JP7204111B2 - 窓を有する偽造防止媒体及びその作製方法 - Google Patents
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Description
本発明において基材(2)は、繊維を有する紙であり、基材(2)を構成する繊維の種類は、特に限定されるものでなく、各種木材を原料とするKP、SP等化学パルプ、GP、TMP、CTMP等機械パルプ、古紙再生パルプ等を使用することができる。また、イネ、アバカ、木綿、ケナフ、みつまた、竹等の非木材も使用することができる。また、後述する偽造防止媒体(1)の作製方法である超音波加工の際に生じる熱によって、溶融しない化学繊維、例えば、レーヨン繊維、ガラス繊維等であってもよい。これらの繊維を単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。なお、紙の材料として一般的に用いられるサイズ剤、紙力増強剤等の薬品、顔料、添料は、必要に応じて配合してもよい。また、紙の色については、赤、青、黄、緑等、特に限定されるものではなく、白色でもよい。また、以上の構成で成る紙の表面に、印刷適性や表面光沢を向上させるための塗工材料が施されたものでもよい。
図2は、図1のA-A’線における断面図である。本発明の偽造防止媒体(1)おいて、窓(10)は、基材(2)の一部が貫通して孔が開いた状態の開口部(11)が、基材(2)の表裏に積層された熱可塑性樹脂層(12)によって覆われることで形成される。本発明において窓(10)及び透かし模様(15)を形成するための超音波加工の詳細については後述するが、超音波加工によって窓(10)を形成する場合、加工部において、基材(2)を構成する繊維が超音波加工による振動で金型の端に寄せられることで開口部(11)が形成されると同時に、繊維の密度の高い領域(S)が形成される。また、基材(2)の表裏に積層した熱可塑性樹脂層(12)が接着することで、図2に示す構成の窓(10)が形成される。このため、超音波加工によって窓(10)を形成する場合、基材(2)には、繊維を含んで成る紙を用いる。
本発明において、熱可塑性樹脂層(12)は、透明又は半透明な熱可塑性樹脂から成る材料によって構成され、熱可塑性樹脂層(12)は窓(10)の奥側が透けて見えれば、着色されていてもよいが、無色透明の方が、奥側を透かして見る際に視認性がよいことから好ましい。
図3は、本発明の偽造防止媒体(1)が備える窓(10)及び透かし模様(15)を形成するための超音波加工機(30)の模式図である。超音波加工機(30)は、図3に示すように、ホーン(31)、アンビル(33)及びアンビル(33)を固定する台座(34)によって構成される。ホーン(31)とアンビル(33)は金属製であり、アンビル(33)の上には、開口部(11)、すなわち窓(10)及び透かし模様(15)形状に対応した凸形状の金型(32)が設けられている。なお、超音波加工機(30)は、枚葉紙に加工を行うスタンプ型と、連続紙に加工を行うミシン方式があるが、いずれの加工機を用いてもよい。
本発明において、基材(2)に形成される開口部(11)の数、すなわち窓(10)の数は、図1に示すように、一つだけ設けてもよく、図8に示すように、複数設けてもよい。また、本発明の第1の実施の形態において開口部(11)の形状は、「円形状」に限定されるものではなく、図9(a)に示すような「星型」、図9(b)に示すような「数字」、図9(c)に示すような「文字」等であってもよい。また、図9(a)から図9(c)までに示すように、開口部(11)によって図柄を形成する構成とは異なり、図9(d)に示すように、開口部(11)を設けることで残った基材(2)によって、図柄を形成してもよく、図9(d)は、「JAPAN」の文字の背景を開口部(11)とし、残った基材(2)によって、「JAPAN」の文字を形成した例を示している。
本発明において、透かし模様(15)の形状は、図1に示す「ドーナツ形状」に限定されるものではなく、文字、数字、記号、マーク等の他の模様であってもよい(図示せず)。また、基材(2)に透かし模様(15)を形成する領域は、熱可塑性樹脂層(12)が積層された領域に限定されるものではなく、基材(2)自体に直接、超音波加工を行って、透かし模様(15)を形成してもよいし、これらの複数の領域に形成してもよい。また、透かし模様(15)は、金型(32)が備える第2の凸部(32B)の高さ(h2)を部分的に異ならせることで、基材(2)の厚さが部分的に異なって成る透かし模様(15)を形成してもよく、この場合、透過光下で基材(2)の厚さの差によって濃淡が生じ、階調のある透かし模様(15)が視認できる。
