JP4495460B2 - セキュリティー・ペーパー、その製造方法および装置 - Google Patents

Description

本発明は、銀行券、身分証明書等のセキュリティー・ドキュメントの製造に使用される貫通開口部を有するセキュリティー・ペーパー、並びにかかるセキュリティー・ペーパーを製造する方法および装置に関するものである。更に、本発明は、貫通開口部を有する銀行券、身分証明書等の有価証書に関するものでもある。

貫通開口部を有する有価証書が特許文献１に記載されている。前記証書は、完成後に貫通開口部が打ち抜かれ、次いで一方の側が貫通開口部を越えて延びるカバー・ホイルで封止される。前記カバー・ホイルは、少なくとも一部の領域が透明で背景が見えるため、証書を複写しようとすれば、複写機によって背景もコピーされてしまう。前記により、偽造品を容易に識別することができる。

しかし、前記周知の有価証書は、偽造者が前記打抜き開口部を同様の方法で形成することができるという欠点を有している。本物の有価証書のカラー・コピーには透明領域は存在していないが、当該領域を本物の有価証書と同じように打ち抜いて、再度適切なカバー・ホイルで封止することができる。従って、偽造品の識別が困難となる。
国際公開第９５/１０４２０号パンフレット

本発明の課題は、従来技術より偽造防止機能を強化したセキュリティー・ペーパーおよび有価証書を提案することである。

前記課題は独立請求項の特徴によって解決される。開発成果は従属請求項に記載されている。

本発明の基本概念は、完成した紙には形成することができない独特の凹凸を縁部に有する“窓開口部”をシート形成時、即ち、製紙段階において形成することである。前記凹凸は、縁部が鋭く切断されていないこと、縁部に繊維が不規則に集中していること、および繊維が開口部に突出していることを意味する。このような独特の縁部構造は肉眼でも概略チェックすることができ、拡大鏡によって詳しくチェックすることができる。

本発明の縁部構造により、前記のような開口部をペーパー・シートに打ち抜くことが完全に防止される。従って、前記のようにして形成された開口部は、製紙の段階で付加される透かし、あるいは製紙段階で埋め込まれるセキュリティー・スレッドと同等のセキュリティー価値を有している。

通常、セキュリティー・ペーパーは、幾つかのコピーが横に並べられた幅広のウェブとして形成される。前記ウェブは、完成後、例えば、６×９コピーのシートに切断される。前記シートが印刷され、次いで個々のコピーに切断される。

各々のコピーに貫通開口部を設けるためには、開口部を設ける必要がある正確な抄紙機のスクリーン表面領域にシートが形成されないようにするための対応する数の要素を備える必要がある。セキュリティー・ペーパーに更に透かしを付加する場合には、一般に、スクリーンが回転ドラムに取り付けられている、所謂“丸網式抄紙機”と呼ばれる抄紙機が使用される。この場合、前記開口部を透かし領域に設けることができる。

本発明によるセキュリティー・ペーパーは、製紙の段階で形成される少なくとも１つの貫通開口部を有している。前記開口部を形成するためには、各コピーに対応する不透水性の、好ましくは弾性を有するか、または移動可能に取り付けられた封止要素が、抄紙機のスクリーンに配されている必要がある。前記封止要素によって、当該領域におけるシートの形成が抑制される。シート形成時に、繊維が封止要素に堆積するのを防止するため、封止要素は紙表面から明らかに突出する高さを有していることが好ましい。しかし、ピックアップ・フェルトで覆われたテイクオフ・ロールによってペーパー・ウェブが転写される際、紙の破れを防止するため、まだ不安定なペーパー・ウェブの湿気とテイクオフ・ロールの湿気とが封止要素によって断たれないようにする必要がある。このため、本発明の封止要素は、テイクオフ・ロールによって略紙表面まで押下される高弾性材料から成っている。また、前記封止要素は、移動可能に取り付けられた、好ましくはテイクオフ・ロール自身の圧力、またはテイクオフ・ロール接触時に電子的に制御されることにより、略紙表面またはそれ以下まで押下される硬質プラスチックまたは金属要素とすることもできる。

