JP2005013952A - 炭酸ガス吸収材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、室温において、十分な炭酸ガス吸収能を示す炭酸ガス吸収材及び炭酸ガス吸収方法を実現する。また簡便な方法で使用済みの炭酸ガス吸収材を室温使用に適した炭酸ガス吸収材として再利用する方法を実現する。
【解決手段】本発明の炭酸ガス吸収材は、含水率5%以上のリチウムシリケートを主成分とするものである。リチウムシリケート炭酸ガス吸収材に水分を含有させる手段として、炭酸ガス吸収材に水分を含ませるか、あるいは、粒子状湿潤剤を炭酸ガス吸収材に配合してもよい。
また、炭酸ガスを含有する被処理ガスに水分を添加し、リチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材と接触させ炭酸ガスを吸収させてもよい。
使用済みの炭酸ガス吸収材は、高温熱処理を行って炭酸ガスを脱着させた後、水分を添加することによって再生することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の炭酸ガス吸収材は、含水率5%以上のリチウムシリケートを主成分とするものである。リチウムシリケート炭酸ガス吸収材に水分を含有させる手段として、炭酸ガス吸収材に水分を含ませるか、あるいは、粒子状湿潤剤を炭酸ガス吸収材に配合してもよい。
また、炭酸ガスを含有する被処理ガスに水分を添加し、リチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材と接触させ炭酸ガスを吸収させてもよい。
使用済みの炭酸ガス吸収材は、高温熱処理を行って炭酸ガスを脱着させた後、水分を添加することによって再生することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭酸ガス吸収材、炭酸ガス吸収方法及びこれに用いる炭酸ガス吸収材の再生方法に関し、特に室温における炭酸ガスの吸収に適した炭酸ガス吸収材、炭酸ガス吸収方法、及び炭酸ガス吸収材の再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地球環境を保全するために炭酸ガスの排出量を規制する動きが活発になっている。炭酸ガスは、例えば、炭化水素を主成分とする燃料の燃焼、化石燃料を原料として利用するエネルギープラント、化学プラント、自動車などから発生する排出ガスに含まれており、これを大気から効率よく分離除去することが求められている。
【0003】
従来、このような炭酸ガスを吸収する炭酸ガス吸収材として、リチウムシリケートがよく知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。リチウムシリケート(Li4SiO4)が炭酸ガスを吸収する化学反応式は、以下の式(1)で表される。
Li4SiO4+CO2 → Li2SiO3+Li2CO3・・・・・式(1)
式(1)は可逆反応であり、高温下では反応式(2)に示すような逆の反応が起り、炭酸ガスは放出される。
Li2SiO3+Li2CO3 → Li4SiO4+CO2・・・・・式(2)
このような可逆反応を繰り返させることにより、リチウムシリケートを主材とする炭酸ガス吸収材は繰り返し使用することが可能である。このように、リチウムシリケートは、広い温度域で利用できる再生可能な炭酸ガス吸収材として注目されている。
【0004】
しかし、このリチウムシリケートは比較的高温においては、反応が活性で、炭酸ガスの吸収は速やかに行われるが、室温のような比較的低温においては、炭酸ガスと接触させても、反応性が低いため、炭酸ガスを吸収する速度が遅く、室温での炭酸ガス吸収材としては、実用的ではなかった。
【0005】
更に、この炭酸ガス吸収材を経済的に稼働させるためには、簡便に炭酸ガス吸収材を再生させることが必要不可欠であり、再生方法も含めた炭酸ガス吸収システムの構築が求められていた。
【0006】
また、比較的低温で炭酸ガスを吸収する材料として、水酸化カルシウムと湿潤剤の混合物からなる炭酸ガス吸収材が知られている(特許文献4)。この炭酸ガス吸収材は、麻酔における炭酸ガス吸収材であって、低流量の閉鎖循環式麻酔に用いられるものであり、大流量の炭酸ガスの処理には適していないという問題があった。また、一度利用した吸収材は廃棄しなければならないという問題があった。
【0007】
【特許文献1】特開2000−262890号公報
【特許文献2】特開2001−170480号公報
【特許文献3】特開2002−282685号公報
【特許文献4】特表2001−509042号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、リチウムシリケートを用いた炭酸ガス吸収材における従来の上記問題点を解決するためになされたもので、室温において、十分な炭酸ガス吸収能を示す炭酸ガス吸収材及び炭酸ガス吸収方法を実現することを目的としている。
また、使用済みの炭酸ガス吸収材を室温使用に適した炭酸ガス吸収材として再利用するための再生方法を実現することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明は、含水率5%以上のリチウムシリケートを主成分としたことを特徴とする炭酸ガス吸収材である。
【0010】
また、第2の本発明は、リチウムシリケートを主成分とし、これに調湿剤が添加されていることを特徴とする炭酸ガス吸収材である。
【0011】
前記第2の本発明において、前記調湿剤は、寒天などのガラクトースを基本骨格とする多糖類、グリセリンやポリエチレングリコールなどの多価アルコール、CMCやPVAのような含水性高分子材料などの有機材料、シリカゲル、活性炭、セピオライト、ゼオライトや、結晶水が6%以上含まれている水化物である塩化カルシウム6水和物、塩化マグネシウム6水和物、炭酸カリウム水和物など無機材料の群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
【0012】
