JP4496214B2 - ポリ塩化ビニル繊維及びその製造方法並びに人工毛髪 - Google Patents

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Description

本発明は、ウィッグ、ヘアピース、ブレード、エクステンションヘアー等の頭髪装飾用の人工毛髪、防虫網、及び、ブラシにおいて用いられるポリ塩化ビニル繊維及びその製造方法に関するものである。
本発明者らは、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部と、塩素含有率57.0〜62.0%且つ平均重合度550〜750の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂5〜20重量部と、塩素含有率65.0〜67.0%且つ平均重合度550〜750の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂5〜30重量部を有する樹脂組成物からなるポリ塩化ビニル繊維(特許文献1を参照。)を提案した。
特開2003−193329号公報
しかし、前記ポリ塩化ビニル繊維の製造においては、耐熱性を発現させるために添加する二種の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂の添加量が多くなると、前記樹脂組成物の溶融粘度が高くなって、溶融紡糸時における紡糸性が低下するという問題があった。
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、溶融紡糸時における紡糸性を良好に維持しつつ、100℃以上の熱を加えて二次加工処理を施しても熱収縮が少ないポリ塩化ビニル繊維及びその製造方法並びに人工毛髪を提供することを目的としている。
請求項1に記載された発明は、ポリ塩化ビニル樹脂100質量部と、マレイミド共重合体1〜20質量部と、ビニル共重合体1〜30質量部とを有する樹脂組成物から構成されているポリ塩化ビニル繊維において、前記ビニル共重合体が、芳香族ビニル単量体40〜90質量部とシアン化ビニル単量体10〜60質量部とを共重合させて得たビニル共重合体であることを特徴とするポリ塩化ビニル繊維である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記ビニル共重合体が、芳香族ビニル単量体40〜90質量部と、シアン化ビニル単量体10〜60質量部と、これらの単量体と共重合可能なこれらの単量体以外のビニル単量体0.1〜40質量部とを共重合させて得たビニル共重合体であることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記芳香族ビニル単量体が、スチレンであることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記シアン化ビニル単量体が、アクリロニトリルであることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記ビニル共重合体が、スチレン75〜90質量部とアクリロニトリル10〜25質量部とを共重合させて得たビニル共重合体であることを特徴とするものである。
請求項6に記載された発明は、請求項1,2,5のいずれか1項に記載された発明において、前記ビニル共重合体の質量平均分子量が、50000〜110000であることを特徴とするものである。
請求項7に記載された発明は、ポリ塩化ビニル樹脂100質量部とマレイミド共重合体1〜20質量部と、芳香族ビニル単量体40〜90質量部とシアン化ビニル単量体10〜60質量部とを共重合させて得たビニル共重合体1〜30質量部と、を有する樹脂組成物を溶融紡糸することを特徴とするものである。
請求項8に記載された発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリ塩化ビニル繊維で構成されていることを特徴とする人工毛髪である。
請求項1に記載された発明によれば、ポリ塩化ビニル樹脂100質量部と、マレイミド共重合体1〜20質量部と、ビニル共重合体1〜30質量部とを有する樹脂組成物から構成されているポリ塩化ビニル繊維において、前記ビニル共重合体が、芳香族ビニル単量体40〜90質量部とシアン化ビニル単量体10〜60質量部とを共重合させて得たビニル共重合体であるので、前記ポリ塩化ビニル樹脂とマレイミド共重合体とビニル共重合体との相溶性がさらに向上してガラス転位温度が下がり、そのために、流動性が向上し、よって、押出安定性、即ち、紡糸性が向上して、溶融紡糸時における紡糸性を維持しつつ、100℃以上の熱を加えて二次加工処理を施しても熱収縮が少ないポリ塩化ビニル繊維とすることができる。