前記開口部を形成するための別の有力な方法は、ラッカーのようなプラスチック材料によって前記スクリーン表面を封止することにより、本発明の封止要素と同様の機能を得ることである。別の方法として、ペーパー・ウェッブの厚さと比較してかなり高く突出している、開口部と同じ寸法を有する硬質封止要素を（例えば、半田付けによって）スクリーン表面に取り付けることができる。

場合により、排水低減構造体を封止要素の縁部に設けることにより、ペーパー・ウェブを定期的に切断することが有益である。これは、セキュリティー・ペーパーに主に使用される綿繊維が、封止要素に自由に付着する傾向があり、穴が形成されなくなるかまたは少なくとも穴の形成が困難になるためである。

前記水切れ抑制構造体は、例えば、本来の製紙スクリーンとは網目の大きさが異なる場合がある付加的スクリーン要素である、製紙スクリーン上の特別なエンボス、またはプラスチック構造体であってよい。基本的には、水切れを遅らせ開口部周囲に鮮やかなコロナを形成することができると考えられる任意の構造体を使用することができる。場合により、水切れ抑制構造体を使用するだけで充分な場合もある。例えば、ペーパー・ウェブをスクリーンから取り外すと、本発明の穴が形成されるような環状エンボスをデザインすることができる。

次いで、前記封止要素によって形成された開口部を有し、ピックアップ・フェルトに載せられたペーパー・ウェブは、その後のカレンダ加工、サイジング、乾燥等のステップによって自立型ペーパー・ウェブに処理される。穴の形成を促進するため、製紙の段階で付加的に使用される水切れ抑制構造体の他に、または構造体に代えて、紙が形成された後、例えば、打抜きまたは切断により、目的とする開口部に突出している繊維を除去しても差支えない。前記繊維は、製紙の段階で形成された穴の縁部が損なわれない程度か、または完全に除去しても差支えない。例えば、微細な繊維が不規則に突出している円形穴を形成する場合、目的とする穴より小さい直径の円形打抜型によって分散している繊維を除去することができる。その結果、場合により、製紙の段階で形成された穴の縁部の一部のみが常に識別可能となる。従って、本発明のセキュリティー・ペーパーは、打抜きまたは切断による輪郭が明確な開口部と異なり、縁部の少なくとも一部が不規則で手製の紙に似た特徴を有する少なくとも１つの開口部を有することになる。

前記開口部の繊維質の不規則的な縁部は視覚的に知覚可能であり、チェックが容易な正当性証明機能を果たす。偽造防止機能を更に強化する場合には、前記開口部の周囲に少なくとも１つの透かしを付加するか、または透かし領域に前記開口部を形成することができる。透かしの種類に応じ、製紙スクリーンに異なる手段を用意する必要がある。強い明/暗効果を有する二段透かしを形成する場合、金属線または（電気製版と呼ばれる）金型が製紙スクリーンに半田付けされる。しかし、多重透かしを形成する場合には、三次元レリーフが製紙スクリーンにエンボス加工される。透かしの形成には、スクリーンのエンボス加工と電気製版、あるいは封止化合物等のその他の手段とを組み合わせて使用されることもある。前記により得られた、セキュリティー・ペーパーの開口部を直接囲む明/暗転調によって、偽造は殆んど不可能である。

この場合、開口部の輪郭と有意味な関連を有するような形状に透かしを選定するか、または開口部と周囲の透かしとによって連結モチーフを形成することができる。

前記製紙スクリーンは丸網であることが好ましい。しかし、前記封止要素が弾力性を有しているか、または移動可能に取り付けられているため、本発明は長網抄紙機にも容易に使用することができる。