第3の本発明は、被処理炭酸ガス含有気体に水を添加した後、リチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材と接触させることを特徴とする炭酸ガス吸収方法である。
【0013】
第4の本発明は、リチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材に、炭酸ガスを吸収させた後、前記炭酸ガス吸収材を熱処理させて炭酸ガスを脱離させる工程と、前記炭酸ガス吸収材に水分添加工程とを備えたことを特徴とする炭酸ガス吸収材の再生方法である。
【0014】
第5の本発明は、リチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材に、炭酸ガスを吸収させた後、前記炭酸ガス吸収材を熱処理させて炭酸ガスを脱離させる工程と、前記炭酸ガス吸収材に調湿剤を添加する工程とを備えたことを特徴とする炭酸ガス吸収材の再生方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明で用いることのできるリチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材は、炭酸ガスとの接触面積が高くなるように多孔質であることが好ましい。その気孔率としては、30%以上である。気孔率が小さくなると、被処理炭酸ガス含有気体との接触面積が小さくなるため、炭酸ガスとの反応が遅くなり吸収効率が低下する。
【0016】
このような炭酸ガス吸収材を製造するには、まず、二酸化珪素および炭酸リチウムと純水を所定量秤量し、ポットミル等で2〜48時間湿式混合する。得られたスラリーを乾燥後、粉砕しふるい通しを行い、混合粉末を得る。その後、混合粉末にバインダを添加して造粒粉を作製し、成形して顆粒や円柱、円盤、球などの成形体とする。その後、500〜900℃で焼成することで、気孔率50%前後の多孔質構造の炭酸ガス吸収材を作製する。また、このリチウムシリケート炭酸ガス吸収材の合成温度や再生温度を低下させるために、アルカリ炭酸塩を共晶することもできる。添加量は、炭酸カリウムのようなアルカリ炭酸塩をリチウムシリケートに対して40mol%以下である。アルカリ炭酸塩の添加は、前記リチウムシリケートの合成時に、アルカリ炭酸塩を同時に添加することによって行うことができる。
【0017】
以下本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態はリチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材顆粒に水分を含有させ、含水率5%以上とすることにより室温における炭酸ガス吸収性能を改善するものである。
【0018】
本発明における含水率とは、炭酸ガス吸収材全体の質量に対して、この炭酸ガス吸収材に含まれている水分の占める割合であって、含水状態の炭酸ガス吸収材の質量と、これを乾燥した状態の質量との差分質量から求めることができる。
【0019】
この炭酸ガス吸収材に水分を添加する処理を施すことによって、含水率5%以上の炭酸ガス吸収材とする。炭酸ガス吸収材に水分を含有させる方法としては、炭酸ガス吸収材を充填収容した容器に、水蒸気あるいは窒素ガスのような不活性ガスに水分を添加した加湿ガスを接触させて炭酸ガス吸収材に水分を含ませる方法、炭酸ガス吸収材を水中に浸漬して水分を含ませて、適切な含水量まで乾燥させる方法などを採用することができる。
【0020】
本実施の形態において、炭酸ガス吸収材の含水率が、上記範囲を下回ると、室温における炭酸ガス吸収能が著しく低下し、炭酸ガス吸収材としては使用に適しない。また、含水率の上限は炭酸ガス吸収材の水分保持が可能な量までは含水させても炭酸ガス吸収能に悪影響を及ぼすことなく使用することができる。
【0021】
[第2の実施の形態]
本実施の形態は、リチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材に、寒天などの湿潤剤を添加することによって室温における炭酸ガス吸収性能の向上を図るものである。
【0022】
本実施の形態における湿潤剤とは、環境雰囲気の乾燥した気体に水分を供給することのできる材料であり、寒天や、ガラクトースを基本骨格とする多糖類、グリセリンやポリエチレングリコールなどの多価アルコール、CMCやPVAなどのような含水性高分子材料などのような有機材料や、シリカゲル、活性炭、セピオライト、ゼオライト、塩化カルシウム6水和物、塩化マグネシウム6水和物、炭酸カリウム水和物などの無機材料を採用することができる。
これらの湿潤剤は、図2(a)に示すように炭酸ガス吸収材2に粒状湿潤剤5を混合して炭酸ガス吸収管1に充填して用いてもよいし、図2(b)に示すように炭酸ガス吸収材2の表面に、湿潤剤の層6を被覆形成してもよい。また、図2(c)に示すように炭酸ガス吸収材を収容した炭酸ガス吸収管1の上流側に粒状湿潤剤5を配置し、炭酸ガス含有処理ガスの流路下流側に炭酸ガス吸収材2を配置してもよい。
【0023】
[第3の実施の形態]
本実施の形態は、炭酸ガスを含有している被処理ガスに、加湿器を用いて水分を与え、その後炭酸ガス吸収材と接触させて炭酸ガスを吸収させることによって、炭酸ガス吸収材の主要成分であるリチウムシリケートの室温における炭酸ガス吸収性能を改善する炭酸ガス吸収方法である。
【0024】
被処理ガスに加湿する手段としては、図3に示すように、被処理ガスを炭酸ガス吸収管に導入する前に、水中をバブリングさせ、加湿する方法が簡便である。そのほかにも、被処理ガスとは別に、超音波振動子など周知の手段によって水蒸気ミストを作成し、被処理ガスと混合する方法などが挙げられる。いずれの手段を採用するにしても、被処理ガスが、炭酸ガス吸収管に導入される時点で、被処理ガス中の水分量は、0.5%程度以上あることが望ましい。
【0025】
[第4の実施の形態]
