JP2000154293A - ポリ塩化ビニル系繊維用樹脂組成物およびそれからなる繊維 - Google Patents
ポリ塩化ビニル系繊維用樹脂組成物およびそれからなる繊維Info
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- JP2000154293A JP2000154293A JP33143098A JP33143098A JP2000154293A JP 2000154293 A JP2000154293 A JP 2000154293A JP 33143098 A JP33143098 A JP 33143098A JP 33143098 A JP33143098 A JP 33143098A JP 2000154293 A JP2000154293 A JP 2000154293A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐熱性があり、艶や風合いがコントロールさ
れたポリ塩化ビニル系繊維を、高い曳糸性を保ちつつ安
定的に得ることのできる樹脂組成物を提供する。 【解決手段】(A)塩化ビニル系樹脂と塩素化ポリ塩化
ビニル系樹脂とからなる混合物100重量部に対し、
(B)架橋塩化ビニル系樹脂をゲル含量に換算して、
0.2〜20重量部とおよび(C)エチレン単位30〜
90重量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位
10〜50重量%、一酸化炭素単位0〜40重量%、お
よびこれらと共重合可能なビニル系単量単位0〜10重
量%を用いてなる共重合体0.5〜15重量部、配合し
た組成物からなるポリ塩化ビニル系繊維用樹脂組成物に
より達成される。
れたポリ塩化ビニル系繊維を、高い曳糸性を保ちつつ安
定的に得ることのできる樹脂組成物を提供する。 【解決手段】(A)塩化ビニル系樹脂と塩素化ポリ塩化
ビニル系樹脂とからなる混合物100重量部に対し、
(B)架橋塩化ビニル系樹脂をゲル含量に換算して、
0.2〜20重量部とおよび(C)エチレン単位30〜
90重量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位
10〜50重量%、一酸化炭素単位0〜40重量%、お
よびこれらと共重合可能なビニル系単量単位0〜10重
量%を用いてなる共重合体0.5〜15重量部、配合し
た組成物からなるポリ塩化ビニル系繊維用樹脂組成物に
より達成される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紡糸(曳糸)性が
良好であり、耐熱性に優れ、艶と風合いがコントロール
されたポリ塩化ビニル系繊維用樹脂組成物に関する。さ
らには、該樹脂組成物を溶融紡糸してなるポリ塩化ビニ
ル系繊維に関するものである。
良好であり、耐熱性に優れ、艶と風合いがコントロール
されたポリ塩化ビニル系繊維用樹脂組成物に関する。さ
らには、該樹脂組成物を溶融紡糸してなるポリ塩化ビニ
ル系繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニル系樹脂は、自己消火性、
耐薬品性等に優れており、繊維にした場合にも、その優
れた性質を持ち得るが、溶融紡糸により製造した一般の
ポリ塩化ビニル系繊維は、ガラスの破片が光線を反射し
た場合のごとき特有の光沢(艶)があり、繊維用として
は不自然なため、改善が必要であった。
耐薬品性等に優れており、繊維にした場合にも、その優
れた性質を持ち得るが、溶融紡糸により製造した一般の
ポリ塩化ビニル系繊維は、ガラスの破片が光線を反射し
た場合のごとき特有の光沢(艶)があり、繊維用として
は不自然なため、改善が必要であった。
【0003】この問題を回避する為、一般には溶剤を用
いて乾式、または湿式紡糸法により製造するか、或いは
特殊な方法、例えばノズルより紡出した溶融糸を直ちに
高温の熱媒中へ導く方法や、特公昭34−6908号広
報に開示されたような繊維軸方向に設けた加熱紡糸筒を
通し瞬間的に加熱溶融し曳糸を行う方法が知られてい
る。又、特公昭48−43381号広報に開示されたよ
うに塩化ビニルと共重合可能なプロピレン等の単量体を
共重合したポリ塩化ビニル系樹脂が使用されたりもして
いる。又、特公昭51−2109号では、メチルメタク
リレート系共重合体を配合する方法が開示されている。
しかし、これらの方法は、いずれも工程が複雑化した
り、繊維の艶が増加したり、又、曳糸性改良効果が不十
分であったりして決して満足の得られるものではなかっ
た。
いて乾式、または湿式紡糸法により製造するか、或いは
特殊な方法、例えばノズルより紡出した溶融糸を直ちに
高温の熱媒中へ導く方法や、特公昭34−6908号広
報に開示されたような繊維軸方向に設けた加熱紡糸筒を
通し瞬間的に加熱溶融し曳糸を行う方法が知られてい
る。又、特公昭48−43381号広報に開示されたよ
うに塩化ビニルと共重合可能なプロピレン等の単量体を
共重合したポリ塩化ビニル系樹脂が使用されたりもして
いる。又、特公昭51−2109号では、メチルメタク
リレート系共重合体を配合する方法が開示されている。
しかし、これらの方法は、いずれも工程が複雑化した
り、繊維の艶が増加したり、又、曳糸性改良効果が不十
分であったりして決して満足の得られるものではなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性があり、艶や風合いがコントロールされたポリ塩化ビ
ニル系繊維を、高い曳糸性を保ちつつ安定的に得ること
のできる樹脂組成物を提供することにある。
性があり、艶や風合いがコントロールされたポリ塩化ビ
ニル系繊維を、高い曳糸性を保ちつつ安定的に得ること