開口部によって有価証書の偽造防止または偽造を著しく困難にするという本発明の目的は、スクリーンに対応するエンボス加工を施すと共に/または電気製版による水切り障害要素によって、セキュリティー・ペーパーに比較的大きな薄い領域を形成し、その領域に本発明の開口部を形成し、薄いペーパー領域が開口部の少なくとも一部の周囲、好ましくはすべての周囲に延び、セキュリティー・ペーパーの透過観察において、薄いペーパー領域が周囲のペーパー・ウェブと対比して際立つようにすることによっても達成することができる。この場合、開口部は前記のように製紙の段階で形成することができる。しかし、開口部を直接囲む薄い紙領域の有無により偽造を識別することができるため、紙が完成した後に打抜きまたは切断、特にレーザー切断によって、セキュリティー・ペーパーを切断することも同様に可能である。

セキュリティー・ペーパーの薄い領域は厚さ均一であっても、多重透かしとして形成してもよい。セキュリティー・ペーパーが２つの紙層から成る場合には、１つの層、好ましくは厚さの大きい層に穴を形成し、次いで前記穴を第２紙層で覆うこともできる。最終的に、前記第２紙層に、前記第１紙層に形成した穴より小さい本発明の開口部が形成される。

セキュリティー・ペーパーが薄い層と厚い層の２つの紙層から成る場合には、本発明の穴は勿論薄い紙層に形成することもできる。

本発明の開口部は、ペーパー・バーによって互いに分離されている幾つかの部分開口部から成る開口部とすることができる。前記部分開口部は、任意の輪郭を有することができ、追加デサイン要素として用いられることが好ましい。特定の部分開口部を形成する場合、本発明の開口部を形成するための前記すべての方法を同様に用いることができる。

本発明の好ましい実施の形態によれば、前記開口部がセキュリティー・ペーパーに形成された後、少なくとも１つの表面に前記開口部を越えて延びるセキュリティー要素が配される。前記セキュリティー要素は単なる透明プラスチックであるか、または１つ以上の目視および/または機械検査可能なセキュリティー機能を有する多層セキュリティー要素としても差支えない。

前記セキュリティー機能は、反射または透過ホログラムのような回折構造体、反射によって観察可能な格子構造体またはボリューム・ホログラム、薄膜要素、あるいは偏光または干渉フィルターのようなフィルター要素を備えても差支えない。特にフィルター要素は、セキュリティー・ペーパーを折り曲げて、前記開口部をセキュリティー・ペーパーが備えている別のセキュリティー機能に一致させることにより、前記セキュリティー機能をチェックできる利点を有している。しかし、前記開口部領域に配されるセキュリティー要素は、セキュリティー機能として簡単なプリント模様またはモアレ・パターンを担持するものであってもよい。前記プリント模様に使用されるインクは、光学的可変物質、発光物質、導電物質、あるいは磁性物質を含んでいてもよい。光学的可変物質は、特に、干渉層顔料または液晶顔料であってよい。

前記セキュリティー機能に、幾つかの異なる色の金属を使用できるようにするメタライゼーションを含めることができる。前記金属層または回折構造体の反射層をラスタライズすることも可能である。勿論、任意の数の半透明層を使用することもできる。更に、前記セキュリティー機能は、打抜き穴またはレンズ構造体から成るものであってもよい。

前記セキュリティー要素が、カラー複写機による偽造を容易に識別できるようにするための充分な大きさの完全に透明な領域を有していることが好ましい。複製品はかかる透明領域を有していない。

前記セキュリティー要素は、例えば、自立型ラベル、または前記開口部を越えて一定長すべての方向に延びるエンボス加工ホイル要素として形成することができる。前記セキュリティー要素は、担持されるセキュリティー・ペーパー表面領域が窪んでいる場合、前記要素によって連続面となるため有利である。極端な場合、セキュリティー・ペーパー、または有価証書の表面全体をセキュリティー要素で覆うことができる。また、前記はセキュリティー・ペーパー、または有価証書の両面に施すことができる。

前記窪みは、セキュリティー要素の取付け以前に、セキュリティー・ペーパーの当該領域を圧縮することによって形成することができる。しかし、製紙の段階において、前記開口部を直接囲む領域のシートの形成を抑制し、当該領域を薄くすることによって前記窪みを形成することが特に簡単な方法である。