本発明の実施の形態は、炭酸ガス吸収材の再生方法である。炭酸ガスを吸収したリチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材は、500〜900℃の温度で1〜10時間加熱することで、炭酸ガス吸収材に吸収されていた炭酸ガスが脱離し、炭酸ガス吸収材は再使用が可能となる。この炭酸ガス脱離工程と同時もしくは炭酸ガス脱離工程の後に、水分添加工程を施すことにより、再生した炭酸ガス吸収材は室温における炭酸ガス吸収に適した炭酸ガス吸収材に再生することができる。この加湿工程は、炭酸ガス吸収材を充填収容した容器に、窒素ガスのような不活性ガスに水分を添加した加湿ガスを接触させて炭酸ガス吸収材に水分を含ませる方法、炭酸ガス吸収材を水中に浸漬して水分を含ませて、適切な含水量まで乾燥させる方法などを使用しても良い。この処理によって炭酸ガス吸収材に含有する含水率を、5%以上とすることが好ましい。
【0026】
[第5の実施の形態]
本実施の形態は、炭酸ガスを吸収させて炭酸ガス吸収材を、加熱処理して炭酸ガスを脱離させた後、この炭酸ガス吸収材に湿潤剤を添加することにより炭酸ガス吸収材を室温における炭酸ガス吸収に適した炭酸ガス吸収材に再生するものである。この実施の形態に於いて用いる湿潤剤としては、環境雰囲気の乾燥した気体に水分を供給することのできる材料であり、寒天や、ガラクトースを基本骨格とする多糖類、グリセリンやポリエチレングリコールなどの多価有機物質、CMCやPVAなどのような含水性高分子物質などのような有機材料や、シリカゲル、活性炭、セピオライト、ゼオライト、塩化カルシウム6水和物、塩化マグネシウム6水和物、炭酸カリウム水和物などの無機材料を採用することができる。この湿潤剤を炭酸ガス吸収材に添加する方法として、前述のように図2に示した形態で添加することができる。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
ポリポットに原料となる炭酸リチウムと酸化ケイ素を炭酸リチウムと酸化ケイ素のモル比で2:1になるように入れ、粉砕用アルミナボール、純水を加えてポットミルで20時間の間、粉砕混合した。そのスラリーを乾燥後、250μmのナイロンふるいを通し、混合粉を得た。次に、アルミナ乳鉢に純水、混合粉、バインダ(多糖類)を入れて混練した。
バインダの添加量は混合粉に対して2%となるように添加した。混練物を、乾燥させた後、420μmのナイロンふるいを通して顆粒状の成形体を作製した。得られた成形体を、窒素フロー雰囲気で、600℃で8時間保持して焼成し、リチウムシリケートの顆粒を作製した。作製した顆粒は、分級して420μm以下で250μm以上のものを使用した。
【0028】
作製したリチウムシリケートを窒素雰囲気中のデシケータ中に設置し、そこに水中をバブリングさせた窒素ガスを導入して、リチウムシリケートに水分を保持させた。
デシケータ中に静置した時間は、12時間であり、その時の含水量は、5.1%であった。このように、水分を含水させたリチウムシリケートを、図1に示すような実験装置を用いて、炭酸ガスの吸収性能を測定した。
【0029】
まず、図1のような炭酸ガス吸収装置を用意した。炭酸ガス吸収材2を封入した炭酸ガス吸収管1に、炭酸ガス濃度を調整した混合ガスを1L/minで導入し、吸収管の前後の炭酸ガス濃度を炭酸ガス濃度計3a,3bで測定し、その濃度変化を解析することで、炭酸ガス吸収材の性能を評価した。炭酸ガス吸収管1の容積は、7cm3とした。炭酸ガス濃度は、自然界に存在する炭酸ガス濃度300ppmよりも高濃度である、3000ppmの濃度で評価した。被処理ガスの流量は、流量計4で調整した。
測定時間は、1時間とし、炭酸ガス吸収率は、次の式で求めた。
炭酸ガス吸収率[%]=
(吸収材が吸収したガス量[g])/(吸収材量[g])×100
炭酸ガス除去率は、次の式で求めた。
炭酸ガス除去率[%]=
(吸収材が吸収した炭酸ガス量[m3])/(吸収管に導入した炭酸ガス量[m3])×100
【0030】
(実施例2)
実施例1と同様に、リチウムシリケートの顆粒を作製し、水分を保持させる処理を24時間行った。この顆粒を用いて、実施例1と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
【0031】
(実施例3)
実施例1と同様に、リチウムシリケートの顆粒を作製し、水分を保持させる処理を48時間行った。この顆粒を用いて、実施例1と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
【0032】
(実施例4)
実施例1と同様に、リチウムシリケートの顆粒を作製し、水分を保持させる処理を96時間行った。この顆粒を用いて、実施例1と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
【0033】
(実施例5)
実施例1と同様に、リチウムシリケートの顆粒を作製し、水分を保持させる処理を168時間行った。この顆粒を用いて、実施例1と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
【0034】
(実施例6)
実施例4で作成した炭酸ガス吸収材を用いて一度、炭酸ガスを吸収させた後、この炭酸ガス吸収材顆粒を、窒素フロー雰囲気で、600℃で8時間保持して熱処理をし、含水処理を行った。含水処理時間は、初回と同様に96時間とした。この顆粒を用いて、実施例1と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
【0035】
(比較例1)
実施例1と同様に、リチウムシリケートの顆粒を作製したが、水分を保持させる処理をしなかった。この顆粒を用いて、実施例1と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
これら評価の結果を表1にまとめる。
【0036】
【表1】
【0037】
表1より、リチウムシリケートに水分を含ませることにより、含水量が0%のものよりも効率よく、炭酸ガスを吸収することがわかる。また、実施例6より、再生処理したものが、初回と同等の吸収性能を表していることがわかる。
【0038】
(実施例7)