のできる樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前期課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、塩化ビニル系樹脂
と、塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂に、架橋塩化ビニル系
樹脂と、特定の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系
重合体を配合することにより、耐熱性があり、艶や風合
いがコントロールされたポリ塩化ビニル系繊維を、高い
曳糸性と工程安定性で得られることを見出し、本発明を
完成するに至った。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、塩化ビニル系樹脂
と、塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂に、架橋塩化ビニル系
樹脂と、特定の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系
重合体を配合することにより、耐熱性があり、艶や風合
いがコントロールされたポリ塩化ビニル系繊維を、高い
曳糸性と工程安定性で得られることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は(A)塩化ビニル系樹脂
と塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂とからなる混合物100
重量部に対し、(B)架橋塩化ビニル系樹脂をゲル含量
に換算して、0.2〜20重量部とおよび(C)エチレ
ン単位30〜90重量%と(メタ)アクリル酸アルキル
エステル単位10〜50重量%、一酸化炭素単位0〜4
0重量%、およびこれらと共重合可能なビニル系単量単
位0〜10重量%を用いてなる共重合体0.3〜15重
量部、配合した組成物からなることを特徴とするポリ塩
化ビニル系繊維用樹脂組成物であり、前記(C)の共重
合体のメルトインデックス(MI)の値が190℃、2
Kg荷重条件(JIS−K6730に準拠)において、
2〜500g/10分であり、(メタ)アクリル酸アル
キルエステルのアルキルエステル部分の炭素数が1〜1
0であるのが好ましい。
と塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂とからなる混合物100
重量部に対し、(B)架橋塩化ビニル系樹脂をゲル含量
に換算して、0.2〜20重量部とおよび(C)エチレ
ン単位30〜90重量%と(メタ)アクリル酸アルキル
エステル単位10〜50重量%、一酸化炭素単位0〜4
0重量%、およびこれらと共重合可能なビニル系単量単
位0〜10重量%を用いてなる共重合体0.3〜15重
量部、配合した組成物からなることを特徴とするポリ塩
化ビニル系繊維用樹脂組成物であり、前記(C)の共重
合体のメルトインデックス(MI)の値が190℃、2
Kg荷重条件(JIS−K6730に準拠)において、
2〜500g/10分であり、(メタ)アクリル酸アル
キルエステルのアルキルエステル部分の炭素数が1〜1
0であるのが好ましい。
【0007】また(A)の塩化ビニル系樹脂と塩素化ポ
リ塩化ビニル系樹脂の割合は、塩化ビニル系樹脂/塩素
化ポリ塩化ビニル系樹脂=50〜95重量%/5〜50
重量%であるのが好ましく、塩素化ポリ塩化ビニル系樹
脂の塩素含有率は58〜70重量%であるのが好まし
い。
リ塩化ビニル系樹脂の割合は、塩化ビニル系樹脂/塩素
化ポリ塩化ビニル系樹脂=50〜95重量%/5〜50
重量%であるのが好ましく、塩素化ポリ塩化ビニル系樹
脂の塩素含有率は58〜70重量%であるのが好まし
い。
【0008】さらに、(B)架橋塩化ビニル系樹脂のゲ
ルパーティクルサイズが0.3〜20μmのものを用い
ることができる。
ルパーティクルサイズが0.3〜20μmのものを用い
ることができる。
【0009】本発明の繊維は上記のポリ塩化ビニル系繊
維用樹脂組成物を、溶融紡糸してなるポリ塩化ビニル系
繊維である。本発明により得られたポリ塩化ビニル系繊
維は、人工毛髪として好適に用いることができる。
維用樹脂組成物を、溶融紡糸してなるポリ塩化ビニル系
繊維である。本発明により得られたポリ塩化ビニル系繊
維は、人工毛髪として好適に用いることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる塩化ビ
ニル系樹脂とは、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニルと
50重量%までの他の共重合可能な単量体、一種類及び
/又は二種類以上との(多元)共重合体、或いはこれら
の混合物である。前記共重合可能な単量体の代表的なも
のとしては、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエ
ーテル、ビニリデンクロライド、酢酸ビニル、アクリル
酸エステル、マレイン酸エステル等が使用可能である。
ニル系樹脂とは、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニルと
50重量%までの他の共重合可能な単量体、一種類及び
/又は二種類以上との(多元)共重合体、或いはこれら
の混合物である。前記共重合可能な単量体の代表的なも
のとしては、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエ
ーテル、ビニリデンクロライド、酢酸ビニル、アクリル
酸エステル、マレイン酸エステル等が使用可能である。
【0011】(多元)共重合体は、一般的に知られてい
る公知の種々の重合方法を用いて重合することが出来