別の実施の形態によれば、前記セキュリティー要素をストリップ状に形成し、セキュリティー・ペーパーの長さまたは幅全体にわたり延長することができる。前記形態は、セキュリティー・ペーパーが切断される以前の無端状態にあるとき、セキュリティー要素が貼付される場合に特に有効である。この場合、前記セキュリティー要素をホットスタンピングによって連続的にセキュリティー・ペーパーに積層することができる。

前記セキュリティー要素の形状は任意である。例えば、前記開口部の形状と一致させるか、または前記開口部を囲む透かしと有意味な関連を持たせることができる。また、セキュリティー要素と透かしとによって連結モチーフを形成することもできる。従って、セキュリティー要素または開口部が円形を成し、透かし領域が前記開口部の周囲に放射状に配されている場合、前記セキュリティー要素または開口部と透かしとが一体となって、図案化された太陽のイメージを表すことができる。

セキュリティー要素領域に配されるセキュリティー機能についても前記と同様のことが言える。例えば、セキュリティー要素が、透かしと同じ形状のプリント模様をセキュリティー機能として担持することができる。

前記開口部および/またはセキュリティー要素は、円形、楕円形、矩形、不等辺四辺形、あるいは星形であってよい。前記以外の輪郭を有することも勿論できる。

前記開口部の両面にセキュリティー要素を配する場合、同一または同種の要素を配するか、または異なる要素を配することができる。以下の組合せが好ましい。

本発明のセキュリティー・ペーパーを更に加工することにより、銀行券、株券、身分証明書、クレジットカード、セキュリティー・ラベル、クーポン等、任意の有価証書を作成することができる。また、前記セキュリティー・ペーパーは、物品の偽造を防止する製品保護分野にも利用することができる。

図１は本発明の有価証書の平面図である。図示の例は銀行券１である。銀行券１は貫通開口部２を有している。前記開口部は銀行券１に使用されるセキュリティー・ペーパーの製造時に形成されたものであり、繊維質の不規則な縁部１４を有している。縁部１４は前記銀行券用の紙シート製造時に形成されたもので、前記用紙が完成した後に打抜きまたは切断によって形成することはできない。

図２は、図１の銀行券のＡ−Ａ線断面図である。図２により、開口部２が貫通開口部であることがはっきりと了解できる。

図３は、本発明のセキュリティー・ペーパー１０の製造に適する丸網式抄紙機３の概略図である。抄紙機３は製紙スクリーン４およびピックアップ・フェルト６が取り付けられているテイクオフ・ロール５を備えている。

製紙スクリーン４は、紙パルプ８に浸漬されたとき、シートの形成を抑制し、本発明の開口部２を形成するための封止要素７を備えている。封止要素７はテイクオフ・ロール５領域にあるペーパー・ウェブ１０の転写を妨げないよう形成されている。この時点では、ペーパー・ウェブ１０は依然として非常に不安定であり、かつ強度が低いため、ペーパー・ウェブ１０とピックアップ・フェルトとの間に張力が生じることなく接触する必要がある。

図４は、図３のＢで示す部分の詳細を示す拡大図である。図示の封止要素７はスクリーン４の表面に固定されている。前記要素は、瓶形要素とその瓶形要素に組み込まれている別の瓶形要素とから成っている。前記２つの要素は、端部領域が互いに当接するようスプリング９により付勢されている。

図５は封止要素７が押下された状態を示す図である。封止要素７はスプリング９の圧力に抗して付勢され、製紙スクリーン４の表面より下に押下されている。前記押下圧力がテイクオフ・ロール５によって生じることが好ましい。即ち、封止要素７がテイクオフ・ロール５に接触したとき下方に付勢されることにより、ペーパー・ウェブ１０がまったく歪曲せずにピックアップ・フェルトによって転写される。

図６は、本発明の製紙スクリーン４の別の実施の形態を示す、図３のＢで示す部分の拡大図である。この場合は、製紙スクリーン４が、封止要素７の周囲に透かしエンボス加工要素１１を更に有している。図示の例では、透かしエンボス加工要素が封止要素７の周囲に対象に配されている。しかし、別の任意の形態の透かしエンボス加工要素１１も可能である。透かしエンボス加工要素１１によって、シート形成時に異なる厚さの紙繊維が堆積するため、完成したペーパー・ウェブの当該部分が転調され、透かし特有の光反射/透過効果を示す。