ポリポットに原料となる炭酸リチウムと酸化ケイ素を炭酸リチウムと酸化ケイ素のモル比で2:1になるようにいれ、粉砕用アルミナボール、純水を加えてポットミルで20時間の間、粉砕混合した。そのスラリーを乾燥後、250μmのナイロンふるいを通し、混合粉を得た。次に、アルミナ乳鉢に純水、混合粉、バインダ(多糖類)を入れて混練した。バインダの添加量は混合粉に対して2%となるように添加した。混練物を、乾燥させた後、420μmのナイロンふるいを通して顆粒状の成形体を作製した。得られた成形体を、窒素フロー雰囲気で、600℃で8時間保持して焼成し、リチウムシリケートの顆粒を作製した。顆粒は、分級して420μm以下で250μm以上にした。
次に、寒天をゲル化させて粉砕し、420μm以下で250μm以上に分級した。この寒天ゾルの含水率は、99%であった。この寒天ゾルを上記で作製したリチウムシリケートに対して20wt%添加して、充分に混合したものを炭酸ガス吸収材として利用した。
【0039】
炭酸ガス吸収材の評価は、図1に示す炭酸ガス吸収装置を用意して行った。炭酸ガス吸収材を封入した炭酸ガス吸収管に、炭酸ガス濃度を含有した混合ガスを1L/minで導入し、吸収管の前後の炭酸ガス濃度を測定し、その濃度変化を解析することで、炭酸ガス吸収材の性能を評価した。炭酸ガス吸収管の容積は、7cm3で、使用した混合ガスの炭酸ガス含有濃度は、3000ppmである。
測定時間は1時間とし、炭酸ガス吸収管が、混合ガス中の炭酸ガスを吸収し炭酸ガスを除去した値を炭酸ガス除去率として、次の式で求めた。
炭酸ガス除去率(%)=
(吸収剤が吸収した炭酸ガス量[m3])/(吸収管に導入した炭酸ガス量[m3])×100
【0040】
(実施例8)
実施例7で一度、炭酸ガスを吸収させた炭酸ガス吸収材を、窒素フロー雰囲気で、600℃で8時間保持して熱処理をした。その後、寒天ゾルを20wt%添加した炭酸ガス吸収材を作製した。これを用いて、実施例1と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
【0041】
(比較例2)
実施例7と同様に、リチウムシリケートの顆粒を作製したが、寒天ゾルを添加しなかった。この顆粒を用いて、実施例7と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
これら評価の結果を表2にまとめる。
【0042】
【表2】
【0043】
表2より、調湿剤を添加しないと炭酸ガス吸収材は、炭酸ガスをほとんど吸収しないことがわかる。つまり、リチウムシリケートは、調湿材を添加することで、炭酸ガスを効率よく吸収することがわかる。また、実施例8より、再生処理したものも、初回と同等の吸収性能を表していることがわかる。
【0044】
(実施例9)
ポリポットに原料となる炭酸リチウムと酸化ケイ素を炭酸リチウムと酸化ケイ素のモル比で2:1になるようにいれ、粉砕用アルミナボール、純水を加えてポットミルで20時間の間、粉砕混合した。そのスラリーを乾燥後、250μmのナイロンふるいを通し、混合粉を得た。次に、アルミナ乳鉢に純水、混合粉、バインダ(多糖類)を入れて混練した。バインダの添加量は混合粉に対して2%となるように添加した。混練物を、乾燥させた後、420μmのナイロンふるいを通して顆粒状の成形体を作製した。得られた成形体を、窒素フロー雰囲気で、600℃で8時間保持して焼成し、リチウムシリケートの顆粒を作製した。作製した顆粒は、分級して420μm以下で250μm以上のものを使用した。
【0045】
このように作製した、リチウムシリケートを図3に示す炭酸ガス吸収装置の炭酸ガス吸収管1(φ13mm×t5mm)に充填した。この吸収管1に炭酸ガス3000ppmを含んだ混合ガスを1L/minで導入し、吸収管の前後に配置した炭酸ガス濃度計3a,3bを用いて吸収管1の前後の炭酸ガス濃度を測定した。このガスは、一度0度の水分7中をバブリングさせることで、加湿させている。このように、炭酸ガス分離回収を評価した。
測定時間は1時間とし、炭酸ガス吸収管が、混合ガス中の炭酸ガスを吸収し炭酸ガス回収した値を炭酸ガス吸収率として、次の式で求めた。
炭酸ガス吸収率[%]=
(吸収材が吸収した炭酸ガス量[g])/(吸収材量[g])×100
【0046】
(実施例10)
実施例9で一度、炭酸ガスを吸収させた炭酸ガス吸収材を、窒素フロー雰囲気で、600℃で8時間保持して熱処理をした。それを吸収管に充填して、実施例9と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
【0047】
(比較例3)
実施例9と同様に、リチウムシリケートの炭酸ガス吸収材を作製した。しかし、混合ガスに、水分を含ませる装置を設置しない装置を用いて、実施例9と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
これら評価の結果を表3にまとめる。
【0048】
【表3】
【0049】
表3より、炭酸ガス分離装置に加湿器を設置し、炭酸ガスを含んだガスを加湿した炭酸ガス含有ガスを、リチウムシリケート主成分とした炭酸ガス吸収材を使用した吸収管に導入することで、炭酸ガスを分離回収することができる。また、実施例2より、再生処理した炭酸ガス吸収材を使用しても、炭酸ガスを分離回収することができる。
また、炭酸ガス吸収材の形状は、顆粒に限定されず、円柱状、円盤状、球状などでもよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明の炭酸ガス吸収材によれば、室温において効率よく炭酸ガスを吸収することができるリチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材を実現することができる。
また、本発明の炭酸ガス吸収方法によれば、簡便な手法で、室温において炭酸ガスを効率よく吸収することができる。
さらに、本発明の炭酸ガス吸収材の再生方法によれば、室温における炭酸ガス吸収に適した炭酸ガス吸収材を効率よく再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭酸ガス吸収材の炭酸ガス吸収能を評価する装置を示す概略図
【図2】炭酸ガス吸収材に湿潤材を添加した炭酸ガス吸収管の概略図
【図3】本発明の炭酸ガス吸収装置の1例を示す概略図
【符号の説明】