請求項2に記載された発明によれば、前記ビニル共重合体が、芳香族ビニル単量体40〜90質量部と、シアン化ビニル単量体10〜60質量部と、これらの単量体と共重合可能なこれらの単量体以外のビニル単量体0.1〜40質量部とを共重合させて得たビニル共重合体であるので、耐熱付与効果を維持しながら前記ポリ塩化ビニル樹脂とマレイミド共重合体との相溶性をさらに向上させることができ、そのために、溶融紡糸時における紡糸性を維持しつつ、100℃以上の熱を加えて二次加工処理を施しても熱収縮が少ないポリ塩化ビニル繊維とすることができる。
請求項3に記載された発明によれば、前記芳香族ビニル単量体がスチレンであるので、紡糸時の樹脂圧の調整が容易となり、スクリュー負荷を下げることができ、しかも、長時間のロングラン性を確保することができる。
請求項4に記載された発明によれば、前記シアン化ビニル単量体がアクリロニトリルであるので、紡糸時の樹脂圧の調整が容易となり、スクリュー負荷を下げることができ、しかも、長時間のロングラン性を確保することができる。
請求項5に記載された発明によれば、前記ビニル共重合体が、スチレン75〜90質量部とアクリロニトリル10〜25質量部とを共重合させて得たビニル共重合体であるので、紡糸性が良好となる。
請求項6に記載された発明によれば、前記ビニル共重合体の質量平均分子量が50000〜110000であるので、塩化ビニル重合体とマレイミド共重合体との相溶性がさらに向上する。
請求項7に記載された発明によれば、ポリ塩化ビニル樹脂100質量部とマレイミド共重合体1〜20質量部と、芳香族ビニル単量体40〜90質量部とシアン化ビニル単量体10〜60質量部とを共重合させて得たビニル共重合体1〜30質量部と、を有する樹脂組成物を溶融紡糸するので、前記ポリ塩化ビニル樹脂とマレイミド共重合体とビニル共重合体との相溶性がさらに向上してガラス転位温度が下がり、そのために、流動性が向上し、よって、押出安定性、即ち、紡糸性が向上して、溶融紡糸時における紡糸性を維持しつつ、100℃以上の熱を加えて二次加工処理を施しても熱収縮が少ないポリ塩化ビニル繊維とすることができる。
請求項8に記載された発明によれば、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリ塩化ビニル繊維で構成されているので、100℃以上の熱を加えて二次加工処理を施しても熱収縮の少ない人工毛髪とすることができる。
本発明のポリ塩化ビニル繊維は、ポリ塩化ビニル樹脂100質量部と、マレイミド共重合体1〜20質量部と、ビニル共重合体1〜30質量部とを有する樹脂組成物から構成されており、そして、そのビニル共重合体は、芳香族ビニル単量体40〜90質量部とシアン化ビニル単量体10〜60質量部とを共重合させて得たビニル共重合体である。このように、ポリ塩化ビニル樹脂100質量部と、マレイミド共重合体1〜20質量部と、ビニル共重合体1〜30質量部とを有する樹脂組成物から構成されているポリ塩化ビニル繊維において、該ビニル共重合体が、芳香族ビニル単量体40〜90質量部とシアン化ビニル単量体10〜60質量部とを共重合させて得たビニル共重合体であると、前記ポリ塩化ビニル樹脂とマレイミド共重合体とビニル共重合体との相溶性がさらに向上してガラス転位温度が下がり、そのために、流動性が向上し、よって、押出安定性、即ち、紡糸性が向上するので、溶融紡糸時における紡糸性を維持しつつ、100℃以上の熱を加えて二次加工処理を施しても熱収縮が少ないポリ塩化ビニル繊維とすることができる。
前記ビニル共重合体の含有量は、好ましくは、1〜30質量部であるが、さらに好ましくは、5〜25質量部である。前記ビニル共重合体の含有量が1質量部未満又は30質量部を越えると紡糸性が悪くなる。
本発明におけるビニル共重合体は、好ましくは、芳香族ビニル単量体40〜90質量部と、シアン化ビニル単量体10〜60質量部と、これらの単量体と共重合可能なこれらの単量体以外のビニル単量体0.1〜40質量部とを共重合させて得たビニル共重合体である。このように、ビニル共重合体が、芳香族ビニル単量体40〜90質量部と、シアン化ビニル単量体10〜60質量部と、これらの単量体と共重合可能なこれらの単量体以外のビニル単量体0.1〜40質量部とを共重合させて得たビニル共重合体であると、耐熱付与効果を維持しながら前記ポリ塩化ビニル樹脂とマレイミド共重合体との相溶性をさらに向上させることができ、そのために、溶融紡糸時における紡糸性を維持しつつ、100℃以上の熱を加えて二次加工処理を施しても熱収縮が少ないポリ塩化ビニル繊維とすることができる。