図７は、図６の製紙スクリーン４を用いて形成したペーパー・ウェブ１０を示す図である。ペーパー・ウェブ１０は、封止要素７によって形成された開口部２を有している。しかし、転調されたペーパー領域１２は、透かしエンボス加工要素１１によって形成されたものである。以後“透かし１２”と呼ぶ前記ペーパー領域を開口部２に直接有意味に関連付けるか、または開口部２と透かし１２とによって、例えば、図８の平面図に示すようなモチーフを形成することができる。開口部２は円形輪郭を有し、放射状の透かし１２に囲まれ太陽のモチーフが形成されている。

図９は図１の有価証書の１の別の実施の形態を示す、図１のＡ−Ａ線断面図である。この実施の形態では、開口部２の一方の側がセキュリティー要素１３によって封止されている。セキュリティー要素１３は、前記開口部を囲む窪み１５に配されることが好ましい。窪み１５は、ペーバー・ウェブ１０を、後のカレンダ加工、即ち、紙繊維を圧縮することによって得られる。

別の方法として、当該部分の紙厚を実際に薄くすることによって窪み１５を形成することもできる。これは、製紙スクリーンを対応するよう構成し、当該領域のシートを薄く形成することにより、ペーパー・ウェブ１０の製造時に直接実施できる最も簡単な方法である。前記は、製紙スクリーン４の対応するエンボス加工要素１６によって得ることができる。

図４および５に示す封止要素７は、種々の方法で実現することができる。従って、テイクオフ・ロール５によって押下される発泡プラグによって前記と同様の封止要素を実現することが考えられる。前記要素は製紙スクリーン４に接着され、当該領域におけるシートの形成を抑制する。しかし、前記封止要素は、圧力によって圧縮され、その後、元の形状に戻る瓶形弾性要素によっても実現することができる。

セキュリティー要素１３は、単層または多層形態であって、少なくとも１つの紙またはプラスチック層を有している。セキュリティー要素１３は、開口部２の領域に、一方において複写防止機能を果たし、他方において、前記開口部の縁を両方の側から見えるようにするための比較的大きな透明領域を有していることが好ましい。更に、セキュリティー要素１３は、希望する任意のセキュリティー機能を備えることができる。

図１０は、本発明のセキュリティー・ペーパーの別の実施の形態を示す断面図である。ペーパー・ウェブ１０は、他の領域と比較して紙厚の薄い領域１６を有している。しかし、領域１６の紙厚は殆んど均一である。前記薄い領域１６は、対応するエンボス加工要素またはペーパー・ウェブ１０製造時の水切れ抑制体によって形成することができる。その後、前記薄い領域１６に本発明の開口部２が形成される。図１０において、前記開口部２の端部輪郭を破線１７で示す。本実施の形態の開口部２は、ペーパー・ウェブの領域１６に打抜きまたは切断によって形成することが好ましい。同時に、領域１６が開口部１６の少なくとも一部の周囲に延び、透過観察において、ペーパー・ウェブ１０の対応する真贋をチェックできるようにする必要がある。

図１１は、２つの紙層１８、１９から成る本発明のセキュリティー・ペーパーの別の実施の形態を示す図である。前記２つの紙層１８、１９は別の丸網で製造し、製紙スクリーンから移転した後に直接結合し、更に処理を施したものである。第１ペーパー・ウェブ１８には、丸網にシートを形成する際、前記補助要素によって穴２０が形成されている。前記２つのペーパー・ウェブ１８、１９が結合されるとき、前記穴２０の一方の側が再度封止される。前記セキュリティー・ペーパーが完成した後、本発明の開口部２が第２ペーパー・ウェブに形成される。図において、開口部２の縁部１７を破線で示す。この場合、前記開口部は切断または打抜きによって形成され、図１０の実施の形態同様、縁部１７、即ち開口部２のカットエッジが穴２０の領域内に配される必要がある。