1…炭酸ガス吸収管
2…炭酸ガス吸収材
3…炭酸ガス濃度計
4…流量計
5…球状湿潤剤
6…湿潤剤
7…水
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭酸ガス吸収材、炭酸ガス吸収方法及びこれに用いる炭酸ガス吸収材の再生方法に関し、特に室温における炭酸ガスの吸収に適した炭酸ガス吸収材、炭酸ガス吸収方法、及び炭酸ガス吸収材の再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地球環境を保全するために炭酸ガスの排出量を規制する動きが活発になっている。炭酸ガスは、例えば、炭化水素を主成分とする燃料の燃焼、化石燃料を原料として利用するエネルギープラント、化学プラント、自動車などから発生する排出ガスに含まれており、これを大気から効率よく分離除去することが求められている。
【0003】
従来、このような炭酸ガスを吸収する炭酸ガス吸収材として、リチウムシリケートがよく知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。リチウムシリケート(Li4SiO4)が炭酸ガスを吸収する化学反応式は、以下の式(1)で表される。
Li4SiO4+CO2 → Li2SiO3+Li2CO3・・・・・式(1)
式(1)は可逆反応であり、高温下では反応式(2)に示すような逆の反応が起り、炭酸ガスは放出される。
Li2SiO3+Li2CO3 → Li4SiO4+CO2・・・・・式(2)
このような可逆反応を繰り返させることにより、リチウムシリケートを主材とする炭酸ガス吸収材は繰り返し使用することが可能である。このように、リチウムシリケートは、広い温度域で利用できる再生可能な炭酸ガス吸収材として注目されている。
【0004】
しかし、このリチウムシリケートは比較的高温においては、反応が活性で、炭酸ガスの吸収は速やかに行われるが、室温のような比較的低温においては、炭酸ガスと接触させても、反応性が低いため、炭酸ガスを吸収する速度が遅く、室温での炭酸ガス吸収材としては、実用的ではなかった。
【0005】
更に、この炭酸ガス吸収材を経済的に稼働させるためには、簡便に炭酸ガス吸収材を再生させることが必要不可欠であり、再生方法も含めた炭酸ガス吸収システムの構築が求められていた。
【0006】
また、比較的低温で炭酸ガスを吸収する材料として、水酸化カルシウムと湿潤剤の混合物からなる炭酸ガス吸収材が知られている(特許文献4)。この炭酸ガス吸収材は、麻酔における炭酸ガス吸収材であって、低流量の閉鎖循環式麻酔に用いられるものであり、大流量の炭酸ガスの処理には適していないという問題があった。また、一度利用した吸収材は廃棄しなければならないという問題があった。
【0007】
【特許文献1】特開2000−262890号公報
【特許文献2】特開2001−170480号公報
【特許文献3】特開2002−282685号公報
【特許文献4】特表2001−509042号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、リチウムシリケートを用いた炭酸ガス吸収材における従来の上記問題点を解決するためになされたもので、室温において、十分な炭酸ガス吸収能を示す炭酸ガス吸収材及び炭酸ガス吸収方法を実現することを目的としている。
また、使用済みの炭酸ガス吸収材を室温使用に適した炭酸ガス吸収材として再利用するための再生方法を実現することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明は、含水率5%以上のリチウムシリケートを主成分としたことを特徴とする炭酸ガス吸収材である。
【0010】
また、第2の本発明は、リチウムシリケートを主成分とし、これに調湿剤が添加されていることを特徴とする炭酸ガス吸収材である。
【0011】
前記第2の本発明において、前記調湿剤は、寒天などのガラクトースを基本骨格とする多糖類、グリセリンやポリエチレングリコールなどの多価アルコール、CMCやPVAのような含水性高分子材料などの有機材料、シリカゲル、活性炭、セピオライト、ゼオライトや、結晶水が6%以上含まれている水化物である塩化カルシウム6水和物、塩化マグネシウム6水和物、炭酸カリウム水和物など無機材料の群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
【0012】
第3の本発明は、被処理炭酸ガス含有気体に水を添加した後、リチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材と接触させることを特徴とする炭酸ガス吸収方法である。
【0013】
第4の本発明は、リチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材に、炭酸ガスを吸収させた後、前記炭酸ガス吸収材を熱処理させて炭酸ガスを脱離させる工程と、前記炭酸ガス吸収材に水分添加工程とを備えたことを特徴とする炭酸ガス吸収材の再生方法である。
【0014】
第5の本発明は、リチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材に、炭酸ガスを吸収させた後、前記炭酸ガス吸収材を熱処理させて炭酸ガスを脱離させる工程と、前記炭酸ガス吸収材に調湿剤を添加する工程とを備えたことを特徴とする炭酸ガス吸収材の再生方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明で用いることのできるリチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材は、炭酸ガスとの接触面積が高くなるように多孔質であることが好ましい。その気孔率としては、30%以上である。気孔率が小さくなると、被処理炭酸ガス含有気体との接触面積が小さくなるため、炭酸ガスとの反応が遅くなり吸収効率が低下する。
【0016】