る。(多元)共重合体は、ランダム、ブロック、グラフ
ト等の任意の(多元)共重合形態をとっても良い。
る公知の種々の重合方法を用いて重合することが出来
る。(多元)共重合体は、ランダム、ブロック、グラフ
ト等の任意の(多元)共重合形態をとっても良い。
【0012】(多元)共重合体中の塩化ビニル以外の成
分量が50重量%以上の場合、軟質化され耐熱性が低下
し、さらに高価となる為好ましくない。好ましい共重合
体としては、加熱溶融加工時の熱安定性の面から、エチ
レン、プロピレン、又は酢酸ビニルと、塩化ビニルとの
共重合体である。又、前記塩化ビニル系樹脂の重合度に
ついては、重合度が高い方が、得られる繊維の強度が大
きい傾向にあるが、反面、曳糸性の点では重合度が低い
方が有利である。これらの関係から、塩化ビニル系樹脂
の重合度は、500〜1500程度、より好ましくは7
00〜1300程度が良い。
分量が50重量%以上の場合、軟質化され耐熱性が低下
し、さらに高価となる為好ましくない。好ましい共重合
体としては、加熱溶融加工時の熱安定性の面から、エチ
レン、プロピレン、又は酢酸ビニルと、塩化ビニルとの
共重合体である。又、前記塩化ビニル系樹脂の重合度に
ついては、重合度が高い方が、得られる繊維の強度が大
きい傾向にあるが、反面、曳糸性の点では重合度が低い
方が有利である。これらの関係から、塩化ビニル系樹脂
の重合度は、500〜1500程度、より好ましくは7
00〜1300程度が良い。
【0013】塩化ビニル系樹脂と併用する塩素化ポリ塩
化ビニル系樹脂とは、塩素含有量が56.7重量%以上
に後塩素化されたポリ塩化ビニル系樹脂を意味するが、
加熱溶融加工時の熱安定性、加工性の点から、塩素含有
量が58〜70重量%のものが好ましい。塩素化の方法
は、気相、液相いずれでも良く、又、塩素化原料ポリ塩
化ビニル系樹脂は、塊状、懸濁、或いは、その他の特に
塩素化に有利な方法により重合されたもので良く、又、
この塩素化原料ポリ塩化ビニル系樹脂の重合度は、加工
性の点で400〜1000程度が好ましい。
化ビニル系樹脂とは、塩素含有量が56.7重量%以上
に後塩素化されたポリ塩化ビニル系樹脂を意味するが、
加熱溶融加工時の熱安定性、加工性の点から、塩素含有
量が58〜70重量%のものが好ましい。塩素化の方法
は、気相、液相いずれでも良く、又、塩素化原料ポリ塩
化ビニル系樹脂は、塊状、懸濁、或いは、その他の特に
塩素化に有利な方法により重合されたもので良く、又、
この塩素化原料ポリ塩化ビニル系樹脂の重合度は、加工
性の点で400〜1000程度が好ましい。
【0014】前記塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂を塩化ビ
ニル系樹脂と併用することで、得られるポリ塩化ビニル
系繊維の耐熱性を向上することができる。この場合の両
者の混合割合は、塩化ビニル系樹脂が50〜95重量
%、塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂が5〜50重量%であ
る。前記塩素化ポリ塩化ビニルの割合が5重量%未満の
場合には、耐熱性向上に効果が無く、逆に50重量%を
超える場合には、高温加工時の熱安定性が大幅に低下す
る為、長時間の連続紡糸が困難となる。これらの点よ
り、塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂の割合は、10〜45
重量%がより好ましい。
ニル系樹脂と併用することで、得られるポリ塩化ビニル
系繊維の耐熱性を向上することができる。この場合の両
者の混合割合は、塩化ビニル系樹脂が50〜95重量
%、塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂が5〜50重量%であ
る。前記塩素化ポリ塩化ビニルの割合が5重量%未満の
場合には、耐熱性向上に効果が無く、逆に50重量%を
超える場合には、高温加工時の熱安定性が大幅に低下す
る為、長時間の連続紡糸が困難となる。これらの点よ
り、塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂の割合は、10〜45
重量%がより好ましい。
【0015】(A)塩化ビニル系樹脂と、塩素化ポリ塩
化ビニル系樹脂との混合物に配合する(B)架橋塩化ビ
ニル系樹脂は、ゲル含有量が20〜40重量%であるの
が好ましく、ゲルパーティクルサイズ(架橋部分の粒子
の大きさを意味する)が0.3〜20μmの樹脂が好ま
しい。
化ビニル系樹脂との混合物に配合する(B)架橋塩化ビ
ニル系樹脂は、ゲル含有量が20〜40重量%であるの
が好ましく、ゲルパーティクルサイズ(架橋部分の粒子
の大きさを意味する)が0.3〜20μmの樹脂が好ま
しい。
【0016】架橋方法に関しては、放射線架橋、イオン
的架橋、ラジカル発生剤による架橋、熱架橋等いずれの
方法でも良く、塩化ビニル系樹脂の劣化が促進されなけ
れば良い。架橋剤は架橋方法により、適宜選択されれば
良い。
的架橋、ラジカル発生剤による架橋、熱架橋等いずれの
方法でも良く、塩化ビニル系樹脂の劣化が促進されなけ
れば良い。架橋剤は架橋方法により、適宜選択されれば
良い。
【0017】架橋部以外の塩化ビニル系樹脂の重合度
は、加工性の点から、700〜1300程度が好まし
い。
は、加工性の点から、700〜1300程度が好まし
い。
【0018】(A)塩化ビニル系樹脂と、塩素化ポリ塩
化ビニル系樹脂との混合物に(B)架橋塩化ビニル系樹
脂を配合することで、繊維の艶と風合いを向上すること
ができる。この場合の配合割合は、塩化ビニル系樹脂と
塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂の混合物100重量部に対
し、架橋塩化ビニル系樹脂をゲル含量に換算して、0.