図１２は本発明の有価証書１の別の実施の形態を示す平面図である。本実施の形態においては、開口部２がペーパー・バー２４によって分離された部分開口部２１、２２、２３から成っている。前記部分開口部２１、２２、２３は、これまで説明してきた実施の形態における開口部２と同様の方法で形成することができる。

本発明の有価証書の平面図。 図１の有価証書のＡ−Ａ線断面図。 本発明のセキュリティー・ペーパーを製造するための本発明の装置を示す図。 本発明の封止要素を示す図３のＢで示す部分の詳細図。 本発明の封止要素の別の実施の形態を示す図。 本発明の封止要素の周囲のスクリーンにエンボス加工を施した図３のＢで示す部分の詳細図。 図６の製紙スクリーンで製造したセキュリティー・ペーパーの断面図。 図７のセキュリティー・ペーパーの平面図。 本発明のセキュリティー要素の別の実施の形態を示す図１のＡ−Ａ線断面図。 本発明のセキュリティー・ペーパーの別の実施の形態の断面図。 本発明のセキュリティー・ペーパーの更に別の実施の形態の断面図。 本発明の有価証書の別の実施の形態を示す図。

符号の説明

１ 銀行券
２ 貫通開口部
３ 丸網式抄紙機
４ 製紙スクリーン
５ テイクオフ・ロール
６ ピックアップ・フェルト
７ 封止要素
８ 紙パルプ
９ スプリング
１０ ペーパー・ウェブ
１１ エンボス加工要素
１２ 透かし
１３ セキュリティー要素
１４ 不規則な縁部

Claims (10)

1. 貫通開口部を有するセキュリティー・ペーパーを製造する方法であって、
   縁部に紙パルプの堆積を防止する排水低減構造体を随意に設けた少なくとも１つの弾性封止要素、または移動可能に取付けられた封止要素を備える製紙スクリーンを提供するステップ、
   前記封止要素領域に貫通開口部を有するペーパー・ウェブを前記製紙スクリーンに形成するステップ、および
   前記封止要素を変形するか、または前記スクリーン領域内に押下することにより、前記ペーパー・ウェブを損傷しないようにするテイクオフ・ロールによって、前記ペーパー・ウェブを前記スクリーンから転写するステップ
   の各ステップを有して成ることを特徴とする方法。
2. 少なくとも１つの透かしが前記開口部の周囲に形成されることを特徴とする請求項１記載の方法。
3. 前記貫通開口部が、幾つかの部分開口部から成っていること特徴とする請求項１または２記載の方法。
4. 前記開口部が、前記セキュリティー・ペーパー製造後に、該ペーパーの少なくとも１つの表面に該開口部を越えて延びるセキュリティー要素によって封止されることを特徴とする請求項１〜３いずれか１項記載のペーパー。
5. 前記開口部に直接隣接する前記セキュリティー・ペーパー領域に、透かし技術によって窪みが形成されることを特徴とする請求項１〜４いずれか１項記載の方法。
6. 前記セキュリティー要素が、前記窪みに配されることを特徴とする請求項１〜５いずれか１項記載の方法。
7. 少なくとも１つの貫通開口部を有する銀行券、身分証明書等の有価証書を製造する方法であって、請求項１〜５いずれか１項記載のセキュリティー・ペーパーを製造し、該ペーパーを更なる製造ステップにより所定サイズのシートに切断し、印刷を施し、最終的に個別に切断することにより有価証書を製造することを特徴とする方法。
8. 貫通開口部を有するセキュリティー・ペーパーを製造するための製紙スクリーンであって、縁部に紙パルプの堆積を防止する排水低減構造体を随意に設けた少なくとも１つの弾性封止要素、または移動可能に取付けられた封止要素を備えており、
   前記封止要素が、表面から突出している金属またはプラスチック要素であり、対応する圧力作用により前記表面下に押下されるスプリングを備えていることを特徴とするスクリーン。
9. 前記封止要素が、表面から突出している自在に変形可能なプラスチック要素であることを特徴とする請求項８記載のスクリーン。
10. 丸網であることを特徴とする請求項８または９記載の製紙スクリーン。

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