このような炭酸ガス吸収材を製造するには、まず、二酸化珪素および炭酸リチウムと純水を所定量秤量し、ポットミル等で2〜48時間湿式混合する。得られたスラリーを乾燥後、粉砕しふるい通しを行い、混合粉末を得る。その後、混合粉末にバインダを添加して造粒粉を作製し、成形して顆粒や円柱、円盤、球などの成形体とする。その後、500〜900℃で焼成することで、気孔率50%前後の多孔質構造の炭酸ガス吸収材を作製する。また、このリチウムシリケート炭酸ガス吸収材の合成温度や再生温度を低下させるために、アルカリ炭酸塩を共晶することもできる。添加量は、炭酸カリウムのようなアルカリ炭酸塩をリチウムシリケートに対して40mol%以下である。アルカリ炭酸塩の添加は、前記リチウムシリケートの合成時に、アルカリ炭酸塩を同時に添加することによって行うことができる。
【0017】
以下本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態はリチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材顆粒に水分を含有させ、含水率5%以上とすることにより室温における炭酸ガス吸収性能を改善するものである。
【0018】
本発明における含水率とは、炭酸ガス吸収材全体の質量に対して、この炭酸ガス吸収材に含まれている水分の占める割合であって、含水状態の炭酸ガス吸収材の質量と、これを乾燥した状態の質量との差分質量から求めることができる。
【0019】
この炭酸ガス吸収材に水分を添加する処理を施すことによって、含水率5%以上の炭酸ガス吸収材とする。炭酸ガス吸収材に水分を含有させる方法としては、炭酸ガス吸収材を充填収容した容器に、水蒸気あるいは窒素ガスのような不活性ガスに水分を添加した加湿ガスを接触させて炭酸ガス吸収材に水分を含ませる方法、炭酸ガス吸収材を水中に浸漬して水分を含ませて、適切な含水量まで乾燥させる方法などを採用することができる。
【0020】
本実施の形態において、炭酸ガス吸収材の含水率が、上記範囲を下回ると、室温における炭酸ガス吸収能が著しく低下し、炭酸ガス吸収材としては使用に適しない。また、含水率の上限は炭酸ガス吸収材の水分保持が可能な量までは含水させても炭酸ガス吸収能に悪影響を及ぼすことなく使用することができる。
【0021】
[第2の実施の形態]
本実施の形態は、リチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材に、寒天などの湿潤剤を添加することによって室温における炭酸ガス吸収性能の向上を図るものである。
【0022】
本実施の形態における湿潤剤とは、環境雰囲気の乾燥した気体に水分を供給することのできる材料であり、寒天や、ガラクトースを基本骨格とする多糖類、グリセリンやポリエチレングリコールなどの多価アルコール、CMCやPVAなどのような含水性高分子材料などのような有機材料や、シリカゲル、活性炭、セピオライト、ゼオライト、塩化カルシウム6水和物、塩化マグネシウム6水和物、炭酸カリウム水和物などの無機材料を採用することができる。
これらの湿潤剤は、図2(a)に示すように炭酸ガス吸収材2に粒状湿潤剤5を混合して炭酸ガス吸収管1に充填して用いてもよいし、図2(b)に示すように炭酸ガス吸収材2の表面に、湿潤剤の層6を被覆形成してもよい。また、図2(c)に示すように炭酸ガス吸収材を収容した炭酸ガス吸収管1の上流側に粒状湿潤剤5を配置し、炭酸ガス含有処理ガスの流路下流側に炭酸ガス吸収材2を配置してもよい。
【0023】
[第3の実施の形態]
本実施の形態は、炭酸ガスを含有している被処理ガスに、加湿器を用いて水分を与え、その後炭酸ガス吸収材と接触させて炭酸ガスを吸収させることによって、炭酸ガス吸収材の主要成分であるリチウムシリケートの室温における炭酸ガス吸収性能を改善する炭酸ガス吸収方法である。
【0024】
被処理ガスに加湿する手段としては、図3に示すように、被処理ガスを炭酸ガス吸収管に導入する前に、水中をバブリングさせ、加湿する方法が簡便である。そのほかにも、被処理ガスとは別に、超音波振動子など周知の手段によって水蒸気ミストを作成し、被処理ガスと混合する方法などが挙げられる。いずれの手段を採用するにしても、被処理ガスが、炭酸ガス吸収管に導入される時点で、被処理ガス中の水分量は、0.5%程度以上あることが望ましい。
【0025】
[第4の実施の形態]
本発明の実施の形態は、炭酸ガス吸収材の再生方法である。炭酸ガスを吸収したリチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材は、500〜900℃の温度で1〜10時間加熱することで、炭酸ガス吸収材に吸収されていた炭酸ガスが脱離し、炭酸ガス吸収材は再使用が可能となる。この炭酸ガス脱離工程と同時もしくは炭酸ガス脱離工程の後に、水分添加工程を施すことにより、再生した炭酸ガス吸収材は室温における炭酸ガス吸収に適した炭酸ガス吸収材に再生することができる。この加湿工程は、炭酸ガス吸収材を充填収容した容器に、窒素ガスのような不活性ガスに水分を添加した加湿ガスを接触させて炭酸ガス吸収材に水分を含ませる方法、炭酸ガス吸収材を水中に浸漬して水分を含ませて、適切な含水量まで乾燥させる方法などを使用しても良い。この処理によって炭酸ガス吸収材に含有する含水率を、5%以上とすることが好ましい。
【0026】
[第5の実施の形態]
本実施の形態は、炭酸ガスを吸収させて炭酸ガス吸収材を、加熱処理して炭酸ガスを脱離させた後、この炭酸ガス吸収材に湿潤剤を添加することにより炭酸ガス吸収材を室温における炭酸ガス吸収に適した炭酸ガス吸収材に再生するものである。この実施の形態に於いて用いる湿潤剤としては、環境雰囲気の乾燥した気体に水分を供給することのできる材料であり、寒天や、ガラクトースを基本骨格とする多糖類、グリセリンやポリエチレングリコールなどの多価有機物質、CMCやPVAなどのような含水性高分子物質などのような有機材料や、シリカゲル、活性炭、セピオライト、ゼオライト、塩化カルシウム6水和物、塩化マグネシウム6水和物、炭酸カリウム水和物などの無機材料を採用することができる。この湿潤剤を炭酸ガス吸収材に添加する方法として、前述のように図2に示した形態で添加することができる。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