2〜20重量部が好ましい。前記架橋塩化ビニル系樹脂
をゲル含量に換算して、0.2重量部未満では、繊維の
光沢が消えず、良好な風合いが得られない傾向がある。
又、20重量部を超えると曳糸性が悪化し、糸切れが多
くなる。これらの点から、塩化ビニル系樹脂と塩素化ポ
リ塩化ビニル系樹脂の混合物100重量部に対する、架
橋塩化ビニル系樹脂はゲル含量に換算して、0.3〜1
5重量部がより好ましい。
化ビニル系樹脂との混合物に(B)架橋塩化ビニル系樹
脂を配合することで、繊維の艶と風合いを向上すること
ができる。この場合の配合割合は、塩化ビニル系樹脂と
塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂の混合物100重量部に対
し、架橋塩化ビニル系樹脂をゲル含量に換算して、0.
2〜20重量部が好ましい。前記架橋塩化ビニル系樹脂
をゲル含量に換算して、0.2重量部未満では、繊維の
光沢が消えず、良好な風合いが得られない傾向がある。
又、20重量部を超えると曳糸性が悪化し、糸切れが多
くなる。これらの点から、塩化ビニル系樹脂と塩素化ポ
リ塩化ビニル系樹脂の混合物100重量部に対する、架
橋塩化ビニル系樹脂はゲル含量に換算して、0.3〜1
5重量部がより好ましい。
【0019】また、ゲルパーティクルサイズにより、得
られた繊維の艶と風合いは変化し、ゲルパーティクルサ
イズが0.3μm未満の場合は、艶が消えず良好な風合
いが得られない。20μmを超えると、艶は消えるもの
の、繊維表面に明らかな凸凹が認められ、良好な風合い
が得られない。これらの点から、ゲルパーティクルサイ
ズは、0.5〜15μmがより好ましい。
られた繊維の艶と風合いは変化し、ゲルパーティクルサ
イズが0.3μm未満の場合は、艶が消えず良好な風合
いが得られない。20μmを超えると、艶は消えるもの
の、繊維表面に明らかな凸凹が認められ、良好な風合い
が得られない。これらの点から、ゲルパーティクルサイ
ズは、0.5〜15μmがより好ましい。
【0020】(C)の共重合体はエチレン単位30〜9
0重量%と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位1
0〜50重量%、一酸化炭素単位0〜40重量%、その
他共重合可能なビニル系単量単位0〜10重量%からな
る共重合体であり、メルトインデックス(MI)の値が
190℃、2Kg荷重条件(JIS−K6730に準
拠)において、2〜500g/10分であり、(メタ)
アクリル酸アルキルエステルのアルキルエステルの炭素
数が、1〜10であるのが好ましい。上記の共重合体
は、溶融紡糸して繊維にする時の流動性を改善し、曳糸
性を良好とする目的で用いられる。
0重量%と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位1
0〜50重量%、一酸化炭素単位0〜40重量%、その
他共重合可能なビニル系単量単位0〜10重量%からな
る共重合体であり、メルトインデックス(MI)の値が
190℃、2Kg荷重条件(JIS−K6730に準
拠)において、2〜500g/10分であり、(メタ)
アクリル酸アルキルエステルのアルキルエステルの炭素
数が、1〜10であるのが好ましい。上記の共重合体
は、溶融紡糸して繊維にする時の流動性を改善し、曳糸
性を良好とする目的で用いられる。
【0021】前記(C)の共重合体は、一般的にはエチ
レンと(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び必要
に応じ、一酸化炭素及び/又は、他の共重合可能なビニ
ル系単量体とを、ラジカル開始剤の存在下にラジカル重
合することにより得られるが、重合方法はこれに限られ
るものではなく、一般的に知られている公知の種々の重
合方法を用いて重合することができる。
レンと(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び必要
に応じ、一酸化炭素及び/又は、他の共重合可能なビニ
ル系単量体とを、ラジカル開始剤の存在下にラジカル重
合することにより得られるが、重合方法はこれに限られ
るものではなく、一般的に知られている公知の種々の重
合方法を用いて重合することができる。
【0022】共重合体は、ランダム共重合体、ブロック
共重合体、グラフト共重合体、等の任意の共重合形態を
とって良い。これら(C)共重合体中の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルには、アルキルエステル部分の炭
素数1〜10のものが用いられる。
共重合体、グラフト共重合体、等の任意の共重合形態を
とって良い。これら(C)共重合体中の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルには、アルキルエステル部分の炭
素数1〜10のものが用いられる。
【0023】炭素数が11以上のものを用いると、塩化
ビニル系樹脂との相溶性が低下し、得られた繊維の強度
が低下する傾向にある。この点から炭素数は8以下であ
るのが好ましい。
ビニル系樹脂との相溶性が低下し、得られた繊維の強度
が低下する傾向にある。この点から炭素数は8以下であ
るのが好ましい。
【0024】(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具
体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレー
ト、メチルメタアクリレート、エチルメタクリレート、
n−プロピルメタクリレート、等が挙げられ、これら
は、単独又は、二種類以上組み合わせて用いられる。
体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレー
ト、メチルメタアクリレート、エチルメタクリレート、
n−プロピルメタクリレート、等が挙げられ、これら
は、単独又は、二種類以上組み合わせて用いられる。
【0025】前記、(C)共重合体には、必要に応じ、
エチレン単位と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単
位、一酸化炭素単位以外に、共重合可能な他のビニル系
単量単位を含んでも良い。