前記芳香族ビニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン及びその置換体から選ばれる芳香族ビニル単量体であるが、好ましくは、スチレンである。前記スチレンによれば、紡糸時の樹脂圧の調整が容易となり、スクリュー負荷を下げることができ、しかも、長時間のロングラン性を確保することができる。また、前記芳香族ビニル単量体は、本発明の目的に反しないかぎり、ここに挙げた芳香族ビニル単量体以外の芳香族ビニル単量体であってもかまわない。
前記シアン化ビニル単量体は、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロロアクリロニトリルら選ばれるシアン化ビニル単量体であるが、好ましくは、アクリロニトリルである。このように、前記シアン化ビニル単量体がアクリロニトリルであると、紡糸時の樹脂圧の調整が容易となり、スクリュー負荷を下げることができ、しかも、長時間のロングラン性を確保することができる。
前記ビニル単量体は、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートのアクリル酸エステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートのメタクリル酸エステル、アクリル酸、及び、メタクリル酸から選ばれるビニルカルボン酸である。
前記ビニル共重合体は、好ましくは、スチレン75〜90質量部とアクリロニトリル10〜25質量部とを共重合させて得たビニル共重合体である。このように、前記ビニル共重合体が、スチレン75〜90質量部とアクリロニトリル10〜25質量部とを共重合させて得たビニル共重合体であると、紡糸性が良好となる。
そして、前記ビニル共重合体の質量平均分子量は、好ましくは、50000〜110000、さらに好ましくは、60000〜100000である。このように、前記ビニル共重合体の質量平均分子量が50000〜110000であると、塩化ビニル重合体とマレイミド共重合体との相溶性がさらに向上する。
本発明のポリ塩化ビニル繊維は、ポリ塩化ビニル樹脂100質量部とマレイミド共重合体1〜20質量部と、芳香族ビニル単量体40〜90質量部とシアン化ビニル単量体10〜60質量部とを共重合させて得たビニル共重合体1〜30質量部と、を有する樹脂組成物を溶融紡糸することにより製造される。このように、ポリ塩化ビニル樹脂100質量部とマレイミド共重合体1〜20質量部と、芳香族ビニル単量体40〜90質量部とシアン化ビニル単量体10〜60質量部とを共重合させて得たビニル共重合体1〜30質量部と、を有する樹脂組成物を溶融紡糸することにより製造されると、前記ポリ塩化ビニル樹脂とマレイミド共重合体とビニル共重合体との相溶性がさらに向上してガラス転位温度が下がり、そのために、流動性が向上し、よって、押出安定性、即ち、紡糸性が向上して、溶融紡糸時における紡糸性を維持しつつ、100℃以上の熱を加えて二次加工処理を施しても熱収縮が少ないポリ塩化ビニル繊維とすることができる。
本発明のポリ塩化ビニル繊維は、具体的には、(A)塩化ビニル樹脂100質量部とマレイミド共重合体1〜20質量部とを有してなる樹脂組成物をヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等の混合機で混合する工程、(B)前記混合した樹脂組成物を単軸押出機、異方向二軸押出機、コニカル二軸押出機等の溶融押出機で溶融紡糸して繊維とする工程、(C)前記溶融紡糸した繊維を延伸する工程、そして、(D)前記延伸した繊維に熱弛緩処理を施す工程、を順次経て製造される。本発明のポリ塩化ビニル繊維の製造においては、本発明の目的に反しない限り、塩化ビニル樹脂組成物に使用可能な公知の添加剤を配合することができる。これらの添加剤は、例えば、滑剤、熱安定剤、加工助剤、強化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、充填剤、難燃剤、顔料、初期着色改善剤、導電性付与剤、表面処理剤、光安定剤、及び、香料である。
本発明の人工毛髪は、請求項1〜6のいずれか記載のポリ塩化ビニル繊維で構成される。このように、本発明の人工毛髪は、請求項1〜13のいずれか記載のポリ塩化ビニル繊維で構成されていると、100℃以上の熱を加えて二次加工処理を施しても熱収縮が少ないものとなる。
(実施例1)
