、塩化水素ガスと反応、吸収することにより変換された吸収材が泥状、液状化されると、反応器の内面に付着して、取り出しが煩雑になり、しかも面倒なメンテナンスを強いられる。本実施形態に係る塩化水素ガスの除去方法において、塩化水素ガス吸収材(特に吸水性物質をリチウム複合酸化物に対して0.1〜30重量%の量で含有させた塩化水素ガス吸収材)は充填時の形状(例えば粒状)を維持できるため、取り出し操作を簡便化で、面倒なメンテナンス作業を回避することが可能になる。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
平均粒径1μmの金属酸化物(酸化ケイ素)粉末と平均粒径1μmの炭酸リチウム粉末とを1:2のモル比で混合して混合粉末を得た。この混合粉末を大気中900℃で焼成して平均粒径1μmのリチウムシリケート(Li4SiO4)粉末を生成した。
前記リチウムシリケート粉末とポリアルキレンオキサイドを1:0.005の重量比で混合し、これを転動法により水を用いて平均粒径500μmの顆粒にした。この顆粒を80℃で1時間乾燥し、平均粒径500μmの粒状塩化水素ガス吸収材を得た。この吸収材の含水量をTG−MASS(MAC Science社製商標名:TG−DTA2500およびThermo ONIX社製商標名:Thermolab)により分析したところ、15重量%であった。
(実施例2)
実施例1と同様なリチウムシリケート粉末とポリアルキレンオキサイドを1:0.25の重量比で混合した以外、実施例1と同様な方法で500μmの粒状塩化水素ガス吸収材を得た。得られた吸収材を実施例1と同様な方法で含水量を分析したところ、17重量%であった。
(実施例3)
実施例1と同様なリチウムシリケート粉末とゼオライト粉末を1:0.1の重量比で混合した以外、実施例1と同様な方法で500μmの粒状塩化水素ガス吸収材を得た。得られた吸収材を実施例1と同様な方法で含水量を分析したところ、10重量%であった。
(実施例4)
実施例1と同様なリチウムシリケート粉末とポリアルキレンオキサイドを1:0.0005の重量比で混合した以外、実施例1と同様な方法で500μmの粒状塩化水素ガス吸収材を得た。得られた吸収材を実施例1と同様な方法で含水量を分析したところ、10重量%であった。
(実施例5)
実施例1と同様なリチウムシリケート粉末とポリアルキレンオキサイドを1:0.40の重量比で混合した以外、実施例1と同様な方法で500μmの粒状塩化水素ガス吸収材を得た。得られた吸収材を実施例1と同様な方法で含水量を分析したところ、27重量%であった。
(比較例1)
平均粒径1μmの金属酸化物(酸化ケイ素)粉末と平均粒径1μmの炭酸リチウム粉末とを1:2のモル比で混合して混合粉末を得た。この混合粉末を大気中900℃で焼成して平均粒径1μmのリチウムシリケート(Li4SiO4)粉末を生成した。
前記リチウムシリケート粉末を転動法により水およびバインダとしてのPVAを用いて平均粒径500μmの顆粒にした。この顆粒を80℃で1時間乾燥し、500μmの粒状塩化水素ガス吸収材を得た。この吸収材の含水量をTG−MASS(MAC Science社製商標名:TG−DTA2500およびThermo ONIX社製商標名:Thermolab)により分析したところ、12重量%であった。
得られた実施例1〜5および比較例1の粒状塩化水素ガス吸収材について、以下の特性評価を行った。
粒状塩化水素ガス吸収材5gを前述した図1に示す反応器1の円筒状本体3(直径10mm)内に充填し、被処理ガスをガス導入管4を通して円筒状本体3内の吸収材10を流通させ、塩化水素ガス吸収材と被処理ガスとを接触させた。被処理ガスは窒素ガス95%、HClガス5%の混合ガスで、乾燥(水分量:1000ppm含有)したものを用い、ガス流量は0.5L/分で180分間流通させた。また、ガス温度は10℃とした。
前記反応器1のガス排出管6から排出された被処理ガスを採取し、その中の塩化水素ガス濃度を電気化学方式のセンサで測定し、その経時変化から塩化水素ガス吸収量を算出した。
また、前記被処理ガスの流通後に反応器から吸収材を取り出す際の、取り出し易さ(メンテナンスの良否)を調べた。
これらの結果を下記表1に示す。なお、比較例1については被処理ガスの流通途中で吸収材が液状化し、差圧が上昇したため実験を中止した。
Figure 0004498183
前記表1から明らかなように実施例1〜5の塩化水素ガス吸収材は、乾燥した被処理ガスから塩化水素を効率的に吸収、除去できることがわかる。特に、ポリアルキレンオキサイド、ゼオライトのような吸水性物質をリチウムシリケートに対して0.1〜30重量%の量で含有させた実施例1〜3の塩化水素ガス吸収材は乾燥した被処理ガスから塩化水素を一層効率的に吸収、除去できることがわかる。
なお、ポリアルキレンオキサイド(吸水性物質)をリチウムシリケートに対して0.1重量%未満の量で含有させた実施例4の塩化水素ガス吸収材は、多少の泥状化が進んだために被処理ガスの流通後に反応器から吸収材を取り出し難く、面倒なメンテナンスを強いられた。
本発明の実施形態に係る塩化水素ガスの除去方法に用いられる反応器を示す断面図。
符号の説明
1…反応器、3…円筒状本体、4…ガス導入管、6…ガス排気管、10…粒状塩化水素ガス吸収材。

Claims (4)

  1. リチウムシリケートと、このリチウムシリケートと塩化水素ガスとの反応・吸収によって生成される水を吸水する吸水性物質を含有し、前記吸水性物質が前記リチウムシリケートに対して0.1〜30重量%の量で含有され、かつ含水量が25重量%以下であることを特徴とする塩化水素ガス吸収材。
  2. リチウムシリケートと、このリチウムシリケートと塩化水素ガスとの反応・吸収によって生成される水を吸水する吸水性物質とを含有し、前記吸水性物質が前記リチウムシリケートに対して0.1〜30重量%の量で含有され、かつ含水量が25重量%以下である塩化水素ガス吸収材に塩化水素ガスを含む被処理ガスを接触させることを特徴とする塩化水素ガスの除去方法。
  3. 前記被処理ガスは、塩化水素ガスを0.5〜10%含むことを特徴とする請求項2記載の塩化水素ガスの除去方法。
  4. 前記被処理ガスは、洗浄工程後の廃ガスとして排出される塩化水素ガスおよび不活性ガスを含む乾燥した洗浄ガスであることを特徴とする請求項2の塩化水素ガスの除去方法。
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