エチレン単位と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単
位、一酸化炭素単位以外に、共重合可能な他のビニル系
単量単位を含んでも良い。
【0026】共重合可能な他のビニル単量体としては、
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、イソブテン、
イソプレン、α,ω−非共役ジエン、等のアルケン系化
合物、ブタジエン、フェニルプロパジエン、シクロペン
タジエン、1,5−ノルボルナジエン、1,3−シクロ
ヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン、等ノジエ
ン系化合物、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、等ノ芳香族ビ
ニル化合物、マレイン酸、無水マレイン酸、N−メチル
マレイミド、N−フェニルマレイミド、マレイン酸ジメ
チルエステル、等のマレイン酸誘導体、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、等の不飽和ニトリグリシジル
メタクリレート等の(メタ)アクリル酸グリシジルエス
テル、アクリルアミド等の不飽和アミド化合物、ビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、等のビニルア
ルキルエーテル、アリルエチルエーテル、等のアリルア
ルキルエーテル、アルキルエステルの炭素数が11以上
の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及びその他の
ビニル単量体としてアクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビ
ニル、等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
なく、共重合可能な種々の成分が利用可能である。これ
らは、単独又は、二種以上組み合わせて用いられる。
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、イソブテン、
イソプレン、α,ω−非共役ジエン、等のアルケン系化
合物、ブタジエン、フェニルプロパジエン、シクロペン
タジエン、1,5−ノルボルナジエン、1,3−シクロ
ヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン、等ノジエ
ン系化合物、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、等ノ芳香族ビ
ニル化合物、マレイン酸、無水マレイン酸、N−メチル
マレイミド、N−フェニルマレイミド、マレイン酸ジメ
チルエステル、等のマレイン酸誘導体、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、等の不飽和ニトリグリシジル
メタクリレート等の(メタ)アクリル酸グリシジルエス
テル、アクリルアミド等の不飽和アミド化合物、ビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、等のビニルア
ルキルエーテル、アリルエチルエーテル、等のアリルア
ルキルエーテル、アルキルエステルの炭素数が11以上
の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及びその他の
ビニル単量体としてアクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビ
ニル、等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
なく、共重合可能な種々の成分が利用可能である。これ
らは、単独又は、二種以上組み合わせて用いられる。
【0027】前記、(C)共重合体のメルトインデック
ス(MI)の値は、190℃、2kg荷重条件(JIS
−K6730に準拠)において、2〜500g/10
分、好ましくは4〜400g/10分であるのが好まし
い。
ス(MI)の値は、190℃、2kg荷重条件(JIS
−K6730に準拠)において、2〜500g/10
分、好ましくは4〜400g/10分であるのが好まし
い。
【0028】メルトインデックスの値が2未満では、流
動性が改善できず、500を越えると、得られた繊維の
強度が低下する傾向がある。
動性が改善できず、500を越えると、得られた繊維の
強度が低下する傾向がある。
【0029】前記(C)共重合体の、エチレン単位と
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位、一酸化炭素
単位、及び他の共重合可能なビニル系単量体単位、の比
率は、エチレン単位が30〜90重量%、(メタ)アク
リル酸アルキルエステル単位が10〜50重量%、一酸
化炭素単位が0〜40重量%、その他共重合可能なビニ
ル系単量体単位が0〜10重量%である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位、一酸化炭素
単位、及び他の共重合可能なビニル系単量体単位、の比
率は、エチレン単位が30〜90重量%、(メタ)アク
リル酸アルキルエステル単位が10〜50重量%、一酸
化炭素単位が0〜40重量%、その他共重合可能なビニ
ル系単量体単位が0〜10重量%である。
【0030】好ましくはエチレン単位が35〜85重量
%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位が10〜
40重量%、一酸化炭素単位が0〜30重量%、その他
共重合可能なビニル系単量体単位が0〜7重量%であ
る。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位が10重
量%未満及び60重量%を越えると、流動性が改善でき
ず、その他共重合可能なビニル系単量体単位が10重量
%を越えると、得られた繊維の強度や耐熱性が低下する
場合がある。
%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位が10〜
40重量%、一酸化炭素単位が0〜30重量%、その他