(a)ポリ塩化ビニル樹脂(大洋塩ビ株式会社製、TH−1000)100質量部、マレイミド共重合体(電気化学工業株式会社製、AX−40(参考例1を参照。))10質量部、ハイドロタルサイト熱安定剤及びCa−Zn金属石鹸熱安定剤にポリエチレンワックス及び特殊脂肪酸エステルの滑剤をパック化して得た複合安定剤・滑剤(日産化学工業株式会社製、CP−410A)8質量部、並びに、亜リン酸エステル熱安定剤(旭電化工業株式会社製、アデカスタブ1500)1質量部を有してなる樹脂組成物をヘンシェルミキサーで混合する工程、(b)前記混合した樹脂組成物をノズル断面積0.06mm2 、孔数120、及び、金型温度180℃の紡糸金型から押出量10Kg/時間で溶融紡糸して150デシテックスの繊維とする工程、(c)前記溶融紡糸した繊維を100℃の空気雰囲気下で300%に延伸して50デシテックスの繊維とする工程、そして、(d)前記延伸した繊維に120℃の空気雰囲気下で繊維全長が処理前の75%の長さに収縮するまで熱弛緩処理を施す工程、を順次経て平均繊度66.7デシテックスのポリ塩化ビニル繊維を得た。
(参考例1)
スチレン10.0kg、メチルエチルケトン15.0kg、及び、α−メチルスチレンダイマー14gを攪拌機付きのオートクレーブに仕込み、オートクレーブの内部を窒素ガスで置換した後、オートクレーブの内部の温度を80℃に昇温し、この状態に維持したオートクレーブ中に無水マレイン酸6.2kgとベンゾイルパーオキサイド40gとをメチルエチルケトン9.0kgに溶解した溶液を8時間かけて連続的に添加し、続いて、オートクレーブの温度を80℃とした状態で3時間保持してマレイミド共重合溶液を得た。そして、このマレイミド共重合溶液にアニリン5.8kg、及び、トリエチルアミン0.1kgを加えて140℃で7時間反応させた後、この反応液をベント付き二軸押出機に供給し、そこで脱気して平均分子量100000のマレイミド共重合体とした。
(実施例2)
実施例1の(a)工程における樹脂組成物にアクリロニトリル割合30質量%のビニル共重合体(参考例2を参照。)20質量部をさらに添加した以外は、実施例1と同様にしてポリ塩化ビニル繊維を得た。
(参考例2)
純水50kg、過硫酸カリウム83g、第三リン酸カルシウム400g、t−ドデシルメルカプタン400g、スチレン40kg、アクリロニトニル16kg及びベンゾイルパーオキサイド105gを攪拌機付きオートクレーブに仕込み、オートクレーブの内部を窒素ガスで置換した後、オートクレーブの内部の温度を100℃に昇温してオートクレーブ中にスチレン5.3kgを2時間かけて添加し、続いて、オートクレーブの内部の温度を103℃に昇温してオートクレーブ中にスチレン8kgを3時間かけて添加した。そして、オートクレーブの内部の温度を110℃に昇温し、この状態で1時間重合させた後、オートクレーブの内部の温度を120℃に昇温し、この状態で1時間重合させせて重合を完了させた。この重合を完了させた重合液を冷却し、ここに塩酸を加えて中和した後、この中和した重合液を脱水、乾燥して平均分子量80000のビニル重合体を得た。
(実施例3)
ビニル共重合体中のアクリロニトリル量を15質量部(即ち、参考例2のにおけるアクリロニトニル量を9.4kg)にしてアクリロニトリル割合が15質量%のビニル共重合体とした以外は、実施例2と同様にしてポリ塩化ビニル繊維を得た。
(比較例1)
実施例1の(a)工程の樹脂組成物におけるマレイミド共重合体の配合量を0.5質量部とした以外は、実施例1と同様にしてポリ塩化ビニル繊維を得た。
(比較例2)
実施例1の(a)工程の樹脂組成物におけるマレイミド共重合体の配合量を30質量部とした以外は、実施例1と同様にしてポリ塩化ビニル繊維を得た。
(比較例3)
実施例1の(a)工程の樹脂組成物におけるマレイミド共重合体の重量平均分子量を40000とした以外は、実施例1と同様にしてポリ塩化ビニル繊維を得た。
(比較例4)
実施例1の(a)工程の樹脂組成物におけるマレイミド共重合体の重量平均分子量を160000とした以外は、実施例1と同様にしてポリ塩化ビニル繊維を得た。
(比較例5)
アクリロニトリル割合20質量%のビニル共重合体の配合量を60質量部とした以外は、実施例2と同様にしてポリ塩化ビニル繊維を得た。
(比較例6)
ビニル共重合体のアクリロニトリル割合を5質量%とした以外は、実施例3と同様にしてポリ塩化ビニル繊維を得た。
(比較例7)
ビニル共重合体のアクリロニトリル割合を40質量%とした以外は、実施例3と同様にしてポリ塩化ビニル繊維を得た。
(比較例8)
ビニル共重合体の重量平均分子量を30000とした以外は、実施例3と同様にしてポリ塩化ビニル繊維を得た。