ポリポットに原料となる炭酸リチウムと酸化ケイ素を炭酸リチウムと酸化ケイ素のモル比で2:1になるように入れ、粉砕用アルミナボール、純水を加えてポットミルで20時間の間、粉砕混合した。そのスラリーを乾燥後、250μmのナイロンふるいを通し、混合粉を得た。次に、アルミナ乳鉢に純水、混合粉、バインダ(多糖類)を入れて混練した。
バインダの添加量は混合粉に対して2%となるように添加した。混練物を、乾燥させた後、420μmのナイロンふるいを通して顆粒状の成形体を作製した。得られた成形体を、窒素フロー雰囲気で、600℃で8時間保持して焼成し、リチウムシリケートの顆粒を作製した。作製した顆粒は、分級して420μm以下で250μm以上のものを使用した。
【0028】
作製したリチウムシリケートを窒素雰囲気中のデシケータ中に設置し、そこに水中をバブリングさせた窒素ガスを導入して、リチウムシリケートに水分を保持させた。
デシケータ中に静置した時間は、12時間であり、その時の含水量は、5.1%であった。このように、水分を含水させたリチウムシリケートを、図1に示すような実験装置を用いて、炭酸ガスの吸収性能を測定した。
【0029】
まず、図1のような炭酸ガス吸収装置を用意した。炭酸ガス吸収材2を封入した炭酸ガス吸収管1に、炭酸ガス濃度を調整した混合ガスを1L/minで導入し、吸収管の前後の炭酸ガス濃度を炭酸ガス濃度計3a,3bで測定し、その濃度変化を解析することで、炭酸ガス吸収材の性能を評価した。炭酸ガス吸収管1の容積は、7cm3とした。炭酸ガス濃度は、自然界に存在する炭酸ガス濃度300ppmよりも高濃度である、3000ppmの濃度で評価した。被処理ガスの流量は、流量計4で調整した。
測定時間は、1時間とし、炭酸ガス吸収率は、次の式で求めた。
炭酸ガス吸収率[%]=
(吸収材が吸収したガス量[g])/(吸収材量[g])×100
炭酸ガス除去率は、次の式で求めた。
炭酸ガス除去率[%]=
(吸収材が吸収した炭酸ガス量[m3])/(吸収管に導入した炭酸ガス量[m3])×100
【0030】
(実施例2)
実施例1と同様に、リチウムシリケートの顆粒を作製し、水分を保持させる処理を24時間行った。この顆粒を用いて、実施例1と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
【0031】
(実施例3)
実施例1と同様に、リチウムシリケートの顆粒を作製し、水分を保持させる処理を48時間行った。この顆粒を用いて、実施例1と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
【0032】
(実施例4)
実施例1と同様に、リチウムシリケートの顆粒を作製し、水分を保持させる処理を96時間行った。この顆粒を用いて、実施例1と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
【0033】
(実施例5)
実施例1と同様に、リチウムシリケートの顆粒を作製し、水分を保持させる処理を168時間行った。この顆粒を用いて、実施例1と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
【0034】
(実施例6)
実施例4で作成した炭酸ガス吸収材を用いて一度、炭酸ガスを吸収させた後、この炭酸ガス吸収材顆粒を、窒素フロー雰囲気で、600℃で8時間保持して熱処理をし、含水処理を行った。含水処理時間は、初回と同様に96時間とした。この顆粒を用いて、実施例1と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
【0035】
(比較例1)
実施例1と同様に、リチウムシリケートの顆粒を作製したが、水分を保持させる処理をしなかった。この顆粒を用いて、実施例1と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
これら評価の結果を表1にまとめる。
【0036】
【表1】
【0037】
表1より、リチウムシリケートに水分を含ませることにより、含水量が0%のものよりも効率よく、炭酸ガスを吸収することがわかる。また、実施例6より、再生処理したものが、初回と同等の吸収性能を表していることがわかる。
【0038】
(実施例7)
ポリポットに原料となる炭酸リチウムと酸化ケイ素を炭酸リチウムと酸化ケイ素のモル比で2:1になるようにいれ、粉砕用アルミナボール、純水を加えてポットミルで20時間の間、粉砕混合した。そのスラリーを乾燥後、250μmのナイロンふるいを通し、混合粉を得た。次に、アルミナ乳鉢に純水、混合粉、バインダ(多糖類)を入れて混練した。バインダの添加量は混合粉に対して2%となるように添加した。混練物を、乾燥させた後、420μmのナイロンふるいを通して顆粒状の成形体を作製した。得られた成形体を、窒素フロー雰囲気で、600℃で8時間保持して焼成し、リチウムシリケートの顆粒を作製した。顆粒は、分級して420μm以下で250μm以上にした。
次に、寒天をゲル化させて粉砕し、420μm以下で250μm以上に分級した。この寒天ゾルの含水率は、99%であった。この寒天ゾルを上記で作製したリチウムシリケートに対して20wt%添加して、充分に混合したものを炭酸ガス吸収材として利用した。
【0039】
炭酸ガス吸収材の評価は、図1に示す炭酸ガス吸収装置を用意して行った。炭酸ガス吸収材を封入した炭酸ガス吸収管に、炭酸ガス濃度を含有した混合ガスを1L/minで導入し、吸収管の前後の炭酸ガス濃度を測定し、その濃度変化を解析することで、炭酸ガス吸収材の性能を評価した。炭酸ガス吸収管の容積は、7cm3で、使用した混合ガスの炭酸ガス含有濃度は、3000ppmである。
測定時間は1時間とし、炭酸ガス吸収管が、混合ガス中の炭酸ガスを吸収し炭酸ガスを除去した値を炭酸ガス除去率として、次の式で求めた。
炭酸ガス除去率(%)=
(吸収剤が吸収した炭酸ガス量[m3])/(吸収管に導入した炭酸ガス量[m3])×100
【0040】
(実施例8)