共重合可能なビニル系単量体単位が0〜7重量%であ
る。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位が10重
量%未満及び60重量%を越えると、流動性が改善でき
ず、その他共重合可能なビニル系単量体単位が10重量
%を越えると、得られた繊維の強度や耐熱性が低下する
場合がある。
【0031】前記(C)共重合体の使用量は、0.3〜
15重量%、好ましくは1〜8重量%である。(C)共
重合体の使用量が0.3重量%未満では流動性が改善で
きず、15重量%を超えると、得られた繊維の強度や耐
熱性が低下する傾向がある。
15重量%、好ましくは1〜8重量%である。(C)共
重合体の使用量が0.3重量%未満では流動性が改善で
きず、15重量%を超えると、得られた繊維の強度や耐
熱性が低下する傾向がある。
【0032】本発明で得られる繊維は、架橋塩化ビニル
系樹脂の量や、ノズルからの流出速度に対する引き取り
速度の比である曳糸(ドラフト)倍率により表面凹凸の
程度をコントロールできる。
系樹脂の量や、ノズルからの流出速度に対する引き取り
速度の比である曳糸(ドラフト)倍率により表面凹凸の
程度をコントロールできる。
【0033】すなわち、架橋塩化ビニル系樹脂の混合量
を多くし、曳糸(ドラフト)倍率を小さくすると表面凹
凸が多くなり、艶が高度に消えた繊維となる。従って、
このような繊維は、特に自然な艶を要求されるかつら等
の頭飾用製品に使用する人工毛髪用に好適である。ま
た、塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂の量を多くすると、得
られる繊維の耐熱性が向上し、カール保持性を要求され
るかつら等の人造毛髪用繊維としてさらに好適である。
本発明で得られる繊維は、人工毛髪用途だけでなく、防
虫網やブラシ、カーペット類等の産業資材分野にも使用
可能である。この分野では、低価格が要望される場合が
多く、繊維の生産性が高い必要があるが、本発明では、
高い曳糸性が得られ、生産性に優れるので好適である。
を多くし、曳糸(ドラフト)倍率を小さくすると表面凹
凸が多くなり、艶が高度に消えた繊維となる。従って、
このような繊維は、特に自然な艶を要求されるかつら等
の頭飾用製品に使用する人工毛髪用に好適である。ま
た、塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂の量を多くすると、得
られる繊維の耐熱性が向上し、カール保持性を要求され
るかつら等の人造毛髪用繊維としてさらに好適である。
本発明で得られる繊維は、人工毛髪用途だけでなく、防
虫網やブラシ、カーペット類等の産業資材分野にも使用
可能である。この分野では、低価格が要望される場合が
多く、繊維の生産性が高い必要があるが、本発明では、
高い曳糸性が得られ、生産性に優れるので好適である。
【0034】尚、本発明の繊維に対しては、製造方法や
品質の必要に応じて、他の成分も適宜混合可能である。
例えば、溶融紡糸においては、塩化ビニル系樹脂等の溶
融押し出し加工上必須の熱安定剤及び滑剤を任意に適当
量配合でき、更に必要ならば、帯電防止剤、紫外線吸収
剤、加工助剤、顔料、或いは染料等を配合することが可
能である。又、本発明の繊維を溶融紡糸する場合の樹脂
組成物は、リボンブレンダーやヘンシェルミキサー等の
通常の粉末混合機を用い、常温或いは加熱混合して得る
ことができる。得られた樹脂組成物は、粉末状のまま直
接押し出し機へ投入して加熱溶融紡糸が可能であるが、
混練ロール、ニーダ−、或いは押し出し機等で造粒化し
て紡糸原料とすることが好ましい。
品質の必要に応じて、他の成分も適宜混合可能である。
例えば、溶融紡糸においては、塩化ビニル系樹脂等の溶
融押し出し加工上必須の熱安定剤及び滑剤を任意に適当
量配合でき、更に必要ならば、帯電防止剤、紫外線吸収
剤、加工助剤、顔料、或いは染料等を配合することが可
能である。又、本発明の繊維を溶融紡糸する場合の樹脂
組成物は、リボンブレンダーやヘンシェルミキサー等の
通常の粉末混合機を用い、常温或いは加熱混合して得る
ことができる。得られた樹脂組成物は、粉末状のまま直
接押し出し機へ投入して加熱溶融紡糸が可能であるが、
混練ロール、ニーダ−、或いは押し出し機等で造粒化し
て紡糸原料とすることが好ましい。
【0035】上記のようにして得られた紡糸原料は、加
工性に優れているので、通常の一軸或いは二軸の押し出
し機等を用い、150〜200℃程度の温度で加熱溶融
して細孔ノズルより紡出することができる。本発明の繊
維に関わる紡糸原料は、このままでも優れた曳糸性を発
揮するが、ノズル直下に繊維軸方向に加熱紡糸筒を設
け、紡出された溶融糸を瞬間的に加熱して高度に曳糸す
ることも可能である。
工性に優れているので、通常の一軸或いは二軸の押し出
し機等を用い、150〜200℃程度の温度で加熱溶融
して細孔ノズルより紡出することができる。本発明の繊
維に関わる紡糸原料は、このままでも優れた曳糸性を発
揮するが、ノズル直下に繊維軸方向に加熱紡糸筒を設
け、紡出された溶融糸を瞬間的に加熱して高度に曳糸す
ることも可能である。
【0036】特に熱分解を起こしやすい塩素化ポリ塩化
ビニル等を多量に混合使用する場合は、押し出し機を比
較的低い温度で運転し、この加熱筒で瞬間的に加熱し、
高度に曳糸する方が、樹脂の熱劣化が抑制でき、長時間
の連続運転が可能となるので好ましい。
ビニル等を多量に混合使用する場合は、押し出し機を比
較的低い温度で運転し、この加熱筒で瞬間的に加熱し、
高度に曳糸する方が、樹脂の熱劣化が抑制でき、長時間
の連続運転が可能となるので好ましい。
【0037】
【実施例】次に、本発明を溶融紡糸の実施例により更に
詳細に説明するが、これによって本発明の範囲を限定す
るものではない。尚、実施例に先立ち評価方法等につい
て以下に説明する。
詳細に説明するが、これによって本発明の範囲を限定す
るものではない。尚、実施例に先立ち評価方法等につい
て以下に説明する。
【0038】(1)曳糸性評価 溶融紡糸する段階で、糸切れの発生状況を目視観察し、
次のように評価した。 糸切れが、1回以下/1時間・・・・・・「優」 糸切れが2〜3回/1時間・・・・・・・「良」 糸切れが4〜15回/1時間・・・・・・「可」 糸切れが15回以上/1時間・・・・・・「不可」 (2)艶評価 表面が平滑で全面的に光沢があり、輝き感がある。・・