(比較例9)
ビニル共重合体の重量平均分子量を130000とした以外は、実施例3と同様にしてポリ塩化ビニル繊維を得た。
以上、実施例1〜3及び比較例1〜9で得たポリ塩化ビニル繊維を次の方法で評価した。
(1)熱収縮性
熱収縮性は、試験体を熱処理した際に発生する熱収縮率を測定して評価した。即ち、前記熱収縮率は、長さ100mmに調整したポリ塩化ビニル繊維の試験体12本を100℃のギアオーブン中で15分間放置し、その放置前後における試験体の長さの比((放置前の長さ−放置後の長さ)/放置前の長さ)を算出したものであって、12本のうち、最大値、最小値を排除した中間値10本の平均値を算出して得たものである。
評価基準は、
○:熱収縮率が5%未満のもの
×:が熱収縮率が5%以上もの
とした。
(2)紡糸性
紡糸性は、樹脂組成物を溶融紡糸する際の紡糸性により評価した。即ち、前記紡糸性の試験は、紡糸金型から同時に120本の繊維状体を90分間(測定時間30分間×測定回数3回)押出成形した際の糸切れ(溶融押出中に、数本の繊維状体が途切れる現象)発生回数を測定することにより行った。
評価基準は、
○:糸切れ発生回数0回
△:糸切れ発生回数1回
×:糸切れが2回以上発生
とした。
(3)ロングラン安定性
ロングラン安定性は、連続紡糸した際に長時間(24時間以上)安定した状態で紡糸を行える目安を押出機の樹脂圧によって評価した。
評価基準は、
○:押出機の樹脂圧が30MPa以下
△:押出機の樹脂圧が30〜40MPa
×:押出機の樹脂圧が40MPa以上
とした。
評価結果は、次の表1に示される。
Figure 0004496214
表1より、本発明の各実施例で得られた繊維は、熱収縮性、紡糸性、及び、ロングラン安定性のいずれも使用可能レベル(○又は△)であり、特に、実施例3は、各評価項目で最も良好なレベル(○)であることがわかる。それに対し、比較例1〜9の繊維は、なんらかの問題があることがわかる。
本発明のポリ塩化ビニル繊維は、人工毛髪、防虫網、ブラシ等において用いられるが、好適には、頭髪装飾用の人工毛髪、又は、ドールヘアー用の人工毛髪として用いられる。
本発明の人工毛髪は、例えば、これを束ね、整えることによって、かつら、ヘアピース、ブレード、エクステンションヘアー、アクセサリーヘアーとされる。

Claims (8)

  1. ポリ塩化ビニル樹脂100質量部と、マレイミド共重合体1〜20質量部と、ビニル共重合体1〜30質量部とを有する樹脂組成物から構成されているポリ塩化ビニル繊維において、前記ビニル共重合体が、芳香族ビニル単量体40〜90質量部とシアン化ビニル単量体10〜60質量部とを共重合させて得たビニル共重合体であることを特徴とするポリ塩化ビニル繊維。
  2. 前記ビニル共重合体が、芳香族ビニル単量体40〜90質量部と、シアン化ビニル単量体10〜60質量部と、これらの単量体と共重合可能なこれらの単量体以外のビニル単量体0.1〜40質量部とを共重合させて得たビニル共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のポリ塩化ビニル繊維。
  3. 前記芳香族ビニル単量体が、スチレンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリ塩化ビニル繊維。
  4. 前記シアン化ビニル単量体が、アクリロニトリルであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリ塩化ビニル繊維。
  5. 前記ビニル共重合体が、スチレン75〜90質量部とアクリロニトリル10〜25質量部とを共重合させて得たビニル共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のポリ塩化ビニル繊維。
  6. 前記ビニル共重合体の質量平均分子量が、50000〜110000であることを特徴とする請求項1,2,5のいずれか1項に記載のポリ塩化ビニル繊維。
  7. ポリ塩化ビニル樹脂100質量部と、マレイミド共重合体1〜20質量部と、芳香族ビニル単量体40〜90質量部とシアン化ビニル単量体10〜60質量部とを共重合させて得たビニル共重合体1〜30質量部と、を有する樹脂組成物を溶融紡糸することを特徴とするポリ塩化ビニル繊維の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか記載のポリ塩化ビニル繊維で構成されていることを特徴とする人工毛髪。
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