本発明の偽造防止媒体(1)において、透かし模様(15)と窓(10)の形状によって合成模様を形成してもよく、それらの一例について説明する。図10(a)は、合成模様が「三角形」であって、透かし模様(15)が合成模様の一部である「下側の台形」を構成し、窓(10)が残りの一部を構成した例である。図10(b)は、合成模様が「100」の文字であって、窓(10)が合成模様の一部である「1」の文字を構成し、透かし模様(15)が残りの文字である「00」を構成した例である。図10(c)は、合成模様として、透かし模様(15)を「星型」の形状とし、その輪郭を窓(10)の形状として施した例である。なお、窓(10)が「星型」の形状であって、その輪郭を透かし模様(15)の形状として施してもよい(図示せず)。図10(d)は、合成模様が「5枚の桜の花びら」であって窓(10)が、「3枚の桜の花びら」を構成し、透かし模様(15)が「2枚の桜の花びら」を構成した例である。この形態において合成模様とは、一つの有意な情報が、別々に形成された透かし模様(15)と窓(10)によって構成された一つの模様のことであり、合成模様が現す情報は、図10に示す図柄や文字等に限定されるものではない。ここでは、図10(a)から図10(d)に示す合成模様の例について説明したが、窓(10)と、熱可塑性樹脂(12)が積層されていない基材(2)に形成された透かし模様(15)によって合成模様を形成してもよい。
開口部(11)、すなわち窓(10)の形状の変形例の構成を備えた偽造防止媒体(1)は、窓(10)を認証することで、真偽判別が可能であることに加えて、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)又はそれによる模様を認証することでも、真偽判別を行うことができる。また、窓(10)の形状の変形例の構成を備えた偽造防止媒体(1)においても、超音波加工による一つの工程により、透かし模様(15)と窓(10)の作製ができることから、製造性に優れる。
実施例1は、基材(2)の表裏にフィルムを積層して超音波加工を行って窓(10)を形成した例である。以下、実施例1の偽造防止媒体(1)の詳細について説明する。
実施例2は、実施例1の偽造防止媒体(1)に対して、窓(10)と透かし模様(15)により合成模様を形成した構成である。合成模様は、図19に示すように、「鳳凰」の図柄であり、窓(10)によって「胴体と羽根の一部」を構成し、透かし模様(15)によって「羽根の一部」を構成した。なお、第1の凸部(32A)の高さ(h1)は、500μmとし、第2の凸部(32B)の高さ(h2)は、400μmとし、実施例1と同じ加工条件で超音波加工を行った。
実施例3は、窓(10)の形状の変形例として、図14(a)に示す開口部(11)によって囲まれた基材(2’)を備え、開口部(11)によって囲まれた基材(2’)に透かし模様(15)を形成した偽造防止媒体(1)の例である。なお、基材(2)及び熱可塑性樹脂層(12)の構成については、実施例1と同じであるため、説明を省略する。
2 基材
2’ 開口部によって囲まれた基材
10 窓
11 開口部
12 熱可塑性樹脂層
15 透かし模様
20 輪郭部
21 輪郭要素
30 超音波加工機
31 ホーン
32 金型
32A 第1の凸部
32a 凹形状の領域
32B 第2の凸部
33 アンビル
34 台座
S 繊維の密度が高い領域
H 繊維の密度が高い領域の厚さ
Claims (3)
- 繊維を有して成る基材に、少なくとも一つの開口部を備え、前記開口部が、前記基材の表裏に積層された熱可塑性樹脂層によって覆われて成る窓が形成され、前記基材は、前記開口部によって全周が囲まれた領域を有し、前記窓の輪郭の少なくとも一部に沿って、部分的に繊維の密度が高い領域が形成され、前記開口部によって囲まれた前記領域に、前記繊維同士が密着され、前記基材よりも厚さが薄く密度が高いことで、前記基材よりも光透過性の高い透かし模様が形成されたことを特徴とする窓を有する偽造防止媒体。
- 前記開口部によって囲まれた基材、前記透かし模様及び前記窓により、合成模様が形成されたことを特徴とする請求項1記載の窓を有する偽造防止媒体。
- 繊維を有する基材の表裏に、熱可塑性樹脂層を積層し、前記熱可塑性樹脂層が積層された領域に、凸形状の第1の凸部及び前記第1の凸部よりも高さが低い第2の凸部を有する金型を用いて超音波加工を行うことで、前記第1の凸部に対応した前記基材において、前記基材を構成する繊維を前記第1の凸部の周囲に寄せることで、前記基材の一部が貫通した少なくとも一つの開口部を形成するとともに、前記基材の表裏に積層した熱可塑性樹脂層によって、前記開口部を覆った窓を形成し、前記第2の凸部により、前記繊維同士が密着され、前記基材よりも厚さが薄く密度が高いことで、前記基材よりも光透過性の高い透かし模様を形成することを特徴とする窓を有する偽造防止媒体の作製方法。
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