・・・[1] [1]と[3]の間の艶・・・・・・・・・・・・・・
・・・[2] 表面がザラザラで、局部的に輝き感がある・・・・・・
・・・[3] [3]と[5]の間の艶・・・・・・・・・・・・・・
・・・[4] 表面が平滑で、僅かに鈍い光沢がある。(人毛に近似)
・・・[5] [5]と[7]の間の艶・・・・・・・・・・・・・・
・・・[6] 表面は平滑で、全く光沢が無い。・・・・・・・・・・
・・・[7] (3)熱収縮率 20cm長のマルチフィラメント12本を90℃のギア
オーブン(恒温乾燥機)中に吊り下げ、15分後の各サ
ンプルの収縮率[%]の内、中間値10個を平均して熱
収縮率とした。熱収縮率は4%以下が好ましい [実施例1〜3、比較例1〜3]塩化ビニル系樹脂、塩
素化ポリ塩化ビニル系樹脂、架橋塩化ビニル系樹脂、エ
チレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂
を、下記の表1に示す所定の割合で混合し、更にジブチ
ル錫マレエートを3重量部、ジブチル錫ラウレートを1
重量部、合成ワックスを0.5重量部、ステアリン酸を
0.5重量部、加工助剤を1.0部配合した。この混合
物を、リボンブレンダーを用いて110℃で40分攪拌
混合した後、押し出し機を用い、シリンダー温度140
℃、ダイス温度145℃でペレット化した。この樹脂ペ
レットを、L/D=20の30mmφ押し出し機に孔径
0.7mmφ、孔数60のノズルを取り付け、シリンダ
ー温度150〜180℃、ノズル温度180±15℃の
範囲で各例で曳糸性の良い条件で押し出し、第一の引き
取りロールによって曳糸した。次に、第二の延伸ロール
との間で110℃の熱風循環箱を通して2.5倍に延伸
した。さらに115℃に温度調節した箱の中に設置した
2対の円錐形ロール間を引き回し、連続的に25%の緩
和処理を実施し、単糸繊度60デニールのマルチフィラ
メントを巻き取った。この時の加工性(曳糸性)、及び
各例で得られたマルチフィラメントの物性にいて、下記
の方法で測定した。結果を表1に示した。
次のように評価した。 糸切れが、1回以下/1時間・・・・・・「優」 糸切れが2〜3回/1時間・・・・・・・「良」 糸切れが4〜15回/1時間・・・・・・「可」 糸切れが15回以上/1時間・・・・・・「不可」 (2)艶評価 表面が平滑で全面的に光沢があり、輝き感がある。・・
・・・[1] [1]と[3]の間の艶・・・・・・・・・・・・・・
・・・[2] 表面がザラザラで、局部的に輝き感がある・・・・・・
・・・[3] [3]と[5]の間の艶・・・・・・・・・・・・・・
・・・[4] 表面が平滑で、僅かに鈍い光沢がある。(人毛に近似)
・・・[5] [5]と[7]の間の艶・・・・・・・・・・・・・・
・・・[6] 表面は平滑で、全く光沢が無い。・・・・・・・・・・
・・・[7] (3)熱収縮率 20cm長のマルチフィラメント12本を90℃のギア
オーブン(恒温乾燥機)中に吊り下げ、15分後の各サ
ンプルの収縮率[%]の内、中間値10個を平均して熱
収縮率とした。熱収縮率は4%以下が好ましい [実施例1〜3、比較例1〜3]塩化ビニル系樹脂、塩
素化ポリ塩化ビニル系樹脂、架橋塩化ビニル系樹脂、エ
チレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂
を、下記の表1に示す所定の割合で混合し、更にジブチ
ル錫マレエートを3重量部、ジブチル錫ラウレートを1
重量部、合成ワックスを0.5重量部、ステアリン酸を
0.5重量部、加工助剤を1.0部配合した。この混合
物を、リボンブレンダーを用いて110℃で40分攪拌
混合した後、押し出し機を用い、シリンダー温度140
℃、ダイス温度145℃でペレット化した。この樹脂ペ
レットを、L/D=20の30mmφ押し出し機に孔径
0.7mmφ、孔数60のノズルを取り付け、シリンダ
ー温度150〜180℃、ノズル温度180±15℃の
範囲で各例で曳糸性の良い条件で押し出し、第一の引き
取りロールによって曳糸した。次に、第二の延伸ロール
との間で110℃の熱風循環箱を通して2.5倍に延伸
した。さらに115℃に温度調節した箱の中に設置した
2対の円錐形ロール間を引き回し、連続的に25%の緩
和処理を実施し、単糸繊度60デニールのマルチフィラ
メントを巻き取った。この時の加工性(曳糸性)、及び
各例で得られたマルチフィラメントの物性にいて、下記
の方法で測定した。結果を表1に示した。
【0039】
【表1】 表1の結果から明らかなように、架橋塩化ビニル系樹脂
を添加することにより、艶が人毛髪と同程度に改良され
るが、架橋塩化ビニル系樹脂だけであれば、紡糸性が著
しく悪化する。上記配合に、更に、(C)共重合体であ
るエチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共
重合体を添加することにより紡糸性が改善され、しかも
艶は人毛髪と同程度のままである。
を添加することにより、艶が人毛髪と同程度に改良され
るが、架橋塩化ビニル系樹脂だけであれば、紡糸性が著
しく悪化する。上記配合に、更に、(C)共重合体であ
るエチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共
重合体を添加することにより紡糸性が改善され、しかも
艶は人毛髪と同程度のままである。
【0040】[実施例4〜6]下記の表2に示すよう
に、塩化ビニル系樹脂を変更した樹脂組成物を用いた以
外は、実施例2と同じ方法で紡糸した。結果を表2に示
した。
に、塩化ビニル系樹脂を変更した樹脂組成物を用いた以
外は、実施例2と同じ方法で紡糸した。結果を表2に示
した。
【0041】
【表2】 [比較例4、5]下記の表3に示すように、架橋塩化ビ
ニル系樹脂の含量、及びエチレン−(メタ)アクリル酸
アルキルエステル系共重合体(C)の含量を変えた組成
物を用いた以外は、実施例4と同じ方法で紡糸した。こ
れらの結果を表3に示した。
ニル系樹脂の含量、及びエチレン−(メタ)アクリル酸
アルキルエステル系共重合体(C)の含量を変えた組成
物を用いた以外は、実施例4と同じ方法で紡糸した。こ
れらの結果を表3に示した。
【0042】