実施例7で一度、炭酸ガスを吸収させた炭酸ガス吸収材を、窒素フロー雰囲気で、600℃で8時間保持して熱処理をした。その後、寒天ゾルを20wt%添加した炭酸ガス吸収材を作製した。これを用いて、実施例1と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
【0041】
(比較例2)
実施例7と同様に、リチウムシリケートの顆粒を作製したが、寒天ゾルを添加しなかった。この顆粒を用いて、実施例7と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
これら評価の結果を表2にまとめる。
【0042】
【表2】
【0043】
表2より、調湿剤を添加しないと炭酸ガス吸収材は、炭酸ガスをほとんど吸収しないことがわかる。つまり、リチウムシリケートは、調湿材を添加することで、炭酸ガスを効率よく吸収することがわかる。また、実施例8より、再生処理したものも、初回と同等の吸収性能を表していることがわかる。
【0044】
(実施例9)
ポリポットに原料となる炭酸リチウムと酸化ケイ素を炭酸リチウムと酸化ケイ素のモル比で2:1になるようにいれ、粉砕用アルミナボール、純水を加えてポットミルで20時間の間、粉砕混合した。そのスラリーを乾燥後、250μmのナイロンふるいを通し、混合粉を得た。次に、アルミナ乳鉢に純水、混合粉、バインダ(多糖類)を入れて混練した。バインダの添加量は混合粉に対して2%となるように添加した。混練物を、乾燥させた後、420μmのナイロンふるいを通して顆粒状の成形体を作製した。得られた成形体を、窒素フロー雰囲気で、600℃で8時間保持して焼成し、リチウムシリケートの顆粒を作製した。作製した顆粒は、分級して420μm以下で250μm以上のものを使用した。
【0045】
このように作製した、リチウムシリケートを図3に示す炭酸ガス吸収装置の炭酸ガス吸収管1(φ13mm×t5mm)に充填した。この吸収管1に炭酸ガス3000ppmを含んだ混合ガスを1L/minで導入し、吸収管の前後に配置した炭酸ガス濃度計3a,3bを用いて吸収管1の前後の炭酸ガス濃度を測定した。このガスは、一度0度の水分7中をバブリングさせることで、加湿させている。このように、炭酸ガス分離回収を評価した。
測定時間は1時間とし、炭酸ガス吸収管が、混合ガス中の炭酸ガスを吸収し炭酸ガス回収した値を炭酸ガス吸収率として、次の式で求めた。
炭酸ガス吸収率[%]=
(吸収材が吸収した炭酸ガス量[g])/(吸収材量[g])×100
【0046】
(実施例10)
実施例9で一度、炭酸ガスを吸収させた炭酸ガス吸収材を、窒素フロー雰囲気で、600℃で8時間保持して熱処理をした。それを吸収管に充填して、実施例9と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
【0047】
(比較例3)
実施例9と同様に、リチウムシリケートの炭酸ガス吸収材を作製した。しかし、混合ガスに、水分を含ませる装置を設置しない装置を用いて、実施例9と同様の炭酸ガス吸収特性の評価を行った。
これら評価の結果を表3にまとめる。
【0048】
【表3】
【0049】
表3より、炭酸ガス分離装置に加湿器を設置し、炭酸ガスを含んだガスを加湿した炭酸ガス含有ガスを、リチウムシリケート主成分とした炭酸ガス吸収材を使用した吸収管に導入することで、炭酸ガスを分離回収することができる。また、実施例2より、再生処理した炭酸ガス吸収材を使用しても、炭酸ガスを分離回収することができる。
また、炭酸ガス吸収材の形状は、顆粒に限定されず、円柱状、円盤状、球状などでもよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明の炭酸ガス吸収材によれば、室温において効率よく炭酸ガスを吸収することができるリチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材を実現することができる。
また、本発明の炭酸ガス吸収方法によれば、簡便な手法で、室温において炭酸ガスを効率よく吸収することができる。
さらに、本発明の炭酸ガス吸収材の再生方法によれば、室温における炭酸ガス吸収に適した炭酸ガス吸収材を効率よく再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭酸ガス吸収材の炭酸ガス吸収能を評価する装置を示す概略図
【図2】炭酸ガス吸収材に湿潤材を添加した炭酸ガス吸収管の概略図
【図3】本発明の炭酸ガス吸収装置の1例を示す概略図
【符号の説明】
1…炭酸ガス吸収管
2…炭酸ガス吸収材
3…炭酸ガス濃度計
4…流量計
5…球状湿潤剤
6…湿潤剤
7…水
Claims (6)
- 含水率5%以上のリチウムシリケートを主成分としたことを特徴とする炭酸ガス吸収材。
- リチウムシリケートを主成分とし、調湿剤が添加されていることを特徴とする炭酸ガス吸収材。
- 前記調湿剤は、多糖類、多価アルコール、含水性高分子材料などの有機材料、シリカゲル、活性炭、セピオライト、ゼオライトや結晶水が6%以上含まれている水化物である塩化カルシウム6水和物、塩化マグネシウム6水和物、及び炭酸カリウム水和物などの無機材料から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項2記載の炭酸ガス吸収材。
- 被処理炭酸ガス含有気体に水を添加した後、リチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材と接触させることを特徴とする炭酸ガス吸収方法。
- リチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材に、炭酸ガスを吸収させた後、前記炭酸ガス吸収材を熱処理して炭酸ガスを脱離させる工程と、前記炭酸ガス吸収材に水分添加工程とを備えたことを特徴とする炭酸ガス吸収材の再生方法。
- リチウムシリケートを主成分とする炭酸ガス吸収材に、炭酸ガスを吸収させた後、前記炭酸ガス吸収材を熱処理して炭酸ガスを脱離させる工程と、前記炭酸ガス吸収材に調湿剤を添加する工程とを備えたことを特徴とする炭酸ガス吸収材の再生方法。
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