【表3】 [実施例7、8比較例6〜8](C)エチレン−(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体の種類を変
えた組成物以外は、実施例2と同じ方法で紡糸した。こ
れらの結果を表4に示した。
タ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体の種類を変
えた組成物以外は、実施例2と同じ方法で紡糸した。こ
れらの結果を表4に示した。
【0043】
【表4】
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るポリ塩化ビ
ニル系繊維は、艶や風合いが優れ、耐熱性にも優れてお
り、人造毛髪用として好適に使用できる。しかも、紡糸
(曳糸)性に優れており、生産性も高く低コストで生産
が可能であり、人造毛髪用以外の産業資材分野等にも応
用可能である。
ニル系繊維は、艶や風合いが優れ、耐熱性にも優れてお
り、人造毛髪用として好適に使用できる。しかも、紡糸
(曳糸)性に優れており、生産性も高く低コストで生産
が可能であり、人造毛髪用以外の産業資材分野等にも応
用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 27:22 73:00) Fターム(参考) 4J002 BB073 BD051 BD061 BD071 BD081 BD091 BD182 BG043 BG053 CJ003 GK01 4L035 BB31 BB32 BB89 BB91 CC07 DD14 EE01 EE20 FF04 MB14
Claims (6)
- 【請求項1】(A)塩化ビニル系樹脂と塩素化ポリ塩化
ビニル系樹脂とからなる混合物100重量部に対し、
(B)架橋塩化ビニル系樹脂をゲル含量に換算して、
0.2〜20重量部とおよび(C)エチレン単位30〜
90重量%(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位1
0〜50重量%、一酸化炭素単位0〜40重量%、およ
びこれらと共重合可能なビニル系単量単位0〜10重量
%を用いてなる共重合体0.3〜15重量部、配合した
組成物からなることを特徴とするポリ塩化ビニル系繊維
用樹脂組成物。 - 【請求項2】前記(C)の共重合体のメルトインデック
ス(MI)の値が190℃、2Kg荷重条件(JIS−
K6730に準拠)において、2〜500g/10分で
あり、(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル
エステル部分の炭素数が1〜10である請求項1記載の
ポリ塩化ビニル系繊維用樹脂組成物。 - 【請求項3】(A)の塩化ビニル系樹脂と塩素化ポリ塩
化ビニル系樹脂の割合が、塩化ビニル系樹脂/塩素化ポ
リ塩化ビニル系樹脂=50〜95重量%/5〜50重量
%である請求項1記載のポリ塩化ビニル系繊維用樹脂組
成物。 - 【請求項4】塩素化ポリ塩化ビニル系樹脂の塩素含有率
が58〜70重量%である請求項1記載のポリ塩化ビニ
ル系繊維用樹脂組成物。 - 【請求項5】(B)架橋塩化ビニル系樹脂の、ゲルパー
ティクルサイズが0.3〜20μmである請求項1記載
のポリ塩化ビニル系繊維用樹脂組成物。 - 【請求項6】請求項1記載のポリ塩化ビニル系繊維用樹
脂組成物を、溶融紡糸してなるポリ塩化ビニル系繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33143098A JP2000154293A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | ポリ塩化ビニル系繊維用樹脂組成物およびそれからなる繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33143098A JP2000154293A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | ポリ塩化ビニル系繊維用樹脂組成物およびそれからなる繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000154293A true JP2000154293A (ja) | 2000-06-06 |
Family
ID=18243586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33143098A Pending JP2000154293A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | ポリ塩化ビニル系繊維用樹脂組成物およびそれからなる繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000154293A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2005111283A1 (ja) * | 2004-05-17 | 2008-03-27 | 電気化学工業株式会社 | ポリ塩化ビニル繊維及びその製造方法並びに人工毛髪 |
CN102560715A (zh) * | 2011-12-19 | 2012-07-11 | 上海瑞贝卡纤维材料科技有限公司 | 一种超高压纺人工毛发用聚氯乙烯纤维的生产方法 |
-
1998
- 1998-11-20 JP JP33143098A patent/JP2000154293A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2005111283A1 (ja) * | 2004-05-17 | 2008-03-27 | 電気化学工業株式会社 | ポリ塩化ビニル繊維及びその製造方法並びに人工毛髪 |
JP4496214B2 (ja) * | 2004-05-17 | 2010-07-07 | 電気化学工業株式会社 | ポリ塩化ビニル繊維及びその製造方法並びに人工毛髪 |
CN102560715A (zh) * | 2011-12-19 | 2012-07-11 | 上海瑞贝卡纤维材料科技有限公司 | 一种超高压纺人工毛发用聚氯乙烯纤维的生产方法 |
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